JPH11222425A - 関節疾患治療用関節内投与製剤 - Google Patents

関節疾患治療用関節内投与製剤

Info

Publication number
JPH11222425A
JPH11222425A JP29338598A JP29338598A JPH11222425A JP H11222425 A JPH11222425 A JP H11222425A JP 29338598 A JP29338598 A JP 29338598A JP 29338598 A JP29338598 A JP 29338598A JP H11222425 A JPH11222425 A JP H11222425A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
microcapsules
intra
acid
preparation
drug
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29338598A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Suzuki
真 鈴木
Kenji Ishigaki
賢二 石垣
Minoru Okada
実 岡田
Kenji Ono
研二 小野
Shuichi Kasai
收一 笠井
Katsumi Imamori
勝美 今森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SSP Co Ltd
Original Assignee
SSP Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SSP Co Ltd filed Critical SSP Co Ltd
Priority to JP29338598A priority Critical patent/JPH11222425A/ja
Publication of JPH11222425A publication Critical patent/JPH11222425A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 関節部位に直接適用することにより、標的部
位での薬剤濃度を高め、全身的な副作用の発生を抑え、
さらに長期間にわたり薬効を維持して患者の負担を軽減
することができる関節疾患治療用の投与製剤の提供。 【解決手段】 生体内分解性及び生体内適合性を有する
高分子並びに薬物を含有するマイクロカプセルよりなる
関節疾患治療用関節内投与製剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は関節疾患治療用関節
内投与製剤、さらに詳しくは、関節内の滑膜またはその
周辺組織に取り込まれ、長期間にわたって薬物を徐々に
放出する、マイクロカプセル型の関節疾患治療用関節内
投与製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、関節炎、関節リウマチ等の関節疾
患の治療剤としては、ステロイド剤、非ステロイド抗炎
症剤、抗リウマチ剤、関節機能改善剤等があり、これら
は一般にカプセル剤、錠剤、散剤または注射剤等の剤型
で用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記カ
プセル剤、錠剤、及び散剤は経口投与するものであるた
め、薬剤が関節部位に到達するのに時間を要し、また関
節部位に移行する薬剤量が少ないため、薬効を発揮する
のに多くの量を投与する必要があり、そのため全身的な
副作用の問題も指摘されている。また注射剤は関節部位
に直接適用されるため、関節部位での薬剤濃度を高める
ことができるが、一般に関節部位からの消失が速いため
長期間(例えば1日〜数か月程度)にわたる薬効を期待
することはできない。薬効を維持するため注射の頻度を
増大させると患者に大きな負担や苦痛を課すこととなり
好ましくない。
【0004】したがって本発明は、関節部位に直接適用
することにより、標的部位での薬剤濃度を高め、全身的
な副作用の発生を抑え、さらに長期間にわたり薬効を維
持して患者の負担を軽減することができる関節疾患治療
用の投与製剤を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意研究した結果、生体内分解性及び生体内
適合性を有する高分子と薬物とを含有するマイクロカプ
セルよりなる製剤を関節内に投与することにより、関節
内の標的部位における薬物濃度が増大し、全身的な副作
用の発生を抑えることができ、さらに薬物は製剤から徐
々に放出されるため、長期間にわたり薬効を維持するこ
とができることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】すなわち本発明は、生体内分解性及び生体
内適合性を有する高分子並びに薬物を配合したマイクロ
カプセルよりなる関節疾患治療用関節内投与製剤を提供
するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明においてマイクロカプセル
とは、生体内で比較的容易に分解し(生体内分解性)、
かつ生体に悪影響を及ぼさない(生体内適合性)高分子
で薬物の表面を被覆した粒子、またはかかる高分子の担
体(polymer matrix)に薬物を溶解状態もしくは微結晶
として分散させた粒子である。
【0008】生体内分解性及び生体内適合性を有する高
分子としては、例えば乳酸、グリコール酸、カプロラク
トン、バレロラクトン、ブチロラクトン、アミノ酸、ア
ルキルシアノアクリレート及びヒドロキシブチレートか
らなる群より選ばれる1種または2種以上のモノマーの
ホモポリマーまたはコポリマー;アルブミン、ゼラチ
ン;デンプン;カゼイン;並びにキトサンからなる群よ
り選ばれる1種または2種以上が挙げられる。このうち
乳酸、グリコール酸、カプロラクトン、バレロラクト
ン、ブチロラクトン、アミノ酸、アルキルシアノアクリ
レート及びヒドロキシブチレートからなる群より選ばれ
る1種または2種以上のモノマーのホモポリマーまたは
コポリマー;並びにデンプンから選ばれる1種または2
種以上が特に好ましい。上記高分子は、生体内分解性及
び生体内適合性を有するとともに、薬物を被覆または溶
解もしくは分散させることが容易であり、また関節内で
の薬物の放出速度のコントロールが容易であるため好ま
しい。これらのうち、非酵素的に加水分解される乳酸、
グリコール酸、カプロラクトン、バレロラクトン及びブ
チロラクトンからなる群より選ばれる1種または2種以
上のモノマーのホモポリマーまたはコポリマーがより好
ましく、ポリ乳酸及び乳酸−グリコール酸コポリマーが
特に好ましい。ポリ乳酸または乳酸−グリコール酸コポ
リマーにおける乳酸とグリコール酸とのモル比は、10
0/0〜50/50であることが最も好ましい。
【0009】またかかる高分子の分子量を調整すること
により、関節部位での薬物の放出速度を調節することが
できる。かかる高分子の分子量(重量平均分子量)は、
薬物を放出する期間にもよるが、10000〜2450
00であることが好ましく、10000〜58000で
あることが特に好ましい。またかかる高分子の関節疾患
治療用関節内投与製剤中の配合量は、20〜99重量
%、特に80〜99重量%であることが好ましい。
【0010】本発明に用いる薬物は、一般に関節疾患の
治療剤として用いられているものであれば特に制限はな
く、例えばステロイド剤、非ステロイド抗炎症剤、抗リ
ウマチ剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、関節機能改善剤、
またはインターロイキン産生抑制剤等を挙げることがで
きる。より具体的には、デキサメタゾン、ヒドロコルチ
ゾン、トリアムシノロン、ベタメタゾン、プレドニゾロ
ン、メチルプレドニゾロン、ハロプレドン、ベクロメタ
ゾン、デプロドン、ジクロフェナク、インドメタシン、
イブプロフェン、ケトプロフェン、アスピリン、ジフル
ニサル、フルフェナム酸、フロクタフェニン、トルフェ
ナム酸、スリンダク、フェンブフェン、サリチル酸、ア
セメタシン、プログルメタシン、ナブメトン、プロチジ
ン酸、チアプロフェン、オキサプロジン、ロキソプロフ
ェン、アルミノプロフェン、ザルトプロフェン、フルル
ビプロフェン、フルルビプロフェン アキセチル、ピロ
キシカム、テノキシカム、アンピロキシカム、メロキシ
カム、D−ペニシラミン、ブシラミン、金チオリンゴ
酸、オーラノフィン、ロベンザリット、サラゾスルファ
ピリジン、メトトレキセート、シクロフォスファミド、
アザチオプリン、ミゾリビン、シクロスポリン、ヒアル
ロン酸及びこれらの塩等を挙げることができ、これらを
1種または2種以上用いることができる。
【0011】薬物を懸濁系で用いる場合には、薬物の平
均粒径は、0.1〜10μmであることが好ましい。
0.1〜10μmであれば、関節内での薬物の放出速度
を容易にコントロールすることができる。また薬物は溶
解系で用いる場合には、薬物を水系または有機溶媒系の
溶媒に溶解させればよい。薬物が常温で液状であっても
マイクロカプセル化することができる。
【0012】本発明の関節疾患治療用関節内投与製剤中
の、かかる薬物の含有率は、1〜80重量%であること
が好ましく、1〜60重量%であることがさらに好まし
く、1〜20重量%であることが特に好ましい。1〜8
0重量%であれば、薬物の放出速度を容易に調節でき、
薬効を長期間維持することができる。
【0013】本発明の関節疾患治療用関節内投与製剤
は、関節内の滑膜またはその周辺組織に付着または取り
込まれることが必要であり、薬物の性質や効力によって
も異なるが粒径が大きくなると滑膜及びその周辺組織へ
の取り込み量が低下し、さらに粒子径が小さすぎると放
出速度の調節が困難なため、平均粒径が5〜530μm
であることが好ましく、5〜260μmであることがさ
らに好ましい。さらに関節内への取り込み量を増大させ
るために、平均粒径を20〜123μmとすることが特
に好ましく、20〜58μmとすることがさらに好まし
い。
【0014】本発明のマイクロカプセルよりなる関節疾
患治療用関節内投与製剤の調製方法としては特に制限さ
れず、目的とする関節疾患治療用関節内投与製剤の性質
に応じて液中乾燥法、溶媒抽出法、相分離法、気中懸濁
被覆法、スプレードライ法、液中硬化被覆法、界面重合
法等を用いることができる。具体的には例えば次の方法
により製造することができる。まず高分子を溶剤に溶解
する。これに薬物を添加して溶解または懸濁させる。こ
のとき薬物は水溶液または有機溶媒溶液として添加して
もよい。上記で得られた溶液または懸濁液を必要に応じ
界面活性剤や保護コロイドを含む水溶液に入れ撹拌等す
ることによりエマルションとする。次いでエマルション
中の溶剤を揮散させ、適宜撹拌、濾取、乾燥、篩過等す
ることにより、マイクロカプセルよりなる関節疾患治療
用関節内投与製剤を得ることができる。なお本発明の関
節疾患治療用関節内投与製剤は無菌状態のものを製造す
ることもできる。すなわち、無菌状態の原料及び滅菌し
た器具を用い、滅菌処理した部屋で調製することによ
り、無菌的に製造することができる。また非滅菌で調製
した製剤であっても紫外線等の照射により滅菌すること
により、無菌状態の製剤を得ることができる。
【0015】本発明の関節疾患治療用関節内投与製剤
は、特に注射剤として用いることが好ましい。注射剤と
して用いる場合、関節疾患治療用関節内投与製剤をマイ
クロカプセル用分散媒に懸濁させ投与することができ
る。マイクロカプセル用分散媒としては注射用水が用い
られるが、必要に応じて懸濁化剤、安定剤、緩衝剤、保
存剤、増粘剤、等張化剤等を添加することもできる。特
に好ましくはヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸及びこ
れらの塩から選ばれる1種または2種以上を含有するマ
イクロカプセル用分散媒が用いられる。この場合、投与
により生ずる関節への刺激を最小限におさえることがで
きる。
【0016】
【実施例】次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。
【0017】実施例1〜5 粒径の異なるプロピオン酸ベクロメタゾン含有マイクロ
カプセルの調製 乳酸−グリコール酸コポリマー(PLGA:組成比50
/50(モル比)、重量平均分子量57600)4.5
gを塩化メチレン40.5gに溶解して10%溶液とし
た。この溶液にプロピオン酸ベクロメタゾン0.5gを
添加し溶解した。この液を予め調製した0.5%ポリビ
ニルアルコール水溶液100g中に添加し、1分間プロ
ペラで撹拌してO/W型エマルションを形成した。この
エマルションを0.5%ポリビニルアルコール水溶液3
00gに撹拌しながら添加し、エマルション中の塩化メ
チレンを揮散してマイクロカプセル化を行った。37℃
で120分間撹拌後、濾取、減圧乾燥、篩過した。この
ときの撹拌条件を適宜変化させることにより、表1に示
す薬物含有率及び粒径を有するプロピオン酸ベクロメタ
ゾン含有マイクロカプセルを得た。
【0018】
【表1】
【0019】試験例1 粒径の異なるプロピオン酸ベクロメタゾン含有マイクロ
カプセルの薬物動態試験 実施例1〜5で得られたマイクロカプセルを注射用分散
媒(注射用水、等張化剤、懸濁化剤等)に懸濁し、これ
をウサギ膝関節内にプロピオン酸ベクロメタゾンとして
1mg注射投与した。また対照としてプロピオン酸ベクロ
メタゾン原末(平均粒径0.38μm)を上記注射用分
散媒に懸濁し、上記と同様に注射投与した。投与後1日
後及び8日後の滑膜及び周辺組織中のプロピオン酸ベク
ロメタゾン量を測定した。その結果を図1に示す。投与
1日後では、原末を用いた場合(対照)はプロピオン酸
ベクロメタゾンは滑膜及びその周辺組織中にほとんど移
行しなかった。一方、実施例1〜4では対照に比べ移行
量が多かった。また投与8日後では実施例1〜5で対照
に比べ移行量が多く、特に実施例1〜3で多くの量が滑
膜またはその周辺組織に残存していることが確認され
た。
【0020】実施例6(スプレードライ法によるプレド
ニゾロン含有マイクロカプセルの調製) PLGA(組成比50/50(モル比)、重量平均分子
量124000)2.5gとプレドニゾロン0.278
gを塩化メチレン347.2gに溶解させ、この溶液を
噴霧造粒装置(ヤマトミニスプレーMODEL DL−
21)によりスプレーし、マイクロカプセルを得た。こ
のマイクロカプセル中のプレドニゾロン含量は10.1
%であり、平均粒径は5.61μmであった。
【0021】試験例2(プレドニゾロン含有マイクロカ
プセルの放出試験) 実施例6から得られたプレドニゾロン含有のマイクロカ
プセル(プレドニゾロンとして0.5mg相当量)及びプ
レドニゾロン原末0.5mgを、pH6.8のリン酸緩衝液
10ml中に入れ経時的な溶出量を測定した。その結果を
図2に示す。その結果から、プレドニゾロン原末と比較
してプレドニゾロン含有マイクロカプセルからのプレド
ニゾロンの放出は遅れていることが認められる。
【0022】実施例7〜13 含有率の異なるリン酸デキサメタゾンナトリウム含有マ
イクロカプセルの調製 原料を表2に示す配合割合で使用してリン酸デキサメタ
ゾンナトリウム含有マイクロカプセルを調製した。すな
わち、PLGA(組成比50/50(モル比)、重量平
均分子量57600)を塩化メチレンに溶解して20%
溶液とした。この溶液にリン酸デキサメタゾンナトリウ
ム(DXNa:平均粒径2.50μm)を添加して懸濁
した。この懸濁液を予め調製した1.57%ポリビニル
アルコール、27.0%塩化カルシウム水溶液38.2
gに添加し、1分間プロペラで撹拌してO/W型エマル
ションを形成した。これらのエマルションを3.3lの
精製水に撹拌しながら添加し、エマルション中の塩化メ
チレンを抽出して揮散し、マイクロカプセル化を行っ
た。30分間撹拌後、45〜250μmで篩過し、減圧
乾燥することにより、表2に示すDXNa含有率のマイ
クロカプセルを得た。
【0023】
【表2】
【0024】実施例14〜18 分子量の異なるPLGAを含有するDXNa含有マイク
ロカプセルの調製 表3に示す重量平均分子量のPLGA(組成比50/5
0(モル比))4.75gを塩化メチレン42.75g
に溶解して10%溶液とした。この溶液にDXNa0.
25gを添加して懸濁した。この懸濁液を予め調製した
1.57%ポリビニルアルコール、27.0%塩化カル
シウム水溶液76.4gに添加し、1分間プロペラで撹
拌してO/W型エマルションを形成した。このエマルシ
ョンを6.6lの精製水に攪拌しながら添加し、以下実
施例7〜13と同様にして表3に示すDXNa含有率
(W/W%)及び平均粒径を有するDXNa含有マイク
ロカプセルを得た。
【0025】
【表3】
【0026】実施例19〜21 組成比の異なるPLGAを含有するDXNa含有マイク
ロカプセルの調製 表4に示す組成比(モル比)を有するPLGA(重量平
均分子量約100000)4.75gを塩化メチレン4
2.75gに溶解して10%溶液とした。この溶液にD
XNa0.25gを添加して懸濁した。以下実施例14
〜18と同様の操作を行い、表4に示す含有率(W/W
%)及び平均粒径を有するDXNa含有マイクロカプセ
ルを得た。
【0027】
【表4】
【0028】試験例3 DXNa含有マイクロカプセルの放出試験 実施例8、9、10、14、15、19及び21で得ら
れたDXNa含有マイクロカプセル(DXNaとして2
mgに相当)をpH7.5のリン酸緩衝液10mlに添加し、
経時的な溶出量を測定した。結果を図3、図4及び図5
に示す。図3〜図5より、水系の液中乾燥法によるマイ
クロカプセル中の薬物の含有率、PLGAの分子量及び
組成比を変更すれば、薬物の放出速度を調整することが
可能であることが確認された。
【0029】試験例4 DXNa含有マイクロカプセルの薬物動態試験 実施例8で得られたDXNa含有マイクロカプセル(平
均粒径70.8μm)を試験例1と同じ注射用分散媒に
懸濁し、ウサギ膝関節内に投与して(デキサメタゾンと
して9mg)、滑膜及び周辺組織中のDXNaの量を測定
した。また対照として市販の注射剤(水溶液、デキサメ
タゾンとして3mg)を投与した。結果を図6に示す。市
販の注射剤を用いた場合は滑膜及びその周辺組織にDX
Naの存在が認められなかった。一方実施例8のDXN
a含有マイクロカプセルは長期間にわたりDXNaが存
在しており、DXNa含有マイクロカプセルは関節内投
与により、滑膜またはその周辺組織に付着または取り込
まれ、長期間にわたってDXNaが放出、残存すること
が確認された。
【0030】実施例22〜24 含有率の異なるジクロフェナクナトリウム含有カプセル
の調製 表5に示すPLGA(組成比50/50(モル比)、重
量平均分子量178000)をアセトンに溶解して5%
溶液(6℃)とした。この溶液に表5に示すジクロフェ
ナクナトリウム(DFNa、平均粒径1.85μm)を
添加し溶解した。この液を6℃の流動パラフィン70g
に添加し、30秒間プロペラで撹拌してエマルションを
形成した。このエマルションを1.5kgの流動パラフィ
ンに撹拌しながら添加し、3時間撹拌した。この間液温
を6℃から50℃に徐々に上昇させ、、エマルション中
のアセトンを抽出して揮散し、マイクロカプセル化を行
った。45〜250μmで篩過した後、ヘキサンで繰り
返し洗浄し、減圧乾燥後、表5に示す含有率(W/W
%)及び平均粒径を有するDFNa含有マイクロカプセ
ルを得た。
【0031】
【表5】
【0032】実施例25 DFNa含有マイクロカプセルの調製 PLGA(組成比50/50(モル比)、重量平均分子
量178000)4.5gを塩化メチレン40.5gに
溶解して10%溶液とした。この溶液にDFNa(平均
粒径1.85μm)0.5gを添加して懸濁した。この
懸濁液を予め調製した1.57%ポリビニルアルコー
ル、27.0%塩化カルシウム水溶液76.4gに添加
し、1分間プロペラで撹拌してO/W型エマルションを
形成した。このエマルションを6.6lの精製水に撹拌
しながら添加し、エマルション中の塩化メチレンを抽出
して揮散し、マイクロカプセル化を行った。30分間撹
拌後、45〜250μmで篩過し、減圧乾燥後DFNa
含有のマイクロカプセル(DFNa含有率8.3%(W
/W)、平均粒径67.9μm)を得た。
【0033】試験例5 DFNa含有マイクロカプセルの放出試験 実施例22〜25で得られたDFNa含有マイクロカプ
セル(DFNa2mg相当量)をpH6.8のリン酸緩衝液
10mlに添加し、経時的な溶出量を測定した。結果を図
7及び図8に示す。図7より、マイクロカプセル中のD
FNaの含有率を変更することにより、DFNaの放出
速度を調節することが可能であることが確認された。
【0034】試験例6 DFNa含有マイクロカプセルの薬物動態試験 実施例25で得られたDFNa含有マイクロカプセル
(平均粒径67.9μm)を試験例1と同じ注射用分散
媒に懸濁し、ウサギ膝関節内に注射投与して(DFNa
として10mg)、滑膜及び周辺組織中の経時的なDF量
を測定した。また対照として、DFNaの生理食塩水溶
液(DFNaとして1mg)を注射投与して測定した。結
果を図9に示す。DFNaの生理食塩水溶液では滑膜及
びその周辺組織中にDFの存在が認められなかった。一
方実施例25のDFNa含有マイクロカプセルは長期間
にわたりDFが存在しており、DFNa含有マイクロカ
プセルは関節内投与により、滑膜及びその周辺組織に付
着または取り込まれ、長期間にわたってDFNaが放
出、残存することが確認された。
【0035】実施例26 メトトレキサート含有マイクロカプセルの調製 PLGA(組成比50/50(モル比)、重量平均分子
量57600)1.8gを塩化メチレン7.2gに溶解
して20%溶液とした。この溶液にメトトレキサート
(MTX、平均粒径8.89μm)0.2gを添加して
懸濁した。この懸濁液を予め調製した1.57%ポリビ
ニルアルコール、27.0%塩化カルシウム水溶液1
3.2gに添加し、1分間プロペラで撹拌してO/W型
エマルションを形成した。このエマルションを1.3l
の精製水に撹拌しながら添加し、エマルション中の塩化
メチレンを抽出して揮散し、マイクロカプセル化を行っ
た。30分間撹拌後、45〜250μmで篩過し、減圧
乾燥後MTX含有マイクロカプセル(平均粒径65.1
μm、MTX含有率11.9%(W/W))を得た。
【0036】試験例7 MTX含有マイクロカプセルの放出試験 実施例26で得られたMTX含有マイクロカプセル(M
TX2mg相当量)をpH7.5のリン酸緩衝液10mlに添
加し、経時的な溶出量を測定した。結果を図10に示
す。図10より、マイクロカプセルからMTXが長期間
にわたり放出されていることが確認された。
【0037】試験例8 MTX含有マイクロカプセルの薬物動態試験 実施例26で得られたMTX含有マイクロカプセルを試
験例1と同じ注射用分散媒に懸濁し、ウサギ膝関節内に
注射投与して(MTXとして1mg)、滑膜及び周辺組織
中の経時的なMTX量を測定した。また対照として、M
TXをpH7.5のリン酸緩衝液に溶解し、同様に注射投
与した(MTXとして1mg)。結果を図11に示す。M
TXのリン酸緩衝液溶液では滑膜及びその周辺組織中に
MTXの存在が認められなかった。一方実施例26のM
TX含有マイクロカプセルは長期間にわたりMTXが存
在しており、MTX含有マイクロカプセルは関節内投与
により、滑膜及びその周辺組織に付着または取り込ま
れ、長期間にわたってMTXが放出、残存することが確
認された。
【0038】実施例27 シクロフォスファミド含有マイクロカプセルの調製 PLGA(組成比50/50(モル比)、重量平均分子
量57600)3.2gを塩化メチレン13.2gに溶
解して20%溶液とした。この溶液にシクロフォスファ
ミド0.8gを添加して溶解した。この溶液を予め調製
した1.57%ポリビニルアルコール、27.0%塩化
カルシウム水溶液23.2g中に添加して1分間プロペ
ラで撹拌し、O/W型エマルションを形成した。かかる
エマルションを2.6lの精製水に撹拌しながら添加
し、エマルション中の塩化メチレンを水相に抽出して揮
散し、マイクロカプセル化を行った。30分間撹拌後4
5〜250μmで篩過し、減圧乾燥後シクロフォスファ
ミド含有のマイクロカプセル(シクロフォスファミド含
有率17.2%(W/W))を得た。
【0039】試験例9 シクロフォスファミド含有マイクロカプセルの薬物動態
試験 実施例27で得られたシクロフォスファミド含有マイク
ロカプセルを試験例1と同じ注射用分散媒に懸濁し、ウ
サギ膝関節内に注射投与して(シクロフォスファミドと
して10mg)、滑膜及び周辺組織中の経時的なシクロフ
ォスファミド量を測定した。また対照として、市販の注
射剤(水溶液、シクロフォスファミドとして10mg)を
同様に注射投与した。結果を図12に示す。シクロフォ
スファミドの市販の注射剤では滑膜及びその周辺組織中
にシクロフォスファミドの存在が認められなかった。一
方実施例27のシクロフォスファミド含有マイクロカプ
セルは長期間にわたりシクロフォスファミドが存在して
おり、シクロフォスファミド含有マイクロカプセルは関
節内投与により、滑膜及びその周辺組織に付着または取
り込まれ、長期間にわたってシクロフォスファミドが放
出、残存することが確認された。
【0040】実施例28 D−ペニシラミン含有マイクロカプセルの調製 PLGA(組成比50/50(モル比)、重量平均分子
量57600)3.2gを塩化メチレン13.2gに溶
解して20%溶液とした。この溶液にD−ペニシラミン
0.8gを添加して懸濁した。この懸濁液を予め調製し
た1.57%ポリビニルアルコール、27.0%塩化カ
ルシウム水溶液23.2g中に添加して1分間プロペラ
で撹拌し、O/W型エマルションを形成した。このエマ
ルションを2.6lの精製水に撹拌しながら添加し、エ
マルション中の塩化メチレンを水相に抽出して揮散し、
マイクロカプセル化を行った。30分間撹拌後、45〜
250μmで篩過し、減圧乾燥後D−ペニシラミン含有
のマイクロカプセル(D−ペニシラミン含有率16.3
%(W/W))を得た。
【0041】実施例29(ヒアルロン酸ナトリウム含有
マイクロカプセルの調製) PLGA(組成比50/50(モル比)、重量平均分子
量178000)4.5gを塩化メチレン40.5gに
溶解し、この液に微粉砕したヒアルロン酸ナトリウム
(粘度平均分子量約100万、平均粒径5.08μm)
500mgを均一に懸濁させた。このヒアルロン酸懸濁液
をポリビニルアルコール・塩化カルシウム水溶液(ポリ
ビニルアルコール1.57%、塩化カルシウム27.0
%)76.4gにプロペラで攪拌(1000rpm)しな
がら加え乳化させた。次いでこの乳化液を精製水6.6
lにプロペラで攪拌(700rpm)しながら加え、30
分間攪拌してマイクロカプセルを生成させた。このマイ
クロカプセルを濾取し、精製水で洗浄したのち乾燥さ
せ、ヒアルロン酸含有マイクロカプセルを得た。得られ
たマイクロカプセルは平均粒径80μmの粉末でありヒ
アルロン酸ナトリウム含量は5.8%(W/W)であっ
た。
【0042】実施例30(蛍光標識ヒアルロン酸ナトリ
ウム含有マイクロカプセルの調製) 生体内に存在するヒアルロン酸ナトリウムと区別するた
め蛍光物質(フルオレッセンアミン)で標識したヒアル
ロン酸ナトリウム(粘度平均分子量約100万、平均粒
径5.01μm)を用い、実施例29と同様の方法によ
りマイクロカプセルを得た。PLGAは組成比50/5
0(モル比)、重量平均分子量10000のものを用い
た。蛍光標識ヒアルロン酸の含量は理論値が10%(W
/W)のものについて調製を行った結果マイクロカプセ
ルが得られ、実際の蛍光標識ヒアルロン酸含量は7.3
%(W/W)であった。
【0043】実施例31(蛍光標識ヒアルロン酸ナトリ
ウム含有マイクロカプセルの調製) PLGA(組成比50/50(モル比)、重量平均分子
量57600)0.9gをアセトン12gに溶解し、こ
の液に微粉砕した蛍光標識ヒアルロン酸(粘度平均分子
量約100万、平均粒径5.01μm)600mgを均一
に懸濁させた。この懸濁液を流動パラフィン70g中
へ、6℃の条件でプロペラで攪拌(1500rpm)しな
がら加え乳化させた。次いでこの乳化液を流動パラフィ
ン1500g中へ、35℃の条件でプロペラで攪拌(8
00rpm)しながら加え、60分間攪拌したのちマイク
ロカプセルを生成させた。このマイクロカプセルを濾取
し、n−ヘキサンで洗浄したのち乾燥させ、蛍光標識ヒ
アルロン酸含有マイクロカプセルを得た。得られたマイ
クロカプセルは平均粒径40μmの粉末であり、蛍光標
識ヒアルロン酸ナトリウム含量は40.2%(W/W)
であった。
【0044】試験例10(蛍光標識ヒアルロン酸ナトリ
ウム含有マイクロカプセルの放出試験) 実施例30及び31から得られたマイクロカプセル(蛍
光標識ヒアルロン酸2mg相当量)を精製水3ml中に入れ
経時的な溶出量を測定した。その結果をそれぞれ図13
に示す。その結果、蛍光標識ヒアルロン酸の含量の低い
マイクロカプセルの方が放出が遅いことが示唆された。
【0045】試験例11(蛍光標識ヒアルロン酸ナトリ
ウム含有マイクロカプセルの薬物動態試験) 実施例30及び31で調製したマイクロカプセル6mgを
試験例1と同じ注射用分散媒に懸濁させてウサギ膝関節
内に投与し、経時的に膝関節内に残存する蛍光標識ヒア
ルロン酸を定量し、in vivo での薬物滞留性を測定し
た。対照として蛍光標識ヒアルロン酸水溶液(1.0
%:W/V)3mgを投与した。結果を図14に示す。蛍
光標識ヒアルロン酸水溶液に比べ蛍光標識ヒアルロン酸
含有マイクロカプセルを投与した場合には、膝関節内で
の蛍光標識ヒアルロン酸量が持続し、in vitroでの放出
の遅い蛍光標識ヒアルロン酸含有マイクロカプセルを投
与した場合では、さらに長期にわたり蛍光標識ヒアルロ
ン酸量が持続している。したがってヒアルロン酸含有マ
イクロカプセルは、ヒアルロン酸の放出を制御すること
によりin vivo での持続期間を調節することができるこ
とが確認された。
【0046】実施例32(酢酸デキサメタゾン含有ゼラ
チンマイクロカプセルの調製) ゼラチン3.3gを精製水10mlに加え、70℃の条件
下でゼラチンを溶解させた。この液に酢酸デキサメタゾ
ン0.37gを加えよく分散させた後、予め70℃に加
温した流動パラフィン200ml中に加え、プロペラで5
分間攪拌しエマルションを形成させた。このエマルショ
ンをプロペラで攪拌しながら、5℃まで冷却し、マイク
ロカプセルを生成させた。30分間攪拌後マイクロカプ
セルを濾取し、n−ヘキサンで洗浄した。これを乾燥さ
せ、マイクロカプセルを得た。
【0047】実施例33(フルルビプロフェン含有マイ
クロカプセルの調製) PLGA(組成比50/50(モル比)、重量平均分子
量57600)2.25gを塩化メチレン20.25g
に溶解して10%溶液とした。この溶液にフルルビプロ
フェン0.25gを添加し溶解させた。この液を予め調
製した1%ポリビニルアルコール水溶液67gに添加
し、1分間プロペラで攪拌してO/W型エマルションを
形成した。このエマルションを精製水3750gに攪拌
しながら添加し、エマルション中の塩化メチレンを抽出
して揮散しマイクロカプセル化を行った。25℃で30
分間、35℃で60分間攪拌後、45〜250μmで篩
過し減圧乾燥後フルルビプロフェン含有マイクロカプセ
ル(フルルビプロフェン含有率8.2%(w/w))を
得た。
【0048】実施例34(フルルビプロフェン アキセ
チル含有マイクロカプセルの調製) PLGA(組成比50/50(モル比)、重量平均分子
量57600)2.25gを塩化メチレン20.25g
に溶解して10%溶液とした。この溶液にフルルビプロ
フェン アキセチル0.25gを添加し溶解させた。こ
の液を予め調製した1%ポリビニルアルコール水溶液6
7gに添加し、1分間プロペラで攪拌してO/W型エマ
ルションを形成した。このエマルションを精製水375
0gに攪拌しながら添加し、エマルション中の塩化メチ
レンを抽出して揮散しマイクロカプセル化を行った。2
5℃で30分間、35℃で60分間攪拌後、45〜25
0μmで篩過し減圧乾燥後フルルビプロフェン アキセ
チル含有マイクロカプセル(フルルビプロフェン アキ
セチル含有率10.3%(w/w))を得た。
【0049】
【発明の効果】本発明の関節疾患治療用関節内投与製剤
は、関節内に投与することにより、薬物を含むマイクロ
カプセルが滑膜及びその周辺組織に付着または取り込ま
れ、徐々に薬物を放出する。このため薬物の水溶液を投
与した場合に比べて長期間にわたり関節内に薬物が残留
し、滑膜組織の炎症及びそれにより起こる関節の疼痛、
機能低下に対して必要な期間薬効を持続することができ
る。さらに標的部位に移行する量が多いため、少量の投
与で薬効を発揮することができ、全身的な副作用を生じ
ることがほとんどない。
【図面の簡単な説明】
【図1】プロピオン酸ベクロメタゾン含有マイクロカプ
セル及びプロピオン酸ベクロメタゾン原末を膝関節内に
投与した場合の、滑膜及びその周辺組織中のプロピオン
酸ベクロメタゾン量を示したグラフである。
【図2】スプレードライ法により調製したプレドニゾロ
ン含有マイクロカプセルの、pH6.8リン酸緩衝液中に
おけるプレドニゾロンの放出曲線を示すグラフである。
【図3】リン酸デキサメタゾンナトリウム含有率の異な
るマイクロカプセルの、pH7.5リン酸緩衝液中におけ
るリン酸デキサメタゾンナトリウムの放出曲線を示すグ
ラフである。
【図4】分子量の異なる乳酸・グリコール酸コポリマー
を用いたリン酸デキサメタゾンナトリウム含有マイクロ
カプセルの、pH7.5リン酸緩衝液中における放出曲線
を示すグラフである。
【図5】組成比の異なる乳酸・グリコール酸コポリマー
を用いたリン酸デキサメタゾンナトリウム含有マイクロ
カプセルの、pH7.5リン酸緩衝液中における放出曲線
を示すグラフである。
【図6】リン酸デキサメタゾンナトリウム含有マイクロ
カプセル及びリン酸デキサメタゾンナトリウムの市販注
射剤をウサギの膝関節内に投与した場合の、滑膜及び周
辺組織中のリン酸デキサメタゾンナトリウム量を示した
グラフである。
【図7】ジクロフェナクナトリウム含有率の異なるマイ
クロカプセルの、pH7.5リン酸緩衝液中における放出
曲線を示すグラフである。
【図8】ジクロフェナクナトリウム含有マイクロカプセ
ルの、pH7.5リン酸緩衝液中における放出曲線を示す
グラフである。
【図9】ジクロフェナクナトリウム含有マイクロカプセ
ル及びジクロフェナクナトリウム生理食塩水溶液をウサ
ギの膝関節内に投与した場合の、滑膜及び周辺組織中の
ジクロフェナク量を示したグラフである。
【図10】メトトレキサート含有マイクロカプセルのpH
7.5のリン酸緩衝液中における放出曲線を示すグラフ
である。
【図11】メトトレキサート含有マイクロカプセル及び
メトトレキサートのpH7.5リン酸緩衝溶液をウサギの
膝関節内に投与した場合の、滑膜及び周辺組織中のメト
トレキサート量を示したグラフである。
【図12】シクロフォスファミド含有マイクロカプセル
及びシクロフォスファミドの市販注射剤をウサギの膝関
節内に投与した場合の、滑膜及び周辺組織中のシクロフ
ォスファミド量を示したグラフである。
【図13】蛍光標識ヒアルロン酸含有マイクロカプセル
の、水への放出曲線を示すグラフである。
【図14】蛍光標識ヒアルロン酸水溶液及び蛍光標識ヒ
アルロン酸含有マイクロカプセルをウサギの膝関節に投
与した場合の、膝関節内に残存する蛍光標識ヒアルロン
酸量を示すグラフである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/715 603 A61K 31/715 603 31/73 31/73 31/765 31/765 31/78 31/78 47/30 47/30 C (72)発明者 笠井 收一 千葉県成田市吾妻2−2−11−102 (72)発明者 今森 勝美 千葉県四街道市下志津新田2521−86

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体内分解性及び生体内適合性を有する
    高分子並びに薬物を含有するマイクロカプセルよりなる
    関節内投与製剤。
  2. 【請求項2】 マイクロカプセルの平均粒径が5〜53
    0μmである請求項1記載の関節内投与製剤。
  3. 【請求項3】 生体内分解性及び生体内適合性を有する
    高分子が、乳酸、グリコール酸、カプロラクトン、バレ
    ロラクトン、ブチロラクトン、アミノ酸、アルキルシア
    ノアクリレート及びヒドロキシブチレートからなる群よ
    り選ばれる1種または2種以上のモノマーのホモポリマ
    ーまたはコポリマー;アルブミン;ゼラチン;デンプ
    ン;カゼイン;並びにキトサンからなる群より選ばれる
    1種または2種以上である請求項1または2記載の関節
    内投与製剤。
  4. 【請求項4】 生体内分解性及び生体内適合性を有する
    高分子が、乳酸、グリコール酸、カプロラクトン、バレ
    ロラクトン、ブチロラクトン、アミノ酸、アルキルシア
    ノアクリレート及びヒドロキシブチレートからなる群よ
    り選ばれる1種または2種以上のモノマーのホモポリマ
    ーまたはコポリマー;並びにデンプンからなる群より選
    ばれる1種または2種以上である請求項1または2記載
    の関節内投与製剤。
  5. 【請求項5】 薬物がステロイド剤、非ステロイド抗炎
    症剤、抗リウマチ剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、関節機
    能改善剤である請求項1〜4のいずれか1項記載の関節
    内投与製剤。
  6. 【請求項6】 薬物が、デキサメタゾン、ヒドロコルチ
    ゾン、トリアムシノロン、ベタメタゾン、プレドニゾロ
    ン、メチルプレドニゾロン、ハロプレドン、ベクロメタ
    ゾン、デプロドン、ジクロフェナク、インドメタシン、
    イブプロフェン、ケトプロフェン、アスピリン、ジフル
    ニサル、フルフェナム酸、フロクタフェニン、トルフェ
    ナム酸、スリンダク、フェンブフェン、サリチル酸、ア
    セメタシン、プログルメタシン、ナブメトン、プロチジ
    ン酸、チアプロフェン、オキサプロジン、ロキソプロフ
    ェン、アルミノプロフェン、ザルトプロフェン、フルル
    ビプロフェン、フルルビプロフェン アキセチル、ピロ
    キシカム、テノキシカム、アンピロキシカム、メロキシ
    カム、D−ペニシラミン、ブシラミン、金チオリンゴ
    酸、オーラノフィン、ロベンザリット、サラゾスルファ
    ピリジン、メトトレキセート、シクロフォスファミド、
    アザチオプリン、ミゾリビン、シクロスポリン、ヒアル
    ロン酸及びこれらの塩からなる群より選ばれる1種また
    は2種以上である請求項1〜5のいずれか1項記載の関
    節内投与製剤。
  7. 【請求項7】 薬物の含有率が1〜80重量%である請
    求項1〜6のいずれか1項記載の関節内投与製剤。
  8. 【請求項8】 投与剤型が注射剤である請求項1〜7の
    いずれか1項記載の関節内投与製剤。
  9. 【請求項9】 ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸及び
    これらの塩から選ばれる1種または2種以上を含有する
    マイクロカプセル用分散媒に懸濁して使用されるもので
    ある請求項8記載の関節内投与製剤。
JP29338598A 1997-10-27 1998-10-15 関節疾患治療用関節内投与製剤 Pending JPH11222425A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29338598A JPH11222425A (ja) 1997-10-27 1998-10-15 関節疾患治療用関節内投与製剤

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-294009 1997-10-27
JP29400997 1997-10-27
JP29338598A JPH11222425A (ja) 1997-10-27 1998-10-15 関節疾患治療用関節内投与製剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11222425A true JPH11222425A (ja) 1999-08-17

Family

ID=26559388

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29338598A Pending JPH11222425A (ja) 1997-10-27 1998-10-15 関節疾患治療用関節内投与製剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11222425A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030046810A (ko) * 2001-12-06 2003-06-18 은삼제약 주식회사 콘드로이친 황산의 분해산물을 포함하는 관절염 예방 또는치료용 약학적 조성물
WO2005085294A1 (ja) * 2004-03-05 2005-09-15 Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha ヒアルロン酸−メトトレキサート結合体
WO2005095464A1 (ja) * 2004-04-02 2005-10-13 Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha ヒアルロン酸-メトトレキサート結合体
JP2007512337A (ja) * 2003-11-21 2007-05-17 コンビナトアールエックス インコーポレーティッド 炎症性障害の治療のための方法および試薬
JP2008174510A (ja) * 2007-01-19 2008-07-31 Kyushu Univ 多糖質微粒子及び多糖質微粒子の製造方法
JP2008542316A (ja) * 2005-06-02 2008-11-27 バイエル・ヘルスケア・アクチェンゲゼルシャフト o−アセチルサリチル酸の塩基性アミノ酸との塩およびグリシンの安定な活性化合物複合体
JP2013535489A (ja) * 2010-08-04 2013-09-12 フレクシオン セラピューティックス インコーポレイテッド 関節痛の治療のためのコルチコステロイド
WO2015147018A1 (ja) * 2014-03-28 2015-10-01 テルモ株式会社 炎症性自己免疫疾患治療用の注射用水性製剤
CN116687869A (zh) * 2023-06-08 2023-09-05 广东省第二人民医院(广东省卫生应急医院) 一种双载体的氟比洛芬酯纳米载药材料及其制备方法

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030046810A (ko) * 2001-12-06 2003-06-18 은삼제약 주식회사 콘드로이친 황산의 분해산물을 포함하는 관절염 예방 또는치료용 약학적 조성물
JP2007512337A (ja) * 2003-11-21 2007-05-17 コンビナトアールエックス インコーポレーティッド 炎症性障害の治療のための方法および試薬
AU2005219733B2 (en) * 2004-03-05 2010-05-06 Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha Hyaluronic acid-methotrexate conjugate
WO2005085294A1 (ja) * 2004-03-05 2005-09-15 Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha ヒアルロン酸−メトトレキサート結合体
JP4927536B2 (ja) * 2004-03-05 2012-05-09 電気化学工業株式会社 ヒアルロン酸−メトトレキサート結合体
JPWO2005085294A1 (ja) * 2004-03-05 2007-12-13 電気化学工業株式会社 ヒアルロン酸−メトトレキサート結合体
US8088916B2 (en) 2004-03-05 2012-01-03 Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha Hyaluronic acid-methotrexate conjugate
AU2005219733C1 (en) * 2004-03-05 2010-12-16 Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha Hyaluronic acid-methotrexate conjugate
JPWO2005095464A1 (ja) * 2004-04-02 2008-02-21 電気化学工業株式会社 ヒアルロン酸−メトトレキサート結合体
WO2005095464A1 (ja) * 2004-04-02 2005-10-13 Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha ヒアルロン酸-メトトレキサート結合体
JP5001645B2 (ja) * 2004-04-02 2012-08-15 電気化学工業株式会社 ヒアルロン酸−メトトレキサート結合体
JP2008542316A (ja) * 2005-06-02 2008-11-27 バイエル・ヘルスケア・アクチェンゲゼルシャフト o−アセチルサリチル酸の塩基性アミノ酸との塩およびグリシンの安定な活性化合物複合体
JP2008174510A (ja) * 2007-01-19 2008-07-31 Kyushu Univ 多糖質微粒子及び多糖質微粒子の製造方法
JP2013535489A (ja) * 2010-08-04 2013-09-12 フレクシオン セラピューティックス インコーポレイテッド 関節痛の治療のためのコルチコステロイド
JP2016028070A (ja) * 2010-08-04 2016-02-25 フレクシオン セラピューティックス インコーポレイテッド 関節痛の治療のためのコルチコステロイド
US9949987B2 (en) 2010-08-04 2018-04-24 Flexion Therapeutics, Inc. Corticosteroids for the treatment of joint pain
US10624905B2 (en) 2010-08-04 2020-04-21 Flexion Therapeutics, Inc. Corticosteroids for the treatment of joint pain
WO2015147018A1 (ja) * 2014-03-28 2015-10-01 テルモ株式会社 炎症性自己免疫疾患治療用の注射用水性製剤
JPWO2015147018A1 (ja) * 2014-03-28 2017-04-13 テルモ株式会社 炎症性自己免疫疾患治療用の注射用水性製剤
CN116687869A (zh) * 2023-06-08 2023-09-05 广东省第二人民医院(广东省卫生应急医院) 一种双载体的氟比洛芬酯纳米载药材料及其制备方法
CN116687869B (zh) * 2023-06-08 2024-03-22 广东省第二人民医院(广东省卫生应急医院) 一种双载体的氟比洛芬酯纳米载药材料及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW577758B (en) Intra-articular preparation for the treatment of arthropathy
JP4234803B2 (ja) 薬物放出速度が制御された医薬組成物
US4650665A (en) Controlled release of pharmacologically active agents from an absorbable biologically compatible putty-like composition
JP2571874B2 (ja) タンパク質マイクロスフェア組成物
AU725460B2 (en) Chitosan-gelatin A microparticles
US4568536A (en) Controlled release of pharmacologically active agents from an absorbable biologically compatible putty-like composition
JP3941878B2 (ja) 生物分解性放出制御溶融紡糸デリバリーシステム
US5900408A (en) Methods of creating a unique chitosan and employing the same to form complexes with drugs, delivery of the same within a patient and a related dosage form
JP2000511941A (ja) 関節間隙および身体間隙における持効性麻酔
JPH07145045A (ja) 経口投与用薬物の微細カプセル化方法
JP4272811B2 (ja) 関節内疾患治療用のナノカプセル製剤
PT1317254E (pt) Disperção de partículas de libertação prolongadaa
JPH11222425A (ja) 関節疾患治療用関節内投与製剤
US11382862B2 (en) Gel for treating periocular and/or orbital pathologies and conditions
JP2000509403A (ja) 不溶性活性成分の持続放出のための製薬組成物
JPH0436233A (ja) 生理活性物質含有生体内分解吸収性の徐放性製剤
ES2284211T3 (es) Sistema multifasico.
GB1573459A (en) Absorbable polymer drug compositions
Puthli et al. Gamma irradiated micro system for long-term parenteral contraception: an alternative to synthetic polymers
JPH04208217A (ja) 徐放性製剤およびその製造方法
JP3442866B2 (ja) 難水溶性薬物含有徐放性製剤
CN101822636A (zh) 可注射雌三醇缓控释给药系统
Poudyal et al. Microspheres for local drug delivery in bone joints
Verma et al. RecentAdvances in Microspheres Technology for Drug Delivery
WO2024089046A1 (en) Dosage form for intra-articular injection comprising colchicine and an anesthesic agent in the treatment of crystal-and non-crystal associated acute inflammatory arthritis

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20050401

A521 Written amendment

Effective date: 20050414

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20050517

A711 Notification of change in applicant

Effective date: 20070413

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081216

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090407