JPH08284611A - 抽気蒸気タービンにおける発電制御方法及び装置 - Google Patents

抽気蒸気タービンにおける発電制御方法及び装置

Info

Publication number
JPH08284611A
JPH08284611A JP11024695A JP11024695A JPH08284611A JP H08284611 A JPH08284611 A JP H08284611A JP 11024695 A JP11024695 A JP 11024695A JP 11024695 A JP11024695 A JP 11024695A JP H08284611 A JPH08284611 A JP H08284611A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steam
extraction
output
generator
enthalpy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11024695A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukio Kanai
幸夫 金井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP11024695A priority Critical patent/JPH08284611A/ja
Publication of JPH08284611A publication Critical patent/JPH08284611A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Turbines (AREA)
  • Control Of Eletrric Generators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 抽気流量分配率を制御し、発電プラント全体
としての有効電力の増大を可能にする。 【構成】 高圧蒸気エンタルピー演算器2で高圧蒸気エ
ンタルピーを、抽気蒸気エンタルピー演算器3で抽気蒸
気のエンタルピーを求め、前記2種のエンタルピーに基
づいて高圧段抽気出力演算器4で抽気出力を求め、復水
量演算器8で復水器の復水エンタルピーを算出し、この
復水エンタルピー及び前記抽気出力を基に発電機効率演
算器13で各発電機の効率ηを求め、この発電機効率η
及び前記抽気出力に基づいて各発電機の出力G1,G2
発電機出力演算器14で算出し、これら発電機出力から
並列運転中の発電機の合計発電機出力G3を求め、この
合計発電機出力G3が最大になるように抽気蒸気の流量
を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抽気蒸気タービンを駆
動源とする発電機の制御方法に関し、特に、各々に発電
機が連結された複数の抽気蒸気タービンを並列運転して
発電を行う際の発電制御方法及び装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】蒸気発電プラントにおいては、蒸気ター
ビンを駆動源として、その回転軸に直結された発電機を
回転させることにより発電が行われる。このために用い
られる抽気蒸気タービンは、高圧タービン部と低圧ター
ビン部を備えて構成されている。まず、高圧タービン部
に高圧蒸気を供給して第1の発電機を回転させ、高圧タ
ービン部内を経由する過程で低圧蒸気になる。この低圧
蒸気の一部は抽出されて抽気蒸気として、暖房等に有効
利用される。残りの蒸気は、低圧タービン部へ供給さ
れ、第2の発電機を回転させるために用いられる。低圧
タービン部から排出された蒸気は復水器へ供給され、こ
の復水器によって蒸気は水に戻される。
【0003】ところで、従来の蒸気発電プラントにあっ
て、その抽気流量に対する制御は、単独運転制御により
抽気圧力を一定にする制御または抽気流量を一定にする
制御であり、変動する必要抽気流量に対しては、設備能
力の範囲内で分配する制御方法が採用されている。
【0004】なお、蒸気タービンの制御に関しては、例
えば、特開平4−50409号公報に示される「蒸気圧
力制御装置」がある。ここに示される技術は、タービン
の低圧側の圧力を検出して減圧装置への蒸気流量指令を
出力する出力制御器と、その指令を受けて減圧装置の蒸
気流量を制御し、負荷が増加する時には効率の低い減圧
装置側に運転タイミングを決定するためのターンアップ
信号を出力する流量制御器とにより制御装置を構成して
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したよう
に、変動する必要抽気流量に対して設備範囲内で分配す
る制御方法は、単独運転では問題ないが、複数台の並列
運転においては、各抽気蒸気タービンに与えられる高圧
蒸気条件、抽気蒸気条件、復水器条件、各タービンの効
率の操業条件差から同一抽気流量においても分配割合に
よって合計発電出力が変化し、有効電力に損失が生じる
という問題がある。
【0006】そこで、本発明は、抽気流量分配率を制御
し、発電プラント全体としての有効電力の増大を可能に
する抽気蒸気タービンにおける発電制御方法及び装置を
提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に示した発明は、抽気蒸気タービンの各
々に供給する蒸気の圧力及び温度に基づいて蒸気エンタ
ルピーを算出し、抽気蒸気の圧力及び温度に基づいて抽
気蒸気のエンタルピーを算出し、この抽気蒸気エンタル
ピー及び前記蒸気エンタルピーに基づいて抽気出力を算
出し、復水器に対する冷却水の温度、流量及び蒸気復水
量に基づいて復水エンタルピーを算出し、この復水エン
タルピー及び前記抽気出力を基に各発電機の効率を算出
し、この発電機効率及び前記抽気出力に基づいて各発電
機の出力を算出し、これら発電機出力に基づいて並列運
転中の発電機の合計発電機出力を求め、この合計発電機
出力が最大になるように抽気蒸気の流量を制御するよう
にしている。
【0008】更に、請求項2に示した発明は、高圧蒸気
流量の測定値に基づいて前記抽気蒸気タービンの抽気蒸
気量を算出する抽気量演算手段と、前記抽気蒸気タービ
ンの各々の高圧段の蒸気エンタルピー及び抽気段の蒸気
エンタルピーを各段における蒸気の圧力測定値及び温度
測定値を基に算出する蒸気エンタルピー演算手段と、前
記抽気量演算手段による抽気量に基づいて復水器におけ
る復水量を算出する復水量演算手段と、この復水量演算
手段による復水量算出値及び熱貫流率に基づいて復水器
飽和温度を求め、この復水器飽和温度に基づいて復水器
の復水エンタルピーを算出する復水エンタルピー演算手
段と、この復水エンタルピー演算手段による復水エンタ
ルピー及び前記抽気蒸気エンタルピーに基づいて抽気蒸
気タービンの低圧段軸端出力を算出する低圧段軸端出力
演算手段と、この低圧段軸端出力演算手段による低圧段
軸端出力及び高圧段の抽気出力に基づいて発電機の発電
機効率を算出する発電機効率演算手段と、この発電機効
率演算手段による発電機効率のほか前記高圧段の抽気出
力及び前記低圧段軸端出力の各々に基づいて発電機の出
力を算出する発電機出力演算手段と、この発電機出力演
算手段による発電機出力が適正範囲内であるときに該発
電機出力を記憶する記憶手段とからなる制御部を抽気蒸
気タービン毎に備えるほか、発電機毎に得られる発電機
出力を基に合計の発電機出力を求め、この合計発電機出
力が最大となるような抽気流量を算出する演算部と、こ
の演算部による演算結果に基づいて抽気蒸気タービンの
抽気蒸気量を調節する抽気制御手段とを具備する構成に
している。
【0009】
【作用】請求項1に係る抽気蒸気タービンにおける発電
制御方法によれば、抽気蒸気タービンに対する主蒸気圧
力及び主蒸気温度により主蒸気のエンタルピーが算出さ
れ、抽気圧力及び抽気温度から抽気蒸気のエンタルピー
が求められ、復水器の冷却水温度及び冷却水流量から復
水のエンタルピーが算出される。また、抽気蒸気量を変
動させた場合の夫々の流量におけるエンタルピー変化が
算出され、更に、主蒸気及び抽気蒸気のエンタルピーか
ら求められる熱落差及び発電機効率から各発電機の出力
が算出され、これを基に並列運転している発電機のトー
タルの発電出力が求められ、この合計発電出力が最大に
なるように抽気蒸気の流量を制御される。この結果、抽
気流量の分配率が制御できるようになり、発電プラント
全体としての有効電力を増大させることができる。
【0010】請求項2に係る抽気蒸気タービンにおける
発電制御装置によれば、抽気量演算手段により高圧蒸気
流量から抽気量が求められ、この抽気量から高圧蒸気エ
ンタルピーが算出される。また、エンタルピー演算手段
では、抽気圧力及び抽気温度から抽気蒸気エンタルピー
が算出される。更に、復水量演算手段によって抽気量を
基に復水量が算出され、この復水量及び別途求めた熱貫
流率から復水器飽和温度演算手段により復水器の飽和温
度が求められる。この飽和温度を用いて復水エンタルピ
ー演算手段によって復水エンタルピーが算出され、この
復水エンタルピー及び抽気蒸気エンタルピーを基に低圧
段軸端出力演算手段で低圧段軸端出力が求められる。ま
た、低圧段軸端出力及びタービン高圧段の抽気出力を用
いて、発電機効率演算手段により発電機の効率が算出さ
れ、この発電機効率と高圧段抽気出力及び低圧段軸端出
力に基づいて発電機出力演算手段により運転中の発電機
出力が求められる。以上の構成及び処理はタービン毎に
設けられ、最終的には各々の発電機についての発電機出
力が算出され、これらの総和が合計発電機出力として求
められ、この合計発電機出力が最大になるような抽気蒸
気流量の制御が演算部及び抽気制御手段によって行われ
る。このような構成により、抽気流量の分配率を制御で
き、発電プラント全体としての有効電力を増大させるこ
とができるようになる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0012】図1は本発明による発電制御装置を示すブ
ロック図であり、図2は本発明を適用した蒸気発電プラ
ントの概略構成を示す系統図である。また、図3は本発
明方法を説明するフローチャートである。
【0013】まず、図2の構成について説明する。抽気
蒸気タービンは、1号タービン21と2号タービン22
から成る。1号タービン21は高圧タービン部21a及
び低圧タービン部21bを備え、2号タービン22は高
圧タービン部22a及び低圧タービン部22bを備えて
いる。また、1号タービン21の出力段には排気管23
を介して復水器24が接続され、同様に、2号タービン
22の出力段には排気管25を介して復水器26が接続
されている。
【0014】更に、1号タービン21に高圧蒸気q1
供給する蒸気管27には、高圧蒸気流量計28、高圧蒸
気圧力計29、及び高圧蒸気温度計30の各々が取り付
けられ、高圧蒸気q1の蒸気流量、蒸気圧力及び蒸気温
度が測定される。抽気は高圧タービン部21aから行わ
れ、抽気管31には、抽気蒸気温度計32及び抽気蒸気
流量計33が取り付けられ、抽気蒸気の蒸気温度及び蒸
気流量が測定される。抽気管31は1号ヘッダ34に接
続され、この1号ヘッダ34にはボイラヘッダ35が接
続されている。各計器の出力ラインは1号抽気制御装置
36に取り込まれ、各測定情報は各種の演算に用いられ
る。また、1号抽気制御装置36は、高圧タービン部2
1aから低圧タービン部21bへの送気量を調節するた
めの調節弁37を制御する。更に、復水器24の冷却水
系路38には、冷却水量計39及び冷却水温度計40が
取り付けられている。
【0015】以上は1号タービン21に関する構成であ
るが、この1号タービン系と2号タービン系は全く同じ
構成であり、2号タービン22に高圧蒸気q1を供給す
る蒸気管41には、高圧蒸気流量計42、高圧蒸気圧力
計43、及び高圧蒸気温度計44の各々が取り付けられ
ている。高圧タービン部22aからは抽気が行われ、そ
の抽気管45には、抽気蒸気温度計46及び抽気蒸気流
量計47が取り付けられている。抽気管45は2号ヘッ
ダ48に接続され、この2号ヘッダ48にはボイラヘッ
ダ35が接続されている。また、復水器26の冷却水系
路49には、冷却水量計50及び冷却水温度計51が取
り付けられている。
【0016】以上の2号タービン系における各計器の出
力ラインは2号抽気制御装置52に取り込まれ、各測定
情報は各種の演算に用いられる。また、2号抽気制御装
置52は、高圧タービン部22aから低圧タービン部2
2bへの送気量を調節するための調節弁53の制御を行
っている。
【0017】1号抽気制御装置36及び2号抽気制御装
置52は図1に示す構成による発電制御装置54によっ
て管理され、更に、発電制御装置54には上位コンピュ
ータである計算機56が接続されている。また、発電制
御装置54には動作状況を把握するための表示装置(C
RT)57のほか、プリンタ等(不図示)が接続されて
いる。
【0018】以上の構成において、不図示のボイラ(又
は過熱器)からの高圧蒸気は、蒸気管27及び蒸気管4
1を介して1号タービン21及び2号タービン22の高
圧タービン部21a,22aに供給される。蒸気管27
及び蒸気管41の端部は、タービンのノズルに連結さ
れ、このノズルからタービンの動翼及び静翼(又は案内
羽根)に対して高圧蒸気が噴射され、各々のタービンの
可動体(動翼及び回転軸)が回転する。
【0019】なお、抽気は抽気管31及び抽気管45を
通して行われ、更に、抽気は1号ヘッダ34及び2号ヘ
ッダ48を経由してボイラーヘッダ35へ送気される。
この場合の抽気制御は、1号抽気制御装置36及び2号
抽気制御装置52によって調節弁37,53を調節する
ことにより行われる。また、低圧タービン部21a,2
2bから排出された低圧蒸気は、排気管23,25を介
して復水器24,26へ回収され、水に戻される。
【0020】次に、図1に示す発電制御装置の構成につ
いて説明する。
【0021】発電制御装置54は、1号タービン系制御
部100と2号タービン系制御部200、及び両系に共
通な演算部300から構成されている。1号タービン系
制御部100に対し、2号タービン系制御部200は2
号抽気量演算器16が追加された構成に相違があるほか
は同一であるので、ここでは1号タービン系制御部10
0についてのみ詳細構成を図示する。また、2号タービ
ン系制御部200については、2号抽気量演算器16の
みについて説明する。
【0022】1は抽気量演算器であり、高圧蒸気流量計
28の測定結果を用いて1号タービンの抽気量Q1を算
出する。2は高圧蒸気エンタルピー演算器であり、高圧
蒸気圧力計29の出力及び高圧蒸気温度計30の出力に
基づいて高圧蒸気エンタルピーI1を算出する。3は抽
気蒸気エンタルピー演算器であり、抽気量Q1に基づい
て抽気エンタルピーI2を算出する。
【0023】4は高圧段抽気出力演算器であり、抽気量
演算器1及び高圧蒸気エンタルピー演算器2のほか抽気
蒸気エンタルピー演算器3に接続され、この高圧段抽気
出力演算器4によって高圧段軸端出力L1が演算され
る。5は冷却水温度補正係数演算器であり、冷却水温度
計40で得られた冷却水温度に基づいて冷却水温度補正
係数C1が算出される。6は冷却水流速演算器であり、
冷却水量計39の出力値を用いて冷却水の流速V1が算
出される。冷却水温度補正係数演算器5及び冷却水流速
演算器6には熱貫流率演算器7が接続され、冷却水温度
補正係数C1及び流速V1に基づいて熱貫流率H1が算出
される。
【0024】8は復水量演算器であり、抽気量演算器1
に接続されて抽気量Q1を基に復水量Q2の算出が行われ
る。熱貫流率演算器7及び復水量演算器8には復水器飽
和温度演算器9が接続され、復水器飽和温度T1が算出
される。更に、復水器飽和温度演算器9には、復水エン
タルピー演算器10及び真空度演算器11が接続されて
いる。復水エンタルピー演算器10は復水エンタルピー
3を算出し、真空度演算器11は復水器飽和温度T1
基づいて真空度P1が算出される。
【0025】12は低圧段軸端出力演算器であり、抽気
蒸気エンタルピー演算器3及び復水エンタルピー演算器
10に接続され、抽気エンタルピーI2及び復水エンタ
ルピーI3に基づいて低圧段軸端出力L2が算出される。
13は発電機効率演算器であり、高圧段抽気出力演算器
4及び低圧段軸端出力演算器12に接続されて、高圧段
軸端出力L1及び低圧段軸端出力L2に基づいて発電機効
率η1が算出される。14は発電機出力演算器であり、
高圧段抽気出力演算器4及び低圧段軸端出力演算器12
のほか発電機効率演算器13に接続され、高圧段軸端出
力L1及び低圧段軸端出力L2のほか発電機効率η1に基
づいて発電機出力G1が算出される。15は記憶部であ
り、発電機出力G1を記憶するために用いられる。記憶
部15には、半導体メモリや磁気記憶媒体(フロッピー
ディスク、ハードディスク等)を用いた記憶装置が用い
られる。
【0026】なお、2号タービン系制御部200におい
ては、2号抽気量演算器16が追加された構成になって
いる。2号抽気量演算器16は抽気量演算器1から与え
られる1号タービンの抽気量Q1を基に2号タービンの
抽気量Q3を求め、これを高圧段抽気出力演算器4及び
復水量演算器8に相当する演算器に供給し、2号タービ
ンの高圧段抽気出力L3及び復水量T2を算出する。
【0027】演算部300には、1号タービン系の真空
度P1と発電機出力G1の他、2号タービン系の真空度P
2及び発電機出力G2が印加され、発電機出力G1,G2
基づいて合計の発電機出力G3(1号発電機出力G1+2
号発電機出力G2)を演算し、この合計発電機出力G3
対応する合計発電機出力Q3を出力する機能を有してい
る。
【0028】次に、図3を参照して本発明の発電制御方
法について説明する。なお、図中、“S”はステップを
意味している。
【0029】まず、高圧蒸気エンタルピー演算器2を用
いて高圧蒸気圧力計29による高圧蒸気圧力値及び高圧
蒸気温度計30による高圧蒸気温度値に基づいて高圧蒸
気エンタルピーI1を算出すると共に、抽気蒸気エンタ
ルピー演算器3により抽気エンタルピーI2を算出する
(S301)。ついで、高圧蒸気エンタルピーI1、及
び抽気エンタルピーI2及び1号タービンの抽気量Q1
各々に基づいて高圧段抽気出力演算器4により、高圧段
抽気出力L1を算出する(S302)。
【0030】また、1号タービンの抽気量Q1及び冷却
水流速演算器6で算出した冷却水の流速V1に基づいて
熱貫流率演算器7により熱貫流率H1を算出する(S3
03)。この後、1号タービンの抽気量Q1を基に復水
量演算器8による復水量Q2の算出(S304)、復水
量Q2及び熱貫流率H1を基に復水器飽和温度演算器9に
よる復水器飽和温度T1の算出(S305)、復水器飽
和温度T1を基に復水エンタルピー演算器10による復
水エンタルピーI3の算出(S306)が順次実行され
る。
【0031】更に、1号タービンの抽気量Q1及び高圧
段抽気出力L1を基に低圧段軸端出力演算器12により
低圧段軸端出力L2が算出され(S307)、この低圧
段軸端出力L2及び高圧段抽気出力L1に基づいて発電機
効率演算器13により1号発電機の効率η1が算出され
る(S308)。続いて発電機出力演算器14により、
発電機効率η1と高圧段抽気出力L1及び低圧段軸端出力
2を用いて1号発電機の出力G1が算出される(S30
9)。発電機出力演算器14では、算出した発電機出力
1の値が適正範囲内であるか否かを判定し(S31
0)、適正範囲内にあれば算出した発電機出力G1をメ
モリに記憶する(S312)。また、発電機出力G1
適正範囲外であれば、再計算を実行し(S311)、そ
の値について適正範囲内にあるか否かを再度判定する
(S310)。
【0032】S312による処理が終了すると、2号タ
ービン系に対する処理が行われる。この処理はS313
及びS301〜309に相当する(ここではS314と
している)ものであり、各種の演算内容は同一である
が、温度や圧力値などが、高圧蒸気流量計42、高圧蒸
気圧力計43、高圧蒸気温度計44、抽気蒸気温度計4
6及び抽気蒸気流量計47の各々に基づいて行われる点
に相違がある。また、1号タービンの抽気量Q1に代え
てS313で求められた2号タービンの抽気蒸気量Q3
を用いて2号タービンの高圧段抽気出力、復水量等が算
出される。
【0033】S314の処理が終了して2号発電機の発
電機出力G2が求められると、その値が適正範囲内にあ
るか否かが判定され(S315)、適正範囲内にあれば
算出した発電機出力G2をメモリに記憶し(S31
6)、適正範囲外であれば再計算を実行する(S31
7)。発電機出力G1,G2が求められると、これらを基
に演算部300で合計の発電機出力G3が算出される
(S318)。この時、合計発電機出力G3が最大とな
るような2号タービンの抽気蒸気量Q3が算出され(S
319)、この抽気蒸気量Q3により2号抽気制御装置
52が駆動され、更に調節弁53が制御される。
【0034】なお、上記の処理を実行するに際し、真空
度演算器11によって求められた真空度P1が適正範囲
外であることが判定された場合、S306以降の処理は
行わず、抽気量演算器1の抽気量Q1を〔Q1+1〕にし
て再計算する(なお、この処理については、図3では不
図示)。
【0035】なお、上記実施例においては、合計発電機
出力G3が最大となるような2号タービンの抽気蒸気量
3を求めるものとしたが、逆に、発電機出力G3が最大
となるような1号タービンの抽気蒸気量Q1を求めても
よい。この場合、2号タービンの抽気蒸気量Q3を基に
1号タービンの抽気蒸気量Q1を求め、まず、S314
〜S316の処理を先行して行った後、ついでS301
〜312の処理を行うことになる。
【0036】図4は本発明による発電制御(実施例)と
従来の発電制御(比較例)の比較結果を示す説明図であ
る。図4から明らかなように、1号タービンと2号ター
ビンにおける抽気量の分配が発電機出力に応じて最適に
行われた結果、発電機出力の合計が増加していることが
わかる。
【0037】〔発明と実施例の対応〕以上の実施例にお
いて、抽気量演算器1が抽気量演算手段に相当し、高圧
蒸気エンタルピー演算器2及び抽気蒸気エンタルピー演
算器3が蒸気エンタルピー演算手段に相当し、復水量演
算器8が復水量演算手段に相当する。また、復水エンタ
ルピー演算器10が復水エンタルピー演算手段に相当
し、低圧段軸端出力演算器12が低圧段軸端出力演算手
段に相当し、発電機効率演算器13が発電機効率演算手
段に相当し、発電機出力演算器14が発電機出力演算手
段に相当する。更に、記憶部15が記憶手段に相当し、
演算部300が演算部に相当し、1号抽気制御装置36
に取り込まれ、各測定情報は各種の演算に用いられる。
また、1号抽気制御装置36及び2号抽気制御装置52
が抽気制御手段に相当する。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1及び2に
示した本発明は、抽気量、各種エンタルピー、復水量、
熱落差等を用いて最終的に運転中の発電機出力を求め、
更に運転中の発電機出力の合計を算出し、この合計発電
機出力が最大となるように抽気流量を制御するようにし
たので、抽気流量の分配率が制御できるようになり、発
電プラント全体としての有効電力を増大させることが可
能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による発電制御装置を示すブロック図で
ある。
【図2】本発明を適用した蒸気発電プラントの概略構成
を示す系統図である。
【図3】本発明方法を説明するフローチャートである。
【図4】本発明による発電制御(実施例)と従来の発電
制御(比較例)の比較結果を示す説明図である。
【符号の説明】
1 抽気量演算器 2 高圧蒸気エンタルピー演算器 3 抽気蒸気エンタルピー演算器 4 高圧段抽気出力演算器 5 冷却水温度補正係数演算器 6 冷却水流速演算器 7 熱貫流率演算器 8 復水量演算器 9 復水器飽和温度演算器 10 復水エンタルピー演算器 12 低圧段軸端出力演算器 13 発電機効率演算器 14 発電機出力演算器 15 記憶部 21 1号タービン 22 2号タービン 21a,22a 高圧タービン部 21b,22b 低圧タービン部 24,26 復水器 54 発電制御装置 36 1号抽気制御装置 37,53 調節弁 52 2号抽気制御装置 100 1号タービン制御部 200 2号タービン制御部 300 演算部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々に発電機が連結された複数の抽気蒸
    気タービンを並列運転する蒸気発電プラントにおいて、 前記抽気蒸気タービンの各々に供給する蒸気の圧力及び
    温度に基づいて蒸気エンタルピーを算出し、抽気蒸気の
    圧力及び温度に基づいて抽気蒸気のエンタルピーを算出
    し、この抽気蒸気エンタルピー及び前記蒸気エンタルピ
    ーに基づいて抽気出力を算出し、復水器に対する冷却水
    の温度及び流量ならびに蒸気復水量に基づいて復水エン
    タルピーを算出し、この復水エンタルピー及び前記抽気
    出力を基に各発電機の効率を算出し、この発電機効率及
    び前記抽気出力に基づいて各発電機の出力を算出し、こ
    れら発電機出力に基づいて並列運転中の発電機の合計発
    電機出力を求め、この合計発電機出力が最大になるよう
    に抽気蒸気の流量を制御することを特徴とする抽気蒸気
    タービンにおける発電制御方法。
  2. 【請求項2】 各々に発電機が連結された複数の抽気蒸
    気タービンを並列運転する蒸気発電プラントにおいて、 高圧蒸気流量の測定値に基づいて前記抽気蒸気タービン
    の抽気蒸気量を算出する抽気量演算手段と、前記抽気蒸
    気タービンの各々の高圧段の蒸気エンタルピー及び抽気
    段の蒸気エンタルピーを各段における蒸気の圧力測定値
    及び温度測定値を基に算出する蒸気エンタルピー演算手
    段と、前記抽気量演算手段による抽気量に基づいて復水
    器における復水量を算出する復水量演算手段と、この復
    水量演算手段による復水量算出値及び熱貫流率に基づい
    て復水器飽和温度を求め、この復水器飽和温度に基づい
    て復水器の復水エンタルピーを算出する復水エンタルピ
    ー演算手段と、この復水エンタルピー演算手段による復
    水エンタルピー及び前記抽気蒸気エンタルピーに基づい
    て抽気蒸気タービンの低圧段軸端出力を算出する低圧段
    軸端出力演算手段と、この低圧段軸端出力演算手段によ
    る低圧段軸端出力及び高圧段の抽気出力に基づいて発電
    機の発電機効率を算出する発電機効率演算手段と、この
    発電機効率演算手段による発電機効率のほか前記高圧段
    の抽気出力及び前記低圧段軸端出力の各々に基づいて発
    電機の出力を算出する発電機出力演算手段と、この発電
    機出力演算手段による発電機出力が適正範囲内であると
    きに該発電機出力を記憶する記憶手段とからなる制御部
    を前記抽気蒸気タービン毎に備えるほか、発電機毎に得
    られる発電機出力を基に合計の発電機出力を求め、この
    合計発電機出力が最大となるような抽気流量を算出する
    演算部と、この演算部による演算結果に基づいて抽気蒸
    気タービンの抽気蒸気量を調節する抽気制御手段とを具
    備することを特徴とする抽気蒸気タービンにおける発電
    制御装置。
JP11024695A 1995-04-12 1995-04-12 抽気蒸気タービンにおける発電制御方法及び装置 Withdrawn JPH08284611A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11024695A JPH08284611A (ja) 1995-04-12 1995-04-12 抽気蒸気タービンにおける発電制御方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11024695A JPH08284611A (ja) 1995-04-12 1995-04-12 抽気蒸気タービンにおける発電制御方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08284611A true JPH08284611A (ja) 1996-10-29

Family

ID=14530825

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11024695A Withdrawn JPH08284611A (ja) 1995-04-12 1995-04-12 抽気蒸気タービンにおける発電制御方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08284611A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11229820A (ja) * 1998-02-10 1999-08-24 Tokyo Electric Power Co Inc:The 火力発電プラントの熱効率診断方法および装置
JP2007239685A (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Tokyo Electric Power Co Inc:The 発電プラント運用装置及び方法
JP2010261444A (ja) * 2009-05-05 2010-11-18 General Electric Co <Ge> 蒸気タービン発電システム及びそれを組立てる方法
CN108105751A (zh) * 2017-11-22 2018-06-01 国网新疆电力有限公司电力科学研究院 700℃高超临界二次再热机组抽汽参数的获取方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11229820A (ja) * 1998-02-10 1999-08-24 Tokyo Electric Power Co Inc:The 火力発電プラントの熱効率診断方法および装置
JP2007239685A (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Tokyo Electric Power Co Inc:The 発電プラント運用装置及び方法
JP2010261444A (ja) * 2009-05-05 2010-11-18 General Electric Co <Ge> 蒸気タービン発電システム及びそれを組立てる方法
CN108105751A (zh) * 2017-11-22 2018-06-01 国网新疆电力有限公司电力科学研究院 700℃高超临界二次再热机组抽汽参数的获取方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4575176B2 (ja) 排熱回収ボイラの発生蒸気推定方法及び発電設備の保全計画支援方法
US8090545B2 (en) Method and apparatus for determination of the life consumption of individual components in a fossil fuelled power generating installation, in particular in a gas and steam turbine installation
US6898540B2 (en) System and method for displaying real-time turbine corrected output and heat rate
US7028479B2 (en) Method and device for operating a steam turbine comprising several no-load or light-load phases
US10519814B2 (en) Control of a thermal cyclic process
CN105201564A (zh) 一种基于主蒸汽流量的汽轮机滑压优化的控制方法
JP2010276026A (ja) 部分負荷時の蒸気タービンの温度性能向上制御
JPH0521241B2 (ja)
JP6887537B2 (ja) 冷却水系統設備及びその制御装置
JP6684453B2 (ja) 蒸気タービン発電機の抽気制御方法及びその制御装置
US5913184A (en) Method and device for diagnosing and predicting the operational performance of a turbine plant
JPH08284611A (ja) 抽気蒸気タービンにおける発電制御方法及び装置
JPH0370804A (ja) 複合サイクルプラントの蒸気サイクル起動方法
JPH07166810A (ja) 蒸気タービンの運転状態監視方法と装置
JP2007046504A (ja) 蒸気タービン制御システム
JP5215815B2 (ja) タービン冷却系統制御装置、タービン冷却系統、及びタービン冷却系統制御方法
JP3784408B2 (ja) タービン設備の運転特性の診断および予測方法および装置
US20030061797A1 (en) Gas turbine, control device, gas turbine combined plant, cooling steam pressure adjusting method, and computer product
JPH0215761B2 (ja)
JP4080388B2 (ja) タービン基準出力算出装置、タービン基準出力算出方法、およびコンピュータ・プログラム
JP2002106305A (ja) コンバインドサイクル発電プラントの起動制御装置
JPS59226211A (ja) 火力プラント制御方法
CN103197246B (zh) 一种确定电厂汽轮机排汽压力对机组发电功率影响的现场测算方法
JP2019218867A (ja) コンバインドサイクル発電プラント
EP4379194A1 (en) Combined power generation system and control method thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020702