JPH11228877A - 塗料の着色剤と艶消剤の配合を計算により求めるカラーマッチング方法 - Google Patents

塗料の着色剤と艶消剤の配合を計算により求めるカラーマッチング方法

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JPH11228877A
JPH11228877A JP10048609A JP4860998A JPH11228877A JP H11228877 A JPH11228877 A JP H11228877A JP 10048609 A JP10048609 A JP 10048609A JP 4860998 A JP4860998 A JP 4860998A JP H11228877 A JPH11228877 A JP H11228877A
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paint
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JP10048609A
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Masayuki Osumi
住 雅 之 大
Makoto Ishikawa
川 誠 石
Masayuki Inoue
上 雅 超 井
Makoto Uchida
田 誠 内
Yoshitatsu Yano
野 嘉 辰 矢
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Nisshinbo Holdings Inc
NOF Corp
Original Assignee
NOF Corp
Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 着色剤と艶消剤とを含む塗料の調色手法
の現状に鑑み、所望する色彩と光沢値を得るための適切
な着色剤と艶消剤の配合を、コンピュータに計算させて
容易に且つ正確に求めることができるCCMの方法を提
供すること。 【解決手段】 複数の着色剤と艶消剤から構成される塗
料を調色するため、目標色と目標の光沢値に合致させる
着色剤と艶消剤の配合比をコンピュータに計算させるに
当り、艶消剤の添加により生ずる色相変化を加味した再
現分光反射率をコンピュータに予測計算させ、これに基
づき着色剤と艶消剤の適切な配合比を、コンピュータに
計算させて求めることを特徴とするものである。本発明
方法は、施工される塗膜厚において十分な隠蔽率が無い
半透明塗料の調色を行う際には、下地色と膜厚の影響に
よる色相と光沢値の変動を加味しつつ再現分光反射率を
コンピュータに予測計算させ、これに基づき着色剤と艶
消剤の適切な配合比を、コンピュータに計算させて求め
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有彩色の塗板上に
指定塗膜厚にて塗装した際に、見本色と同一色でかつ同
一グロスとなる被着色物を着色・調整するための複数の
着色剤と1または複数からなる艶消剤の配合を、コンピ
ュータ処理により計算して求め、色合わせ・光沢合わせ
を可能にするカラーマッチング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ソリッド系塗料の調色に際して
は、要望する見本の色彩と光沢を一致させる必要があ
る。また、場合によっては、指定する塗板上に指定され
た塗膜厚等の塗装条件に基づいて、要望された見本の色
彩と光沢が再現できる塗料の調合を行う必要がある。
【0003】従来、このような塗料の調色において、被
着色物を複数の着色剤を使って見本と同一色を得ようと
する場合、ある特定の条件下、即ち一定の艶消剤量を使
用して、一定膜厚にする条件下で作成された被着色物の
着色に供する着色剤の発色性を評価するサンプル塗板を
基礎データを得るために予め作成し、このサンプル塗板
の分光反射率データを用いて、上記の特定条件下におけ
る着色剤のみの配合計算を行わせるコンピュータ・カラ
ーマッチング(以下、CCMという)システムが用られ
ている。
【0004】このCCMでは、上述の見本色の分光反射
率を測定し、基礎データのサンプル塗板から得られた分
光反射率から、着色に供する複数の着色剤をある配合で
混合した場合を予測色として、その予測反射率を計算
し、この予測反射率と見本色の反射率とを比較しつつ、
予測色が色彩として見本色と一致するように、予測色の
着色剤の配合を計算している。この比較の際、見本色と
予測色の反射率の差が所定以上であれば、所定内に納ま
るまで着色剤の配合を変更し、所定内に納まれば、その
配合が求める予測色に使用する着色剤の配合値として取
扱っている。
【0005】また、塗料のCCMでは、基礎データのサ
ンプルに、目標色に合致せしめる調色着色剤として供さ
れる各々の有彩色着色剤と、目標色に合致せしめる調色
着色剤として有彩色着色剤に同時に組み合わせて使用さ
れる白顔料とを組み合わせた配合サンプルを用いること
がある。そして、この配合サンプルを、有彩色着色剤の
白顔料に対する発色性を表す基礎データとして利用し、
複数の有彩色着色剤と白顔料とを混合させた際の反射率
を予測計算する際には、予め測定した基礎データの分光
反射率をクベルカ・ムンクの式を用いて塗膜である着色
層の吸収係数Kと散乱係数Sの比で表される光学濃度K
/Sに変換し、ダンカンの混色理論式である2定数法に
より混合時の光学濃度K/Sを求め、更にこれを反射率
に変換することで計算を実行している。
【0006】この際、より予測精度を向上させるため
に、塗料を形成する樹脂層と空気層の界面にて生じる内
部鏡面反射や屈折率差による、分光反射率の測定に対す
る影響を補正するため、サンダーソンの式を用いて理想
状態の反射率に変換した後、混色計算を行っている。ま
た、着色剤の配合を目標色に合致させるために、着色剤
の配合比を調整する方法には、ニュートン・ラプソン法
による反復計算が用いられ、また、目標反射率と予想反
射率の色彩一致性の評価には、反射率から計算される色
彩値XYZ、L*a*b*等を利用し、目標値と予測値
の差を評価しつつニュートン・ラプソン法にて収束計算
を行うメタメリック法や、目標反射率と予測反射率の差
の2乗和を評価しつつ収束計算を行うアイソメリック法
が用いられている。
【0007】上記のCCMシステムを用いて目標色に合
致する着色剤の配合は、一定艶消剤量,一定塗膜厚,一
定下地色といったある特定の条件下での計算をを実行し
て求める。また、所望する光沢値に対する艶消剤の配合
量は、予め知り得た知見を利用して経験的に判断する
か、予め測定した一定条件下に於ける艶消剤量に対する
光沢値の検量線に基づいて一義的に求めている。次に、
このようにして決定された配合比に従って実際の塗料を
配合し、着色サンプルを所望する条件に従って作成し、
引き続き、作成された着色サンプルと目標サンプルの色
彩と、加えて着色サンプルの光沢値と所望する光沢値と
を比較する。色彩と光沢値の各々が十分に合致していな
い場合には、再度、調色に供する着色剤の組み合わせや
艶消剤を変更してCCMを行うか、十分に合致していな
い着色剤の配合と艶消剤の配合を、目視と経験にて判断
し若干の修正を加えることで調整する。この調整操作は
目標色と所望する光沢値に十分合致するまで繰り返され
る。
【0008】上記の従来手法では、所望する色彩と光沢
値を得るため着色剤と艶消剤の配合を求める計算が、C
CMシステムの中に実現されていないので、所望する色
彩と光沢値を十分合致させる着色剤と艶消剤の配合を求
めるには、上記の従来手法によって何度かCCMをやり
直すか、目視と経験にて試行を繰り返す必要がある。こ
れは所望の色彩を得るにあたり、色彩が着色剤だけでは
なく艶消剤の配合量によって影響を受け、また、所望の
光沢値を得ようとすると、その光沢値が艶消剤だけでは
なく着色剤の配合、塗膜厚の影響、下地色の影響を受け
るために、着色剤と艶消剤の配合を、これらの影響を考
慮しつつ計算して求める必要があるからである。
【0009】所望する色彩と光沢値の両者を十分に合致
させることができる着色剤と艶消剤の配合を求めるため
には、従来の方法では、多くを経験的な判断に依存する
必要があるが、正確な判断を得るための修正,試行は、
十分に経験を積んだ熟練者といえども非常に困難なのが
実状である。従って、従来手法によって所望する色彩と
光沢値を得るための着色剤と艶消剤の適切な配合を求め
るには、相当回数の試行が必要であり、時間や手間、コ
ストの増大を招来することになる。また、相当の経験と
判断を必要とするために試行を繰り返したとしても、必
ずしも所望の色彩と光沢値が得られる訳では無い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な着色剤と艶消剤とを含む塗料の調色手法の現状に鑑
み、所望する色彩と光沢値を得るための適切な着色剤と
艶消剤の配合を、コンピュータに計算させて容易に且つ
正確に求めることができるCCMの方法を提供すること
を課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
を目的としてなされた本発明方法の構成は、複数の着色
剤と艶消剤から構成される塗料を調色するため、目標色
と目標の光沢値に合致させる着色剤と艶消剤の配合比を
コンピュータに計算させるに当り、艶消剤の添加により
生ずる色相変化を加味した再現分光反射率をコンピュー
タに予測計算させ、これに基づき着色剤と艶消剤の適切
な配合比を、コンピュータに計算させて求めることを特
徴とするものである。本発明方法は、施工される塗膜厚
において十分な隠蔽率が無い半透明塗料の調色を行う際
には、下地色と膜厚の影響による色相と光沢値の変動を
加味しつつ再現分光反射率をコンピュータに予測計算さ
せ、これに基づき着色剤と艶消剤の適切な配合比を、コ
ンピュータに計算させて求めることも、特徴の一つであ
る。
【0012】更に、本発明方法では、再現分光反射率の
予測計算を行うにあたり、予め作成した複数の数の着色
剤と艶消剤の任意の配合比、各配合比による複数の着色
サンプルの分光反射率、各着色サンプルの作成に供され
た下地色の分光反射率、各サンプルの塗膜厚をコンピュ
ータのメモリ上に記憶させておき、実際の調色において
予測計算される分光反射率と前記サンプルの分光反射率
の差を、測定波長全域に亘りファジィ推論にて調整する
ことにより、色合せの精度を向上させることを可能とし
た。
【0013】
【発明の実施の形態】上記の本発明方法の実施に適用さ
れる計算機構は、ある膜厚に於ける、着色サンプルの
作成に供する下地色の分光反射率と複数の着色剤の配合
から分光反射率を計算する予測分光反射率の計算機構、
艶消剤の配合による光沢値の計算機構、艶消剤の色
彩に対する影響を計算する計算機構、前述の〜を
組み合わせ、複数の着色剤と艶消剤から構成される塗料
を調色する際、目標色と目標の光沢値に合致させる着色
剤と艶消剤の配合比を計算させるため、艶消剤の添加に
より生ずる色相変化を考慮しつつ再現分光反射率を予測
計算し、適切な着色剤と艶消剤の配合比を計算させる配
合比の計算機構、予め作成した複数の数の着色剤と艶
消剤からなる任意の配合比と各配合比の着色サンプルの
分光反射率、各着色サンプルの作成に供した下地色の分
光反射率、各着色サンプル作成時の塗膜厚をコンピュー
タのメモリ上に記憶させ、本調色の条件において予測計
算された各分光反射率とメモリされた分光反射率の差
を、測定波長全域に亘りファジィ推論により補正するた
めの、ファジィ推論のメンバーシップ関数を調整する調
整計算機構と、求めたメンバーシップ関数を用い、の
計算過程で求める予測分光反射率を補正するファジィ推
論機構、の5つの機構から構成される。
【0014】以下に上記〜の各計算機構,推論機構
の詳細について、順を追って説明する。まず、第1の計
算機構について説明する。配合に供する複数の着色剤か
ら分光反射率を予測計算するには、着色剤各々の測定分
光反射率の測定波長域に対する吸収係数と散乱係数を求
める必要がある。この吸収係数と散乱係数を求める方法
として、クベルカ・ムンクの光学濃度式と、ダンカンの
混色理論式による2定数法の計算法が知られている。ク
ベルカ・ムンクの光学濃度式は、
【0015】
【数 1】
【0016】であり、また、ダンカンの混色理論式は、
【0017】
【数 2】
【0018】である。クベルカ・ムンクの光学濃度式
は、吸収係数と散乱係数の比を分光反射率から計算して
求めるもので、ダンカンの混色理論式を用いて混色計算
を行うためには、吸収係数と散乱係数の各々を求めてお
く必要がある。この場合、以下に説明する相対法と絶対
法が一般に利用されている。
【0019】まず、相対法は白顔料の散乱係数を1とし
て、相対的に白顔料の吸収係数と着色顔料の吸収係数、
散乱係数をもとめるもので、次式のような形となる。
【0020】
【数 3】
【0021】一方、絶対法による散乱係数、吸収係数を
求める式は次の通りである。
【0022】
【数 4】
【0023】理想状態の反射率を実在状態の反射率に変
換する場合において、正反射光を含めて測定した状態を
計算するためには、次式を用いる。
【0024】
【数 5】
【0025】一方、正反射光を含めないで測定した状態
を計算するためには、次式を用いる。
【0026】
【数 6】
【0027】実在の反射率を理想状態の反射率に変換す
る場合、正反射光を含めて測定した状態を理想状態に計
算するためには、次式を用いる。
【0028】
【数 7】
【0029】一方、正反射光を含めないで測定した状態
を理想状態に計算するためには、次式を用いる。
【0030】
【数 8】
【0031】以上の式を用い、ある特定条件下で作成し
た基礎データを用いて着色顔料を混色した際の分光反射
率を予測する過程は次のようになる。 基礎データサンプルの分光反射率から、測定に供した
分光光度計の測定条件に応じて、実在反射率から理想状
態の反射率に変換する。 変換した理想反射率を用いて、クベルカ・ムンクの光
学濃度式に変換する。 光学濃度から、基礎データの作成に供した白顔料の各
測定波長における吸収係数と散乱係数を求め、引き続
き、基礎データの作成に供した着色剤の各測定波長にお
ける吸収係数と散乱係数を求める。 ダンカンの混色理論式に基づき、i個の着色剤を配合
Piで混合したときの光学濃度である(K/S)mを求
める。 光学濃度(K/S)mから分光反射率Rmを求める。 求めた分光反射率Rmは理想状態で計測したものであ
るので、実在の分光反射率R’mに変換する。 以上の過程を経て、着色剤を所定配合比で混合したとき
の塗料の分光反射率を求めることができるが、一般に相
対法により、吸収係数と散乱係数を求める場合、塗膜は
十分に隠蔽性が高く、このために下地の色彩の影響を受
けないことが前提となる。
【0032】しかしながら、多くの塗料の場合、完全に
下地を隠蔽しているものは少なく、このため下地色の影
響を加味した方法によって調色できなければ、正確な配
合を求めることは困難である。下地色を考慮した分光反
射率の予測式は次のようになる。
【0033】
【数 9】
【0034】しかしながら上記の式を利用した場合、計
算を行うのが困難になり、実用性に欠ける場合がある。
そのような際には、下地色を考慮しつつ反射率を求める
方式として、次式を用いる。
【0035】
【数 10】
【0036】次に、第2の計算機構である艶消剤の配合
による光沢値を求める計算について説明する。一般に塗
料の艶は珪酸ソーダ等を主成分とする艶消剤の添加量を
目的のグロス値となるように調整する方法がとられる。
グロス値については、この艶消剤の種類、添加量、下地
色、塗膜の厚さに影響される。この点については、後述
する第4乃至は第5の計算機構によって塗膜厚の影響を
加味した計算を行う。ここでの第2の計算機構では、艶
消剤の添加量によって、グロス値がどのように変化する
か捉えることを第一の目的とし、これを達成するための
基礎データサンプルの作成、並びに、計算方法について
説明する。
【0037】通常の場合、艶消剤の添加量が増加すれ
ば、塗料の着色層の表面が艶消剤の粒径、即ち一般には
数ミクロンから数百ミクロン程度の起伏が生じる。着色
層表面に入射した光束は、この起伏によって乱反射さ
れ、その結果として光沢値が低下する。従って、着色層
表面の単位面積当たりの起伏の密度が高い程、言い換え
れば着色層表面に存在する艶消剤の密度が高い程、光沢
値は低下する。このため、艶消剤の添加量が増加すれば
単調に光沢値は減衰する。
【0038】この光沢値低下の傾向は、光沢性の有る塗
料に艶消剤を少量加えた状態では、急激に光沢値は減衰
するが、艶消剤の添加が十分に行われた場合、更に増加
させても光沢値は大きく減衰しなくなる。従って、艶消
剤の添加量に対する光沢値の関係は、反比例的であり、
一次微分が負で二次微分が正の単調減少関数となる。基
礎データサンプルでは、艶消剤の添加量を徐々に増加さ
せたときの光沢値の値をグロスメータ等で測定し、この
艶消剤の添加量と測定グロス値の関係をもって、艶消剤
の添加量に対するグロス値を推定する。この関係は単純
には次式で表される。
【0039】
【数 11】
【0040】ここでf(x)はグロス値の推定関数である
が、予め離散的に測定した艶消剤の添加量に対するグロ
ス値を対応づけて求める。この場合の方法は単純な一次
補間によって求めてもよく、また、ラグランジュやスプ
ラインのようなn次補間の手法を用いてもよい。また、
基礎データサンプルの作成再現性や測定誤差が問題とな
る場合には、ある高等関数を規定し、この関数に対する
回帰手法を用いてf(x)を求めてもよい。
【0041】また、補間や回帰の精度を向上させるため
に、グロス値を艶消剤の添加量に対して一次微分が正、
二次微分が0に近い単調増加関数に置き換えると効果的
である。即ち、
【0042】
【数 12】
【0043】となる。この方法の利点として、Gtの値
は、艶消剤の添加量に対して正比例の関係が比較的成立
し易いために、単純な補間に依存する場合と比較して、
複数以上の艶消剤を組み合わせる必要がある際、各々の
添加量に対する変換グロス値Gtの加成性が成立しやす
く、従って複数以上の艶消剤を組み合わせた際のグロス
値の推定が正確に求めやすくなる。
【0044】この変換関数t(x)は、一次微分で負、二
次微分で正の関係を一次微分で正、二次微分で0となる
ようにする関数であれば何でもよく、例として次式のよ
うな関数が考えられる。
【0045】
【数 13】
【0046】また、離散的に測定された艶消剤と変換グ
ロス値Gtとの関係を一次補間し、艶消剤をx添加した
場合のグロス値Gを求める例は、以下の通りとなる。
【0047】
【数 14】
【0048】これにより、艶消剤の添加量に対するグロ
ス値を推定を行う。
【0049】次に、第3の計算機構である艶消剤の色彩
に対する影響を計算する機構について説明する。艶消剤
の主成分である珪酸ソーダは、無色透明であるが、数ミ
クロンから数百ミクロンの微粒径であり、粒の形状から
塗料の中に添加した場合、入射光に対して、散乱と入射
光を補足する光トラップの現象を呈する。このため、あ
る高反射率の塗料に混入した場合は光トラップにより反
射率を低下させ、逆にある低反射率の塗料に添加した場
合は、散乱の影響が強くなり、反射率を増加させる影響
を与える。
【0050】この影響の大きさを予測計算するために
は、第2の計算機構で説明した基礎データサンプルを用
いて、艶消剤の添加量を変化させたときの分光反射率を
測定することによって求める。第1の方法は、白顔料着
色剤に艶消剤を添加した塗料を白地及び黒地の板の上に
着色層として塗布し、その際の白地及び黒地の板の上に
塗布された着色層の分光反射率を各々測定し、艶消剤の
散乱係数と吸収係数を求め、塗料の配合に用いる着色剤
の一部として、反射率の予測計算をダンカンの方法であ
る2定数法を用いて行うものである。
【0051】第2の方法は、黒色の着色剤と白顔料を適
当な比率で配合した塗料に艶消剤を数段階変化させた際
の分光反射率を測定し、しかるべき手順、即ち、理想反
射率へ変換するためのサンダーソン補正を経た後、クベ
ルカ・ムンクの光学濃度K/Sを計算し、艶消剤の添加
量が0である際の塗料の光学濃度から、艶消剤の濃度が
xのときの光学濃度の各観察波長における変化量を、一
定数法を用いて、補正する手段が考えられる。
【0052】第1の方法の場合、例えば次式のような方
法によって計算される。
【0053】
【数 15】
【0054】また、第2の方法では次式によって、艶消
剤の添加に対する光学濃度K/Sの値を予測計算する。
【0055】
【数 16】
【0056】次に、第4の計算機構である艶消剤の添加
により生ずる色相変化を考慮しつつ再現分光反射率を予
測計算し、適切な着色剤と艶消剤の配合比を計算させる
配合比の計算機構について説明する。ある下地色の上に
形成された複数の着色剤と艶消剤からなる塗料の予測反
射率は、第1の計算機構によって求めた、1種または、
複数の着色剤と白顔料及び艶消剤をある比率で配合した
際の、ある波長λにおける下地色の反射率がRgで、膜
厚tのときのクベルカ・ムンクの光学濃度K/Sの値
と、第3の計算機構によって求めた、艶消剤の添加によ
る分光反射率を予測する計算を組み合わせることによっ
てなされる。艶消剤の添加による分光反射率の影響を、
ダンカンの2定数法を用いて艶消剤の散乱係数と吸収係
数を求めて計算する場合の式は、次のようになる。
【0057】
【数 17】
【0058】一方、艶消剤の添加によるクベルカ・ムン
クの光学濃度K/Sを一定数法によって求める場合の式
は、次のようになる。
【0059】
【数 18】
【0060】更に、艶消剤を添加したときのグロス値は
式 によって予測計算される。
【0061】以上の方法により、波長λにおける下地色
の反射率がRg、膜厚がt、塗料を形成する複数の着色
剤配合x1,x2,x3・・・xi、白顔料の配合xw、
艶消剤の配合xgのときのクベルカ・ムンクの光学濃度
と、グロス値を予測することができる。次に目的の色彩
値とグロス値を求めるための計算手順は、以下の(1)〜
(5)の通りとなる。
【0062】(1)着色剤の基礎データの中濃度の光学
濃度を用い、光学濃度は対象の着色剤の濃度に対して、
一次の関係にあると見做して、着色剤の配合の初期値x
10,x20,x30,・・・xi0を、目標色の反射率
を理想状態の反射率にサンダーソン補正により変換した
後に求めた目標色の光学濃度K/Sに対してカーブフィ
ッティングの計算手法によって求める。
【0063】尚、この配合の初期値に関しては、予めコ
ンピュータのメモリ上に記憶せしめた、配合が既知であ
るサンプルの分光反射率を用いて計算されたCIEのL
*a*b*値が、最も目標色の値と差が小さいものを近似
色として検索し、その配合を知る、所謂CCS(Compute
r Color Search)によって求めてもよい。
【0064】(2)第2の計算機構によって与えられた
艶消剤の基礎データで中程度の添加量の変換グロス値G
tを用い、変換グロス値Gtは対象の着色剤の濃度に対
して、一次の関係にあると見做して、艶消剤配合の初期
値xg0を求める。
【0065】(3)第2の計算機構に示した、変換グロ
ス値と艶消剤の配合の関係から、ニュートン・ラプソン
法を用い、目標の変換グロス値と、艶消剤の配合xgに
よって計算される予測変換グロス値との差が許容範囲と
なるまで反復計算を繰り返し、その収束結果である配合
xg1を求める。
【0066】(4)着色剤の配合x10,x20,x3
0,・・・xi0、白顔料の配合xw0、艶消剤の配合x
g1のときの予測反射率を式 あるいは によって
計算する。
【0067】(5)目標の色彩となるように、ニュート
ンラプソン法を使用して、目標との差が許容範囲になる
まで、反復計算を繰り返し、その収束結果であるx1
i,x2i,x3i・・・xii、白顔料の配合xwi
を求める。
【0068】次に、本発明における第5の計算機構であ
る予測計算された分光反射率との差を測定波長全域に亘
りファジィ推論にて補正するためのファジィ推論機構
と、この計算に供するメンバーシップ関数を調整する調
整計算機構について説明する。前述の第4の計算機構で
求められる着色剤の配合、白顔料の配合、艶消剤の添加
量は、あくまでも推定値であり、これだけでは正確で実
用的な配合値を得ることは困難である。そこで、この計
算式の値を、コンピュータのメモリ上に、予め登録した
配合が既知の塗料の分光反射率から、本発明における最
大の特徴である、ファジィ推論によって補正する。
【0069】この補正の方法について詳細に説明する。
ファジィ推論では、曖昧性をファジィ集合論におけるメ
ンバーシップ関数を用いることで定義する方法をとって
いる。即ち、全体集合Uにおけるファジィ集合Aは、 μA:U→[0,1] なるメンバーシップ関数μAによって定義づけられ、値
μA(u)(∈[0,1])は、Aにおけるu(∈U)の
グレードを表すことになる。
【0070】推論に応用する場合は、ファジィプロダク
ションルールによる方法が多く用いられる。このプロダ
クションルールRは、前件部と後件部から構成され、一
般的には次式(前件部2、後件部1の例)で表される。
【0071】
【数 19】
【0072】ファジィの具体的な推論方法については、
現在までに様々な方法が提案されているが、最も代表的
な方法はマンダーニによって考案された次の式で表わさ
れるものである。
【0073】
【数 20】
【0074】上式は、非ファジィ化を行う際には、重心
座標を計算することを表している。この非ファジィ化に
関しても、いくつかの方法が提案されている。
【0075】本発明では下地色の分光反射率がRgで、
膜厚tのとき、目標の分光反射率R、目標のグロス値G
となる着色剤の配合x1,x2,x3・・・xi、白顔料
xw、艶消剤xgを求めることが目的である。従って、
上記下地色反射率と膜厚の指定条件下で着色剤、白顔
料、艶消剤の配合に対する分光反射率とグロス値の予測
計算が正確に行えれば、配合の計算精度が向上する。こ
のために、次の式が考えられる。
【0076】
【数 21】
【0077】Corrλは、ファジィ推論機構における
補正関数であり、ファジィ推論を行うためのファジィプ
ロダクションルールは、前件部が着色剤の種類i+艶消
剤の種類j+下地反射率+塗膜厚のi+j+3件、後件
部は補正値である1件となる。従って、例えば着色剤が
3種で艶消剤が1種である場合は、前件部は6、後件部
1のファジィ推論となる。
【0078】前件部のファジィラベルは着色剤、白顔
料、艶消剤の場合、「多い」「少ない」の表現であり、
それに程度が加わる。塗料の場合、着色剤の配合と白顔
料の配合の合計は、常に100であるので、前件部の空
間としては、着色剤の配合のみを意識し、白顔料の配合
については無視する。着色剤の配合については、単純に
は直交座標系で表現できるが、ここでの推論の場合は、
着色顔料の合計配合値と、各着色顔料の合計値の中での
配合比を組み合わせた座標系で表現する。即ち、着色剤
が3種類の場合は、合計配合値を表す軸と、着色顔料合
計値に対する各顔料の配合を表現する正三角座標を組み
合わせた、三角柱座標によって表現する。
【0079】配合比の合計値は0から100までの値と
なるからから、前件部のファジィメンバーシップ関数
は、0から100までの間をn分割(nは2以上)す
る。分割は等間隔に行ってもよいが、着色剤の合計配合
値が比較的少量である淡色領域では、僅かな配合の変動
でも色彩に与える影響は大きく、逆に着色剤の合計配合
値が比較的多い濃色領域では、配合の変動に対する色彩
への影響が小さくなるため、淡色領域では分割を密に、
濃色領域では分割を疎になるように、指数関数的に分割
の程度を変化させた方がより効果的である。
【0080】前件部の推論空間には、着色剤の配合空間
に、下地色の分光反射率Rgと塗膜の厚さt、艶消剤の
添加量xgが加わる。分光反射率Rgは、線形に色相に
影響を与えるわけではないのでRgを下記の変換関数に
よって、視感的に等方な形に変換した値を等間隔に分割
してファジィラベルを設定する。
【0081】
【数 22】
【0082】塗膜の厚さtは、実測値でもよいが、観測
値はファジィ化するため、実際の厚さでなくてもよく、
例えば、バーコータのナンバーでも構わない。想定され
る膜厚の範囲を想定して、これを等間隔あるいは不等間
隔に分割してファジィラベルを設定する。また、艶消剤
については、多くの場合、添加量の範囲に制限があるた
め、最大添加量を想定して、これを等間隔あるいは、着
色剤の合計配合値と同様に、指数関数的に不等間隔に分
割してファジィラベルを設定する。
【0083】以上の説明に関して、着色剤が3種、白顔
料が1種、艶消剤が1種の際の、波長λにおけるファジ
ィラベルをまとめると次式のようになる。
【0084】
【数 23】
【0085】6種の観測値をファジィ化するためのメン
バーシップ関数をAi1,Ai2,・・・,Ai6とす
る。これらの関数は、上記x10,x20,・・・,x6
0観測値が全て[0,1]の範囲で正規化されているた
ため、同様に[0,1]の範囲で、必要に応じて、等間
隔または不等間隔にni分割し、分割点に対してメンバ
ーシップ関数を形成する。メンバーシップ関数の外形は
エクスポネンシャル型等、数種のものが提案されている
が、計算の簡略化とファジィ推論のよって得られた出力
値の平滑性を考えた場合、三角形のものが最も効果的で
ある。ファジィ推論のためのファジィプロダクションル
ールは次のようになる。
【0086】
【数 24】
【0087】ここでyは後件部の出力概念で、ある条件
で作成された塗板の実測の分光反射率から計算される光
学濃度と、作成条件から理論的に計算された光学濃度の
差の程度を表すものである。また、Biはi番目の後件
部のメンバーシップ関数である。
【0088】実測の光学濃度と理論光学濃度の差を表す
yは、次式の定義に従って計算される。
【0089】
【数 25】
【0090】このようにした場合、yの値のとり得る範
囲を想定しやすく、かつ推論結果の平滑性を確保しやす
い。例えばyの範囲を[0.2,2.0]のように想定して、
この範囲を等間隔または不等間隔にn分割し、後件部の
メンバーシップ関数を規定する。不等間隔に分割する場
合は、1.0近辺が蜜に、範囲の最小値及び最大値近辺で
は疎になるように分割すると、より効果的である。
【0091】本発明では、後件部メンバーシップ関数
を、予めn点の条件で作成された塗板の作成条件と実測
反射率をコンピュータのメモリ上に記憶せしめ、この情
報を用いて正確なファジィ出力yが得られるように、後
件部メンバーシップ関数とファジィプロダクションルー
ルを調整することを特徴としている。この調整を容易に
行うためには、前述の重心座標を求めて非ファジィ化す
る方法では、調整計算の際に、高次元関数の回帰計算を
行う必要があり、事実上不可能となる。
【0092】そこで本発明では、単純高さ法による非フ
ァジィ化手法を用いて計算を行うようにした。単純高さ
法ではメンバーシップ関数は、出力概念yに対する広が
りを持たず、y軸上の位置とその高さのみの関数とな
る。このときの推論は、次式のようになる。
【0093】
【数 26】
【0094】以下、後件部メンバーシップ関数の調整と
ファジィプロダクションルールの調整方法について述べ
る。
【0095】調整の第1段階:コンピュータのメモリに
記憶せしめた、ある条件下で作成した塗板の実測反射率
とその条件からなる情報の数が少ない場合、即ち、条件
を観測値に変換し、6次元のファジィラベルの同一のセ
ルに1個しか情報が存在しない場合、Biを高さ1で設
定する。ファジィプロダクションルールは、そのセルを
発火したと見做し、前件部の論理からBiが導かれるよ
うに、プロダクションルールRiを設定する。
【0096】ファジィラベルの同一セルにn個のデータ
が存在した場合は、そのセルの近傍で、それぞれの観測
値が発火するセルに、補外した形でBiの値とそれに対
するファジィプロダクションルールを設定する。前件部
が6の場合、関連する近傍のセルの数は、最大64(=
26)個存在する。n個のデータが関連する方向にそれ
ぞれのメンバーシップ関数Biを推論計算した結果、出
力値と観測値が一致するように、y軸上の位置をシフト
して設定する。これをコンピュータのメモリ上に記憶し
たn個の情報について、全て行う。
【0097】調整の第2段階:ファジィプロダクション
ルールRiの数は、前件部メンバーシップ関数の各次元
のそれぞれの分割数の積に、更に分光反射率の測定波長
数をかけたものとなる。従って各次元を10個に分割し
た場合のルールの数は31×106となり膨大な数とな
る。従って全セルを発火することは事実上、無いと考え
られる。この場合、調整の第1段階で発火しなかったセ
ルについては、発火したセルのプロダクションルールを
補間乃至は補外する。この際には、ファジィセルの配置
を6次元の直交座標セルとし、ルールを補外する。
【0098】以上の操作により、波長λにおける理論計
算と実測の光学濃度の補正を推論するための機構を構築
することになる。これにより、正確な光学濃度の予測、
言い換えれば分光反射率の予測が可能となり、目標色に
合致するための調色計算の精度を飛躍的に向上させるこ
とが可能となる。
【0099】以上、分光反射率についての計算方法につ
いて述べてきたが、グロス値についても、全く同様の手
法により、理論と実測の差を補正する機構を構築するこ
とが可能である。グロス値を計算するための基本式は次
式の通りとなる。
【0100】
【数 27】
【0101】分光反射率の計算機構に比較した場合、前
件部や後件部、前件部メンバーシップ関数は全く同一と
なる。但し、分光反射率の計算には波長軸が存在した
が、グロス値の場合は、波長の概念は存在しない。
【0102】以上、本発明の特徴であるファジィ推論に
よる分光反射率とグロス値の両者の補正計算機構を、第
4の計算機構の中に組み込めば、本発明の目的である、
ある下地色の上に厚さtで塗膜を形成した際に、目標の
色彩とグロス値を得るための着色剤の配合と艶消剤の添
加量を、正確に計算することが可能である。
【0103】
【実施例】本発明方法を実施できる調色システムの例に
ついて以下に説明するが、本発明がこれらのシステム例
によることに限定されるものでないことは勿論である。
【0104】パーソナルコンピュータ(CPU インテ
ル製Pentium200MHz、メモリ32MB)、カラー
表示装置、分光光度計(ミノルタ CM3700)を用いてシ
ステムを構成し、パーソナルコンピュータに、本発明に
基づく調色計算と艶調整剤の配合計算を行わせることが
できるファジィ推論を使用した調色計算機構、データベ
ース参照機構、及び色彩シミュレーション機構を搭載
し、計算機構を実行するための顔料および艶調整剤のデ
ータベース機構をプログラムとして搭載した。プログラ
ムはオペレーティングシステムがマイクロソフト社のW
indows‘95に対応している。
【0105】塗料にはアルキッド系の焼き付け塗料を用
い、有彩色顔料の基礎データには次に示す配合量で混合
した塗板を分光光度計にて分光反射率を測定した。 クロ 白80%+顔料20%、顔料100% サビ 白80%+顔料20%、顔料100% マピコエロー 白80%+顔料20%、顔料100% スレンレッド 白80%+顔料20%、顔料100% シアニンブルー 白80%+顔料20%、顔料100% また、艶調整剤には、酸化珪素を主成分とするものを用
い、次の条件で作成した塗板を分光光度計で分光反射率
を計測するとともに、グロスメーター(ドイツ、ガード
ナー社製)を用いてグロス値を計測した。 艶調整剤基礎データ: 塗料 白と黒顔料を用い、L*が85、45、20に調整された おのおのに、 艶調整剤 0.1%、0.5%、1.0%、2.0%、3.0%、4.0%、5.0%、 6.0%の8水準を加えて調整したもの、 この本基礎データを開発したデータベースソフトウェア
を用いてコンピュータの記憶装置に登録した。次に、下
記の処方で塗料を調整し塗料をオートバーコータを用い
て塗板上に塗布した後、乾燥させ、分光反射率を計測
し、D65光源で10度視野の観察条件にてCIELA
B表色系の値を計算した。その結果を、表1に示す。 クロ 1.231Kg サビ 5.342Kg マピコエロー 8.345Kg スレンレッド 2.457Kg 白 25.467Kg 艶調整剤 1.2 Kg
【0106】
【表 1】
【0107】目標値として、次の値を想定し、色差を計
算すると次の表の通りとなった。
【0108】
【表 2】
【0109】これに対して目標に合致する以下に示す処
方を追加量として計算した。 クロ 0.347Kg サビ 2.702Kg マピコエロー 0.000Kg スレンレッド 0.000Kg シアニンブルー 0.234Kg 白 3.827Kg 艶調整剤 0.36 Kg
【0110】この結果に基づき、塗料を調整し、塗板を
作成後、分光光度計にて分光反射率を計測し、CIEL
AB表色系における値を計算し、グロスメータにてグロ
ス値を測定した後、設定した目標と比較、色差を計算し
たところ、次の表3の通りとなった。
【0111】
【表 3】
【0112】
【発明の効果】本発明により、塗料の調色作業を短時間
に行い、かつ色彩値と同時に、艶の調整に関しても、高
精度の配合計算を行うことが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井 上 雅 超 兵庫県赤穂市元禄橋町130−203 (72)発明者 内 田 誠 兵庫県赤穂市海浜町29−102 (72)発明者 矢 野 嘉 辰 兵庫県赤穂市新田475−201

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の着色剤と艶消剤から構成される塗
    料を調色する際、目標色と目標の光沢値に合致させる着
    色剤と艶消剤の配合比をコンピュータに計算させて求め
    るカラーマッチング方法であって、艶消剤の添加により
    生ずる色相変化を加味して再現分光反射率をコンピュー
    タにより予測計算させ、これに基づいて着色剤と艶消剤
    の適切な配合比をコンピュータに計算させて求めること
    を特徴とするカラーマッチング方法。
  2. 【請求項2】 複数の着色剤と艶消剤から構成される塗
    料であって、その塗料が、施工される塗膜厚においては
    十分な隠蔽率が発揮されない半透明塗料の調色を行う
    際、下地色と膜厚の影響による色相と光沢値の変動を考
    慮しつつ再現分光反射率を予測計算し、着色剤と艶消剤
    の適切な配合比をコンピュータに計算させて求めること
    を特徴とするカラーマッチング方法。
  3. 【請求項3】 請求項1及び2に記載された再現分光反
    射率の予測計算をコンピュータに行わせるにあたり、複
    数の着色剤または複数の着色剤と艶消剤からなる塗料
    の、分光反射率と配合比、またはこれらと膜厚を、予め
    1または複数のサンプルについて測定し、これらをコン
    ピュータのメモリ上に記憶せしめ、請求項1及び2で用
    いた計算方法により予測された分光反射率との差を、測
    定波長全域に亘り調整することによって、カラーマッチ
    ング精度を向上させるため計算機構に、ファジィ推論を
    適用して計算させることを特徴とするカラーマッチング
    方法。
JP10048609A 1998-02-16 1998-02-16 塗料の着色剤と艶消剤の配合を計算により求めるカラーマッチング方法 Pending JPH11228877A (ja)

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