JPH11221769A - スラリ管理システム - Google Patents

スラリ管理システム

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JPH11221769A
JPH11221769A JP2605398A JP2605398A JPH11221769A JP H11221769 A JPH11221769 A JP H11221769A JP 2605398 A JP2605398 A JP 2605398A JP 2605398 A JP2605398 A JP 2605398A JP H11221769 A JPH11221769 A JP H11221769A
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tank
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abrasive grains
dispersion
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昇 勝俣
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健正 黒田
Hiroyuki Imoo
裕幸 芋生
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    • B28WORKING CEMENT, CLAY, OR STONE
    • B28DWORKING STONE OR STONE-LIKE MATERIALS
    • B28D1/00Working stone or stone-like materials, e.g. brick, concrete or glass, not provided for elsewhere; Machines, devices, tools therefor
    • B28D1/02Working stone or stone-like materials, e.g. brick, concrete or glass, not provided for elsewhere; Machines, devices, tools therefor by sawing
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  • Mining & Mineral Resources (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Accessories For Mixers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望の形状のスラリを調製することができ
て、ワイヤソー等においてスラリを使用する際に、ワー
クの加工精度にバラツキが発生するのを防止することが
できるスラリ管理システムを提供する。 【解決手段】 調合槽54内に砥粒及び分散液を供給
し、それらを混合してスラリを調製するとともに、使用
済みのスラリから使用可能な砥粒及び分散液を分離回収
し、それらを調合槽54に戻して再利用する。分離回収
された砥粒及び分散液よりなるスラリの性状を、比重計
78及び粘度計80により検出し、その検出結果に応じ
て、調合槽54への新規の砥粒及び分散液の供給量を調
整制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ワイヤソー等に
おいて使用されるスラリを調製管理するスラリ管理シス
テムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ワイヤソーにおいては、複数の
加工用ローラ間に1本のワイヤが所定ピッチで巻回され
ている。そして、このワイヤが走行されながら、ワイヤ
上に遊離砥粒を含むスラリが供給され、この状態でワイ
ヤに対しワークが押し付け接触されて、そのワークがウ
ェハ状に切断加工されるようになっている。
【0003】この種のワイヤソーには、スラリを調製管
理するためのスラリ管理システムが付設されている。そ
して、このスラリ管理システムにおいては、新規な砥粒
及び分散液が混合されてスラリが調製され、調整された
スラリがワイヤソーに供給されるようになっている。
【0004】ワイヤソーで使用されたスラリは、スラリ
管理システムの分離回収機構に移送される。移送された
スラリは、分離回収機構の第1分離回収段階で、使用可
能な砥粒と分散液とに分離され、固形分として砥粒が回
収される。分離された分散液は、分離回収機構の第2分
離回収段階で、細かい微粒成分の不純物と清澄な分散液
とに分離され、清澄な分散液が回収される。そして、回
収された砥粒と分散液とからスラリが再調製され、再調
整されたスラリがワイヤソーに供給されて再使用される
ようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ワイヤソー
におけるワーク種等の加工条件や気温等によりスラリの
比重、粘度といったスラリ性状が変動する。そのため、
所望の性状のスラリを調製するのが非常に困難である。
スラリ性状の変動は、ワークの加工精度にバラツキを発
生させる。 この発明の目的は、所望の性状のスラリを
調製することができて、ワイヤソー等においてスラリを
使用する際に、ワークの加工精度にバラツキが発生する
のを防止することができるスラリ管理システムを提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明では、調合槽内に砥粒及び
分散液を供給し、それらを混合してスラリを調製すると
ともに、使用済みのスラリから使用可能な砥粒及び分散
液を分離回収し、それらを調合槽に戻して再利用するよ
うにしたスラリ管理システムにおいて、分離回収された
砥粒及び分散液よりなるスラリの性状を検出する検出手
段と、その検出結果に応じて、調合槽への新規の砥粒及
び分散液の供給量を調整制御する制御手段とを備えたも
のである。
【0007】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載のスラリ管理システムにおいて、前記制御手段は、検
出手段によるスラリの性状検出を所定時間おきに複数回
行わせ、それらの検出データの平均値を演算して、その
平均値に基づき新規の砥粒及び分散液の供給量を算出す
るものである。
【0008】請求項3に記載の発明では、請求項1また
は請求項2に記載のスラリ管理システムにおいて、前記
検出手段は、スラリの比重又は粘度の少なくとも一方を
検出するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、この発明をワイヤソーに
適用した一実施形態を、図面に基づいて説明する。 図
1に示すように、この実施形態においては、スラリを使
用するワイヤソー11が一対用いられている。各ワイヤ
ソー11にはスラリタンク12が備え付けられ、各スラ
リタンク12の内部には撹拌機13が回転可能に配設さ
れるとともに、外側にはレベルセンサ14が付設されて
いる。各スラリタンク12内には、油性または水性の分
散液と砥粒とからなる所定量のスラリが貯溜されてい
る。各スラリタンク12内のスラリはポンプ15により
各ワイヤソー11に循環供給される。
【0010】各ワイヤソー11においては、図示しない
が、加工用ローラ間に1本のワイヤが所定ピッチで巻回
され、そのワイヤが加工用ローラの回転によって走行さ
れる。走行するワイヤ上にはスラリタンク12から配管
及びノズル(ともに図示しない)を介してスラリが供給
される。この状態で、ワイヤにワークが押し付け接触さ
れて、ワークがラッピング作用によりスライス状に切断
加工される。この切断加工中には、ワイヤ上から使用済
みのスラリが配管(図示しない)を介してスラリタンク
12内に回収されるとともに、そのスラリが再び走行中
のワイヤ上に供給されて、スラリの繰り返し使用が図ら
れる。
【0011】ワイヤソー11にはスラリ供給槽16が対
応配置され、スラリ供給槽16内にはスラリタンク12
への供給用のスラリが貯溜されている。スラリ供給槽1
6の内部には撹拌機17が回転可能に配設されるととも
に、外側にはレベルセンサ18,19が上下に付設され
ている。スラリ供給槽16からスラリタンク12へのス
ラリの供給通路20中にはバルブ21、ポンプ22及び
バルブ23が配設されている。スラリ供給槽16内に貯
溜されたスラリは、ポンプ22により供給通路20のバ
ルブ23を介して、各ワイヤソー11のスラリタンク1
2に供給される。又、供給通路20中にはスラリ供給槽
16と供給通路20との間でスラリを循環させるための
循環通路20aが接続されている。
【0012】ワイヤソー11にはスラリタンク12から
抜き取られた使用済みスラリが回収貯留されるスラリ回
収槽24が対応配置され、スラリ回収槽24の内部には
撹拌機25が回転可能に配設されるとともに、外側には
レベルセンサ26,27が上下に付設されている。スラ
リタンク12からスラリ回収槽24への回収通路28中
にはポンプ15及びバルブ31が配設され、スラリ回収
槽24から後述するスラリ移送通路39への連通路39
a中にはバルブ29、ポンプ30及びバルブ35が配設
されている。そして、各ワイヤソー11におけるスラリ
タンク12内の使用済みのスラリの全部または一部が、
ポンプ15によりバルブ31及び回収通路28を介して
スラリ回収槽24内へ定期的に回収される。
【0013】スラリ供給槽16内のスラリは、スラリタ
ンク12からの使用済みスラリの回収量に応じてスラリ
タンク12内に補給される。これにより、スラリの繰り
返し使用に伴って、スラリ中におけるワークの切り粉の
混入量が次第に増大することや、ラッピングで破砕され
る砥粒の比率が増大して、正常な粒径の砥粒量が次第に
減少することが許容の範囲内に抑制され、ワークの切断
効率が低下するのが防止される。又、回収通路28と連
通路39a中のバルブ35との間には循環用通路28a
が接続され、バルブ35を介してスラリ回収槽24と回
収通路28との間でスラリを循環させることができるよ
うになっている。
【0014】図1及び図2に示すように、スラリ回収槽
24の下流側には連通路49aを介して計量タンク34
が配設されている。スラリ回収槽24内の使用済みのス
ラリは、ポンプ30により連通路39aからバルブ35
を介して、計量タンク34内に供給される。計量タンク
34の外側には上下のレベルセンサ36,37及び温度
センサ38が付設されている。レベルセンサ36,37
により1回分の分離処理に供する使用済みスラリが計量
されるとともに、温度センサ38によりスラリの温度が
検出される。
【0015】図2及び図3に示すように、計量タンク3
4の下流側には移送通路39を介して分離回収機構40
が接続され、移送通路39上にはバルブ41,42,4
3,44及びポンプ45が配設されている。分離回収機
構40には、第1分離回収段階としての第1デカンタ4
6と、第2分離回収段階としての第2デカンタ47とが
装備されている。計量タンク34内の使用済みスラリは
移送通路39を介して分離回収機構40に移送される。
【0016】第1デカンタ46及び第2デカンタ47と
しては、例えばスクリューコンベア型の遠心分離機が使
用され、第2デカンタ47の回転速度が第1デカンタ4
6の回転速度の2〜3倍程度となるように設定されてい
る。第1デカンタ46により、使用済みのスラリが砥粒
と、その砥粒よりも細かい微粒成分を不純物として含む
濁分散液とに遠心分離され、固形分として砥粒が回収さ
れる。第1デカンタ46により分離された濁分散液は、
第2デカンタ47により、使用可能な砥粒よりも細かい
微粒成分の不純物と、清澄な分散液とに遠心分離され
て、清澄な分散液が回収される。
【0017】第2デカンタ47によって分離された清澄
な分散液は、バルブ48を介して第1デカンタ46によ
って回収された使用可能な砥粒と混合しながら下流側に
流出され、以降の配管等への砥粒の流れを促進させる作
用をなす。一方、第2デカンタ47によって分離された
微粒成分の不純物は、収容タンク49内に排出して貯溜
される。
【0018】図3及び図2に示すように、第1デカンタ
46の下流側には第1切換バルブ50及び第2切換バル
ブ51が配設されている。第1デカンタ46から排出さ
れる使用可能な砥粒及び分散液は、第1切換バルブ50
の切換えにより、第2切換バルブ51または計量タンク
34内のいずれか一方に導かれる。第2切換バルブ51
上に導かれた使用可能な砥粒及び分散液は、第2切換バ
ルブ51の切換えにより、一対の調合槽54のいずれか
一方に導入される。
【0019】各調合槽54の内部には撹拌機55が回転
可能に配設されるとともに、外側には重量センサ56及
び温度センサ57が付設されている。重量センサ56に
より調合槽54内のスラリの重量が検出されるととも
に、温度センサ57によりスラリの温度が検出される。
各調合槽54の上方にはホッパ58が配設され、ホッ
パ58内に収容された新規な砥粒がスクリューフィーダ
59を介して各調合槽54内に供給される。各ホッパ5
8にはエア供給路60を介してエアコンプレッサ61が
接続されている。調合槽54内への砥粒の供給時に、エ
アコンプレッサ60からホッパ58内に圧縮エアが供給
されて、砥粒の供給が促進される。各ホッパ58及び各
調合槽54には吸引路62を介して集塵器63が接続さ
れ、ホッパ58及び調合槽54内で浮遊している砥粒の
微粒成分が、集塵器63によって吸引除去される。
【0020】図2及び図3に示すように、調合槽54の
側方には複数の分散液槽64が配設され、これらの分散
液槽64内に貯溜された油性または水性の分散液が、バ
ルブ65、ポンプ66及びバルブ67を介して各調合槽
54内に供給される。分散液槽64から各調合槽54内
に供給された新規の砥粒及び分散液と、分離回収機構4
0から戻された砥粒及び分散液とが撹拌混合されて、所
定混合比率のスラリが調製される。このスラリの調製動
作は、一対の調合槽54において交互に実行される。
【0021】図3に示すように、分散液槽64から調合
槽54への分散液の供給路には分岐供給路68が接続さ
れ、分岐供給路68上にはバルブ69,70が配設され
ている。第2デカンタ47にて分離回収された分散液は
定期的にバルブ48から収容タンク49へ排出される。
このときに、バルブ69が開かれ、分散液槽64内の分
散液は分岐供給路68を介して第1デカンタ46に供給
され、第1デカンタ46によって分離された使用可能な
砥粒に混入されて砥粒の流れを促進させる作用をなすと
共に、調合槽54へ新しい分散液を供給する。
【0022】図1及び図2に示すように、各調合槽54
とスラリ供給槽16との間には供給通路71が接続さ
れ、供給通路71上にはバルブ72,73,74及びポ
ンプ75が配設されている。調合槽54内で調製された
スラリは、この供給通路71を介してスラリ供給槽16
内に供給貯溜された後、各ワイヤソー11のスラリタン
ク12に供給される。
【0023】図2に示すように、供給通路71の途中に
は調合槽54と供給通路71との間でスラリを循環させ
るための循環用通路76が接続され、循環用通路76上
にはバルブ77が配設されている。循環用通路76と分
離回収機構40への使用済みスラリを移送する移送通路
39とは、バルブ43,44間において部分的に共用さ
れている。調合槽54内のスラリは調合槽54内でのス
ラリの調製中及び調製後に、ポンプ75の回転に伴っ
て、循環用通路76を介して循環される。
【0024】循環用通路76の共用部分39(76)に
は、スラリの性状を検出するための検出手段としての比
重計78、流量計79及び粘度計80が接続されてい
る。移送通路39を介して分離回収機構40に使用済み
のスラリが移送されるとき、及び循環用通路76を介し
て調合槽54内のスラリが循環されるとき、それらのス
ラリの比重、流量及び粘度が比重計78、流量計79及
び粘度計80によって検出される。
【0025】比重計78、流量計79及び粘度計80の
上流側において、循環用通路76の共用部分39(7
6)には温度調節器81が接続されている。移送通路3
9を介して分離回収機構40に使用済みのスラリが移送
されるとき、及び供給通路71の一部と循環用通路76
とを介して調合槽54内のスラリが循環されるとき、温
度センサ38,57の検出結果に基づいて、この温度調
節器81によりスラリの温度が加減される。これによ
り、スラリの温度が所定範囲内に保持されて、スラリの
温度変化に伴って粘度が変動するのが抑制される。
【0026】次に、前記のように構成されたスラリ管理
システムの回路構成について説明する。 図4に示すよ
うに、中央処理装置(CPU)84は、スラリ管理シス
テムの各部の動作を制御する。リードオンリメモリ(R
OM)85は、スラリ管理システムの動作に必要な各種
の制御プログラムを記憶している。ランダムアクセスメ
モリ(RAM)86は、制御プログラムの実行に伴って
得られたデータ等を一時的に記憶する。CPU84、R
OM85及びRAM86は、制御手段Coを構成する。
【0027】CPU84には、比重計78、流量計7
9、粘度計80及び重量センサ56からの検出信号、操
作パネル87からの操作信号が入力される。CPU84
からは、駆動回路88〜95を介して、バルブ41〜4
4,72〜74を含む各種のスラリ用バルブ、ポンプ4
5,75を含む各種のスラリ用ポンプ、調合槽54内の
撹拌機55、砥粒用スクリューフィーダ59、分散液用
バルブ65,67、分散液用ポンプ66、各デカンタ4
6,47及びアラーム96に作動信号が出力される。
【0028】そして、前記CPU84は、使用済みスラ
リの分離処理に際して、バルブ41〜44の切換えによ
り移送通路39を形成した状態で、ポンプ45の作動に
より、計量タンク34から分離回収機構40に使用済み
のスラリを移送させる。このとき、比重計78及び粘度
計80により、使用済みスラリの比重及び粘度を検出さ
せて、その検出信号に基づいて、分離回収機構40への
スラリの供給流量を調整したり、スラリの温度を調整す
るなどして、第1デカンタ46及び第2デカンタ47の
分離効率を一定に制御する。
【0029】また、CPU84は、調合槽54でのスラ
リの調製中また調製後に、バルブ43,44,72〜7
4の切換えにより循環用通路76を形成した状態で、ポ
ンプ75の作動により、循環用通路76を介して調合槽
54内のスラリを循環させる。このとき、比重計78及
び粘度計80により、スラリの比重及び粘度を検出させ
て、その検出信号に応じて、調合槽54に対するホッパ
58からの砥粒の供給量及び分散液64からの分散液の
供給量を調製する。これにより、調製スラリにおける砥
粒と分散液との混合比率を所定値となるように調製制御
する。
【0030】次に、前記のように構成されたスラリ管理
システムの動作を説明する。さて、各ワイヤソー11に
おいて、ワークの切断加工が開始されると、ワイヤソー
11のスラリタンク12内のスラリがそのワイヤソー1
1との間で循環され、ワイヤソー11のワイヤ(図示し
ない)上に供給されて、ワーク切断に供される。ワーク
切断において使用されたスラリは、スラリタンク12に
戻される。また、この使用済みのスラリはスラリタンク
12からスラリ回収槽24内へ定期的に或いはスライス
完了時に回収され、その回収量に応じて、スラリ供給槽
16からスラリタンク12内に供給用のスラリが補給さ
れる。
【0031】スラリはスラリ管理システムで調合され
る。そこで、このスラリ管理システムの動作を図5〜図
10のフローチャートに基づいて説明する。これらの動
作は自動的に行われる。なお、これらのフローチャート
は、ROM85に記憶されている制御プログラムに基づ
いて、CPU84の制御のもとで進行する。
【0032】図5に示すフローチャートはスラリ管理シ
ステムの全体の動作を示す。操作パネル87上の自動運
転ボタン(図示しない)がオンされると(S1)、スラ
リ管理システムの自動運転が開始され、スラリの分離開
始条件が整っているか否かが判別される(S2)。この
分離開始条件を妨げるものとしては、例えばデカンタ4
6,47の回転数を調節するためのインバータ(図示
略)の異常等があり、これらの異常状態はCPU84に
より検出される。S2における判別において、スラリの
分離開始条件が整っていない場合には、スラリの抜取・
供給の要求が出されているか否かが判別される(S
3)。このスラリの抜取・供給の要求有無は、操作パネ
ル87における要求操作の有無により判断される。
【0033】S3の判別において、スラリの抜取・供給
の要求が出されている場合には、後述の図6に示すサブ
ルーチンに従って、スラリの抜取・供給動作が実行され
(S4)、その後、前記S2の判別が行われる。これに
より、スラリ回収槽24内の使用済みのスラリが計量タ
ンク34内に抜き取られるとともに、調合槽54内の調
製済みのスラリがスラリ供給槽16内に供給される。
【0034】一方、前記S2の判別において、スラリの
分離開始条件が整っている場合には、後述の図7に示す
サブルーチンに従って、使用済みスラリの分離動作が実
行される(S5)。これにより、計量タンク34内の使
用済みのスラリが、移送通路39を介して分離回収機構
40に移送され、第1デカンタ46及び第2デカンタ4
7により、そのスラリ中から使用可能な砥粒及び分散液
が分離回収されて、調合槽54内に戻される。
【0035】その後、後述の図8及び図9に示すサブル
ーチンに従って、調合槽54内でスラリの調製動作が実
行される(S6)。これにより、分離回収機構40にて
分離回収された砥粒及び分散液と、ホッパ58から供給
される新規な砥粒と、分散液槽64から供給される新規
な分散液とが、調合槽54内で混合されて、所定混合比
率のスラリが調製される。そして、操作パネル87上の
自動運転ボタンがオフされたとき(S7)、スラリ管理
システムの自動運転が停止される。
【0036】次に、前記のスラリの抜取・供給動作のサ
ブルーチンを、図6に示すフローチャートに基づいて詳
細に説明する。さて、このスラリの抜取・供給動作の開
始時には、前記図5のS2と同様に起動条件が整ってい
るか否かが判別され(S8)、起動条件が整っている場
合には、一方の調合槽54内のスラリが循環中であるか
否かが判別される(S9)。この循環は、ポンプ75の
駆動により一方の調合タンク54内のスラリが循環用通
路76を経て調合タンク54に戻る動作を示す。この循
環の有無は、ポンプ75の作動の有無、バルブ72,7
3等の切換状態から判断される。そして、この循環は、
砥粒が分散液から分離するのを防止したり、流量計79
等によりスラリの性状を検出したりするために行われ
る。このS9の判別において、スラリが循環中である場
合には、ポンプ75の停止によりスラリの循環が停止さ
れる(S10)。
【0037】一方、前記S9の判別において、スラリが
循環中でなかった場合、あるいはS10においてスラリ
の循環が停止された場合には、抜取用ポンプ30が起動
されるとともに、バルブ35が切換えられて(S1
1)、スラリ回収槽24内の使用済みのスラリが計量タ
ンク34内に抜き取られる。その後、上レベルセンサ3
6の検出出力により計量タンク34内のスラリの量が所
定レベルに達したか否かが判別され(S12)、スラリ
の量が所定レベルに達したとき、すなわち分離動作の1
回分のスラリ量が抜き取り貯溜されたとき、抜取用ポン
プ30の停止によりスラリの抜取動作が停止される(S
13)。
【0038】この使用済みスラリの抜取動作後に、一方
の調合槽54内の撹拌機55が停止されて、調合槽54
内の調合済みスラリの撹拌が停止される(S14)。こ
の状態で、バルブ72〜74の切換えにより供給通路7
1が形成され(S15)、供給用ポンプ75が高速回転
される(S16)。これにより、調合槽54内の調製済
みのスラリが、供給通路71を介してスラリ供給槽16
内に供給される。なお、このとき、調合槽54内の攪拌
機55が停止されているため、スラリ供給にともなって
調合槽54内のスラリの量が少なくなっても、スラリが
攪拌機55で飛散されることはない。
【0039】その後、重量センサ56の検出に基づい
て、調合槽54内のスラリ重量がゼロになったか否かが
判別される(S17)。この判別において、スラリ重量
がゼロになったとき、供給用ポンプ75が停止されると
ともに(S18)、バルブ72〜74の切換えにより供
給通路71が閉じられる(S19)。この状態で、他方
の調合槽54内の撹拌機55が次の調合のために低速回
転されて(S20)、スラリの抜取・供給動作が終了す
る。
【0040】次に、前記使用済みスラリの分離動作のサ
ブルーチンを、図7に示すフローチャートに基づいて詳
細に説明する。さて、この使用済みスラリの分離動作の
開始時には、調合槽54内のスラリが循環中であるか否
かが図7のS9と同様に判別される(S21)。この判
別において、スラリが循環中である場合には、ポンプ7
5の停止によりスラリの循環が停止される(S22)。
一方、S21の判別において、スラリが循環中でなかっ
た場合、あるいはS22においてスラリの循環が停止さ
れた場合には、分離条件が整っているか否かが判別され
(S23)、その分離条件の成立を待って、重量センサ
56により調合槽54内のスラリ重量が検出される(S
24)。ここで、分離条件とは、デカンタ46,47の
インバータの状態等を示す。
【0041】その後、撹拌機55が回転されて、調合槽
54内のスラリが撹拌され始める(S25)。この状態
で、バルブ41〜44の切換えにより移送通路39が形
成され(S26)、移送用ポンプ45が回転される(S
27)。これにより、計量タンク34内の使用済みのス
ラリが、移送通路39を介して分離回収機構40に移送
される。分離回収機構40に移送されたスラリ中の砥粒
及び分散液は、第1デカンタ46及び第2デカンタ47
により分離回収されて、調合槽54内に戻される。
【0042】このとき、図10に示すサブルーチンに従
って、循環用通路76の共用部分39(76)を移送さ
れる分離前のスラリの比重や粘度の性状が比重計78及
び粘度計80により、所定時間おきに複数回検出される
(S28)。さらに、第1デカンタ46及び第2デカン
タ47がインバータ等からの出力により異常動作してい
るか否かが判別される(S29,S30)。異常動作し
ていない場合には、下レベルセンサ37の検出出力によ
り計量タンク34内のスラリ量がゼロになったか否かが
判別される(S31)。
【0043】このように、計量タンク34内に貯溜され
た使用済みスラリの全部が分離回収機構40に移送され
て、計量タンク34のスラリ量がゼロになるまでは、前
記S28〜S31の動作が繰り返し実行される。そし
て、計量タンク34のスラリ量がゼロになると、移送用
ポンプ45が停止されて、使用済みスラリの移送が停止
される(S32)。一方、前記S29,30の判別にお
いて、デカンタ46,47に異常が発生した場合には、
アラーム96により異常が報知された後(S33)、S
32の動作が実行される。
【0044】その後、計量タンク34から分離回収機構
40に移送された使用済みスラリの積算流量が、流量計
79の検出結果に基づいて算出される(S34)。ま
た、バルブ41〜44の切換えにより移送通路39が閉
じられる(S35)。この状態で、前記S28で検出さ
れた分離前スラリの比重検出データの平均値a0 (g/
cm3 )及び粘度検出データの平均値b0 (cp)が演
算される(S36)。そして、バルブ43,72等の切
換えにより循環用通路76が形成され(S37)、循環
用としても用いられるポンプ75の低速回転により、調
合槽54内のスラリが循環され始めて(S38)、使用
済みスラリの分離動作が終了する。
【0045】次に、前記スラリの調製動作のサブルーチ
ンを、図8及び図9に示すフローチャートに基づいて詳
細に説明する。さて、このスラリの調製動作の開始時に
は、制御手段Coに内蔵された撹拌タイマ(図示略)が
スタートされる(S39)。この状態で、図10に示す
サブルーチンに従って、調合槽54内に貯溜されている
分離後スラリの比重や粘度の性状が、比重計78及び粘
度計80により、所定時間おきに複数回検出される(S
40)。その後、撹拌タイマがタイムアップしたか否か
が判別される(S41)。
【0046】このS41の判別において、撹拌タイマが
タイムアップすると、ポンプ75が停止されて、調合槽
54内のスラリの循環が停止される(S42)。また、
調合槽54の出口側のバルブ72が閉じられ(S4
3)、この状態で撹拌機55が停止されて、調合槽54
内の分離後スラリの撹拌が停止される(S44)。さら
に、重量センサ56により、調合槽54内の分離後スラ
リの重量W1 が検出される(S45)。
【0047】一方、前記S41の判別において、撹拌タ
イマがタイムアップした場合には、前記S42〜S45
の動作と平行して次の動作が行われる。すなわち、S4
0で検出された分離後スラリの比重検出データの平均値
a1 (g/cm3 )及び粘度検出データの平均値b1
(cp)が演算される(S46)。その後、次の(1)
式及び(2)式により、分離後スラリの比重a1 及び粘
度b1 が正常値であるか否かが判別される(S47,S
48)。 分離後スラリ比重下限値≦a1 ≦分離後ス
ラリ比重上限値 ・・・(1) 分離後スラリ粘度下限値≦b1 ≦分離後スラリ粘度上限値 ・・・(2) 比重a1 が式(1)を満たせば正常値、粘度b1 が式
(2)を満たせば正常値という判定がなされる。
【0048】そして、このS47,S48の判別におい
て、分離後スラリの比重a1 及び粘度b1 が正常値でな
い場合には、アラーム96により異常が報知された後
(S49)、スラリの調製動作が終了する。
【0049】その後、前記S45で検出された分離後ス
ラリの重量W1 と、S46で演算された分離後スラリの
比重平均値a1 (g/cm3 )とに基づいて、調合槽5
4への新規な砥粒及び分散液の供給量が算出される(S
50)。この場合には、先ず次の(3)式により、新規
スラリの供給量Nが算出される。なお、Mは計量タンク
34で計量される1回分のスラリ分離処理量を示し、d
は誤差調製用パラメータを示す。
【0050】N=M−W1 /a1 +d ・・・(3) スラリ管理基準比重Sは次式(4)により表される。な
お、an は新規スラリの比重を示し、a0 は分離前スラ
リの比重平均値である。
【0051】 S=(M・a0 +W1 +N・an )/(M+W1 /a1 +N)・・・(4) 新規スラリの比重an は、(4)式に基づいて、次の
(5)式により表される。
【0052】 an =〔S(M+W1 /a1 +N)−M・a0 −W1 〕/N・・・(5) 新規スラリの比重an は式(5)に基づいて算出され
る。新規スラリの分散液供給重量x及び砥粒供給重量y
は次式(6),(7)の関係で表される。なお、g1 は
新規な分散液の比重を示し、g2 は新規な砥粒の比重を
示す。
【0053】 x+y=N・an ・・・(6) x/g1 +y/g2 =N ・・・(7) x,yは次式(8),(9)で表される。
【0054】 x= g1 ・N(g2 −an )/(g2 −g1 ) ・・・(8) y=〔N・an −g1 ・N(g2 −an )〕/(g2 −g1 )・・・(9) g1 は例えば0.89、g2 は例えば3.2である。分
離後スラリ比重下限値、分離後スラリ比重上限値、分離
後スラリ粘度下限値、分離後スラリ粘度上限値、スラリ
分離処理量、スラリ管理基準比重S、新規分散液比重、
新規砥粒比重、及び誤差調製用パラメータdの各値は、
操作パネル87の操作によってパラメータとしてRAM
86に予め設定されている。
【0055】このように、調合槽54への新規な砥粒の
供給重量y及び分散液の供給重量xが算出されると、分
散液供給用バルブ65,67が開かれる(S51)。そ
して、分散液用ポンプ66の回転により、分散液槽64
内の新規な分散液が調合槽54内に供給される(S5
2)。この状態で、重量センサ56により、調合槽54
への分散液の供給量が、前記S50で算出されている所
定供給重量xに達したか否かが判別される(S53)。
【0056】このS53の判別において、分散液供給重
量が所定供給重量xに達したとき、分散液用ポンプ66
が停止されて、調合槽54への新規な分散液の供給が停
止される(S54)。その後、分散液供給用バルブ6
5,67が閉じられるとともに(S55)、所定時間を
おいて重量センサ56により、調合槽54への分散液の
実供給量が検出される(S56)。 続いて、図9のフ
ローチャートに示すように、前記S50で算出された砥
粒供給重量yが大量であるか否かが判別される(S5
7)。この場合、砥粒供給重量yが所定量y0 以上のと
きに大量という判定がなされる。この判別において、砥
粒供給重量yが大量である場合には、撹拌機55が低速
回転されて、調合槽54内のスラリが撹拌されるととも
に(S58)、集塵器63が回転されて、ホッパ58及
び調合槽54内で浮遊している砥粒の微粒成分が吸引除
去される(S59)。
【0057】その後、スクリューフィーダ59が大流量
の設定状態で運転され、ホッパ58内の新規な砥粒が調
合槽54内に供給される(S60)。この状態で、砥粒
の大流量供給が完了したか否かが判別される(S6
1)。この場合、重量センサ56の検出情報に基づいて
新規砥粒の実供給重量が所定値y0 に達したときに大流
量供給の完了という判定が行われる。その供給の完了を
待って、撹拌機55が停止されるとともに(S62)、
スクリューフィーダ59の大流量の供給動作が停止され
る(S63)。そして、スクリューフィーダ59が引き
続き小流量の設定状態で運転される(S64)。
【0058】一方、前記S57の判別において、S50
で算出された砥粒供給量が小量である場合には、集塵器
63が回転されて、ホッパ58及び調合槽54内で浮遊
している砥粒の微粒成分が吸引除去される(S65)。
そして、この状態で前記S64に進行して、スクリュー
フィーダ59が小流量の設定状態で運転される。
【0059】続いて、重量センサ56により、調合槽5
4への砥粒の供給重量が、前記S50で算出されている
所定供給重量yに達したか否かが判別される(S6
6)。そして、この判別において、砥粒の供給重量が所
定供給重量yに達した場合には、スクリューフィーダ5
9の小流量の供給動作が停止される(S67)。この状
態で、重量センサ56により、調合槽54内の調製済み
スラリの実質重量が検出され、その検出結果に基づい
て、砥粒の実供給重量及び新規スラリの実供給重量が演
算される(S68)。
【0060】その後、撹拌機55が高速回転されて、調
合槽54内の調製済みスラリが撹拌される(S69)。
さらに、調合槽54の出口側のバルブ72が開かれて循
環用通路76が形成され(S70)、循環用ポンプ75
の低速回転により、調合槽54内の調製済みスラリが循
環用通路76を介して循環される(S71)。この状態
で、図10に示すサブルーチンに従って、調製済みスラ
リの比重や粘度の性状が、比重計78及び粘度計80に
より、所定時間おきに複数回検出される(S72)。
【0061】この調製済みスラリの性状検出後に、スラ
リの比重検出データの平均値及び粘度検出データの平均
値が演算される(S73)。次いで、調製済スラリの比
重及び粘度の適正の可否が前記S47,S48と同様に
行われる(S83,S84)。調製済スラリの比重ある
いは粘度が適正でない場合にはアラーム96により異常
が報知される(S85)。そして、ポンプ75が停止さ
れるとともに(S74)、調合槽54の出口側のバルブ
72の切換えにより循環用通路76が閉じられて(S7
5)、スラリの調製動作が終了する。なお、S73で演
算された比重検出データ及び粘度検出データの平均値
は、図示しない表示部に表示されるとともに、次回のス
ラリ調製時等に使用される。
【0062】次に、前記スラリの性状検出動作のサブル
ーチンを、図10に示すフローチャートに基づいて詳細
に説明する。さて、このスラリの性状検出動作の開始時
には、制御手段Coに内蔵された検出開始タイマ(図示
略)がスタートされる(S76)。そして、この検出開
始タイマがタイムアップすると(S77)、比重計78
及び粘度計80による検出回数がRAM86に予め記憶
された所定値に到達したか否かが判別される(S7
8)。この判別において、検出回数が所定値に達してい
ない場合には、比重計78及び粘度計80から出力され
る比重及び粘度の性状検出データが読み取られるととも
に(S79)、検出データの読取回数がカウントされる
(S80)。
【0063】その後、制御手段Coに内蔵された性状検
出インターバルタイマ(図示略)がスタートされ(S8
1)、そのタイマがタイムアップした場合に(S8
2)、前記S78に戻って、スラリの性状検出が所定イ
ンターバルで所定回数だけ繰り返し行われる。そして、
S78の判別において、検出回数が所定値に達したとき
に、スラリの性状検出動作が終了する。
【0064】本実施の形態では、前記S28における分
離前スラリの性状検出時、及びS40における分離後ス
ラリの性状検出時には、30秒間隔で10回の性状検出
が実行される。また、前記S72における調製済みスラ
リの性状検出時には、30秒間隔で3回の性状検出が実
行される。
【0065】前記の実施形態によって期待できる効果に
ついて、以下に記載する。 ・ この実施形態においては、調合槽54内に砥粒及び
分散液を供給し、それらを混合してスラリを調製すると
ともに、使用済みのスラリから使用可能な砥粒及び分散
液を分離回収し、それらを調合槽54に戻して再利用す
るようになっている。また、分離回収された砥粒及び分
散液よりなるスラリの性状を、比重計78、粘度計80
よりなる検出手段により検出し、その検出結果に応じ
て、制御手段Coを構成するCPU84により、調合槽
54への新規な砥粒及び分散液の供給量を調製制御する
ようになっている。
【0066】このため、使用済みのスラリから分離回収
した砥粒及び分散液を再利用しているにも拘らず、所望
の性状のスラリを調製することができる。従って、ワイ
ヤソー等においてスラリを使用する際に、ワークの加工
精度にバラツキが発生するのを防止することができる。
【0067】・ この実施形態においては、制御手段C
oを構成するCPU84が、比重計78、粘度計80の
検出手段によるスラリの性状検出を所定時間おきに複数
回行わせ、それらの検出データの平均値を演算して、そ
の平均値に基づき新規の砥粒及び分散液の供給量を算出
するようになっている。このため、分離回収された砥粒
及び分散液よりなるスラリの性状が一時的に変動するこ
とがあっても、そのスラリの性状を検出データの平均値
により精度良く検出することができて、新規の砥粒及び
分散液の供給量を適正に算出することができる。
【0068】・ この実施形態においては、検出手段が
スラリの比重を検出する比重計78及び粘度を検出する
粘度計80から構成されている。このため、分離回収さ
れた砥粒及び分散液よりなるスラリの比重及び粘度を検
出することにより、その検出結果に基づいて、比重及び
粘度というスラリの重要な性状が常に適正となるよう
に、スラリを調製制御することができる。
【0069】・ この実施形態においては、検出手段と
しての比重計78及び粘度計80により、使用済みのス
ラリの性状を検出し、その検出結果に基づいて、分離回
収機構40における第1デカンタ46及び第2デカンタ
47の分離動作の異常を判別するようになっている。こ
のため、第1デカンタ46及び第2デカンタ47の分離
動作に異常が発生して、使用可能な砥粒及び分散液が正
常に分離されていない場合には、その異常状態を早期に
検知して対処することができる。
【0070】なお、この実施形態は、次のように変更し
て具体化することも可能である。 ・ 比重計78または粘度計80のいずれか一方のみの
検出結果により、新規な砥粒及び分散液の供給量を設定
するように構成すること。
【0071】このように構成した場合にも、スラリの性
状の適正化を図ったスラリ管理が行える。 ・ 比重計78や粘度計80よりなる検出手段により、
使用済みのスラリの比重及び粘度のうちで少なくとも一
方を検出し、その検出結果に応じて、制御手段としての
CPU84により、分離回収機構40における第1デカ
ンタ46及び第2デカンタ47の回転速度を調製制御す
るように構成すること。
【0072】このように構成した場合には、使用済みの
スラリの比重や粘度が変動しても、第1デカンタ46及
び第2デカンタ47の分離効率を一定に保つことができ
る。よって、使用済みのスラリから砥粒を十分に回収で
きなかったり、回収した分散液中に微粒成分の不純物が
残留していたりするのを防止することができて、使用可
能な砥粒及び分散液を効率よく回収することができる。
【0073】・ 2つの調合槽54を配設することな
く、1つの調合槽54のみにより、スラリを調製するよ
うに構成すること。このように構成した場合には、スラ
リ管理システムを簡素化することができて、ワイヤソー
11が多数並設されていない場合におけるスラリの管理
に有効である。
【0074】・ 1つの調合槽54を備えたスラリ管理
システムにおいて、スラリ供給槽16を省略して、調合
槽54で調製されたスラリを、ワイヤソー11のスラリ
タンク12に直接供給するように構成すること。
【0075】このように構成した場合には、スラリ管理
システムを一層簡素化することができる。 ・ 1つの調合槽54を備えたスラリ管理システムにお
いて、スラリ回収槽24を省略して、使用済みのスラリ
をワイヤソー11のスラリタンク12から計量タンク3
4内に直接抜き取るように構成すること。
【0076】このように構成した場合には、スラリ管理
システムを一層簡素化することができる。前記した実施
の形態から把握できる請求項記載以外の発明について、
以下にその効果と共に記載する。
【0077】(1)使用済のスラリを砥粒と分散液とに
分離して回収する分離回収機構の異常の有無を検出手段
の検出結果に基づいて判定する異常有無判定手段を備え
ている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のス
ラリ管理システム。
【0078】砥粒及び分散液の分離の異常をもたらす分
離回収機構の異常動作を把握することができる。実施の
形態の場合、制御手段Coが異常有無判定手段となる。
【0079】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発
明によれば所望の性状のスラリを調製することができ
て、ワイヤソー等においてスラリを使用する際に、ワー
クの加工精度にバラツキが発生するのを防止することが
できる。
【0080】請求項2に記載の発明によれば、分離回収
された砥粒及び分散液よりなるスラリの性状が一時的に
変動することがあっても、そのスラリの性状を検出デー
タの平均値により精度良く検出することができて、新規
の砥粒及び分散液の供給量を適正に算出することができ
る。
【0081】請求項3に記載の発明によれば、分離回収
された砥粒及び分散液よりなるスラリの比重または粘度
の少なくとも一方を検出することにより、その検出結果
に基づいて、スラリの性状の適正化を図ったスラリ管理
を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施形態のスラリ管理システムを部分的に
示す配管図。
【図2】 スラリ管理システムの他の部分を示す配管
図。
【図3】 スラリ管理システムのその他の部分を示す配
管図。
【図4】 スラリ管理システムの回路構成を示すブロッ
ク図。
【図5】 スラリ管理システムの自動運転動作を示すフ
ローチャート。
【図6】 スラリの抜取・供給動作を示すフローチャー
ト。
【図7】 使用済みスラリの分離動作を示すフローチャ
ート。
【図8】 スラリの調製動作を示すフローチャート。
【図9】 図8に続くスラリの調製動作を示すフローチ
ャート。
【図10】 スラリの性状検出動作を示すフローチャー
ト。
【符号の説明】
11…スラリ使用装置としてのワイヤソー、12…スラ
リタンク、16…スラリ供給槽、24…スラリ回収槽、
34…計量タンク、39…移送通路、40…分離回収機
構、46…第1デカンタ、47…第2デカンタ、54…
調合槽、56…重量センサ、58…ホッパ、59…スク
リューフィーダ、64…分散液槽、65,67…バル
ブ、66…ポンプ、78…検出手段を構成する比重計、
80…検出手段を構成する粘度計、84…制御手段を構
成するCPU、85…制御手段を構成するROM、86
…制御手段を構成するRAM。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 調合槽内に砥粒及び分散液を供給し、そ
    れらを混合してスラリを調製するとともに、使用済みの
    スラリから使用可能な砥粒及び分散液を分離回収し、そ
    れらを調合槽に戻して再利用するようにしたスラリ管理
    システムにおいて、 分離回収された砥粒及び分散液よりなるスラリの性状を
    検出する検出手段と、 その検出結果に応じて、調合槽への新規の砥粒及び分散
    液の供給量を調整制御する制御手段とを備えたスラリ管
    理システム。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、検出手段によるスラリ
    の性状検出を所定時間おきに複数回行わせ、それらの検
    出データの平均値を演算して、その平均値に基づき新規
    の砥粒及び分散液の供給量を算出する請求項1に記載の
    スラリ管理システム。
  3. 【請求項3】 前記検出手段は、スラリの比重または粘
    度の少なくとも一方を検出する請求項1または請求項2
    に記載のスラリ管理システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013078740A (ja) * 2011-10-05 2013-05-02 Toyota Motor Corp ペーストの製造方法及び循環式分散機
JP2014097558A (ja) * 2012-11-15 2014-05-29 Disco Abrasive Syst Ltd 混合液供給システム

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