JPH11227077A - 多層中空体 - Google Patents

多層中空体

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JPH11227077A
JPH11227077A JP10046357A JP4635798A JPH11227077A JP H11227077 A JPH11227077 A JP H11227077A JP 10046357 A JP10046357 A JP 10046357A JP 4635798 A JP4635798 A JP 4635798A JP H11227077 A JPH11227077 A JP H11227077A
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JP
Japan
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acid
composition
layer
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Application number
JP10046357A
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English (en)
Inventor
Kiyoji Takagi
喜代次 高木
Akihiro Kokubo
章博 小久保
Koji Nishida
耕治 西田
Masato Ishibashi
正人 石橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐低温衝撃性、剛性等の物性バランスを改良す
るために、多層中空構造成形体を提供すること。 【解決手段】内層、中間層および表面層の3層からなる
積層材を中空成形してなる多層中空体であって、各層が
それぞれポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアミド樹
脂、α,β不飽和カルボン酸無水物で変性されたエチレ
ン−αオレフィン共重合体等を含有する、特定の熱可塑
性樹脂組成物によって構成され、しかも各層の厚みは、
全肉厚に対して、内層が40〜80%、中間層が10〜
40%、表面層が5〜20%であることを特徴とする多
層中空体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に成形品の耐低
温衝撃性、剛性、寸法安定性、及び耐熱性が優れた熱可
塑性樹脂製の多層中空構造成形体に関する。この成形体
は、自動車のバンパー等の外装材、フェンダー等の外板
材、または電気電子機器のハウジング材、または防音壁
等の建築材等、広範囲な用途に有用である。
【0002】
【従来の技術】自動車の軽量化と安全性向上の目的で、
従来金属部品であったバンパー、フェンダー等の樹脂化
が取り進められ、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリア
ミド樹脂からなる成形品が、耐熱性、耐衝撃性等の優れ
た性質を具備しているため、一部実用化されている。
【0003】
【発明が解決すべき課題】しかしながら、金属並の物性
を満足させることは困難であり、材料面では、耐衝撃改
良剤及び無機フィラーの配合検討が実施されているが、
剛性と耐衝撃性のバランスが低く不満足である。また、
成形面では、剛性と耐衝撃を向上させる目的で、2重壁
構造である成形体の検討が進められているが、低温衝撃
性が不満足であり、単層として用いる場合には、肉厚が
8〜10mmの設計とならざるを得ない。したがって、
金属材料と比較した場合、軽量効果さえ少ない。そこ
で、本発明は、耐低温衝撃性、剛性等の物性バランスを
改良するために、多層中空構造成形体を提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、特定の複数
種の熱可塑性樹脂組成物の組合せが、多層中空体の構成
に有効であることを見いだした。
【0005】すなわち、本発明の要旨とするところは、
下記(1)〜(7)に存する。 (1)内層、中間層および表面層の3層からなる積層材
を中空成形してなる多層中空体であって、各層がそれぞ
れ下記熱可塑性樹脂組成物(イ)、(ロ)および(ハ)
によって構成され、しかも各層の厚みは、全肉厚に対し
て、内層が40〜80%、中間層が10〜40%、表面
層が5〜20%であることを特徴とする多層中空体。 内層用組成物(イ): (a)ポリフェニレンエーテル樹脂 10〜40重量部及び (b)ポリアミド樹脂 90〜60重量部 からなる主材樹脂の合計量100重量部に対して、 (c)耐衝撃性改良剤 5〜30重量部 (d)相溶化剤 0.05〜5重量部 (e)無機フィラー 10〜30重量部及び (f)可塑剤 0〜10重量部 を含有する熱可塑性樹脂組成物。 中間層用組成物(ロ):α,β不飽和カルボン酸無水物
で変性されたエチレン−αオレフィン共重合体を含有す
る、密度0.910g/cm3 以下の熱可塑性樹脂組成
物。 表面層用組成物(ハ): (g)ポリフェニレンエーテル樹脂 0〜40重量部及び (h)ポリアミド樹脂 100〜60重量部 からなる主材樹脂の合計量100重量部に対して、 (i)耐衝撃性改良剤 5〜30重量部 (j)相溶化剤 0〜5重量部及び (k)可塑剤 0〜10重量部 を含有する熱可塑性樹脂組成物。
【0006】(2)上記熱可塑性樹脂組成物(ロ)のエ
チレン−αオレフィン共重合体が、エチレンと炭素数6
〜12のαオレフィンとを、メタロセン触媒の存在下に
共重合したものであることを特徴とする上記(1)記載
の多層中空体。 (3)上記熱可塑性樹脂組成物(イ)及び(ハ)におい
て、ポリフェニレンエーテル樹脂は、23℃クロロフォ
ルム溶液中で測定される固有粘度が、それぞれ、0.4
〜0.55dl/g及び0.35〜0.5dl/gであ
り、ポリアミド樹脂は、98%硫酸中で測定される相対
粘度が、それぞれ、4〜8及び2〜8の、ナイロン6ま
たはナイロン6・6であることを特徴とする上記(1)
記載の多層中空体。 (4)上記相溶化剤が、無水マレイン酸であることを特
徴とする上記(1)記載の多層中空体。 (5)上記耐衝撃性改良剤が、(1)スチレン含量25
〜40重量%の水添スチレン−ブタジエン−スチレン三
元共重合体及び(2)カルボキシル基、エポキシ基、水
酸基及び/または酸無水物基を有する不飽和単量体で変
性された、αオレフィン含量30〜70重量%のエチレ
ン−αオレフィン共重合体からなる群より選ばれた少な
くとも1種であることを特徴とする上記(1)記載の多
層中空体。 (6)上記無機フィラーは、アスペクト比が2以上50
以下であり、平均粒子径が0.1μm以上5μm未満で
あることを特徴とする上記(1)記載の多層中空体。 (7)上記可塑剤は、溶解度パラメーターが7.0〜1
1.5の化合物及びリン酸エステルからなる群から選ば
れた少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)
記載の多層中空体。
【0007】
【発明の実施形態】以下、本発明を詳細に説明する。本
発明で使用する熱可塑性樹脂組成物のうち、内層用組成
物(イ)及び表面層用組成物(ハ)は、主材樹脂とし
て、ポリフェニレンエーテル樹脂及びポリアミド樹脂を
含み、さらに、耐衝撃性改良剤、相溶化剤、無機フィラ
ー及び可塑剤を含む。まず、これら各種成分ごとに説明
する。
【0008】<ポリフェニレンエーテル樹脂(a)、
(g)>本発明で使用するポリフェニレンエーテルは、
下記式(1)で示される構造を有し、
【0009】
【化1】
【0010】式中、nは、少なくとも50であり、
1 、R2 、R3 及びR4 は、各々、水素原子、ハロゲ
ン原子、第三α−炭素原子を含有しない炭化水素基、ハ
ロゲン原子が少なくとも2個の炭素原子を介して置換し
たハロ炭化水素基、炭化水素オキシ基及びハロゲン原子
が少なくとも2個の炭素原子を介して置換したハロ炭化
水素オキシ基からなる群より選択した一価の置換基を表
わす。
【0011】上記第三α−炭素原子を含有しない炭化水
素基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル等の低級ア
ルキル基;ビニル、アリル、ブテニル、シクロブテニル
等のアルケニル基;フェニル、トリル、キシレニル、
2,4,6−トリメチルフェニル基のアリール基;ベン
ジル、フェニルエチル、フェニルプロピル等のアラルキ
ル基等が挙げられる。ハロゲン原子が少なくとも2個の
炭素原子を介して置換したハロ炭化水素基としては、例
えば、2−クロロエチル、2−ブロモエチル、2−フル
オロエチル、2,2−ジクロロエチル、2−または3−
ブロモプロピル、2,2−ジフルオロ−3−ヨードプロ
ピル、2−、3−、4−または5−フルオロアミル、2
−クロロビニル、クロロエチルフェニル、エチルクロロ
フェニル、フルオロキシリル、クロロナフチル、ブロモ
ベンジル等が挙げられる。
【0012】また、炭化水素オキシ基としては、例え
ば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、フェ
ノキシ、エチルフェノキシ、ナフトキシ、メチルナフト
キシ、ベンジルオキシ、フェニルエトキシ、トリルエト
キシ等が挙げられる。ハロゲン原子が少なくとも2個の
炭素原子を介して置換したハロ炭化水素オキシ基として
は、例えば、2−クロロエトキシ、2−ブロモエトキ
シ、2−フルオロエトキシ,2,2−ジブロモエトキ
シ、2−または3−ブロモプロポキシ、クロロエチルフ
ェノキシ、エチルクロロフェノキシ、ヨードキシロキ
シ、クロロナフトキシ、ブロモベンジルオキシ、クロロ
トリルエトキシ等が挙げられる。
【0013】本発明で使用する前記式(1)のポリフェ
ニレンエーテルには、2,6−ジメチルフェノールと
2,3,6−トリメチルフェノールの共重合体、2,6
−ジメチルフェノールと2,3,5,6−テトラメチル
フェノールの共重合体、2,6−ジエチルフェノールと
2,3,6−トリメチルフェノールの共重合体等の共重
合体も含む。また、前記式(1)のポリフェニレンエー
テルに、スチレン系モノマー(例えば、スチレン、p−
メチルスチレン、α−メチルスチレン等)をグラフト重
合したもの等、いわゆる変性ポリフェニレンエーテルを
使用してもよい。上記に相当するポリフェニレンエーテ
ルの製造方法は公知であり、例えば、米国特許第330
6874号、同第3306875号、同第325735
7号及び同第3257358号各明細書並びに特公昭5
2−17880号公報及び特開昭50−51197号各
公報に開示されている。
【0014】好ましいポリフェニレンエーテルは、エー
テル酸素原子結合位置に対する2つのオルソ位にアルキ
ル置換基を有するもの、すなわち、前記式(1)中、R
2 及びR3 が、いずれも、アルキル基であるポリフェニ
レンエーテルである。具体的には、2,6−ジアルキル
フェノールまたは2,3,6−トリアルキルフェノール
の単独重合体及び2,6−ジアルキルフェノールと2,
3,6−トリアルキルフェノールの共重合体が好まし
い。また、ポリフェニレンエーテルは、固有粘度が0.
25〜0.70dl/g(23℃、クロロホルム中で測
定)であるものが好ましい。固有粘度が0.25dl/
g未満では、耐衝撃強度及び耐熱性が好ましくなく、
0.70dl/gを超過すると成形加工性が困難とな
る。また、樹脂の成形加工性を改良する目的で、高粘度
及び低粘度のポリフェニレンエーテルを組み合わせて使
用してもよい。好ましくは、内層用組成物(イ)に適用
されるポリフェニレンエーテル樹脂としては、23℃ク
ロロフォルム溶液中で測定される固有粘度が0.4〜
0.55dl/gであり、また、表面層用組成物(ハ)
に適用されるポリフェニレンエーテル樹脂としては、固
有粘度が0.35〜0.5dl/gであるのが好まし
い。すなわち、内層はコア材としてブロー特性が要求さ
れるので、内層用組成物(イ)は、表面層用組成物
(ハ)に比して高粘度のものが選択される。
【0015】<ポリアミド樹脂(b)、(h)>本発明
で使用するポリアミド樹脂は、ポリマー主鎖に−CON
H−結合を有し、加熱溶融できるものである。通常、3
員環以上のラクタム、ω−アミノ酸または二塩基酸とジ
アミン等をモノマー成分とし、開環重合または重縮合に
よって得られるポリアミドであり、その代表的なものと
しては、ナイロン−4、ナイロン−6、ナイロン−6・
6、ナイロン−4・6、ナイロン−12、ナイロン−6
・10、ナイロン−11が挙げられる。
【0016】その他、モノマー成分として、公知の芳香
族ジアミン、芳香族ジカルボン酸等を含む、芳香族性の
ポリアミドを使用することもできる。また、モノマー成
分として、二量体化脂肪酸を含む共重合ポリアミドを使
用することもできる。ここで、二量体化脂肪酸とは、不
飽和脂肪酸、例えば、炭素数8〜24で、二重結合また
は三重結合を1個以上有する、天然油脂からの一塩基性
脂肪酸または合成の一塩基性脂肪酸を重合して得た、多
塩基性の重合脂肪酸をいう。具体例としては、リノレン
酸、リノール酸の二量体等が挙げられる。また、市販さ
れている重合脂肪酸は、ダイマー酸と呼ばれ、通常、二
量体を主成分とし、他に三量体や原料単量体を含有する
が、二量体含量が70重量%以上、好ましくは95重量
%以上、より好ましくは98重量%以上であるものが望
ましい。もちろん、市販のダイマー酸を蒸留して、二量
体含量を高めて使用してもよいし、場合によっては水添
して、不飽和度を下げて使用してもよい。
【0017】ポリアミド樹脂としては、ナイロン−6・
6、ナイロン−6、ナイロン−12または上記二量体化
脂肪酸を含む共重合ポリアミドが好ましく、さらに好ま
しくは、ナイロン6またはナイロン6・6である。ま
た、ポリアミド樹脂は、25℃、98%濃硫酸中で測定
される相対粘度が2.0〜8.0であるものが好まし
い。さらに好ましくは、内層用組成物(イ)には、25
℃、98%硫酸中で測定される相対粘度が4〜8、表面
層用組成物(ハ)には、相対粘度2〜8から選択され
る。すなわち、内層はコア材としてブロー特性が要求さ
れるので、内層用組成物(イ)は、表面層用組成物
(ハ)に比して高粘度のものが選択される。
【0018】<耐衝撃性改良剤(c)、(i)>本発明
に使用する耐衝撃性改良剤は、耐衝撃性改良を目的とし
たゴム質物質であり、例えばアルケニル芳香族化合物−
共役ジエン共重合体、ポリオレフィン系共重合体等のエ
ラストマーを挙げることができる。以下に具体例を示
す。
【0019】(アルケニル芳香族化合物−共役ジエン共
重合体)アルケニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体
は、ポリマー主鎖に、アルケニル芳香族化合物に由来す
る連鎖ブロック及び共役ジエンに由来する連鎖ブロック
を、各々少なくとも一個有する構造を持つ、ブロック共
重合体またはその水素添加物(以下、水素添加ブロック
共重合体という。)である。その水素添加ブロック共重
合体とは、共役ジエンに由来する連鎖ブロック中の脂肪
族不飽和結合が水素化により減少したブロック共重合体
である。両連鎖ブロックの配列としては、線状構造をな
すものが好ましく、ジブロック構造をなすものがより好
ましいが、少量であれば分岐構造(ラジカルテレブロッ
ク)を含むこともできる。また、ポリマー主鎖の一部
に、アルケニル芳香族化合物と共役ジエンとのランダム
共重合に由来する、ランダム鎖を含んでいてもよい。
【0020】ここで、アルケニル芳香族化合物として、
好ましくはスチレン、α−メチルスチレン、パラメチル
スチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレンであり、さ
らに好ましくは、スチレンである。一方、共役ジエン化
合物としては、好ましくは1,3−ブタジエン、2−メ
チル−1,3−ブタジエンである。
【0021】好ましいアルケニル芳香族化合物−共役ジ
エン系ブロック共重合体は、上記水素添加ブロック共重
合体であり、アルケニル芳香族化合物に由来する繰返し
単位の占める割合は、10〜80重量%の範囲が好まし
く、15〜60重量%の範囲がより好ましい。また、水
素添加ブロック共重合体において、共役ジエンに由来す
る連鎖ブロック中の脂肪族不飽和結合のうち、水素添加
されずに残存している割合は、20%以下が好ましく、
10%以下がより好ましい。なお、アルケニル芳香族化
合物に由来する芳香族性不飽和結合は、約25%以下が
水素添加されていてもよい。
【0022】(ポリオレフィン系共重合体)ポリオレフ
ィン系共重合体は、複数のα−オレフィンまたは複数の
α−オレフィン及び非共役ジエンよりなるゴム状共重合
体であり、結晶性は、ほとんど示さなく、結晶化度は0
〜20%である。共重合時に使用する触媒の種類によっ
て、バナジウム系触媒とメタロセン触媒のものがある。
【0023】バナジウム系触媒を用いるポリオレフィン
系共重合体は、具体的には、エチレン−プロピレン共重
合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、エチレ
ン−ブテン共重合体、プロピレン−4メチルペンテン−
1共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−
オクテン共重合体が挙げられる。好ましいポリオレフィ
ン系共重合体は、エチレン・プロピレン共重合体系ゴ
ム、及びエチレン・ブテン共重合体系ゴムであり、それ
ぞれ、エチレンとプロピレン、及びエチレンとブテンを
主成分とし、必要に応じ非共役ジエンを第3成分として
共重合させた、無定形ランダム共重合体である。ここ
で、非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジエン、
1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチルノ
ルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等が用
いられる。
【0024】メタロセン触媒を用いるポリオレフィン系
共重合体は、主成分のエチレンと従成分のα−オレフィ
ンとの共重合体であり、従成分のα−オレフィンとして
は、具体的には、炭素数4〜40のα−オレフィン、例
えば、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−
メチルペンテン−1、ヘプテン−1、4−メチルヘキセ
ン−1、4,4−ジメチルペンテン−1、オクテン−
1、オクタデセン−1等が挙げられる。また、ポリオレ
フィン系共重合体としては、好ましくは炭素数が4〜2
0、さらに好ましくは炭素数が4〜14、最も好ましく
は炭素数が6〜10の1種または2種以上のα−オレフ
ィンと、エチレンとを共重合させたものが好ましい。
【0025】また、所望に応じ、これらのエラストマー
に、カルボキシル基、エポキシ基、水酸基及び/または
酸無水物基を有する不飽和単量体を、パーオキサイド、
電離放射線、紫外線等を利用して、グラフト重合したも
のを使用してもよい。そのような不飽和単量体として
は、具体的には、マレイン酸、マレイン酸モノメチルエ
ステル、無水マレイン酸、イタコン酸、イタコン酸モノ
メチルエステル、無水イタコン酸、フマル酸等のα,β
−不飽和ジカルボン酸;エンド−ビシクロ[2.2.
1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸、これらの
誘導体等の脂環式カルボン酸;グリシジル基と(メタ)
アクリレート基を同一分子内に持つ化合物、グリシジル
オキシ基とアクリルアミド基を同一分子内に持つ化合
物、脂環式エポキシ基を有する不飽和単量体、ブチルグ
リシジルマレート等の含エポキシ化合物;ビニルアルコ
ール、ヒドロキシメチルメタクリレート、ヒドロキシエ
チルアクリレート等の水酸基を有する化合物が挙げられ
る。
【0026】耐衝撃性改良剤としては、好ましくは、
(1)スチレン含量25〜40重量%の水添スチレン−
ブタジエン−スチレン三元共重合体及び(2)カルボキ
シル基、エポキシ基、水酸基及び/または酸無水物基を
有する不飽和単量体で変性された、αオレフィン含量3
0〜70重量%のエチレン−αオレフィン共重合体から
なる群より選ばれた少なくとも1種である。これら共重
合体における、スチレン含量及びαオレフィン含量は、
上記の範囲外では、衝撃強度が不満足となる。また、こ
れらのエラストマーの引張弾性率が高すぎると、耐衝撃
性改良剤としては不十分となるので、エラストマーの引
張弾性率は、5,000kg/cm2(ASTM D8
82)以下であるものが好ましい。
【0027】<相溶化剤(d)、(j)>本発明で使用
する相溶化剤は、ポリフェニレンエーテルとポリアミド
樹脂の相溶性を高めることができる、有機化合物であれ
ば特に制限はない。具体的には、極性基を構成し得る元
素、すなわちO、P、N、S、ハロゲン等の元素を含有
する有機化合物が用いられる。
【0028】極性有機化合物の中でも、同一分子内に不
飽和基と極性基を併せ持つ化合物が好ましく、不飽和基
すなわち炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合
と、極性基、すなわちポリアミド中に含まれるアミド結
合または連鎖末端に存在するカルボキシル基若しくはア
ミノ基と親和性または化学反応性を示す官能基とを、同
一分子内に併せ持つ化合物である。かかる官能基の例と
しては、カルボキシル基、カルボキシル基の水素原子ま
たは水酸基が置換した各種の塩、エステル、酸アミド、
酸無水物、イミド、酸アジド、酸ハロゲン化物等の残
基、オキサゾリン化合物の残基、ニトリル基、エポキシ
基、アミノ基、水酸基またはイソシアン酸エステル化合
物の残基等が挙げられる。
【0029】不飽和基と極性基を併せ持つ化合物として
は、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽
和エポキシ化合物、不飽和アルコール、不飽和アミン、
不飽和イソシアン酸エステル等が主に用いられる。具体
的には、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、マ
レインイミド、マレイン酸ヒドラジド、無水マレイン酸
とジアミンとの反応物、例えば、下記式(2)または
(3)(式中、Rは脂肪族基または芳香族基を表わす)
で示される構造を有するもの、
【0030】
【化2】
【0031】
【化3】
【0032】無水メチルナジック酸、無水ジクロロマレ
イン酸、マレイン酸アミド、イタコン酸、無水イタコン
酸等の不飽和ジカルボン酸またはその誘導体;大豆油、
キリ油、ヒマシ油、アマニ油、麻実油、綿実油、ゴマ
油、菜種油、落花生油、椿油、オリーブ油、ヤシ油、イ
ワシ油等の天然油脂類;エポキシ化大豆油等のエポキシ
化天然油脂類;
【0033】アクリル酸、ブテン酸、クロトン酸、ビニ
ル酢酸、メタクリル酸、ペンテン酸、アンゲリカ酸、チ
グリン酸、2−ペンテン酸、3−ペンテン酸、α−エチ
ルアクリル酸、β−メチルクロトン酸、4−ペンテン
酸、2−ヘキセン酸、2−メチル−2−ペンテン酸、3
−メチル−2−ペンテン酸、α−エチルクロトン酸、
2,2−ジメチル−3−ブテン酸、2−ヘプテン酸、2
−オクテン酸、4−デセン酸、9−ウンデセン酸、10
−ウンデセン酸、4−ドデセン酸、5−ドデセン酸、4
−テトラデセン酸、9−テトラデセン酸、9−ヘキサデ
セン酸、2−オクタデセン酸、9−オクタデセン酸、ア
イコセン酸、ドコセン酸、エルカ酸、テトラコセン酸、
マイコリペン酸、2,4−ペンタジエン酸、2,4−ヘ
キサジエン酸、ジアリル酢酸、ゲラニウム酸、2,4−
デカジエン酸、2,4−ドデカジエン酸、9,12−ヘ
キサデカジエン酸、9,12−オクタデカジエン酸、ヘ
キサデカトリエン酸、リノール酸、リノレン酸、オクタ
デカトリエン酸、アイコサジエン酸、アイコサトリエン
酸、アイコサテトラエン酸、リシノール酸、エレオステ
アリン酸、オレイン酸、アイコサペンタエン酸、エルシ
ン酸、ドコサジエン酸、ドコサトリエン酸、ドコサテト
ラエン酸、ドコサペンタエン酸、テトラコセン酸、ヘキ
サコセン酸、ヘキサコジエン酸、オクタコセン酸、トラ
アコンテン酸等の不飽和カルボン酸;これらの不飽和カ
ルボン酸のエステル、酸アミド、酸無水物;
【0034】アリルアルコール、クロチルアルコール、
メチルビニルカルビノール、アリルカルビノール、メチ
ルプロペニルカルビノール、4−ペンテン−1−オー
ル、10−ウンデセン−1−オール、プロパルギルアル
コール,1,4−ペンタジエン−3−オール,1,4−
ヘキサジエン−3−オール、3,5−ヘキサジエン−2
−オール、2、4−ヘキサジエン−1−オール、Cn
2n-5OH、Cn 2n-7OH、Cn 2n-9OH(ただし、
nは正の整数)で示されるアルコール、3−ブテン−
1,2−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキセン−
2,5−ジオール、1,5−ヘキサジエン−3,4−ジ
オール、2,6−オクタジエン−4、5−ジオール等の
不飽和アルコール;これらの不飽和アルコールのOH基
が、NH2 基で置き換えられた不飽和アミン;
【0035】ブタジエン、イソプレン等の低分子量重合
体(例えば平均分子量が500から10,000ぐらい
のもの)若しくは高分子量重合体(例えば平均分子量が
10,000以上のもの)に、無水マレイン酸、フェノ
ール類を付加したもの、またはアミノ基、カルボキシル
基、水酸基、エポキシ基等を導入したもの;イソシアン
酸アリル等が挙げられる。
【0036】不飽和基と極性基を併せ持つ化合物の定義
には、不飽和基を2個以上、極性基を2個以上(同種ま
たは異種)含んだ化合物も含まれることはいうまでもな
く、また、相溶化剤として2種以上の化合物を併用する
ことも可能である。
【0037】これらのうちでより好ましくは、無水マレ
イン酸、マレイン酸、無水イタコン酸、イタコン酸等の
不飽和カルボン酸及びその無水物、オレインアルコール
等の不飽和アルコール、エポキシ化天然油脂類であり、
さらに好ましくは無水マレイン酸、マレイン酸、オレイ
ルアルコール、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油
であり、とりわけ好ましくは無水マレイン酸及び無水マ
レイン酸とマレイン酸との混合物である。また、コンパ
ウンドの温度条件下で酸無水物を有する化合物、例えば
リンゴ酸、コハク酸等も適用される。
【0038】<無機フィラー(e)>本発明に用いる無
機フィラーは、平均粒径が10μm以下、好ましくは
0.1μm以上5μm未満のものが好ましい。すなわ
ち、粒径が小さすぎると剛性が不足し、大きすぎると外
観が悪化する。無機フィラーの形状は、球状、立方形
状、粒状、針状、板状、繊維状等種々あり、いずれも使
用可能であるが、なかでもアスペクト比が2以上50以
下のものが、剛性と耐衝撃性の物性バランスと寸法安定
性の向上効果から好ましい。ここでいう平均粒径及びア
スペクト比とは、電子顕微鏡の観察によって測定される
一次粒子の、それぞれ、平均最大粒子径及び長径/短径
で表される比である。
【0039】このような無機フィラーとして、周期律表
第I族〜VIII族の金属元素(例えば、Fe,Na,
K,Cu,Mg,Ca,Zn,Ba,Al,Ti)また
はけい素元素の単体、酸化物、水酸化物、炭素塩、硫酸
塩、けい酸塩、亜硫酸塩、これらの化合物より成る各種
粘土鉱物等がある。具体的には、酸化チタン、酸化亜
鉛、硫酸バリウム、シリカ、炭酸カルシウム、酸化鉄、
アルミナ、チタン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウム、水炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸カルシ
ウム、けい酸カルシウム、クレー、ワラストナイト、ガ
ラスビーズ、ガラスパウダー、けい砂、けい石、石英
粉、しらす、けいそう土、ホワイトカーボン、鉄粉、ア
ルミニウム粉等を挙げることができ、これらは複数種併
用しても差し支えない。なかでも、板状であることか
ら、平均粒径が5μm以下のタルク、マイカ、カオリ
ン、クレー、けいそう土等が特に好ましい。
【0040】これらの無機フィラーは、無処理のまま用
いてもよいが、樹脂との親和性あるいは界面結合力を高
める目的で、無機表面処理剤、高級脂肪酸またはそのエ
ステル、塩等の誘導体(例えば、ステアリン酸、オレイ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸カルシウム、ステア
リン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステ
アリン酸アミド、ステアリン酸エチルエステル、ステア
リン酸メチルエステル、オレイン酸カルシウム、オレイ
ン酸アミド、オレイン酸エチルエステル、パルミチン酸
カルシウム、パルミチン酸アミド、パルミチン酸エチル
エステル等)、カップリング剤(例えば、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ
アセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
等)、チタンカップリング剤(例えば、イソプロピルト
リイソスチアロイルチタネート、イソプロピルトリラウ
リルミリスチルチタネート、イソプロピルイソステアロ
イルジメタクリルチタネート、イソプロピルトリジイソ
オクチルフォスフェートチタネート等)で処理したもの
が使用できる。
【0041】<可塑剤(f),(k)>本発明で使用す
る可塑剤は、ポリフェニレンエーテルに対して可塑化効
果を有するものであれば、特に限定されるものではな
い。例えば、ポリスチレン、α−メチルスチレン、スチ
レンオリゴマー、スチレンモノマー等の分子内に2重結
合と芳香族環を併せ持つ化合物及びその重合体、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘプタ
ン、シクロヘキサン等の鎖状及び環状の脂肪炭化水素、
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼ
ン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、ジオキサ
ン、ジエチルエーテル等のエーテル類、シクロヘキサノ
ン、アセトフェノン等のケトン類、エチルアセテート、
プロピオラクトン等のエステル類、アセトニトリル、ベ
ンゾニトリル等のニトリル類、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ール、sec−ブタノール等のアルコール類、その他ニ
トロベンゼン、スルホラン等を挙げることができる。こ
れらは単独で用いるか、あるいは混合物として使用され
る。好ましくは、溶解度パラメーターが7〜11.5の
範囲内にある化合物、なかでもリン酸エステル、より好
ましくは次の式(4)で表される、モノ、ポリホスフェ
ート化合物である。
【0042】
【化4】
【0043】(式中、Reは、ハイドロキノン、レゾル
シノール及びビフェニルから選ばれる化合物の2価の残
基を表わす。Q1 、Q2 、Q3 及びQ4 は、独立に、水
素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表わす。Q3
が複数ある時には、それらは互いに異なっていてもよ
い。nは、0〜10の整数を表わし、m1、m2、m3
及びm4は、独立に1〜3の整数を表わす。)
【0044】上記式(4)において、Q1 、Q2 、Q3
及びQ4 のうち、少なくとも1つがメチル基であること
が好ましく、すべてメチル基である場合がさらに好まし
い。nの好ましい範囲は、耐熱性、加工性を考慮すると
0〜5である。また、式(4)のリン酸エステルは、n
の異なる化合物の混合物であってもよい。
【0045】式(4)のリン酸エステルにおいて、nが
1以上である1種以上のポリリン酸エステル化合物を用
いることができ、nが1以上のものは、特定の2官能フ
ェノールを結合基とし、アルキル置換単官能フェノール
を構造の末端に有する。特定の2官能フェノールは、ハ
イドロキノン、レゾルシノール及びビフェニールから選
ばれる。アルキル置換単官能フェノールとしては、モノ
アルキルフェノール、ジアルキルフェノール、トリアル
キルフェノールを、単独あるいは組み合わせて使用でき
る。この中でクレゾール、ジメチルフェノール(混合キ
シレノール)、トリメチルフェノールが好ましい。
【0046】式(4)のリン酸エステルにおいて、nが
0である1種以上のモノリン酸エステル化合物を用いる
ことができ、具体的には、トリフェニルフォスフェー
ト、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニル
ホスフェート、トリキシレニルフォスフェート、キシレ
ニルジフェニルフォスフェート、トリ(イソプロピルフ
ェニル)フォスフェート、イソプロピルフェニルジフェ
ニルフォスフェート、ジイソプロピルフェニルフェニル
フォスフェート、トリ(トリメチルフェニル)フォスフ
ェート、トリ(t−ブチルフェニル)フォスフェート等
が挙げられる。この中で、トリフェニルフォスフェー
ト、トリグリシジルフォスフェート、クレジルジフェニ
ルフォスフェートが好ましい。
【0047】本発明で使用する熱可塑性樹脂組成物のう
ち、中間層用組成物(ロ)は、α,β不飽和カルボン酸
無水物で変性されたエチレン−αオレフィン共重合体を
含有する密度0.910g/cm3 以下の熱可塑性樹脂
組成物である。密度が高すぎると、中間層のゴム的性質
が失われ、低温衝撃性が不満足なものとなる。この組成
物の調製法は特に制限されないが、通常、密度0.91
0g/cm3 以下の変性エチレン−αオレフィン共重合
体を、密度0.910g/cm3 以下の未変性エチレン
−αオレフィン共重合体で希釈することによって得られ
る。また、必要とあれば、密度0.910〜0.920
g/cm3 の変性エチレン−αオレフィン共重合体を、
密度0.900g/cm3 以下の未変性エチレン−αオ
レフィン共重合体で希釈することによって得ることもで
きる。
【0048】変性エチレン−αオレフィン共重合体とし
ては、内層及び表面層と相溶性の良好であることが好ま
しく、適切な変性度を有する変性ポリエチレン、変性ポ
リプロピレン、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体、変
性エチレン−プロピレン共重合体、変性エチレン−ブテ
ン共重合体、変性エチレン−ペンテン共重合体、変性エ
チレン−ヘキセン共重合体、変性エチレン−オクテン共
重合体等がある。好ましくは、変性度が、α,β不飽和
カルボン酸無水物成分濃度で、0.01〜5重量%、よ
り好ましくは0.03〜1.5重量%、特に好ましく
は、0.05〜1.0重量%のものである。
【0049】変性されるエチレン−αオレフィン共重合
体としては、密度が0.91g/cm3 以下が好まし
く、より好ましくは0.80〜0.91g/cm3 、特
に好ましくは0.85〜0.88g/cm3 である。ま
た、190℃の温度下、2.16kg荷重で測定したM
FRが0.001〜5dg/分の高分子共重合体が好ま
しく、より好ましくは0.01〜2dg/分、さらに好
ましくは0.1〜1dg/分である。具体的には、エチ
レン−ポリプロピレン共重合体、エチレン−プロピレン
−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチ
レン−オクテン共重合体が挙げられるが、特に好ましい
のは、エチレン−オクテン共重合体である。
【0050】エチレン−αオレフィン共重合体の製造法
は、特開昭58−19309号、同59−95292
号、同60−35005号、同60−35006号、同
60−35007号、同60−35008号、同60−
35009号、同61−130314号、特開平3−1
63088号の各公報、ヨーロッパ特許出願公開第42
0436号明細書、米国特許第5055438号明細書
及び国際公開公報WO91/04257号明細書等に記
載されている方法、すなわち、メタロセン触媒、特にメ
タロセン・アルモキサン触媒、または、例えば国際公開
公報WO92/01723号等に開示されているような
メタロセン化合物と以下に述べるメタロセン化合物と反
応して安定なアニオンとなる化合物からなる触媒を使用
して、主成分のエチレンと従成分のα−オレフィンとを
共重合させる方法が好ましい。
【0051】このようなメタロセン化合物としては、具
体的に次式に示される化合物が挙げられる。
MLx 〔式中、MはZr、Ta、Hf、V、Ni、Ti及びC
rからなる群から選ばれる遷移金属原子を表し、Lは遷
移金属に配位する配位子を表すが、少なくとも1個のL
はシクロペンタジエニル骨格を有する配位子であり、シ
クロペンタジエニル骨格を有する配位子以外のLは、炭
素数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキ
シ基、トリアルキルシリル基、SO4 R基(ここで、R
は、ハロゲン等の置換もしくは非置換の、炭素数1〜8
の炭化水素基を表す)、ハロゲン原子または水素原子を
表す。Xは配位子の数である。〕
【0052】上述のメタロセン化合物と反応して安定な
アニオンとなる化合物とは、カチオンとアニオンのイオ
ン対から形成されるイオン性化合物あるいは親電子性化
合物であり、メタロセン化合物と反応して安定なイオン
となって重合活性種を形成するものである。このうちイ
オン性化合物は、下記式で表される。 〔Q〕p〔Y〕q (p及びqは、1以上の整数) 式中、Qは、イオン性化合物のカチオン成分であり、例
として、カルボニウムカチオン、トリビリウムカチオ
ン、アンモニウムカチオン、オキソニウムカチオン、ス
ルホニウムカチオン、ホスホニウムカチオン等が挙げら
れ、さらにそれ自身が還元されやすい金属の陽イオンや
有機金属の陽イオン等も挙げられる。また、Yは、イオ
ン性化合物のアニオン成分であり、メタロセン化合物と
反応して安定なアニオンとなる成分であって、有機ホウ
素化合物のアニオン、有機アルミニウム化合物のアニオ
ン、有機ガリウム化合物のアニオン等が挙げられる。具
体的には、テトラフェニルホウ素、テトラキス(3、
4、5−トリフルオロフェニル)ホウ素等が挙げられ
る。
【0053】上述のα−オレフィンとしては、炭素数4
〜40のα−オレフィン、例えば、ブテン−1、ペンテ
ン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプ
テン−1、4−メチルヘキセン−1、4,4−ジメチル
ペンテン−1、オクテン−1、オクタデセン−1等が挙
げられる。また、エチレン−αオレフィン系共重合体と
しては、好ましくは炭素数が3〜20、さらに好ましく
は炭素数が4〜14、最も好ましくは炭素数が6〜12
の1種または2種以上のα−オレフィン2〜60重量
%、好ましくは5〜50重量%と、エチレン40〜98
重量%、好ましくは50〜95重量%とを共重合させた
ものが好ましい。さらに、上記共重合体のサイズ排除ク
ロマトグラフィー(Size Exclusion C
hromatography,以下SECという)によ
って求められるQ値(重量平均分子量/数平均分子量)
は3以下、好ましくは2.8以下、より好ましくは2.
5以下であるものが好ましい。
【0054】<構成成分の組成比> (内層用組成物(イ))以上述べた内層用組成物(イ)
を構成する各成分の組成比は、(a)ポリフェニレンエ
ーテル樹脂及び(b)ポリアミド樹脂からなる主材樹脂
の合計量を100重量部として、また、成分(c)〜
(f)の量はその外数として、下記のとおりである。 (a)ポリフェニレンエーテル樹脂: 10〜40重量
部、好ましくは15〜35重量部、とりわけ好ましく
は、20〜35重量部である。 (b)ポリアミド樹脂: 90〜60重量部、好ましく
は85〜65重量部、とりわけ好ましくは、80〜65
重量部である。 (c)耐衝撃性改良剤: 5〜30重量部、好ましくは
6〜25重量部、とりわけ好ましくは、7〜18重量
部である。 (d)相溶化剤: 0.05〜5重量部、好ましくは
0.1〜4重量部、とりわけ好ましくは0.2〜3重量
部の範囲である。 (e)無機フィラー: 10〜30重量部、好ましくは
13〜27重量部、とりわけ好ましくは17〜25重量
部である。 (f)可塑剤: 0〜10重量部、好ましくは1〜6重
量部、とりわけ好ましくは2〜4重量部である。
【0055】成分(a)が上記範囲未満では最終組成物
の耐熱剛性が不満足であり、上記範囲を超過すると耐溶
剤性及び耐衝撃性が不満足となる。また、成分(b)が
上記配合範囲外では耐低温衝撃強度が不満足である。成
分(c)が上記範囲未満では衝撃強度が不満足となり、
上記範囲を超過すると耐熱剛性が不満足となる。さらに
成分(d)が上記範囲未満では耐衝撃性、耐熱性、成形
性が不満足となり、上記範囲を超過すると成形性が劣
る。成分(e)が上記範囲未満では、剛性が不足し、上
記範囲を超過すると成形性が劣り、耐衝撃性が不満足と
なる。成分(f)は加工性の向上に有効であるが、上記
範囲を超過すると耐熱性が不満足となる。
【0056】(中間層用組成物(ロ))中間層用組成物
(ロ)の変性エチレン−αオレフィン共重合体と未変性
エチレン−αオレフィンとの組成比は、0.5:9.5
〜9.5:0.5が好ましく、2:8〜8:2がより好
ましく、6:4〜8:2が最も好ましい。未変性共重合
体が多すぎると、内層及び表面層との接着力が低下し
て、3層がバラバラになり、また、変性共重合体が多す
ぎると、耐衝撃性が不満足となる。
【0057】(表面層用組成物(ハ))表面層用組成物
(ハ)を構成する各成分の組成比は、(g)ポリフェニ
レンエーテル樹脂及び(h)ポリアミド樹脂からなる主
材樹脂の合計量を100重量部として、また、成分
(i)〜(k)の量はその外数として、下記のとおりで
ある。 (g)ポリフェニレンエーテル樹脂: 0〜40重量
部、好ましくは10〜35重量部、とりわけ好ましく
は、15〜30重量部である。 (h)ポリアミド樹脂: 100〜60重量部、好まし
くは90〜65重量部、とりわけ好ましくは、85〜7
0重量部である。 (i)耐衝撃性改良剤: 5〜30重量部、好ましくは
6〜25重量部、とりわけ好ましくは、7〜18重量部
である。 (j)相溶化剤: 0〜5重量部、好ましくは0.1〜
4重量部、とりわけ好ましくは0.2〜3重量部の範囲
である。 (k)可塑剤: 0〜10重量部、好ましくは1〜6重
量部、とりわけ好ましくは2〜4重量部である。
【0058】成分(g)が上記範囲未満では最終組成物
の耐熱剛性が不満足であり、上記範囲を超過すると耐溶
剤性及び耐衝撃性が不満足となる。また、成分(h)が
上記配合範囲外では耐低温衝撃強度が不満足である。成
分(i)が上記範囲未満では衝撃強度が不満足となり、
上記範囲を超過すると耐熱剛性が不満足となる。さらに
成分(j)は耐衝撃性、耐熱性、成形性の向上に有効で
あるが、上記範囲を超過すると成形性が劣る。成分
(k)は加工性の向上に有効であるが、上記範囲を超過
すると耐熱性が不満足となる。
【0059】<付加的成分>本発明において、各層用の
熱可塑性樹脂組成物には、上述以外の付加的成分を添加
することができる。例えば、周知の酸化防止剤、耐候性
改良剤、造核剤、難燃剤、流動性改良剤等の添加剤の任
意の成分を、付加的成分として、本発明の効果を損なわ
ない範囲で使用することができる。実用のために各種着
色剤及びそれらの分散剤等も、周知のものが、本発明の
効果を損なわない範囲で使用できる。
【0060】<組成物の調製>本発明において、熱可塑
性樹脂組成物を得るための溶融混練の方法は、特に制限
はなく、熱可塑性樹脂について一般に実用されている混
練方法が適用できる。例えば、粉状または粒状の各成分
を、必要であれば、付加的成分の項に記載の添加物等と
共に、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブ
レンダー等により均一に混合した後、一軸または多軸混
練押出機、ロール、バンバリーミキサー等で混練する等
である。また、混練の順序は、全成分を同時に混練して
もよく、あらかじめ予備混練したブレンド物を用いて混
練してもよい。さらに押出機の途中から逐次、各成分を
フィードし、混練してもよい。
【0061】<多層中空体>本発明多層中空体の多層構
造は、内層/中間層/表面層の3層構成からなり、中空
体の全肉厚は、通常、0.5〜7mmである。ここで重
要なことは、各層の厚みが、全肉厚に対して、内層が4
0〜80%、中間層が10〜40%、表面層が5〜20
%であることである。基本的には、3層構成のうち、内
層と表面層、中でも内層で剛性をもたせ、中間層で耐衝
撃性をもたせる設計となっている。従って、上記の比率
に比し、内層または表面層が厚くなると、耐衝撃性が低
下し、中間層が厚くなると、剛性が低下する。
【0062】<多層成形法>本発明多層中空体は、内
層、中間層および表面層の3層からなる積層材を中空成
形してなり、積層材は、有底または無底の積層パリソン
が一般的であるが、2枚の積層シートの両表面層を対向
させたものであってもよい。成形方法としては、通常、
多層中空成形法が用いられ、積層は、ダイ内ラミネート
またはダイ外ラミネートのいづれの方式でもよい。例え
ば、市販の3種3層ダイ内ラミネート方式の中空成形機
であれば、各層用の熱可塑性樹脂組成物を、中空成形機
に備え付けの各押出機に供給するだけで、金型に応じ、
所望の多層中空体を得ることもできる。本発明では、特
定の成形法に限定されるわけではなく、熱可塑性樹脂に
慣用の諸成形法を適用することができる。必要とあれ
ば、積層パリソンを射出成形法によって準備すること
も、また、積層シートを押出成形法、プレス成形法等に
よって準備することも可能である。
【0063】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。
【0064】なお、実施例および比較例で使用した各成
分の略号及び内容は、下記のとおりである。 (内層用組成物(イ)及び表面層用組成物(ハ)成分) (a)(g)ポリフェニレンエーテル樹脂: PPE: ポリ(2,6−ジメチル−1,4フェニレ
ン)エーテル(23℃クロロホルム中の固有粘度 0.
45dl/g)。 (b)(h)ポリアミド樹脂: PA6: ナイロン6(カネボウ(株)製、商品名MC
164 相対粘度6.8) (c)(i)耐衝撃性改良剤: SBS: 芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共
重合体(シェルケミカル社製、商品名G1651、スチ
レン含量29重量%) mEPR:無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共
重合体(日本合成ゴム(株)製、商品名T7741P、
プロピレン含量50重量%、変性度0.45重量%) (d)(j)相溶化剤: MA: 無水マレイン酸(試薬グレード) (e)無機フィラー: タルク:(富士タルク(株)製、商品名KT300、平
均粒径1.5μm、アスペクト比5〜10) (f)可塑剤: TPP: トリフェニルホスフェート((株)大八化学
工業所製)
【0065】(中間層用組成物(ロ)成分) ・エチレン−αオレフィン共重合体: PE: エチレン−オクテン共重合体(デュポン・ダウ
・エラストマー社製、商品名エンゲージEG8180、
密度0.863g/cm3 、MFR0.51、メタロセ
ン触媒使用) PE’:エチレン−プロピレン共重合体(日本ポリケム
(株)製、商品名ノバテックUE320、密度0.92
g/cm3 、MFR0.9) ・変性エチレン−αオレフィン共重合体: mPE:上記ポリオレフィンに、無水マレイン酸でグラ
フト変性して得た、変性エチレン−オクテン共重合体
(密度0.863g/cm3 、MFR0.5、変性度
0.8重量%) mPE’:無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共
重合体(三菱化学(株)製、商品名モディックM50
2、密度0.93g/cm3 、MFR0.9、変性度
0.4重量%)
【0066】また、実施例および比較例で使用した各層
用の熱可塑性樹脂組成物は、次のようにして調製した。 (内層用組成物(イ)及び表面層用組成物(ハ)の調
製)上記の諸成分を、表1、2に示す配合比で、スーパ
ーミキサーにて十分混合撹拌した後、(株)日本製鋼所
製TEX二軸押出機(L/D=30、ベント付き)を用
い、この混合物を設定温度250℃、スクリュー回転数
290rpm、生産量40kg/hrで溶融混練した
後、ストランド状に押出し、カッターにてペレットとし
た。得られたペレットは、(株)松井製作所製箱型乾燥
機を用い、窒素還流下、110℃の条件で12時間乾燥
を行い、内層用組成物(イ)及び表面層用組成物(ハ)
とした。
【0067】(中間層用組成物(ロ)の調製)上記の諸
成分を、表1、2に示す配合比で、スーパーミキサーに
て十分混合撹拌して、中間層用組成物(ロ)とした。
【0068】実施例1〜7 (多層中空体の成形)(株)日本製鋼所製3種3層ダイ
内ラミネート方式中空成形機(商品名NB60G、スク
リュー径65mm)を使用し、その主押出機に上記内層
用樹脂組成物(イ)を、スクリュー径40mmのサイド
押出機練1に上記中間層用樹脂組成物(ロ)を、同サイ
ズのサイド押出機練2に上記表面層用樹脂組成物(ハ)
を、それぞれ供給し、それぞれの温度を240℃、20
0℃、240℃で一台のダイに供給し、3層構造のパリ
ソンを共押出した。共押出に際し、各層の厚みが表1、
2に示す値となるように、組成物の供給量を調節した。
この複層構造のパリソンをブロー圧力6kg/cm2
で中空成形し、80℃の温度に設定した金型(天板型)
を用いて、冷却時間5分で、1000mm×800mm
×20mmの外形の、2重壁構造を持つ箱形多層中空体
を成形した。
【0069】比較例1 中間層用組成物(ロ)を、未変性ポリオレフィンのみと
したほかは、実施例1と同様にして多層中空体を得た。
【0070】比較例2 中間層用組成物(ロ)を、変性ポリオレフィンのみと
し、層厚みを表2に示すように変えたほかは、実施例1
と同様にして多層中空体を得た。
【0071】比較例3 中間層を表面層用組成物(ハ)で構成し、また、表面層
を中間層用組成物(ロ)で構成し、さらに、中間層用組
成物(ロ)の組成及び各層厚みを表2に示すように変え
たほかは、実施例1と同様にして多層中空体を得た。
【0072】比較例4 内層用組成物(イ)のPPE樹脂をPA6樹脂に代え、
表面層用組成物(ハ)の耐衝撃性改良剤を除き、さら
に、中間層用組成物(ロ)の組成及び各層厚みを表2に
示すように変えたほかは、実施例4と同様にして成形を
試みたが、パリソンが自重に耐えきれず落下し、成形が
できなかった。
【0073】比較例5 内層用組成物(イ)の耐衝撃性改良剤及び無機フィラー
を除き、さらに、中間層用組成物(ロ)の組成及び各層
厚みを表2に示すように変えたほかは、実施例1と同様
にして多層中空体を得た。
【0074】比較例6 層構成を内層のみとしたほかは、実施例1と同様にして
多層中空体を得た。
【0075】比較例7 中間層用組成物(ロ)の成分及び配合を表2に示すよう
に変えたほかは、実施例1と同様にして多層中空体を得
た。
【0076】(評価試験)また、各実施例及び比較例の
多層中空体成形品について、各物性値と諸特性を、下記
の方法により測定し、その結果を表1、2に示した。
【0077】(1)低温衝撃性 成形品の中央部より100×100mmの試験片を切り
出し、−40℃で高速衝撃試験を行った。試験法は、A
STM D3763に準拠する。衝撃性は、飛散・分離
しないことを目視にて確認した。10枚高速衝撃試験を
行う。判定は、次の基準に従った。 ◎:10枚すべて飛散・分離がなかった。 ○:10枚中1〜2枚飛散・分離があった。 △:10枚中3〜4枚飛散・分離があった。 ×:10枚中5〜9枚飛散・分離があった。 ××:10枚すべて飛散・分離があった。
【0078】(2)剛性 成形品の中央部より100×25mmの試験片を切り出
し、23℃で曲げ試験を行った。試験法は、ASTM
D790−84に準拠する。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】
【発明の効果】上記評価試験の結果にも見られるよう
に、本発明に従い、内層及び表面層を、ポリフェニレン
エーテル樹脂、ポリアミド樹脂、耐衝撃性改良剤、相溶
化剤等からなる特定の熱可塑性樹脂組成物で構成し、中
間層を、α,β不飽和カルボン酸無水物で変性されたエ
チレン−αオレフィン共重合体を含有する特定の熱可塑
性樹脂組成物で構成した3層積層体を中空成形すること
により、低温耐衝撃性、剛性、及び寸法安定性が優れた
多層中空体を得ることができ、その用途は広く、工業的
に有用な資材を提供し得るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小久保 章博 神奈川県平塚市東八幡五丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 (72)発明者 西田 耕治 神奈川県平塚市東八幡五丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 (72)発明者 石橋 正人 埼玉県和光市中央一丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内層、中間層および表面層の3層からなる
    積層材を中空成形してなる多層中空体であって、各層が
    それぞれ下記熱可塑性樹脂組成物(イ)、(ロ)および
    (ハ)によって構成され、しかも各層の厚みは、全肉厚
    に対して、内層が40〜80%、中間層が10〜40
    %、表面層が5〜20%であることを特徴とする多層中
    空体。 内層用組成物(イ): (a)ポリフェニレンエーテル樹脂 10〜40重量部及び (b)ポリアミド樹脂 90〜60重量部 からなる主材樹脂の合計量100重量部に対して、 (c)耐衝撃性改良剤 5〜30重量部 (d)相溶化剤 0.05〜5重量部 (e)無機フィラー 10〜30重量部及び (f)可塑剤 0〜10重量部 を含有する熱可塑性樹脂組成物。 中間層用組成物(ロ):α,β不飽和カルボン酸無水物
    で変性されたエチレン−αオレフィン共重合体を含有す
    る、密度0.910g/cm3 以下の熱可塑性樹脂組成
    物。 表面層用組成物(ハ): (g)ポリフェニレンエーテル樹脂 0〜40重量部及び (h)ポリアミド樹脂 100〜60重量部 からなる主材樹脂の合計量100重量部に対して、 (i)耐衝撃性改良剤 5〜30重量部 (j)相溶化剤 0〜5重量部及び (k)可塑剤 0〜10重量部 を含有する熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】上記熱可塑性樹脂組成物(ロ)のエチレン
    −αオレフィン共重合体が、エチレンと炭素数6〜12
    のαオレフィンとを、メタロセン触媒の存在下に共重合
    したものであることを特徴とする請求項1記載の多層中
    空体。
  3. 【請求項3】上記熱可塑性樹脂組成物(イ)及び(ハ)
    において、ポリフェニレンエーテル樹脂は、23℃クロ
    ロフォルム溶液中で測定される固有粘度が、それぞれ、
    0.4〜0.55dl/g及び0.35〜0.5dl/
    gであり、ポリアミド樹脂は、98%硫酸中で測定され
    る相対粘度が、それぞれ、4〜8及び2〜8の、ナイロ
    ン6またはナイロン6・6であることを特徴とする請求
    項1記載の多層中空体。
  4. 【請求項4】上記相溶化剤が、無水マレイン酸であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の多層中空体。
  5. 【請求項5】上記耐衝撃性改良剤が、(1)スチレン含
    量25〜40重量%の水添スチレン−ブタジエン−スチ
    レン三元共重合体及び(2)カルボキシル基、エポキシ
    基、水酸基及び/または酸無水物基を有する不飽和単量
    体で変性された、αオレフィン含量30〜70重量%の
    エチレン−αオレフィン共重合体からなる群より選ばれ
    た少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載
    の多層中空体。
  6. 【請求項6】上記無機フィラーは、アスペクト比が2以
    上50以下であり、平均粒子径が0.1μm以上5μm
    未満であることを特徴とする請求項1記載の多層中空
    体。
  7. 【請求項7】上記可塑剤は、溶解度パラメーターが7.
    0〜11.5の化合物であることを特徴とする請求項1
    記載の多層中空体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022211071A1 (ja) * 2021-03-31 2022-10-06 太陽ホールディングス株式会社 硬化性樹脂積層体、ドライフィルム、硬化物及び電子部品

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