JPH11228558A - オキセタン基含有カリックスアレーン誘導体及びその製造法 - Google Patents

オキセタン基含有カリックスアレーン誘導体及びその製造法

Info

Publication number
JPH11228558A
JPH11228558A JP2814198A JP2814198A JPH11228558A JP H11228558 A JPH11228558 A JP H11228558A JP 2814198 A JP2814198 A JP 2814198A JP 2814198 A JP2814198 A JP 2814198A JP H11228558 A JPH11228558 A JP H11228558A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
calixarene
compound
general formula
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2814198A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatatomi Nishikubo
忠臣 西久保
Atsushi Kameyama
敦 亀山
Hidemasa Okamoto
秀正 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP2814198A priority Critical patent/JPH11228558A/ja
Publication of JPH11228558A publication Critical patent/JPH11228558A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Phenolic Resins Or Amino Resins (AREA)
  • Epoxy Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規なカリックスアレーン誘導体の提供。 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1とnは上記と同じでR2はC1-C6の分枝を
有することもあるアルキル基を示す。)で示されるオキ
セタン基含有カリックスアレーン誘導体を一般式(II) 【化2】 (式中、R1はH又はC1−C6の分枝を有することもあ
るアルキル基、nは4〜8の整数を示す。)で示される
カリックスアレーンにオキセタン基を導入することによ
り合成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下記一般式(I)
で表されるオキセタン基含有カリックスアレーン誘導体
及びその製造法に関する。
【0002】
【化4】 (式中、R1およびR2はそれぞれ、水素またはC1-C6
の分枝を有することもあるアルキル基を表わし、互いに
同じあるいは異なっていてもよく、nは4〜8の整数で
ある。)
【0003】
【従来の技術】カリックスアレーンは、複数個のフェノ
ール単位がメチレン基を介して結合した環状オリゴマー
であり、ホスト/ゲスト化学の研究に於いて重要な位置
を占めているが、最近合成法が容易であることや高い耐
熱性を示すことから、新しい機能性材料としての利用が
種々検討されている。カリックスアレーンについての研
究としては、西久保らによる(メタ)アクリロイル基を
有するpーアルキル−カリックスアレーンについての合
成、光反応性、および光硬化させたものの耐熱性につい
ての報告(第45回高分子学会年次大会、11Pf06
8)、同じく西久保らによるビニロキシ基、プロパルギ
ル基、1−プロペニル基を有するp−メチル−カリック
スアレーンの合成とその光カチオン重合についての報告
(第46回高分子学会年次大会、111E18)などが
ある。また、p−メチル−カリックスアレーンのアセチ
ル化物および同アセチル化物より形成されたフィルムに
ついては特公平7−23340号公報に報告されてお
り、金属イオンの選択的分離、抽出に有用なフェノール
基のOH基の水素原子が特定の置換基により置換されて
いる新規カリックスアレーン誘導体については特開平8
−127561号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】機能性材料としてカリ
ックスアレーンについての研究は、まだまだ着手された
ばかりで、多様な市場のニーズに応えるに足りうるカリ
ックスアレーン誘導体はいまだ提供されていないのが現
状である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、新規な反
応性に富んだカリックスアレーン誘導体を創出すべく、
種々研究を行った結果、反応性に富むオキセタン基を含
有するカリックスアレーン誘導体が、カリックスアレー
ンが本来有する耐熱性を維持しつつ、極めて反応性に富
んでおり、機能性材料用の原料として極めて優れている
ことを見い出し本発明を完成させたものである。即ち、
本発明は、下記一般式(I)
【0006】
【化5】 (式中、R1、R2及びnは上記の通りの意味を有する)
で表されるオキセタン基含有カリックスアレーン誘導体
及びその製造方法を提供せんとするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】上記一般式(I)で表されるオキ
セタン基含有カリックスアレーン誘導体は、下記一般式
(II)
【0008】
【化6】 (式中、R1は水素またはC1-C6の分枝を有することも
あるアルキル基を表わし、nは4〜8の整数である。)
で表されるカリックスアレーンと下記一般式(III)
【0009】
【化7】 (式中、R2は水素またはC1-C6の分枝を有することも
あるアルキル基を表わし、R3はC1−C4の分枝を有す
ることもあるアルキル基、フェニル基またはp−トリル
基を表す。)で表される化合物を、溶媒中で第四オニウ
ム塩の存在下で50〜150℃の温度で1〜50時間反
応させることにより得られる。
【0010】上記一般式(II)で表されるカリックスア
レーンは既知の化合物であり、その合成法はOrg.Synt
h.68,234,238,及び243(1989),C.D.Gutsche著Cali
xarenes(Royal Society of Chemistry, Cambridge (19
89)出版),J. Vicensら編Calixarenes(Kluwer Academ
ic Press, Dordrecht (1991)出版),V. Boehmer, Ange
w. Chem. Int. Ed. Engl., 34, 713(1995)等に詳述され
ている。一般式(II)で表されるカリックスアレーンの
置換基R1としては、水素原子に加え、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−アミ
ル基、tert−アミル基、ネオペンチル基、n−ヘキ
シル基、イソヘキシル基など分枝を有しても良いC1
6のアルキル基が挙げられる。なかでもR1としてはメ
チル基やtert−ブチル基が好ましい。一般式(II)
で表されるカリックスアレーンとしては、カリックスア
レーン、p−メチル−カリックスアレーン(以下MCA
と称すこともある)、p−エチル−カリックスアレー
ン、p−n−プロピル−カリックスアレーン、p−イソ
プロピル−カリックスアレーン、p−n−ブチル−カリ
ックスアレーン、p−イソブチル−カリックスアレー
ン、p−sec−ブチル−カリックスアレーン、p−t
ert−ブチル−カリックスアレーン(以下BCAと称
すこともある)、p−n−ペンチル−カリックスアレー
ン、p−イソペンチル−カリックスアレーン、p−se
c−アミル−カリックスアレーン、p−tert−アミ
ル−カリックスアレーン、p−ネオペンチル−カリック
スアレーン、p−n−ヘキシル−カリックスアレーン、
p−イソヘキシル−カリックスアレーンなどが例示され
る。好ましいカリックスアレーンとしてはp−メチル−
カリックスアレーン、p−tert−ブチル−カリック
スアレーンなどが挙げられる。
【0011】一般式(III)で表される化合物は、Botij
a Gonzalezらによるスペイン特許第2073995号に
開示の方法により合成できる。即ち、3−アルキル−3
−ヒドロキシメチルオキセタンにR3SO2Cl(式中R
3はp−トリル基などを示す)で表されるスルホニルク
ロリド化合物を適当な塩基性物質例えばピリジンなどの
存在下で有機溶媒中で0℃〜室温(25℃)で反応させ
ることにより容易に合成することができる。この合成法
を図示すれば以下の通りである。
【0012】
【化8】
【0013】上記の合成法により合成された一般式(II
I)で表される化合物は、常法に従って精製した後又は
精製を行わずに使用することができる。しかし、一般に
は、濃縮後、減圧蒸留などの操作により、精製したもの
を使用することが好ましい。一般式(III)で表される
化合物の置換基R2としては、水素原子に加えて、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ter
t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、se
c−アミル基、tertーアミル基、ネオペンチル基、
n−ヘキシル基、イソヘキシル基などの分枝を有しても
よいC1−C6のアルキル基が挙げられる。メチル基又は
エチル基が好ましい例として例示される。また、同化合
物の置換基R3としては、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の分枝を
有してもよいC1−C4のアルキル基や、フェニル基、p
−トリル基などが挙げられる。より好ましくはp−トリ
ル基が挙げられる。
【0014】上記一般式(III)で表される化合物とし
ては、R2がメチル基で、R3がp−トリル基である3−
メチル−3−オキセタニルメチルトシレート(以下MO
MTと称すことがある)や、R2がエチル基で、R3がp
−トリル基である3−エチル−3−オキセタニルメチル
ルトシレート(以下EOMTと称すことがある)が例示
される。
【0015】上記一般式(III)で表される化合物の合
成の際使用する溶媒としては、ベンゼン、トルエン、ピ
リジンなどの芳香族有機溶媒が挙げられる。これらの有
機溶媒の使用量については、特に制限はないが、3−ア
ルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタンと式R3SO2
Cl(式中R3は上記と同じ)で表されるスルホニル化
合物の合計量(重量)を1としたとき、2〜20倍(容
量)となるような割合で使用すればよい。
【0016】上記一般式(III)で表される化合物の合
成に際しては、塩基性物質を使用することが好ましい。
塩基性物質としては、水酸化アンモニウム(アンモニア
水)、KOH,NaOHなどのアルカリ金属の水酸化物
などの無機の塩基性物質やトリエチルアミン、ピリジン
などの有機の塩基性物質が挙げられる。塩基性物質の使
用量は、式R3SO2Cl(式中R3は上記と同じ)で表
されるスルホニル化合物1モル当たり1.0〜1.2モ
ルの割合で使用すればよい。
【0017】3−アルキル−3−ヒドロキシメチルアオ
キセタンと式R3SO2Cl(式中R 3は上記と同じ)で
表されるスルホニル化合物との使用量は通常は等モルで
あるが、いずれか一方を過剰に使用してもよい。即ち、
3−アルキル−3−ヒドロキシメチルオキセタン1モル
に対して、上記のスルホニル化合物を0.9〜1.1モ
ルの割合で使用してもよい。通常、反応は0℃〜室温
(25℃)で30分ないし10時間行えばよい。撹拌は
必ずしも必須ではないが、均一な反応の進行および反応
促進のためには撹拌を行った方がよい。
【0018】上記一般式(II)で表されるカリックスア
レーンと上記一般式(III)で表される化合物との反応
は通常溶媒中で行う。かかる溶媒としては、一般式(I
I)で表されるカリックスアレーンと一般式(III)で表
される化合物との反応を反応溶媒中で均一に行うため、
適用される反応温度において少なくとも、液体状態を維
持できる高沸点で、上記一般式(II)で表されるカリッ
クスアレーン及び/又は一般式(III)で表される化合
物ならびに目的生成物のオキセタン基含有カリックスア
レーン誘導体を溶解もしくは膨潤する作用を有し、かつ
これらの化合物と反応性を有しないものであれば、使用
可能である。かかる溶媒としては、テトラヒドロフラン
(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DM
F)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、ジ
メチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルリン酸
トリアミド(HMPA)、N−メチル−2−ピロリドン
(NMP)などが挙げられる。中でも、DMF,DMA
C,NMPが好適に使用される。上記の溶媒は、一般式
(II)で表されるカリックスアレーンと一般式(III)
で表される化合物の合計量1重量部当たり容量で2〜2
0倍を使用すればよい。即ち、一般式(II)で表される
カリックスアレーンと一般式(III)で表される化合物
の合計1gに対し2〜20mlの割合で使用すればよ
い。
【0019】一般式(II)で表されるカリックスアレー
ンと一般式(III)で表される化合物との反応は通常塩
基性物質の存在下で行う。かかる塩基性物質としては、
NH4OH(アンモニア水)、アルカリ金属水酸化物
(KOH,NaOH,LiOH等)、アルカリ土類金属
水酸化物(Ca(OH)2,Mg(OH)2,Ba(O
H)2等)などの無機の塩基性物質が挙げられる。使用
する塩基性物質の量は、使用する一般式(III)で表さ
れる化合物に対し等モル量であるが、若干過剰に使用し
てもよく一般式(III)で表される化合物1モルに対し
1.0〜1.2モルの範囲内で使用すればよい。塩基性
物質を使用することにより、副生するスルホン酸(R3
SO3H)、例えばp−トルエンスルホン酸を目的生成
物オキセタン基含有カリックスアレーン誘導体から分離
し易くするのに、金属塩やアンモニウム塩にするための
ものであって、従って、本反応に必要不可欠のものでは
ないことは勿論である。
【0020】一般式(II)で表されるカリックスアレー
ンと一般式(III)で表される化合物との反応に触媒と
して使用する第四オニウム塩としては、下記一般式(I
V)で表される化合物が挙げられる。
【0021】
【化9】 (式中、R4〜R10は、互いに同一でも異なっていても
よく、水素原子、ヒドロキシアルキル基、アルキル基、
アリール基またはアルアルキル基を表わし、これらがア
ルキル基もしくはアルアルキル基である場合は、炭素数
1〜30の直鎖状、分岐状または環状の炭化水素基であ
る。M1は、窒素原子、リン原子、砒素原子またはアン
チモン原子を表し、M2は、酸素原子、硫黄原子、セレ
ン原子または錫原子を表わし、そしてM3は、ヨウ素原
子を表す。またXは、ハロゲン原子、水酸基、アルコキ
シド、炭酸基、重炭酸基、リン酸二水素基および重硫酸
基からなる群より選ばれる1価の陰イオンを表す)で示
される化合物である。具体的には、前記一般式(IV)に
おいて、M1が窒素原子である場合のアンモニウム化合
物、M1がリン原子である場合のホスホニウム化合物、
1が砒素原子である場合のアルソニウム化合物、M1
アンチモン原子である場合のスチボニウム化合物、M2
が酸素原子である場合のオキソニウム化合物、M2が硫
黄原子である場合のスルホニウム化合物、M2がセレン
原子である場合のセレノニウム化合物、M2が錫原子で
ある場合のスタンノニウム化合物、そして、M3がヨウ
原子である場合のヨードニウム化合物などが挙げられ
る。
【0022】そして、上記のアンモニウム化合物の具体
例として、テトラn−ブチルアンモニウムクロライド
(TBAC)、テトラn−ブチルアンモニウムブロマイ
ド(TBAB)およびテトラn−ブチルアンモニウムア
イオダイド(TBAI)などのテトラn−ブチルアンモ
ニウムハライド(TBAX)が挙げられる。また、上記
のホスホニウム化合物の具体例としては、テトラn−ブ
チルホスホニウムクロライド(TBPC)、テトラn−
ブチルホスホニウムブロマイド(TBPB)およびテト
ラn−ブチルホスホニウムアイオダイド(TBPI)な
どのテトラn−ブチルホスホニウムハライド(TBP
X)およびテトラフェニルホスホニウムクロライド(T
PPC)、テトラフェニルホスホニウムブロマイド(T
PPB)およびテトラフェニルホスホニウムアイオダイ
ド(TPPI)などのテトラフェニルホスホニウムハラ
イド(TPPX)などが挙げられる。
【0023】本発明では、上述した第四オニウム塩触媒
の中でも、TBAC、TBABおよびTBAIなどのT
BAX、TBPC、TBPBおよびTBPIなどのTB
PX、および、TPPC、TPPBおよびTPPIなど
のTPPXなどのアンモニウム化合物やホスホニウム化
合物の使用が好ましい。尚、本発明においては、触媒と
して上記第四オニウム塩の中から選ばれる2種以上を混
合して用いてもかまわない。上記第四オニウム塩触媒
は、一般式(III)で表される化合物1モル当たり0.
01〜0.1モルの割合で使用すればよい。一般式(I
I)で表されるカリックスアレーンと一般式(III)で表
される化合物との使用量は、等モル量であればよいが何
れか一方を過剰に用いてもよく、一般式(II)で表され
るカリックスアレーンの1モル当たり一般式(III)で
表される化合物を0.9〜1.5モルの範囲内で使用す
ればよい。
【0024】一般式(II)で表されるカリックスアレー
ンと一般式(III)で表される化合物との反応は常圧下
で通常50℃〜150℃の温度で1〜50時間行えばよ
い。反応は、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスな
どの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。均一な
反応の進行と反応促進のためには撹拌することが好まし
い。尚、一般式(I)の合成法を図示すれば以下の通り
である。
【0025】
【化10】 かくして得られる一般式(I)で表わされるオキセタン
基含有カリックスアレーン誘導体としては下式で示され
るものが例示される。
【0026】
【化11】
【0027】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、
勿論、本発明は以下の実施例により何等制限を受けるも
のではない。 (実施例1) (1)p−メチル−カリックスアレーン(MCA)の合
成 18.7gのp−クレゾールを150mlのキシレンに
溶かし、これに9gのパラホルムアルテヒドを加えて、
よく撹拌した。得られた混液に0.4mlの10N水酸
化カリウム水溶液を加え、4時間還流しながら反応させ
た。反応終了後、析出物を濾取し、得られた結晶をアセ
トン、エタノールで順次洗浄したのち、乾燥した。乾燥
後、結晶をエタノールと水との混合溶液で洗浄し、再び
乾燥して、10.3gのp−メチル−カリックスアレー
ンを得た。尚、上記の合成において得られたp−メチル
−カリックスアレーンのnが6の多量体であるが、nが
6以外の多量体も1ユニットづつ縮合させる逐次合成法
によって所望の多量体も合成することができる。
【0028】(2)3−エチル−3−オキセタニルメチ
ルトシレート(EOMT)の合成 5.81g(50m mol)の3−エチル−3−ヒド
ロキシメチルオキセタンと9.53g(50m mo
l)のp−トルエンスルホニルクロリドを30mlのピ
リジンを含む100ml容量の三角フラスコに加え、こ
れを室温で撹拌しながら1時間反応させた。反応終了
後、析出したピリジン塩酸塩を濾別し、濾別したピリジ
ン塩酸塩を酢酸エチルで洗浄し、酢酸エチル溶液を濾液
に加えた。得られた混液を分液ロートに移し、これを蒸
留水で3回洗浄し分離した有機層に硫酸マグネシウムを
加えて脱水した。硫酸マグネシウムを濾取し、濾液を濃
縮したのち、更に減圧蒸留により精製した。11.2g
のEOMTが得られた。収率は83%である。得られた
EOMTの物性は以下の通りである。 bp=154〜155℃(0.1mmHg) ・IR(neat,cm-1) 1597(ν C=C of Aromatic),1362,11
76(ν S=O) 1096,980(ν C-O-C of cyclic ether),837(ν S-O) ・1H-NMR(200MHz,CDCl3,TMS):δ(ppm) 0.84(t,J=7.3Hz,3.0H,CH2 CH3 ),1.60-1.84(q,J=7.3Hz,2.
0H,CH2 CH3) 2.55(s,3.0H,Ph-CH3 ),4.26(s,2.1H,O-CH2 -SO2) 4.32-4.35(d,J=6.8Hz,2.0H,C-CH2 -O),4.38-4.44(d,J=6.
8Hz,2.0H,C-CH2 -O) 7.35-7.39(d,J=8.1Hz,2.0H,Aromatic H),7.79-7.83(d,J
=8.1Hz,2.0H,Aromatic H)
【0029】(3)オキセタン基含有カリックスアレー
ン誘導体(1)の合成 0.3g(2.5m mol)のMCA、0.68g
(2.5m mol)のEOMT、0.14g(2.5
m mol)のKOH、0.04g(0.125m m
ol)のテトラn−ブチルアンモニウムブロマイド(T
BAB)を3mlのN−メチル−2−ピロリドンを含む
10ml容量のナスフラスに加え、70℃に加熱し窒素
雰囲気下で撹拌しながら、6時間反応させた。反応終了
後、反応母液を分液ロートに移し、クロロホルムを加え
た後、蒸留水で3回洗浄した。分離した有機層硫酸マグ
ネシウムを加えて脱水した。硫酸マグネシウムを濾別
後、濃縮し得られた残渣をエタノールに加え、再沈殿さ
せ精製した。エタノールによる再沈殿精製操作は2回繰
り返した。0.35gの白色の粉未固体が得られた。収
率は67%である。このものの1H−NMRのデータは
以下の通りである。 ・1H-NMR(200MHz,CDCl3,TMS):δ(ppm) 0.90(t,J=7.3Hz,3.0H,CH2 CH3 ),1.66-1.98(q,J=7.3Hz,2.
0H,CH2 CH3) 2.04-2.38(bs,3.0H,Ph-CH3 ),3.56-4.20(m,4.0H,Ph-CH2 ,
OCH2 ) 4.28-4.54(d,J=5.9Hz,2.0H,C-CH2 -O),4.54-4.78(d,J=5.
9Hz,2.0H,C-CH2 -O) 6.50-6.96(m,2.0H,Aromatic H)
【0030】また、白色の粉末固体をクロロホルムに溶
解させ、このクロロホルム溶液を用いてキャスト法によ
りフィルムを製造したときのフィルムの1Rデータは以
下の通りである。 ・IR(Film,cm-1) 1457(ν C=C of Aromatic),1211(ν
arC-O-C of ether) 1013,981(ν C-O-C of cyclic ether) 尚、上記のIRスペクトルは図1として、また1H−N
MRスペクトルは図2として、熱重量分析の結果は図3
としてこの明細書に添付した。
【0031】(実施例2)MCAの代わりにBCAを使
用して上記の(1)〜(3)に記載の方法に従って、オ
キセタン基含有のp−tert−ブチル−カリックスア
レーン誘導体(2)を合成した。BCAからの収率は7
9%であった。下記構造式で示されるかくして実施例1
及び2において得られた2種類のオキセタン基含有のカ
リックスアレーン誘導体とその原料であるMCA、BC
Aの各種有機溶媒への溶解性を以下の表に示す。
【0032】
【化12】
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】オキセタン基をカリックスアレーンに導
入することにより上記の表に示すように各種有機溶媒へ
の溶解性が著しく拡大するので、各種機能性材料として
の利用がより一層増大することとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られたオキセタン基含有カリッ
クスアレーン誘導体のIRスペクトルを示す。
【図2】 実施例1で得られたオキセタン基含有カリッ
クスアレーン誘導体の1H−NMRスペクトルを示す。
【図3】 実施例1で得られたオキセタン基含有カリッ
クスアレーン誘導体の熱重量分析のチャートを示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表されるオキセタン
    基含有カリックスアレーン誘導体。 【化1】 (式中、R1およびR2はそれぞれ、水素またはC1-C6
    の分枝を有することもあるアルキル基を表わし、互いに
    同じあるいは異なっていてもよく、nは4〜8の整数で
    ある。)
  2. 【請求項2】下記一般式(II) 【化2】 (式中、R1は水素またはC1-C6の分枝を有することも
    あるアルキル基を表わし、nは4〜8の整数である。)
    で表されるカリックスアレーンと下記一般式(III) 【化3】 (式中、R2は水素またはC1-C6の分枝を有することも
    あるアルキル基を表わし、R3はC1−C4の分枝を有す
    ることもあるアルキル基、フェニル基またはp−トリル
    基を表す。)で表される化合物とを、反応溶媒中、第四
    オニウム塩の存在下に50〜150℃の温度で1〜50
    時間反応させることを特徴とする請求項1に記載のオキ
    セタン基含有カリックスアレーン誘導体の製造法。
JP2814198A 1998-02-10 1998-02-10 オキセタン基含有カリックスアレーン誘導体及びその製造法 Withdrawn JPH11228558A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2814198A JPH11228558A (ja) 1998-02-10 1998-02-10 オキセタン基含有カリックスアレーン誘導体及びその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2814198A JPH11228558A (ja) 1998-02-10 1998-02-10 オキセタン基含有カリックスアレーン誘導体及びその製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11228558A true JPH11228558A (ja) 1999-08-24

Family

ID=12240500

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2814198A Withdrawn JPH11228558A (ja) 1998-02-10 1998-02-10 オキセタン基含有カリックスアレーン誘導体及びその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11228558A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007070319A (ja) * 2005-09-09 2007-03-22 Nitto Denko Corp オキセタン化合物の製法
WO2007111092A1 (ja) 2006-03-24 2007-10-04 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. 透明バリア性シートおよび透明バリア性シートの製造方法
WO2007111075A1 (ja) 2006-03-24 2007-10-04 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. 透明バリア性シート及び透明バリア性シートの製造方法
WO2007111098A1 (ja) 2006-03-24 2007-10-04 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. 透明バリア性シート及びその製造方法
WO2007111074A1 (ja) 2006-03-24 2007-10-04 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. 透明バリア性シート及び透明バリア性シートの製造方法
JP2008280415A (ja) * 2007-05-09 2008-11-20 Univ Kanagawa ラダーポリマー誘導体およびその製造方法、並びに低屈折率材料

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007070319A (ja) * 2005-09-09 2007-03-22 Nitto Denko Corp オキセタン化合物の製法
WO2007111092A1 (ja) 2006-03-24 2007-10-04 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. 透明バリア性シートおよび透明バリア性シートの製造方法
WO2007111075A1 (ja) 2006-03-24 2007-10-04 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. 透明バリア性シート及び透明バリア性シートの製造方法
WO2007111098A1 (ja) 2006-03-24 2007-10-04 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. 透明バリア性シート及びその製造方法
WO2007111074A1 (ja) 2006-03-24 2007-10-04 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. 透明バリア性シート及び透明バリア性シートの製造方法
JP2008280415A (ja) * 2007-05-09 2008-11-20 Univ Kanagawa ラダーポリマー誘導体およびその製造方法、並びに低屈折率材料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3508502B2 (ja) オキセタン環を有するビフェニル誘導体
JPH11246540A (ja) オキセタン基含有カリックス〔4〕レゾルシンアレーン誘導体及びその製造法
JPH11228558A (ja) オキセタン基含有カリックスアレーン誘導体及びその製造法
JP3733635B2 (ja) 有機ケイ素化合物の製造方法
US11384041B2 (en) Process for preparing an alkoxymethyl alkynyl ether compound having a terminal triple bond
US8304580B2 (en) Method for producing tris(perfluoroalkanesulfonyl)methide acid salt
JP2006151891A (ja) 環状カーボネートの製造方法
US6072054A (en) Cyclic aryl ethers, thioethers, and amines and method preparation
JPH0725708B2 (ja) パーフルオロアルキルブロミドの合成
JP4151256B2 (ja) 有機錫化合物の製造方法
JPH0259147B2 (ja)
JP4572433B2 (ja) N−アセチルホモピペラジン類の製造法
JP2853244B2 (ja) ビス[3,5―ジブロモ―4―(ジブロモプロポキシ)フェニル]スルホンの製法
JP3723836B2 (ja) ヘテロ原子を骨格に有するカリックスアレーン化合物及びその製造方法並びに金属イオン捕捉剤
JP6170368B2 (ja) ヨウ化アリール化合物の製造用前駆体化合物及びそれを用いたヨウ化アリール化合物の製造方法
JP2002534495A (ja) アゾイミノエーテル及びアゾカルボン酸エステルの製造方法並びに新規のアゾカルボン酸混合エステル
RU2283826C1 (ru) Способ получения 3,6-диметил-1,8-диалкил(фенил)-2,6-октадиенов
JPH10251197A (ja) 非環状ポリエーテル
JP3266358B2 (ja) アルキルスルホナート誘導体の製造方法
JPH04108793A (ja) ペニシリン類のエステル化方法
JP2928856B2 (ja) ビス(4―アリルオキシ―3,5―ジブロモフェニル)スルホンの製造を行う方法
JP5248132B2 (ja) カリックスアレン誘導体の製造方法
JPS6155504B2 (ja)
JPH11255766A (ja) 環状ハロメチルフェノール硫化物の製造法
CN108137457A (zh) 苯氧乙醇衍生物的制造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050510