JPH11228785A

JPH11228785A - フェノール樹脂成形材料

Info

Publication number: JPH11228785A
Application number: JP5288998A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Akimoto; 広秋本; Kenji Asami; 賢治浅見
Original assignee: Toshiba Chemical Corp
Current assignee: Kyocera Chemical Corp
Priority date: 1998-02-18
Filing date: 1998-02-18
Publication date: 1999-08-24

Abstract

(57)【要約】【課題】電気導電性、着色性、寸法安定性、加えて強
度に優れたフェノール樹脂成形材料を提供する。【解決手段】（Ａ）フェノール樹脂および（Ｂ）繊維
表面に酸化錫膜などの導電性白色被覆を施した白色系導
電性チタン酸カリウム繊維を必須成分とし、上記（Ｂ）
の白色系導電性チタン酸カリウム繊維を、全体の成形材
料に対して0.1 〜30重量％の割合で含有するフェノール
樹脂成形材料である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、特に電気導電性、
着色性、寸法安定性、成形品強度などに優れたフェノー
ル樹脂成形材料に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、成形材料にとって電気導電性
や寸法安定性を必要とする分野があり、フェノール樹脂
成形材料ばかりではなく、他の成形材料においてそれに
対応できるものもいくつかあった。しかしながら、それ
らの成形材料は、グラファイトやカーボン等の炭素系導
電物質を用いたり、極細金属線を用いるなどするため、
着色性に劣ったり、成形性や寸法精度、成形品外観など
に問題を生じていた。そのため、電気導電性、着色性、
寸法安定性、成形品外観いずれの特性においても優れた
成形材料の開発が望まれていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みてなされたもので、電気導電性、着色性、寸法安
定性、加えて強度に優れたフェノール樹脂成形材料を提
供しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を達成しようと鋭意研究を重ねた結果、フェノール樹
脂とともに白色系導電性チタン酸カリウム繊維を特定量
配合することによって電気導電性、着色性、寸法安定性
および強度において優れた特性が得られることを見いだ
し、本発明を完成したものである。

【０００５】即ち、本発明は、（Ａ）フェノール樹脂お
よび（Ｂ）繊維表面に導電性白色被覆を施した白色系導
電性チタン酸カリウム繊維を必須成分とし、上記（Ｂ）
の白色系導電性チタン酸カリウム繊維を、全体の成形材
料に対して0.1 〜30重量％の割合で含有することを特徴
とするフェノール樹脂成形材料である。

【０００６】以下、本発明を詳細に説明する。

【０００７】本発明に用いる（Ａ）フェノール樹脂とし
ては、フェノール、クレゾール等のフェノール類、また
は糖密、リグニン、キシレン、ナフタレン、石油系芳香
族炭化水素による変性フェノール類とホルマリン、パラ
ホルムアルデヒド類とを適宜のモル比に配合し、触媒下
で反応させたノボラック型フェノール樹脂、レゾール型
フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂とレゾー
ル型フェノール樹脂とを組み合わせたもの等が挙げられ
る。

【０００８】本発明に用いる（Ｂ）白色系導電性チタン
酸カリウムは、デントール（大塚化学株式会社製、商品
名）の中の「ＷＫシリーズ」に代表されるものである。
具体的には、チタン酸カリウム繊維の面にナノメートル
オーダーの酸化錫膜を施すことにより導電性をもたせた
白色系のチタン酸カリウム繊維である。このことによ
り、チタン酸カリウム繊維のもつ数々の特性はそのまま
に酸化錫膜の導電性という別の機能をもつことができ、
同時に酸化錫膜が白色系であることから任意の着色が可
能となる。

【０００９】白色系導電性チタン酸カリウム繊維の繊維
径は、0.4 〜0.7 μｍ、繊維長は、10〜20μｍであるこ
とが望ましい。また、酸化錫膜の膜厚は、特に制限され
るものではない。

【００１０】白色系導電性チタン酸カリウム繊維の配合
割合は、成形材料全体に対して0.1〜30重量％含有する
ことが望ましい。その割合が、0.1 重量％未満では、導
電性の効果がなく、30重量％を超えると、寸法精度の面
では向上するものの、機械的強度に劣り好ましくない。

【００１１】本発明のフェノール樹脂成形材料は、前述
したフェノール樹脂および白色系導電性チタン酸カリウ
ムを含有するが、本発明の目的に反しない限度におい
て、また、必要に応じて例えば、ガラス繊維、芳香族ポ
リアミド繊維などの繊維材、炭酸カルシウム、クレー、
タルク等の無機質充填剤、天然ワックス類、合成ワック
ス類、直鎖脂肪酸の金属塩、酸アミド、エステル類、パ
ラフィン類等の離型剤、塩化パラフィン、ブロムトルエ
ン、ヘキサブムロムベンゼン、三酸化アンチモン等の難
燃剤、ヘキサメチレンテトラミン等の硬化剤、種々の硬
化促進剤を適宜添加配合することができる。

【００１２】本発明のフェノール樹脂成形材料は、通常
次のようにして製造される。前述したフェノール樹脂、
白色系導電性チタン酸カリウム繊維および必要に応じて
その他の添加剤を加えて混合して、均一に分散させた
後、混練機で加熱混練して、次いで冷却固化させ適当な
大きさに粉砕して成形材料とする。

【００１３】

【作用】本発明のフェノール樹脂成形材料は、フェノー
ル樹脂と白色系導電性チタン酸カリウム繊維を用いるこ
とにより、導電性と着色性など成形品外観に優れ、加え
て無機充填剤を用いることで、寸法安定性と強度に優れ
たものとすることができた。

【００１４】

【発明の実施の形態】次に、本発明を実施例によって具
体的に説明する。以下の実施例および比較例において％
とは、重量％を意味する。

【００１５】実施例１ノボラック型フェノール樹脂40％、ヘキサメチレンテテ
トラミン6 ％、白色系導電性チタン酸カリウム繊維20
％、クレー18％、ガラス繊維10％、その他添加剤6 ％を
常温で混合し、さらに熱ロールで混練して冷却した後、
粉砕してフェノール樹脂成形材料を製造した。ただし、
着色剤は赤色系を選択した。

【００１６】実施例２レゾール型フェノール樹脂35％、白色系導電性チタン酸
カリウム繊維15％、ガラス繊維43％、その他添加剤7 ％
を常温で混合し、さらに熱ロールで混練して冷却した
後、粉砕してフェノール樹脂成形材料を製造した。ただ
し、着色剤は黄色系を選択した。

【００１７】比較例１ノボラック型フェノール樹脂40％、ヘキサメチレンテテ
トラミン6 ％、グラファイト20％、ガラス繊維28％、そ
の他添加剤6 ％を常温で混合し、さらに熱ロールで混練
して冷却した後、粉砕してフェノール樹脂成形材料を製
造した。ただし、着色剤は赤色系を選択した。

【００１８】比較例２レゾール型フェノール樹脂35％、カーボンブラック5
％、クレー18％、ガラス繊維35％、その他添加剤7 ％を
常温で混合し、さらに熱ロールで混練して冷却した後、
粉砕してフェノール樹脂成形材料を製造した。ただし、
着色剤は赤色系を選択した。

【００１９】実施例１〜２および比較例１〜２で製造し
たフェノール樹脂成形材料を用いて射出成形で170 ℃に
加熱した金型中で成形硬化させて成形部品とした。得ら
れた成形部品について電気特性、機械特性、着色性、成
形収縮率、外観について調べた。その結果を表１に示し
たが、本発明は優れており、本発明の効果を確認するこ
とができた。

【００２０】

【表１】

【００２１】

【発明の効果】以上の説明および表１から明らかなよう
に、本発明のフェノール樹脂成形材料によれば、電気導
電性と着色性など成形品外観に優れ、加えて無機充填剤
を用いることで寸法安定性と強度に優れるものとするこ
とができた。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】（Ａ）フェノール樹脂および（Ｂ）繊維
表面に導電性白色被覆を施した白色系導電性チタン酸カ
リウム繊維を必須成分とし、上記（Ｂ）の白色系導電性
チタン酸カリウム繊維を、全体の成形材料に対して0.1
〜30重量％の割合で含有することを特徴とするフェノー
ル樹脂成形材料。