JPH11227638A - 部材の締結固定装置 - Google Patents

部材の締結固定装置

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JPH11227638A
JPH11227638A JP5142698A JP5142698A JPH11227638A JP H11227638 A JPH11227638 A JP H11227638A JP 5142698 A JP5142698 A JP 5142698A JP 5142698 A JP5142698 A JP 5142698A JP H11227638 A JPH11227638 A JP H11227638A
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buckling
nut
wall
collar
bead
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JP5142698A
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Fumihiko Ikeda
史彦 池田
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラー付きナットに二つの座屈変形部を形成
することにより、互いに平行な二つの壁を有する部材に
他の部材を容易に且つ強固に締結固定する。 【解決手段】 実質的に互いに平行に隔置された二つの
壁12、14を有する部材10に他の部材44を締結固
定する締結固定装置。二つの壁を貫通して延在するカラ
ー付きナット24と、カラー24Aとヘッド部34Aと
の間に他の部材を挟圧した状態にてナットに螺合するボ
ルト34とを含む。ナットはボルトの締め付けによりカ
ラーとの間に一方の壁12を挟圧する第一の座屈変形部
26を形成し、他方の壁14に対し第一の座屈変形部と
は反対の側にて他方の壁に当接し他方の壁を一方の壁へ
向けて押圧する第二の座屈変形部30を形成するよう構
成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二つの部材の締結
固定装置に係り、更に詳細には実質的に互いに平行に隔
置された二つの壁を有する部材に他の部材を締結固定す
る締結固定装置に係る。
【0002】
【従来の技術】二つの部材を締結固定する締結固定装置
の一つとして、例えば実開平4−128226号公報に
記載されている如く、一方の部材の壁に挿通されるカラ
ー付きナット(ブラインドナット)と、カラーとヘッド
部との間に他の部材を挟圧した状態にてナットに螺合す
るボルトとを含み、ナットはボルトの締め付けによりカ
ラーとの間に一方の部材の壁を挟圧する座屈変形部を形
成するよう構成された締結固定装置が従来より知られて
いる。
【0003】かかる締結固定装置によれば、一方の部材
が例えば閉断面形状を有する部材であり、その内部にナ
ットを配置し固定することができない場合にも、その部
材の壁にカラー付きナットを挿通しボルトを締め付ける
だけで一方の部材にナットを固定し、一方の部材に他の
部材を容易に締結固定することができ、またボルトを緩
めることにより一方の部材にナットが固定された状態で
二つの部材の締結固定状態を解除することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述の如き従来
の締結固定装置に於いては、一方の部材が閉断面形状を
なし実質的に互いに平行に隔置された二つの壁を有する
にも拘らず、カラー付きナットは一方の壁にしか固定さ
れないため、ナットを一方の部材に強固に固定すること
ができず、そのため二つの部材を強固に締結固定するこ
とができず、従って高荷重が作用する部材の締結固定に
上述の如き従来の締結固定装置を適用することはできな
い。
【0005】本発明は、ボルトの締め付けによりカラー
付きナットに座屈変形部が形成されるよう構成された従
来の締結固定装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなさ
れたものであり、本発明の主要な課題は、二つの座屈変
形部を形成し実質的に互いに平行に隔置された二つの壁
にカラー付きナットを固定することにより、二つの部材
を容易に且つ強固に締結固定することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の主要な課題は、本
発明によれば、請求項1の構成、即ち実質的に互いに平
行に隔置された二つの壁を有する部材に他の部材を締結
固定する締結固定装置にして、前記二つの壁を貫通して
延在するカラー付きナットと、前記カラーとヘッド部と
の間に前記他の部材を挟圧した状態にて前記ナットに螺
合するボルトとを含み、前記ナットは前記ボルトの締め
付けにより前記カラーとの間に前記二つの壁のうちの一
方の壁を挟圧する第一の座屈変形部を形成し、他方の壁
に対し前記第一の座屈変形部とは反対の側にて前記他方
の壁に当接し前記他方の壁を前記一方の壁へ向けて押圧
する第二の座屈変形部を形成するよう構成されているこ
とを特徴とする締結固定装置によって達成される。
【0007】上記請求項1の構成によれば、ボルトを締
め付けるだけで、ナットはカラーとの間に一方の壁を挟
圧する第一の座屈変形部を形成すると共に、他方の壁に
対し第一の座屈変形部とは反対の側にて他方の壁に当接
し他方の壁を一方の壁へ向けて押圧する第二の座屈変形
部を形成するので、ナットを一方の部材の二つの壁に固
定することができ、これにより二つの部材を容易に且つ
強固に締結固定することが可能になる。
【0008】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前
記ナットは前記一方の壁に対し前記カラーとは反対側の
位置に設けられ前記第一の座屈変形部を形成する第一の
座屈ビードと、前記他方の壁に対し前記第一の座屈ビー
ドとは反対側の位置に設けられ前記第二の座屈変形部を
形成する第二の座屈ビードとを有するよう構成される
(請求項2の構成)。
【0009】請求項2の構成によれば、ナットには第一
の座屈変形部を形成する第一の座屈ビードが一方の壁に
対しカラーとは反対側の位置に設けられ、第二の座屈変
形部を形成する第二の座屈ビードが他方の壁に対し第一
の座屈ビードとは反対側の位置に設けられているので、
ボルトの締め付けによりナットの所定の位置に第一及び
第二の座屈変形部が容易に且つ確実に形成される。
【0010】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、上記請求項2の構成に於いて、前
記他方の壁と前記第二の座屈ビードとの間の距離は前記
一方の壁と前記第一の座屈ビードとの間の距離よりも大
きく、前記ナットは前記第二の座屈ビードの両側に前記
ボルトの雄ねじに螺合する二つの雌ねじを有し、前記ボ
ルトが締め付けられるとまず前記第一の座屈ビードの部
分が座屈して前記第一の座屈変形部が形成されると共
に、前記第二の座屈ビードに対し前記カラーの側の前記
雌ねじと前記ボルトの雄ねじとの螺合が解除され、しか
る後前記第二の座屈ビードの部分が座屈して前記第二の
座屈変形部が形成されるよう構成される(請求項3の構
成)。
【0011】請求項3の構成によれば、ボルトの締め付
け初期に於いては、ナットの第二の座屈ビードが形成さ
れた部分には実質的に座屈荷重が作用せず、これにより
まず第一の座屈ビードが座屈して第一の座屈変形部が形
成されるので、第一の座屈変形部の形成によってナット
が一方の部材の一方の壁に固定され、これによりナット
が一方の部材に対し相対的に回転することが実質的に阻
止され、従って一方の部材に対するナットの相対回転を
阻止する手段が設けられていなくても第一及び第二の座
屈変形部が同時に形成される場合に比して部材の締結固
定を容易に行うことが可能になる。
【0012】またボルトが更に締め付けられると、第二
の座屈ビードに対しカラーの側に設けられた雌ねじとボ
ルトの雄ねじとの螺合が解除され、これにより第二の座
屈ビードが形成された部分に座屈荷重が作用し第二の座
屈ビードの部分が座屈して第二の座屈変形部が形成され
るので、確実に第一及び第二の座屈変形部の順に座屈変
形部を形成することができ、これにより第二の座屈変形
部が第一の座屈変形部よりも先に形成されることに起因
して第一の座屈変形部の形成が阻害されることを確実に
防止することが可能であり、また第一及び第二の座屈ビ
ードの部分の座屈強度に差を与える必要がない。
【0013】
【課題解決手段の好ましい態様】本発明の一つの好まし
い態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、カラー
はナットが一方の部材の一方の壁に対し相対的に回転す
ることを阻止するよう構成される(好ましい態様1)。
【0014】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様1の構成に於いて、一方の部材の
一方の壁はカラーを受けるリセスを有し、カラー及びリ
セスはそれぞれ互いに近接して対向する平面部を有する
よう構成される(好ましい態様2)。
【0015】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様1の構成に於いて、リセスの深さ
及びカラーの高さは実質的に同一であるよう設定される
(好ましい態様3)。
【0016】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項1の構成に於いて、ボルトのヘッド部と
他の部材との間にはボルトに嵌合するワッシャが配置さ
れる(好ましい態様4)。
【0017】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項2の構成に於いて、第一及び第二の座屈
ビードはナットのボルト受入れ孔の壁面に環状の凹部と
して形成される(好ましい態様5)。
【0018】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項2の構成に於いて、第一の座屈ビードが
形成された部分の座屈強度は第二の座屈ビードが形成さ
れた部分の座屈強度よりも低いよう構成される(好まし
い態様6)。
【0019】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項2の構成に於いて、他方の壁と第二の座
屈ビードとの間の距離は一方の壁と第一の座屈ビードと
の間の距離よりも大きく、ナットは第二の座屈ビードに
対し第一の座屈ビードとは反対の側にのみボルトの雄ね
じに螺合する雌ねじを有するよう構成される(好ましい
態様7)。
【0020】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記請求項3の構成に於いて、ボルトの雄ねじは実
質的に二つの雌ねじに螺合する領域にのみ設けられる
(好ましい態様8)。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照しつつ、本
発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明す
る。
【0022】図1は本発明による締結固定装置の第一の
実施形態のカラー付きナットが車輌のフロントサイドメ
ンバに配置された状態を示す斜視図、図2は図1に示さ
れたナットを示す拡大断面図、図3はナットに座屈変形
部が形成されることなくボルトがナットにねじ込まれた
状態を示す拡大断面図、図4はナットに第一の座屈変形
部が形成された状態を示す拡大断面図、図5はナットに
第一及び第二の座屈変形部が形成されることにより部材
の締結固定が完了した状態を示す拡大断面図である。
【0023】これらの図に於いて、10は一方の部材と
してのフロントサイドメンバを示しており、フロントサ
イドメンバ10は互いに平行な上壁12及び下壁14を
含む実質的に長方形の閉断面形状を有している。上壁1
2の上面には実質的に正方形のリセス16が設けられ、
リセス16の中心に対応する位置の上壁12及び下壁1
4にはそれぞれ互いに上下方向に整合する孔18及び2
0が設けられている。
【0024】孔18及び20には軸線22に沿って延在
するカラー付きナット24が挿通されている。ナット2
4は軸線22に沿う方向に見て実質的に正方形をなすカ
ラー24Aと、これと一体をなす実質的に円筒状のスリ
ーブ部24Bと、これらを貫通して軸線22に沿って延
在するボルト挿通孔24Cとを有し、スリーブ部24B
は上壁12及び下壁14を貫通して延在している。
【0025】カラー24Aはリセス16内に実質的に密
に受け入れられており、これによりカラー24A及びリ
セス16の互いに対向する四つの長方形の側面によって
ナット24が上壁12に対し軸線22の周りに相対回転
することが阻止されるようになっている。またカラー2
4Aはリセス16の深さと実質的に同一の高さを有し、
これによりカラー24Aの外面は上壁12の外面と実質
的に同一の平面内に位置している。
【0026】スリーブ部24Bの内面には上壁12に対
しカラー24Aとは反対側に位置し後述の如く第一の座
屈変形部26を形成する第一の座屈ビード28と、下壁
14に対し第一の座屈ビード28とは反対側に位置し後
述の如く第二の座屈変形部30を形成する第二の座屈ビ
ード32とを有している。座屈ビード28及び32は軸
線22の周りに環状に延在し、特に図示の実施形態に於
いては、第一の座屈ビード28は実質的に二等辺三角形
の断面形状を有し、第二の座屈ビード32は第一の座屈
ビードよりも頂角が大きい実質的に二等辺三角形の断面
形状を有している。
【0027】下壁14と第二の座屈ビード32との間の
距離は上壁12と第一の座屈ビード28との間の距離よ
りも大きい。更にナット24の内面には第二の座屈ビー
ド32の上側及び下側にそれぞれボルト34の雄ねじ3
6に螺合する上側の雌ねじ38及び下側の雌ねじ40を
有している。雄ねじ36はボルト34のヘッド部34A
がばねワッシャ42を介してエンジンマウントのブラケ
ット44の如き他の部材に当接するまでナット24にね
じ込まれた状態に於いて上側の雌ねじ38の上端より下
方の領域に形成されており、雄ねじ36が形成された部
分の直径はボルト34の他の部分よりも僅かに大きく設
定されている。
【0028】上述の如く構成された締結固定装置を用い
てフロントサイドメンバ10にブラケット44を締結固
定する場合には、まず図1及び図2に示されている如く
カラー24Aがリセス16内に実質的に密に受け入れら
れるよう、上壁12及び下壁14の孔18及び20にカ
ラー付きナット24が挿通される。次いで図3に示され
ている如くナット24のボルト挿通孔24Cにブラケッ
ト44の孔44Aが整合するようカラー24A及び上壁
12上にブラケット44が配置される。
【0029】次いでボルト34にばねワッシャ42が嵌
め込まれた状態にてブラケット44の孔44Aを経てナ
ット24のボルト挿通孔24Cにボルト34が挿通さ
れ、ヘッド部34Aがばねワッシャ42を介してブラケ
ット44に当接するまでボルト34がナット24にねじ
込まれる。この段階に於いてはナット24には実質的に
座屈荷重は作用していない。
【0030】ボルト34が更にナット24にねじ込まれ
ると、ナット24のカラー24Aと上側の雌ねじ38の
部分との間に座屈荷重が作用し、図4に示されている如
く第一の座屈ビード28の部分が座屈することによりフ
ランジ状の第一の座屈変形部26が形成され、これによ
りブラケット44がヘッド部34Aとカラー24Aとの
間に挟圧されると共に、リセス16の部分の上壁12が
カラー24Aと第一の座屈変形部26との間に挟圧され
る。またこの段階に於いては、上側の雌ねじ38とボル
ト34の雄ねじ36との螺合が解除される。
【0031】ボルト34が更にねじ込まれると、ナット
24の第一の座屈変形部26と下側の雌ねじ40の部分
との間に座屈荷重が作用し、図5に示されている如く第
二の座屈ビード32の部分が座屈することによりフラン
ジ状の第二の座屈変形部30が形成される。第二の座屈
変形部30は下壁14の下側にてこれに押圧された状態
にあり、これにより下壁14は第二の座屈変形部30に
より上壁12へ向けて押圧された状態にある。従ってナ
ット24はフロントサイドメンバ10の上壁12及び下
壁14に強固に固定され、これによりブラケット44が
フロントサイドメンバ10に強固に締結固定される。
【0032】かくして図示の第一の実施形態によれば、
カラー付きナット24を上壁12及び下壁14の孔18
及び20に挿入し、ブラケット44を配置した後ブラケ
ットの孔44A及びナット24にボルト34を挿入して
締め付けるだけで、カラー24Aとの間に上壁12を挾
圧するフランジ状の第一の座屈変形部26が形成される
と共に、下壁14に対し第一の座屈変形部とは反対の側
にて下壁14に当接し該下壁を上壁12へ向けて押圧す
る第二の座屈変形部30が形成されるので、ナット24
を上壁12及び下壁14の両方に固定することができ、
これによりフロントサイドメンバ10にエンジンマウン
トのブラケット44を容易に且つ強固に締結固定するこ
とができる。
【0033】特に図示の実施形態によれば、ナット24
の内面にはそれぞれ所定の位置に第一及び第二の座屈変
形部26及び30を形成するための第一の座屈ビード2
8及び第二の座屈ビード32が予め形成されているの
で、ボルト34の締め付けによりナット24の所定の位
置に第一の座屈変形部26及び第二の座屈変形部30を
容易に且つ確実に形成することができる。
【0034】また図示の実施形態によれば、ボルト34
が締め付けられるとまず第一の座屈ビード28の部分が
座屈して第一の座屈変形部26が形成されると共に上側
の雌ねじ38とボルトの雄ねじ36との螺合が解除さ
れ、しかる後第二の座屈ビード32の部分が座屈して第
二の座屈変形部30が形成されるようになっているの
で、第二の座屈変形部30が第一の座屈変形部26より
も先に形成されることに起因して第一の座屈変形部の形
成が阻害されることを確実に防止することができ、また
第一及び第二の座屈ビードの部分の座屈強度は実質的に
同一であってもよく、また一方が他方よりも高くてもよ
い。
【0035】図6は本発明による締結固定装置の第二の
実施形態のカラー付きナットが車輌のフロントサイドメ
ンバに配置された状態を示す拡大断面図、図7はナット
に座屈変形部が形成されることなくボルトがナットにね
じ込まれた状態を示す拡大断面図、図8はナットに第一
及び第二の座屈変形部が形成され始めた状態を示す拡大
断面図、図9は第一及び第二の座屈変形部の形成完了に
より部材の締結固定が完了した状態を示す拡大断面図で
ある。尚これらの図に於いて図1乃至図5に示された部
材と同一の部材には図1乃至図5に於いて付された符号
と同一の符号が付されている。
【0036】この実施形態に於いては、図6に示されて
いる如く、ナット24の内面には第一の実施形態に於け
る上側の雌ねじ38に相当する雌ねじは設けられておら
ず、従ってボルト34の雄ねじ40は雌ねじ40とのみ
螺合するようになっている。また例えば第一の座屈ビー
ド28の深さ若しくは幅が第一の実施形態の場合よりも
大きく設定されることにより、第一の座屈ビード28の
部分の座屈強度は第二の座屈ビード32の部分の座屈強
度よりも僅かに低く設定されている。この実施形態は他
の点については第一の実施形態と同様に構成されてい
る。
【0037】従って第二の実施形態に於いても、第一の
実施形態の場合と同様の要領にてボルト34をナット2
4にねじ込むことにより、第一の座屈ビード28及び第
二の座屈ビード32が予め形成された位置に第一の座屈
変形部26及び第二の座屈変形部30を容易に且つ確実
に形成することができ、これによりナット24をフロン
トサイドメンバ10の上壁12及び下壁14に強固に固
定してブラケット44をフロントサイドメンバ10に強
固に締結固定することができる。
【0038】特に図示の実施形態によれば、ボルト34
がナット24にねじ込まれると、第一の座屈変形部26
及び第二の座屈変形部30が実質的に同時に形成される
ので、第二の座屈変形部30が形成される前に第一の実
施形態の場合の如くリセス16の部分の上壁12がカラ
ー24Aと第一の座屈変形部26との間に挾圧されるこ
とがなく、従って実質的に締結固定が完了するまで第一
の実施形態の場合に比して容易にボルト34のねじ込み
を行うことができる。
【0039】尚図示の第二の実施形態に於いては、第一
の座屈ビード28の部分の座屈強度は第二の座屈ビード
32の部分の座屈強度よりも僅かに低く設定されている
が、第二の座屈ビード32の部分が座屈すると当該部分
の座屈強度は高くなり実質的にそれ以上の座屈変形は進
行しないので、第一の座屈ビード28の部分の座屈強度
は第二の座屈ビード32の部分の座屈強度と実質的に同
一又はこれよりも僅かに高く設定されてもよい。
【0040】以上に於いては本発明を特定の実施形態に
ついて詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限
定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の
実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであ
ろう。
【0041】例えば上述の各実施形態に於いては、ナッ
ト24のカラー24Aは上壁12に設けられたリセス1
6内に実質的に密に受け入れられ、リセス16はカラー
24Aの高さと実質的に同一の深さを有しているが、リ
セス16は省略されてもよく、またリセス16の深さが
カラー24Aの高さよりも小さく設定されてもよく、こ
れらの場合には他の部材(ブラケット44)にカラー2
4Aを受け入れるリセスが設けられてもよい。
【0042】また上述の各実施形態に於いては、ボルト
34のヘッド部34Aとブラケット44との間にはばね
ワッシャ42が介装されているが、ばねワッシャは通常
のワッシャに置き換えられてもよく、またばねワッシャ
等のワッシャが省略されてもよい。
【0043】また上述の各実施形態に於いては、第一の
座屈ビード28及び第二の座屈ビード32は実質的に二
等辺三角形の断面形状を有しているが、これらの座屈ビ
ードの断面形状は所定の位置に実質的にフランジ状の座
屈変形部を形成し得る限り任意の形状に設定されてよ
い。
【0044】また上述の各実施形態に於いては、ボルト
34の雄ねじ36が設けられた部分の直径は他の部分よ
りも僅かに大きく設定されているが、ボルト34はその
全長に亘り同一の直径を有し、ナット24の雌ねじ38
及び40(第一の実施形態)又は雌ねじ40(第二の実
施形態)が設けられた部分の内径が他の部分よりも僅か
に小さく設定されてもよい。
【0045】更に上述の各実施形態に於いては、一方の
部材は実質的に長方形の閉断面形状を有するフロントサ
イドメンバ10であり、他の部材はエンジンマウントの
ブラケット44であるが、一方の部材が実質的に互いに
平行に隔置された二つの壁を有する限り、これらの部材
は任意の部材であってよく、特に一方の部材は実質的に
コの字形の断面形状を有する部材であってもよい。
【0046】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明の請求項1の構成によれば、ボルトを締め付けるだけ
で、ナットはカラーとの間に一方の壁を挟圧する第一の
座屈変形部を形成すると共に、他方の壁に対し第一の座
屈変形部とは反対の側にて他方の壁に当接し他方の壁を
一方の壁へ向けて押圧する第二の座屈変形部を形成する
ので、ナットを一方の部材の二つの壁に固定することが
でき、これにより二つの部材を容易に且つ強固に締結固
定することができる。
【0047】また請求項2の構成によれば、ナットには
第一の座屈変形部を形成する第一の座屈ビードが一方の
壁に対しカラーとは反対側の位置に設けられ、第二の座
屈変形部を形成する第二の座屈ビードが他方の壁に対し
第一の座屈ビードとは反対側の位置に設けられているの
で、ボルトの締め付けによりナットの所定の位置に第一
及び第二の座屈変形部を容易に且つ確実に形成すること
ができる。
【0048】また請求項3の構成によれば、まず第一の
座屈ビードが座屈して第一の座屈変形部が形成されるこ
とにより、ナットが一方の部材の一方の壁に固定され、
これによりナットが一方の部材に対し相対的に回転する
ことが実質的に阻止されるので、一方の部材に対するナ
ットの相対回転を阻止する手段が設けられていなくても
第一及び第二の座屈変形部が同時に形成される場合に比
して部材の締結固定を容易に行うことができる。
【0049】また請求項3の構成によれば、確実に第一
及び第二の座屈変形部の順に座屈変形部を形成すること
ができるので、第二の座屈変形部が第一の座屈変形部よ
りも先に形成されることに起因して第一の座屈変形部の
形成が阻害されることを確実に防止することができ、ま
た第一及び第二の座屈変形部の順に座屈変形が生じるよ
う第一及び第二の座屈ビードの部分の座屈強度に差を与
える必要がないので、第一及び第二の座屈ビードの寸法
公差を緩和し、カラー付きナットを容易に且つ低廉に製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による締結固定装置の第一の実施形態の
カラー付きナットが車輌のフロントサイドメンバに配置
された状態を示す斜視図である。
【図2】図1に示されたナットを示す拡大断面図であ
る。
【図3】ナットに座屈変形部が形成されることなくボル
トがナットにねじ込まれた状態を示す拡大断面図であ
る。
【図4】ナットに第一の座屈変形部が形成された状態を
示す拡大断面図である。
【図5】ナットに第一及び第二の座屈変形部が形成され
ることにより部材の締結固定が完了した状態を示す拡大
断面図である。
【図6】本発明による締結固定装置の第二の実施形態の
カラー付きナットが車輌のフロントサイドメンバに配置
された状態を示す拡大断面図である。
【図7】ナットに座屈変形部が形成されることなくボル
トがナットにねじ込まれた状態を示す拡大断面図であ
る。
【図8】ナットに第一及び第二の座屈変形部が形成され
始めた状態を示す拡大断面図である。
【図9】第一及び第二の座屈変形部の形成完了により部
材の締結固定が完了した状態を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
10…フロントサイドメンバ 12…上壁 14…下壁 16…リセス 24…カラー付きナット 24A…カラー 26…第一の座屈変形部 28…第一の座屈ビード 30…第二の座屈変形部 32…第二の座屈ビード 34…ボルト 36…雄ねじ 38、40…雌ねじ 42…ばねワッシャ 44…ブラケット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に互いに平行に隔置された二つの壁
    を有する部材に他の部材を締結固定する締結固定装置に
    して、前記二つの壁を貫通して延在するカラー付きナッ
    トと、前記カラーとヘッド部との間に前記他の部材を挟
    圧した状態にて前記ナットに螺合するボルトとを含み、
    前記ナットは前記ボルトの締め付けにより前記カラーと
    の間に前記二つの壁のうちの一方の壁を挟圧する第一の
    座屈変形部を形成し、他方の壁に対し前記第一の座屈変
    形部とは反対の側にて前記他方の壁に当接し前記他方の
    壁を前記一方の壁へ向けて押圧する第二の座屈変形部を
    形成するよう構成されていることを特徴とする締結固定
    装置。
  2. 【請求項2】前記ナットは前記一方の壁に対し前記カラ
    ーとは反対側の位置に設けられ前記第一の座屈変形部を
    形成する第一の座屈ビードと、前記他方の壁に対し前記
    第一の座屈ビードとは反対側の位置に設けられ前記第二
    の座屈変形部を形成する第二の座屈ビードとを有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の締結固定装置。
  3. 【請求項3】前記他方の壁と前記第二の座屈ビードとの
    間の距離は前記一方の壁と前記第一の座屈ビードとの間
    の距離よりも大きく、前記ナットは前記第二の座屈ビー
    ドの両側に前記ボルトの雄ねじに螺合する二つの雌ねじ
    を有し、前記ボルトが締め付けられるとまず前記第一の
    座屈ビードの部分が座屈して前記第一の座屈変形部が形
    成されると共に、前記第二の座屈ビードに対し前記カラ
    ーの側の前記雌ねじと前記ボルトの雄ねじとの螺合が解
    除され、しかる後前記第二の座屈ビードの部分が座屈し
    て前記第二の座屈変形部が形成されることを特徴とする
    請求項2に記載の締結固定装置。
JP5142698A 1998-02-17 1998-02-17 部材の締結固定装置 Pending JPH11227638A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101395137B1 (ko) * 2011-12-29 2014-05-16 (주)화담알앤알 기계 제품 조립용 볼트 셋

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