JP7461201B2 - ガスタービン制御装置、ガスタービン制御方法、及び、ガスタービン制御プログラム - Google Patents

ガスタービン制御装置、ガスタービン制御方法、及び、ガスタービン制御プログラム Download PDF

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Description

本開示は、ガスタービン制御装置、ガスタービン制御方法、及び、ガスタービン制御プログラムに関する。
ガスタービンでは、例えば圧縮機で生成された圧縮空気に対して燃焼器から燃料を噴射することで生成された燃焼ガスによってタービンを駆動し、動力が出力される。燃焼器に燃料を供給する燃料供給系統は、燃焼効率や燃焼安定性の観点から、複数の燃料供給系統に分けられることがある。これらの複数の燃料供給系統における燃料の分配比率(燃料分配比)は、例えば、設計時に得られるヒートバランスデータよりタービン入口温度を推定し、そのタービン入口温度に基づいて決定される。また燃料配分比とタービン入口温度との関係によっては燃焼振動や失火によるトリップが発生する場合がある。これらは燃焼器等に損傷を与える要因となるため、燃料配分比は、これらが発生しない条件下で決定される必要がある。
例えば特許文献1には、発電機出力や燃料指令値に基づいて、燃料配分比を決定するために必要なタービン入口温度を算出する方法が開示されている。上記特許文献1では、発電機出力に基づいてタービン入口温度を算出しているが、タービン出力が変動する過渡応答時には、発電機出力を精度よく特定することが難しく、タービン入口温度の算出精度が下がってしまう。そこで特許文献2では、燃料流量、空気流量、燃料温度、車室温度に基づいて燃焼器に関する熱エネルギの収支関係を表す物理モデル式を用いて、過渡応答時においても、精度の低い発電機出力を用いず、信頼性のあるタービン入口温度を算出することが提案されている。
特開2015-161176号公報 国際公開第2019/078309号
ところでガスタービンを運転負荷が定格負荷より小さな低負荷運転領域で運用する場合、燃焼器の燃料供給量を減少させると、空燃比が変化することに伴い、一酸化炭素の排出量が増加してしまうおそれがある。このような一酸化炭素の増加を抑制するために、ガスタービンに対する供給空気の一部をバイパスするためのバイパス路を設けることで、燃料供給量の減少に対応して燃焼器に対する空気供給量を減少することが考えられる。この場合、燃焼器に対する供給空気の少なくとも一部がバイパス路を介して外部に排出されることから、特許文献2のようにバイパス路を介して供給空気の一部がバイパスされる構成が考慮されていない熱収支モデルに基づく算出方法では、タービン入口温度を精度よく算出することが難しい。そのため低負荷運転時には、燃料分配比の制御精度が低下し、燃焼振動や失火によるトリップが発生するおそれがある。
本開示の少なくとも一態様は上述の事情に鑑みなされたものであり、ガスタービンが低負荷運転時にある際に、ガスタービンが急激に出力変動するような過渡応答時においても、タービン入口温度を精度よく算出することで、燃焼振動や失火によるトリップを回避しつつ、適切な燃料配分比でガスタービンを制御可能なガスタービン制御装置、ガスタービン制御方法、及び、ガスタービン制御プログラムを提供することを目的とする。
本開示の一態様に係るガスタービン制御装置は、上記課題を解決するために、
ガスタービンの燃焼器に供給される燃料の流量を算出する燃料流量算出部と、
空気供給部から供給される空気のうち、前記ガスタービンのバイパス空気の流量を算出するバイパス空気流量算出部と、
前記バイパス空気の流量に基づいて、前記空気供給部から前記燃焼器に供給される供給空気の流量を算出する供給空気流量算出部と、
前記燃焼器の熱エネルギ収支に関する物理モデル式を用いて、前記燃料の流量、前記供給空気の流量に基づいて、前記ガスタービンのタービン入口温度を算出するタービン入口温度算出部と、
前記タービン入口温度に基づいて、前記燃焼器に設けられた複数の燃料供給系統における燃料配分比を算出する燃料配分比算出部と、
を備える。
本開示の一態様に係るガスタービン制御方法は、上記課題を解決するために、
ガスタービンの燃焼器に供給される燃料の流量を算出する工程と、
空気供給部から供給される空気のうち、前記ガスタービンのバイパス空気の流量を算出する工程と、
前記バイパス空気の流量に基づいて、前記空気供給部から前記燃焼器に供給される供給空気の流量を算出する工程と、
前記燃焼器の熱エネルギ収支に関する物理モデル式を用いて、前記燃料の流量、前記供給空気の流量に基づいて、前記ガスタービンのタービン入口温度を算出する工程と、
前記タービン入口温度に基づいて、前記燃焼器に設けられた複数の燃料供給系統における燃料配分比を算出する工程と、
を備える。
本開示の一態様に係るガスタービン制御プログラムは、上記課題を解決するために、
コンピュータに、
ガスタービンの燃焼器に供給される燃料の流量を算出する工程と、
空気供給部から供給される空気のうち、前記ガスタービンのバイパス空気の流量を算出する工程と、
前記バイパス空気の流量に基づいて、前記空気供給部から前記燃焼器に供給される供給空気の流量を算出する工程と、
前記燃焼器の熱エネルギ収支に関する物理モデル式を用いて、前記燃料の流量、前記供給空気の流量に基づいて、前記ガスタービンのタービン入口温度を算出する工程と、
前記タービン入口温度に基づいて、前記燃焼器に設けられた複数の燃料供給系統における燃料配分比を算出する工程と、
を実行させることが可能である。
本開示の少なくとも一態様によれば、ガスタービンが低負荷運転時にある際に、ガスタービンが急激に出力変動するような過渡応答時においても、タービン入口温度を精度よく算出することで、燃焼振動や失火によるトリップを回避しつつ、適切な燃料配分比でガスタービンを制御可能なガスタービン制御装置、ガスタービン制御方法、及び、ガスタービン制御プログラムを提供できる。
一実施形態に係るガスタービン発電プラントの全体構成図である。 図1のガスタービン制御装置の機能ブロック図である。 一実施形態に係るガスタービン制御方法を工程毎に示すフローチャートである。 図1の変形例である。 図4のガスタービン制御装置の機能ブロック図である。 図5の抽気流量算出部の内部構成を示すブロック図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は一実施形態に係るガスタービン発電プラント100の全体構成図である。ガスタービン発電プラント100は、ガスタービン10、ガスタービン10の動力で駆動されることで発電可能な発電機16、ガスタービン10の制御ユニットであるガスタービン制御装置20、及び、燃料を供給する燃料供給装置40、を備える。ガスタービン10及び発電機16は、ロータ15で連結されている。
尚、ガスタービン発電プラント100は更にスチームタービンを備え、ロータ15に当該スチームタービンが連結されたガスタービンコンバインドサイクル発電プラント(GTCC)として構成されてもよい。
ガスタービン10は、圧縮機11、燃料供給系統50、燃焼器12、及び、タービン13を備える。圧縮機11は、外部から取り込んだ空気を圧縮することにより、高圧の圧縮空気を生成する。圧縮機11で生成された圧縮空気は下流側にある燃焼器12及びタービン13に対して供給され、圧縮機11は空気供給部として機能する。具体的には、圧縮機11は、主軸As回りに回転可能な圧縮機ロータ111と、圧縮機ロータ111を外周側から覆う圧縮機車室112と、圧縮機11に流入する空気量を調整するためのインレットガイドベーン14(IGV)と、を備える。タービン13は、主軸As回りに回転するタービンロータ131と、タービンロータ131を外周側から覆うタービン車室132とを備える。圧縮機ロータ111及びタービンロータ131は、主軸As上で一体的に接続されている。
燃焼器12は、圧縮機11によって生成された圧縮空気に対して、燃料供給系統50から供給される燃料を噴射して燃焼させることで、高温の燃焼ガスを生成する。燃焼器12は、燃焼器内筒121と、燃焼器内筒121を覆う燃焼器車室17とを備える。また、圧縮機車室112、燃焼器車室17及びタービン車室132は、互いに連結されている。
発電機16は、圧縮機ロータ111の一端に接続される。発電機16は、圧縮機ロータ111の回転によって駆動されることで、電力を生成する。
燃料供給系統50は、燃料供給装置40からの燃料を、所定の圧力及び流量で燃焼器12に供給する。燃料供給系統50は、調整弁18と、ノズル123と、マニホールド配管124とを備える。調整弁18は圧力調整弁や燃料流量調整弁などである。
燃料供給系統50は、第1燃料供給系統50a、第2燃料供給系統50b、及び、第3燃料供給系統50cを含む。第1燃料供給系統50aは燃焼器12のトップハット部に燃料を供給するためのトップハット燃料供給系統であり、第2燃料供給系統50bは燃焼器12の内筒の中心部に燃料を供給するパイロット燃料供給系統であり、第3燃料供給系統50cは燃焼器12の内筒においてパイロット燃料供給系統を囲む部分に燃料を供給するメイン燃料供給系統である。また図1では調整弁18として、第1燃料供給系統50a、第2燃料供給系統50b、及び、第3燃料供給系統50cにおいて、それぞれ対応する燃料流量や圧力を調整するための第1調整弁18a、第2調整弁18b、及び、第3調整弁18cが設けられている。
尚、本実施形態では燃料供給系統50が前述の3つの燃料供給系統を備える場合を例示しているが、燃料供給系統50は他の態様をとってもよい。また図1では1つの燃焼器12のみを代表的に図示しているが、ガスタービン10は複数の燃焼器12を備え、各燃焼器12に燃料供給系統50a、50b、50cがそれぞれ設けられるように構成されてもよい(例えば、ガスタービン10は、16個の燃焼器12を備える)。
またガスタービン発電プラント100は、燃焼器車室17に接続され、圧縮機11から燃焼器車室17に供給される圧縮空気の少なくとも一部を燃焼器12に供給することなく、タービン13をバイパスするバイパス路140を有する。バイパス路140には、バイパス路140を流れるバイパス空気の流量(バイパス空気流量Gtb)を調整するためのバイパス弁142が設けられる。
またガスタービン発電プラント100は、空気供給部である圧縮機11からの抽気を導くための抽気路144を有する。本実施形態では、抽気路144は圧縮機車室112の中間部とタービン車室132と接続することで、圧縮機11の中間圧縮空気を冷却用空気としてタービン車室132に供給可能に構成されている。抽気路144には、抽気路144を流れる抽気の流量(抽気流量G)を調整するための抽気調整弁146が設けられる。
尚、本実施形態では、抽気として、圧縮機11の中間部から抽出された、タービン冷却用の圧縮空気を例示しているが、抽気は、タービン13の入口部を通過せず、且つ、タービン13内に戻される流路を有する限りにおいて、様々な態様を採用可能である。例えば、圧縮機11から燃焼器12に供給される圧縮空気を燃焼器車室から抽出し、不図示の冷却流路を介してロータ15に接続される抽気路を設けることで、ロータ15に対して冷却用として供給される圧縮空気を抽気として扱ってもよい。
またガスタービン発電プラント100には、各構成要素の状態量を検出するための検出器が設けられる。具体的には、ガスタービン発電プラント100には、マニホールド配管124内の圧力Pinを検出するためのマニホールド圧力センサ20a、燃焼器車室17の圧力Poutを検出するための燃焼器車室圧力センサ20b、燃焼器12に供給される燃料の温度(燃料温度T)を検出するための燃料温度センサ20c、圧縮機インデックス差圧Pindexを検出するためのインデックス差圧センサ20d、圧縮機11の入口温度T1Cを検出するための圧縮機入口温度センサ20e、燃焼器車室17の車室温度Tcsを検出するための車室温度センサ20f、燃焼器車室17の車室圧力Pcsを検出するための車室圧力センサ20g、バイパス弁142の開度LVtbを検出するためのバイパス弁開度センサ20h、及び、排ガス温度T2Tを検出するための排ガス温度センサ20iが設けられる。
尚、圧縮機インデックス差圧P indexは、圧縮機11の圧縮機11のケーシング吸込口における圧力と圧縮機内部の翼付近との圧力差であり、圧縮機11が吸い込む空気流量の指標となる値である。
ガスタービン制御装置20は、ガスタービン10を制御するための制御ユニットである。ガスタービン制御装置20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。尚、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
図2は図1のガスタービン制御装置20の機能ブロック図である。ガスタービン制御装置20は、運転負荷取得部201と、燃料流量算出部202、バイパス空気流量算出部204、抽気流量算出部206、供給空気流量算出部208、タービン入口温度算出部210、補正部212、燃料配分比算出部214、及び、弁開度算出部216を備える。
運転負荷取得部201は、ガスタービン10の運転負荷を取得する。ガスタービン10の運転負荷は、ガスタービン10の出力を意味し、例えばガスタービン0と同軸の発電機16の出力値として検出される。
燃料流量算出部202は、燃焼器12に供給される燃料の単位時間当たりの流量(燃料流量G)を算出する。バイパス空気流量算出部204は、バイパス路140を流れるバイパス空気の流量(バイパス空気流量Gtb)を算出する。抽気流量算出部206は、抽気路144を流れる抽気の流量(抽気流量G)を算出する。供給空気流量算出部208は、バイパス空気流量算出部204で算出されたバイパス空気流量Gtb、及び、抽気流量算出部206で算出された抽気流量Gに基づいて、燃焼器12に供給される供給空気の流量(供給空気流量G)を算出する。
タービン入口温度算出部210は、燃料流量算出部202で算出された燃料流量G、及び、供給空気流量算出部208で算出された供給空気流量Gに基づいて、タービン入口温度T1Tを算出する(タービン入口温度推定値)。尚、本願明細書においてタービン入口温度は、燃焼器12から噴出される高温の燃焼ガスが供給されるタービン13の入口部における温度を意味する。
補正部212は、タービン入口温度算出部210で算出されたタービン入口温度T1Tを補正することにより、補正後タービン入口温度T1T’を算出する。
燃料配分比算出部214は、補正部212で算出された補正後タービン入口温度T1T’に基づいて、複数の燃焼器12にそれぞれに接続される各燃料供給系統50における燃料配分比を算出する。本実施形態では、燃料配分比算出部214は、各燃焼器12の燃料供給系統50のうち、第1燃料供給系統50aに対応する燃料配分比Daを算出する第1燃料配分比算出部214aと、第2燃料供給系統50bに対応する燃料配分比Dbを算出する第2燃料配分比算出部214bと、第3燃料供給系統50cに対応する燃料配分比Dcを算出する第3燃料配分比算出部214cと、を含む。
弁開度算出部216は、燃料配分比算出部214で算出された燃料配分比に基づいて、各燃料供給系統50が有する調整弁18の弁開度を算出する。本実施形態では、弁開度算出部216は、第1燃料供給系統50aが有する第1調整弁18aの弁開度Oaを算出するための第1弁開度算出部216aと、第2燃料供給系統50bが有する第2調整弁18bの弁開度Obを算出するための第2弁開度算出部216bと、第3燃料供給系統50cが有する第3調整弁18cの弁開度Ocを算出するための第3弁開度算出部216cと、を含む。
続いて上記構成を有するガスタービン制御装置20によって実施されるガスタービン制御方法について説明する。図3は一実施形態に係るガスタービン制御方法を工程毎に示すフローチャートである。
まずガスタービン制御装置20は、ガスタービン10が低負荷運転状態にあるか否かを判定する(ステップS100)。ステップS100における判定は、運転負荷取得部201で取得されたガスタービン10の運転負荷が基準値未満であるか否かによって判断される。基準値は、ガスタービン10の運転負荷が基準値未満である低負荷運転状態にあるか否かを判定するための閾値であり、定格負荷より小さい所定値として予め設定される。
尚、ガスタービン10が低負荷運転状態にない場合(ステップS100:NO)、すなわち、ガスタービン10が定格負荷運転状態、又は、運転負荷が高い高負荷運転状態にある場合、ガスタービン制御装置20はガスタービン10を通常制御する。ガスタービン10の通常制御の具体的内容については、公知の例に従うこととし、本願明細書では詳述を割愛する。一方、ガスタービン10の運転負荷が基準値未満である低負荷運転状態にある場合(ステップS100:YES)、以下に説明するガスタービン制御が実施される。これにより、ガスタービン10が低負荷運転状態にある場合においても、精度のよいタービン入口温度に基づいて燃料供給系統50の燃料配分比を適切に求め、燃焼振動や失火によるトリップを好適に回避可能なガスタービン制御が可能となる。
尚、以下の説明では、ステップS100においてガスタービン10の運転負荷が基準値未満である低負荷運転状態にあることを条件に、以下のガスタービン制御が実施される場合を述べるが、ガスタービン10の運転負荷の値に関わらず(すなわち全負荷帯において)、以下のガスタービン制御を実施してもよい。例えばバイパス弁142が作動しない高負荷帯では、バイパス流量Gtbをゼロとすることで、以下のガスタービン制御をそのまま実施することができる(すなわち図3に示すガスタービン制御方法では、ステップS100は任意でもよい)。
ガスタービン10が低負荷運転状態にある場合(ステップS100:YES)、燃料流量算出部202は、燃料流量Gを算出する(ステップS101)。ステップS101における燃料流量Gの算出は、例えば、マニホールド圧力センサ20aで検出されたマニホールド配管124内の圧力Pin、燃焼器車室圧力センサ20bで検出された燃焼器車室17の圧力Pout、及び、燃料温度センサ20cで検出された燃料温度Tを次式に代入することにより行われる(尚、f1は任意の関数である)。
=f1(Pin、Pout、T)・・・(1)
続いてバイパス空気流量算出部204は、バイパス空気流量Gtbを算出する(ステップS102)。ステップS102におけるバイパス空気流量Gtbの算出は、バイパス路140に設けられたバイパス弁142の開度に基づいて行われる。バイパス空気流量Gtbは、例えば、車室温度センサ20fで検出された車室温度Tcs、車室圧力センサ20gで検出された車室圧力Pcs、及び、バイパス弁開度センサ20hで検出されたバイパス弁142の開度LVtbを次式に代入することにより算出される(尚、f2は任意の関数である)。
tb=f2(Tcs、Pcs、LVtb)・・・(2)
続いて抽気流量算出部206は、抽気流量Gを算出する(ステップS103)。ステップS103における抽気流量Gの算出は、バイパス空気流量Gtb、又は、バイパス空気流量Gtbと相関のあるパラメータに基づいて行われる。抽気流量Gは、例えば、バイパス空気流量算出部204で算出されたバイパス空気流量Gtb、及び、バイパス空気流量Gtbと相関のあるパラメータである車室温度センサ20fで検出された車室温度Tcsや車室圧力センサ20gで検出された車室圧力Pcsを次式に代入することにより算出される(尚、f3は任意の関数である)。
=f3(Tcs、Pcs、Gtb)・・・(3)
圧縮機11からの抽気は、バイパス空気を除く残りの圧縮機11からの空気の一部であるため、抽気流量Gとバイパス空気流量Gtbとの間には相関がある。例えば、バイパス空気流量Gtbが増加すると、バイパス空気を除く残りの圧縮機11からの空気流量が減少するため、抽気流量Gは減少する。逆に、バイパス空気流量Gtbが減少すると、バイパス空気を除く残りの圧縮機11からの空気流量が増加するため、抽気流量Gもまた増加する。そのため、上述のように、抽気流量Gとバイパス空気流量Gtbとの間に相関があることを考慮することで、抽気流量Gを精度よく算出できる。
続いて供給空気流量算出部208は、供給空気流量Gを算出する(ステップS104)。ステップS104における供給空気流量Gの算出は、バイパス空気流量算出部204で算出されたバイパス空気流量Gtb、及び、抽気流量算出部206で算出された抽気流量Gに基づいて行われる。供給空気流量Gaは、例えば、インデックス差圧センサ20dで検出された圧縮機インデックス差圧Pindex、圧縮機入口温度センサ20eで検出された圧縮機11の入口温度T1C、バイパス空気流量算出部204で算出されたバイパス空気流量Gtb、及び、抽気流量算出部206で算出された抽気流量Gを次式に代入することにより算出される(尚、f4は任意の関数である)。
=f4(Pindex、T1C、Gtb、G)・・・(4)
圧縮機11からの空気は、一部が抽気として利用されるとともに、他の一部がバイパス路140を介してバイパスされることにより、残りが燃焼器12への供給空気となる。そのため、燃焼器12への供給空気流量Gは、抽気流量Gc及びバイパス空気流量Gtbと相関があり、これらのバランスによって決定される。ステップS104では、抽気流量G及びバイパス空気流量Gtbに基づいて供給空気流量Gを的確に求めることで、タービン入口温度T1Tの算出精度を効果的に向上できる。
続いてタービン入口温度算出部210は、タービン入口温度T1Tを算出する(ステップS105)。ステップS105におけるタービン入口温度T1Tの算出は、例えば、燃料流量算出部202で算出された燃料流量G、供給空気流量算出部208で算出された供給空気流量Gを、燃焼器12における熱エネルギ収支に関する物理モデル式に適用することにより行われる。物理モデル式は、例えば、非定常物理モデルに関する。より具体的に説明すると、非定常物理モデルは、例えば、燃焼器12に流入する熱エネルギと、燃焼器12から流出する熱エネルギとが等しいことを表すモデル式を、そのモデル式に含まれるタービン入口温度T1Tを左辺に、他の要素を右辺に持つ式として変形したものである。非定常物理モデルにおける燃焼器12に流入する熱エネルギは、燃料の熱エネルギ、空気の熱エネルギ、燃焼ガスの発熱エネルギの合計により表される。また燃焼器12から流出する熱エネルギはタービン13の入口における熱エネルギにより表される。ここで空気の熱エネルギは、燃焼器車室17に流入する空気に含まれる水蒸気による湿度の影響を考慮した比エンタルピーに応じて変動する。タービン入口温度算出部210は、燃焼器車室17に流入する空気の湿度をセンサから取得し、その湿度に基づく比エンタルピーを計算し、当該比エンタルピーを用いて空気の熱エネルギを算出してもよい。
続いて補正部212は、タービン入口温度T1Tを補正することにより補正後タービン入口温度T1T’を算出する(ステップS106)。ステップS106におけるタービン入口温度T1Tの補正は、例えば、予め記憶手段(不図示)に記憶された、ガスタービン10の定格運転時に対応する定格運転時排ガス温度T4と定格運転時タービン入口温度T5との関係を示す情報に基づいて行ってもよい。この場合、補正部212は、例えば、排ガス温度センサ20iで検出された排ガス温度T2Tを定格運転時排ガス温度T4から減算して求めた値Txが、タービン入口温度算出部210で算出されたタービン入口温度T1Tを定格運転時タービン入口温度T5から減算して求めた値Tyと等しいか、又は、所定の定数a倍になるように、補正後タービン入口温度T1T’を算出する。
尚、定格運転時排ガス温度T4及び定格運転時タービン入口温度T5の関係は燃焼器車室17の圧力によって変動してもよい。この場合、補正部212は、燃焼器車室17の圧力をセンサから取得し、この圧力の値に基づいて補正した定格運転時排ガス温度T4及び定格運転時タービン入口温度T5の関係を用いて、上述のように補正後タービン入口温度T1T’を算出してもよい。
またステップS106におけるタービン入口温度T1Tの補正は、排ガス温度センサ20iで検出される排ガス温度T2Tを用いて行われてもよい。排ガス温度T2Tは排ガス温度センサ20iの実測値であるため、ガスタービン10の出力変化に対して応答性が遅いが、精度のよいパラメータであり、タービン入口温度T1Tと強い相関を有する。この場合、補正部212における補正演算は、例えば、以下のように行うことができる。
まず補正部212は、タービン入口温度算出部210で算出されたタービン入口温度T1Tに基づいて排ガス温度推定値T4Tを算出する。この排ガス温度推定値T4Tは、タービン入口温度算出部210で算出されたが真のタービン入口温度であると仮定した場合の、排ガス温度の推定値である。排ガス温度推定値T4Tの算出は、例えば、タービン入口温度T1Tを、予め定められた所定の換算式に入力することで仮排ガス温度推定値T3Tを求め、仮排ガス温度推定値T3Tに対して、時間毎の値の変化を遅れさせる処理を実施することにより行われる。
そして補正部212は、排ガス温度センサ20iで検出した排ガス温度T2Tと、上述のように算出された排ガス温度推定値T4Tとの比率に基づいて、タービン入口温度T1Tを補正するための補正項X4を算出する。補正項X4は、例えば、排ガス温度T2Tを排ガス温度推定値T4Tで除した比率X1に調整係数αを乗じた調整比率X2と、前回算出された補正項X4である過去補正項X4’に1-αを乗じた過去調整比率X3とを加算した値として求められる。そして補正部212は、このように求められた補正項X4をタービン入口温度T1Tに乗算することで、補正後タービン入口温度T1T’を算出する。このように算出される補正後タービン入口温度T1T’は、排ガス温度推定値T4Tに対する排ガス温度T2Tの比率である補正項X4を用いて得られるため、補正前のタービン入口温度T1Tに比べて良好な応答性及び精度を有する。
続いて燃料配分比算出部214は、補正後タービン入口温度T1T’に基づいて、燃料配分比を算出する(ステップS107)。ステップS107における燃料配分比の算出は、第1燃料配分比算出部214aで算出される第1燃料配分比Da、第2燃料配分比算出部214bで算出される第2燃料配分比Db、及び、第3燃料配分比算出部214cで算出される第3燃料配分比Dcの合計が100%になるように行われる。第1燃料配分比Da、第2燃料配分比Db、及び、第3燃料配分比Dcは、それぞれ補正後タービン入口温度T1T’との関係式に基づいて算出される。
尚、本実施形態では、制御精度を向上させるために補正後タービン入口温度T1T’を用いて燃料配分比の算出を行っているが、補正部212による補正を行わないタービン入口温度T1Tを用いて燃料配分比を算出してもよい。この場合、補正後タービン入口温度T1T’を用いる場合に比べて制御精度が少なからず低下する可能性はあるが、同様の作用効果を得ることができる。
続いて弁開度算出部216は、燃料配分比に基づいて各調整弁18の弁開度を算出する(ステップS108)。ステップS108における弁開度の算出は、第1調整弁18a、第2調整弁18b、及び、第3調整弁18cの各々について、ステップS107で算出された第1燃料配分比Da、第2燃料配分比Db、及び、第3燃料配分比Dcと、燃料制御司令値CSOとを弁開度算出式に代入することにより行われる。
このように弁開度算出部216で算出された弁開度は、各調整弁18に対して出力され、各調整弁18の弁開度が制御される(ステップS109)。
以上説明したように本実施形態によれば、タービン入口温度T1Tを算出するための供給空気流量Gが、タービン13をバイパスするバイパス空気流量Gtbを考慮して算出される。これにより、タービン13が低負荷運転状態にある場合に圧縮機11からタービン13への空気供給量を減少させるために、圧縮機11からの空気の一部をバイパスした場合においても、タービン入口温度T1Tを精度よく算出することができる。その結果、タービン13が低負荷運転時にある際に、ガスタービン10が急激に出力変動するような過渡応答時においても、タービン入口温度T1Tに基づいて複数の燃料供給系統50の燃料配分比を適切に求め、燃焼振動や失火によるトリップを好適に回避可能なガスタービン制御が可能となる。
続いて上記実施形態の変形例について説明する。図4は図1の変形例である。本変形例に係るガスタービン発電プラント100’は、抽気路144上に前述の抽気調整弁146に代えて、ガスタービン制御装置20からの制御信号に基づいて開度を制御可能な抽気制御弁150が設けられている点で、前述の実施形態に係るガスタービン発電プラント100(図1を参照)と異なっている。
またガスタービン発電プラント100’は、抽気制御弁150の入口部(上流側近傍)に設けられ、抽気路144を流れる抽気の温度(抽気温度T)を検出するための抽気温度センサ20jと、抽気路144を流れる抽気の圧力(抽気圧力P)を検出するための抽気圧力センサ20kと、を備える。
尚、ガスタービン発電プラント100’の他の構成は、特段の記載がない限りにおいて、前述の実施形態に係るガスタービン発電プラント100(図1を参照)と同様であり、対応する構成には共通の符号を付すこととし、重複する説明は適宜省略する。
図5は図4のガスタービン制御装置20の機能ブロック図である。本変形例に係るガスタービン制御装置20は、抽気制御弁開度取得部218と、抽気温度取得部220と、抽気圧力取得部222と、を更に備える。抽気制御弁開度取得部218は、抽気制御弁150の開度司令値を取得することにより抽気制御弁150の開度LVを取得する。抽気温度取得部220は、抽気温度センサ20jの検出信号に基づいて、抽気制御弁150の入口部における抽気温度Tを取得する。抽気圧力取得部222は、抽気圧力センサ20kの検出信号に基づいて、抽気制御弁150の入口部における抽気圧力Pを取得する。
本変形例では、抽気流量算出部206は、述のステップS103において、抽気制御弁150の開度LV、抽気温度T、及び、抽気圧力Pに基づいて、抽気流量Gを算出する。すなわち抽気流量Gは次式により求められる(尚、f3’は任意の関数である)。
=f3’(P、T、LVc)・・・(3)’
このように本変形例では、抽気流量Gを抽気制御弁150の開度LVに基づいて算出することで、前述の実施形態に比べて、精度よく抽気流量Gを算出することができる。これにより、タービン入口温度算出部210では、このように求めた抽気流量Gを用いてタービン入口温度T1Tを算出することで、タービン入口温度T1Tの精度も向上することができる。その結果、タービン13が低負荷運転時にある際に、タービン13が急激に出力変動するような過渡応答時においても、タービン入口温度T1Tに基づいて、複数の燃料供給系統50の燃料配分比を適切に求め、燃焼振動や失火によるトリップをより好適に回避可能なガスタービン制御が可能となる。
また抽気流量算出部206は、抽気制御弁150のCv値に基づいて抽気流量Gを算出してもよい。図6は図5の抽気流量算出部206の内部構成を示すブロック図である。抽気流量算出部206は、Cv基準値算出部260と、Cv推定値算出部262と、学習回路264と、抽気流量演算部266と、を備える。
Cv基準値算出部260は、抽気制御弁150の開度LVに基づいてCv基準値を算出する。Cv基準値は、予め設定された抽気制御弁150のCv値に関する基準値であり、例えば、抽気制御弁150の仕様値(計画特性値)である。Cv基準値は抽気制御弁150の開度LVに対応して可変であり、Cv基準値と抽気制御弁150の開度LVとの相関に関する情報が予め用意される。Cv基準値算出部260は、当該情報に基づいて、抽気制御弁開度取得部218で取得された抽気制御弁150の開度LVに対応するCv基準値を算出する。
Cv推定値算出部262は、ヒートバランス計算に基づいて、抽気制御弁150のCv値の推定値であるCv推定値を算出する。当該ヒートバランス計算は、例えば、予め計画した抽気流量比率から算出する抽気流量、抽気圧力、及び、抽気温度を用いてCv推定値を算出する。
学習回路264は、Cv基準値算出部260で算出されたCv基準値を、Cv推定値算出部262で算出されたCv推定値を用いて学習処理することにより補正する。学習回路264による補正は、例えば、Cv基準値とCv推定値との比を補正係数として、Cv基準値に乗算することにより行われる。ヒートバランス計算によって算出されたCv推定値は、タービン13の負荷変化に対して応答性が低いものの、整定時の精度が高い。そのため、Cv推定値を用いてCv基準値を補正することにより、抽気制御弁150の個体差や仕様誤差などを加味した精度のよいCv値を得ることができる。
抽気流量演算部266は、学習回路264で算出された補正後のCv値に基づいて、抽気流量Gを算出する。抽気流量演算部266は、抽気制御弁150の開度LVc、抽気温度T、抽気圧力P、及び、学習回路264で算出された補正後のCv値を用いて、次式により抽気流量Gを算出する(尚、f3’’は任意の関数である)。
=f3’’(P、T、LV、Cv)・・・(3)’’
このように抽気流量Gを抽気制御弁150のCv値に基づいて算出することで、前述の実施形態に比べて、精度よく抽気流量Gを算出することができる。これにより、タービン入口温度算出部210では、このように求めた抽気流量Gを用いてタービン入口温度T1Tを算出することで、タービン入口温度T1Tの精度も向上することができる。その結果、タービン13が低負荷運転時にある際に、タービン13が急激に出力変動するような過渡応答時においても、タービン入口温度T1Tに基づいて、複数の燃料供給系統50の燃料配分比を適切に求め、燃焼振動や失火によるトリップをより好適に回避可能なガスタービン制御が可能となる。
その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態を適宜組み合わせてもよい。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)一態様に係るガスタービン制御装置(例えば上記実施形態のガスタービン制御装置20)は、
ガスタービン(例えば上記実施形態のタービン13)の燃焼器(例えば上記実施形態の燃焼器12)に供給される燃料の流量(例えば上記実施形態の燃料流量G)を算出する燃料流量算出部(例えば上記実施形態の燃料流量算出部202)と、
空気供給部(例えば上記実施形態の圧縮機11)から供給される空気のうち、前記ガスタービンのバイパス空気の流量(例えば上記実施形態のバイパス空気流量Gtb)を算出するバイパス空気流量算出部(例えば上記実施形態のバイパス空気流量算出部204)と、
前記バイパス空気の流量に基づいて、前記空気供給部から前記燃焼器に供給される供給空気の流量(例えば上記実施形態の供給空気流量G)を算出する供給空気流量算出部(例えば上記実施形態の供給空気流量算出部208)と、
前記燃焼器の熱エネルギ収支に関する物理モデル式を用いて、前記燃料の流量、前記供給空気の流量に基づいて、前記ガスタービンのタービン入口温度(例えば上記実施形態のタービン入口温度T1T)を算出するタービン入口温度算出部(例えば上記実施形態のタービン入口温度算出部210)と、
前記タービン入口温度に基づいて、前記燃焼器に設けられた複数の燃料供給系統(例えば上記実施形態の燃料供給系統50)における燃料配分比を算出する燃料配分比算出部(例えば上記実施形態の燃料配分比算出部214)と、
を備える。
上記(1)の態様によれば、タービン入口温度を算出するための供給空気流量が、タービンをバイパスするバイパス空気の流量を考慮して算出される。これにより、例えばガスタービンが低負荷運転状態にある場合に空気供給部からタービンへの空気供給量を減少させるために、空気供給部からの空気の一部をタービンに対してバイパスした場合においても、タービン入口温度を精度よく算出することができる。その結果、例えばガスタービンが低負荷運転時にある際に、ガスタービンが急激に出力変動するような過渡応答時においても、タービン入口温度に基づいて、複数の燃料供給系統の燃料配分比を適切に求め、燃焼振動や失火によるトリップを好適に回避可能なガスタービン制御が可能となる。
(2)他の態様では上記(1)の態様において、
前記バイパス空気の流量、又は、前記バイパス空気の流量と相関のあるパラメータに基づいて、前記空気供給部からの抽気の流量(例えば上記実施形態の抽気流量G)を算出する抽気流量算出部(例えば上記実施形態の抽気流量算出部206)を更に備え、
前記供給空気流量算出部は、前記抽気の流量に基づいて前記供給空気の流量を算出する。
上記(2)の態様によれば、タービン入口温度を算出するための供給空気流量が、空気供給部からの抽気流量を考慮して算出される。これにより、空気供給部からの空気の一部を抽気して、例えばタービンの冷却用空気として利用した場合においても、バイパス空気や抽気とのバランスからタービンへの供給空気流量を適切に求め、タービン入口温度を精度よく算出することができる。
(3)他の態様では上記(2)の態様において、
前記抽気流量算出部は、前記バイパス空気の流量、又は、前記バイパス空気の流量と相関のあるパラメータに基づいて、前記抽気の流量を算出する。
上記(3)の態様によれば、抽気流量とバイパス空気流量との間に相関があることを考慮して、抽気流量の算出をバイパス空気の流量に基づいて行うことで、タービン入口温度を精度よく算出できる。
(4)他の態様では上記(1)から(3)のいずれか一態様において、
前記バイパス空気流量算出部は、前記ガスタービンのバイパス路(例えば上記実施形態のバイパス路140)に設けられたバイパス弁(例えば上記実施形態のバイパス弁142)の開度に基づいて、前記バイパス空気の流量を算出する。
上記(4)の態様によれば、バイパス路に設けられたバイパス弁の開度に基づいて、タービン入口温度の算出に用いられるバイパス空気流量を的確に求めることができる。
(5)他の態様では上記(1)から(4)のいずれか一態様において、
前記空気供給部は圧縮空気を生成可能な圧縮機(例えば上記実施形態の圧縮機11)であり、
前記供給空気流量算出部は、前記圧縮機からの抽気流量、及び、前記バイパス空気の流量に基づいて前記供給空気の流量を算出する。
上記(5)の態様によれば、燃焼器に対する供給空気流量を、タービンをバイパスするバイパス空気の流量や、圧縮機からの抽気の流量とのバランスを考慮して的確に求めることで、タービン入口温度を精度よく算出することができる。
(6)他の態様では上記(2)又は(3)の態様において、
前記抽気が流れる抽気路に設けられた抽気制御弁の開度を取得する抽気制御弁開度取得部と、
前記抽気路の前記抽気制御弁の入口部における抽気温度を取得する抽気温度取得部と、
前記抽気路の前記抽気制御弁の入口部における抽気圧力を取得する抽気圧力取得部と、
を更に備え、
前記抽気流量算出部は、前記抽気制御弁の開度、前記抽気温度、及び、前記抽気圧力に基づいて、前記抽気流量を算出する。
上記(6)の態様によれば、抽気流量を抽気制御弁の開度に基づいて算出することで、より精度のよい抽気流量の算出が可能となる。このように求めた抽気流量を用いてタービン入口温度を算出することで、タービン入口温度の精度も向上することができる。
(7)他の態様では上記(6)の態様において、
前記抽気流量算出部は、前記抽気制御弁のCv値に基づいて前記抽気流量を算出する。
上記(7)の態様によれば、抽気制御弁のCv値を考慮することで、抽気流量をより精度よく算出できる。このように求めた抽気流量を用いてタービン入口温度を算出することで、タービン入口温度の精度も向上することができる。
(8)他の態様では上記(7)の態様において、
前記Cv値は、前記抽気制御弁の特性情報に基づいて求められるCv基準値を、ヒートバランス計算に基づいて推定されるCv推定値を用いて補正することにより求められる。
上記(8)の態様によれば、タービン13の負荷変化に対して応答性が低いものの、整定時の精度が高いCv推定値を用いてCv基準値を補正することにより、抽気制御弁150の個体差や仕様誤差などを加味した精度のよいCv値を得ることができる。このように得られたCv値を用いて抽気流量を算出することで、より制御精度を向上させることができる。
(9)他の態様では上記(1)から(8)のいずれか一態様において、
前記ガスタービンの運転負荷を取得する運転負荷取得部(例えば上記実施形態の運転負荷取得部201)を更に備え、
前記タービン入口温度算出部は、前記運転負荷が基準値未満である場合に前記タービン入口温度を算出する。
上記(9)の態様によれば、ガスタービンの運転負荷が基準値未満である低負荷運転状態において、タービンをバイパスするバイパス空気の流量を考慮した供給空気流量に基づいてタービン入口温度が算出される。これにより、低負荷運転状態にあるガスタービンにおいても、精度のよいタービン入口温度が得られるため、タービン入口温度に基づいて複数の燃料供給系統の燃料配分比を適切に求め、燃焼振動や失火によるトリップを好適に回避可能なガスタービン制御が可能となる。
(10)他の態様では上記(1)から(9)のいずれか一態様において、
前記複数の燃料供給系統は、トップハット燃料供給系統(例えば上記実施形態の第1燃料供給系統50a)、パイロット燃料供給系統(例えば上記実施形態の第2燃料供給系統50b)、及び、メイン燃料供給系統(例えば上記実施形態の第3燃料供給系統50c)を含む。
上記(10)の態様によれば、タービン入口温度に基づいて、トップハット燃料供給系統、パイロット燃料供給系統、及び、メイン燃料供給系統における燃料配分比を適切に求め、燃焼振動や失火によるトリップを好適に回避可能なガスタービン制御が可能となる。
(11)一態様に係るガスタービン制御方法は、
ガスタービン(例えば上記実施形態のタービン13)の燃焼器(例えば上記実施形態の燃焼器12)に供給される燃料の流量(例えば上記実施形態の燃料流量G)を算出する工程(例えば上記実施形態のステップS101)と、
空気供給部(例えば上記実施形態の圧縮機11)から供給される空気のうち、前記ガスタービンのバイパス空気の流量(例えば上記実施形態のバイパス空気流量Gtb)を算出する工程(例えば上記実施形態のステップS102)と、
前記バイパス空気の流量に基づいて、前記空気供給部から前記燃焼器に供給される供給空気の流量(例えば上記実施形態の供給空気流量G)を算出する工程(例えば上記実施形態のステップS104)と、
前記燃焼器の熱エネルギ収支に関する物理モデル式を用いて、前記燃料の流量、前記供給空気の流量に基づいて、前記ガスタービンのタービン入口温度(例えば上記実施形態のタービン入口温度T1T)を算出する工程(例えば上記実施形態のステップS105)と、
前記タービン入口温度に基づいて、前記燃焼器に設けられた複数の燃料供給系統(例えば上記実施形態の燃料供給系統50)における燃料配分比を算出する工程(例えば上記実施形態のステップS107)と、
を備える。
上記(11)の態様によれば、タービン入口温度を算出するための供給空気流量が、タービンをバイパスするバイパス空気の流量を考慮して算出される。これにより、例えばガスタービンが低負荷運転状態にある場合に空気供給部からタービンへの空気供給量を減少させるために、空気供給部からの空気の一部をタービンに対してバイパスした場合においても、タービン入口温度を精度よく算出することができる。その結果、例えばガスタービンが低負荷運転時にある際に、ガスタービンが急激に出力変動するような過渡応答時においても、タービン入口温度に基づいて、複数の燃料供給系統の燃料配分比を適切に求め、燃焼振動や失火によるトリップを好適に回避可能なガスタービン制御が可能となる。
(12)一態様に係るガスタービン制御プログラムは、
コンピュータに、
ガスタービン(例えば上記実施形態のタービン13)の燃焼器(例えば上記実施形態の燃焼器12)に供給される燃料の流量(例えば上記実施形態の燃料流量G)を算出する工程(例えば上記実施形態のステップS101)と、
空気供給部(例えば上記実施形態の圧縮機11)から供給される空気のうち、前記ガスタービンのバイパス空気の流量(例えば上記実施形態のバイパス空気流量Gtb)を算出する工程(例えば上記実施形態のステップS102)と、
前記バイパス空気の流量に基づいて、前記空気供給部から前記燃焼器に供給される供給空気の流量(例えば上記実施形態の供給空気流量G)を算出する工程(例えば上記実施形態のステップS104)と、
前記燃焼器の熱エネルギ収支に関する物理モデル式を用いて、前記燃料の流量、前記供給空気の流量に基づいて、前記ガスタービンのタービン入口温度(例えば上記実施形態のタービン入口温度T1T)を算出する工程(例えば上記実施形態のステップS105)と、
前記タービン入口温度に基づいて、前記燃焼器に設けられた複数の燃料供給系統(例えば上記実施形態の燃料供給系統50)における燃料配分比を算出する工程(例えば上記実施形態のステップS107)と、
を実行可能である。
上記(12)の態様によれば、タービン入口温度を算出するための供給空気流量が、タービンをバイパスするバイパス空気の流量を考慮して算出される。これにより、例えばガスタービンが低負荷運転状態にある場合に空気供給部からタービンへの空気供給量を減少させるために、空気供給部からの空気の一部をタービンに対してバイパスした場合においても、タービン入口温度を精度よく算出することができる。その結果、例えばガスタービンが低負荷運転時にある際に、ガスタービンが急激に出力変動するような過渡応答時においても、タービン入口温度に基づいて、複数の燃料供給系統の燃料配分比を適切に求め、燃焼振動や失火によるトリップを好適に回避可能なガスタービン制御が可能となる。
10 ガスタービン
11 圧縮機
12 燃焼器
13 タービン
14 インレットガイドベーン
15 ロータ
16 発電機
17 燃焼器車室
18 調整弁
20 ガスタービン制御装置
20a マニホールド圧力センサ
20b 燃焼器車室圧力センサ
20c 燃料温度センサ
20d インデックス差圧センサ
20e 圧縮機入口温度センサ
20f 車室温度センサ
20g 車室圧力センサ
20h バイパス弁開度センサ
20i 排ガス温度センサ
20j 抽気温度センサ
20k 抽気圧力センサ
40 燃料供給装置
50 燃料供給系統
100 ガスタービン発電プラント
111 圧縮機ロータ
112 圧縮機車室
121 燃焼器内筒
123 ノズル
124 マニホールド配管
131 タービンロータ
132 タービン車室
140 バイパス路
142 バイパス弁
144 抽気路
146 抽気調整弁
150 抽気制御弁
201 運転負荷取得部
202 燃料流量算出部
204 バイパス空気流量算出部
206 抽気流量算出部
208 供給空気流量算出部
210 タービン入口温度算出部
212 補正部
214 燃料配分比算出部
216 弁開度算出部
218 抽気制御弁開度取得部
220 抽気温度取得部
222 抽気圧力取得部
260 基準値算出部
262 推定値算出部
264 学習回路
266 抽気流量演算部

Claims (17)

  1. 圧縮機から燃焼器車室を経由して供給される圧縮空気と燃料とを混合燃焼する燃焼器で生成された燃焼ガスでタービンを駆動可能なガスタービンを制御するためのガスタービン制御装置であって、
    前記燃焼器に供給される前記燃料の流量を算出する燃料流量算出部と、
    前記圧縮機から前記燃焼器車室内に供給された圧縮空気のうち少なくとも一部が前記燃焼器に供給されないように、前記燃焼器車室に接続され、前記燃焼器車室内の圧縮空気を前記燃焼器車室外に排出し得るバイパス路と、
    前記バイパス路を流れるバイパス空気の流量を算出するバイパス空気流量算出部と、
    少なくとも前記バイパス空気の流量を用い、前記燃焼器に供給される供給空気の流量を算出する供給空気流量算出部と、
    前記燃焼器の熱エネルギ収支に関する物理モデル式を用いて、前記燃料の流量、前記供給空気の流量に基づいて、前記ガスタービンのタービン入口温度を算出するタービン入口温度算出部と、
    前記タービン入口温度に基づいて、前記燃焼器に設けられた複数の燃料供給系統における燃料配分比を算出する燃料配分比算出部と、
    を備える、ガスタービン制御装置。
  2. 圧縮機から燃焼器車室を経由して供給される圧縮空気と燃料とを混合燃焼する燃焼器で生成された燃焼ガスでタービンを駆動可能なガスタービンを制御するためのガスタービン制御装置であって、
    前記燃焼器に供給される前記燃料の流量を算出する燃料流量算出部と
    前記圧縮機から前記燃焼器車室内に供給された圧縮空気のうち少なくとも一部が前記燃焼器に供給されないように、前記燃焼器車室に接続され、前記燃焼器車室内の圧縮空気を前記燃焼器車室外に排出し得るバイパス路と、
    前記バイパス路を流れるバイパス空気の流量を算出するバイパス空気流量算出部と、
    前記圧縮機内の空気のうち少なくとも一部が前記燃焼器車室および前記燃焼器に供給されないように、前記圧縮機に接続され、前記圧縮機内の空気を前記圧縮機外に抽気し得る抽気路と、
    前記バイパス空気の流量、又は、前記バイパス空気の流量と相関のあるパラメータに基づいて、前記抽気路を流れる抽気の流量を算出する抽気流量算出部と、
    少なくとも前記抽気の流量を用いて、前記燃焼器に供給される供給空気の流量を算出する供給空気流量算出部と、
    前記燃焼器の熱エネルギ収支に関する物理モデル式を用いて、前記燃料の流量、前記供給空気の流量に基づいて、前記ガスタービンのタービン入口温度を算出するタービン入口温度算出部と、
    前記タービン入口温度に基づいて、前記燃焼器に設けられた複数の燃料供給系統における燃料配分比を算出する燃料配分比算出部と、
    を備える、ガスタービン制御装置。
  3. 圧縮機から燃焼器車室を経由して供給される圧縮空気と燃料とを混合燃焼する燃焼器で生成された燃焼ガスでタービンを駆動可能なガスタービンを制御するためのガスタービン制御装置であって、
    前記燃焼器に供給される前記燃料の流量を算出する燃料流量算出部と
    前記圧縮機から前記燃焼器車室内に供給された圧縮空気のうち少なくとも一部が前記燃焼器に供給されないように、前記燃焼器車室に接続され、前記燃焼器車室内の圧縮空気を前記燃焼器車室外に排出し得るバイパス路と、
    前記バイパス路を流れるバイパス空気の流量を算出するバイパス空気流量算出部と、
    前記圧縮機内の空気のうち少なくとも一部が前記燃焼器車室および前記燃焼器に供給されないように、前記圧縮機に接続され、前記圧縮機内の空気を前記圧縮機外に抽気し得る抽気路と、
    前記抽気路を流れる抽気の流量を算出する抽気流量算出部と、
    少なくとも前記バイパス空気の流量と前記抽気の流量を用いて、前記燃焼器に供給される供給空気の流量を算出する供給空気流量算出部と、
    前記燃焼器の熱エネルギ収支に関する物理モデル式を用いて、前記燃料の流量、前記供給空気の流量に基づいて、前記ガスタービンのタービン入口温度を算出するタービン入口温度算出部と、
    前記タービン入口温度に基づいて、前記燃焼器に設けられた複数の燃料供給系統における燃料配分比を算出する燃料配分比算出部と、
    を備える、ガスタービン制御装置。
  4. 圧縮機から燃焼器車室を経由して供給される圧縮空気と燃料とを混合燃焼する燃焼器で生成された燃焼ガスでタービンを駆動可能なガスタービンを制御するためのガスタービン制御装置であって、
    前記燃焼器に供給される前記燃料の流量を算出する燃料流量算出部と
    前記圧縮機から前記燃焼器車室内に供給された圧縮空気のうち少なくとも一部が前記燃焼器に供給されないように、前記燃焼器車室に接続されて前記燃焼器車室内の圧縮空気を前記燃焼器車室外に排出し、且つ前記燃焼器と前記タービンをバイパスし得るバイパス路と、
    前記バイパス路を流れるバイパス空気の流量を算出するバイパス空気流量算出部と、
    前記圧縮機内の空気のうち少なくとも一部が、前記燃焼器車室および前記燃焼器に供給されず、前記タービンの入口部を通過することなくタービン車室に供給され得るように前記圧縮機と前記タービン車室を接続する抽気路と、
    前記抽気路を流れる抽気の流量を算出する抽気流量算出部と、
    少なくとも前記バイパス空気の流量を用いて、前記燃焼器に供給される供給空気の流量を算出する供給空気流量算出部と、
    前記燃焼器の熱エネルギ収支に関する物理モデル式を用いて、前記燃料の流量、前記供給空気の流量に基づいて、前記ガスタービンのタービン入口温度を算出するタービン入口温度算出部と、
    前記タービン入口温度に基づいて、前記燃焼器に設けられた複数の燃料供給系統における燃料配分比を算出する燃料配分比算出部と、
    を備える、ガスタービン制御装置。
  5. 圧縮機から燃焼器車室を経由して供給される圧縮空気と燃料とを混合燃焼する燃焼器で生成された燃焼ガスでタービンを駆動可能なガスタービンを制御するためのガスタービン制御装置であって、
    前記燃焼器に供給される前記燃料の流量を算出する燃料流量算出部と
    前記圧縮機から前記燃焼器車室内に供給された圧縮空気のうち少なくとも一部が前記燃焼器に供給されないように、前記燃焼器車室に接続されて前記燃焼器車室内の圧縮空気を前記燃焼器車室外に排出し、且つ前記燃焼器と前記タービンをバイパスし得るバイパス路と、
    前記バイパス路を流れるバイパス空気の流量を算出するバイパス空気流量算出部と、
    前記圧縮機内の空気のうち少なくとも一部が、前記燃焼器車室および前記燃焼器に供給されず、前記タービンの入口部を通過することなくタービン車室に供給され得るように前記圧縮機と前記タービン車室を接続する抽気路と、
    前記抽気路を流れる抽気の流量を算出する抽気流量算出部と、
    少なくとも前記バイパス空気の流量と前記抽気の流量を用いて、前記燃焼器に供給される供給空気の流量を算出する供給空気流量算出部と、
    前記燃焼器の熱エネルギ収支に関する物理モデル式を用いて、前記燃料の流量、前記供給空気の流量に基づいて、前記ガスタービンのタービン入口温度を算出するタービン入口温度算出部と、
    前記タービン入口温度に基づいて、前記燃焼器に設けられた複数の燃料供給系統における燃料配分比を算出する燃料配分比算出部と、
    を備える、ガスタービン制御装置。
  6. 前記バイパス空気流量算出部は、前記ガスタービンのバイパス路に設けられたバイパス弁の開度に基づいて、前記バイパス空気の流量を算出する、請求項1からのいずれか一項に記載のガスタービン制御装置。
  7. 前記抽気が流れる抽気路に設けられた抽気制御弁の開度を取得する抽気制御弁開度取得部と、
    前記抽気路の前記抽気制御弁の入口部における抽気温度を取得する抽気温度取得部と、
    前記抽気路の前記抽気制御弁の入口部における抽気圧力を取得する抽気圧力取得部と、
    を更に備え、
    前記抽気流量算出部は、少なくとも前記抽気制御弁の開度、前記抽気温度、及び、前記抽気圧力に基づいて、前記抽気流量を算出する、請求項3から5のいずれか一項に記載のガスタービン制御装置。
  8. 前記抽気流量算出部は、前記抽気制御弁のCv値に基づいて前記抽気流量を算出する、請求項に記載のガスタービン制御装置。
  9. 前記Cv値は、前記抽気制御弁の特性情報に基づいて求められるCv基準値を、ヒートバランス計算に基づいて推定されるCv推定値を用いて補正することにより求められる、請求項に記載のガスタービン制御装置。
  10. 前記ガスタービンの運転負荷を取得する運転負荷取得部を更に備え、
    前記タービン入口温度算出部は、前記運転負荷が基準値未満である場合に前記タービン入口温度を算出する、請求項1からのいずれか一項に記載のガスタービン制御装置。
  11. 圧縮機から燃焼器車室を経由して供給される圧縮空気と燃料とを混合燃焼する燃焼器で生成された燃焼ガスでタービンを駆動可能なガスタービンを制御するためのガスタービン制御装置であって、
    前記燃焼器に供給される前記燃料の流量を算出する燃料流量算出部と
    前記圧縮機内の空気のうち少なくとも一部が前記燃焼器車室および前記燃焼器に供給されないように、前記圧縮機に接続され、前記圧縮機内の空気を前記圧縮機外に抽気し得る抽気路と、
    前記抽気路を流れる抽気の流量を算出する抽気流量算出部と、
    少なくとも前記抽気の流量を用いて、前記燃焼器に供給される供給空気の流量を算出する供給空気流量算出部と、
    前記燃焼器の熱エネルギ収支に関する物理モデル式を用いて、前記燃料の流量、前記供給空気の流量に基づいて、前記ガスタービンのタービン入口温度を算出するタービン入口温度算出部と、
    前記タービン入口温度に基づいて、前記燃焼器に設けられた複数の燃料供給系統における燃料配分比を算出する燃料配分比算出部と、
    前記抽気が流れる抽気路に設けられた抽気制御弁の開度を取得する抽気制御弁開度取得部と、
    前記抽気路の前記抽気制御弁の入口部における抽気温度を取得する抽気温度取得部と、
    前記抽気路の前記抽気制御弁の入口部における抽気圧力を取得する抽気圧力取得部と、
    を備え、
    前記抽気流量算出部は、少なくとも前記抽気制御弁の開度、前記抽気温度、及び、前記抽気圧力に基づいて、前記抽気流量を算出する、ガスタービン制御装置。
  12. 前記抽気流量算出部は、前記抽気制御弁のCv値に基づいて前記抽気流量を算出する、請求項11に記載のガスタービン制御装置。
  13. 前記Cv値は、前記抽気制御弁の特性情報に基づいて求められるCv基準値を、ヒートバランス計算に基づいて推定されるCv推定値を用いて補正することにより求められる、請求項12に記載のガスタービン制御装置。
  14. 圧縮機から燃焼器車室を経由して供給される圧縮空気と燃料とを混合燃焼する燃焼器で生成された燃焼ガスでタービンを駆動可能なガスタービンを制御するためのガスタービン制御装置であって、
    前記燃焼器に供給される前記燃料の流量を算出する燃料流量算出部と
    前記圧縮機内の空気のうち少なくとも一部が前記燃焼器車室および前記燃焼器に供給されないように、前記圧縮機に接続され、前記圧縮機内の空気を前記圧縮機外に抽気し得る抽気路と、
    前記抽気路を流れる抽気の流量を算出する抽気流量算出部と、
    少なくとも前記抽気の流量を用いて、前記燃焼器に供給される供給空気の流量を算出する供給空気流量算出部と、
    前記燃焼器の熱エネルギ収支に関する物理モデル式を用いて、前記燃料の流量、前記供給空気の流量に基づいて、前記ガスタービンのタービン入口温度を算出するタービン入口温度算出部と、
    前記タービン入口温度に基づいて、前記燃焼器に設けられた複数の燃料供給系統における燃料配分比を算出する燃料配分比算出部と、
    前記ガスタービンの運転負荷を取得する運転負荷取得部と、
    を備え、
    前記タービン入口温度算出部は、前記運転負荷が基準値未満である場合に前記タービン入口温度を算出する、ガスタービン制御装置。
  15. 前記複数の燃料供給系統は、トップハット燃料供給系統、パイロット燃料供給系統、及び、メイン燃料供給系統を含む、請求項1から14のいずれか一項に記載のガスタービン制御装置。
  16. 圧縮機から燃焼器車室を経由して供給される圧縮空気と燃料とを混合燃焼する燃焼器で生成された燃焼ガスでタービンを駆動可能なガスタービンを制御するためのガスタービン制御方法であって、
    前記燃焼器に供給される前記燃料の流量を算出する工程と、
    前記圧縮機から前記燃焼器車室内に供給された圧縮空気のうち少なくとも一部を前記燃焼器車室外に排出するためのバイパス路を流れるバイパス空気の流量を算出する工程と、
    少なくとも前記バイパス空気の流量を用い、前記燃焼器に供給される供給空気の流量を算出する工程と、
    前記燃焼器の熱エネルギ収支に関する物理モデル式を用いて、前記燃料の流量、前記供給空気の流量に基づいて、前記ガスタービンのタービン入口温度を算出する工程と、
    前記タービン入口温度に基づいて、前記燃焼器に設けられた複数の燃料供給系統における燃料配分比を算出する工程と、
    を備える、ガスタービン制御方法。
  17. 圧縮機から燃焼器車室を経由して供給される圧縮空気と燃料とを混合燃焼する燃焼器で生成された燃焼ガスでタービンを駆動可能なガスタービンを制御するためのガスタービン制御プログラムであって、
    コンピュータに、
    前記燃焼器に供給される前記燃料の流量を算出する工程と、
    前記圧縮機から前記燃焼器車室内に供給された圧縮空気のうち少なくとも一部を前記燃焼器車室外に排出するためのバイパス路を流れるバイパス空気の流量を算出する工程と、
    少なくとも前記バイパス空気の流量を用い、前記燃焼器に供給される供給空気の流量を算出する工程と、
    前記燃焼器の熱エネルギ収支に関する物理モデル式を用いて、前記燃料の流量、前記供給空気の流量に基づいて、前記ガスタービンのタービン入口温度を算出する工程と、
    前記タービン入口温度に基づいて、前記燃焼器に設けられた複数の燃料供給系統における燃料配分比を算出する工程と、
    を実行可能な、ガスタービン制御プログラム。
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