JP2001301093A - 積層フィルム - Google Patents

積層フィルム

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JP2001301093A
JP2001301093A JP2000120283A JP2000120283A JP2001301093A JP 2001301093 A JP2001301093 A JP 2001301093A JP 2000120283 A JP2000120283 A JP 2000120283A JP 2000120283 A JP2000120283 A JP 2000120283A JP 2001301093 A JP2001301093 A JP 2001301093A
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ethylene
copolymer
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vinyl acetate
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JP2000120283A
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English (en)
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Shinichi Uetsu
慎一 植津
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Okamoto Industries Inc
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Okamoto Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性を改善した、高周波溶接及び超音波溶接
が可能な積層フィルム及び該フィルムを使用した書類ケ
ースなどのフィルム製品を提供する。 【解決手段】エチレン−アルキル(メタ)アクリレート
共重合体、エチレン−ビニルアセテート共重合体、エチ
レン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−(メタ)
アクリル酸共重合体及びアイオノマーから選ばれたエチ
レン−極性単量体共重合体を中心層とし、その両面に、
表面層としてランダムポリプロピレンとα−オレフィン
系エラストマーの混合樹脂層、又はランダムポリプロピ
レンとα−オレフィン系エラストマーとエチレン−メチ
ルメタクリレート共重合体又はエチレン−ビニルアセテ
ート共重合体との混合樹脂層を形成させてなる積層フィ
ルムにおいて、中心層と表面層との間に非晶質ポリオレ
フィン層を介在させた積層フィルムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性を改善し
た、高周波溶接可能且つ超音波溶接可能な積層フィルム
及びこれを用いたフィルム製品に関する。
【0002】
【従来技術】ポリ塩化ビニルは極性を有し、しかも溶融
温度範囲が広く、軟化から溶融への移行が滑らかである
ので、高周波溶接に適している。そのため、従来、高周
波ウエルダーや高周波ミシンなどの高周波溶接加工する
成形品は、ほとんどポリ塩化ビニル系樹脂を素材とする
成形品に限られていた。ところが、近年、環境問題を理
由に、ポリ塩化ビニル系樹脂に代わる樹脂が種々提案さ
れている。
【0003】そこで、本発明者は、先に、高周波溶接性
を失わせることなく、耐熱性を高め、柔軟性、透明性の
よい積層フィルムを目的として、エチレン−アルキル
(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−ビニルアセ
テート共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合
体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体及びアイオ
ノマーから選ばれたエチレン−極性単量体共重合体を中
心層とし、その両面にランダムポリプロピレンとα−オ
レフィン系エラストマーの混合樹脂からなる表面層を形
成させてなる積層フィルム、及び、エチレン−アルキル
(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−ビニルアセ
テート共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合
体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体及びアイオ
ノマーから選ばれたエチレン−極性単量体共重合体を中
心層とし、その両面にランダムポリプロピレンとα−オ
レフィン系エラストマーとエチレン−メチルメタクリレ
ート共重合体との混合樹脂からなる表面層を形成させて
なる積層フィルムを提案した(特願平11−16039
号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の提案した積層フ
ィルムは、高周波溶接可能であり各種用途に有用であ
る。しかし、この積層フィルムを超音波溶接によって溶
接しようとすると、一応は溶接することができるが、そ
の溶接強度は弱い。本発明は、上記の提案した積層フィ
ルムにつき、高周波溶接性を維持しつつ、耐熱性、柔軟
性、透明性を失わせることなく、超音波溶接によっても
強固に溶接することができる積層フィルムを提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記提案の
積層フィルムの超音波溶接について検討した結果、この
積層フィルムを超音波溶接した場合には、超音波溶接が
表面層にとどまり中間層までとどかないため、超音波溶
接強度が中間層と表面層との層間強度に左右されること
を知り、そして超音波溶接したときの層間強度の向上に
は、非晶質ポリオレフィン層を中間層と表面層の間に存
在させるのが有効であることを知見し、本発明を完成し
た。
【0006】すなわち本発明は、エチレン−アルキル
(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−ビニルアセ
テート共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合
体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体及びアイオ
ノマーから選ばれたエチレン−極性単量体共重合体を中
心層とし、その両面にランダムポリプロピレンとα−オ
レフィン系エラストマーの混合樹脂からなる表面層を形
成させてなる積層フィルムにおいて、中心層と表面層の
間に非晶質ポリオレフィン層を介在させたことを特徴と
する積層フィルムである。
【0007】また、本発明は、エチレン−アルキル(メ
タ)アクリレート共重合体、エチレン−ビニルアセテー
ト共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エ
チレン−(メタ)アクリル酸共重合体及びアイオノマー
から選ばれたエチレン−極性単量体共重合体を中心層と
し、その両面にランダムポリプロピレンとα−オレフィ
ン系エラストマーとエチレン−メチルメタクリレート共
重合体又はエチレン−ビニルアセテート共重合体との混
合樹脂からなる表面層を形成させてなる積層フィルムに
おいて、中心層と表面層の間に非晶質ポリオレフィン層
を介在させたことを特徴とする積層フィルムである。
【0008】本発明の上記の積層フィルムにおいて、特
に中心層のエチレン−極性単量体共重合体としてエチレ
ン−メチルメタクリレート共重合体を用いた積層フィル
ムが優れた性質を有するので好ましい。また、本発明
は、中心層のエチレン−極性単量体共重合体としてエチ
レン−ビニルアセテート共重合体を用いるとき、これに
脱臭剤を配合する発明である。脱臭剤としては水酸化マ
グネシウム、水酸化カルシウム及びハイドロタルサイト
から選ばれた一種又は二種以上が好ましい。また、上記
の非晶質ポリオレフィン層はプロピレン及び/又はブテ
ン−1の含有率が50重量%以上である非晶質ポリオレ
フィン20〜100重量%と結晶性ポリオレフィン80
〜0重量%の混合樹脂からなる層が好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明について詳しく説明する。
本発明の積層フィルムは中心層、その両面に設けた表面
層、及び中心層と表面層との間に設けた非晶質ポリオレ
フィン層とからなる。本発明の積層フィルムにおいて、
中心層となるエチレン−極性単量体共重合体はエチレン
−アルキル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−
ビニルアセテート共重合体、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体及
びアイオノマーから選ばれた共重合体である。エチレン
−アルキル(メタ)アクリレート共重合体は、エチレン
とアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとの共
重合体との共重合体で、例えばエチレン−メチルメタク
リレート共重合体、エチレン−エチルメタクリレート共
重合体、エチレン−ブチルメタアクリレート共重合体、
エチレン−ヘキシルメタクリレート共重合体、エチレン
−ラウリルメタクリレート共重合体、エチレン−ステア
リルメタクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリ
レート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合
体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体、エチレン
−ヘキシルクリレート共重合体、エチレン−ラウリルク
リレート共重合体、エチレン−ステアリルクリレート共
重合体などが挙げられる。
【0010】エチレン−ビニルアセテート共重合体はエ
チレンと酢酸ビニルとを共重合させたものである。ま
た、エチレン−ビニルアルコール共重合体はこのエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体を鹸化したものである。エチレ
ン−(メタ)アクリル酸共重合体は、エチレンとアクリ
ル酸又はメタクリル酸との共重合体である。またアイオ
ノマーとしては、アクリル酸やメタクリル酸などの不飽
和カルボン酸を共重合体成分とする酸共重合体中のカル
ボン酸が、ナトリウム、リチウム、マグネシウム、亜鉛
などの金属陽イオンで中和されたものが好ましく用いら
れる。エチレン系アイオノマーが好ましく用いられる。
【0011】上記のエチレン−極性単量体共重合体にお
いて、共重合体中のエチレン成分は50重量%以上であ
るものが好ましい。。エチレン成分を50重量%以上に
することによって、エチレン−極性単量体共重合体とそ
の両面のポリオレフィン樹脂層との接着性を良くするこ
とができる。また、これらのエチレン−極性単量体共重
合体の中ではエチレン−アルキル(メタ)アクリレート
共重合体が酢酸臭を発生せず、加工性が良いので好まし
く、これらの観点からは特にエチレン−メチルメタクリ
レート共重合体の使用が好ましい。中でもエチレン60
〜90重量%とメチルメタクリレート40〜10重量%
との共重合体が好ましい。この場合、メチルメタクリレ
ートが40重量%を超えると押出し成形における溶融時
の熱安定性が不足し、また10重量%未満では高周波発
熱量が小さく積層フィルムのウエルダー時の作業効率が
悪くなる。
【0012】また、中心層のエチレン−極性単量体共重
合体としてエチレン−ビニルアセテート共重合体を用い
た場合は、脱臭剤を配合するのが好ましい。エチレン−
ビニルアセテート共重合体はビニルアセテート成分に基
づく酢酸臭を発生するが、この酢酸臭を脱臭剤を配合す
ることによって防ぐことできる。脱臭剤には水酸化マグ
ネシウム、水酸化カルシウム、ハイドロタルサイトなど
が用いられる。配合量は100〜2000ppm、好ま
しくは500〜1000ppmである。100ppm以
下では脱臭効果が充分でなく、2000ppmを越える
とフィルムに悪影響を及ぼす。
【0013】本発明において、中心層の両面に形成させ
る表面層は、ランダムポリプロピレンとα−オレフィン
系エラストマーの混合樹脂層である。ここにランダムポ
リプロピレンとは、プロピレン90〜98重量%とエチ
レン及び/又は炭素数4以上のα−オレフィン10〜2
重量%とのランダム共重合体である。炭素数4以上のα
−オレフィンとしては1−ブテン等が用いられる。ま
た、α−オレフィン系エラストマーは、プロピレン50
〜85重量%と炭素数4以上のα−オレフィン50〜1
5重量%とのランダム共重合体である。炭素数4以上の
α−オレフィンとしては1−ブテン等が用いられる。ラ
ンダムポリプロピレンとα−オレフィン系エラストマー
の混合割合は、ランダムポリプロピレン60〜95重量
%、α−オレフィン系エラストマー40〜5重量%であ
る。この混合樹脂層は柔軟性がよく、また透明性がよ
い。したがって、この混合樹脂の使用によって、柔軟な
感触の透明性のよい積層フィルムが得られる。
【0014】また、本発明で中心層に用いるエチレン−
極性単量体共重合体は高周波溶接性がよく、その両面に
ランダムポリプロピレンとα−オレフィン系エラストマ
ーの混合樹脂からなる表面層を設けて積層フィルムにし
ても高周波溶接性が発揮される。そして、この積層フィ
ルムの高周波溶接性を更に向上させるため、両面に積層
する表面層の混合樹脂として、ランダムポリプロピレン
とα−オレフィン系エラストマーの混合樹脂に更にエチ
レン−メチルメタクリレート共重合体又はエチレン−ビ
ニルアセテート共重合体を配合した混合樹脂を用いるこ
とができる。ここで用いるエチレン−メチルメタクリレ
ート共重合体及びエチレン−ビニルアセテート共重合体
は中心層に用いるものと同じものが使用できる。ランダ
ムポリプロピレンとα−オレフィン系エラストマーとエ
チレン−メチルメタクリレート共重合体又はエチレン−
ビニルアセテート共重合体の混合割合は、ランダムポリ
プロピレン30〜90重量%、α−オレフィン系エラス
トマー5〜40重量%、エチレン−メチルメタクリレー
ト共重合体又はエチレン−ビニルアセテート共重合体5
〜30重量%である。また、エチレン−ビニルアセテー
ト共重合体を用いた場合には、脱臭剤を配合してもよ
い。脱臭剤には水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ム、ハイドロタルサイトなどが用いられる。配合量は1
00〜2000ppm、好ましくは500〜1000p
pmである。100ppm以下では脱臭効果が充分でな
く、2000ppmを越えるとフィルムに悪影響を及ぼ
す。
【0015】本発明においては、超音波溶接によっても
強固な溶接が行える積層フィルムにするために、中心層
と表面層との間に非晶質ポリオレフィン層を介在させ
る。この非晶質ポリオレフィン層は、プロピレン及び/
又はブテン−1の含有率が50重量%以上である非晶質
ポリオレフィン20〜100重量%と結晶性ポリオレフ
ィン80〜0重量%のからなる。好ましいものは、非晶
質ポリオレフィン60〜40重量%と結晶性ポリオレフ
ィン40〜60重量%からなるものである。本発明にお
いては、この非晶質ポリオレフィン層を設けても、高周
波溶接性に支障を来すことがなく、また透明性が損なわ
れることがない。
【0016】上記の非晶質ポリオレフィンは、プロピレ
ン及び/又はブテン−1の含有率が50重量%以上であ
る非晶質のポリオレフィンで、例えば非晶性のポリプロ
ピレン、ポリブテン−1、或はプロピレン又はブテン−
1の含有率が50重量%以上である他のα−オレフィン
との共重合体である。この非晶質ポリオレフィンは数平
均分子量が1,000〜200,000、好ましくは
1,500〜100,000のものであり、また沸点n
−ヘプタン不溶分が70重量%、好ましくは60重量%
以下のものである。具体的には上記の条件を満たすアタ
クチックポリプロピレン、ポリブテン−1、プロピレン
・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合
体、エチレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・エチ
レン・ブテン−1共重合体、プロピレン・ヘキセン−1
・オクテン−1共重合体、ブテン−1・ヘキセン−1・
オクテン−1共重合体などである。また上記の結晶性ポ
リオレフィンは、アイソタクチックポリプロピレン、低
密度ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレンと
エチレン、ブテン−1、ペンテン−1などとの共重合体
である。
【0017】本発明の積層フィルムにおける、中心層と
表面層と非晶質ポリオレフィン層の層厚の割合は、表面
層/非晶質ポリオレフィン層/中心層/非晶質ポリオレ
フィン層/表面層=1/1〜5/2〜40/1〜5/1
が好ましく、特に1/1〜2/2〜20/1〜2/1が
好ましい。中心層の厚さと両面の表面層の厚さの比は、
混合樹脂層の溶融温度も考慮して定められ、例えば両面
の混合樹脂層の溶融温度が比較的高いときは、エチレン
−極性単量体共重合体中心層を厚くすると円滑な高周波
溶接加工が行なえる。また、混合樹脂としてランダムポ
リプロピレンとα−オレフィン系エラストマーとエチレ
ン−メチルメタクリレート共重合体又はエチレン−ビニ
ルアセテート共重合体の混合樹脂を用いた場合は、該混
合樹脂の高周波溶接性が良いため、両面の混合樹脂層の
厚さを増加することができる。また、非晶質ポリオレフ
ィン層は、超音波溶接時の溶接個所の中心層と表面層と
の剥離強度を高めるためのものであるが、この存在が高
周波溶接性を低下させないように配慮する。これらの観
点から、中心層と表面層と非晶質ポリオレフィン層の層
厚の割合は上記の如くするのが好ましい。積層フィルム
の総厚さは0.1〜0.5mmが好ましい。勿論、エチ
レン−極性単量体共重合体中心層の両面に積層するポリ
オレフィン樹脂層の厚さは同じであっても異なっていて
もよい。
【0018】上記の中心層、表面層及び非晶質ポリオレ
フィン層の樹脂には、ポリオレフィンに汎用される酸化
防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤(ブロッキン
グ防止剤、スリップ剤)などの配合剤を適宜配合しても
よい。本発明の積層フィルムは、表面層/非晶質ポリオ
レフィン層/中心層/非晶質ポリオレフィン層/表面層
の5層を共押出し成形する成形方法で製造するのが好ま
しい。また本発明の積層フィルムにおいては、上記の中
心層のエチレン−極性単量体共重合体層を、エチレン−
極性単量体共重合体層/リサイクル材層/エチレン−極
性単量体共重合体層で構成してもよい。ここでリサイク
ル材層とは、上記のフィルム成形時に生じる成形クズ
や、裁断時に生じる裁断クズなどを再利用したものを意
味する。本発明の積層フィルムは基本的には透明で、表
面平滑である。この積層フィルムの両面又は片面の混合
樹脂層にコロナ放電処理して印刷特性を持たせてもよ
い。また、積層フィルムの両面又は片面にエンボス処理
して梨地などの絞模様を付与してもよい。
【0019】本発明において、エチレン−極性単量体共
重合体を中心層となし、その両面に特定の混合樹脂層を
積層させることによって、エチレン−極性単量体共重合
体フィルムの耐熱性を向上させ耐熱性のよい積層フィル
ムを得ることができる。したがって、積層フィルムの製
造に当たっては、中心層に使用したエチレン−極性単量
体共重合体より耐熱性のよい樹脂を選択して組み合わせ
るのがよい。また、中心層の両面に設ける表面層、非晶
質ポリオレフィン樹脂層は、両面が同じ組成であって
も、異なる組成であってもよい。
【0020】合成樹脂製品の溶着には、加熱溶着、高周
波溶接、超音波溶接などが知られている。合成樹脂製品
の高周波溶接は、分子の極性化に基づく分子摩擦による
発熱を利用して合成樹脂を溶融させて接合させる方法で
ある。本発明の中心層のエチレン−アルキル(メタ)ア
クリレート共重合体、エチレン−ビニルアセテート共重
合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン
−(メタ)アクリル酸共重合体及びアイオノマーから選
ばれたエチレン−極性単量体共重合体フィルムは、極性
を有し高周波溶接可能である。そして、この中心層の両
面に設ける表面層、また中心層と表面層との間に介在さ
せる非晶質ポリオレフィンは高周波溶接性のないが、高
周波を掛けた部分のエチレン−極性単量体共重合体中心
層がまず誘電加熱され高温になり、この温度によって隣
接する非晶質ポリオレフィン層、更に表面層のランダム
ポリプロピレンとα−オレフィン系エラストマーとの混
合樹脂層が溶融するので、溶着が可能となる。そして、
また中心層と表面層の間に非晶質ポリオレフィンを介在
させることによって、超音波溶接時における層相互間の
剥離強度が強固になり、そのため強固な溶接が行える積
層フィルムが得られる。
【0021】本発明の積層フィルムは両表面層はポリオ
レフィン系の混合樹脂であるが、そのため動的摩擦係数
は比較的小さいものの静的摩擦係数が大きく、フィルム
同士が接触する用途に用いたとき引っ掛かる感触、すな
わち接触しているフィルム同士を横にずらすとき接触面
積の加減で急に抵抗が増えてずらせなくなる感触を与え
ることが多い。本発明のような中心層に軟質の柔らかい
フィルムを存在させた場合には特に気になることが多
い。上記の支障を解消するため従来はエルクアミド等の
滑剤を配合することが行われていたが、本発明の積層フ
ィルムにおいては、この手法では不十分であり、粉体を
散布するのが好ましい。粉体としてはでんぷん、タルク
が好ましく、特にコーンスターチ等のでんぷんが好まし
い。直径3〜30μmの粉体を10〜100mg/m2
散布するのが好ましい。
【0022】本発明の積層フィルムは高周波融着性並び
に超音波溶接性に優れているので、この積層フィルムを
用いて種々のフィルム製品を作ることができる。特に、
表面に加工を施さない、すなわち本発明の表面平滑な積
層フィルムと両面に平均粗さ1.0μm以上の凹凸を設
けた単層フィルムとを重ね合わせ所要箇所を高周波溶接
や超音波溶接して製造した製品が好ましい。凹凸の模様
形状は、梨地模様、絹目模様、スエード調などである。
凹凸の平均粗さは、東京精密株式会社製表面粗さ輪郭形
状測定器「サーフコム」測定した値である。上記単層フ
ィルムとしては、エチレン−メチルメタクリレート共重
合体60〜95重量%とポリプロピレン40〜5重量%
からなるフィルムが好ましい。このフィルムは高周波融
着性や超音波溶接性に優れているからである。その反
面、このフィルムは表面傷付き性が劣る難点はあるが、
表面に凹凸模様を付して使用することにより、表面に傷
がついても目立たない。また、上記した表面に粉体を散
布した積層フィルムの2枚を重ね合わせ所要箇所を高周
波溶接や超音波溶接して製品としてもよい。
【0023】上記のフィルム製品は、パスケース、クリ
アケース、刃物ケース、ドキュメントケース、定規ケー
ス、証明書入れケース、名札ケース等のケース類;手帳
カバー、通帳カバー、弱電用カバー、アルバムカバー、
パスポートカバー、プリンターカバー等のカバー類;ふ
とん袋、ネームホルダー、筆入れ、サマーバッグ、ポケ
ットティッシュ入れ、傘入れ、図面ホルダー、スーツロ
ッカー等の袋物;ポケットコート、レジャー用合羽、テ
ーブルクロスなどの折り畳み製品などである。これらの
フィルム製品は物を出し入れする用途に用いられるが、
製品を形成する一方のフィルムが凹凸模様を有するの
で、製品を構成するフィルム同士の滑りが良く、相互に
くっついてしまうことがないので使用性に優れている。
更に、上記の他に、雑誌等に貼付るCDやDVD用ケー
ス、手帳に貼られるいわゆるポケット、胸に貼付る名札
ケースなどにも用いられる。これらの場合は、外側表面
に粘着剤層を設け、必要により離型紙を貼着する。この
粘着剤層を設けた製品は、粘着剤を利用して雑誌、手帳
等に貼着することができるので便利である。また、本発
明の積層フィルムと両面に平均粗さ1.0μm以上の凹
凸を設けた単層フィルムとを重ね合わせ、或は表面に粉
体を散布した本発明の積層フィルムを2枚重ね合わせ、
所要箇所を高周波溶着或は超音波溶着して製造したパス
ケース等のフィルム製品は、フィルム相互がくっつかず
滑りも良いので使用性が優れている。
【0024】
【実施例】実施例1〜6 表1に示すそれぞれのエチレン−極性単量体共重合体を
中心層とし、表1に示すそれぞれの混合樹脂を中心層の
両面の表面層にして、中心層と表面層の間に表1に示す
混合樹脂を中間層にして共押出し成形して、厚さ0.3
mmの積層フィルムをそれぞれ製造した。この際の中心
層と表面層と中間層の厚さの比は表1にそれぞれ示した
とおりにした。表1中のEMMAはエチレン成分80重
量%のエチレン−メチルメタクリレート共重合体、EV
Aはエチレン成分80重量%のエチレン−ビニルアセテ
ート共重合体である。また表1中のAはランダムポリプ
ロピレン(グランドポリマー社製のS235)、Bはα
−オレフィン系エラストマー(三井化学社製のタフマー
XR110T)、Cはエチレン−メチルメタクリレート
共重合体(エチレン成分85重量%)、Dはエチレン−
ビニルアセテート共重合体(エチレン成分85重量%)
である。また表1中の中間層のPPは非晶性ポリプロピ
レン50%と結晶性ポリプロピレン50%との混合物
(宇部興産製CAP350)である。また、中心層及び
表面層への水酸化マグネシウム添加量はppmである。
得られた積層フィルムについて、高周波ウエルダーテス
ト、超音波ウエルダーテスト、耐熱性テスト及び臭気テ
ストを行なった。また、無色透明性の観点から外観を判
断した。その結果を合わせて表1に示す。
【0025】比較例1〜3 EMMA(エチレン成分80重量%のエチレン−メチル
メタクリレート共重合体)又はEVA(エチレン成分8
0重量%のエチレン−ビニルアセテート共重合体)を中
心層とし、両面の表面層を上記実施例のAにして、ま
た、EVAを中心層とし、両面の表面層を上記実施例の
Aを80重量%、Bを10重量%、Cを10重量%の割
合で混合した混合樹脂にして、厚さ0.3mmの積層フ
ィルムを押出し成形でそれぞれ製造した(比較例3)。
得られた3種類の積層フィルムについて、高周波ウエル
ダーテスト、超音波ウエルダーテスト、耐熱性テスト及
び臭気テストを行なった。また、無色透明性の観点から
外観を判断した。その結果を合わせて表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】なお、高周波ウエルダーテスト、超音波ウ
エルダーテスト、耐熱性テスト及び臭気テスト、並びに
その評価は次のとおりである。高周波ウエルダーテスト
は、市販の高周波ウエルダー機を用いて行った。○は良
く溶着した、△はやや時間がかかったが溶着した、×は
溶着しなかった、を表す。超音波ウエルダーテストは、
超音波ウエルダー機を用いて溶着させ、その溶着部の中
心層と表面層の層間剥離の強さを手で剥離することによ
って調べた。○は良く融着した、×は剥離強度が不十分
であった、を表す。耐熱性テストは、それぞれ同士の積
層フィルム又はフィルムを2枚重ね、1Kgf/25c
2の荷重を掛けて70℃で24時間放置し、ブロッキ
ングを調べた。○はブロッキングがなかった、△はべた
つき感があった、×はブロッキングした、を表す。臭気
テストは、それぞれの積層フィルム又はフィルムをウエ
ルダーで溶着して袋をつくり、1日放置後袋の中の臭い
を確認した。○は臭いを感じなかった、△は臭うがさほ
ど気にならなかった、×は臭いが気になった、を表す。
【0028】実施例7 表面平滑な実施例1の積層フィルム、及びエチレン成分
80重量%のエチレン−メチルメタクリレート共重合体
(EMMA)85重量部とポリプロピレン15重量部と
からなり、表面に平均粗さ1.2μ梨地模様を付した単
層フィルムとを重ね合わせ、所要箇所を超音波ウエルダ
ー加工して溶着し、書類ケースを作った。
【0029】実施例8 表面平滑な実施例1の積層フィルムの片側表面に粒径5
〜20μのコーンスターチ50mg/m2を散布し、そ
の2枚を粉体散布面が内側になるように重ね合わせ、所
要箇所を超音波ウエルダー加工して溶着し、書類ケース
を作った。 実施例13 実施例1の積層フィルムの片面にコロナ放電処理し、他
面に実施例12にしたがって粉体を散布する。次いでコ
ロナ処理面にアクリル系粘着剤層を300g/m2の割
合で塗布形成させ、該塗布面に厚さ100μのポリエチ
レンフィルムを離型紙として貼着した。この積層フィル
ムの粘着剤層を外側にして他の積層フィルムと重ね合わ
せ、所要箇所を超音波ウエルダー加工して溶着し、手帳
に貼着するポケットを作った。
【0030】
【発明の効果】本発明では、エチレン−アルキル(メ
タ)アクリレート共重合体、エチレン−ビニルアセテー
ト共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エ
チレン−(メタ)アクリル酸共重合体及びアイオノマー
から選ばれたエチレン−極性単量体共重合体を中心層と
なし、その両面に表面層としてランダムポリプロピレン
とα−オレフィン系エラストマー混合樹脂層、或はラン
ダムポリプロピレンとα−オレフィン系エラストマーと
エチレン−メチルメタクリレート共重合体又はエチレン
−ビニルアセテート共重合体との混合樹脂層を積層した
ので、中心層のエチレン−極性単量体共重合体の耐熱性
が劣ってもフィルム全体としての耐熱性を向上でき、し
かも柔軟性も有している。また、中心層にエチレン−ビ
ニルアセテート共重合体を用いた場合に、脱臭剤を配合
することによって該共重合体特有の酢酸臭をなくすこと
ができる。
【0031】また、この積層フィルムは、エチレン−極
性単量体共重合体中心層の両面に表面層、非晶質ポリオ
レフィン層が存在するにもかかわらず高周波によって溶
着可能である。また、中心層と表面層の間に非晶質ポリ
オレフィン層を設けたので、超音波溶接で溶着した場
合、溶接させた個所の層間剥離強度が大きい。また、両
面にランダムポリプロピレンとα−オレフィン系エラス
トマーとエチレン−メチルメタクリレート共重合体又は
エチレン−ビニルアセテート共重合体との混合樹脂層を
用いると高周波溶着性を向上させることができる。本発
明の積層フィルムはポリ塩化ビニル系樹脂フィルムの用
途と同様な種々の用途に利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA18A AC10A AK03B AK03C AK03D AK03E AK07B AK07C AK09D AK09E AK68A AK69A AK70A AK71A AK71B AK71C AL01D AL01E AL05B AL05C AL05D AL05E AL09B AL09C BA05 BA06 BA10B BA10C CA30A JA12B JA12C JA12D JA12E JJ03 JL12

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン−アルキル(メタ)アクリレート
    共重合体、エチレン−ビニルアセテート共重合体、エチ
    レン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−(メタ)
    アクリル酸共重合体及びアイオノマーから選ばれたエチ
    レン−極性単量体共重合体を中心層とし、その両面にラ
    ンダムポリプロピレンとα−オレフィン系エラストマー
    の混合樹脂からなる表面層を形成させてなる積層フィル
    ムにおいて、中心層と表面層の間に非晶質ポリオレフィ
    ン層を介在させたことを特徴とする積層フィルム。
  2. 【請求項2】エチレン−アルキル(メタ)アクリレート
    共重合体、エチレン−ビニルアセテート共重合体、エチ
    レン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−(メタ)
    アクリル酸共重合体及びアイオノマーから選ばれたエチ
    レン−極性単量体共重合体を中心層とし、その両面にラ
    ンダムポリプロピレンとα−オレフィン系エラストマー
    とエチレン−メチルメタクリレート共重合体又はエチレ
    ン−ビニルアセテート共重合体との混合樹脂からなる表
    面層を形成させてなる積層フィルムにおいて、中心層と
    表面層の間に非晶質ポリオレフィン層を介在させたこと
    を特徴とする積層フィルム。
  3. 【請求項3】中心層がエチレン−メチルメタクリレート
    共重合体である請求項1又は2記載の積層フィルム。
  4. 【請求項4】中心層が脱臭剤を配合したエチレン−ビニ
    ルアセテート共重合体であることを特徴とする請求項1
    又は2記載の積層フィルム。
  5. 【請求項5】脱臭剤が水酸化マグネシウム、水酸化カル
    シウム及びハイドロタルサイトから選ばれた一種又は二
    種以上であることを特徴とする請求項4記載の積層フィ
    ルム。
  6. 【請求項6】非晶質ポリオレフィン層がプロピレン及び
    /又はブテン−1の含有率が50重量%以上である非晶
    質ポリオレフィン20〜100重量%と結晶性ポリオレ
    フィン80〜0重量%の混合樹脂からなる層である請求
    項1〜4のいずれかに記載の積層フィルム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013036312A1 (en) * 2011-08-19 2013-03-14 Avery Dennison Corporation Blends of ethylene copolymers and propylene based plastomers in multilayer films for low noise and rf welding
US10335308B2 (en) 2011-12-22 2019-07-02 Avery Dennison Corporation Flexible barrier films containing cyclic olefins
US10843438B2 (en) 2005-10-24 2020-11-24 Ansell Microgard Limited Chemical barrier fabric

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