JPH11225771A - 細胞死抑制因子 - Google Patents

細胞死抑制因子

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JPH11225771A
JPH11225771A JP10131634A JP13163498A JPH11225771A JP H11225771 A JPH11225771 A JP H11225771A JP 10131634 A JP10131634 A JP 10131634A JP 13163498 A JP13163498 A JP 13163498A JP H11225771 A JPH11225771 A JP H11225771A
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amino acid
protein
acid sequence
cells
gene
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JP10131634A
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Yasuo Uchiyama
安男 内山
Yoshiyuki Osawa
良之 大澤
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Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細胞の死滅に起因する疾患の治療薬の開発に
寄与し得る、細胞死を抑制する活性を有する物質を提供
する 【解決手段】 細胞死を抑制する活性を有する蛋白質P
CTF35と、それをコードする遺伝子pctf35を
提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細胞死を抑制する
活性を有する因子(細胞死抑制因子、以下PCTF35
とする)と、それをコードする遺伝子に関する。
【0002】
【従来の技術】神経変性疾患の多くは、神経細胞または
神経細胞間の信号伝達に異変が生じることにより、神経
細胞が死滅し発症するとされている。このような神経変
性疾患の代表例として、パーキンソン病やアルツハイマ
ー病が挙げられる。パーキンソン症は、黒質神経細胞が
変性して神経伝達物質の一つであるドーパミンが産生さ
れなくなり、ドーパミン作動性の神経細胞が死ぬことに
より発症すると言われている。一方、アルツハイマー病
は主に大脳皮質や海馬の神経細胞が死ぬことによって痴
呆症状を呈するとされている。以上に述べた神経細胞死
が関連する疾病に関し、発症原因である神経細胞死を抑
制する、または神経細胞の生育若しくは成長を促す作用
を示す物質等が有効な治療薬となり得ると想定されてお
り、盛んに研究が行われている。最近、プロトオンコジ
ーンであるbcl2遺伝子(Tsujimoto ら、Science, V
ol.228, p1440-1443, 1985)が細胞死を抑制することが
報告されている(Vaux D.L. ら、Nature, Vol.335, p44
0-442, 1988)。その細胞死を抑制する機能について種々
の機構が提唱されているが、完全には証明されていな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】神経性疾患の原因であ
ると考えられる神経細胞死を抑制、または神経細胞の成
長を促進させる蛋白質、並びにそれをコードする遺伝子
を同定すれば、神経細胞死に起因する疾患に有効な治療
薬を提供することができ、またこれに擬似する化合物の
探索を行う上で、きわめて重要な意義を有する。すなわ
ち、神経細胞の死滅を抑制する活性を有する蛋白質は、
それ自体が有効な医薬となり得ると同時に、当該蛋白質
の機能と同様の機能を有する物質、当該機能を阻害また
は促進する作用を有する物質等を医薬として開発するに
際しても、極めて有用である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、bcl2
遺伝子が細胞死を抑制することに着目し、細胞死の抑制
に関与する蛋白質の誘導発現を想定して、この様な蛋白
質の存在を調べたところ、bcl2遺伝子の導入によ
り、細胞死を抑制する活性を有する因子(PCTF3
5)が、形質転換細胞の外に分泌されることを見出し
た。そしてこのPCTF35を精製、単離し、さらに精
製されたPCTF35の部分アミノ酸配列を基に、それ
をコードする遺伝子(以下、pctf35とする)をク
ローニングし、本発明を完成した。すなわち本発明は、
配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなる蛋白質、も
しくは配列番号:1のアミノ酸配列において1もしくは
数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ
酸配列からなり、かつ細胞死を抑制する活性を有する蛋
白質である。更に本発明は、配列番号:1に記載のアミ
ノ酸配列からなる蛋白質をコードする遺伝子である。更
に本発明は、配列番号:2に記載の塩基配列からなるD
NA、もしくは配列番号:2のDNAとストリンジェン
トな条件でハイブリダイズし、かつ細胞死の死滅を抑制
する活性を有する蛋白質をコードするDNAである。更
に本発明は、以下の〜の理化学的性状および生理活
性を有する蛋白性物質であることを特徴とする細胞死抑
制因子である。 プロトオンコジーンであるbc12遺伝子で形質転換
された褐色細胞種の培養液から得ることができる; 還元下SDS−PAGEによる推定分子量は約35,
000である; 細胞の死滅を抑制する活性を有する; N末端側の1から22番目のアミノ酸配列が以下のア
ミノ酸配列である; Val Met Gly Ser Gly Asp Ser Val Pro Gly Gly Val Cys Trp Leu Gln Gln Gly Lys Glu Ala Thr N末端側の138〜141番目のアミノ酸配列が以下
のアミノ酸配列である。 Tyr Arg Gly Arg
【0005】本発明者らは、bcl2遺伝子の機能解析
のために、これを褐色細胞種であるラットPC12細胞
に形質導入し、その形質転換細胞(以下、PC12/b
cl2細胞とする)の挙動を詳細に調べた。野生型のP
C12細胞は、適当な生育可能な培地から血清を取り除
くと細胞死に至る。しかし、bcl2遺伝子によって形
質転換されたPC12/bcl2細胞は、無血清培地に
おいても細胞死に至ることなく生育を続け、逆に突起を
伸展するという挙動を示した。本発明者らはこのPC1
2/bcl2細胞の挙動に着目し、当該細胞の外に細胞
の死滅を抑制する活性を有する因子が分泌されている可
能性を想定した。そこで、PC12/bcl2細胞を培
養した後の培養上清を調製し、これを無血清培地、すな
わち細胞が死滅に至る環境下におかれた野生型PC12
に加えたところ、この野生型PC12はPC12/bc
l2細胞と同様に生育を続け、なおかつ突起を伸展させ
ることが確認された。このことは、PC12/bcl2
細胞が、培地中に他のPC12細胞の死滅を抑制する活
性を有する因子を放出していることを示すものである。
【0006】本発明者らは、この培地中に存在すると思
われる細胞死を抑制する因子を、60%アセトニトリル
を展開溶媒とした逆相高速液体クロマトグラフィ(RP
−HPLC)、ならびにポリアクリルアミド電気泳動
(PAGE)を用いて精製を試みた。その結果、SDS
−PAGEにおける分子量が35キロダルトン(kd)
の蛋白質が回収することができた。この回収蛋白質に細
胞死を抑制する活性があることを確認することにより、
当該蛋白質が目的の細胞死抑制因子、即ちPCTF35
であると判断した。また、本発明者らは、上記方法で精
製されたPCTF35のN末端21残基までのアミノ酸
配列、ならびに、PCTF35のペプチド鎖をブロムシ
アンで切断して得られる限定分解物のN末端アミノ酸配
列をそれぞれ解析した(図9及び図10)。これらのア
ミノ酸配列を基に推定される塩基配列からなるオリゴヌ
クレオチドを合成し、これをプローブとしたポリメラー
ゼチェインリアクション(PCR)法により、PC12
細胞から調製したメッセンジャーRNA(mRNA)か
ら調製したcDNAライブラリーから、PCTF35を
コードする遺伝子pctf5をクローニングすることが
できた。またクローニングされた遺伝子から決定される
PCTF35のアミノ酸配列から、図9及び図10に示
したN末端アミノ酸配列は、それぞれPCTF35のN
末端側の1から22番目のアミノ酸配列(Val Me
t Gly Ser Gly Asp Ser Val
Pro Gly Gly Val Cys Trp
Leu Gln Gln Gly Lys Glu A
la Thr)、N末端側の138〜141番目のアミ
ノ酸配列(Tyr Arg Gly Arg)に相当す
ることが判明した。
【0007】遺伝子pctf35は、配列番号:2に示
される699塩基対(bp)からなる遺伝子である。ま
た、その塩基配列ならびにPCTF35のN末端配列の
解析結果から、本発明のPCTF35は、23アミノ酸
残基からなるシグナルペプチドによって細胞外に分泌さ
れる、全233個のアミノ酸残基からなる分子量29.
5kdの蛋白質であることが明らかとなった。先のSD
S−PAGEによる分子量の測定によればPCTF35
の分子量は35kdであることから、PCTF35は糖
鎖等の何らかの修飾を受けているものと思われる。本発
明のPCTF35が有する細胞死を抑制する活性とは、
細胞に対してPCTF35を添加したときに、NGF及
び血清の非存在下にあっても細胞が死滅せずに生育を続
けることを意味する。また、本発明のPCTF35は、
PC12細胞に作用させた場合には、細胞死を抑制する
活性と同時に突起の伸展を促す活性を示す。すなわち、
野生型のPC12細胞は、血清またはNGF(Nurve Gr
owthFactor;神経細胞増殖因子、Greene L.A., J.Cell.
Biol., Vol.78, p747(1978))を含む適当な培地におい
ては、生育を続ける(図1)が、この状態の細胞を血清
及びNGFを含まない培地に2500個/cm2 程度の
低密度状態にして移すと、やがてPC12細胞は萎縮し
て全体の90〜100%が死滅する(図2)。しかし、
血清及びNGFを除去した培地に無血清培地におけるP
C12/bcl2細胞の培養上清を添加すると、NGF
を添加したときと同様にPC12細胞は生存する(図
3)。
【0008】この様なPCTF35の細胞死を抑制する
活性は、細胞の生存を観察することで確認ができる。ま
た、より簡便的に測定するには、PCTF35と同様に
細胞死を抑制する活性を示すNGFの簡易活性測定方法
(佐々木ら、1990年日本動物実験代替法学会第4回
大会要旨集、85頁)に準じ、PCTF35を細胞に添
加した後の、当該細胞中の乳酸デヒドロゲナーゼ(LD
H)活性の変化を確認することで行うことも可能であ
る。このように、細胞死を抑制する蛋白質であるPCT
F35は、細胞死に起因する疾患に有効な治療薬となり
得るものと考えられる。また、PCTF35ならびにそ
れをコードする遺伝子pctf35は、当該蛋白質の機
能と同様の機能を有する物質、当該機能を阻害または促
進する作用を有する物質等を医薬として開発するに際し
て、極めて有用であり、特に遺伝子pctf35は、遺
伝子組み換え技術等を用いてPCTF35を大量生産す
る上で不可欠のものである。本発明においては、配列番
号:1に示したアミノ酸配列を有する蛋白質をコードす
るものであればいずれの遺伝子も本発明の範囲内であ
る。また、本発明においては、配列番号:2に示したD
NA配列の他に、当該DNAとハイブリダイズし、かつ
細胞死を抑制する活性を有する生理活性蛋白質をコード
するDNAも、本発明の範囲内である。
【0009】すなわち、遺伝子pctf35の全長配列
において、種々の人為的処理、例えば部位特異的変異導
入、変異剤処理によるランダム変異、制限酵素切断によ
るDNA断片の変異・欠失・連結等により、部分的にD
NA配列が変化したものであっても、これらDNA変異
体が遺伝子pctf35とストリンジェントな条件下で
ハイブリダイズし、かつ細胞死抑制活性を有する生理活
性蛋白質をコードするDNAであれば、配列番号:2に
示したDNA配列との相違に関わらず、本発明の範囲内
のものである。上記のDNA変異の程度は、遺伝子pc
tf35のDNA配列と90%以上の相同性を有するも
のであれば許容範囲内である。また、遺伝子pctf3
5とハイブリダイズする程度としては、通常の条件下
(例えば DIG DNA Labeling kit
(ベーリンガー・マンハイム社製 Cat No.11
75033)でプローブをラベルした場合に、32℃の
DIG Easy Hyb溶液(ベーリンガー・マンハ
イム社製 Cat No.1603558)中でハイブ
リダイズさせ、50℃の0.5xSSC溶液(0.1%
[w/v]SDSを含む)中でメンブレンを洗浄する条
件(1xSSCは0.15M NaCl、0.015M
クエン酸ナトリウムである)でのサザンハイブリダイ
ゼーションで、遺伝子pctf35にハイブリダイズす
る程度であればよい。
【0010】また、配列番号:1に示したアミノ酸配列
と異なる配列からなる蛋白質であっても、上記のごとく
遺伝子pctf35と相同性の高い変異体遺伝子にコー
ドされる蛋白質であって、かつ細胞死抑制活性を有する
生理活性蛋白質であれば、本発明の範囲内のものであ
る。すなわち、本発明のPCTF35のアミノ酸配列の
1もしくは複数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加
された変異体であっても、当該変異体が細胞死抑制活性
を有する蛋白質であれば、当該変異体は本発明の範囲内
のものである。
【0011】蛋白質の構成要素となるアミノ酸の側鎖
は、疎水性、電荷、大きさなどにおいてそれぞれ異なる
ものであるが、実質的に蛋白質全体の3次元構造(立体
構造とも言う)に影響を与えないという意味で保存性の
高い幾つかの関係が、経験的にまた物理化学的な実測に
より知られている。例えば、アミノ酸残基の置換につい
ては、グリシン(Gly)とプロリン(Pro)、Gl
yとアラニン(Ala)またはバリン(Val)、ロイ
シン(Leu)とイソロイシン(Ile)、グルタミン
酸(Glu)とグルタミン(Gln)、アスパラギン酸
(Asp)とアスパラギン(Asn)、システイン(C
ys)とスレオニン(Thr)、Thrとセリン(Se
r)またはAla、リジン(Lys)とアルギニン(A
rg)、等が挙げられる。
【0012】従って、配列番号:1に示したPCTF3
5のアミノ酸配列上の置換、挿入、欠失等による変異蛋
白質であっても、その変異がPCTF35の3次元構造
において保存性が高い変異であって、その変異蛋白質が
PCTF35と同様に細胞死抑制活性を有する生理活性
蛋白質であれば、これらは本発明の範囲内にあるものと
言うことができる。変異の程度としては、配列番号:1
に示したアミノ酸配列との相同性が、90%以上のもの
が許容し得る範囲である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明であるPCTF35は、上
述のように、bcl2遺伝子で形質転換したラットPC
12細胞を適当な培地を用いて培養させることにより、
培地中に生産させることができる。bcl2遺伝子は、
PC12細胞および大腸菌、古草菌の双方で複製保持さ
れることのできるシャトルベクター、例えば、pcDN
A3、pAGE123等に組み換え、これをリン酸カル
シウム法、エレクトロポレーション法等の一般的な遺伝
子導入法により、PC12細胞に導入することができ
る。また、形質転換されたPC12/bcl2細胞は、
RPMI1640培地、HDMEM培地等の、適当な培
地により培養すればよく、何ら特別な培養方法や手段を
必要としない。
【0014】本発明であるPCTF35は、同じく本発
明である遺伝子pctf35を、一般的な遺伝子組み換
え技術によって組み換え用ベクターに連結して、組み換
え遺伝子pctf35を調製し、これを適当な宿主ベク
ター系で発現させることで生産することもできる。適当
なベクターとしては、大腸菌由来のプラスミド(例、p
BR322、pUC118その他)、枯草菌由来のプラ
スミド(例、pUB110、pC194その他)、酵母
由来のプラスミド(例、pSH19その他)、さらにバ
クテリオファージやレトロウィルスやワクシニアウィル
ス等の動物ウィルス等が利用できる。組み換えに際して
は、適当な合成DNAアダプターを用いて翻訳開始コド
ンや翻訳終止コドンを付加することも可能である。さら
に該遺伝子を発現させるために、遺伝子の上流に適当な
発現プロモーターを接続することもできる。使用するプ
ロモーターは、宿主に応じて適宜選択すればよい。例え
ば、宿主が大腸菌である場合には、T7プロモーター、
lacプロモーター、trpプロモーター、λPLプロ
モーターなどが、宿主がバチルス属菌である場合にはS
PO系プロモーター等が、宿主が酵母である場合にはP
HO5プロモーター、GAPプロモーター、ADHプロ
モーター等が、宿主が動物細胞である場合にはSV40
由来プロモーター、レトロウィルスプロモーター等が、
それぞれ使用できる。
【0015】また本発明のPCTF35は、遺伝子pc
tf35を他の蛋白質(例、グルタチオンSトランスフ
ェラーゼ、プロテインAその他)をコードする遺伝子と
連結することにより、いわゆる融合蛋白質として発現さ
せることも可能である。このようにして発現させた融合
型PCTF35は、適当なプロテアーゼ(例、トロンビ
ンその他)を用いて切り出すことが可能である。本発明
のPCTF35の発現の際に利用できる宿主としては、
エシェリヒア属菌であるEscherichia co
liの各種菌株、バチルス属菌であるBacillus
subtilisの各種菌株、酵母としてはSacc
haromyces cerevisiaeの各種菌
株、動物細胞としてはCOS−7細胞、CHO細胞、P
C12細胞等が利用できる。組み換え型遺伝子pctf
35を用いて、上記宿主細胞を形質転換する方法として
は、塩化カルシウム法やエレクトロポレーション法等、
用いる宿主細胞に応じて一般に用いられる形質転換方法
を適用することができる。以下、実施例および試験例を
示し、本発明をさらに具体的に説明する。
【0016】
【実施例】以下に示す実施例における各種操作は、市販
されている実験キットを用いる場合には、キットに添付
されている説明書の記載に従い、またその他特に断らな
い場合は、当業者にとって自体公知の各種操作方法(M
olecular Cloning、2nd. ed.,
Cold Spring Harbor Lab.Pr
ess、1989、その他当業者にとって標準的な方法
を紹介した技術解説書等に記載の方法、以下常法とす
る)により行った。
【0017】<実施例1> PCTF35の調製 1)bcl2遺伝子のPC12細胞への導入 理化学研究所から提供された野生型PC12(Mah S.P.
ら, J. Neurochem., Vol.63,p.1183-1186,1993)細胞を
用い、NOBORUらの方法(J. Neurobio.,Vol.25(1
0),p1227-1234)に従い、以下の操作によりbcl2遺伝
子を導入した。PC12細胞は、HDMEM培地を入れ
た6穴プレートで24時間培養後、1.5μgのヒトb
cl2遺伝子を組み換えた発現ベクターpAGE123
を加え、リン酸カルシウム法により、マーカー物質G4
18(和光純薬)450μg/mLを含むHDMEM培
地で14日間培養することにより、遺伝子bcl2を含
むpAGE123によって形質転換したPC12細胞
(PC12/bcl2細胞)を調製した。
【0018】2)形質転換細胞の培養上清の調製 1)で得られたPC12/bcl2細胞を、100mm
径のシャーレに10%馬血清、5%牛胎児血清を添加し
たHDMEM培地(ギブコ社)10mLに加えて、80
−90%コンフルエントになるまで前培養した。上記シ
ャーレ培養の3枚分に相当するbcl2/PC細胞を、
245×245×25mmの培養トレイ(住友ベークラ
イト社製)に用意した前培養と同じ培地50mLに接種
し、再び90%コンフルエントになるまで培養した。培
養後の細胞を、血清を含まないHDMEM培地を用いて
トレイ中で3回洗浄したのち、同無血清培地50mLを
加えて、2日間培養した。この培養後の無血清培地を回
収し、さらに50mLの同無血清培地を新たに加えて2
日間培養した後の培地も回収した。以上の作業を繰り返
し、培養上清として合計1000mLを用意した。
【0019】3)PCTF35の活性測定 本発明のPCTF35の細胞死抑制活性の測定は、佐々
木らの方法(前述)に準じ、野生型PC12細胞にPC
TF35を作用させた際の野生型PC12細胞中の乳酸
デヒドロゲナーゼ(LDH)活性を測定する方法、具体
的には以下の操作により測定した。PCTF35を含む
試料を凍結乾燥させた後にHDMEM培地に溶解させ、
被検試料とした。24穴プレートの各穴に、約5000
個の野生型PC12細胞を含む200μLのHDMEM
培地を用意し、そこに被検試料200μlを添加した
後、CO2細胞培養器内で24時間培養した。培養後、
各サンプルをエッペンドルフチューブに回収し、300
0×g5分間で野生型PC12細胞を遠沈、回収した。
リン酸緩衝液でpH6.8に調節した生理的食塩水(P
BS)で回収したPC12細胞を洗浄後、0.2%Tw
eenを含むPBSで当該PC12細胞を可溶化して溶
出されるLDH活性を、MTX”LDH”(極東製薬
製)を用いて測定した。PCTF35をNGF100n
g/mLに換えて同様の操作を行ったときのPC12細
胞内のLDH活性をあわせて測定して標準値とし、この
標準値に対する比(%NGF)をもって被検試料に含ま
れるPCTF35の細胞死抑制活性とした。
【0020】4)PCTF35の精製 a)高速液体クロマトグラフ 2)で得た培養上清1000mLを、撹拌式セル(アミ
コン社製)を用いて、蛋白質の分子量として10kd〜
50kdに相当する分画を50倍(20mL)にまで精
製濃縮した。この濃縮画分について、以下の条件による
逆相高速液体クロマトグラフィ(RP−HPLC)を行
った。 機器;日立製作所(株)製高速液体クロマトグラフ(L6009、L6299、 L4000、D2500) 検出;UV(220nm) カラム;東ソーPhenyl−5PWRP(7.5cm長)、室温 展開液;A緩衝液 0.05%トリフロロ酢酸 B緩衝液 0.05%トリフロロ酢酸/60%アセトニトリル 展開条件;展開速度 1mL/分 0分〜50分 B緩衝液0〜20%の直線勾配 50分〜56分 B緩衝液20〜35%の直線勾配 56分〜68分 B緩衝液35〜47%の直線勾配 68分〜73分 B緩衝液47〜52%の直線勾配 73分〜78分 B緩衝液100% 回収;1mL毎に画分して回収
【0021】各回収画分についてPCTF35の活性を
測定したところ、アセトニトリル25%前後でカラムか
ら溶出される画分11が最も高い活性を示した。このク
ロマトグラフの結果を図4に示す。b)SDS−ポリア
クリルアミド電気泳動(SDS−PAGE)a)で得た
画分11を凍結乾燥後、100μLの20mMトリス塩
酸緩衝液(pH8.0)で溶解した。この溶解後の試料
16μLに4μLの5×サンプリング緩衝液を加え、沸
騰水中で5分間加熱して変性させた試料について、以下
の条件によりSDS−PAGEを行って、画分11中に
含まれる蛋白質の分子量を測定した。
【0022】 濃縮ゲル;0.45mL 30%T−2.7%Cアクリルアミド溶液 0.75mL 0.4%SDSを含む0.5Mトリス塩酸緩衝液 (pH6.8) 1.8mL 精製水 18μL 10%過硫酸アンモニウム溶液 6.0μL TEMED 分離ゲル;ミニスラブゲル(1mm厚) 3mL 30%T−2.7%Cアクリルアミド溶液 0.75mL 0.4%SDSを含む1.5Mトリス塩酸緩衝液 (pH8.8) 3.75mL 精製水 70μL 10%過硫酸アンモニウム 10μL TEMED 泳動緩衝液;25mMトリス、0.192Mグリシン、0.1%SDS 泳動条件;濃縮ゲル 50V、分離ゲル150V
【0023】泳動後のゲルをクーマシーブルー(CB
B)で染色して、蛋白質の存在を青色のバンドで確認し
たところ、回収画分中で最も含有量の多い蛋白質は、分
子量35kdであることが確認された。このCBB染色
後のゲルを図5に示す。c)ポリアクリルアミド電気泳
動(Native−PAGE)a)の画分11につい
て、以下の条件によりNative−PAGEを行っ
た。 濃縮ゲル;1mL 12.5%T−2%Cアクリルアミド溶液 0.5mL 0.5Mトリス塩酸緩衝液(pH6.8) 2mL 精製水 0.5mL 4%リボフラビン溶液 3μL TEMED 分離ゲル;ミニスラブゲル(1mm厚) 3mL 30%T−2.7%Cアクリルアミド溶液 3mL 1.5Mトリス塩酸緩衝液(pH8.8) 6mL 精製水 53.3μL 20%過硫酸アンモニウム 6.7μL TEMED 泳動緩衝液;25mMトリス、0.192Mグリシン 泳動条件;濃縮ゲル 50V、分離ゲル150V
【0024】画分11を凍結乾燥後、16μLの20m
Mトリス塩酸緩衝液(pH8.0)で溶解した。この溶
解後の試料32μLに8μLの5×サンプリング緩衝液
を加え、泳動用試料を調製した。上記ゲルを2枚調製
し、泳動用資料の16μLを各ゲルに載せて電気泳動を
行った。泳動後のゲルの1枚をCBBで染色して蛋白質
の位置を確認した(図6の←1ないし←4)。CBB染
色で確認した位置←1ないし←4に相当する部分をもう
1枚のゲルからそれぞれ切り出した。この切り出したゲ
ルを、200μLの20mMトリス緩衝溶液pH8.0
に24時間、4℃で浸してゲル中の蛋白質を抽出後、ゲ
ルを遠心分離して上清を回収した。この回収された各上
清を、HDMEM培地に対して12時間、4℃で透析し
た後、各試料の細胞死抑制活性を確認した。その結果、
←1に相当する部分のゲルから回収された蛋白質に、当
該活性が認められた。各回収蛋白質の細胞死抑制活性を
図7に示す。
【0025】さらに、この回収蛋白質を再度b)の方法
に従ってSDS−PAGEを行ったところ、35kdの
蛋白質が確認され(図8)、以上からこの蛋白質がPC
TF35であると判断した。 5)PCTF35のN末端アミノ酸配列の決定 3)のc)のSDS−PAGE電気泳動を行った後の3
5kdに位置するPCTF35を、泳動ゲルからイモビ
ロンPSQ膜(ミリポア社製)に、10%メタノールを
含む10mMCAPS(pH11)緩衝液を用いて、1
80mAで90分間の条件で転写させた。転写後の膜を
50%メタノール/10%酢酸溶液に5分間浸して固定
化し、Rapid Stain CBB Kit (ナカライ社製)で20分
間染色した。その後、脱色、乾燥してPCTF35が位
置する部分を切り出し、ヒューレットパッカード社製ア
ミノ酸シーケンサー(HPG1005A)を使用して、
当該機器の操作マニュアルに従い、PSQ膜上のPCT
F35のN末端のアミノ酸配列を分析した。このN末端
のアミノ酸配列を図9に示す。
【0026】6)PCTF35の部分アミノ酸配列の決
定 3)のc)のSDS−PAGE電気泳動を行った後、P
CTF35が位置する部分の泳動ゲルを切り出し、当該
ゲルをホモジネートした。これに、20μgのブロムシ
アンを含む70%蟻酸100μLを加え、室温で3時間
反応させた後、15000×gでホモジネートされたゲ
ルを回収した。この回収されたゲルを試料として3)の
b)の方法に従ってSDS−PAGEを行った。泳動後
のゲルをCBBで染色したところ、約28kdの相当す
る位置に新たな蛋白質、すなわちブロムシアンによるP
CTF35の限定分解物のバンドが確認された。この限
定分解物について5)と同様の操作を加え、そのN末端
のアミノ酸配列を分析した。その結果、図10に示す配
列が確認された。
【0027】<実施例2> 遺伝子pctf35のクロ
ーニング 1)RT−PCRによる遺伝子の増幅 実施例1で決定したPCTF35のN末端21残基(図
9)の一部である配列QQGKEATに相当するオリゴ
DNA(下記の配列−1)をSENCE PRIMERとして、さら
に、実施例1の6)で得たブロムシアンによるPCTF
35の限定分解物のN末端のアミノ酸配列YRGRSV
P(図10)に相当するオリゴDNA(下記の配列−
2)をANTISENCE PRIMERとして、それぞれPEアプライ
ドバイオシステムズ社製のDNA合成機(ABI380
B)を用いて合成した。 配列−1;5’−CA(A/G)CA(A/G)GG
(A/C/G/T)AA(A/G)GA(A/G)GC
(A/G/C/T)AC−3’ 配列−2;5’−GG(A/G/C/T)AC(A/C
/G/T)(C/G)(A/T)(A/G/C/T)C
(G/T)(A/G/C/T)CC(A/G/C/T)
C(G/T)(A/G)TA−3’
【0028】鋳型とする全RNAは、ISOGEN kit(ニッ
ポンジーン社製)を用い、同kit の説明書の記載に従っ
てPC細胞から抽出した。この全RNAを鋳型として、
TAKARA RNA PCR kit(AMV) (宝酒造製)を用い、以下の
条件で逆転写反応及びPCR(RT−PCR)を行っ
た。 鋳型全RNA 5μl(1μg) 10×PCR緩衝液 5μl 2.5mM dNTP 1μl 10μM オリゴヌクレオチド(配列−1) 2μl 10μM オリゴヌクレオチド(配列−2) 2μl 水 29μl 逆転写酵素 0.5μl Taqポリメラーゼ 0.5μl 25mM 塩化マグネシウム 5μl 総量 50μl 上記反応液に対して、94℃で30秒間保持後、−2.
5℃/2秒の速度で冷却55℃まで冷却し、55℃で3
0秒間保持した後、+2.5℃/2秒の速度で72℃に
加温して、72℃90秒間反応させる工程を30回繰り
返して、目的配列を増幅させた。
【0029】反応終了後、常法に従ってアクリルアミド
ゲル電気泳動(ゲル濃度10%)を行い、ゲルをエチジ
ウムブロマイドで染色した後、紫外光照射して約390
bpに相当する位置に増幅DNAの存在を確認し、この
増幅DNAのバンドを含むゲルを切り出した。このゲル
をホモジネートした後、350μLのマクサムギルバー
ト緩衝液(0.5M硫酸アンモニウム、0.1%SD
S、1mM EDTA、10mM酢酸マグネシウム)を
加えて室温で24時間放置して、ゲルからDNA断片を
抽出後、15000×g、10分間遠心して上清を回収
した。この回収上清からエタノール沈殿でDNA断片を
精製した。
【0030】2)増幅DNAの塩基配列の決定 1)で精製した増幅DNAを、塩基配列決定用ベクター
であるpBluescriptII(Stratagene社製)に、ニッポン
ジーン(株)製のLigation Pack を用いて、以下の条件
で16℃で18時間反応させて連結し、組み換えベクタ
ーを調製した。 精製増幅DNA 4μl(200ng) pBluescriptII 1μl(50ng) BAS 1.25μl Hexamine cobalt chloride 0.5μL Spermidine 0.5μL 水 0.75μL DNALigase 5μl
【0031】組み換えベクターを含む上記反応溶液5μ
Lを用いて、ヒートショック法により大腸菌DH5の形
質転換を行った。形質転換体を、アンピシリン(Am
p)50μg/ml、5−Bromo−4−Chlor
o−3−indolyl−β−D−galactosi
de(X−gal)40μg/ml、Isopropy
l−β−D−Thio−Galactopyranos
ide(IPTG)100μMを含有するLB寒天培地
にプレーティングし、37℃で一晩培養した。プレート
上の白色コロニーを50μg/mlのAmpを含むLB
液体培地10mlに接種して37℃で一晩培養し、遠心
分離によって菌体を集めた後、組み換えDNAをFlexiP
rep (ファルマシア社製)で精製した。精製された組み
換えDNAの1μgを定法に従ってアルカリ変性させ、
ThermoSequenase Pre-mix cycle sequencing Kit(アマ
シャム社製)の説明書に従って、ジデオキシ法により増
幅DNAの塩基配列を決定した。増幅DNAの長さは、
全346bpであった。
【0032】3)遺伝子pctf35の取得 2)で決定された346bpからなる塩基配列を基に、
目的遺伝子全体の取得を以下のRACE(Rapid Amplif
ication of cDNA Ends)法(Frohman M.A., et.al., Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA, Vol.85, p8998(1988) )により
行った。反応用プライマーとして、3’RACE用に配
列−3を、5’RACE用に配列−4をそれぞれ合成し
た。 配列−3;5’−TCAGAATTCGTGCTGAA
GACACAGGTDAGC−3’ 配列−4;5’−GACTCTAGAGCTCGAGG
ACGCGCAGGTCTGGGTGTCC−3’ 1)で得られた全RNAの1μgを鋳型としてMarathon
cDNA amplificationkit (クローンテック社製)の説
明書に従い、以下の条件でPCRを行った。 鋳型全RNA 5μl(1μg) 10×PCR緩衝液 5μl 2.5mM dNTP 1μl 10μM オリゴヌクレオチド(配列−3) 2μl 10μM オリゴヌクレオチド(配列−4) 2μl 水 34.5μl 逆転写酵素 Taqポリメラーゼ 0.5μl 総量 50μl
【0033】上記反応液に対して、94℃で30秒間保
持後、−2.5℃/2秒の速度で72℃まで冷却後4分
間保持し、+2.5℃/2秒の速度で再び94℃に戻す
工程を5回、続いて94℃で30秒間保持後、−2.5
℃/2秒の速度で70℃まで冷却後4分間保持し、+
2.5℃/2秒の速度で再び94℃に戻す工程を5回行
った後、さらに94℃で30秒間保持後、−2.5℃/
2秒の速度で68℃まで冷却後4分間保持し、+2.5
℃/2秒の速度で再び94℃に戻す工程を30回繰り返
した。反応終了後、常法に従ってアガロースゲル電気泳
動(ゲル濃度1%)を行い、ゲルをエチジウムブロマイ
ドで染色した後、紫外光照射して約1600bpに相当
する位置に増幅DNAの存在を確認した。この増幅DN
Aを含むゲルからの増幅DNAの精製、ベクターへの組
み込み、シーケンシングの各操作を2)と同様にして行
って、増幅DNAの全塩基配列の決定を行った。その結
果、増幅DNAは全1645bpからなるDNAであ
り、その中に終止コドンを含む699bpのORF(Op
en Reading Flame)を有していた。このORFにコード
されるアミノ酸配列中に、PCTF35のN末端アミノ
酸配列、およびその限定分解物23kdのN末端のアミ
ノ酸配列と部分的に一致する配列が、それぞれ含まれて
いることから、目的である遺伝子pctf35がクロー
ニングされたと判断した。この遺伝子pctf35を含
む増幅DNAである1645bpの全塩基配列を配列番
号:3に示す。クローニングされた遺伝子から決定され
るアミノ酸配列を配列番号:3に示す。このアミノ酸配
列から、図9に示したPCTF35のN末端アミノ酸配
列は、PCTF35のN末端側の1から22番目のアミ
ノ酸配列:Val Met Gly Ser Gly
Asp Ser Val Pro Gly Gly V
al Cys Trp Leu Gln Gln Gl
y Lys Glu Ala Thrに相当することが
明らかとなった。また図10に示したN末端アミノ酸配
列は、PCTF35のN末端側の138〜141番目の
アミノ酸配列:Tyr Arg Gly Argに相当
することが明らかとなった。
【0034】<実施例3> 組み換え遺伝子手法による
PCTF35の調製 1)組み換え発現ベクターpCTF35の構築とPC1
2細胞の形質転換 制限酵素EcoRIおよびXhoIで開環させた組み換
え用ベクターpcDNA3(インビトロジェン社)1μ
gを調製し、これに実施例2の3)で得た遺伝子pct
f35を含む全長1644bpの増幅DNA1μgを加
え、実施例2の2)と同様の操作によって連結、形質転
換と組み換え体DNAの調製を行い、組み換え発現ベク
ターpCTF35を得た。理化学研究所から提供された
野生型PC12細胞をHDMEM培地を入れた6穴プレ
ートで24時間培養後、1.5μgの組み換え発現ベク
ターpCTF35を加え、リン酸カルシウム法により、
マーカー物質G418(大日本製薬)400μg/mL
を含むHDMEM培地で14日間培養することにより、
該組み換えベクターにより形質転換されたPC12細胞
(PC12/pCTF細胞)を3クローン調製した。同
時にpcDNA3で形質転換されたPC12細胞(mo
ck・PC12細胞)も調製した。
【0035】2)ノーザンハイブリダイゼーション 3クローンのPC12/pCTF細胞、mock/PC
12細胞、ならびに野生型PC12細胞を、それぞれ1
00mm径のシャーレに10%馬血清、5%牛胎児血清
を添加したHDMEM培地(ギブコ社)10mLに加え
て、80−90%コンフルエントになるまで培養した
後、ISOGEN kit(ニッポンジーン社製)ならびにoligot
ex dT30 (日本合成ゴム社製)を用いて各細胞からmR
NAを抽出した。2μgのmRNAを定法に従ってアガ
ロースゲル電気泳動で分画後、10×SSC緩衝液を用
いて室温、18時間でメンブレン(NEN社製Gene Scr
eenPlus)に転写し、ノーザンハイブリダイゼーション
を行った。プローブとして、配列表3に示したDNAの
5’末端から1462bpのフラグメントを鋳型として
Ramdom Primer DNA LabelingKit (宝酒造社製)を用い
て[α−32P]dCTP標識したDNA断片を調製し
た。ハイブリダイゼーションは以下の組成の溶液中で
(濃度は全て終濃度)、65℃で16時間行った。 10% デキストラン硫酸 1% SDS 1M NaCl 2.4×105cpm/mL 標識プローブ
【0036】ハイブリダイゼーション終了後、メンブレ
ンを2×SSC緩衝液で室温、5分を2回、次いで1%
SDSを含む2×SSC緩衝液で60℃、30分を2
回、さらに0.1×SSC緩衝液で室温、5分を1回の
条件で0.1%SDSを用い、51℃で洗浄した。メン
ブレン洗浄後のシグナルの検出は、−80℃で24時
間、HyperfilmTM−ECL(アマシャム社製)
フイルムを使用して行った。この結果、mockPC1
2細胞および野生型PC12細胞に比べ、3つのPC1
2/pCTF細胞において、有意な発現が確認された。
このハイブリダイゼーション後の露光結果を図11に示
す。
【0037】3)組み換え体PC12/pCTF細胞の
生存率の確認 野生型PC12細胞を、100mm径のシャーレに用意
したNGF250μg/mLを含む無血清HDMEM培
地(ギブコ社)10mLに対して、5000個/c
3 、10000個/cm3 、25000個/cm3
3種類の細胞密度となるよう添加し、24時間および4
8時間培養した後の生細胞数を、トレパンプル−色素排
除試験(ギブコ社)により計測して、これを100%と
した。1)で得たPC12/pCTF細胞、ならびに野
生型PC12細胞を、それぞれ100mm径のシャーレ
に用意した無血清HDMEM培地(ギブコ社)10mL
に対して、5000個/cm3 、10000個/c
3 、25000個/cm3 の3種類の細胞密度となる
よう添加し、24時間および48時間培養した後の生細
胞数をそれぞれ計測し、PC12/pCTF35の細胞
死抑制効果を確認した。その結果、PC12/pCTF
細胞は、野生型PC12細胞に比べ、より生存細胞数が
多かった(図12)。また、PC12/pCTF細胞を
実施例1と同様に培養して得た上清の濃縮液に細胞死抑
制効果が認められ、またこれを無血清培地中の野生型P
C12細胞に添加したところ、細胞死が抑制されること
が確認された。
【0038】
【配列表】 出願人氏名:大正製薬株式会社 発明の名称:細胞死抑制因子 整理番号:DA−02624 配列の数:3 配列番号(SEQ ID NO):1 配列の長さ:233残基 配列の型 :アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:蛋白質 配列: Val Met Gly Ser Gly Asp Ser Val Pro Gly Gly Val Cys Trp Leu 5 10 15 Gln Gln Gly Lys Glu Ala Thr Cys Ser Leu Val Leu Lys Thr Gln 20 25 30 Val Ser Arg Glu Glu Cys Cys Ala Ser Gly Asn Ile Asn Thr Ala 35 40 45 Trp Ser Asn Phe Thr His Pro Gly Asn Lys Ile Ser Leu Leu Gly 50 55 60 Phe Leu Gly Leu Val His Cys Leu Pro Cys Lys Asp Ser Cys Asp 65 70 75 Gly Val Glu Cys Gly Pro Gly Lys Ala Cys Arg Met Leu Gly Gly 80 85 90 Arg Pro His Cys Glu Cys Val Ser Asn Cys Glu Gly Val Pro Ala 95 100 105 Gly Phe Gln Val Cys Gly Ser Asp Gly Ala Thr Tyr Arg Asp Glu 110 115 120 Cys Glu Leu Arg Thr Ala Arg Cys Arg Gly His Pro Asp Leu Arg 125 130 135 Val Met Tyr Arg Gly Arg Cys Gln Lys Ser Cys Ala Gln Val Val 140 145 150 Cys Pro Arg Pro Gln Ser Cys Leu Val Asp Gln Thr Gly Ser Ala 155 160 165 His Cys Val Val Cys Arg Ala Ala Pro Cys Pro Val Pro Pro Asn 170 175 180 Pro Gly Gln Glu Leu Cys Gly Asn Asn Asn Val Thr Tyr Ile Ser 185 190 195 Ser Cys His Leu Arg Gln Ala Thr Cys Phe Leu Gly Arg Ser Ile 200 205 210 Gly Val Arg His Pro Gly Ile Cys Thr Gly Gly Pro Lys Val Pro 215 220 225 Ala Glu Glu Glu Glu Asn Phe Val 230 配列番号(SEQ ID NO):2 配列の長さ:699塩基 配列の型 :二本鎖 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:核酸 配列 GTGATGGGCT CGGGGGATTC TGTGCCGGGT GGTGTGTGCT GGCTCCAGCA GGGTAAGGAG 60 GCTACCTGCA GTCTGGTGCT GAAGACACAG GTCAGCCGGG AGGAGTGCTG CGCTTCCGGC 120 AACATCAACA CAGCCTGGTC CAACTTCACC CACCCGGGCA ATAAAATCAG CCTGCTAGGA 180 TTCCTGGGCC TTGTCCACTG CCTACCATGC AAAGATTCTT GCGACGGAGT GGAGTGCGGC 240 CCCGGCAAGG CGTGCCGCAT GTTGGGGGGC CGTCCACACT GCGAGTGCGT GTCCAACTGC 300 GAGGGGGTTC CCGCGGGCTT CCAGGTCTGC GGCTCTGATG GCGCCACCTA CCGGGACGAA 360 TGCGAACTGC GCACCGCGCG CTGTCGAGGA CACCCAGACC TGCGCGTCAT GTACCGCGGC 420 CGCTGCCAAA AGTCCTGCGC TCAGGTAGTG TGCCCGCGCC CCCAGTCGTG CCTTGTGGAT 480 CAGACTGGCA GCGCACACTG CGTGGTGTGT CGCGCTGCAC CCTGCCCAGT ACCTCCCAAC 540 CCTGGCCAAG AACTCTGCGG CAACAACAAC GTTACCTACA TCTCGTCGTG TCACTTGCGC 600 CAGGCCACTT GCTTTCTGGG CCGTTCCATT GGAGTTCGGC ACCCGGGCAT CTGCACAGGT 660 GGCCCCAAAG TACCAGCAGA GGAGGAAGAG AACTTCGTG 699 配列番号(SEQ ID No):3 配列の長さ:1645 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジ−:直鎖状 配列: CTCGCC ATG CGT CCT GGG GCA CTG TGG CCG CTG CTT TGG GGA GCC 45 Met Arg Pro Gly Ala Leu Trp Pro Leu Leu Trp Gly Ala -23 -20 -15 CTG GTC TGG GCG GTG GGA TCC GTG GGC GCC GTG ATG GGC TCG GGG 90 Leu Val Trp Ala Val Gly Ser Val Gly Ala Val Met Gly Ser Gly -10 -5 -1 1 5 GAT TCT GTG CCG GGT GGT GTG TGC TGG CTC CAG CAG GGT AAG GAG 135 Asp Ser Val Pro Gly Gly Val Cys Trp Leu Gln Gln Gly Lys Glu 10 15 20 GCT ACC TGC AGT CTG GTG CTG AAG ACA CAG GTC AGC CGG GAG GAG 180 Ala Thr Cys Ser Leu Val Leu Lys Thr Gln Val Ser Arg Glu Glu 25 30 35 TGC TGC GCT TCC GGC AAC ATC AAC ACA GCC TGG TCC AAC TTC ACC 225 Cys Cys Ala Ser Gly Asn Ile Asn Thr Ala Trp Ser Asn Phe Thr 40 45 50 CAC CCG GGC AAT AAA ATC AGC CTG CTA GGA TTC CTG GGC CTT GTC 270 His Pro Gly Asn Lys Ile Ser Leu Leu Gly Phe Leu Gly Leu Val 55 60 65 CAC TGC CTA CCA TGC AAA GAT TCT TGC GAC GGA GTG GAG TGC GGC 315 His Cys Leu Pro Cys Lys Asp Ser Cys Asp Gly Val Glu Cys Gly 70 75 80 CCC GGC AAG GCG TGC CGC ATG TTG GGG GGC CGT CCA CAC TGC GAG 360 Pro Gly Lys Ala Cys Arg Met Leu Gly Gly Arg Pro His Cys Glu 85 90 95 TGC GTG TCC AAC TGC GAG GGG GTT CCC GCG GGC TTC CAG GTC TGC 405 Cys Val Ser Asn Cys Glu Gly Val Pro Ala Gly Phe Gln Val Cys 100 105 110 GGC TCT GAT GGC GCC ACC TAC CGG GAC GAA TGC GAA CTG CGC ACC 450 Gly Ser Asp Gly Ala Thr Tyr Arg Asp Glu Cys Glu Leu Arg Thr 115 120 125 GCG CGC TGT CGA GGA CAC CCA GAC CTG CGC GTC ATG TAC CGC GGC 495 Ala Arg Cys Arg Gly His Pro Asp Leu Arg Val Met Tyr Arg Gly 130 135 140 CGC TGC CAA AAG TCC TGC GCT CAG GTA GTG TGC CCG CGC CCC CAG 540 Arg Cys Gln Lys Ser Cys Ala Gln Val Val Cys Pro Arg Pro Gln 145 150 155 TCG TGC CTT GTG GAT CAG ACT GGC AGC GCA CAC TGC GTG GTG TGT 585 Ser Cys Leu Val Asp Gln Thr Gly Ser Ala His Cys Val Val Cys 160 165 170 CGC GCT GCA GCC TGC CCA GTA CCT CCC AAC CCT GGC CAA GAA CTC 630 Arg Ala Ala Pro Cys Pro Val Pro Pro Asn Pro Gly Gln Glu Leu 175 180 185 TGC GGC AAC AAC AAC GTT ACC TAC ATC TCG TCG TGT CAC TTG CGC 675 Cys Gly Asn Asn Asn Val Thr Tyr Ile Ser Ser Cys His Leu Arg 190 195 200 CAG GCC ACT TGC TTT CTG GGC CGT TCC ATT GGA GTT CGG CAC CCG 720 Gln Ala Thr Cys Phe Leu Gly Arg Ser Ile Gly Val Arg His Pro 205 210 215 GGC ATC TGC ACA GGT GGC CCC AAA GTA CCA GCA GAG GAG GAA GAG 765 Gly Ile Cys Thr Gly Gly Pro Lys Val Pro Ala Glu Glu Glu Glu 220 225 230 AAC TTC GTG TGG GCTGCAGCCACTGGGCCTGGTATTTAAGGCCGTCCTGATTTTTATTTATTA 828 Asn Phe Val 233 TTACAGAAAA TATTCTAATT TATGTCACAT GGACATTCCC CAAACCTAGC CTGGAACCAC 888 TTGGGGATCC CCTAGGATCC TGAGCACATA TCACAGGAAC TGAAGGAAGA TTTTGTAAGA 948 GTTGGTATAT GCGTCACCGG GTACTGGGAT CCAAGTTAGC ACCCCAGACA CCTGCTGCCC 1008 AGGGAGGGCT GCTTCGTGGA GACCCCCTGA TTTGATCTCC CCACCTGCTT TCTAGGTGGC 1068 GCTATCTCAG GCCACAGCTG ACGGTAGTGT CTCCACCTCA ATTGGTGTTT GCATGTGGCC 1128 GGTCTCAGAC CAGAGCAGGC AGCATCGGGT CAGAGAAACA CTGGGTTCAT TCCTGTTCAG 1188 TCCACTTGGG GTGAGACCTG GTAGAAACAT TGGGTTGTGG CTGACTCGCA AGCCCAGGAG 1248 AACCTGTGGA CACCAGGATT CACTCTAGCA CCAACTGCCC TGTTCCCTGG ACACCCACAT 1308 TAGCTTTTAC CCAGCCCCAC TTGTCACCAA GCACATGCTG TTTTGTCTCA CCCATCACCC 1368 TGACAGCTGC CACTGAAAAT TACCCACCCG TGCCTTCAGG GAAGCCAAAG AGGGGAGTGA 1428 GAGTTCAGTA GGTAGAGTGC TTTCCAAGCA TTCACAACGT CCTGGGCTCT GTCCCCAGCA 1488 CCACATAAAA CAGACATGTT GACTCAGGCC TGTTATCCCA GCACTTGGAA AGTAGAGGAA 1548 AGAGGATCAG GAGTTCGAGT TCATCTTTGG TTACACTGTG AGTTCAAGGC CAGCCTGAGC 1608 TACCTTATCT AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAA 1645
【図面の簡単な説明】
【図1】生物の形態を示す写真であって、生育状態の野
生型PC12細胞を示す(細胞密度は2500個/cm
2 )。
【図2】生物の形態を示す写真であって、野生型PC1
2細胞(細胞密度は2500個/cm2 )を無血清培地
に移行して24時間経過した後の、死滅状態の野生型P
C12細胞を示す。
【図3】生物の形態を示す写真であって、野生型PC1
2細胞(細胞密度は2500個/cm2 )を、PC12
/bcl2細胞の培養上清を含む無血清培地に移行して
24時間経過した後の、野生型PC12細胞を示す。
【図4】PC12/bcl2細胞の培養上清について
の、0.05%のTFAを含む60%アセトニトリルを
グラジエント溶媒とした逆相クロマトグラフを示す。縦
軸左とバーグラフは細胞死抑制活性(%NGF)と各画
分の活性値を、縦軸右と折線は、溶媒グラジエント(ア
セトニトリル濃度%)を示す。
【図5】電気泳動の結果を示す写真であって、逆相クロ
マトグラフで得た画分11をSDS−PAGEした後、
銀染色したゲルを示す。
【図6】電気泳動の結果を示す写真であって、逆相クロ
マトグラフで得た画分11をNative−PAGEし
た後、CBB染色したゲルと、確認された蛋白質の位置
を←1ないし←4で示したものである。
【図7】図6の←1ないし←4に相当する蛋白質の細胞
死抑制活性を示す(縦軸が活性%)。
【図8】電気泳動の結果を示す写真であって、細胞死抑
制活性が確認された図6の←1に相当する蛋白質の、S
DS−PAGE後に銀染色したゲルの図である。
【図9】アミノ酸シーケンサーで決定されたPCTF3
5のN末端のアミノ酸配列を示す。図中の?は、未確認
の残基を意味する。
【図10】アミノ酸シーケンサーで決定された、PCT
F35の限定分解物である28kdの蛋白質のN末端の
アミノ酸配列を示す。
【図11】電気泳動の結果を示す写真であって、遺伝子
pctf35を含んだ形質転換体から抽出したmRNA
に対するノーザンハイブリダイゼションの露光結果を示
す。レーン1から3はPC12/pCTF細胞の各クロ
ーン、レーン4はPC12/pcDNA3細胞、レーン
5は野生型PC12細胞である。
【図12】PC12/pCTF細胞の無血清培地におけ
る生存率を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:91)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(a)または(b)の蛋白質; (a)配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなる蛋白
    質; (b)配列番号:1のアミノ酸配列において1もしくは
    数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ
    酸配列からなり、かつ細胞死を抑制する活性を有する蛋
    白質。
  2. 【請求項2】 配列番号:1に記載のアミノ酸配列から
    なる蛋白質をコードする遺伝子。
  3. 【請求項3】 以下の(a)または(b)からなる遺伝
    子; (a)配列番号:2に記載の塩基配列からなるDNA; (b)配列番号:2のDNAとストリンジェントな条件
    でハイブリダイズし、かつ細胞死を抑制する活性を有す
    る蛋白質をコードするDNA。
  4. 【請求項4】 以下の〜の理化学的性状および生理
    活性を有する蛋白性物質であることを特徴とする細胞死
    抑制因子: プロトオンコジーンであるbc12遺伝子で形質転換
    された褐色細胞種の培養液から得ることができる; 還元下SDS−PAGEによる推定分子量は約35,
    000である; 細胞の死滅を抑制する活性を有する; N末端側の1から22番目のアミノ酸配列が以下のア
    ミノ酸配列である; Val Met Gly Ser Gly Asp Ser Val Pro Gly Gly Val Cys Trp Leu Gln Gln Gly Lys Glu Ala Thr N末端側の138〜141番目のアミノ酸配列が以下
    のアミノ酸配列である。 Tyr Arg Gly Arg
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