JP2012021487A - 熱効率解析方法及び熱効率解析プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発電プラントを構成する機器の入出力及び作動流体の状態量の計測値を得て、プラント解析モデルに計測値を入力して、当該計測値を得た計測時ごとの実測値基準の熱効率解析を行い発電プラントの熱効率及び各機器の性能値を求め、計測時ごとに得られた実測値基準の熱効率解析結果に基づいて機器性能関数を機器ごとに作成し、機器性能関数の独立変数である状態量に標準条件を設定し、計測値を機器性能関数の標準条件における値に換算して換算値を求め、入出力又は状態量が変化することによる影響を排除した発電プラントの熱効率及び発電プラントを構成する機器の性能値を評価する。
【選択図】図3
Description
図示するように、発電プラントの一例であるコンバインドサイクル発電プラント1(以下、「プラント1」と記載する。)は、燃焼器2を備えている。燃焼器2は、液化天然ガス(LNG)及び空気圧縮機3で加圧された空気が供給され、LNGと空気とが混合燃焼されて燃焼ガスとなる。燃焼ガスは、ガスタービン4に送られて膨張され、発電動力が得られる。
本実施形態に係る熱効率解析プログラムは、このようなプラント1の構成、これを構成する各機器において実測した入出力に関する情報、及び各機器において実測した作動流体の状態量に基づいて、
(1)各機器の性能値を計算し、経年的な性能値の変化の傾向を解析する実測値基準解析
(2)大気条件や海水温など外部要因の影響を排して機器の性能値を計算する標準条件換算
(3)各機器の性能値((2)で換算したもの)がプラント1全体の熱効率にどの程度寄与するかを解析する機器性能基準解析
を行う各機能をコンピュータに実現させるものである。以下、本実施形態に係る熱効率解析プログラムについて詳細に説明する。
図2は、本実施形態に係る熱効率解析プログラムが実行されるコンピュータの概略構成図である。図示するように、コンピュータ30は、CPU31、RAM32、ROM33、記憶装置の一例であるハードディスク34、マウスやキーボード等の入力装置35、ディスプレイ、プリンタ等の出力装置36、外部の機器との接続インタフェース37、通信手段38が設けられている。
図3は、熱効率解析プログラムの各処理ステップを表すフロー図である。まず、熱効率解析プログラムは、コンバインドサイクル発電プラントのプラント解析モデルを作成する(ステップS1)。プラント解析モデルとは、各機器の熱物質収支及び特性を表す式を、各機器間の接続を表す接続情報に基づいて連立させたものである。
次に、熱効率解析プログラムは、プラント1の機器の入出力及び作動流体の状態量の計測値の入力を行う(ステップS2)。
このように実測して得た各機器の状態量と、プラント解析モデルとに基づいて、熱物質収支解析を行う(図3ステップS3)。実測した状態量を用いて熱物質収支解析を行うことを、本発明では実測値基準解析と称する。
次に、実測値基準解析の結果に基づいて、機器ごとに機器性能関数を作成する(図3ステップS4)。機器性能関数とは、任意の状態量と各機器の性能値との関係を表す関数である。
次に、機器性能関数を用いて標準条件における性能値の換算を行う(図3ステップS5)。すなわち、状態量のうち、任意の値を標準条件として設定し、その標準条件における各機器の性能値を機器性能関数から求める。すなわち、各機器の機器性能関数に標準条件の値を入力することで、標準条件における性能値が得られる。この標準条件における性能値を換算値と称する。
次に、各機器の性能値の変化がプラント1全体の熱効率に及ぼす影響を計算する(図3ステップS6)。具体的には、上述した換算値と、プラント解析モデルとに基づいて、熱物質収支解析(機器性能基準解析)を行い、プラント1の熱効率を計算する。
以上のステップで計算した結果、各機器についての換算値を時系列に沿ってプロットしたグラフ、プラント1の熱効率、及び当該熱効率に対して各機器の換算値が及ぼす影響を出力装置40に出力する(図3ステップS7)。
以上に説明した熱効率解析プログラムでは、実測した状態量とプラント解析モデルに基づいて実測値基準解析を行うことにより、各機器の性能値や熱効率を経年的に計算し、これらを標準条件におけるものに換算する。これにより、大気条件や海水温など外部要因の影響を排して機器の性能値が計算され、各機器の性能値の変化を正確に解析することができる。
なお、上述したように、コンピュータ30で熱効率解析プログラムを実行させる場合に限らず、以下のステップを実行することによっても同様の効果を得ることができる。すなわち、図9に示すように、プラント1を構成する各機器の入出力及び作動流体の状態量の計測値を得る(ステップS10)。また、プラント解析モデルの作成を行う(ステップS11)。次に、これらの状態量、プラント解析モデルに基づいて実測値基準解析を行って各機器の性能値及びプラント1の熱効率を得る(ステップS12)。各機器について機器性能関数の計算を行い(ステップS13)、標準条件における性能値の換算を行って(ステップS14)、各機器の標準条件における性能値(換算値)と、熱効率を得る。さらに、換算値とプラント解析モデルとに基づいて機器性能基準解析を行って(ステップS15)、プラント1の熱効率に対する各機器の性能値の変化の影響を得る。このようにして得られた結果から、各機器の性能値の経年的変化を評価することで、各機器の状況を得ることができ、また、どの機器について補修をすれば全体の熱効率が向上するかを評価することができる。
2 燃焼器
3 空気圧縮機
4 ガスタービン
5 排熱回収ボイラ
6 高圧蒸発器
7 中圧蒸発器
8 低圧蒸発器
9 高圧過熱器
10 中圧過熱器
11 低圧過熱器
12 高圧タービン
13 中低圧タービン
19 高圧節炭器
20 中圧節炭器
21 脱硝装置
24 記憶装置
30 コンピュータ
31 CPU
32 RAM
33 ROM
35 入力装置
36 出力装置
37 接続インタフェース
38 通信手段
Claims (10)
- 発電プラントを構成する機器の入出力及び作動流体の状態量の計測値を得て、
各機器の熱物質収支及び特性を表す式を各機器間の接続を表す接続情報に基づいて連立させたプラント解析モデルを作成し、
前記プラント解析モデルに前記計測値を入力して、当該計測値を得た計測時ごとの実測値基準の熱効率解析を行い発電プラントの熱効率及び各機器の性能値を求め、
計測時ごとに得られた前記実測値基準の熱効率解析結果に基づいて、任意の状態量と各機器の性能値との関係を表す機器性能関数を機器ごとに作成し、
機器性能関数の独立変数である前記状態量に標準条件を設定し、前記計測値を機器性能関数の標準条件における値に換算して換算値を求め、
前記入出力又は前記状態量が変化することによる影響を排除した発電プラントの熱効率及び発電プラントを構成する機器の性能値を評価する
ことを特徴とする熱効率解析方法。 - 請求項1に記載する熱効率解析方法において、
基準とする時点及び評価対象とする時点の標準状態に換算した各機器の性能値である換算値を求め、
一つの機器の性能値にのみ評価時点の換算値を設定し、他の機器の性能値には基準時点の換算値を設定して機器性能基準の熱効率解析を行って発電プラントの熱効率を求めることで、各機器の性能が発電プラントの熱効率に与える影響を定量的に評価する
ことを特徴とする熱効率解析方法。 - 請求項2に記載する熱効率解析方法において、
複数の機器について、前記機器性能基準の熱効率解析を行い、発電プラントの熱効率低下要因の要因ごとの影響を定量的に明らかにする
ことを特徴とする熱効率解析方法。 - 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載する熱効率解析方法において、
各機器の任意の状態量と性能値との関係に差異が生じる場合に、複数の機器性能関数を作成し、発電プラントの熱効率及び発電プラントを構成する機器の性能値を評価する
ことを特徴とする熱効率解析方法。 - 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載する熱効率解析方法において、
経年劣化、設備改造、運転状態の違いによって各機器の任意の状態量と性能値との関係に差異が生じる場合に、複数の機器性能関数を作成し、発電プラントの熱効率及び発電プラントを構成する機器の性能値を評価する
ことを特徴とする熱効率解析方法。 - コンピュータに、
発電プラントを構成する機器の入出力及び作動流体の状態量の計測値を入力する機能と、
各機器の熱物質収支及び特性を表す式を各機器間の接続を表す接続情報に基づいて連立させたプラント解析モデルを作成する機能と、
前記プラント解析モデルに前記計測値を入力して、当該計測値を得た計測時ごとの実測値基準の熱効率解析を行い発電プラントの熱効率及び各機器の性能値を求める機能と、
計測時ごとに得られた前記実測値基準の熱効率解析結果に基づいて、任意の状態量と各機器の性能値との関係を表す機器性能関数を機器ごとに作成する機能と、
機器性能関数の独立変数である前記状態量に標準条件を設定し、前記計測値を機器性能関数の標準条件における値に換算して換算値を求める機能と、
前記入出力又は前記状態量が変化することによる影響を排除した発電プラントの熱効率及び発電プラントを構成する機器の性能値を評価する機能とを実現させる
ことを特徴とする熱効率解析プログラム。 - 請求項6に記載する熱効率解析プログラムにおいて、
基準とする時点及び評価対象とする時点の標準状態に換算した各機器の性能値である換算値を求める機能と、
一つの機器の性能値にのみ評価時点の換算値を設定し、他の機器の性能値には基準時点の換算値を設定して機器性能基準の熱効率解析を行って発電プラントの熱効率を求めることで、各機器の性能が発電プラントの熱効率に与える影響を定量的に評価する機能とを備える
ことを特徴とする熱効率解析プログラム。 - 請求項7に記載する熱効率解析プログラムにおいて、
複数の機器について、前記機器性能基準の熱効率解析を行い、発電プラントの熱効率低下要因の要因ごとの影響を定量的に明らかにする機能を備える
ことを特徴とする熱効率解析プログラム。 - 請求項6〜請求項8の何れか一項に記載する熱効率解析プログラムにおいて、
各機器の任意の状態量と性能値との関係に差異が生じる場合に、複数の機器性能関数を作成し、発電プラントの熱効率及び発電プラントを構成する機器の性能値を評価する
ことを特徴とする熱効率解析プログラム。 - 請求項6〜請求項8の何れか一項に記載する熱効率解析プログラムにおいて、
経年劣化、設備改造、運転状態の違いによって各機器の任意の状態量と性能値との関係に差異が生じる場合に、複数の機器性能関数を作成し、発電プラントの熱効率及び発電プラントを構成する機器の性能値を評価する
ことを特徴とする熱効率解析プログラム。
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