JPH11228846A - 高周波発熱性成形体およびその用途 - Google Patents

高周波発熱性成形体およびその用途

Info

Publication number
JPH11228846A
JPH11228846A JP10044614A JP4461498A JPH11228846A JP H11228846 A JPH11228846 A JP H11228846A JP 10044614 A JP10044614 A JP 10044614A JP 4461498 A JP4461498 A JP 4461498A JP H11228846 A JPH11228846 A JP H11228846A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frequency
heat
synthetic resin
surface resistivity
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10044614A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3833385B2 (ja
Inventor
Kazuki Okunaka
一樹 奥中
Shigetoshi Takechi
重利 武智
Kunio Kaneoka
邦夫 金岡
Yoshihiro Tange
善弘 丹下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Okura Industrial Co Ltd
Original Assignee
Okura Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Okura Industrial Co Ltd filed Critical Okura Industrial Co Ltd
Priority to JP04461498A priority Critical patent/JP3833385B2/ja
Publication of JPH11228846A publication Critical patent/JPH11228846A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3833385B2 publication Critical patent/JP3833385B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electric Ovens (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】高周波発熱性が良好な成形体の提供。 【解決手段】表面抵抗率が1×1011(Ω/□)以下の
イオン導電性ポリマー、または、表面抵抗率が1×10
11(Ω/□)以下のイオン導電性ポリマー組成物(A)
5重量%以上、及び(A)以外の合成樹脂または、合成
樹脂組成物(B)95重量%以下を含有する組成物から
なる発熱層を少なくとも1層有することを特徴とする高
周波発熱性成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高周波発熱性成形体
及びその用途に関するものである。さらに詳しくは、特
定値以下の表面抵抗率を有するイオン導電性ポリマー、
または、特定値以下の表面抵抗率を有するイオン導電性
ポリマー組成物から形成された発熱層を有する高周波発
熱性成形体およびその用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高周波電界内で発熱する合成樹脂として
は、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタ
ン、ナイロン、ニトリルゴム、フェノール樹脂等の極性
プラスチックがあるが、その他大部分の合成樹脂は高周
波電界内でほとんど発熱しない。高分子が高周波電界内
で発熱するか否かの尺度として誘電正接(以下tanδ
と称することがある)がある。この値が大きい高分子は
高周波電界内で発熱しやすく、逆にこの値が小さい高分
子は高周波電界内で発熱しにくい。例えば、1MHzで
測定した場合、軟質ポリ塩化ビニルのtanδ値は4×
10-2〜1.4×10-1である。これに対しポリエチレ
ンのtanδ値は5×10-4以下である。このようなt
anδ値の低い合成樹脂に高周波電界内での発熱性を付
与する方法として、第4級アンモニウム塩、2−オキサ
ゾリジノン化合物、ジエチレングリコール、エタノール
アミン、チタン酸バリウム、酸化亜鉛、ベントナイト粘
土、カーボンブラック等を配合する方法が検討されてい
る(二宮山人,高分子加工,vol.38,No.
7)。しかしながら、これらの方法によって得られる組
成物は、高周波照射条件の制御が難しく、発熱過多によ
る合成樹脂の劣化や、スパークの発生などといった問題
点があった。また、これらのうちジエチレングリコール
等の低分子量のものを用いた場合はブリードアウトする
ため効果の持続性に乏しく、無機物やカーボンブラック
を用いた場合は透明性が失われたり着色が困難であると
いう問題点があった。
【0003】また、食品等の物品を加温する際に、高周
波を利用することは従来から一般的に行われてきた。し
かしながら物品の中には高周波電界内で発熱性を示さな
いものもあり、これら物品を高周波電界内で効率的に加
温する手段が求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような状
況に鑑みなされたもので、高周波発熱性が良好な成形体
およびその用途を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高周波を
照射することによって発熱する合成樹脂について鋭意研
究を重ねた結果、合成樹脂の表面抵抗率と高周波発熱性
とは密接な関連があり、一定値以下の表面抵抗率を有す
る合成樹脂が良好な高周波発熱性を示すことを見いだし
たのである。本発明者らはさらに研究を重ねた結果、特
定の表面抵抗率を有するイオン導電性ポリマー、また
は、イオン導電性ポリマー組成物を必須成分として含む
組成物から構成される発熱層を有する成形体が高周波発
熱性を示すことを見いだし本発明に到った。すなわち本
発明によれば、表面抵抗率が1×1011(Ω/□)以下
のイオン導電性ポリマー、または、表面抵抗率が1×1
11(Ω/□)以下のイオン導電性ポリマー組成物
(A)5重量%以上、及び(A)以外の合成樹脂また
は、合成樹脂組成物(B)95重量%以下を含有する組
成物からなる発熱層を少なくとも1層有することを特徴
とする高周波発熱性成形体が提供される。また、上記合
成樹脂または、合成樹脂組成物(B)の1MHzで測定
した誘電正接(tanδ)が1.0×10-2以下である
ことを特徴とする上記の高周波発熱性成形体が提供され
る。また、好ましくは、上記(A)中に多価アルコール
が含有されていることを特徴とする上記いずれかの高周
波発熱性成形体が提供される。さらに、上記いずれかに
記載された高周波発熱性成形体を加熱用媒体として用い
る用途が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明をより詳細に説明す
る。本発明の高周波発熱性成形体は、高周波により発熱
する発熱層を少なくとも1層有するものであり、該発熱
層は、表面抵抗率が1×1011(Ω/□)以下のイオン
導電性ポリマー、または、表面抵抗率が1×1011(Ω
/□)以下に調整されたイオン導電性ポリマー組成物
(A)と、必要により配合されるこれら以外の合成樹脂
(B)よりなるものである(以下においては簡単のた
め、イオン導電性ポリマー、および、イオン導電性ポリ
マー組成物をイオン導電材料と総称する)。また、本発
明でいう表面抵抗率とは、イオン導電材料を成形した
後、23℃、50%RHの条件下に24時間保ち、10
Vの電圧を印加し、10秒後の抵抗値を測定したものを
いう。表面抵抗率が1×1011(Ω/□)を越えるイオ
ン導電材料を用いた場合は、最終的に得られる成形体に
良好な高周波発熱性を付与することができず好ましくな
い。
【0007】以下に本発明で用いられるイオン導電材料
について説明する。本発明において用いられるイオン導
電材料は、表面抵抗率が1×1011(Ω/□)以下のイ
オン導電性ポリマー、あるいは、各種添加剤が配合さ
れ、表面抵抗率が1×1011(Ω/□)以下に調製され
たイオン導電性ポリマー組成物から選ばれる。すなわ
ち、イオン導電性ポリマーのみで、表面抵抗率が1×1
11(Ω/□)以下の場合は必ずしも組成物の形態をと
る必要はない。また、これらイオン導電性ポリマーはそ
の分子構造が異なると最終的に得られる高周波発熱性樹
脂組成物の高周波発熱性に違いが生じるが、同系統の分
子構造を有するものであれば、表面抵抗率がより低いも
のが高周波発熱性樹脂組成物に良好な高周波発熱性を付
与できるので、好ましい。
【0008】表面抵抗率が1×1011(Ω/□)以下の
イオン導電材料に用いられるポリマーとしては、分子中
に4級アンモニウム塩、スルホン酸塩、カルボン酸塩等
のイオン基を含有するポリマー、所謂、アイオノマーが
挙げられる。また、ポリエチレンオキサイド、エチレン
オキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体、エチ
レンオキサイドとエピクロロヒドリンとの共重合体、ポ
リエーテルエステル、ポリエーテルエステルアミド等の
分子中にポリアルキレンオキサイド鎖を有するポリマー
が挙げられる。これらポリマーはいずれも3000以上
の分子量を有していることが望ましい。また、ポリマー
自体の表面抵抗率が1×1011(Ω/□)以下である場
合は単独で本発明のイオン導電材料として用いることが
できる。なお、以上述べたポリマーはあくまで例示であ
り、これらに限定されるものではない。
【0009】次に、表面抵抗率が1×1011(Ω/□)
以下のイオン導電材料を得るために、上記ポリマーに必
要により配合される各種添加剤について説明する。上記
ポリマーのうち分子中にイオン基を有するポリマー、所
謂、アイオノマーに配合される添加剤としては、グリセ
ロール、ジグリセロール、トリメチロールプロパン等の
多価アルコールが挙げられる。これら多価アルコールは
アイオノマーの表面抵抗率をより一層低下させる作用を
有している。例えば、分子中にカルボン酸のナトリウム
塩を有するアイオノマーのような、それ自体では表面抵
抗率が1×1011(Ω/□)より高いポリマーに、多価
アルコールを表面抵抗率が1×1011(Ω/□)以下と
なるように配合すると本発明に用いられるイオン導電材
料として好適なものとなる。多価アルコールの具体的な
配合量としては、アイオノマー100重量部に対して
0.1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部であ
る。
【0010】一方、前記ポリマーのうち分子中にポリア
ルキレンオキサイド鎖を有するポリマーに配合される添
加剤としては、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属
のチオシアン酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、
ハロゲンの酸素酸塩等のイオン電解質が挙げられる。よ
り具体的には、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナ
トリウム、チオシアン酸リチウム、過塩素酸カリウム、
過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム等が例示でき
る。これらイオン電解質の配合量は特に限定されるもの
ではないが、ポリアルキレンオキサイド鎖を有するポリ
マー100重量部に対し0.1〜30重量部、より好ま
しくは、0.2〜20重量部である。なお、ポリアルキ
レンオキサイド鎖を有するポリマー自体の表面抵抗率が
1×1011(Ω/□)以下である場合でも、これらのイ
オン電解質を併用することによって、該ポリマーの表面
抵抗率をさらに低下させることができ、本発明に用いら
れるイオン導電材料としてさらに好適なものとなる。ま
た、グリセロール、ジグリセロール、トリメチロールプ
ロパン等の多価アルコールは、ポリアルキレンオキサイ
ド鎖を有するポリマーからなるイオン導電材料において
も表面抵抗率をより一層低下させる作用を有する。した
がって、表面抵抗率が1×1011(Ω/□)以下のポリ
アルキレンオキサイド鎖を有するポリマーからなるイオ
ン導電材料でも、さらに多価アルコールを配合すること
が好ましい。多価アルコールの具体的な配合量として
は、アイオノマー100重量部に対して0.1〜30重
量部、好ましくは1〜20重量部である。
【0011】上記のような表面抵抗率がより低いイオン
導電材料は、高周波発熱性成形体に、大きな発熱量が必
要とされる場合、あるいは高周波発熱性成形体中のイオ
ン導電材料の配合量を低減する必要がある用途において
は特に有効である。
【0012】以上のようにして、本発明の高周波発熱性
成形体の発熱層に用いられるイオン導電材料が構成され
る。該イオン導電材料は単独で、あるいは、複数種組み
合わせて用いることができる。
【0013】一方、本発明において用いられるイオン導
電材料以外の合成樹脂または、合成樹脂組成物(B)と
しては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリ
エチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L
LDPE)などのポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1などのα−オ
レフィンホモポリマー、エチレン−エチルアクリレート
共重合体(EEA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EA
A)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテ
ン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合
体などのエチレンと他のモノマーとの共重合体などのポ
リオレフィン系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリカーボ
ネート樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリアミド系樹脂;
ポリ塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。そしてこれらは
相溶性が良好であれば複数組み合わされた組成物の形で
用いることもできる。なお、上記した樹脂群の中でも、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ
4−メチルペンテン−1などのα−オレフィンホモポリ
マー、エチレン−極性モノマー共重合体であっても極性
モノマーの含有率の低いポリマーなど、1MHzで測定
したtanδ値が1.0×10-2以下で本来高周波発熱
性を示さない合成樹脂に本発明が適応された場合に本発
明の効果がより顕著に発現できる。また、ポリ塩化ビニ
ル系樹脂、ポリアミド系樹脂等、1MHzで測定したt
anδ値が1.0×10-2を越え、本来高周波発熱性を
有する合成樹脂でも、他の合成樹脂との複合化により、
全体として1.0×10-2以下のtanδ値を示す場合
は、本発明は顕著な効果を示す。また本発明において
は、イオン導電材料との複合化が可能であるならば、合
成樹脂として熱硬化性のものを用いることもできる。
【0014】以上述べたように、本発明の高周波発熱性
成形体の発熱層は、イオン導電材料と、必要により用い
られるイオン導電材料以外の合成樹脂より構成される。
この際、イオン導電材料は5重量%以上、該イオン導電
材料以外の合成樹脂は95重量%以下となるように配合
される。発熱層中のイオン導電材料の割合が5重量%以
上であれば、発熱層に良好な高周波発熱性が付与され
る。発熱層中に占めるイオン導電材料の割合が5重量%
を下回ると、該発熱層へ高周波発熱性を付与する効果が
十分でなく好ましくない。
【0015】また本発明においてはイオン導電材料と該
イオン導電材料以外の合成樹脂との相溶性を向上させる
目的で、組成物中に、不飽和カルボン酸や、その誘導体
をグラフト反応して得られる変性ポリオレフィンなど、
その合成樹脂に適した相溶化剤を適宜使用することがで
きる。さらに必要に応じて酸化防止剤、光安定剤、紫外
線吸収剤、難燃剤、滑剤、アンチブロッキング剤、加工
助剤、顔料等を添加することができる。
【0016】本発明の高周波発熱性成形体は、以上述べ
た発熱層を成形体中に少なくとも1層含有させることに
よって製造される。発熱層以外の層を構成する合成樹脂
は特に限定されるものでなく、あらゆる合成樹脂を使用
することができる。また、発熱層を芯層とし、該芯層の
両外層に他の合成樹脂層が形成されているような形態が
好ましく、さらには該両外層を形成する合成樹脂として
ポリエステル、ポリプロピレン等の高融点で、耐熱性を
有する合成樹脂が最も好ましい。なお、本発明の高周波
発熱性成形体は発熱層のみから構成されるものであって
もよい。またさらに、発熱層を成形体の全面にわたって
設けるのではなく、成形体の必要箇所に部分的に設ける
ようにしてもよい。
【0017】本発明の高周波発熱性成形体の成形方法
は、目的とする成形体の形状に応じた公知の方法でよ
く、それらの方法を用いて、フィルム、シート、チュー
ブ、パイプ、ブロックあるいは容器等の形状に成形され
る。さらに、本発明の高周波発熱性成形体を構成する各
構成層の一層以上が三次元架橋構造をとっていることが
より望ましい。このような構造をとることによって成形
体の耐熱性が一層向上する。このような構造を形成する
ための具体的な手段としては、電子線等の各種電磁放射
線を照射する方法、有機過酸化物を用いる方法など、用
いられる合成樹脂の種類に応じて適宜選択される。
【0018】このようにして得られた成形体は高周波発
熱性を活かして各種用途に活用されるものであるが、と
りわけ、本来高周波電界内で発熱を示さない物質の加熱
用媒体として有用である。例えば、高周波発熱性の乏し
い食品に応用する場合、本発明の高周波発熱性成形体の
形状をトレー、あるいはフィルム、シート状とし、この
上に該食品を載置して電子レンジで加温すればよい。ま
た、オイル等の液状の物質に応用する場合には、本発明
の高周波発熱性成形体の形状をカップ状、あるいは、ボ
トル状とすればよい。またパイプ状に長く成形された本
発明の高周波発熱性成形体の一部を高周波電界内に位置
させ、パイプ内部にオイル等の液状の物質を流せばこれ
らを連続的に加熱することができる。さらに、加温され
る物質が固体状、液状だけでなく、気体状のものにも応
用できる。
【0019】
【実施例】以下本発明を実施例に基づき、より詳細に説
明する。なお、これらの実施例は例示であって、限定さ
れるものではない。また、以下の実施例においてはイオ
ン導電材料として表1に示すものを用いた(なお、以下
においてはイオン導電材料を表1に示したように略称す
る)。また、イオン導電材料以外の合成樹脂として以下
に示すものを用いた。 ・ポリプロピレン(PPと略称する):住友化学(株)
製「ノーブレンWF905E」(密度:0.89g/c
3 、MI:3g/10min、融点:138℃、ta
nδ値(1MHz):0.0005) ・ポリスチレン(PSと略称する):三井東圧化学
(株)製「トーポレックス555−57U」(密度:
1.05g/cm3 、MI:0.3g/10min、ビ
カット軟化点:103℃、tanδ値(1MHz):
0.0002) また、発熱層に積層される合成樹脂としても上記したP
P、PSを用いた。さらに実施例12においては発熱層
に積層される合成樹脂として、ポリエステルシート(商
品名マイラー、厚み:100μm)を用いた。また、実
施例9、10においては相溶化剤として以下のものを用
いた。 ・無水酸変性低分子量ポリエチレン:三洋化成工業
(株)製「ユーメックス2000」(P4と略称する)
【0020】一方、表1、2で示した表面抵抗率の測定
は以下の手順で行った。試料を厚み100μmに調整
し、23℃、50%RHの条件下に24時間保った後、
三菱化学(株)製「ハイレスタIP」を用い、HRSプ
ローブにより電圧10Vで印加し、10秒後の値を測定
した。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】[実施例1〜11、比較例1〜4]加圧式
ニーダーに、表3に示す割合で各成分を仕込み、溶融混
練の後、ペレット化した。そして、Tダイスを備えた押
出成形機(東洋精機製作所(株)製、ラボプラストミ
ル)を用いて厚み約1mmの発熱層用のシートを得た。
また、同じ押出成形機を用いて表3に示す所定の合成樹
脂を厚み約1mmの外層用シートに成形した。次いで、
2枚の外層用シート間に発熱層用のシートをはさんで熱
圧プレスし、発熱性評価用サンプルを得た。得られた発
熱性評価用サンプルを市販の電子レンジ(500W、1
240MHz)内で3分間高周波を照射した後、直ちに
発熱性評価用サンプルの表面の表面温度を表面温度計を
用いて測定した。この結果を表3に示す。
【0024】
【表3】
【0025】表3より、本発明で開示されたように1×
1011(Ω/□)以下の表面抵抗率を有するイオン導電
材料を所定量含む組成物から形成された発熱層を有する
成形体は高周波電界内で発熱性を示すことがわかる。ま
た実施例1と実施例2との比較、実施例6と実施例8と
の比較、実施例9と実施例10との比較により、イオン
導電材料に多価アルコールを更に添加することにより、
高周波発熱性が向上することがわかる。また、比較例1
で示したように、所定値をこえる表面抵抗率を有するナ
トリウム塩系アイオノマーを発熱層として用いた成形体
はほとんど高周波発熱性を示さないが、ナトリウム塩系
アイオノマーに多価アルコールを併用して表面抵抗率を
所定値以下にしたイオン導電材料を発熱層として用いた
実施例5の成形体は発熱性を示すことがわかる。さらに
比較例2より、所定値以下の表面抵抗率を示すイオン導
電材料を発熱層に用いた成形体であっても、イオン導電
材料の配合量が5重量%未満ではほとんど高周波発熱性
を示さないことがわかる。
【0026】[実施例12]実施例7と同様の発熱層用
のシートを得た。次いで、2枚のポリエステルシート
(商品名マイラー、厚み:100μm)で該発熱層用の
シートを挟み、熱圧プレスし、発熱性評価用サンプルを
得た。得られた発熱性評価用サンプルを市販の電子レン
ジ(500W、1240MHz)に入れ、3分間高周波
を照射した後、直ちに発熱性評価用サンプルの表面温度
を表面温度計を用いて測定したところ、180℃であ
り、該発熱性評価用サンプルが良好な高周波発熱性を有
することが確認された。
【0027】[比較例5]ポリエステルシート(商品名
マイラー、厚み:100μm)を市販の電子レンジ(5
00W、1240MHz)に入れ、3分間高周波を照射
した後、直ちに該ポリエステルシートの表面の表面温度
を表面温度計を用いて測定したところ、38℃であり高
周波発熱性を示さなかった。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、高
周波発熱性の良好な成形体が提供される。そして本発明
によって得られる成形体は高周波電界内で発熱するとい
う特長を生かして、該成形体に接触する物品を加温する
ことができるという特徴を有しており、一般家庭、産業
界に置いて広く活用されるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C08J 5/00 C08J 5/00 (72)発明者 丹下 善弘 香川県丸亀市中津町1515番地 大倉工業株 式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面抵抗率が1×1011(Ω/□)以下
    のイオン導電性ポリマー、または、表面抵抗率が1×1
    11(Ω/□)以下のイオン導電性ポリマー組成物
    (A)5重量%以上、及び(A)以外の合成樹脂また
    は、合成樹脂組成物(B)95重量%以下を含有する組
    成物からなる発熱層を少なくとも1層有することを特徴
    とする高周波発熱性成形体。
  2. 【請求項2】 上記合成樹脂または、合成樹脂組成物
    (B)の1MHzで測定した誘電正接(tanδ)が
    1.0×10-2以下であることを特徴とする請求項1に
    記載の高周波発熱性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記(A)中に多価アルコールが含有さ
    れていることを特徴とする請求項1または2に記載の高
    周波発熱性成形体。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の高周
    波発熱性成形体を加熱用媒体として用いる用途。
JP04461498A 1998-02-09 1998-02-09 高周波発熱性成形体およびその用途 Expired - Lifetime JP3833385B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04461498A JP3833385B2 (ja) 1998-02-09 1998-02-09 高周波発熱性成形体およびその用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04461498A JP3833385B2 (ja) 1998-02-09 1998-02-09 高周波発熱性成形体およびその用途

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006169031A Division JP4271207B2 (ja) 2006-06-19 2006-06-19 高周波発熱性成形体およびその用途

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11228846A true JPH11228846A (ja) 1999-08-24
JP3833385B2 JP3833385B2 (ja) 2006-10-11

Family

ID=12696330

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04461498A Expired - Lifetime JP3833385B2 (ja) 1998-02-09 1998-02-09 高周波発熱性成形体およびその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3833385B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003055567A (ja) * 2001-08-09 2003-02-26 Riken Technos Corp 制電性熱可塑性樹脂組成物
JP2004169006A (ja) * 2002-10-29 2004-06-17 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd 高周波融着性に優れた樹脂組成物及びその積層体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003055567A (ja) * 2001-08-09 2003-02-26 Riken Technos Corp 制電性熱可塑性樹脂組成物
JP2004169006A (ja) * 2002-10-29 2004-06-17 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd 高周波融着性に優れた樹脂組成物及びその積層体

Also Published As

Publication number Publication date
JP3833385B2 (ja) 2006-10-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0057604B1 (en) Semi-conductive polyolefin compositions, laminates thereof and cables covered with same
EP1854625B1 (en) Multilayer heat shrinkable cook-in film
JP6696902B2 (ja) 架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体
US6114433A (en) PTC conductive polymer composition
JP7089374B2 (ja) 樹脂集電体、及び、リチウムイオン電池
JP3833385B2 (ja) 高周波発熱性成形体およびその用途
JP7055059B2 (ja) 樹脂集電体の製造方法、リチウムイオン電池用電極の製造方法、及び、リチウムイオン電池の製造方法
JP7100968B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂発泡シート及びそれを用いた粘着テープ
JP4577917B2 (ja) 高周波発熱性樹脂組成物、及び該樹脂組成物からなる高周波融着性成形体
JP4271207B2 (ja) 高周波発熱性成形体およびその用途
JPH11228845A (ja) 高周波発熱性樹脂組成物
JP3926486B2 (ja) 透明性に優れた高周波融着性樹脂組成物
JP3916760B2 (ja) 高周波融着性樹脂組成物
JP2012074173A (ja) 絶縁電線
KR102026363B1 (ko) 대전방지성 스티렌계 중합체 블렌드의 제조 방법
EP3535312B1 (en) Semi-crystalline polyolefin-based additive masterbatch composition
JPH01310764A (ja) 静電吹付塗装で使用するための帯電防止導電性マスキングフィルム
JP3985881B2 (ja) 高周波融着性積層体
JPH10130488A (ja) イオン導電性高分子組成物及びこれを含有する樹脂組成物
JPH10152596A (ja) レトルト用シーラントフィルム
JP2000109615A (ja) 正の温度係数特性を有する導電性高分子組成物
JP7059202B2 (ja) 架橋性樹脂組成物及び架橋物、並びにそれらの製造方法、並びに多層構造体
JP3272021B2 (ja) ポリプロピレン系架橋発泡体の製造方法
JP3315620B2 (ja) オレフィン系樹脂発泡体
JPS6348894B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20041209

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20041209

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050113

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050729

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051220

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060418

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060619

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060718

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060719

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090728

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100728

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110728

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110728

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120728

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120728

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130728

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term