JPH11228166A - 高純度透明石英ガラスおよびその製造方法 - Google Patents
高純度透明石英ガラスおよびその製造方法Info
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Abstract
する。 【解決手段】Fe、Na、Kの各不純物含有量が0.0
1〜0.3ppm、OH基含有量が0〜3ppm、かつ
含有されるFe不純物のうち、価数が+0の金属鉄含有
量が0.1ppm以下、900〜1400℃に20時間
以上保持しても、可視短波長域の透過率が低下せず、波
長400nmでの吸光係数が0.009以上にならず、
着色が認められない高純度透明石英ガラス、及び、高純
度透明石英ガラスリング、並びに、黒鉛質モールドから
構成された空間にシリカ粉末を充填し、1700℃以上
に加熱溶融してシリカガラスを得る方法において、黒鉛
質モールドとシリカ粉末の接触面に嵩密度0.1〜1.
5g/cm3であり、Na,K,Fe及びTiの各不純
物が1ppm以下の高純度黒鉛からなる多孔質層を介在
させる高純度石英ガラスの製造方法。
Description
不純物含有量が0.01〜0.3ppmの範囲にあり、
OH基含有量が0〜3ppmの範囲にあり、かつ含有さ
れるFe不純物のうち価数状態が+0の金属鉄含有量が
0.1ppm以下であり、900〜1400℃の温度に
20時間以上保持しても、可視短波長域の透過率が低下
せず、波長400nmでの吸光係数が0.009以上に
ならず、着色が認められないことを特徴とする高純度透
明石英ガラス及びその形状の一つである高純度透明石英
ガラスリング、並びにそれらの高純度透明石英ガラスの
製造方法に関する。
耐熱治具及び各種フランジ類、炉心管部品などに応用で
きる。
す上昇し、それらの半導体集積回路の性能に悪影響を与
えるナトリウム元素またはカリウム元素を不純物として
含まない石英ガラスが、半導体製造用治具の材料として
求められている。例えば特開昭59−129421では
半導体熱処理用部材中のNa、K、Liをそれぞれ0.
05ppm以下としている。また同様に半導体の性質に
悪影響を与える鉄元素の不純物濃度も減少させることが
求められてきている。例えば、特開平8−16513
4、特開平8−175840では石英ガラス中の鉄元素
含有量が0.8ppm未満であるとしている。
透明石英ガラスに求められている性質はその純度ばかり
ではない。半導体集積回路基板用ウェハー径は年々大き
くなってきており、それに伴って半導体熱処理用石英ガ
ラス製治具の大きさも大きくなってきている。従って半
導体熱処理用石英ガラス製治具の材料には高温における
高い粘性も要求させる。一般に高温において高い粘性を
持つ透明石英ガラスは天然の結晶質石英粉末を溶融する
ことによって作成されている。
熱金属から構成されたリング状空間に結晶質石英粉末を
充填し、1700℃以上に加熱溶融して石英ガラスリン
グを製造する方法が既に特公昭35−791に記載され
ており、また、最近、特開平9−202631、特開平
9−202632及び特開平9−183623には、黒
鉛材からなる容器とシリカ粉末の接触面に石英ガラスを
介在させ、加熱溶融して石英ガラスを製造する方法が開
示されている。
るのに耐熱性金属容器やカーボン製容器を用いた場合、
高温で容器を酸化損傷しないようにするために容器のま
わりの雰囲気を真空としている。この場合に黒鉛質モー
ルドに普通グレードの黒鉛質を用いると溶融された透明
石英ガラスが褐色に着色するという問題が起きた。ま
た、溶融直後には着色していなくても、これらの透明石
英ガラスを、製品とするための融着等の加工を行なった
後に900〜1400℃の温度で20時間程度、熱歪を
取るためのアニール処理を行なうと、アニール処理後に
透明石英ガラスが褐色に着色しているという問題が起き
た。着色を起こした透明石英ガラスは製品としての価値
を失い問題である。透明石英ガラスが着色を起こすか、
起こさないかは必ずしも透明石英ガラス中の不純物濃度
と一対一で対応せず、原因が完全に明らかになっていた
わけではなかった。
として、耐熱金属であるMoを用いているが、この方法
ではMoが高温酸化を受け、ガスとして得られる石英ガ
ラスに侵入して汚染するという問題があった。
合、CとSiO2との高温反応によってモールドと石英
ガラスが融着し、相互に損傷したり、融着を避け得た場
合でもモールドの耐久性は著しく低い等の問題があっ
た。更に、一般の黒鉛材には1ppmを遥かに越えるF
eやCaなどが含まれており、これらの不純物が高温で
ガス化し、ガラスに侵入し高純度が保てないという問題
もあった。 特開平9−202631、特開平9−20
2632及び特開平9−183623に開示されている
黒鉛材からなる容器とシリカ粉末の接触面に石英ガラス
を介在させることにより、上記の問題を解決する方法が
開示されている。しかし、この方法は介在させる石英ガ
ラスの加工製造に手間を要し、かつ、石英ガラスは高価
であるため、経済性に優れた方法とは言い難い。
解決するため鋭意検討した結果、黒鉛モールドとシリカ
粉末の間に多孔質黒鉛層を介在させ、モールドとシリカ
ガラスの融着を防ぐと伴に、用いる原料粉末及び黒鉛材
料を高純度にすることにより、Fe、Na、Kの各不純
物含有量が0.01〜0.3ppmの範囲にあり、OH
基含有量が0〜3ppmの範囲にあり、かつ含有させる
Fe不純物のうち、価数が+0の金属鉄含有量が0.1
ppm以下であり、900〜1400℃の温度に20時
間以上保持しても、可視短波長域の透過率が低下せず、
波長400nmでの吸光係数が0.009以上にならな
いという極めて優れた透明性維持特性を有しており、半
導体用耐熱治具及び各種フランジ類、炉心管部品などに
好適に適用が可能である。すなわち本願発明は、透明石
英ガラス中のFe、Na、Kの各不純物含有量が0.0
1〜0.3ppmの範囲にあり、かつ含有されるFe不
純物のうち価数が+0の金属鉄の含有量が0.1ppm
以下であり、900〜1400℃の温度に20時間以上
保持しても、可視短波長域の透過率が低下せず、波長4
00nmでの吸光係数が0.009以上にならず、着色
が認められないことを特徴とする透明石英ガラス及びそ
の製造方法として黒鉛質モールドから構成された空間に
シリカ粉末を充填し、1700℃以上に加熱溶融して透
明石英ガラスを得る方法において、黒鉛質モールドとシ
リカ粉末の接触面に嵩密度0.1〜1.5g/cm3で
あり、Na,K,Fe及びTiの各不純物が1ppm以
下の高純度黒鉛からなる多孔質層を介在させ、加熱溶融
する方法に関する。
について述べる。まず、Fe、Na、Kの各不純物含有
量が0.3ppm以下の高純度結晶質石英、または高純
度非晶質シリカ粉末を高純度合成石英ガラス製の容器に
入れ、雰囲気を制御できる電気炉内に設置する。電気炉
内に酸素割合を増加させた酸化ガスを流す。酸化ガスの
組成は特に規定はしないが、例えば酸素と窒素の割合が
1:1の気体や純酸素ガスとする。電気炉内の温度を8
00〜1000℃に昇温し2〜4時間保持した後に炉中
で冷却する。
iの各不純物が1ppm以下になるように高純度化した
黒鉛質モールドを用い、この黒鉛質モールドの内側の空
間に先ほど酸化雰囲気中で熱処理を行った高純度結晶質
石英、または高純度非晶質シリカ粉末を充填する。ただ
し、粉末を充填する前に黒鉛質モールドと粉末の接触面
の間に嵩密度0.1〜1.5g/cm3、Na、K、F
e、Tiの各不純物が1ppm以下の高純度黒鉛からな
る多孔質層を介在させる。この多孔質の役割は3つあ
る。第1点は、モールド黒鉛と石英又はシリカ粉末との
直接反応によるモールドの損耗を防ぐことであり、第2
点は、モールド黒鉛と得られた石英ガラスの熱膨張差の
ため、冷却過程でモールドの破損を緩和材として防ぐこ
とであり、第3点は、多孔質層黒鉛自身と石英又はシリ
カ粉末との高温反応で発生するガスを系外に効率よく逃
がし、ガス滞留によるガラス内気泡の発生を防ぐことで
ある。嵩密度0.1〜1.5g/cm3の高純度黒鉛か
らなる多孔質層としては、高純度処理した黒鉛フェル
ト、黒鉛シート、黒鉛粉末を堆積したものなどを用いる
ことができる。黒鉛フェルトとしては、カーボン繊維を
成形織物とした、嵩密度0.1〜0.4g/cm3のも
のが市販されており、厚さ2〜10mmのものを用いる
ことが好ましい。
織物とした、嵩密度0.8〜1.2g/cm3のものが
市販されており、厚さ2〜10mmのものを用いること
が好ましい。黒鉛粉末としては、粒度0.1〜1mmの
高純度処理したものが好ましい。黒鉛フェルト、黒鉛シ
ート、黒鉛粉末堆積物は、いずれも伸縮性と通気性を有
するものであり、モールドの破損を防止すると同時に、
発生ガスの逃散路を与える役割を果たす。黒鉛フェルト
は黒鉛シートに比較して、伸縮性及び通気性とも優れた
物であり、上記役割を果たすにはより適している。しか
し、SiO2との反応による消失量は多く、接触するガ
ラス面の平坦部が保てないという欠点がある。一方、黒
鉛シートはSiO2との反応による消失量は少なく、ま
た、面が平滑であるため、ガラス面の平坦度を出すに適
している。従って、これら多孔質材料は、その適性によ
り、使い分けることが好ましい。例えば、好適な構成と
して、得られる石英ガラスの内外側面には黒鉛フェル
ト、石英ガラスの底面には黒鉛シートとするものが挙げ
られる。
電気炉内を減圧する。電気炉内を1700℃以上の温度
で加熱し、黒鉛質モールド内の高純度結晶質石英、また
は高純度非晶質シリカ粉末を溶融する。黒鉛質モールド
内から取り出した透明石英ガラスの分析方法は特には規
定しないが、透明石英ガラスをフッ化水素酸で処理した
後にICP測定もしくは原子吸光光度法によって行なっ
た。本発明にかかる透明石英ガラスのFe、Na、Kの
各不純物濃度は0.01〜0.3ppmの範囲であっ
た。
石英ガラスから10mmの厚さの両面を光学研磨した試
料を作成し、赤外吸収スペクトル中に現れる吸収から算
出した。次に算出式を示す。透明石英ガラス中のOH基
の濃度をA[ppm]、波長2.5μmにおける試料の
透過率をI1[%]、波長2.73μmにおける試料の
透過率をI2[%]とする。A[ppm]=0.01・
log10(I1[%]/I2[%])上式においてOH濃
度を算出した。試料中のOH基濃度は0〜3ppmであ
った。
ペクトルの観察によって決定した。ESRスペクトルの
測定法についてはとくには限定しないが、例えば次のよ
うに行なった。透明石英ガラスから7mm×7mm×1
0mmの直方体の試料を切り出す。試料の重量は約1g
である。この試料についてESRスペクトルを測定し
た。ESRスペクトル中にはg=2近傍に大きな吸収
が、g=4.2近傍に小さな吸収が観測された。
数+0の金属鉄からの強磁性共鳴による吸収であること
をGriscom らとFritschらが同定した(D. L. Gri
scom, E. J. Friebele and D. B. Shinn, J. Appl. Phy
s. 50(3) 2402-2404 (1979),E. Fritsch and G. Clas,
Non-Cryst. Solid.)。g=4.2近傍の吸収は透明石英
ガラス中の価数+3の鉄イオンによる吸収であると同定
された(D. R. Uhlmann and N. J. Kreidl, Glass Scie
nce and Technology, Academic Press, inc., (1990) C
hapter 3)。
に詳しく述べる。Fe元素の含有量が0.01ppm以
下である合成シリカ粉末を超純水中に分散し、その中へ
FeCl3をFe重量換算で0.1、0.2、0.5、
0.7、1、5、10ppm添加する。これらのスラリ
ーを80℃の温度において良く攪拌した後に水を蒸発さ
せて取り除く。得られた粉末を水素気流中、400〜8
00℃の温度で4時間程度熱処理することによって、粉
末中のFeを価数+0の金属鉄に還元する。
し、g=2近傍に現われる強磁性共鳴吸収の積分強度を
計測して価数+0の金属鉄含有量と積分強度の検量線を
作成する。この検量線を用いて透明石英ガラス中の価数
+0の金属鉄の量を定量化した。積分強度の定量化のた
めの一次標準試料としてTEMPOL(4-Hydroxy-2,2,
6,6-tetramethyl-piperidine-oxyl )のベンゼン溶液を
用い、二次標準試料としてルビー結晶(Cr+3を含むα
−Al2O3)を用いた。
ペクトルを使っての解析の結果、透明石英ガラス中のF
e不純物のうち、価数が+0の金属鉄の含有量が0.1
ppm以下であることが判明した。さらに、透明石英ガ
ラス中に価数が+0の金属鉄が0.2ppmより多く含
まれる場合はその透明石英ガラスは、後に述べる900
〜1400℃での再加熱によって着色を起こすこともわ
かった。我々の作成した透明石英ガラスを900〜14
00℃の温度に20時間以上保持したが、可視−紫外ス
ペクトル中の可視短波長域での透過率は低下せず、波長
400nmでの吸光係数は0.009以下であり、着色
は認められなかった。
するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
原料粉末6.4kgを外枠直径410mm、内枠直径3
80mm、深さ75mmのリング状空間を持つ高純度黒
鉛質モールド内に充填する。外枠の内壁には厚さ5mm
の高純度黒鉛質フェルトを張り、内枠の外壁には厚さ2
mmの高純度黒鉛質フェルトを張る。リング状空間の底に
は厚さ0.4mmの高純度黒鉛質シートを敷いた。高純
度黒鉛質フェルトおよび高純度黒鉛質シートの純度も表
1に示した。
室温から1600℃まで5℃/分で昇温し、その後16
00℃から1850℃まで2℃/分で昇温する。185
0℃において真空中15分間加熱した後、圧力1.7k
gf/cm2の窒素雰囲気中で5分間加熱する。その後
炉冷する。
分析した結果を表1の下段に示す。Fe、Na、Kの各
不純物濃度が0.01〜0.3ppmの範囲にあること
がわかった。
を切り出し、両面を光学研磨し、赤外吸収スペクトルを
測定した。波長2.5μmにおける透過率は87.5%
であり、波長2.73μmにおける透過率は86.0%
であり、これらから算出される透明石英ガラス中のOH
基濃度は0.75ppmである。
度に66時間保持した。1150℃に66時間保持した
後の透明石英ガラスは目視観察でも着色は認められな
い。図1および図2に可視光吸収スペクトルを示した。
この可視光吸収スペクトル中で、波長400nmにおけ
る吸収係数は0.003であった。
時間保持したあとの両方の透明石英ガラスから、7mm
×7mm×10mmの直方体試料を切り出し、ESRス
ペクトルを測定した。g=2近傍に観測された共鳴吸収
の積分強度から算出された、透明石英ガラス中の価数+
0の金属鉄の濃度は0.1ppm以下だった。
る。
5mm、内枠直径100mm、深さ47.5mmのリン
グ状空間を持つ黒鉛質モールド内に充填する。外枠の内
壁には厚さ5mmの黒鉛質フェルトを張り、内枠の外壁
には厚さ5mmの黒鉛質フェルトを張る。リング状空間
の底には厚さ0.4mmの黒鉛質シートを敷く。黒鉛質
フェルトおよび黒鉛質シートの純度も表2に示す。
室温から1600℃まで5℃/分で昇温し、その後16
00℃から1850℃まで2℃/分で昇温する。185
0℃において真空中15分間加熱した後、圧力1.7k
gf/cm2の窒素雰囲気中で5分間加熱し、その後炉
冷する。
分析をした結果を表2の下段に示す。透明石英ガラスか
ら厚さ10mmの試料片を切出し、両面を光学研磨し、
赤外吸収スペクトルを測定した。波長2.5μmにおけ
る透過率は86.6%であり、波長2.73μmにおけ
る透過率は85.4%であり、これから算出される透明
石英ガラス中のOH基濃度は0.62ppmである。
の温度に20時間保持した。1150℃に20時間保持
した後の透明石英ガラスは目視観察で着色が認められ
た。図1に可視光吸収スペクトルを示す。この可視光吸
収スペクトル中で波長400nmにおける吸収係数は
0.298であった。
着色を起こした透明石英ガラスから7mm×7mm×1
0mmの直方体の試料を切り出し、ESRスペクトルを
測定した。g=2近傍にはブロードで大きな共鳴吸収ピ
ークが観測された。ピークの積分強度から算出された透
明石英ガラス中の価数+0の金属鉄の濃度は4ppmだ
った。
た。
mm、内枠直径100mm、深さ47.5mmのリング
状空間を持つ高純度黒鉛質モールド内に充填する。外枠
の内壁には厚さ5mmの高純度黒鉛質フェルトを張り、
内枠の外壁には厚さ2mmの高純度黒鉛質フェルトを張
る。リング状空間の底には厚さ0.4mmの高純度黒鉛
質シートを敷いた。高純度黒鉛質フェルトおよび高純度
黒鉛質シートの純度も表3に示した。
室温から1600℃まで5℃/分で昇温し、その後16
00℃から1850℃まで2℃/分で昇温する。185
0℃において真空中15分間加熱した後、圧力1.7k
gf/cm2の窒素雰囲気中で5分間加熱する。その後
炉冷する。
分析した結果を表3の下段に示す。Fe、Na、Kの各
不純物濃度が0.01〜0.3ppmの範囲にあること
がわかった。
を切り出し、両面を光学研磨し、赤外吸収スペクトルを
測定した。波長2.5μmにおける透過率は88.5%
であり、波長2.73μmにおける透過率は85.4%
であり、これらから算出される透明石英ガラス中のOH
基濃度は1.5ppmである。
度で20時間保持した。1300℃に20時間保持した
後の透明石英ガラスは目視観察で軽い着色が認められ
た。図2中に可視光吸収スペクトルを示す。この可視光
吸収スペクトル中で、波長400nmにおける吸収係数
は0.012であった。空気中1300℃で20時間保
持した後の着色を起こした透明石英ガラスから7mm×
7mm×10mmの直方体の試料を切り出し、ESRス
ペクトルを測定した。g=2近傍にはブロードな共鳴吸
収ピークが観測された。ピークの積分強度から算出され
た透明石英ガラス中の価数+0の金属鉄の濃度は0.2
ppmだった。
鉛多孔質層/石英粉末の構成の内、数種類を図3に示
す。
ド、高純度黒鉛フェルト、高純度黒鉛シート及び高純度
黒鉛粉末の純度をそれぞれ表4〜8に示す。
る、図3(a)〜(c)に示した形状のモールド(リン
グ外径400mm、内径240mm、高さ70mm)を
用意した。図3の(a)の場合、モールド底面、内側面
及び外側面すべてに厚さ5mm、嵩密度0.2g/cm
3の高純度黒鉛フェルトを設置し、結晶質石英粉末(平
均粒径0.2mm)を高さ50mmになるように充填
し、上面に同様のフェルトを被せた後、高純度黒鉛荷重
リング(高さ50mm)を載せた。図3の(b)の場
合、モールド底面に厚さ0.4mm、嵩密度1.0g/
cm3の高純度黒鉛シートを敷く以外は、(a)と同様
の構成とした。また図3の(c)の場合、フェルトの設
置は(a)と同様にしたが、荷重リングは乗せず、高純
度黒鉛外周リングをモールド枠に取り付けた。
入れ、真空に排気した状態で室温から1850℃まで8
時間で昇温し、30分間保持した後、真空解除し、窒素
を導入し放冷した。
形状及びサイズを図4に示すが、3種類とも気泡が少な
い透明石英ガラスリングが得られ、特に、(b)では底
面の平坦度がよい透明石英ガラスリングが得られ、ま
た、(c)では外周に段差のあるフランジ形状のリング
が得られた。
不純物の分析結果を以下の表9に示すが、原料の純度が
ほぼ保たれていることが判った。
ガラスは、高純度であり、OH濃度が低いために高温で
の粘性が高く、半導体製造用治具の材料として優れた特
性を有している。また価数状態+0の金属鉄の濃度を
0.1ppm以下に抑えることにより、900〜140
0℃の温度での長時間の再加熱によっても着色を起こさ
ない特徴を持ち、有用な半導体熱処理用透明石英ガラス
部材を供することができる。
石英ガラスリングは、高純度であり、また外径300〜
550mm、高さ100mm程度の大型サイズが可能で
ある。従来行われていた石英ガラスブロックから機械加
工する方法と比較すると、極めて材料収率が優れた方法
であり、高純度黒鉛モールドの耐久性も向上し、経済的
にも有利な方法となる。特に、半導体製造に使用される
石英ガラス治工具類、例えば反応管のフランジ、エッチ
ング装置の反応室ライナー、枚葉式装置部品として有用
となる。
比較を示す図である。
比較を示す図である。
層、石英粉末の構成の内、3種類の断面構造を示す。
状及びサイズを示す。
Claims (6)
- 【請求項1】Fe、Na、Kの各不純物含有量が0.0
1〜0.3ppmの範囲、OH基含有量が0〜3ppm
の範囲にあり、かつ含有されるFe不純物のうち、価数
が+0の金属鉄含有量が0.1ppm以下であり、90
0〜1400℃の温度に20時間以上保持しても、可視
短波長域の透過率が低下せず、波長400nmでの吸光
係数が0.009以上にならず、着色が認められないこ
とを特徴とする高純度透明石英ガラス。 - 【請求項2】請求項1に記載の高純度透明石英ガラスに
おいて、形状がリング状である高純度透明石英ガラスリ
ング。 - 【請求項3】黒鉛質モールドから構成された空間にシリ
カ粉末を充填し、1700℃以上に加熱溶融してシリカ
ガラスを得る方法において、黒鉛質モールドとシリカ粉
末の接触面に嵩密度0.1〜1.5g/cm3であり、
Na,K,Fe及びTiの各不純物が1ppm以下の高
純度黒鉛からなる多孔質層を介在させ、加熱溶融するこ
とを特徴とする請求項1に記載の高純度石英ガラスの製
造方法。 - 【請求項4】請求項3に記載の高純度透明石英ガラスの
製造方法において、黒鉛質モールドから構成された空間
がリング状であることを特徴とする高純度透明石英ガラ
スリングの製造方法。 - 【請求項5】シリカ粉末として、Na,K及びFeの各
不純物の含有量が1ppm以下の高純度結晶質石英粉
末、または、高純度非結晶質シリカ粉末を用いることを
特徴とする請求項3に記載の高純度透明石英ガラス又は
請求項4に記載の高純度透明石英ガラスリングの製造方
法。 - 【請求項6】黒鉛質モールド中のNa,K,Fe及びT
iの各不純物の含有量が1ppm以下であることを特徴
とする請求項3に記載の高純度透明石英ガラス及び請求
項4に記載の高純度透明石英ガラスリングの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25357698A JP4256955B2 (ja) | 1997-12-03 | 1998-09-08 | 高純度透明石英ガラスおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-332764 | 1997-12-03 | ||
JP33276497 | 1997-12-03 | ||
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