JPH11255766A - 環状ハロメチルフェノール硫化物の製造法 - Google Patents

環状ハロメチルフェノール硫化物の製造法

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JPH11255766A
JPH11255766A JP10075055A JP7505598A JPH11255766A JP H11255766 A JPH11255766 A JP H11255766A JP 10075055 A JP10075055 A JP 10075055A JP 7505598 A JP7505598 A JP 7505598A JP H11255766 A JPH11255766 A JP H11255766A
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cyclic
group
sulfide
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JP10075055A
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Haruhiko Takeya
晴彦 竹矢
Setsuko Miyanari
節子 宮成
Hitoshi Kumagai
仁志 熊谷
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COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
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COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環状アルキルフェノール硫化物の実質的応用
形態である誘導体合成に有利なハロメチル置換体を簡便
かつ確実に高収率で得ることができる製造法を提供す
る。 【解決手段】 一般式(1)で表される環状フェノール
硫化物を酸触媒の存在下、ハロメチル化剤と反応せし
め、少なくとも1個のハロメチル基をOX基に対しp位
に導入する。 (式中、Xは水素原子、炭化水素基またはアシル基であ
り、mは1〜7の整数であり、複数のmおよびXはそれ
ぞれ同一であってもよいし、異なってもよい。nは3〜
12の整数である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、かご型分子構造を有す
るフェノール誘導体の特徴として酸化防止剤、触媒、金
属捕捉剤、光センサー、基質特異性センサー、高分子材
料などの中間体として有用であり、かつ種々の置換、誘
導に有利な反応活性基を具備した新規な環状ハロメチル
フェノール硫化物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルキルフェノール硫化物の有用性は、
酸化防止剤(米国特許2,239,534号など)や高
分子材料安定剤(米国特許3,882,082号な
ど)、防食剤(米国特許3,684,587号など)と
して公知であり、かご型構造を有する架橋アルキルフェ
ノール類は近年金属捕捉剤や基質特異性センサーとして
有用性が数多く報告されている。本発明者らは、これま
でに硫黄架橋構造を有する環状(かご型)アルキルフェ
ノール硫化物の高効率製造法を公開(特開平9−227
553など)しており、上記機能性物質や機能性材料の
一次原料としての環状アルキルフェノール硫化物類の利
用を可能にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
環状アルキルフェノール硫化物類などの機能性分子の実
用的利用に際しては、さらなる官能基の導入や固体担体
への結合などに対応できる構造変換が広く求められてい
た。これらの目的においては、従来、環状アルキルフェ
ノール硫化物の原料であるアルキルフェノール類を適宜
選択することで各種誘導体を製造する可能性が広く提案
されていたが、環状アルキルフェノール硫化物類の製造
方法においては反応で生じる重合度の異なる複数の生成
物や、副生生物である鎖状アルキルフェノール硫化物類
からの目的物質の単離精製が重要要素技術であることか
ら、単離、精製方法の確立した特定の環状アルキルフェ
ノール硫化物類の化学修飾による反応性官能基の導入も
また実用的には重要な技術的課題であった。
【0003】
【課題を解決するための手段】かかる課題に対して、本
発明者らは鋭意検討を行った結果、本発明者らがすでに
製造法を公開している水酸基またはその誘導体基に対し
てベンゼン環の3〜5位に置換基を持たないフェノール
類をその構成単位の一部として有する環状フェノール硫
化物を原料として用い、この環状フェノール硫化物を酸
触媒の存在下でハロメチル化剤と反応せしめることによ
り、芳香族骨格上の特定の位置にハロメチル基が定量的
に導入されることを、見出し本発明を完成した。すなわ
ち、本発明は、一般式(1)
【0004】
【化3】
【0005】(式中、Xは水素原子、炭化水素基または
アシル基であり、mは1〜7の整数であり、複数のmお
よびXはそれぞれ同一であってもよいし、異なってもよ
い。nは3〜12の整数である。)で表される環状フェ
ノール硫化物を酸触媒の存在下、ハロメチル化剤と反応
せしめることを特徴とする一般式(2)
【0006】
【化4】
【0007】(式中、Xは水素原子、炭化水素基または
アシル基であり、Yは水素原子またはハロメチル基であ
り、複数のYのうち少なくとも一つはハロメチル基であ
る。mは1〜7の整数であり、複数のX、Yおよびmは
それぞれ同一であってもよいし、異なってもよい。nは
3〜12の整数である。)で表される環状ハロメチルフ
ェノール硫化物の製造法を提供するものである。以下、
本発明を詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において使用する原料は、
上記一般式(1)の環状フェノール硫化物である。一般
式(1)中のXは、水素原子、炭化水素基、アシル基で
ある。炭化水素基の炭素の数は、1以上であれば特に制
限されないが、好ましくは1〜20である。これらの炭
化水素基としては、飽和脂肪族炭化水素基、脂環式炭化
水素基、脂環式−脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素
基、芳香族−脂肪族炭化水素基などがあげられる。飽和
脂肪族炭化水素基の例としては、例えばメチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブ
チル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチ
ル、ネオペンチル、tert−ペンチル、2−メチルブ
チル、n−ヘキシル、イソヘキシル、3−メチルペンチ
ル、エチルブチル、n−ヘプチル、2−メチルヘキシ
ル、n−オクチル、イソオクチル、tert−オクチ
ル、2−エチルヘキシル、3−メチルヘプチル、n−ノ
ニル、イソノニル、1−メチルオクチル、エチルヘプチ
ル、n−デシル、1−メチルノニル、n−ウンデシル、
1,1−ジメチルノニル、n−ドデシル、n−テトラデ
シル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、及びエチ
レンやプロピレン、ブチレンの重合物あるいはそれらの
共重合物より成る基などの炭化水素基があげられる。
【0009】脂環式炭化水素基の適当な具体例として
は、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペン
チル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチ
ル、3−メチルシクロヘキシル、4−メチルシクロヘキ
シル、4−エチルシクロヘキシル、2−メチルシクロオ
クチル、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペ
ンテニル、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シク
ロオクテニル、4−メチルシクロヘキセニル、4−エチ
ルシクロヘキセニル基などがあげられる。脂環式−脂肪
族炭化水素基の適当な具体例としては、例えばシクロプ
ロピルエチル、シクロブチルエチル、シクロペンチルエ
チル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、
シクロヘプチルメチル、シクロオクチルエチル、3−メ
チルシクロヘキシルプロピル、4−メチルシクロヘキシ
ルエチル、4−エチルシクロヘキシルエチル、2−メチ
ルシクロオクチルエチル、シクロプロペニルブチル、シ
クロブテニルエチル、シクロペンテニルエチル、シクロ
ヘキセニルメチル、シクロヘプテニルメチル、シクロオ
クテニルエチル、4−メチルシクロヘキセニルプロピ
ル、4−エチルシクロヘキセニルペンチル基などがあげ
られる。
【0010】芳香族炭化水素基の適当な具体例として
は、例えばフェニル、ナフチルなどのアリール基;4−
メチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,4,
5−トリメチルフェニル、2−エチルフェニル、n−ブ
チルフェニル、tert−ブチルフェニル、アミルフェ
ニル、ヘキシルフェニル、ノニルフェニル、2−ter
t−ブチル−5−メチルフェニル、シクロヘキシルフェ
ニル、クレジル、オキシエチルクレジル、2−メトキシ
−4−tert−ブチルフェニル、ドデシルフェニルな
どのアリール基などがあげられる。芳香族−脂肪族炭化
水素基の具体的な例としては、例えばベンジル、1−フ
ェニルエチル、2−フェニルエチル、2−フェニルプロ
ピル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5
−フェニルペンチル、6−フェニルヘキシル、1−(4
−メチルフェニル)エチル、2−(4−メチルフェニ
ル)エチル、2−メチルベンジル、1,1−ジメチル−
2−フェニルエチル基などがあげられる。
【0011】なお、上記炭化水素基は、−COR1、−
OR2、−COOR3、−CN、−CONR45、−NO
2、−NR67などの官能基により置換されていてもよ
い。(R1、R2、R3、R4、R5、R6又はR7は水素ま
たは炭化水素基である。この炭化水素基は上記のXにお
いて説明した炭化水素基と同様なものが挙げられ、好ま
しいものも同様である。) また、アシル基の炭素数は、1以上であれば特に制限さ
れないが、好ましくは1〜20である。アシル基の適当
な具体例としては、ホルミル、アセチル、プロピオニ
ル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリ
ル、オキサリル、サクシニル、ピバロイル、ステアロイ
ル、ベンゾイル、フェニルプロピオニル、トルオイル、
ナフトイル、フタロイル、p−メチルベンゾイル、シク
ロヘサンカルボニル基などが挙げられる。
【0012】一般式(1)において、Xは1分子中に3
〜12個存在するが、それらのXはそれぞれ同一であっ
てもよいし、異なっていてもよい。一般式(1)におい
て、mは1〜7の整数であり、複数のX、Yおよびmは
それぞれ同一であってもよいし、異なってもよい。nは
3〜12の整数である。本発明においては、原料である
一般式(1)の環状フェノール硫化物は、1種単独で用
いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。な
お、nが同一である一般式(1)の環状フェノール硫化
物を原料として用いると、同一量体の環状ハロメチルフ
ェノール硫化物が得られるので、単離、精製し易く、好
ましい。
【0013】次に、原料である一般式(1)の環状フェ
ノール硫化物の製造方法について説明する。一般式
(1)の環状フェノール硫化物の製造例は、特開平9−
227553号および特願平8−252240号明細書
に記載されている。適当な製造例としては、先ず一般式
(3)
【0014】
【化5】
【0015】(式中、Y1はアルキル基である。)で表
される4位にアルキル基を有するアルキルフェノール類
と、適当量の単体硫黄を、適当量のアルカリ金属試薬お
よびアルカリ土類金属試薬から選ばれる少なくとも1種
の金属試薬の存在下反応させ、環状アルキルフェノール
硫化物を製造し、得られた環状アルキルフェノール硫化
物を酸触媒の存在下、脱アルキル化する方法である。ア
ルキルフェノール類と単体硫黄の原料仕込比は、アルキ
ルフェノール類1グラム当量に対し、単体硫黄が0.1
グラム当量以上であり、好ましくは0.35グラム当量
以上である。単体硫黄の原料仕込比の上限は、特に限定
されないが、アルキルフェノール類1グラム当量に対
し、20グラム当量以下が好ましく、特に10グラム当
量以下が好ましい。
【0016】アルカリ金属試薬としては、例えばアルカ
リ金属単体、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金
属、炭酸アルカリ金属、アルカリ金属アルコキシド、ハ
ロゲン化アルカリ金属などが挙げられる。また、アルカ
リ土類金属試薬としては、例えばアルカリ土類金属単
体、水素化アルカリ土類金属、水酸化アルカリ土類金
属、酸化アルカリ土類金属、炭酸アルカリ土類金属、ア
ルカリ土類金属アルコキシド、ハロゲン化アルカリ土類
金属などが挙げられる。アルカリ金属試薬またはアルカ
リ土類金属試薬の使用量は、アルキルフェノール類1グ
ラム当量に対し0.005グラム当量以上であり、好ま
しくは0.01グラム当量以上である。アルカリ金属試
薬またはアルカリ土類金属試薬の使用量の上限は特に制
限ないが、好ましくは10グラム当量以下であり、特に
好ましくは5グラム当量以下である。
【0017】脱アルキル化に用いる酸触媒としては、フ
リーデル−クラフツ触媒が使用できる。適当な触媒の例
としては、ルイス酸、プロトン酸あるいは固体酸などが
挙げられる。この環状フェノール硫化物の水酸基はこの
ままでもよいし、エーテル化あるいはアシル化などによ
り、水酸基の水素原子を炭化水素基またはアシル基に置
換にしてもよい。
【0018】本発明においては、一般式(1)で表され
る環状フェノール硫化物を酸触媒の存在下、ハロメチル
化剤と反応させる。本反応に用いるハロメチル化剤とし
ては、クロロメチルメチルエーテルまたはブロモメチル
メチルエーテルが好ましい。ハロメチル化剤の使用量
は、理論的には原料1モル当たり1モルで十分である
が、この量では固体である原料と触媒にハロメチル化剤
が不均一に付着した状態であり、後述の反応条件におい
て熱的に均一な反応混合物となり得ない。一方、あまり
に過大な使用は製造設備の大型化をまねくため、経済的
見地から好ましくない。本発明の方法においてハロメチ
ル化剤の好ましい使用量は、無溶媒で反応を実施する場
合に原料1g当たり3〜100mlであり、さらに好ま
しくは5〜50mlである。
【0019】ハロメチル化剤を溶媒で希釈して使用する
場合は、その希釈率に応じて総液量がこの範囲であれば
良いが、通常の化学反応で用いられるような、反応剤に
対する過剰量の溶媒の使用は、反応速度が著しく低下す
るため好ましくない。希釈剤としての溶媒の使用はハロ
メチル化剤10ml当たり4ml以下が好ましく、特別
な事情が無い限りは無溶媒での実施が好ましい。使用で
きる溶媒は非プロトン性有機溶媒であり、クロロホル
ム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等の脂肪
族ハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプ
ロピルエーテル、テトラヒドロフラン等の脂肪族エーテ
ル類、酢酸エチル等のエステル類、ヘキサン、ペンタン
等の炭化水素類、アセトン等の脂肪族ケトンがあげられ
る。芳香族溶媒は溶媒自身が反応するため好ましくな
い。
【0020】ハロメチル化反応の酸触媒としては、水素
イオン供給能のないルイス酸が好ましい。ルイス酸の適
当な具体例としては、AlCl3、AlBr3、 BeC
2、CdCl2、ZnCl2、BF3、BCl3、BB
3、GaCl3、GaBr3、TiCl4、TiBr4
ZrCl4、SnCl4、SnBr4、SbCl5、SbC
3、BiCl3、FeCl3などが挙げられ、より好ま
しくは、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、フッ化硼素、塩
化チタンである。触媒は原料1モル当たり0.01モル
以上あれば実質的に反応を行うことは可能であるが、こ
のような少量では反応完結までに長時間を要する他、原
料中に含まれうる水分等の不純物等によって反応が阻害
されたり触媒が分解する等の現象が起こりやすく、安定
的な製造が困難である。一方、触媒の過大な使用では触
媒の価格が本法の経済性を阻害するため、好ましい使用
量は原料1モル当たり0.05モル〜2.0モル、より
好ましくは0.1〜1.0モルである。
【0021】反応温度は、40℃〜150℃が好まし
く、さらに好ましくは50〜100℃、加圧反応容器の
必要の有無等、実用的見地からは、ハロメチル化剤の沸
点温度での実施が好ましいが、加圧下で反応を実施する
事に特段の不都合はない。反応時間は、温度条件と触媒
使用量によって異なるが、一般的な事例をあげると、触
媒として原料の5〜7質量%の塩化亜鉛または塩化アル
ミニウムを用い、原料濃度1〜5質量%でクロロメチル
メチルエーテルの過熱還流下で反応を実施する場合、5
〜7時間で反応は完結する。反応終了後は、一般的には
室温まで冷却すると生成物のほぼ全量が沈降するので、
これをろ過回収し、触媒成分を水で洗浄すれば、ほぼ純
粋な一般式(2)で表される環状ハロメチルフェノール
硫化物が白色の固体として得られる。著しく多量のハロ
メチル化剤を使用した場合などに、生成物がろ液に溶出
する場合があるが、このような場合には、あらかじめ濃
縮後にろ過を行うか、ろ液を濃縮してろ過することで十
分な回収が可能である。反応時にクロロホルム、ジクロ
ロメタン、酢酸エチル、エタノール等の溶媒を使用する
と反応時間が著しく長くなるので好ましくない。
【0022】また、生成物は反応性官能基であるハロメ
チル基を有するため、水との接触でゆっくりと加水分解
されるため、水洗後は速やかに乾燥させるかアセトン等
の有機溶媒との速やかな置換が必要である。また、塩基
性物質との接触は自己縮合をきたすため避けねばならな
い。この自己縮合性は、誘導体合成の鍵骨格としてのハ
ロメチル基の有効性を表すものである。本発明において
は、上記反応により、一般式(2)で表される環状ハロ
メチルフェノール硫化物を収率よく、効率的にかつ簡便
に製造することができる。
【0023】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、これらは例示であって本発明を制限するもの
ではない。 製造例1 4−tert−ブチルフェノール64.5gに、単体硫
黄27.5g及び水酸化ナトリウム17.2gを加え、
テトラエチレングリコールジメチルエーテル19mLの
溶媒中、窒素気流中、攪拌しながら、4時間かけて徐々
に230℃に加熱し、2時間さらに攪拌を続けた。この
間、反応で生成する水及び硫化水素を除去した。この反
応混合物を室温にまで冷却し、エーテル500mLを加
え、1規定の硫酸で充分加水分解した。エーテル抽出の
後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホル
ム)とクロロホルム/アセトンからの再結晶を組み合わ
せて分離操作を行ったところ、無色透明の結晶である
5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−2
5,26,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,1
4,20−テトラチア[19.3.1.13,79,13
15,19]オクタコサ−1(25),3,5,7(2
8),9,11,13(27),15,17,19(2
6),21,23−ドデカエン37.9gが得られた。
この生成物は一般式(2)においてn=4、m=1、X
=H、Y=tert−ブチルである環状アルキルフェノ
ール硫化物である。
【0024】製造例2 製造例1で得られた環状アルキルフェノール硫化物、す
なわち、5,11,17,23−テトラ−tert−ブ
チル−25,26,27,28−テトラヒドロキシ−
2,8,14,20−テトラチア[19.3.1.1
3,79,1315,19]オクタコサ−1(25),3,5,
7(28),9,11,13(27),15,17,1
9(26),21,23−ドデカエン37.9gと塩化
アルミニウム10.0gとをトルエン2000mlに加
えた。この溶液を55℃で24時間反応させた。これは
FD−MSスペクトルの測定から、一般式(2)におい
て、n=4、m=1、R=H、X、Z=H、および4つ
のYのうち、それぞれ1、2、3および4個が脱離した
化合物の混合物であることを確認した。この溶液を多量
のエーテルにて晶析させ、得られた結晶をろ別し、トル
エンから再結晶させ、溶媒を減圧条件下除去することに
より、25,26,27,28−テトラヒドロキシ−
2,8,14,20−テトラチア[19.3.1.1
3,79,1315,19]オクタコサ−1(25),3,5,
7(28),9,11,13(27),15,17,1
9(26),21,23−ドデカエン0.50gを得
た。
【0025】この生成物は一般式(1)においてn=
4、m=1、X=Hである環状フェノール硫化物であ
る。この生成物の物性を以下に示す。白色結晶、MS
m/z:496(M+)、 1H NMR:(δ,pp
m,CDCl3)9.45(s,4H,OH),7.6
1(d,8H,ArH),6.75(t,4H,Ar
H)、 13C NMR:(δ,ppm,CDCl3)1
57.9,139.3,121.7,120.9(A
r)、元素分析値 % 理論値 for C24164
4:C,58.04;H,3.25;S,25.8
3、測定値:C,58.60;H,3.40;S,2
4.97
【0026】[実施例1]還流冷却器、温度計を供えた
50mlのフラスコに1g(2.0mmol)の製造例
2で得られた環状フェノール硫化物、すなわち、25,
26,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,14,
20−テトラチア[19.3.1.13,7
9,1315,19]オクタコサ−1(25),3,5,7
(28),9,11,13(27),15,17,19
(26),21,23−ドデカエンを入れ、ここにクロ
ロメチルメチルエーテル25mlを加えた。次いで無水
塩化亜鉛粉末50mg(0.37mmol)を加えて油
浴上、窒素雰囲気下で5時間過熱還流を行った。反応混
合物を室温まで放冷後、吸引ろ過によって白色の固体分
をろ別し、これを漏斗上で20mlの蒸留水で2回洗
浄、次いで20mlのアセトンで2回洗浄して5,1
1,17,23−テトラキスクロロメチル−25,2
6,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,14,2
0−テトラチア[19.3.1.13,79,1315,19
オクタコサ−1(25),3,5,7(28),9,1
1,13(27),15,17,19(26),21,
23−ドデカエンの白色の固体1.27gを得た。収率
は92%であった。
【0027】1 H−NMR(CDCl2−CDCl2) δ(ppm) 4.43 (8H,S,−CH2Cl) 7.67 (8H,S,Ar) 9.53 (4H,S,−OH) MS m/z:690 (M+) IR(Nujol:cm-1)3250,1590,15
60,1410,1280,1260,1240,11
90,925,750,740,700,620,58
5,560,525,500,440
【0028】[実施例2]クロロメチルメチルエーテル
に代えてブロモメチルメチルエーテルを使用した以外、
実施例1と同様に実施した。5,11,17,23−テ
トラキスブロモメチル−25,26,27,28−テト
ラヒドロキシ−2,8,14,20−テトラチア[1
9.3.1.13,79,1315,19]オクタコサ−1(2
5),3,5,7(28),9,11,13(27),
15,17,19(26),21,23−ドデカエンの
白色の固体1.54gを得た。収率は88%であった。1 H−NMR(CDCl2−CDCl2) δ(ppm) 4.35 (8H,S,−CH2Cl) 7.69 (8H,S,Ar) 9.56 (4H,S,−OH) MS m/z:868 (M+) IR(Nujol:cm-1)3220,1590,15
60,1410,1370,1360,1275,12
60,1240,1220,1200,1190,92
5,895,780,750,740,650,54
0,500,430,420
【0029】[実施例3]触媒として無水塩化アルミニ
ウム40mg(0.30mmol)を用いた以外、実施
例1と同様に実施した。5,11,17,23−テトラ
キスクロロメチル−25,26,27,28−テトラヒ
ドロキシ−2,8,14,20−テトラチア[19.
3.1.13,79,1315,19]オクタコサ−1(2
5),3,5,7(28),9,11,13(27),
15,17,19(26),21,23−ドデカエンの
白色の固体1.26gを得た。収率は91%であった。
【0030】[実施例4]触媒として塩化チタン40m
g(0.21mmol)を用いた以外、実施例1と同様
に実施した。5,11,17,23−テトラキスクロロ
メチル−25,26,27,28−テトラヒドロキシ−
2,8,14,20−テトラチア[19.3.1.1
3,79,1315,19]オクタコサ−1(25),3,5,
7(28),9,11,13(27),15,17,1
9(26),21,23−ドデカエンの白色の固体1.
22gを得た。収率は88%であった。
【0031】[実施例5]25mlのクロロメチルメチ
ルエーテルに代えてクロロメチルメチルエーテルのテト
ラヒドロフラン溶液(70容量%)50mlを用いた以
外、実施例1と同様に実施した。5,11,17,23
−テトラキスクロロメチル−25,26,27,28−
テトラヒドロキシ−2,8,14,20−テトラチア
[19.3.1.13,79,1315,19]オクタコサ−1
(25),3,5,7(28),9,11,13(2
7),15,17,19(26),21,23−ドデカ
エンの白色の固体0.92gを得た。収率は67%であ
った。
【0032】
【発明の効果】本発明の方法によれば、環状アルキルフ
ェノール硫化物の実質的応用形態である誘導体合成に有
利なハロメチル置換体が簡便かつ確実に高収率で得ら
れ、環状アルキルフェノール硫化物の有する酸化防止
性、触媒機能、分子捕捉機能、各種センシング機能とい
った特異な機能を生かした実用材料の製造が可能とな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊谷 仁志 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、Xは水素原子、炭化水素基またはアシル基であ
    り、mは1〜7の整数であり、複数のmおよびXはそれ
    ぞれ同一であってもよいし、異なってもよい。nは3〜
    12の整数である。)で表される環状フェノール硫化物
    を酸触媒の存在下、ハロメチル化剤と反応せしめること
    を特徴とする一般式(2) 【化2】 (式中、Xは水素原子、炭化水素基またはアシル基であ
    り、Yは水素原子またはハロメチル基であり、複数のY
    のうち少なくとも一つはハロメチル基である。mは1〜
    7の整数であり、複数のX、Yおよびmはそれぞれ同一
    であってもよいし、異なってもよい。nは3〜12の整
    数である。)で表される環状ハロメチルフェノール硫化
    物の製造法。
  2. 【請求項2】ハロメチル化剤がクロロメチルメチルエー
    テルまたはブロモメチルメチルエーテルであることを特
    徴とする請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】溶媒の不存在下で反応を行うことを特徴と
    する請求項1または2記載の製造法。
  4. 【請求項4】酸触媒が、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、
    フッ化硼素及び塩化チタンからなる群より選ばれる一種
    以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の製造法。
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