JPH11229328A

JPH11229328A - 橋梁のハイブリッド壁高欄

Info

Publication number: JPH11229328A
Application number: JP3293798A
Authority: JP
Inventors: Tatsumasa Takaku; 達將高久; Masami Nomura; 正美野邑
Original assignee: NKK Corp; Nippon Kokan Ltd; Nippon Kokan Light Steel Co Ltd
Current assignee: JFE Engineering Corp; Nippon Kokan Light Steel Co Ltd
Priority date: 1998-02-16
Filing date: 1998-02-16
Publication date: 1999-08-24

Abstract

(57)【要約】【課題】メンテナンスコストを低減するとともに、景
観性に優れた橋梁の壁高欄を提供すること。【解決手段】橋梁の高欄において、コンクリート製の
下部構造体１の上部に、鋼管、形鋼材などからなる鋼製
の上部構造体２を接続してなり、この接続した構造体を
予め工場で製作しておき、橋梁架設時に固定手段４を介
して橋梁の床版に固定されることを特徴とするハイブリ
ッド壁高欄１０。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、橋梁または高架通
路の路面を形成する床版の両側縁に立設される高欄で、
メンテナンス性に優れ、景観性の優れたハイブリッド構
造の壁高欄に関する。

【０００２】

【従来の技術】架設された橋梁を長期間使用するために
は、各種のメンテナンスが必要である。近年、橋梁のメ
ンテナンスコストを最小にするか、あるいは、メンテナ
ンスの行い易い橋梁の要請が多くなり、構造材の材質
面、構造面から種々の検討がなされている。また、橋梁
の建設費用を低減することも要請されており、設計、構
造材料、付帯材料、製作法、架設法などの面からさまざ
まな検討が行われている。

【０００３】高欄は橋梁下への車両、人の転落防止、物
品の落下防止のため、橋梁の床版の両側縁に設置されて
いる。高欄には鋼製とコンクリート製とがあり、それぞ
れ長所、短所を有している。

【０００４】鋼製高欄の場合、鋼の腐食を防止するた
め、一般的に防食塗装が施されているが、数年毎に塗替
塗装が必要であり、メンテナンスコストが多大になって
いる。そこで、メンテナンスコストを低減する目的のた
め、鋼製高欄に長期耐久性の優れた重防食塗装を施した
り、また、最近は鋼材に代えてアルミニウムやステンレ
スを用いることがなされている。

【０００５】また、コンクリート製壁高欄は腐食の問題
はないが、現場打ちコンクリートにより施工しており、
施工工程が長くなり、作業効率が悪い短所がある。そこ
で、最近現場施工の省力化、架設工期の短縮を目的とし
て、予め工場にて製品化されたプレキャストコンクリー
ト壁高欄を使用する事例が増えてきている。

【０００６】図３にプレキャストコンクリート壁高欄を
設置した橋梁の断面の斜視図を示す。図において、３は
橋梁の床版、５はプレキャストコンクリート壁高欄、６
は橋桁である。一方、橋梁の高欄など上部構造物には周
囲環境の景観との調和、車両運転者、歩行者など橋梁利
用者から見た快適性が要求されている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】高欄を鋼材で製作した
場合、普通鋼では防食塗装が必要であり、数年毎に塗替
塗装が必要であるなどメンテナンスコストが多大とな
る。また、鋼製高欄に長期耐久性の優れた塗装を施した
り、鋼材に代えて、アルミニウムやステンレスを用いる
ことは、メンテナンスコストは低減できるが、初期建設
コストが高くなる。

【０００８】また、高欄をコンクリートで製作した場
合、プレキャストコンクリートにより形成したものは、
架設工期の短縮化など建設費用を低減できるが、車両運
転者、歩行者など橋梁利用者の視線を遮り、閉塞感を感
じさせ、景観性も劣っている。また、形状のデザインの
上からも制約があり、景観の優れたデザインとすること
が困難である。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明のハイブリッド壁
高欄は、橋梁の高欄において、コンクリート製の下部構
造体の上部に、鋼管、形鋼材などからなる鋼製の上部構
造体を接続してなり、この接続した上部構造体を予め工
場で製作しておき、橋梁架設時に固定手段を介して橋梁
の床版に固定されることを特徴とするものである。

【００１０】下部がコンクリート製であるので、鋼製部
材では腐食が生じ易い環境、例えば、道路に融雪剤とし
て塩化物を散布するような場合でも、部材の腐食がな
く、鋼製の場合に必要な防食塗装、塗替え塗装を不要と
し、メンテナンスコストを低減できる。また、高価な長
耐久性塗装、アルミニウム材、ステンレス材を用いる必
要がなく、初期建設コストを低減できる。

【００１１】上部を鋼製としているので、景観を考慮し
たデザインで作成することができ、直線や曲線を組み合
わせた意匠性の優れたデザインが可能である。また、上
部構造体の鋼製部材は見通しを遮らない間隔で配設され
ているので、車両運転者、歩行者など橋梁利用者の視線
を遮らず、快適に利用できる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下に本発明のハイブリッド壁高
欄実施の形態の一例を図面を参照して説明する。図１
は、本発明にかかるハイブリッド壁高欄１０の側面図と
断面図、図２は、本発明にかかる壁高欄を床版に固定す
る方法の説明図である。

【００１３】下部１はコンクリート製で壁形状である
が、利用者の視線を遮らない程度の高さである。上部２
は鋼管、角鋼管、形鋼材などからなる鋼製であり、橋長
方向の上部材２ａに垂直部材２ｂの橋長方向の間隔を広
くして接続して、利用者の視線を遮らず、開放的なデザ
インとしている。

【００１４】また、他に柵状構造、斜材交差構造及びト
ラス構造など、景観性を考慮した自由自在なデザインが
可能である。また、上部２の鋼製部には亜鉛めっき、亜
鉛・アルミニウムめっき、亜鉛溶射、亜鉛・アルミニウ
ム溶射等の金属被覆を施したり、亜鉛を含有した重防食
塗料、ふっ素樹脂塗料、シリコン樹脂塗料などの長期耐
久性の優れた塗装を施し、鋼材の腐食を防ぎ、美観を維
持する。

【００１５】また、上部２の鋼製部の材料として、ステ
ンレス鋼などの耐食金属材料を用いてもよい。下部のコ
ンクリート部１と上部の鋼製部２との接合は、上部鋼製
部の溝型鋼部材等２ｃにアンカー鉄筋を設け、下部１の
コンクリートを打設する等の方法で行う。

【００１６】あらかじめ、上部構造体２、下部構造体１
および接合した壁高欄１０を工場で製作しておき、橋梁
架設時に床版３に固定する。壁高欄１０を床版３に固定
する方法としては、図２に示すように、（ａ）コンクリ
ート床版３に削孔３ａを設け、ケミカルコンクリート４
ｂによりアンカーボルト４ａを設置する方法、（ｂ）コ
ンクリート床版３に、アンカープレート４ｃのついた埋
め込みボルト４ｄを埋め込み固定する方法、（ｃ）コン
クリート床版に予めインサートナット４ｅを埋め込んで
おき、全ねじボルト４ｆで固定する方法等の方法で行う。

【００１７】

【発明の効果】本発明は以上のとおりであり、ハイブリ
ッド構造の壁高欄で下部はコンクリート製であるため、
腐食の発生を防止でき、メンテナンスコストを低減する
ことができる。上部が鋼製であるため、利用者の視線を
遮らず、さらに景観性の優れたデザインの構造とするこ
とができる。

【００１８】また、コンクリート製壁高欄と比較して、
軽量にできるため、橋梁の設計荷重、強度設計等に反映
して、建設コストを削減できる。さらに、安価なコンク
リートや、鋼管、型鋼材等の材料を適材適所に適用する
ことにより、材料費、製作費等を低減し、建設コストを
低減できる。

【００１９】また、あらかじめ、壁高欄を工場で製作し
ておき、橋梁架設時に床版に固定することにより、製作
費用、現地架設費用を低減できる。このように本発明の
ハイブリッド構造の壁高欄を適用することにより、橋梁
の建設コスト、メンテナンスコストを低減する効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかるハイブリッド壁高欄の一実施例
の側面図と断面図。

【図２】本発明にかかるハイブリッド壁高欄を床版に固
定する方法の説明図。

【図３】プレキャストコンクリート壁高欄を設置した橋
梁の断面の斜視図。

【符号の説明】

１…コンクリート製の下部構造体、２…鋼製の上部構造
体、３…橋梁の床版、４…固定手段、５…プレキャスト
コンクリート壁高欄、６…橋桁、１０…壁高欄。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】橋梁の高欄において、コンクリート製の
下部構造体の上部に、鋼管、形鋼材などからなる鋼製の
上部構造体を接続してなり、この接続した構造体を予め
工場で製作しておき、橋梁架設時に固定手段を介して橋
梁の床版に固定されることを特徴とするハイブリッド壁
高欄。