JP6684453B2 - 蒸気タービン発電機の抽気制御方法及びその制御装置 - Google Patents

蒸気タービン発電機の抽気制御方法及びその制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、タービンの中間段より蒸気を抽気し工場へ送気する蒸気タービン発電機の抽気制御方法に係り、より詳しくはタービンの特性から導く発電機出力の維持に必要な抽気蒸気量にて大気放出弁を自動制御する方式において、発電機負荷や抽気蒸気の変動に適切に対応できるのみならず、タービンへのスケール付着や復水器の真空度低下等による抽気蒸気量の変動にも適切に対応するための、蒸気タービン発電機の抽気制御方法及びその制御装置に関する。
タービンの中間段より蒸気を抽気し工場へ送気する蒸気タービン発電機として、タービンのケーシング内部に圧力制御弁を設けて、この圧力制御弁より上流側の圧力制御を行い、抽気圧力を一定に保つことで、タービンの低負荷から定格まで安定した圧力の送気が可能な内部抽気圧力制御型タービン発電機が知られている。この内部抽気圧力制御型タービン発電機は、図5にそのシステム構成例を示すように、過熱蒸気生成用のボイラ(図示せず)から導入される蒸気の熱エネルギーを駆動エネルギーに変換する抽気タービン型の蒸気タービン21、蒸気導入口22−1より導入される蒸気の流量を調節する蒸気加減弁22、抽気減弁23、抽気圧力計24、回転計25、調速機26、復水器27、大気放出弁28から構成されている。蒸気タービン21は高圧段21−1と低圧段21−2を有し、蒸気タービン21の高圧段21−1に流入した蒸気は、抽気減弁23の前で抽気され、抽気減弁23により低圧段21−2に入る蒸気の流入が制御され、抽気ライン29から蒸気が工場へ送気される構成となしている。
この内部抽気圧力制御型タービン発電機における抽気タービン型の蒸気タービン21の制御には、回転計25にて測定される回転速度と抽気圧力計24にて測定される抽気圧力が必要であり、蒸気タービン21の負荷や抽気の必要量が変われば、蒸気加減弁22や抽気減弁23の限度が制御される必要がある。このため内部抽気圧力制御型タービン発電機には、該蒸気タービン21の回転速度、発電機出力及び抽気を維持するために、蒸気加減弁22、抽気減弁23の両方のバルブを自動制御する機構を備えている。
上記大気放出弁28としては、手動弁又は自動制御方式の調節弁が使用されている。大気放出弁28に手動弁を使用している場合、発電機負荷及び入口蒸気流量を目安に、予め余裕を持った弁開度に調節している。一方、自動制御方式の調節弁を使用する方式としては、抽気ラインに大気放出用の調節弁を設置し、抽気圧力が設定圧力以上になった場合に、抽気圧力にて調節弁の開度を自動制御する方式が特許文献1、特許文献2に開示されている。特許文献1に開示されている方法は、速度又は負荷制御装置と抽気制御装置とで構成される蒸気タービンの制御装置において、抽気調圧弁が全開又は最低開度となった場合、もしくは調節弁が全開となった場合は、速度又は負荷を制御から除外し、抽気制御を優先して行う制御方法である。又、特許文献2に開示されている方法は、抽気蒸気経路に余剰蒸気を復水器側に放出するタービンバイパス回路と、発電機負荷に対応させて蒸気タービンに導入するボイラ蒸気を制御する負荷制御装置を備えたボイラタービン発電機において、抽気蒸気経路より余剰蒸気を復水器側に放出するタービンバイパス回路により常時復水器へ放出させておき、該バイパス回路のバイパス量を制御するバイパス装置の入力信号を抽気蒸気経路より取込んで、負荷変動に対応するバイパス蒸気量の制御を、負荷制御装置よりも優先させて行う方法である。
しかしながら、前記した従来の蒸気タービン発電機の抽気制御技術には、以下に示す問題点があった。
タービンの中間段より蒸気を抽気し工場へ送気する蒸気タービン発電機において、発電機負荷及び抽気蒸気の工場使用量の変動に対応するために設けられている大気放出弁に手動弁を使用している場合、発電機負荷及び入口蒸気流量を目安に、予め余裕を持った開度に調節するために、過剰な蒸気の大気放出が発生すること、又、手動弁のために、発電機負荷や抽気蒸気の工場使用量の予期せぬ急激な変動には対応できないおそれがあった。
一方、大気放出弁を前記特許文献1、2に開示されている、自動制御方式の調節弁に置き換え、該調節弁を抽気圧力で制御する方法では、大気放出弁の開閉で抽気圧力が変動するため、同じく抽気圧力で制御されている蒸気加減弁や抽気減弁等の制御に影響が出てこれらの制御を安定して行うことができないという問題があった。
この従来技術の問題点を解決するため、従来、発電機負荷に応じた適切な抽気蒸気量に基づいて、大気放出弁を独立して自動制御することにより、大気放出される過剰な抽気蒸気を削減し、発電機負荷及び抽気蒸気の工場使用量の予期せぬ急激な変動に対しても安定した発電機出力を維持することが可能な蒸気タービン発電機の抽気制御方法がある。
その蒸気タービン発電機の抽気制御方法は、蒸気タービンの中間段より蒸気を抽気し工場へ送気されるように構成され、かつ蒸気タービンの抽気出口に蒸気流量計と、抽気ラインに自動制御方式の大気放出弁を備えた蒸気タービン発電機において、蒸気タービン発電機の有する発電機出力に対する入口蒸気流量と抽気蒸気量の特性に基づいて発電機負荷に応じた抽気蒸気量の設定値を演算して求め、この設定値に基づいて前記大気放出弁により、余剰蒸気を独立して制御する方法であり、又、前記蒸気タービン発電機の抽気制御方法において、図6に示す前記発電機出力と抽気蒸気量の設定値の関係より、抽気が不要な領域(A領域)、既存の抽気制御が安定しない領域(B領域)、タービン出力に応じて抽気蒸気量を増加させる必要がある領域(C領域)を設定し、抽気が不要な領域(A領域)では、抽気蒸気量を0T/Hrに設定し、既存の抽気制御が安定しない領域(B領域)では、排気量を一定とし、タービン出力に応じて抽気蒸気量を増加させる必要がある領域(C領域)では、抽気蒸気量が発電機負荷に比例するよう設定する方法である。
図7は上記の内部抽気圧力制御型タービン発電機における、発電機出力と入口蒸気流量、抽気蒸気量の関係を例示したもので、「A領域」は入口蒸気流量を増やせば、抽気蒸気量0T/Hrでも発電機出力を出すことができる領域である。ただし、復水器の能力以上に入口蒸気流量を増やせば抽気が必要となる。発電機出力がA領域を超える場合は復水器の能力を超えるため、抽気しなければ必要な発電機出力を出すことができない。そのため、A領域からB領域に移る際には、急激に抽気を実施することが必要になり、抽気蒸気量のラインは不連続となる。
即ち、工場が完全停止し蒸気による加熱・保温等を必要としない場合は、抽気が不要なA領域で運転し、工場稼働時は抽気蒸気を加熱・保温等のための蒸気として使用しているため、B領域以上で運転する。工場の電力負荷が高い場合はC領域で運転する。又、工場の蒸気使用量<抽気蒸気量となったときは余剰分を大気放出する。発電機出力がA領域を超えて運転する時には、発電機出力を維持するために一定量以上の入口蒸気流量が必要となる。
ここで、「B領域」は発電機出力に応じて、入口蒸気流量は増加するが、抽気蒸気量は、一定量が送気される領域で、既存の抽気制御が安定しない領域でもある。また、「C領域」は、発電機出力に応じて、入口蒸気流量は増加し、抽気蒸気量も合わせて増加する領域で、発電機出力に応じて抽気蒸気量を増加させる必要がある領域でもある。図中の点線ラインと実線の差異が抽気蒸気量を示している。
発電機出力を増加させることを考えた場合、A領域では入口蒸気流量を増やしても抽気蒸気量0T/Hrで発電可能である。B、C領域以上に出力を上げるためには、復水器の能力を超えてしまうため、抽気蒸気量を増やす必要がある。なお、A領域の左端が当該発電機の最小能力、C領域の右端が当該発電機の最大能力をそれぞれ示している。
このため、この発電機出力の維持に必要な抽気蒸気量が工場使用量を上回るときに余剰蒸気を大気放出する大気放出弁を設けているのである。そして、B領域、C領域では、工場の電力使用量の変動に伴う発電機出力の変動及び、工場使用量の変動に伴う工場送気・抽気蒸気量の変動時には、この大気放出弁を開閉することで、発電機出力の維持に必要な抽気蒸気量を維持している。
この蒸気タービン発電機の抽気制御方法によれば、発電機負荷に応じた適切な抽気蒸気量に基づいて、抽気ラインに設置した自動制御方式の大気放出弁を独立して自動制御することができるので、大気放出される過剰な抽気蒸気を削減できるとともに、発電機負荷及び抽気蒸気の工場使用量の予期せぬ急激な変動に対しても安定した発電機出力を維持することができ、さらに抽気ラインに設置した蒸気流量計及び自動制御方式の大気放出弁を既存のタービン発電機制御装置に変更を加えることなく容易に追加設置することができるので設備コストが高くつくこともないという優れた効果を奏する。
しかしながら、この蒸気タービン発電機の抽気制御方法には、次に記載する課題がある。
即ち、蒸気タービンの中間段より蒸気を抽気し工場へ送気するタービン発電機において、発電機出力に対する抽気蒸気量はタービンの特性により決まるため、発電機出力と抽気蒸気量の関係から求めた近似式を使用し大気放出弁を自動制御することができるが、タービンに供給される蒸気には、シリカや塩化物イオン等の不純物やガスが含まれており、タービンへのスケール付着や復水器の真空度低下等により復水器の能力低下をきたし、排気側への抜けが悪くなるとタービンの発電機出力を維持するためには抽気蒸気量の増加が必要となる。そのような状況において、前記近似式にて大気放出弁を自動制御し運転を継続した場合、演算結果から得られる抽気蒸気量の設定値が実際の抽気蒸気量を下回ることで大気放出量が不足し抽気蒸気圧力が上昇、抽気蒸気量が不足し発電機出力を維持できなくなる可能性がある。それを防ぐためには、プログラムされた演算式を見直し、大気放出弁の自動制御を停止し書き換える必要がある。又、複数のタービンを保有する工場においては、それぞれのタービンの特性に合わせ近似式を導き出し、タービン毎に異なる演算式をプログラムする必要がある。
特開平07−166808号公報 特開平11−343814号公報
本発明は、前記した従来技術の課題を解決するためになされたもので、発電機出力と抽気蒸気量の関係から求めた近似式を直接プログラムせず、発電機出力と抽気蒸気量をパラメータとして入力し、近似した折れ線の起点及び傾きを変更できるようにすることにより、タービンへのスケール付着や復水器の真空度低下等による抽気蒸気量の変動にも適切に対応できる蒸気タービン発電機の抽気制御方法およびその制御装置を提案しようとするものである。
本発明に係る蒸気タービン発電機の抽気制御方法は、蒸気タービンの中間段より蒸気を抽気し工場へ送気されるように構成され、かつ蒸気タービンの抽気出口に、前記抽気出口からの抽気蒸気量を計測するための蒸気流量計と、抽気ラインに自動制御方式の大気放出弁を備え、発電機出力に応じた設定抽気蒸気量を求めて前記大気放出弁を制御するための演算・制御装置を有する蒸気タービン発電機の抽気制御方法であって、蒸気タービンの特性から導く設定抽気蒸気量にて前記大気放出弁を自動制御する際に、前記発電機出力と、前記蒸気流量計から計測される抽気蒸気量の関係を、変更できる折れ線の各頂点及び傾きをパラメータとして設定し、前記パラメータの特性に基づいて前記発電機出力に応じて演算して求めた設定抽気蒸気量と、設定工場蒸気使用量に基づいて前記大気放出弁により、余剰蒸気を独立して制御することを特徴とするものである。
この本発明の抽気制御方法は、蒸気タービンの特性に合わせて前記変更できる折れ線の各頂点となる発電機出力と抽気蒸気量の組み合わせをパラメータとして複数点設定することを好ましい態様とするものである。
又、本発明に係る蒸気タービン発電機の抽気制御装置は、上記タービンの中間段に設けられた抽気出口より蒸気を抽気し工場へ送気する抽気ライン(蒸気送気配管)と、前記抽気ラインに設置された抽気出口からの抽気蒸気量を計測するための蒸気流量計と、前記抽気ラインの前記蒸気流量計より工場側の前記抽気ラインから分岐して設けられ、抽気した蒸気を大気に排出する自動制御方式の制御器付き大気放出弁とを備える機器と、前記蒸気タービンの発電機から送られる発電機出力と、前記工場送られる工場の蒸気使用量を入力する入力部と、前記発電機出力と前記蒸気流量計から計測される抽気蒸気量をパラメータにして予め求めた前記蒸気タービンの特性に合わせて変更できる折れ線の各頂点となる「発電機出力と抽気蒸気量の組み合わせによる頂点座標」及び「隣接頂点間の傾き」をパラメータとして格納したデータベース領域と、前記パラメータの特性に基づいて前記発電機出力に応じて演算して求めた設定抽気蒸気量と前記工場の蒸気使用量に基づいた前記大気放出弁を制御するための命令信号を発生させ、前記命令信号を出力する演算ユニットと、前記演算ユニットから出力された命令信号を、前記大気放出弁の制御器へと出力する出力部と、前記発電機出力と、前記工場の蒸気使用量と、前記設定抽気蒸気量と、前記命令信号を、同期して格納する操業データ領域とを含む演算・制御装置を有することを特徴とする蒸気タービン発電機の抽気制御装置である。
本発明の蒸気タービン発電機の抽気制御方法及びその制御装置によれば、発電機出力と抽気蒸気量の関係から求めた近似式を直接プログラムせず、発電機出力と抽気蒸気量をパラメータとして入力し、近似した各頂点及び傾きを変更できるようにすることで、タービンへのスケール付着や復水器の真空度低下等による復水器の能力低下により、抽気蒸気量の増加が生じた場合においても、プログラムされた演算式を見直し、大気放出弁の自動制御を停止し書き換えることなく、大気放出弁の制御特性を変更し、大気放出量の不足による抽気蒸気圧力の上昇や、抽気蒸気量不足を補正し安定した発電機出力を維持することができる。
又、複数の蒸気タービンを保有する工場においても、それぞれのタービンの特性に合わせ、近似式を導き出し、タービン毎に異なる演算式をプログラムすることなく、同一の演算式を使用しパラメータの変更のみで対応することができる。
本発明の蒸気タービン発電機の抽気制御方法を実施するためのシステム構成例を示す概略図である。 同じく図1に示すシステム構成例における本発明の蒸気タービン発電機の抽気制御方法を示すフローチャートである。 同じく図1に示すシステム構成例における本発明の発電機出力に対する抽気蒸気量の設定例を示す説明図である。 本発明の蒸気タービン発電機の抽気制御装置の構成例を示す概略図である。 従来の内部抽気圧力制御型タービン発電機のシステム構成例を示す概略図である。 従来の発電機出力と抽気蒸気量の設定例を示す説明図である。 従来の発電機出力と入口蒸気流量と抽気蒸気量の関係を示す図である。
図1に示す本発明の蒸気タービン発電機の抽気制御方法を実施するためのシステム構成は、過熱蒸気生成用のボイラ(図示せず)から導入される蒸気の熱エネルギーを駆動エネルギーに変換する抽気タービン型の蒸気タービン1、蒸気導入口2−1より導入される蒸気の流量を調節する蒸気加減弁2、抽気減弁3、抽気圧力計4、回転計5、調速機6、復水器7、抽気ライン8、蒸気タービン1の抽気出口に設置した蒸気流量計9、演算・制御装置10、自動制御方式の制御器付大気放出弁(調節弁)12により構成されている。本発明のシステム構成においても、蒸気タービン1は高圧段1−1と低圧段1−2を有し、高圧段1−1に流入した蒸気は、抽気減弁3の前、即ちタービン1の中間段で抽気され、抽気減弁3により低圧段1−2に入る蒸気の流入が制御され、タービン1の中間段に設けられた抽気ライン8から蒸気が工場へ送気される構成となしているが、かかるシステム構成例において、蒸気流量計9、演算・制御装置10、自動制御方式の制御器付大気放出弁12以外の構成は、図5に示す従来技術と同様である。又、本発明のシステム構成における蒸気流量計9及び制御器付き大気放出弁12は十分な蒸気を流すことができるものを使用する。又、タービン抽気出口の蒸気流量の計測には、タービン入口の蒸気流量とタービン排気を処理した復水器7の出口の水流量の差を用いることもできる。
この蒸気タービン発電機のシステム構成例は、蒸気タービン1の抽気出口に設置された抽気蒸気量を計測するための蒸気流量計9の指示に対し、設定抽気蒸気量を設定することにより、大気放出弁12の開度を調節するシステムとなっている。抽気蒸気を工場へ送気する場合は、抽気蒸気の設定工場使用量と大気放出量の和が抽気蒸気量となる。そのため、抽気蒸気の設定工場使用量が抽気蒸気量より上回る場合は、大気放出弁12の開度を閉じる。又、設定工場使用量が抽気蒸気量を下回る場合は、大気放出弁12の開度を開き余剰蒸気を大気放出することで、抽気蒸気量を維持するように自動制御される仕組みとなっている。
この蒸気タービン発電機のシステム構成例において、蒸気タービン1の中間段より蒸気を抽気し工場へ送気するタービン発電機で、大気放出弁12を蒸気タービン1の特性から導く設定抽気蒸気量にて自動制御する場合において、蒸気タービン1へのスケール付着や復水器7の真空度低下等により、抽気蒸気量が増加した場合、大気放出弁12の制御特性を変更する必要がある。本発明はそれらの変動に対応するために、以下に記載する手段をとるのである。
即ち、発電機出力と前記蒸気流量計から計測される抽気蒸気量との関係から求めた近似式を直接プログラムせず、発電機出力と前記蒸気流量計から計測される抽気蒸気量をパラメータとして入力し、近似した折れ線の各頂点及び傾きを変更する。具体的には、例えば図3に示すように、蒸気タービン1の特性に合わせ折れ線の各頂点となる発電機出力と蒸気流量計から計測される抽気蒸気量の組み合わせをパラメータとしてP1からP10までの10点を設定する。実際の発電機出力とP1からP10に設定された発電機出力を該当する区間が見つかるまで順次比較し、対応する区間が見つかると2点間をつなぐ線分との交点となる値を設定抽気蒸気量として演算し、その結果を、大気放出弁12を制御する抽気蒸気量制御の設定値に出力する。例えば、実際の発電機出力がP7とP8間にあるとき、P7を始点、P8を終点とする線分との交点となる値Aを設定抽気蒸気量として抽気蒸気量制御の設定値に出力し、この設定値と設定工場蒸気使用量に基づいて前記大気放出弁12により、余剰蒸気を独立して制御することができる。
この蒸気タービン発電機の抽気制御方法を図2に示すフローチャートに基づいて説明すると、まず発電機出力と蒸気流量計から計測される抽気蒸気量の関係からパラメータを設定する。次に、前記パラメータ特性に基づいて、発電機出力に応じた抽気蒸気量の設定値(設定抽気蒸気量とも称す)を求め、この設定抽気蒸気量と設定工場蒸気使用量とを比較する。その結果、設定抽気蒸気量が設定工場蒸気使用量より大きい場合は、大気放出弁12の開度を開き、反対に設定抽気蒸気量が設定工場蒸気使用量より小さい場合は、大気放出弁12の開度を閉じる。このような演算及び比較が連続的に行われることで、パラメータの変更においても大気放出弁の制御を停止することなく、折れ線の各起点及び傾きといった大気放出弁の制御特性を補正することができる。
図4は、上記で説明してきた本発明に係る蒸気タービン発電機の抽気制御方法を実行するための蒸気タービン発電機の抽気制御装置の例を示す概略図である。
図4において、100は抽気制御装置(一点鎖線で囲まれた範囲)、1Aは抽気出口、10は抽気制御装置の演算・制御装置、12aは大気放出弁12の制御器、101は入力部、102出力部、103は演算ユニット、104はデータベース領域、105は操業データ領域、EQは抽気制御装置の機器部、Sは命令信号、Pは発電機出力、Uは工場の蒸気使用量、Tは抽気蒸気量の設定値(設定抽気蒸気量とも称す)である。
本発明に係る抽気制御装置100は、蒸気タービンの中間段に設けられた抽気出口1Aより蒸気を抽気し、工場へ送気する抽気ライン(蒸気送気配管)8と、その抽気ライン8に設置された抽気蒸気量を計測するための蒸気流量計9と、抽気ライン8に設置された蒸気流量計9より工場側の抽気ライン8から分岐して設けられ、抽気した蒸気を大気に排出する自動制御方式の制御器付き大気放出弁12とで構成された機器部(EQ)を有し、その制御器付き大気放出弁12を演算・制御装置(10)からの命令信号Sにより動作させることで、安定した発電機出力を維持するものである。
本発明における演算・制御装置10は、蒸気タービン発電機から送られる発電機出力と、工場から送られる工場の蒸気使用量を入力する入力部101と、予め求めた、蒸気タービンの特性に合わせて変更できる折れ線の各頂点となる「発電機出力と抽気蒸気量の組み合わせによる頂点座標」及び「隣接頂点間の傾き」をパラメータとして格納したデータベース領域104と、そのパラメータから発電機出力に応じて求めた抽気蒸気量の設定値Tと、入力された工場の蒸気使用量Uに基づき、その両者を比較することで大気放出弁12の開閉動作を制御するための命令信号Sを発生させ、その命令信号Sを出力する演算ユニット103と、その演算ユニット103から出力された命令信号Sを、大気放出弁12の制御器12aへと出力する出力部102と、発電機出力Pと、工場の蒸気使用量Uと、抽気蒸気量の設定値Tと、命令信号Sを、同期して格納する操業データ領域105とを含む構成となっています。
本発明に係る抽気制御装置100では、図2のフローチャートで示す本発明に係る蒸気タービン発電機の抽気制御方法に沿って、測定・入力された発電機出力Pに基づき、演算・制御装置10において、データベース領域104に格納されているパラメータから抽気蒸気量の設定値Tが算出され、その設定値Tと、発電機出力Pと同期した工場の蒸気使用量Uとを比較した結果により、大気放出弁12の開閉指令の命令信号Sを、制御器12aに送信し、その開閉指令により大気放出弁12が動作するものである。
以上説明したように、本発明に係る蒸気タービン発電機の抽気制御方法及びその制御装置は、発電機出力と抽気蒸気量の関係から求めた近似式を直接プログラムせず、発電機出力と抽気蒸気量をパラメータとして入力し、近似した折れ線の起点及び傾きを変更できるようにすることにより、タービンへのスケール付着や復水器の真空度低下等による抽気蒸気量の変動にも適切に対応することができる。
1 蒸気タービン
1A 抽気出口
1−1 高圧段
1−2 低圧段
2 蒸気加減弁
2−1 蒸気導入口
3 抽気減弁
4 抽気圧力計
5 回転計
6 調速機
7 復水器
8 抽気ライン
9 蒸気流量計
10 演算・制御装置
12 大気放出弁
12a 大気放出弁の制御器
100 抽気制御装置
101 入力部
102 出力部
103 演算ユニット
104 データベース領域
105 操業データ領域
EQ 抽気制御装置の機器部
S 命令信号
P 発電機出力
U 工場の蒸気使用量
T 抽気蒸気量の設定値(設定抽気蒸気量)

Claims (3)

  1. 蒸気タービンの中間段より蒸気を抽気し工場へ送気されるように構成され、かつ蒸気タービンの抽気出口に、前記抽気出口からの抽気蒸気量を計測するための蒸気流量計と、抽気ラインに自動制御方式の大気放出弁を備え、発電機出力に応じた設定抽気蒸気量を求めて前記大気放出弁を制御するための演算制御装置を有する蒸気タービン発電機の抽気制御方法であって、
    蒸気タービンの特性から導く設定抽気蒸気量にて前記大気放出弁を自動制御する際に、前記発電機出力と、前記蒸気流量計から計測される抽気蒸気量の関係を、変更できる折れ線の各頂点及び傾きをパラメータとして設定し、前記パラメータの特性に基づいて前記発電機出力に応じて演算して求めた設定抽気蒸気量と、設定工場蒸気使用量に基づいて前記大気放出弁により、余剰蒸気を独立して制御することを特徴とする蒸気タービン発電機の抽気制御方法。
  2. 蒸気タービンの特性に合わせて前記変更できる折れ線の各頂点となる発電機出力と抽気蒸気量の組み合わせをパラメータとして複数点設定することを特徴とする請求項1に記載の蒸気タービン発電機の抽気制御方法。
  3. 蒸気タービンの中間段に設けられた抽気出口より蒸気を抽気し工場へ送気する抽気ライン(蒸気送気配管)と、
    前記抽気ラインに設置された前記抽気出口からの抽気蒸気量を計測するための蒸気流量計と、
    前記抽気ラインの前記蒸気流量計より工場側の前記抽気ラインから分岐して設けられ、抽気した蒸気を大気に排出する自動制御方式の制御器付き大気放出弁とを備える機器部と、
    前記蒸気タービンの発電機から送られる発電機出力と、前記工場へ送られる工場の蒸気使用量を入力する入力部と、
    前記発電機出力と前記蒸気流量計から計測される抽気蒸気量をパラメータにして予め求めた前記蒸気タービンの特性に合わせて変更できる折れ線の各頂点となる「発電機出力と抽気蒸気量の組み合わせによる頂点座標」及び「隣接頂点間の傾き」をパラメータとして格納したデータベース領域と、
    前記パラメータの特性に基づいて前記発電機出力に応じて演算して求めた設定抽気蒸気量と、前記工場の蒸気使用量に基づいた前記大気放出弁を制御するための命令信号を発生させ、前記命令信号を出力する演算ユニットと、
    前記演算ユニットから出力された命令信号を、前記大気放出弁の制御器へと出力する出力部と、
    前記発電機出力と、前記工場の蒸気使用量と、前記設定抽気蒸気量と、前記命令信号を、同期して格納する操業データ領域とを含む演算・制御装置を有することを特徴とする蒸気タービン発電機の抽気制御装置。
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