JPH11226745A - 軸端肉盛り溶接方法及びそれに用いる溶接装置 - Google Patents

軸端肉盛り溶接方法及びそれに用いる溶接装置

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JPH11226745A
JPH11226745A JP10031861A JP3186198A JPH11226745A JP H11226745 A JPH11226745 A JP H11226745A JP 10031861 A JP10031861 A JP 10031861A JP 3186198 A JP3186198 A JP 3186198A JP H11226745 A JPH11226745 A JP H11226745A
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shaft
molten pool
build
welding
forming material
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Osami Noguchi
修身 野口
Manabu Kubo
久保  学
Minoru Nakane
実 中根
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 凹凸の形成された軸端部においても凹部周囲
の突出母材を溶融させることなく、肉盛り溶接を行うこ
とのできる軸端肉盛り溶接方法及びそれに用いる溶接装
置を得る。 【解決手段】 ワークである軸22を上下方向に姿勢さ
せ、その上方から該軸22の上端部22aに対してアー
クを発生させながら該上端部22aに肉盛り溶接する際
に、アークを発生させる前に軸22の上端部22aに溶
融池形成材32を供給しておき、該溶融池形成材32に
向けてアークを発生させることにより該溶融池形成材3
2を溶融して前記上端部22aに初期溶融池を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、内燃機関
の吸気弁や排気弁の軸端部に異種材料を肉盛り溶接する
軸端肉盛り溶接方法及びそれに用いる溶接装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば内燃機関における吸気弁や排気弁
などでは、カムとの接触面となる軸端部に、耐磨耗性合
金を盛り上げて溶接する肉盛り溶接が行われる。この肉
盛り溶接方法の一つとして、プラズマを利用して粉末材
料を溶融しながら肉盛りする粉体プラズマ肉盛り溶接方
法が知られている。
【0003】この粉体プラズマ肉盛り溶接によって肉盛
りを施す弁は、図7に示すように、弁1の軸端部2に、
溶融金属の流れ落ちを防止するための凹部3が形成され
ており、該凹部3によって、その周囲に、この凹部3を
包囲する周壁状の突出部4が形成されている。
【0004】このような構成となった弁1の軸端部2に
肉盛り溶接するには、プラズマアークトーチ5内の電極
6とノズル7との間に高周波電流によってパイロットア
ークを発生させておき、弁1の軸端部2を溶接位置に配
置した後、電極6と母材(軸端部2)との間にメイン電
圧を印加することによりプラズマアーク8を発生させ、
ノズル7の周りから耐磨耗性の高いステライト系(Co
−Cr−W)合金などの粉体9をアルゴンガス等のキャ
リアガスによってプラズマアーク柱へ供給し、軸端部2
の凹部3へ溶着させていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
電極と母材との間に電圧を印加したとき、プラズマアー
クは電極と母材との最短距離で発生しようとする。ま
た、母材に角部があると、平面部より角部の母材部分に
集中しようとする。このため、従来の肉盛り溶接方法の
ように、溶融金属の流れ落ち防止のための凹部3を形成
してある軸端部2では、軸端部2の直径が5mmから1
0mmと比較的小さいことも相まって、凹部3周囲の突
出部4にアーク流が集中するおそれがあった。このよう
なアーク流が形成されると、突出部4が溶融し、その結
果溶融金属が凹部3から流れ落ちて、肉盛り溶接不良を
発生させる問題があった。この場合、軸端部2の直径が
比較的小さいため、凹部3周囲の突出部4にアーク流が
形成されないようにするのは極めて高度の熟練技術を有
し、生産性を低下させる要因となっていた。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、凹凸の形成された軸端部においても凹部周囲の突出
母材を溶融させることなく、肉盛り溶接を行うことので
きる軸端肉盛り溶接方法及びそれに用いる溶接装置の提
供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る軸端肉盛り溶接方法は、アークを発生さ
せる前にワークである軸の上端部に溶融池形成材を供給
しておき、該溶融池形成材に向けてアークを発生させる
ことにより該溶融池形成材を溶融して前記上端部に初期
溶融池を形成することを特徴とする。
【0008】この溶接方法では、軸の上端部に予め溶融
池形成材を供給することにより、該軸の上端部に凹凸が
形成してあったとしても、溶融池形成材によりその凹凸
を小さくすることができ、その状態でプラズマアーク等
を発生させるため、溶融池形成材が溶融して母材の溶け
落ちを防止できる。
【0009】この場合、要求される肉盛り量や軸上端部
の形状等の条件によっては、予め供給しておいた溶融池
形成材だけを使用して肉盛り溶接することが可能である
が、初期溶融池が形成された後に、軸の上端部に肉盛り
される肉盛り材料の粉体をアーク内に供給しながら肉盛
り溶接を行うようにすれば、厚肉の肉盛りが可能とな
る。溶融池形成材としては、粉体、粒体、スライス片、
破片等として、かさ容積を大きくすることが好ましい。
また、肉盛りのための材料と同じ組成のものを使用する
のが好ましいが、初期溶融池を形成するだけの目的であ
れば、肉盛りのための材料とは異なる組成の材料、例え
ばワークである軸と同組成の材料を使用してもよい。
【0010】一方、本発明に係る軸端肉盛り溶接装置の
構成は、上下方向に姿勢させた軸の上端部に溶融池形成
材を供給する供給手段と、該軸の上方から前記上端部に
対してアークを発生させるとともに、該上端部に肉盛り
される肉盛り材料の粉体をアーク内に供給する手段を備
えたトーチと、該トーチによる溶接位置に前記軸を上下
方向に沿って姿勢させるクランプ手段と、少なくとも前
記トーチへ供給する溶接電流の供給開始時期並びに前記
トーチから前記アーク内に供給される前記粉体の供給開
始時期を制御する制御手段とを具備することを特徴とす
る。
【0011】この溶接装置では、制御手段によりトーチ
への溶接電流、肉盛り材料の粉体供給を制御するので、
溶融池形成材を供給した後、この溶融池形成材により先
ず初期溶融池を形成し、その後に肉盛り材料の粉体の供
給を可能にできる。
【0012】この場合、クランプ手段に、軸の上端部を
囲む冷やし金を設けておくことにより、溶接中の軸の上
端部を冷却し、該上端部の溶け落ちを確実に防止するこ
とができる。
【0013】また、ワークである軸を供給するワーク供
給ステーションと、前記供給手段を備えた溶融池形成材
供給ステーションと、前記トーチ及びクランプ手段を備
えた肉盛り溶接ステーションと、肉盛り溶接後のワーク
を排出するワーク排出ステーションとの間で順にワーク
を移送するインデックステーブルを備えた構成とするこ
とにより、供給された軸がインデックステーブルにより
溶融池形成材供給ステーション、肉盛り溶接ステーショ
ン等へと順次移送され、上端部への溶融池形成材の供
給、軸端肉盛り溶接が一連の流れで自動で行えるように
なる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る軸端肉盛り溶
接方法及びそれに用いる溶接装置の好適な実施の形態を
図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る軸
端肉盛り溶接装置の概略構成図、図2は凹部に溶融池形
成材の供給された軸端部を示す縦断面図、図3は図1の
肉盛り溶接ステーションにおける軸保持状態を示す縦断
面図である。
【0015】ワークである軸は本実施形態の場合、内燃
機関用の弁21の軸22であり、この軸22の端部22
aには、図3に示すように凹部23が形成されている。
【0016】軸端肉盛り溶接装置24は、ベース25b
上に円盤状のインデックステーブル25が回転軸25a
を中心として回転自在に設けられており、該インデック
ステーブル25には、弁21の傘部26を挿入状態に保
持して軸端部22aが鉛直上方を向くように支持する保
持穴27が周方向に沿って等間隔で形成されており、該
保持穴27と同じ間隔をおいて、弁21を供給するワー
ク供給ステーション28、この弁21の軸端部22aに
溶融池形成材を供給する溶融池形成材供給ステーション
29、肉盛り溶接ステーション30、ワーク排出ステー
ション31が、この順序で配置されている。
【0017】従って、インデックステーブル25は、ワ
ーク供給ステーション28において供給された一つの弁
21を保持穴27に保持した後、回転軸25aを中心に
図1の場合は矢印aで示す時計方向に回転することで、
この弁21を上述の溶融池形成材供給ステーション2
9、肉盛り溶接ステーション30、ワーク排出ステーシ
ョン31へ順次搬送できるようになっている。
【0018】融池形成材供給ステーション29には溶融
池形成材32を供給する供給手段33が設けられてお
り、該供給手段33はインデックステーブル25によっ
て弁21が所定位置に移送されてきた際、凹部23に対
向する供給口から溶融池形成材32を凹部23へ供給す
るようになっている。
【0019】溶融池形成材32は、軸22と異組成又は
同組成の材料からなるが、この実施形態の弁では、耐磨
耗性の高い例えばステライト系(Co−Cr−W)合金
が使用される。また、溶融池形成材32は、本実施形態
の場合は図2(A)に示す粉体32とするが、図2
(B)に示すスライス片34とすることもできる。粉体
32とすることにより、凹部23への供給を容易にし、
その供給装置を簡単にすることができ、スライス片34
とすることにより、供給に無駄の生じることを防止する
ことができる。
【0020】肉盛り溶接ステーション30には、図3に
示すようにトーチ35と、このトーチ35に対して適切
な溶接位置に弁21を移送する移送手段41と、該溶接
位置で弁21の軸22を保持するクランプ手段42とが
設けられている。
【0021】移送手段41は、受け台43に載置された
弁21を、上方で待ち受けるトーチ35に対して接近す
る方向に上昇させて移動させるシリンダ等からなるもの
である。
【0022】クランプ手段42は、移送手段41によっ
て上昇した弁21の軸22を挿入状態に保持する筒状の
クランブ部44を有しており、このクランプ手段42
と、弁21を下方から押し上げる前記移送手段41とに
よって弁21は所定位置で位置決め固定されるようにな
っている。クランプ部44は、開閉可能な一対の爪とし
て、軸22を両側方から挟持する構成としてもよい。
【0023】トーチ35は、この実施形態では、肉盛り
用材料を供給しながらプラズマアークを発生させるプラ
ズマアークトーチの場合を例に説明する。このトーチ3
5は、その中心部に、タングステン電極45が設けられ
るとともに、この電極45の外側にはノズル46と、外
筒47とがそれぞれ間隙48、49を隔てて同軸上に設
けられている。この電極45とノズル46との間隙48
及びノズル46と外筒47との間隙49はそれぞれアル
ゴンガス等の不活性ガスを流通させる環状の通路となっ
ており、外側の間隙49には、不活性ガスをキャリアガ
スとして粉体の肉盛り材料が供給されるようになってい
る。そして、このトーチ35に、後述のように電流や粉
体供給開始時期等を制御するための制御手段50が接続
されている。
【0024】次に、このように構成された軸端肉盛り溶
接装置24を用いた肉盛り溶接方法を説明する。ワーク
供給ステーション28に搬送されてきた弁21は、イン
デックステーブル25の保持穴27内にその傘部26が
保持され、インデックステーブル25を図1の時計方向
(矢印a方向)に回転することで、溶融池形成材供給ス
テーション29へ移送される。
【0025】溶融池形成材供給ステーション29に弁2
1が位置決めされると、供給手段33によって溶融池形
成材32が凹部23へ供給される。この際、溶融池形成
材32の供給量は、図2(A)に示すように凹部23が
略平坦となる程度の量とする。
【0026】凹部23への溶融池形成材32の供給が完
了したなら、インデックステーブル25を再び時計方向
へ回転し、溶融池形成材供給済みの弁21を肉盛り溶接
ステーション30へ移送する。
【0027】弁21が肉盛り溶接ステーション30に到
達したなら、移送手段41によって上昇させ、トーチ3
5に対する所定の溶接位置でクランプ手段42により軸
22を保持して弁21を位置決め固定する。
【0028】そして、この状態で、プラズマアークを発
生させると、このプラズマアークにより、凹部23内の
溶融池形成材32が溶融して、母材である軸端部22a
の溶融前に、初期溶融池を形成する。なお、このとき
は、初期溶融池を形成することが目的であるため、図4
に示すように、プラズマアーク発生のための電流値Aは
後述の肉盛りのための電流値Bよりも小さく、また、肉
盛りのための粉体も供給していない。この図4は、肉盛
り作業時のトーチへの電流値と肉盛りのための粉体の供
給量との関係を示すタイムチャートであり、電流値Cは
パイロットアークのための電流値を示す。
【0029】次に、このプラズマアークの発生から所定
時間(図4ではt1からt2の時間)経過した後、電流
値を図4のAからBに上げるとともに、肉盛り材料の粉
体をトーチ35の間隙49から噴出させることにより、
凹部23の初期溶融池へ供給開始させる。従って、供給
された粉体は、既に形成されている溶融池に溶け込むこ
とで、飛散することなく確実に肉盛り溶接されて行くこ
とになる。
【0030】この軸端肉盛り溶接装置24を用いた軸端
肉盛り溶接方法では、予め凹部23に溶融池形成材32
を供給することで、該凹部23が溶融池形成材32によ
って平坦となり、プラズマアークの集中し易い突出部2
3aの内周側の角部が露出しなくなる。これにより、凹
部23を包囲する周壁状の突出部23aがプラズマアー
クによって溶融することがなく、溶融金属の軸端部22
aからの流れ落ちがなくなる。
【0031】また、後に粉体を供給して肉盛り溶接する
ことから、初期溶融池を形成するための材料は、所望の
材質のものを使用することが可能となる。
【0032】このように、上述の軸端肉盛り溶接方法に
よれば、プラズマアークを発生させる前に、凹部23に
溶融池形成材32を供給しておくので、供給した溶融池
形成材32によって凹部23を平坦にできる。この結
果、突出部23aへのプラズマアークの集中を防止で
き、溶融金属が凹部23から流れ落ちることによる肉盛
り溶接不良の発生を確実に防止することができる。
【0033】一方、その軸端肉盛り溶接装置24によれ
ば、インデックステーブル25により弁21を溶融池形
成材供給ステーション29、肉盛り溶接ステーション3
0等に順次移送可能としたので、弁21への肉盛り溶接
加工を自動で行うことができ、熟練技術が必要なくな
り、生産性を向上させることができるようになる。
【0034】次に、本発明に係る軸端肉盛り溶接装置の
他の実施形態を図5及び図6に基づいて説明する。図5
は他の実施形態のクランプ手段を示す説明図、図6は本
発明の軸端肉盛り溶接方法により異なる形状で肉盛りさ
れた軸端部を示す断面図である。図5(A)に示すクラ
ンプ手段42では、クランブ部が冷し金51によって構
成されており、該冷し金51は、銅合金により筒状に形
成され、内部に冷却水の循環する冷却水循環路52を有
している。
【0035】そして、この冷し金51は、弁21が移送
手段41によって所定位置に上昇された際、軸22の上
部に挿嵌されることにより、溶接中の軸22の上端部2
2aを冷却し、凹部23を包囲する突出部23aの溶融
をより確実に防止することができる。
【0036】また、冷し金51は、図5(B)に示すよ
うに、軸22の軸端部22aより突出させた状態で軸2
2の上部に挿嵌するものであってもよい。このような冷
し金51によれば、軸径が小さく、凹部23の形成され
ない軸22においても、その軸22への肉盛り溶接を可
能にできる。この場合、冷し金51は、銅合金であり、
冷却されることにより、肉盛り溶接時に溶融金属が溶着
することがない。この図5(B)に示すように冷し金5
1を用いれば、一般的な肉盛り溶接を施した場合に図6
(A)の先端半球状となる肉盛り層52を、図6(B)
に示すように平均的に厚い円柱状の肉盛り層53とする
ことができる。
【0037】なお、上述の実施形態では、溶融池形成材
32を肉盛り材料と同じ組成である場合を例に説明した
が、溶融池形成材32は、初期溶融池のみを形成する目
的であれば、他の組成、例えば母材と同組成の材料を用
いるものであってもよい。また、初期溶融池が形成され
た後に粉体を供給する場合を例に説明したが、本発明に
係る軸端肉盛り溶接方法は、溶融池形成材32の溶融と
同時に、初期溶融池に粉体を供給することを除外するも
のではない。更に、肉盛り量、肉盛り形状によっては、
粉体を供給せず、予め凹部23に供給した溶融池形成材
32のみにより肉盛りするものであってもよい。
【0038】一方、本発明に係る軸端肉盛り溶接方法
は、プラズマアークを発生させるトーチに代えて、真空
中で発生させた高速の電子ビームの有するエネルギを熱
源とする電子ビーム溶接を利用するものであってもよ
い。また、バルブの軸の端部に肉盛り溶接する例を示し
たが、他部品の軸にも適用できるのはもちろん、板状部
材等の平面部から軸状に突出する形状のもの等において
も、その軸端部に肉盛り溶接する際に本発明を適用する
ことができ、本発明における軸端部はこのようなものを
も含む概念である。
【0039】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る軸端肉盛り溶接方法によれば、プラズマアーク等を発
生させる前に、軸端部に溶融池形成材を供給しておき、
この溶融池形成材に向けてプラズマアーク等を発生させ
ることで溶融池形成材を溶融して初期溶融池を形成する
ので、供給した溶融池形成材によって軸端部を平坦にで
き、軸端部に凹部を形成した際の突出部へのアークの形
成を防止でき、溶融金属が凹部から流れ落ちることによ
る肉盛り溶接不良の発生を確実に防止することができ
る。また、初期溶融池の形成された後に、軸端部に肉盛
りされる肉盛り材料の粉体をアーク内に供給しながら肉
盛り溶接を行うことにより、初期溶融池に向けて粉体を
有効に溶着し得て、比較的厚肉の肉盛りを効率的に行う
ことができる。
【0040】一方、本発明に係る軸端肉盛り溶接装置に
よれば、制御手段により、溶接電流の供給開始時期並び
にプラズマアーク内に供給される粉体の供給開始時期を
制御しながら、溶融池形成材による初期溶融池を形成し
てから、粉体を供給して肉盛り溶接することができ、熟
練を要さず、確実に肉盛り溶接することができる。クラ
ンプ手段を冷やし金で構成することにより、軸端部の溶
け落ちをより確実に防止することができる。また、各ス
テーションを順次移送するインデックステーブルを備え
る構成とすれば、軸への肉盛り溶接加工を自動で行い得
て、生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る軸端肉盛り溶接装置の概略構成
図である。
【図2】 凹部に溶融池形成材の供給された軸端部を示
す断面図である。
【図3】 図1の肉盛り溶接ステーションにおける軸把
持状態を示す側面図である。
【図4】 本発明に係る軸端肉盛り溶接装置の溶接電流
と粉体の供給時期を示したタイムチャートである。
【図5】 他の実施形態のクランプ手段を示す説明図で
ある。
【図6】 本発明の軸端肉盛り溶接方法により異なる形
状で肉盛りされた軸端部を示す断面図である。
【図7】 従来の肉盛り溶接を説明するトーチ部近傍の
要部断面図である。
【符号の説明】
22 軸 22a 端部 23 凹部 24 軸端肉盛り溶接装置 25 インデックステーブル 28 ワーク供給ステーション 29 溶融池形成材供給ステーション 30 肉盛り溶接ステーション 31 ワーク排出ステーション 32 溶融池形成材 33 供給手段 35 トーチ 41 移送手段 42 クランプ手段 50 制御手段 51 冷やし金
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F01L 3/24 F01L 3/24 D H05H 1/42 H05H 1/42

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークである軸を上下方向に姿勢させ、 その上方から該軸の上端部に対してアークを発生させな
    がら該上端部に肉盛り溶接する軸端肉盛り溶接方法にお
    いて、 前記アークを発生させる前に前記軸の上端部に溶融池形
    成材を供給しておき、 該溶融池形成材に向けて前記アークを発生させることに
    より該溶融池形成材を溶融して前記上端部に初期溶融池
    を形成することを特徴とする軸端肉盛り溶接方法。
  2. 【請求項2】 前記初期溶融池の形成された後に、前記
    上端部に肉盛りされる肉盛り材料の粉体を前記アーク内
    に供給しながら肉盛り溶接を行うことを特徴とする請求
    項1記載の軸端肉盛り溶接方法。
  3. 【請求項3】 上下方向に姿勢させた軸の上端部に溶融
    池形成材を供給する供給手段と、 該軸の上方から前記上端部に対してアークを発生させる
    とともに、該上端部に肉盛りされる肉盛り材料の粉体を
    アーク内に供給する手段を備えたトーチと、 該トーチによる溶接位置に前記軸を上下方向に沿って姿
    勢させるクランプ手段と、 少なくとも前記トーチへ供給する溶接電流の供給開始時
    期並びに前記トーチから前記アーク内に供給される前記
    粉体の供給開始時期を制御する制御手段とを具備するこ
    とを特徴とする軸端肉盛り溶接装置。
  4. 【請求項4】 前記クランプ手段には、軸の上端部を囲
    む冷やし金が設けられていることを特徴とする請求項3
    記載の軸端肉盛り装置。
  5. 【請求項5】 ワークである軸を供給するワーク供給ス
    テーションと、 前記供給手段を備えた溶融池形成材供給ステーション
    と、 前記トーチ及びクランプ手段を備えた肉盛り溶接ステー
    ションと、 肉盛り溶接後のワークを排出するワーク排出ステーショ
    ンとの間で順にワークを移送するインデックステーブル
    を備えたことを特徴とする請求項3又は4記載の軸端肉
    盛り溶接装置。
JP10031861A 1998-02-13 1998-02-13 軸端肉盛り溶接方法及びそれに用いる溶接装置 Pending JPH11226745A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103182615A (zh) * 2011-12-28 2013-07-03 中国人民解放军装甲兵工程学院 通用多工位冷却式发动机气门焊接修复工装
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