JPH11222256A - ポリエチレン結束テープ及びその製造方法 - Google Patents

ポリエチレン結束テープ及びその製造方法

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JPH11222256A
JPH11222256A JP10023501A JP2350198A JPH11222256A JP H11222256 A JPH11222256 A JP H11222256A JP 10023501 A JP10023501 A JP 10023501A JP 2350198 A JP2350198 A JP 2350198A JP H11222256 A JPH11222256 A JP H11222256A
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Japan
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polyethylene
tape
weight
stretching
density polyethylene
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Application number
JP10023501A
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English (en)
Inventor
Masanori Nakamura
雅則 中村
Kazuhiro Noguchi
和裕 野口
Masanori Hirata
昌徳 平田
Takao Ito
孝雄 伊東
Norihiro Ishizaka
憲弘 石坂
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Sekisui Chemical Co Ltd
Sekisui Seikei Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Sekisui Seikei Ltd
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Filing date
Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リサイクル性に優れ、捻り保持力に優れたポ
リエチレン結束テープ及びその製造方法を得る。 【解決手段】 重量平均分子量50万以下の高密度ポリ
エチレンを主体とするシートを10倍以上に一軸延伸し
て得られたテープ状物よりなるポリエチレン結束テー
プ、並びに重量平均分子量50万以下の高密度ポリエチ
レンを主体とするシートを圧延し、圧延されたシートを
延伸し、圧延及び延伸を経て総延伸倍率10倍以上に一
軸延伸するポリエチレン結束テープの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の部分や部材
を結束するのに用いられる結束テープ及びその製造方法
に関し、より詳細には、手で容易に捻ることにより結束
することができるポリエチレン結束テープ及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複数の部分や部材を結束するの
に、手で容易に捻ることにより結束し得る結束テープが
用いられている。この種の結束テープとしては、金属線
の外表面を塩化ビニル樹脂やポリエチレンテレフタレー
ト樹脂などで被覆したものが市販されている。この結束
テープは、金属線の形状保持性、すなわち手で曲げた際
に曲げられた形状をそのまま保持する性質を利用してい
る。
【0003】しかしながら、金属線を主体とするためリ
サイクル性が低かった。さらに、農場等で使用された場
合には、家畜が誤って結束テープを食べ、消化器障害等
を引き起こすおそれがあった。
【0004】他方、上述した金属線を用いた結束テープ
に代わるものとして、合成樹脂を主体とするものが提案
されている。例えば、特開平3−124573号公報に
は、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリア
ミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレ
フタレートなどの1種または2種以上からなる結晶性熱
可塑性合成樹脂と、粒径が60μm以下の微粒子ガラス
ビーズとを混合してなる組成物により構成された無芯ツ
イストタイが開示されている。ここでは、金属線に代え
て、上記微粒子ガラスビーズを用いることにより、手で
捻った際の捻り保持性が付与されている。
【0005】しかしながら、ガラスビーズを用いている
ため、やはりリサイクル性に問題があり、かつ押出機か
ら押出成形する場合、スクリューがガラスビーズにより
磨耗するといった問題もあった。さらに、ガラスビーズ
を結晶性熱可塑性合成樹脂に加えて捻り保持性を与えて
いるが、捻り保持性は、金属線を用いた従来の結束テー
プに比べて必ずしも十分なものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来の結束テープの欠点を解消し、リサイクル性に
優れ、かつ手で捻った際に十分な捻り保持性を発揮し得
る結束テープ及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係るポリエチレン結束テープは、重量平均分子量50万
以下の高密度ポリエチレンを主体とするシートを10倍
以上に一軸延伸して得られたテープ状物よりなることを
特徴とする。
【0008】請求項2に記載の発明は、上記高密度ポリ
エチレン100重量部に対し、他のポリオレフィンが3
0重量部以下の割合で含有されていることを特徴とす
る。請求項3に記載の発明は、上記高密度ポリエチレン
100重量部に対し、10〜80重量部の割合で軟質成
分が含まれていることを特徴とする。
【0009】請求項4に記載の発明では、ポリエチレン
結束テープの少なくとも片面に、軟質樹脂よりなる被覆
層が形成されている。請求項5に記載の発明に係るポリ
エチレン結束テープの製造方法は、重量平均分子量50
万以下の高密度ポリエチレンを主体とするシートを圧延
する工程と、圧延されたシートを延伸する工程とを備
え、前記圧延工程及び延伸工程を経て総延伸倍率10倍
以上に一軸延伸することを特徴とする。
【0010】請求項6に記載の発明では、上記延伸工程
後に、延伸されたシートの少なくとも片面に軟質樹脂が
ラミネートされ、該軟質樹脂よりなる被覆層が形成され
る。以下、本発明の詳細を説明する。
【0011】(結束テープ構成材料)本発明において
は、重量平均分子量50万以下の高密度ポリエチレンを
主体とするシートが用いられる。すなわち、本願発明者
らは、高密度ポリエチレンを高倍率に延伸したテープ状
物が、曲げられた際にその形状を保持し得ることを見出
し、この種のテープ状物を結束テープとして用い得るの
ではないかと考え、本発明をなすに至った。
【0012】なお、同じポリオレフィンであっても、ポ
リプロピレンでは、上記形状保持性はかなり劣り、低密
度ポリエチレンでは剛性が不足するため、やはり十分な
形状保持性を発揮させ難い。
【0013】本発明において用いられる高密度ポリエチ
レンにおいては、その密度が小さいと、延伸を行っても
強度及び弾性率の向上をあまり望めなく、十分な捻り保
持性を発揮し得ないことがある。従って、上記高密度ポ
リエチレンの密度は、0.94g/cm3 以上であるこ
とが好ましい。
【0014】高密度ポリエチレンの重量平均分子量は5
0万以下であることが必要である。重量平均分子量が5
0万を超えると、溶媒等を用いない通常の延伸方法では
ポリエチレンの延伸性が低下し、十分な捻り保持性を与
えることができなくなる。より好ましくは、重量平均分
子量35万以下の高密度ポリエチレンを用いることが望
ましい。
【0015】また、分子量に関連する指標値としてのメ
ルトインデックス(MI)については、特に限定される
わけではないが、上記高密度ポリエチレンのMIは、好
ましくは0.1〜20、より好ましくは0.9〜10の
範囲である。MIが0.1より小さいと、押出機の成形
に負担が掛かることがあり、また20より大きくなると
成形が困難となることがある。
【0016】本発明においては、上記高密度ポリエチレ
ンを単独で用いてもよいが、他のポリオレフィンを高密
度ポリエチレン100重量部に対し30重量部以下の割
合で混入させてもよい。併用される他のポリオレフィン
としては、例えば、低密度ポリエチレン、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニルなどを挙げることが
できる。
【0017】また、好ましくは、上記高密度ポリエチレ
ンに対し、軟質成分を添加することが望ましい。この軟
質成分としては、特に限定されるわけではないが、引張
弾性率が5000kg/cm2 以下の軟らかい樹脂、例
えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニルな
どを好適に用いることができる。これらの軟質成分とし
ての樹脂は、本発明に係るポリエチレン結束テープを捻
った際に、捻り部を固定する作用を発揮する。引張弾性
率が5000kg/cm2 を超えると、軟質成分を添加
した結束テープの弾性が強くなりすぎ、捻り性を損ねる
おそれがある。
【0018】上記軟質成分としては、上述した樹脂に限
定されるものではなく、タッキファイヤのような低分子
化合物を用いてもよい。この種のタッキファイヤとして
は、ロジン系、テルペン系、石油樹脂系、脂肪族飽和炭
化水素系、脂環族飽和炭化水素系などの公知のタッキフ
ァイヤを用いることができるが、ポリエチレンとの相溶
性や色の問題を考慮すると、脂環族飽和炭化水素樹脂系
タッキファイヤを用いることが好ましい。
【0019】上記軟質成分の添加量については、高密度
ポリエチレン樹脂100重量部に対し、10〜80重量
部とすることが好ましく、より好ましくは20〜50重
量部である。軟質成分の配合割合が10重量部未満で
は、上述した捻った部分を固定する作用が十分に得られ
ないことがあり、80重量部を超えると、逆に曲げた際
の形状保持性が損なわれるおそれがある。
【0020】(ポリエチレン結束テープの製造方法)次
に、本発明に係るポリエチレン結束テープの製造方法を
より具体的に説明する。なお、以下においては、ポリエ
チレン結束テープ構成材料として、高密度ポリエチレン
のみを用いた場合を例にとり説明するが、以下の説明に
おける高密度ポリエチレンに代えて、上述した高密度ポ
リエチレンと他のポリオレフィンとの混合物、あるいは
高密度ポリエチレンと軟質成分との混合物を用いてもよ
い。
【0021】高密度ポリエチレンを押出機などで溶融成
形する場合、その溶融温度については、130℃以上、
より好ましくは150℃以上である。溶融温度が130
℃未満の場合には、高密度ポリエチレンの溶融が不完全
となり、押出機などの成形機に負担が掛かることがあ
る。また、あまり高温で溶融成形すると、ポリエチレン
が分解し、変色したり、分子量の低下に伴う強度低下な
どを招くおそれがある。従って、溶融温度は、実質的に
は、250℃以下とすることが望ましい。
【0022】なお、高密度ポリエチレンを成形して原反
シートを得るに際し、その製造方法については押出成形
に限定されず、ロール成形やカレンダー成形等の適宜の
成形方法を用いることができる。また、原反シートの厚
みについては、特に限定されるわけではないが、2〜5
mmの範囲とすることが望ましい。2mm未満では、延
伸後のシート厚みが薄くなりすぎ、十分な捻り保持性を
有する結束テープを得ることが困難となり、5mmを超
えると、以後の延伸等が困難となる。
【0023】上記のようにして得た原反シートは比較的
厚いため、延伸に先立ち、圧延処理を施すことが好まし
い。圧延処理は、一対の互いに反対方向に回転する圧延
ロール間のクリアランスを、原反シートの厚みより狭く
し、該一対の圧延ロール間のクリアランスに原反シート
を挿入し、シートの厚みを減少させると共に、長さ方向
に伸張することにより行われる。
【0024】圧延に際しての原反シートの温度が低すぎ
ると、圧下力が大きいため、均一な圧延が困難となるこ
とがあり、原反シートの温度が高すぎると原反シートが
圧延中に溶融切れすることがある。従って、圧延に際し
ての原反シートの温度は、70〜125℃とすることが
好ましく、より好ましくは、90〜120℃とされる。
【0025】圧延倍率が低すぎると、圧延の効果を期待
することができないだけでなく、後の延伸工程に負担が
掛かることになる。逆に、圧延倍率が高すぎると、圧下
力が大きくなり、均一な圧延が困難となるだけでなく、
圧延後のシート厚みが薄くなりすぎ、後で行われる延伸
工程中にシートが切断するおそれがある。従って、圧延
倍率は、2〜10倍とすることが好ましい。なお、圧延
倍率とは、次式により定義される値である。
【0026】圧延倍率=(原反シートの厚み)/(原反
シートの圧延後の厚み) 圧延したシートを延伸するに際しては、通常の一軸延伸
法が用いられる。一軸延伸法とは、速度の異なる二対の
ピンチロール間に圧延されたシートを挟み、シートを加
熱した状態でその長さ方向に引っ張ることにより、一軸
方向のみに強く配向させる延伸方法である。この場合、
引取り側のロールと繰出し側のロールの回転速度比が延
伸倍率となる。この場合、延伸倍率は、後述の総延伸倍
率を10倍以上とするように、前述した圧延倍率を考慮
して2〜10倍の範囲で適宜設定される。
【0027】圧延倍率と延伸倍率の積が、本発明におけ
る総延伸倍率である。この総延伸倍率は、10倍以上と
することが必要であり、好ましくは15倍以上とされ
る。総延伸倍率が10倍未満では、得られた延伸テープ
を捻った際に、戻ろうとする弾性が強くなり、十分な性
能を発揮し得る結束テープを得ることができなくなる。
【0028】なお、総延伸倍率の上限については、特に
限定されるわけではないが、40倍、より好ましくは3
0倍である。総延伸倍率が40倍を超えると、シートの
厚みが薄くなりすぎ、得られる結束テープの捻り保持性
が逆に損なわれることがある。
【0029】延伸時のシートの温度については、70〜
120℃の範囲で設定することが好ましい。70℃未
満、あるいは120℃を超える温度では、延伸切れを起
こしやすくなる。
【0030】上記のようにして延伸することにより、テ
ープ状物が得られるが、この場合テープ状物の幅が大き
すぎる場合には、結束テープに適した幅に切断してもよ
い。また、上記のようにして得られた延伸後のテープ状
物の厚みについては、特に限定されるわけではないが、
好ましくは150〜500μmの範囲とされる。150
μm未満では捻り保持性が十分とならないことがあり、
500μmを超えると、捻り性を損なうおそれがある。
また、延伸後に厚みを150μm以上とするには、前述
したように、原反シートの厚みは2mm以上とすること
が望ましい。
【0031】また、本テープ状物を複数枚積層接着して
厚みを確保する方法を用いてもよい。さらに、テープの
断面形状についても特に限定されない。なお、上記延伸
処理後のテープ状物には、必要に応じて架橋処理を施し
てもよい。架橋処理により、テープの耐熱性を高めるこ
とができる。
【0032】架橋方法については、過酸化物による化学
架橋法、紫外線を照射する架橋方法、電子線を照射する
架橋方法などを適宜用いることができ、特に限定される
ものではない。
【0033】架橋度の指標については、通常、120℃
の熱キシレンに架橋テープを24時間浸漬した後の不溶
な残渣ゲル重量のキシレン浸漬前のテープ重量に対する
重量%、すなわちゲル分率で評価されるが、本発明にお
いては、架橋度は、ゲル分率20%以上とすることが好
ましく、より好ましくは50%以上である。ゲル分率が
20%未満では、高温時の捻り保持力が不足することが
ある。
【0034】(被覆層)本発明においては、好ましく
は、上記のようにして得られたテープ状物からなるポリ
エチレン結束テープの少なくとも片面に、軟質樹脂より
なる被覆層が形成される。この被覆層の形成は、延伸に
よりテープ状物を得た後、テープ状物の表面に軟質樹脂
をラミネートすることにより行われる。軟質樹脂よりな
る被覆層を形成することにより、結束テープ表面の摩擦
性が高められ、結束テープを捻った際の捻った状態の保
持性が著しく高められる。
【0035】被覆方法については、特に限定されず、ド
ライラミネートや押出ラミネート法などを用いることが
できる。また、被覆に先立ち、延伸により得られたテー
プ状物表面にエンボス加工を施し、それによって被覆層
とテープ状物との密着強度を高めてもよい。
【0036】被覆層を形成する際の材料温度について
は、特に限定されるわけではないが、好ましくは、11
0〜130℃の範囲とされる。110℃未満では、軟質
樹脂のテープ状物への接着性が十分でないことがあり、
130℃を超えると延伸されたテープ状物が融解し、捻
り保持性を損なうおそれがある。
【0037】軟質樹脂よりなる被覆層の厚みについて
も、特に限定されるわけではないが、好ましくは1〜1
00μm、より好ましくは5〜30μmとされる。被覆
層の厚みが1μm未満の場合には、このような薄い厚み
の被覆層を高精度に形成することが工程上困難であり、
100μmを超えると、被覆層の弾性により、捻った際
にその形状を保持することが困難となるおそれがある。
【0038】(作用)請求項1に記載の発明に係るポリ
エチレン結束テープでは、重量平均分子量50万以下の
高密度ポリエチレンを主体とするシートを10倍以上に
一軸延伸することにより、捻った際の形状保持性が著し
く高められる。すなわち、他のポリオレフィンに比べ、
上記高密度ポリエチレンを高倍率延伸することにより得
られたテープ状物は、適度な剛性を有し、手により容易
に捻ることができ、かつ捻られた形状が確実に維持され
る。従って、手で容易に捻ることができ、形状保持性に
優れた結束テープを得ることができる。
【0039】また、高密度ポリエチレン100重量部に
対し、30重量部以下の割合で他のポリオレフィンを配
合した場合にも、同様に、適度な剛性を有し、手で容易
に捻ることができ、かつ捻られた形状が確実に保持され
る。
【0040】さらに、高密度ポリエチレン100重量部
に対し、10〜80重量部の割合で軟質成分を含むよう
に構成した場合には、軟質成分により捻られた形状の保
持性がより一層高められる。
【0041】同様に、少なくとも片面に軟質樹脂よりな
る被覆層を形成した場合には、結束テープ表面の摩擦性
が高められ、捻られた状態の形状保持性が一層高められ
る。本発明に係るポリエチレン結束テープの製造方法で
は、重量平均分子量50万未満の高密度ポリエチレンを
主体とするシートを圧延し、次に延伸し、総延伸倍率1
0倍以上に一軸延伸するため、請求項1に記載の発明の
ように、適度な剛性を有し、かつ手で容易に捻ることが
でき、捻られた際の形状保持性が高められたポリエチレ
ン結束テープを得ることができる。
【0042】さらに、請求項6に記載の発明では、上記
延伸工程後に、軟質樹脂をシートの少なくとも片面にラ
ミネートすることにより軟質樹脂よりなる被覆層を容易
に形成することができ、それによってテープ表面の摩擦
性を高めることにより、捻られた状態の形状保持性を一
層高めることができる。
【0043】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を説明する
ことにより、本発明をより具体的に説明する。
【0044】(実施例1)重量平均分子量3.3×10
5 、メルトインデックス(MI)=1.0、融点135
℃の高密度ポリエチレン(日本ポリケム社製、グレー
ド:HY540)を、同方向2軸混練押出機(池貝鉄鋼
社製、品番:PCM30)を用いて、樹脂温度約200
℃で溶融混練し、ロール温度90℃に制御されたカレン
ダー成形機にて、幅70mm×厚さ2.5mmのシート
に成形し、巻き取った。しかる後、巻き取られたシート
を繰り出し、120℃に加熱された熱ロール(小平製作
所製、直径15.24cm)を用いて9倍に圧延した。
【0045】次に、熱風加熱式二段延伸機を用い、一段
目の延伸倍率を1.8倍、二段目の延伸倍率を1.6倍
とし、合計延伸倍率2.9倍となるように100℃の延
伸温度で一軸延伸した。
【0046】上記圧延工程及び延伸工程を合わせた総延
伸倍率は約26倍であり、延伸後のテープ状物は、幅3
5mm×厚さ200μmであり、平滑な表面性を有して
いた。このテープ状物を、幅4mmにスリットし、実施
例1のポリエチレン結束テープとした。
【0047】(実施例2)高密度ポリエチレン(日本ポ
リケム社製、グレード:HY540)100重量部に、
ベンゾフェノンを2重量部配合し、この混合物を同方向
2軸混練押出機に供給し、以下実施例1と同様にして、
幅4mmに切断された延伸テープを得た。
【0048】上記延伸テープに対し、出力120W/c
mの高圧水銀灯を用い、延伸テープに対する距離を50
mmに保ち、1秒間紫外線を照射し、架橋し、ポリエチ
レン結束テープとした。
【0049】架橋度を120℃のキシレン中で24時間
溶解処理を行った場合の非溶解分の溶解前重量に対する
重量百分率(ゲル分率)で評価したところ、60%であ
った。
【0050】(実施例3)高密度ポリエチレン(日本ポ
リケム社製、グレード:HY540)100重量部に対
し、タッキファイヤ(荒川化学社製、商品名:アルコン
P−100、脂環族飽和炭化水素樹脂系)30重量部を
配合し、この配合物を原料としたことを除いては、実施
例1と同様にしてポリエチレン結束テープを得た。
【0051】(実施例4)実施例1で得た結束テープの
両面に、厚み20μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体
(三菱化学社製、グレード:X−501)フィルムを1
00℃の熱プレスを用いてラミネート接合し、実施例4
のポリエチレン結束テープを得た。
【0052】(比較例1)実施例1において、圧延倍率
を5倍、延伸工程における延伸倍率を1.6倍とし、総
延伸倍率を8倍としたことを除いては、実施例1と同様
にしてポリエチレン結束テープを得た。
【0053】(比較例2)重量平均分子量2.0×10
5 、MI=2.0、密度=0.923の低密度ポリエチ
レン(日本ポリケム社製、グレード:LE425)を、
同方向2軸混練押出機(池貝鉄鋼社製、品番:PCM3
0)を用いて、樹脂温度200℃で溶融混練し、ロール
温度70℃に制御されたカレンダー成形機を用い、幅7
0mm×厚さ2.5mmのシートに成形し、巻き取っ
た。巻き取られたシートを繰り出し、80℃に加熱され
た熱ロール(小平製作所製、直径15.24cm)を用
い、7倍に圧延した。
【0054】次に、熱風加熱式二段延伸機を用い、一段
目の延伸倍率を1.6倍、二段目の延伸倍率を1.4倍
とし、合計延伸倍率2.2倍で一軸延伸を、100℃の
温度で行った。
【0055】圧延工程及び延伸工程を合わせた総延伸倍
率は、約16倍であり、延伸後のシート寸法は、幅45
mm×厚み280μmであり、平滑な表面性を有してい
た。上記シートを幅4mmにスリットし、比較例2のポ
リエチレン結束テープとした。
【0056】(比較例3)重量平均分子量1.5×10
5 、MI=7.0、密度=0.90、融点165℃のポ
リプロピレン(日本ポリケム社製、グレード:FX4)
を、同方向2軸混練押出機(池貝鉄鋼社製、品番:PC
M30)を用い、樹脂温度約200℃で溶融混練し、ロ
ール温度90℃に制御されたカレンダー成形機を用い
て、幅70mm×厚さ2.5mmのシートに成形し、巻
き取った。
【0057】巻き取られたシートを繰り出し、145℃
に加熱された熱ロール(小平製作所製、直径15.24
cm)を用い、9倍に圧延した。次に、熱風加熱式二段
延伸機を用い、一段目の延伸倍率を1.8倍、二段目の
延伸倍率を1.6倍とし、合計延伸倍率2.9倍の一軸
延伸を、延伸温度160℃で行った。
【0058】圧延工程及び延伸工程を合わせた総延伸倍
率は約26倍であり、延伸後のシート寸法は、幅35m
m×厚み200μmであり、平滑な表面性を有してい
た。上記のようにして得た延伸シートを幅4mmにスリ
ットし、比較例3のポリエチレン結束テープとした。
【0059】(評価)上記のようにして得た実施例1〜
4及び比較例1〜3の各ポリエチレン結束テープにつ
き、以下の要領で捻り性の評価及び捻り保持力の測
定を行った。結果を下記の表1に示す。
【0060】捻り性の評価…結束テープの片面を内側
として、図1に示すように、結束テープ1を直角に折り
曲げ、しかる後、力を開放した。次に、図1の右側に示
すように、折り曲げられた結束テープ1の内角θを測定
した。捻り性が良い場合、すなわち弾性による戻りがな
い場合には、内角θは90°に近くなると考えられ、逆
に弾性による戻りが強い場合には、内角θは180°に
近くなると考えられる。
【0061】捻り保持力の測定…図2に示すように、
端部2a,2a側が90°に曲げられた直径4mmの鉄
製の丸棒2,2を用意し、90°に折り曲げられた端部
2a,2aを近接し、結束テープ1を用いて固定した。
すなわち、結束テープ1を端部2a,2bを接触させた
部分の外側に巻回し、結束テープ1の一対の自由端を手
で捻り、固定した。この場合の結束テープ1の捻り回数
は、180°捻る操作を1回の捻り操作とし、計2.5
回手で捻ることにより行った。
【0062】しかる後、捻り固定された棒2,2を図2
の矢印A,A方向、すなわち互いに遠ざかる方向に10
0mm/分の速度で移動させ、結束テープ1による固定
が解ける際の最大強度を、捻り保持力として評価した。
また、同様に、高温時における捻り保持力を評価するた
めに、上記測定を100℃で行った。
【0063】
【表1】
【0064】表1から明らかなように、比較例2では、
低密度ポリエチレンを用いたためか、比較例3では弾性
回復力が強いポリプロピレンを用いたためか、常温にお
ける捻り保持力が0.8kg以下と小さかったのに対
し、実施例1〜4では、重量平均分子量50万未満の高
密度ポリエチレンを主体とするシートを延伸したものを
用いたためか、常温における捻り保持力が1.1kg以
上と高く、捻り性においても十分な値を示すことがわか
った。また、実施例2では、架橋処理を施したためか、
高温下における捻り保持力が高められている。
【0065】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るポリエチレ
ン結束テープでは、重量平均分子量50万以下の高密度
ポリエチレンを主体とするシートを10倍以上に延伸し
て得られたテープ状物を用いているため、適度な剛性を
有し、手で容易に捻ることができ、かつ捻られた形状が
確実に保持される。従って、従来の金属線を主体とした
結束テープと同様に、手で容易に捻ることができ、複数
の部材や部品を用意に結束することができる。
【0066】しかも、金属線やガラスビーズを用いず、
合成樹脂を主体として用いるため、リサイクル性におい
ても優れている。また、ガラスビーズを含む従来の結束
テープでは、成形に際し押出機のスクリューの磨耗等の
問題があったのに対し、本発明に係るポリエチレン結束
テープは、ガラスビーズを含まないため、成形機への負
担も軽減することができる。
【0067】本発明に係るポリエチレン結束テープの製
造方法では、重量平均分子量50万以下の高密度ポリエ
チレンを主体とするシートを圧延し、圧延されたシート
を延伸し、圧延工程及び延伸工程を経て総延伸倍率10
倍以上に一軸延伸するため、リサイクル性に優れ、捻っ
た際の形状保持性に優れた本発明に係るポリエチレン結
束テープを容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例のポリエチレン結束テープの
捻り性を評価する際の評価方法を説明するための略図的
断面図。
【図2】実施例及び比較例のポリエチレン結束テープの
捻り保持力を測定する方法を説明するための側面図。
【符号の説明】
1…ポリエチレン結束テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 23/04 C08L 23/04 //(C08L 23/04 23:08) (C08L 23/04 31:04) (C08L 23/04 93:04) (C08L 23/04 91:00) (C08L 23/04 57:02) B29K 23:00 B29L 28:00 C08L 23:04 (72)発明者 平田 昌徳 京都市南区上鳥羽上調子町2−2 積水化 学工業株式会社内 (72)発明者 伊東 孝雄 大阪市北区堂島浜2丁目1番9号 積水成 型工業株式会社内 (72)発明者 石坂 憲弘 大阪市北区堂島浜2丁目1番9号 積水成 型工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量50万以下の高密度ポリ
    エチレンを主体とするシートを10倍以上に一軸延伸し
    て得られたテープ状物よりなることを特徴とするポリエ
    チレン結束テープ。
  2. 【請求項2】 前記高密度ポリエチレン100重量部に
    対し、他のポリオレフィンを30重量部以下の割合で含
    むことを特徴とする請求項1に記載のポリエチレン結束
    テープ。
  3. 【請求項3】 前記高密度ポリエチレン100重量部に
    対し、10〜80重量部の割合で軟質成分を含むことを
    特徴とする請求項1または2に記載のポリエチレン結束
    テープ。
  4. 【請求項4】 少なくとも片面に軟質樹脂よりなる被覆
    層が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載のポリエチレン結束テープ。
  5. 【請求項5】 重量平均分子量50万以下の高密度ポリ
    エチレンを主体とするシートを圧延する工程と、 圧延されたシートを延伸する工程とを備え、 前記圧延工程及び延伸工程を経て総延伸倍率10倍以上
    に一軸延伸することを特徴とするポリエチレン結束テー
    プの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記延伸工程後に、延伸されたシートの
    少なくとも片面に軟質樹脂をラミネートし、軟質樹脂よ
    りなる被覆層を形成することを特徴とする請求項5に記
    載のポリエチレン結束テープの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012026119A1 (ja) * 2010-08-25 2012-03-01 三井化学株式会社 形状保持フィルム及びその製造方法、積層フィルム・テープ、粘着フィルム・テープ、異方性熱伝導フィルム、並びに形状保持繊維
CN111393732A (zh) * 2020-04-02 2020-07-10 广州敬信高聚物科技有限公司 一种口罩全塑鼻梁条聚烯烃改性材料及其制备方法
JP2021031063A (ja) * 2019-08-14 2021-03-01 凸版印刷株式会社 チューブ容器

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