JPH11222654A - 鉄損が極めて低い方向性電磁鋼板 - Google Patents

鉄損が極めて低い方向性電磁鋼板

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JPH11222654A
JPH11222654A JP3358298A JP3358298A JPH11222654A JP H11222654 A JPH11222654 A JP H11222654A JP 3358298 A JP3358298 A JP 3358298A JP 3358298 A JP3358298 A JP 3358298A JP H11222654 A JPH11222654 A JP H11222654A
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steel sheet
grain
metal
hard layer
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JP3358298A
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Inventor
Kenichiro Akao
謙一郎 赤尾
Hiroshi Yamaguchi
山口  広
Mineo Muraki
峰男 村木
Mitsumasa Kurosawa
光正 黒沢
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】鋼板表面に平滑化処理や結晶方位強調処理を施
し、さらに張力被膜によって鋼板に張力を付与し鉄損を
大幅に低減する技術において、鋼板と張力被膜の密着性
よく、歪取焼鈍等を施しても張力被膜等からの不純元素
の拡散による磁気特性が低下のなく、かつ、その上に被
成される絶縁被膜との密着性のよい電磁鋼板を提供す
る。 【解決手段】方向性電磁鋼板の地鉄上にビッカースかた
さ(Hv)が300以上の硬質層を表面に形成してなる
ものとする。また、該硬質層と地鉄の間に中間層をお
き、該中間層がC、N、BまたはOの拡散防止層となっ
ているものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は変圧器や発電機の鉄芯
に利用される方向性電磁鋼板、中でも鉄損が極めて低い
方向性電磁鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】Siを含有し、かつ結晶方位が(11
0)[001]方位や(100)[001]方位に配向
した方向性電磁鋼板は優れた軟磁気特性を有することか
ら商用周波数での各種鉄芯材料として広く用いられてい
る。この際、電磁鋼板に要求される特性としては、一般
に50Hzの周波数で1.7Tに磁化させた場合の損失
であるW17/50(W/kg)で表わされる鉄損が低
いことが重要である。
【0003】この鉄損を低減するためには渦電流損の低
下に有効なSiを含有させ電気抵抗を高める方法、鋼板
板厚を低減させる方法、さらに結晶粒径を低減する方
法、ヒステリシス損を低下させるために有効な結晶方位
を揃える方法がある。しかし、Siを過度に含有させる
と飽和磁束密度が低下するため鉄芯のサイズ拡大を招
き、鋼板板厚を低減する方法も極端な製造コストの増大
をもたらす。また、結晶方位を揃える方法により、B8
において磁束密度1.96〜1.97Tの製品が得られ
ているが、これ以上の改善の余地はほとんどなくなって
いる。さらにプラズマジェットやレーザー光を照射して
鋼板表面に局所的に歪みを導入する方法や、鋼板表面に
溝を形成する方法等により人工的に磁区幅を細分化し鉄
損を低減する技術が開発されたが、これらによる鉄損低
減効果にも限度がある。
【0004】一方、特公昭52−24499号公報に開
示されているような鋼板金属表面と非金属被膜との界面
の粗度を低減する方法、あるいは、特公平4−9041
号公報、特公平5−87597号公報、ならびに特公平
6−37694号公報に開示されているような金属表面
に特定の結晶を残存させる結晶方位強調処理を施して鉄
損を低減する方法が提案され、これによって電磁鋼板の
鉄損が大幅に低減することが明らかになっている。しか
し、これらの技術によって鉄損を低減するためには電磁
鋼板に対し強い張力を与えることが必要であり、そのた
め鋼板表面に張力被膜を存在させることが不可欠であ
る。かかる張力被膜が存在しない場合には、鋼板表面が
平滑であるため、逆に磁区幅の拡大が促進され、鉄損が
大幅に劣化する結果を招く。
【0005】この問題を解決する手段として、前述の特
公昭52−24999号公報には、鋼板表面に化学研磨
や電解研磨を施して鏡面化し、その上に金属薄めっきを
施し、鋼板の表面酸化や、絶縁被膜塗布焼付けの際の鋼
板の表面劣化による磁性不良を抑制する方法が提案され
ている。しかし、この方法は鋼板表面に施される層が金
属のめっき層であるため、その上に被成される絶縁被膜
との密着性を欠き、また、めっき層の張力により鉄損を
向上させようとすれば、めっき層そのものを厚くする必
要があり、コスト増となるだけではなく占積率が低下す
るので工業化には至らなかった。反面、めっき層に張力
付与効果がない場合は鉄損が低減せず、めっき層上に張
力絶縁被膜を施してもめっき層との密着性がないので磁
気特性が向上しない。
【0006】また、特公昭56−4150号公報には鋼
板表面を平滑化後、その上にセラミックス薄膜を施す方
法が開示されているが、密着性のよいセラミックス薄膜
を形成させるために化学蒸着、真空蒸着が必要であり、
大量生産が困難で成膜速度も遅く工業化されるに至って
ない。
【0007】さらに、特開昭62−103374号公
報、特開平6−248465号公報、特開平6−287
764号公報には、研磨により平滑に仕上げた鋼板表面
に各種酸化物、ほう化物、けい化物、りん化物、硫化物
と地鉄との混合極薄層とその上に絶縁性塗布焼き付け層
を具備させる方法が開示されているが、鋼板と絶縁層と
の密着性に優れるものの、鋼板の鏡面平滑効果が地鉄と
これら酸化物等との混合極薄層の存在によって消去さ
れ、また焼鈍を行うと混合極薄層中のO、B等が鋼板中
に拡散して磁気特性が劣化するという問題がある。
【0008】一方、特公平2−243770号公報に
は、ゾル−ゲル法によってセラミックス被膜を被成する
方法が、特開平3−294468号公報には平滑化した
地鉄表面に金属めっきを施した後、低圧プラズマ溶射法
によってけい化物被膜を形成する方法が開示されている
が、これらの被膜と鋼板との密着性が劣り十分な張力効
果が得られていない。
【0009】また、特開平7−173641号公報に
は、鋼板表面に熱処理によって線熱膨張係数が3×10
-6-1以上低下する金属被覆層を具備する方向性電磁鋼
板が開示されているが、金属めっき層とその上層の絶縁
被膜との良好な密着性が得られない。さらに所定の張力
を発揮して鉄損を低減させるためにはめっきを厚く形成
する必要があり、めっき材料およびめっきのための電力
のコストがかかり、さらに占積率の点からも問題がある
ので工業化されるに至っていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、最近
の方向性電磁鋼板の鉄損低減技術としては、鋼板表面を
平滑化もしくは結晶方位強調処理を施した後、鋼板表面
に張力被膜を被成することが必要不可欠である。しか
し、張力被膜は鋼板に強い張力を及ぼすため鋼板と張力
被膜との界面に強い剪断応力が作用し、必然的に被膜が
剥落し、張力付与も達成できず磁気特性も劣化する結果
しか得られていない。その問題の解決のため鋼板表面を
粗面化すれば、鋼板表面の磁気的な平滑効果が消失して
磁気特性の劣化を招き、また、鋼板表面に各種酸化物や
ほう化物を形成させるとOやBの鋼板中への拡散・進入
のため、磁気特性が劣化するという問題がある。
【0011】本発明は、鋼板表面に平滑化処理や結晶方
位強調処理を施し、さらに張力被膜によって鋼板に張力
を付与し鉄損を大幅に低減する技術において、鋼板と張
力被膜の密着性よい電磁鋼板を提供し、さらにその上に
絶縁被膜を密着性よく被成することのできる技術を提供
することを目的とする。また、本発明は歪取焼鈍等を施
しても張力被膜等からの不純元素の拡散による進入がな
く、それによる磁気特性が低下のない方向性電磁鋼板を
提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、電磁鋼板
に表面に形成される被膜表層を硬質皮膜とすれば、被膜
自体が薄くても大きな張力が発生することを見いだし、
また、上記硬質層の下層に該硬質被膜を形成する中間層
を適当に選べば、焼鈍などによって該硬質被膜を通じて
C、N、B、Oが地鉄に拡散・進入して汚染し、磁性を
劣化させるのを効果的に抑制することができること、さ
らには、かかる構成を有する被膜が鋼板との密着性に優
れ、また、いわゆる上塗りの張力付加型絶縁被膜との密
着性も優れていることを見いだし、本発明を完成させた
ものである。
【0013】よって、本発明は、まず、方向性電磁鋼板
を、ビッカースかたさ(Hv)が300以上の硬質層被
膜を表面に形成してなるものとする。
【0014】また、方向性電磁鋼板の地鉄上に中間層を
挟んで硬質層を有する方向性電磁鋼板において、該硬質
層はビッカースかたさ(Hv)が300以上であり、か
つ、該中間層がC、N、BまたはOの拡散防止層となっ
ているものとする。
【0015】具体的には、上記方向性電磁鋼板における
硬質層を金属の炭化物、窒化物またはけい化物からなる
ものとし、また、中間層を炭化物、窒化物またはけい化
物を形成する金属元素とFeとの合金層とする。さらに
好適には、上記中間層を第1の合金層と第2の合金層か
らなるものとし、第1の合金層は硬質層を構成する金属
元素と該金属元素と異なる金属との合金であり、第2の
合金層は上記硬質層を構成する金属元素と異なる金属と
Feとの合金とするものである。また、中間層は硬質層
の下面に該硬質層を構成する金属からなる金属層を有し
てなるものとし、さらに前記第1の合金層と第2の合金
層の間にも硬質層を構成する金属元素と異なる金属から
なる金属層を有してなるものとする。
【0016】本発明においては、前記硬質層を形成する
金属元素としてはCrまたはNiであることを好適し、
また、硬質層の外表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.
20μm以上であること、さらに、地鉄表面の中心線平
均粗さ(Ra)が0.20μm未満であるか、あるいは
地鉄表面に結晶方位強調処理が施されていることを好適
とするものである。
【0017】さらに、上記により形成された何れのかの
硬質層の表面には重クロム酸−有機樹脂系混合被膜が形
成されていることを好適とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施形態に基
づき詳しく説明する。本発明の素材成分には、Siを
1.5〜7.0%、Mnを0.03〜2.5%の間で含
有させることが望ましい。Siは7.0%を超えると硬
度が高くなり圧延や加工が困難になりがちであり、Mn
は2.5%を超えると熱処理時γ変態を誘起して磁気特
性を劣化させる可能性がある。上記の成分の他に、素材
成分には、インヒビター成分として、A1、B、Bi、
Sb、Mo、Te、Sn、P、Ge、As、Nb、C
r、Ti、Cu、Pb、ZnおよびInの1種以上を含
有させることができる。
【0019】上記組成を有する素材は常法により熱間圧
延、必要に応じて中間焼鈍を挟んだ冷間圧延、脱炭焼鈍
を兼ねた一次再結晶焼鈍、さらに二次再結晶純化を兼ね
た最終焼鈍に付され、所望の集合組織を持った方向性鋼
板に仕上げられる。その際、C、S、Nなどはいずれも
磁気特性上有害な作用があり、特に鉄損を劣化させるの
で、最終焼鈍後それぞれC:0.003%以下、S:
0.002%以下、N:0.002%以下にすることが
好ましい。
【0020】最終焼鈍された鋼板は地鉄鋼板表面に対す
る平滑化処理、あるいは、地鉄鋼板表面に対する結晶方
位強調処理を施すことによって張力被膜形成前の鋼板素
地の鉄損を低下させることができる。平滑化処理は鋼板
表面の中心線平均粗さ(Ra)が 0.20μm未満と
なる程度にするのがよい。一方、結晶方位強調処理は、
C1イオンが存在する水溶液中で鋼板表面を電気分解し
(110)面など磁気的に好ましい結晶面方位の結晶粒
を残存し、(111)など磁気的に好ましくない結晶面
方位の結晶粒の電解を促進させて磁気特性を向上させる
ものであり、鋼板の表面粗度は大きく低減せず、各結晶
粒界で段差が発生するものであるが、この段差の平均値
が0.1μm以上となるようにするのが好ましい。な
お、鋼板表面に公知の磁区細分化の手法である溝や点状
のきず、あるいは局部的な歪付与の領域を設けてもよ
い。
【0021】鋼板表面に張力被膜を形成させる場合、鋼
板表面を粗面化していわゆるアンカー効果により密着性
を付与するのが一般的であるが、本発明においては鋼板
表面に金属層あるいは合金層を中間層として形成させ、
この中間層を介して張力被膜を形成させる。したがっ
て、本発明においては上記中間層と地鉄金属原子(F
e)との間に強固な金属結合を生じさせる必要があり、
そのためには、鋼板を平滑化処理する方がかえって有利
となる。
【0022】本発明の方向性電磁鋼板は表層に金属炭化
物、金属窒化物、金属ほう化物もしくは金属けい化物等
からなる硬質層を有する。この硬質層は極めて薄い被膜
層であっても鋼板に高い張力を与えることができ、ま
た、その上に被成させる絶縁被膜との密着性が極めてよ
い。その理由は不明であるが、金属の炭化物等は、結晶
構造がイオン結合に近く絶縁被膜中の無機物質等との静
電的引力等によって強固に結合するためと考えられる。
【0023】かかる硬質層のかたさは、張力付与の点か
ら、ビッカースかたさ(Hv)で300以上が必要であ
り、400以上であることが望ましい。また、硬質層を
形成する物質としては、炭化物として、Cr3Cr2、C
73、WC、Mo2C、TaC、TiC等が、窒化物
として、CrN、Ni3N、Ni32、AlN、Zr
N、NbN、TiN等が、ほう化物として、CrB、C
rB2、Cr2B、NiB、Ni2B、Ni32、Ni
2、Ni32、MoB、MoB2、NbB、ZrB2
TiB2等が、けい化物として、Ti2Si、V2Si、
Cr2Si、Ni2Si、MoSi2等が好適に使用でき
る。これらはセラミックス単体としてかたさがHv10
00以上となるものが多く、本発明における薄被膜層と
した場合でも容易にHv300以上のかたさを与える。
【0024】本発明のように炭化物などからなる硬質層
を形成させれば、すでに述べたように、上塗りの絶縁被
膜との密着性は十分確保できるが、さらに密着性を向上
させようとすればその表面の中心線平均粗さ(Ra)を
0.20μm以上とするのがよい。いわゆるアンカー効
果による密着性向上効果が得られるからである。
【0025】これらの炭化物等の硬質層の形成方法はい
かなる方法によってもよいが、たとえば、まずめっき等
により金属層を形成させ、そのめっき層に対して炭化処
理等の表面硬化処理を行う方法が挙げられる。その他、
めっき浴に炭素を含有する物質を添加してめっき被膜中
にこれらの物質を共析させ、さらに焼鈍することによっ
て炭化物等を生成させることも可能である。形成される
硬質層の膜厚の範囲は0.005〜2μmが望ましく、
0.01〜1.0μmがさらによい。膜厚がこの範囲よ
り薄いと張力効果が発揮されず、またこれ以上としても
効果が飽和し、コスト増および占積率低下を招くからで
ある。このように表面被膜を硬質にした結果、従来に比
べて極めて薄い膜厚でも所定の張力を発生させることが
可能である。
【0026】上記の硬質層の下には、中間層が形成され
ている。この中間層は上記炭化物等からなる硬質層を有
する電磁鋼板に対し焼鈍などの処理を施す際、硬質層自
体あるいはそれを通じて外部からC、N、O、Bが電磁
鋼板素地中に拡散・汚染し、磁性を劣化するのを防止す
る機能を有する。
【0027】かかる機能を有する中間層としては、ま
ず、炭化物等を構成する金属元素とFeとの合金層が挙
げられる。かかる合金層は上記の表面硬化処理する際の
熱処理に伴って形成されるほか、上記金属元素と鉄との
合金めっき、あるいは金属粉末と鉄粉の混合粉末を鋼板
上に塗布後焼成すること等によって別途形成してもよ
い。上記目的に適する合金層としては、Cr−Fe、N
i−Fe、Mo−Fe、Ti−Ni、Cr−Ni−Fe
等が挙げられる。例えばCr−Fe合金層は、硬質層で
あるCr炭化物層からCが拡散してきた場合に、Cと合
金中のCrが強固に結合し、Cの地鉄への進入を防止
し、電磁鋼板の磁性劣化を防止する。かかる機能は従来
のPVD等で窒化物や炭化物の単層を形成させる技術で
は得られなかったものである。また、炭化物等からなる
硬質層が、鋼板と直接結合するのではなく、地鉄と金属
結合により強固に結合した中間層(合金層)を介して結
合するため、セラミックス層を直接鋼板上に形成させる
場合に比べて鋼板鏡面との密着性が大幅に向上する利点
がある。
【0028】中間層は上記のように単一の合金層のみで
あってもよいが、異なる成分を有する複数の合金層から
なるものとしてもよく、また、硬質層と合金層あるいは
複数の合金層間に純金属層を挟んだものにしてもよい。
かかる構成を具体的に示せば、まず硬質層と上記合金層
との間に金属層、すなわち、硬質層である炭化物等を構
成する金属元素からなる金属層、を有するものが挙げら
れる。この金属層は単一の金属からなるものでもよい
が、2以上の金属の合金でもよい。たとえば、Cr、N
i、Mo、W、Zn、Cu、Tiなどの単一金属のほ
か、Cr−Ni合金等が好適に使用できる。かかる金属
層は上記合金層を形成させる際、最初に鋼板上に形成す
るめっき層を厚く形成させ、その後の表層表硬化処理の
際に未反応の金属層を残存させることによって得ること
ができる。その他、電気めっきや化学めっき、該金属粉
末を鋼板面に塗布後焼鈍することによって、それのみを
形成することとしてもよい。
【0029】また、上記硬質層の下層に形成する合金層
を複数の層とする例としては、第1の合金層として硬質
層を構成する金属元素とその金属元素とは異なる金属元
素からなる合金層とし、第2の合金層として上記硬質層
を構成する金属元素と異なる金属と地鉄の構成元素であ
るFeとの合金とすることができる。この場合も硬質層
から拡散してくる有害元素を取り込み、有害元素の拡散
速度を低下させる効果がある。またこれらの合金層の間
に金属層単層を形成させてもよい。具体例として第1の
合金層として、Ni−Zn、Cr−Ni合金層が挙げら
れ、第2の合金層としてNi−Fe合金層が挙げられ
る。例えば、硬質層としてCr炭化物層を形成させる場
合に、その下層に金属Ni層を形成させることができ、
このNi層は該Cr炭化物層とCr−Ni合金を生成す
る一方、地鉄界面ではNi−Fe合金を生成する。さら
に、硬質層と上記合金層の間に金属層を形成させること
も可能である。この金属層も上記合金層同様、硬質層中
の過剰なC、N、B、Oの地鉄内部への拡散を防止し、
また、焼鈍の際、硬質層を通じてこれら有害物質が地鉄
中に進入するのを防止する。
【0030】本発明においてはいわゆる上塗りの絶縁被
膜は必ずしも被成させる必要はない。請求項1に記載し
た硬質層を有するもの、あるいは請求項2に記載の中間
層を挟んで硬質層を有するものとすれば、十分な張力付
与硬化と絶縁性を与えうるからである。しかしさらに張
力付与型の絶縁被膜を被成させれば一層大きな張力を鋼
板に与えることができ、より大きな鉄損の低減効果が期
待できる。かかる効果を有する絶縁被膜としては、各種
りん酸塩にコロイダルシリカを混入したものやほう酸ア
ルミニウムなどの塗布コーティングあるいはTiN、B
N、Al23などのセラミックスなど絶縁性に加えて張
力を有するものが好適に使用できる。なお、これらの絶
縁被膜被成の際に、硬質層を構成する金属が酸化され、
金属酸化物が同時に形成される場合があるが特に問題は
生じない。
【0031】なお、本発明の被膜が硬質であるために、
製品板の打ち抜き性が低下し金型の摩耗を促進する場合
がある。この場合は金型との摩擦を低減すべく潤滑性を
有する被膜を電磁鋼板の最表面に施すのがよい。かかる
目的のためには、重クロム酸−有機樹脂系混合被膜を
0.4〜6.0g/m2を形成させるのがよい。ここで
重クロム酸系とはCa、Mg、及びZn等の2価金属の
うち少なくとも一つ以上を含む重クロム酸塩、あるいは
これに少量の無水クロム酸を加えたものである。また有
機樹脂は打ち抜き性を改善するものであり、アクリル
系、酢酸ビニル系、スチレン系及びそれらの共重合物の
エマルジョン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル
酸、セルロース等が使用できる。さらにクロムを還元し
て被膜を不溶性化するため、グリセリン、エチレングリ
コール、しょ糖などの多価アルコール類を配合するとよ
い。これらの配合比としては、CrO3:100重量部
に対して樹脂固形分で5〜120重量部、多価アルコー
ル類を10〜60重量部程度とするのがよい。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施態様をさらに具体的にす
るため実施例を6例掲げ、さらに比較例を3例掲げ、そ
れらの特性を表1に示す。なお、実施例における組成の
単位は、特に断らない限り、重量%である。
【0033】
【実施例1】成分として、C:0.05%、Si:3.
25%、Mn:0.07%、Sb:0.02%、Al:
0.02%、S:0.02%、N:0.007%からな
り、残部はFeおよび不可避的不純物からなる板厚:
0.22mmの脱炭焼鈍後の方向性電磁鋼板素材表面
に、30%のCaOと25%のAl23と25%のMg
Oおよび20%のSiO2からなる被膜生成抑制型の焼
鈍分離剤を塗布し、コイル状に取り巻き、1200℃、
5時間以上の最終仕上げ焼鈍を施した。得られた電磁鋼
板に対し、5%HCl中で表面に残存する酸化物を完全
に除去した後、NaCl水溶液中でアノード電解する結
晶方位強調処理を施した。さらに表面に、深さ20μ
m、幅100μm、圧廷方向への繰り返し間隔2mmか
らなる溝を形成させた。
【0034】上記鋼板にクロムめっき浴(CrO3:1
00g/l、H2SO4:1.0g/l)により、めっき
電流密度:70A/dm2、浴温:50℃の条件でCr
膜厚が片面あたり約0.2μmとなるようにCrめっき
を施した。めっき表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.
12μmであった。次いで、鋼板表面にほう砂(Na2
47)を30%含む水溶液をロール塗布し、窒素雰囲
気中で1000℃に保持して、最表面に主としてCr
B、CrB2から成り、Cr炭化物およびCr酸化物を
含むCrほう化物層を約0.01μmの厚さに形成させ
た。この焼鈍により、鋼板との界面に残存していたCr
層は全てCr−Fe合金層に変化したことが確認され
た。さらに上記鋼板上に60%のコロイダリシリカを含
有するリン酸マグネシウムの溶液を塗布、800℃で焼
き付け絶縁被膜を被成させ製品とした。
【0035】
【実施例2】成分として、C:0.06%、Si:3.
25%、Mn:0.07%、Se:0.02%、Al:
0.023%、N:0.0078%を含有し、残部Fe
および不可避的不純物からなる板厚:0.22mmの脱
炭焼鈍後の方向性電磁鋼板素材表面に、30%のCaO
と25%のAl23と25%のMgOおよび20%のS
iO2からなる被膜生成抑制型の焼鈍分離剤を塗布し、
コイル状に巻き取り、1200℃、5時間の最終仕上げ
焼鈍を施した。次に、5%HCl中で表面に残存する酸
化物を完全に除去した後、重クロム酸と硫酸との混液中
に鋼板表面を浸漬して、平均粗度0.10μmの平滑化
処理を行った。
【0036】上記鋼板にクロムめっき浴(CrO3:2
50g/l、H2SO4:1.5g/l、Na2SiF6
5g/l)により、めっき電流密度:50A/dm2
浴温:30℃の条件でCr膜厚が片面あたり約0.8μ
mとなるようにCrめっきを施した。めっき表面の中心
線平均粗さ(Ra)は0.40μmであった。次いで実
施例1と同様に、鋼板表面にほう砂水溶液を塗布後、8
50℃で焼鈍して最表面に主としてCrB、CrB2
よびCr2Bからなり、これにわずかのCr炭化物、C
r酸化物及びCr窒化物を含むCrほう化物層を約0.
6μmの厚さに形成させた。この焼鈍により鋼板との界
面に残存していたCr層はすべてCr−Fe合金層に変
化した。得られた鋼板には実施例1と同様の絶縁被膜を
被成させた。
【0037】
【実施例3】成分として、C:0.05%、Si:3.
25%、Mn:0.07%、S:0.03%、Al:
0.014%、N:0.007%からなり、残部はFe
および不可避的不純物からなる板厚0.22mmの脱炭
焼鈍後の方向性電磁鋼板素材表面に30%のCaOと2
5%のAl23と25%のMgOおよび20%のSiO
2からなる被膜生成抑制型の焼鈍分離剤を塗布し、コイ
ル状に巻き取り、1200℃、5時間の最終仕上げ焼鈍
を施した。次に、5%HCl中で表面に残存する酸化物
を完全に除去した後、重クロム酸と硫酸との混合液中に
鋼板表面を浸漬して、平均粗度0.10μmの平滑化処
理を行い、さらに表面に溝を形成させた。
【0038】この鋼板に、Cr粉末ペースト(金属Cr
微粉末(粒径:0.2μm)、アクリル樹脂、溶剤)を
片面あたり約1.2μmの膜厚で塗布後乾燥させた。乾
燥後のCr層表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.55
μmであった。次いで実施例1と同様にして鋼板表面に
ほう砂水溶液を塗布後焼鈍して最表面にCrほう化物層
を約0.06μmの厚さに形成させた。この焼鈍によ
り、鋼板との界面に残存していたCr層の一部はCr−
Fe合金層に変化したが約0.4μmの純Cr層が残存
していた。得られた鋼板には実施例1と同様の絶縁被膜
を被成させた。
【0039】
【実施例4】成分として、C:0.05%、Si:3.
25%、Mn:0.07%、Se:0.03%、Al:
0.023%、N:0.009%、Sb:0.05%、
からなり、残部はFeおよび不可避的不純物からなる板
厚:0.22mmの脱炭焼鈍後の方向性電磁鋼板素材表
面に、30%のCaOと25%のAl23と25%のM
gOおよび20%のSiO2からなる被膜生成抑制型の
焼鈍分離剤を塗布し、コイル状に巻き取り、1200
℃、5時間の最終仕上げ焼鈍を実地した。次に、5%H
Cl中で表面に残存する酸化物を完全に除去した後、結
晶方位強調処理を行った。
【0040】この鋼板に、いわゆるワット浴(Ni2
4:300g/l、NiCl2:45g/l、H3
3:30g/l)により、めっき電流密度:20A/
dm2、浴温:45℃の条件で片面あたり約0.5μm
の膜厚となるように平滑Niめっきを施した。Niめっ
き表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.1μmであっ
た。このめっき鋼板をアルゴン雰囲気で700℃で焼鈍
したところCrめっき層中の炭素化合物が熱分解してC
rと反応して、主としてCr73、Cr32からなりわ
ずかにCr酸化物を含むCr炭化物層が生成したが、約
0.2μmの厚さの純Cr層が残存した。また、その下
層の純Ni層は上層Crおよび下層の地鉄とそれぞれ合
金層を形成したが、約0.3μmの純Ni層が残存して
いた。上記鋼板に対し、重クロム酸マグネシウム100
重量部、アクリル系樹脂エマルジョン30重量部、エチ
レングリコール25重量部を配合した液をロール塗布
し、450℃で70秒間焼き付けて絶縁被膜を被成させ
た。
【0041】
【実施例5】成分として、C:0.06%、Si:3.
25%、Mn:0.07%、S:0.02%、Al:
0.02%、N:0.007%、Sb:0.03%、C
u:0.1%、Sn:0.12%からなり、残部はFe
および不可避的不純物からなる板厚:0.22mmの脱
炭焼鈍後の方向性電磁鋼板素材表面に、30%のCaO
と25%のAl23と25%のMgOおよび20%のS
iO2からなる被膜生成抑制型の焼鈍分離剤を塗布し、
コイル状に巻き取り、1200℃、5時間の最終仕上げ
焼鈍を施した。次に、5%HCl中で表面に残存する酸
化物を完全に除去した後、結晶方位強調処理及び表面に
溝を形成させた。
【0042】この鋼板に亜鉛めっき浴(ZnCl2:4
0g/l、NH4Cl:26g/l)により、めっき電
流密度:30A/dm2、浴温:40℃の条件で片面あ
たり約0.5μmの膜厚となるようにZnめっきを施し
た。次にワット浴にα−炭化珪素(粒径0.2μm)を
100g/l添加した浴により、めっき電流密度:10
A/dm2、浴温:35℃の条件で片面当たり0.5μ
mの膜厚となるように分散Niめっきを施した。Niめ
っき表面の中心線平均的粗さ(Ra)は0.35μmで
あった。このめっき鋼板を窒素雰囲気で700℃で焼鈍
したところNiめっき層中に分散したSiCがNiと反
応して、主としてNi2SiからなるNiけい化物層が
形成された。またその下層のZn層は、全てNi、Z
n、及びFeから成る合金層に変化した。その後、実施
例1と同様、絶縁被膜を形成させた。
【0043】
【実施例6】成分として、C:0.05%、Si:3.
25%、Mn:0.07%、S:0.02%、Al:
0.023%、N:0.007%、Cu:0.12%、
Sn:0.15%からなり、残部はFeおよび不可避的
不純物からなる板厚:0.22mmの脱炭焼鈍後の方向
性電磁鋼板表面に、30%のCaOと25%のAl23
と25%のMgOおよび20%のSiO2からなる被膜
生成抑制型の焼鈍分離剤を塗布し、コイル状に巻き取
り、1200℃、5時間以上の最終仕上げ焼鈍を施し
た。次に、5%HCl中で表面の残存する酸化物を完全
に除去した後、重クロム酸と硫酸との混液中で平均粗度
0.10μmに平滑化処理した。
【0044】この鋼板にワット浴(NiSO4:300
g/l、NiCl2:45g/l、H3BO3:30g/
l)により、めっき電流密度:20A/dm2、浴温:
45℃の条件で片面あたり約0.3μmとなるようにN
iめっきを施した。さらに、Ti粉末ペースト(金属T
i微粉末(粒径:0.2μm)、グラファイト粉末、ア
クリル樹脂、溶剤)を片面あたり約0.5μmの膜厚で
塗布後乾燥させた。乾燥後のTi層表面の中心的平均粗
さ(Ra)は0.20μmであった。
【0045】次にこの鋼板をアルゴン雰囲気で1050
℃で焼鈍して最表面に主としてTiCから成るTi窒素
化物層を形成させ、またその下層にTi層が残存した。
またNi層はすべてTi、Ni及びFeから成る合金層
に変化した。その後、重クロム酸カルシウム100重量
部、酢酸ビニル系樹脂エマルジョン45重量部、エチレ
ングリコール30重量部を配合した液をロール塗布し、
450℃で70秒間焼き付けて絶縁被膜を被成させた。
【0046】これらの製品の張力被膜厚み、表面性状、
表面硬さ、被膜張力、磁気特性、被膜密着性及び層間絶
縁抵抗の測定結果について表1に示す。なお、表面かた
さは微小硬度計を用いて25〜100gの荷重で、被膜
張力は、片面のみ被膜を形成させた鋼板の片反り畳か
ら、磁気特性はJISに基づき測定した。被膜密着性は
鋼板を直径を種々に変化させた丸棒に巻き付けて皮膜剥
離しない最小の丸棒直径で評価した。また金属炭化物層
等の膜厚は、試料の断面を深さ方向にX線マイクロアナ
ライザーにより分析し、成分の変化挙動から各層の界面
を決定することにより行った。
【0047】上記6例の実施例はいずれも最表層に金属
炭化物、金属窒化物、金属硼化物、金属けい化物のいず
れか一つ以上から形成され、また鋼板界面にはこれらの
金属元素とFeから成る合金層を有し、いずれも表面か
たさがビッカースかたさでHv300以上であり、また
被膜張力が1.0kgf/mm2を超えるものとなっ
た。この結果、鉄損が極めて低く、また上層絶縁被膜と
の密着性も極めて良好な電磁鋼板が得られ、900℃で
3時間保持する歪み取り焼鈍後も磁性の劣化は生じなか
った。
【0048】
【比較例1】比較例1は、張力被膜を金属Cr層のみか
らなる被膜としたものである。この被膜によって1kg
f/mm2を超える被膜張力を得るためには、膜厚を
5.5μmとしなければならず、コスト増大及び占積率
の低下をきたした。また表層が純金属であるため上塗り
の絶縁被膜との結合が弱く、絶縁被膜が剥落した。
【0049】
【比較例2】比較例2は、PVD法により鋼板上に直接
Cr73から成る炭化物層を形成させた場合である。こ
の場合は過剰のCが鋼中へ拡散し、絶縁被膜の焼成時に
粗大なFe3Cが析出して磁性が劣化した。
【0050】
【比較例3】比較例3は、表層のCrほう化物層の厚さ
を0.003μmと薄くした場合である。この場合は所
定の張力を付与されず、また表層のかたさがHv300
未満となって鉄損低減効果が生じなかった。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、占積率が高く、極めて
優れた鉄損と絶縁被膜との優れた密着性を有し、かつ長
時間焼鈍によっても磁気特性が低下しない方向性電磁鋼
板製品鋼板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電磁鋼板の被膜構造の断面を示す
模式図である。
【図2】本発明による電磁鋼板の他の被膜構造の断面を
示す模式図である。
【図3】硬質層のかたさと鉄損値との関係を示す関係図
である
【符号の説明】
1:地鉄鋼板 2:Fe−Ni合金層 3:純Ni層 4:Cr−Ni合金層 5:純Cr層 6:Cr炭化物層 7:絶縁被膜 8:Crほう化物層 9:Cr−Fe合金層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村木 峰男 岡山県倉敷市水島川崎通一丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 黒沢 光正 岡山県倉敷市水島川崎通一丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビッカースかたさ(Hv)が300以上
    の硬質層被膜を表面に形成してなることを特徴とする鉄
    損が極めて低い方向性電磁鋼板。
  2. 【請求項2】 方向性電磁鋼板の地鉄上に中間層を挟ん
    で硬質層を有する方向性電磁鋼板において、 該硬質層はビッカースかたさ(Hv)が300以上であ
    り、かつ、 該中間層がC、N、BまたはOの拡散防止層となってい
    ることを特徴とする鉄損が極めて低い方向性電磁鋼板。
  3. 【請求項3】 硬質層は金属の炭化物、窒化物またはけ
    い化物からなることを特徴とする請求項1または2記載
    の鉄損が極めて低い方向性電磁鋼板。
  4. 【請求項4】 中間層は硬質層を構成する金属元素とF
    eとの合金層であることを特徴とする請求項2記載の鉄
    損が極めて低い方向性電磁鋼板。
  5. 【請求項5】 中間層は第1の合金層と第2の合金層か
    らなり、第1の合金層は硬質層を構成する金属元素と該
    金属元素と異なる金属との合金であり、第2の合金層は
    上記硬質層を構成する金属元素と異なる金属とFeとの
    合金であることを特徴とする請求項2記載の鉄損が極め
    て低い方向性電磁鋼板。
  6. 【請求項6】 中間層は硬質層の下面に該硬質層を構成
    する金属からなる金属層を有していることを特徴とする
    請求項4または5記載の鉄損が極めて低い方向性電磁鋼
    板。
  7. 【請求項7】 第1の合金層と第2の合金層の間に硬質
    層を構成する金属元素と異なる金属からなる金属層を有
    していることを特徴とする請求項5記載の鉄損が極めて
    低い方向性電磁鋼板。
  8. 【請求項8】 硬質層を形成する金属元素がCrまたは
    Niであることを特徴とする請求項3ないし7のいずれ
    かに記載の鉄損が極めて低い方向性電磁鋼板。
  9. 【請求項9】 硬質層の外表面の中心線平均粗さ(R
    a)が0.20μm以上であることを特徴とする請求項
    1ないし8のいずれかに記載の鉄損が極めて低い方向性
    電磁鋼板。
  10. 【請求項10】 地鉄表面の中心線平均粗さ(Ra)が
    0.20μm未満であるか、あるいは地鉄表面に結晶方
    位強調処理が施されていることを特徴とする請求項1な
    いし9のいずれかに記載の鉄損の極めて低い方向性電磁
    鋼板。
  11. 【請求項11】 硬質層の表面に重クロム酸−有機樹脂
    系混合被膜が形成されていることを特徴とする請求項1
    ないし10のいずれかに記載の鉄損の極めて低い方向性
    電磁鋼板。
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