JPH11221498A - 統合した形成用空気を用いる回転式噴霧装置 - Google Patents

統合した形成用空気を用いる回転式噴霧装置

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JPH11221498A
JPH11221498A JP10333217A JP33321798A JPH11221498A JP H11221498 A JPH11221498 A JP H11221498A JP 10333217 A JP10333217 A JP 10333217A JP 33321798 A JP33321798 A JP 33321798A JP H11221498 A JPH11221498 A JP H11221498A
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rotary spray
rotary
forming
air
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Der Steur Gunnar Van
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  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 形成用空気の別個の供給源を用いる従来型の
回転式噴霧装置の欠点を有意に削減したり排除したりで
きる回転式噴霧装置を提供することを課題とする。 【解決手段】 回転式噴霧装置は、形成用空気の別個の
供給源を必要とせずに形成用空気を発生させる形成用部
材を備えている。形成用部材の分布及び形状、並びに回
転速度を選択することによって、噴霧された物質の分配
のパターンを実質的に選択することが可能になる。形成
用部材は、回転式噴霧装置から外方向に空気の流れが形
成されるように配設されており、それによって形成用空
気の外部供給源の必要性を排除することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は概して、被膜形成用
の方法及び装置に関する。特に本発明は、被膜として用
いられる物質を噴霧する回転式噴霧装置に関する。さら
に、具体的には本発明は、噴霧される物質を、被膜が施
される対象物の方に向けるための外部形成流の必要性が
減少した、または排除された回転式噴霧装置に関する。
皮膜剤は、例えば、液体または粉末である。
【０００２】
【従来の技術】対象物に被膜を施すために回転スプレー
式噴霧装置を用いることは周知である。対象物を被覆す
る回転スプレー式噴霧装置のこのような施用法の一つ
は、新しく製造された自動車に塗装や別の被膜を施すと
いった施用法である。
【０００３】そこで図１に、タービン１０３にベル型カ
ップ１０１を取り付けたような従来型の回転式噴霧装置
を図示している。このような回転式噴霧装置は通常、滑
らかな外側表面を備えている。一般にタービンのシャフ
ト（図示されていない）は、所望の速度でベル型カップ
を回転させる。塗料などの噴霧すべき物質はそれが回転
するにつれてベル型カップに供給される。噴霧される塗
料や他の物質は、ベル型カップの内壁に沿って移動し、
続いてベル型カップの表面に設けられた一つの開口部、
または複数の開口部１０５を通ってベル型カップ１０１
から排出される。噴霧剤の分配の形状を調節するため
に、形成用空気がタービン１０３の出口１０７から送ら
れる。通常この形成用空気は、ファンにより図１の１０
９で概ね示されているような噴霧剤の分布のパターンが
形成されるように、別個の供給源から送風される。本質
的に形成用空気は、ベル型カップ１０１から外部に出て
放出される噴霧剤の向きを変えることで、点線１１１で
示されているように物質の分散が広くなりすぎるのを抑
制できる。
【０００４】このタイプの回転式噴霧装置の一つの特徴
は、噴霧剤１１３の「パンケーキ」が出現することであ
る。噴霧剤によるこのパンケーキは、例えば塗膜形成な
ど、噴霧剤が被膜として形成される場合の欠点となる。
【０００５】それにもかかわらず、ベル型カップ１０１
から放出される塗料などの噴霧剤の方向を変える、即ち
このような物質を「ブローバック（blow back）」する
ための別個の形成用空気の使用は常に問題を抱えてい
る。形成用空気プレートや形成用空気シュラウドのよう
なさまざまな装置が、ブローバックを減少させるために
採用されてきた。しかしながら外部の形成用空気を用い
ると、噴霧された被膜剤のいくぶんかが回転式噴霧装置
やベル型カップの背面に移動することを回避できず、そ
れによって回転式噴霧装置、タービンハウジング及びそ
れらに取り付けた何らかの他の自動装置の構成部材が被
覆されてしまう。回転式噴霧装置のベル型カップ、ター
ビンハウジング、及び他の構成部材を定常的に掃除する
ことが必要となるため、被膜剤をこのような部材にブロ
ーバックすることはメンテナンス作業を増加させること
になる。さらに、タービンに向かって被膜剤をブローバ
ックすることはタービンの予測寿命を減少させ、かつ被
膜効率と性能を低下させることになる。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】本発明の一目的は、形
成用空気の別個の供給源を用いる従来型の回転式噴霧装
置の欠点を有意に削減したり排除したりできる回転式噴
霧装置を提供することである。
【０００７】本発明の更に別の目的は、形成用空気の別
個の供給源を必要とせず、それ自身が形成用空気を発生
させるような回転式噴霧装置を提供することである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の及び他の
目的は、噴霧剤を受け入れるための入口側と噴霧剤を押
し出すための出口側とを備える回転部材を設けた回転式
噴霧装置によって達成される。この噴霧装置はまた、そ
の外側部分に複数個の形成用部材を備えている。この形
成用部材は回転部材の外表面に設けられたチャンネル、
即ちブレード、フィン、または他の羽根であってもよ
い。回転部材が回転する場合、ベル型カップの外側端部
を離れる被膜剤に対して遠心力に打ち勝つことが要求さ
れる形成用空気は、チャンネルまたはブレードを通り抜
ける空気によって形成される。この自己発生式の形成用
空気により、噴霧された物質、例えば被膜剤などが所望
の方向へと導かれる。例えば噴霧された塗料は、別個の
形成用供給源を必要としなくても、回転式噴霧装置によ
って発生される形成用空気を用いて被膜形成される対象
物の表面の方向へと向けられる。
【０００９】本発明に係る回転式噴霧装置においては、
（１）噴霧用物質を受け入れるための入口側および噴霧
剤を排出するための出口側を備えた回転可能な部材と、
該回転部材の外側部分に設けられた複数個の形成用部材
とを備える、回転式噴霧装置であることを特徴とする。
【００１０】また、本発明に係る回転式噴霧装置におい
ては、（２）形成用部材が、回転可能な部材の外側表面
に設けられたチャンネルを含むものである、上記(１)記
載の回転式噴霧装置であることを特徴とする。
【００１１】また、本発明に係る回転式噴霧装置におい
ては、（３）チャンネルが、回転可能な部材の前方端か
ら回転部材の後方に向かって延びている、上記(２)記載
の回転式噴霧装置であることを特徴とする。
【００１２】また、本発明に係る回転式噴霧装置におい
ては、（４）チャンネルの少なくとも一つの後方部分が
その前方部分から傾斜しており、前方部分が回転可能な
部材の前方端に位置している、上記(３)記載の回転式噴
霧装置であることを特徴とする。
【００１３】また、本発明に係る回転式噴霧装置におい
ては、（５）回転可能な部材の表面から外側に向かう形
成用空気の流れを生成する方向で、後方部分が前方部分
から傾斜している、上記(４)記載の回転式噴霧装置であ
ることを特徴とする。
【００１４】また、本発明に係る回転式噴霧装置におい
ては、（６）前方部分が入口の角度で配置されており、
かつ後方部分が該入口の角度とは異なる出口の角度で配
置されている、上記(４)記載の回転式噴霧装置であるこ
とを特徴とする。
【００１５】また、本発明に係る回転式噴霧装置におい
ては、（７）入口の角度およびチャンネルの少なくとも
一つが正の勾配を有する、上記(６)記載の回転式噴霧装
置であることを特徴とする。
【００１６】また、本発明に係る回転式噴霧装置におい
ては、（８）回転可能な部材がベル型カップを含むもの
である、上記(２)記載の回転式噴霧装置であることを特
徴とする。
【００１７】また、本発明に係る回転式噴霧装置におい
ては、（９）回転可能な部材が回転式シャフトを含むも
のである、上記(２)記載の回転式噴霧装置であることを
特徴とする。
【００１８】また、本発明に係る回転式噴霧装置におい
ては、（１０）チャンネルが、噴霧用物質を望ましい分
配状態にするために選択された深さ、幅、形状、及び勾
配の少なくとも一つを有する、上記(２)記載の回転式噴
霧装置であることを特徴とする。
【００１９】また、本発明に係る回転式噴霧装置におい
ては、（１１）形成用チャンネルのそれぞれが、実質的
に同じ深さ、幅、及び勾配を有する、上記(１０)記載の
回転式噴霧装置であることを特徴とする。
【００２０】また、本発明に係る回転式噴霧装置におい
ては、（１２）チャンネルの少なくとも一つが、前記の
深さ、幅、及び勾配の少なくとも一つで該チャンネル以
外のチャンネルと異なる値を有する、上記(１０)記載の
回転式噴霧装置であることを特徴とする。
【００２１】また、本発明に係る回転式噴霧装置におい
ては、（１３）回転部材の異なる回転速度で噴霧剤を異
なる様式に分配する、上記(１)記載の回転式噴霧装置で
あることを特徴とする。
【００２２】また、本発明に係る回転式噴霧装置におい
ては、（１４）形成部材がブレードを含むものである、
上記(１)記載の回転式噴霧装置であることを特徴とす
る。
【００２３】また、本発明に係る回転式噴霧装置におい
ては、（１５）ブレードが、噴霧用物質を望ましい分配
状態にするための形状及び位置を有する、上記(１４)記
載の回転式噴霧装置であることを特徴とする。
【００２４】また、本発明に係る方法においては、（１
６）下記の段階、外側部分に形成部材を備える回転可能
な部材の入口部分に、噴霧されるべき物質を供給する段
階、該回転可能な部材の出口部分から放出される噴霧用
物質を望ましいパターンで分配するために、ある速度で
該回転可能な部材を回転させる段階を含む、物質を噴霧
する方法であることを特徴とする。
【００２５】また、本発明に係る方法においては、（１
７）下記の段階、外側部分に形成部材を備える回転部材
でその物質を噴霧する段階であって、選択された回転速
度で該形成部材が噴霧用物質の望ましいパターンを形成
する段階、及び該物品に該噴霧剤を供給する段階を含
む、物質で物品を被覆する方法であることを特徴とす
る。
【００２６】また、本発明に係るシステムにおいては、
（１８）回転式噴霧装置、該噴霧装置に関連して配設さ
れ、該回転式噴霧装置が回転する際に形成空気流を発生
させる複数個の羽根を備える、回転式噴霧システムであ
ることを特徴とする。
【００２７】また、本発明に係るシステムにおいては、
（１９）羽根が、回転式噴霧装置の回転と無関係に回転
する、上記(１８)記載のシステムであることを特徴とす
る。
【００２８】また、本発明に係るシステムにおいては、
（２０）羽根が、回転式噴霧装置と同期して回転する、
上記(１８)記載のシステムであることを特徴とする。
【００２９】
【発明の実施の形態】本発明の上記の目的及びその他の
目的は、図面と関連して本明細書に記載されているよう
な回転式噴霧装置によって達成される。
【００３０】図２には、タービン及び回転式噴霧装置ア
センブリの一態様が総体的に２０１で示されている。回
転部材２０３はタービンアセンブリ２０５に取り付けら
れている。図２に示すように、回転部材２０３は一般に
ベル型形状のカップである。図２におけるベル型形状の
カップ２０３は一例であって限定するものではなく、つ
まりそれは何らかの形状の回転部材を本発明にしたがっ
て用いることが可能であるためである。
【００３１】従来の回転式噴霧装置はなめらかな外表面
を備えている。本発明に係る回転式噴霧装置２０３の顕
著な特徴は、回転部材２０３の外表面に一つまたはそれ
以上の形成用部材２０７が設けられていることである。
更にここで図示されているように形成用部材２０７は、
チャンネル、即ち回転式噴霧装置のベル型カップの外表
面に形成されたぎざぎざである。形成用チャンネルを形
成するために回転式噴霧装置のベル型カップの外表面に
設けたぎざぎざを用いることは、一例であって限定する
ものではない。例えば別の態様においては、形成用部材
は例えば、回転式ベル型カップの外表面から外側に延び
るブレード、フィンまたは羽根のような高くなっている
部材を用いて形成することもできる。ここでは実例を出
して説明する目的で、図示したようなチャンネルを用い
て本発明を更に説明することにするが、形成用部材は、
同じ原理を用いているブレード、フィンまたは羽根を使
用して形成できることが理解されると思われる。
【００３２】図３の（ａ）及び（ｂ）は、図２に示した
アセンブリのそれぞれ正面図と断面図とを示している。
チャンネル２０７を設けた回転式噴霧装置のベル型カッ
プ２０３は、タービンモータハウジング３０３にあるモ
ータ（図示されていない）によって作動するシャフト部
材３０１の回転とともに回転する。例えば塗料の注入用
マニホールド３０５のような注入用マニホールドは、塗
料などの噴霧される物質を供給するための入口３０７に
接続されている。注入用マニホールド３０７に供給され
た塗料は、回転式噴霧装置のベル型カップ２０３の入口
部分３０９へと導かれる。噴霧されるための塗料または
他の物質は回転式ベル型カップで噴霧化され、そして噴
霧化された物質として出口３１１を通ってカップ２０３
を出る。典型的には、出口３１１は、回転式噴霧装置即
ちベルカップの出口側に設けた一連の孔である。
【００３３】本発明の重要な特徴は、形成用空気の供給
源を別個に設ける必要性を排除または減少させられるこ
とである。回転式噴霧装置、例えばベル型カップ２０３
の外表面にチャンネルや羽根のような形成用部材２０７
を設けた結果として、この回転式噴霧装置はそれ自身で
形成用空気を発生する。噴霧された物質が分配される精
密なパターンは、例えば形成用部材２０７の幾何学的形
状、その形成用部材の数と配置、及び回転速度に依存し
ている。実験結果により、噴霧された物質の分配パター
ンは形成用空気の体積が大きくなるにつれて狭くなるこ
とが示唆される。図２及び図３（ｂ）は、ベル型カップ
２０３のような回転式噴霧装置が回転すると周囲の空気
がその回転部材の外表面に沿って通過し、回転部材２０
３の後方部分３１５に最も近いチャンネル２０７の後方
部分３１３からそのチャンネル２０７に入ることを示し
ている。周囲の空気は回転式噴霧装置２０３の前方端に
位置している前方部分３１７でチャンネル２０７を出
る。チャンネル２０７の前方部分３１７を出てくる自己
発生された形成用空気により、噴霧された物質の分配が
指向される。
【００３４】図４は回転部材２０３の断面図であり、そ
れは形成用部材２０７がとりうる一つの幾何学形状を例
示している。図４に示されたように形成用部材２０７は
回転式噴霧装置２０３の外表面に切込みを入れたチャン
ネルである。実質的になだらかな曲線になっていて、一
般にそのチャンネルは「Ｕ」字形である。しかしながら
チャンネルを、四角形や方形を形作る端部を持つように
形成してもよいし、あるいは「Ｖ」字形の端部に形成し
てもよい。この他のより複雑なチャンネル形状も本発明
の範囲に含まれる。
【００３５】図５は、本発明の一態様を例示している回
転式噴霧装置のベル型カップ２０３の側面図であり、こ
こでは形成用部材２０７が回転式噴霧装置２０３の外側
で互いに最も近接して配設されている。形成用部材２０
７は図５に示されたように互いに直接隣合って配設され
ていてもよいし、互いに離れて間隔を保って配設されて
いてもよく、それによって噴霧された物質の異なる分配
パターンを作り出すことができる。形成用部材が回転式
噴霧装置の外表面に配置されている角度もまた、噴霧さ
れる物質の分配パターンに影響を及ぼしうる。以前に記
載したように、形成用部材の効果は周囲の空気から形成
用空気を発生させることである。形成用空気は回転式噴
霧装置２０３の端３１９から外側に、ファンを設けたよ
うなパターンで配向する。
【００３６】前記したように実験結果は、パターンの形
状が移動した空気の体積に関係しており、空気の移動量
が増加するにつれてより狭いパターンとなることを示唆
している。したがって回転式噴霧装置に設けられた特定
のセットの形成用部材では、噴霧される物質のパターン
または分配が回転速度が大きくなるにつれて狭くなると
予想できる。またこのファンのパターンは、チャンネル
であろうと羽根であろうと形成用空気の幾何学形状によ
って影響を受ける可能性がある。
【００３７】勾配の角度は、チャンネル２０７の中心線
５０１から回転式噴霧装置２０３の中心線５０３までを
測定した角度と定義することができる。回転部材２０３
の前方端３１９から外側に形成用空気の流れが生じるよ
うな方向に、チャンネル２０７の後方部分３１３がチャ
ンネル２０７の前方部分３１７から斜めになっている場
合に正の勾配角度であると定義することができる。した
がって回転部材２０３が前方から見て時計と反対回りの
方向に回転する場合では、正の勾配角度は形成用部材の
前方部分３１７の左側に斜めに形成部材の後方部分３１
３が位置していて、それによって噴霧された物質の分配
を調節するためのファンを発生するように空気の外方向
への流れが生成される。負の勾配角度は反対の効果を有
しており、そのため回転部材の方向に形成用空気の流れ
を逆戻りさせる傾向がある。時計と反対回りの方向に回
転部材が回転する場合、負の勾配角度は、回転部材２０
３の前方から見て形成用部材の前方部分３１７の右に形
成用部材の後方部分３１３が位置している。回転部材の
回転が時計回りの方向であると、正の勾配角度と負の勾
配角度とは逆になる。
【００３８】形成用部材２０７の配置とは別に、数多く
のスペーサ部材を採用することによって、噴霧された物
質の望ましい分配パターンを実現することができる。こ
のように分配の形状は、回転式噴霧装置２０３の外側に
設けられた数多くの形成用部材２０７、形成用部材２０
７の相対的な配置、形成用部材２０７の深さ、形成用部
材２０７の幅（チャンネルの上部の幅であって、チャン
ネルの底部では異なっていてもよい）、形成用部材２０
７の内面形状、及び回転式噴霧装置の中心軸から前方端
までを測定した相対的な勾配角度によって影響を受け
る。また、形成用部材の前方からその形成用部材３１３
の後方までの長さも、噴霧された物質の分配パターンに
影響を与えるように選択できる。
【００３９】図６は、回転式噴霧装置のベル型カップ２
０３の背面図であり、それは形成用部材２０７の相対的
な位置を示している。図７は、回転式噴霧装置のベル型
カップ２０３の後方斜視図であり、また図８は、図５及
び図７の断面Ｂ−Ｂに沿って見た図である。図８は、形
成用部材２０７の深さを選択できることを図示してい
る。この形成用部材２０７の選択可能なもう一つのパラ
メーターはその傾斜度であり、それは形成用部材の深さ
の変化として定義される。例えば形成用部材２０７は形
成用空気が出る端部３１７では深く、また形成用空気が
入る端部３１３では浅くなっていてもよい。反対の傾斜
度も用いることができ、その傾斜度は形成用空気の望ま
しいパターンを実現するために形成用部材の長さに沿っ
て変化させてもよい。前にも示したように、形成用部材
はこれらの図で示されているようなぎざぎざかチャンネ
ルであってもよいし、また、高くなっているブレード、
即ち回転式噴霧装置２０３の外表面に形成されたフィン
または羽根であってもよい。本発明は、一般的にはここ
に示されたようなベル型形状のカップ、平面状の側面の
カップ、プレート、シャフト、または回転式噴霧装置も
しくはデバイスの他のタイプのような回転可能な構成に
施用される。ブレードまたはフィンを、本明細書に示し
たようなぎざぎざにされたチャンネルの代わりに用いて
もよい。本発明に係る回転式噴霧装置を用いることによ
って、例えば粉末または液状塗料もしくは溶媒などの種
類の噴霧化されるべき物質をも分配することができる。
代表的な施用法には、塗料や他の被膜をスプレーで適用
する方法が含まれる。
【００４０】前述したように、このような形成用部材を
備えた回転式噴霧装置が特定の形状であると、噴霧され
た物質の分配がタービン速度により変化することが明ら
かである。したがって異なるファンパターンは異なる回
転速度を用いることで達成される。例えば、プライマー
被膜を形成するのにある分配パターンが必要で、また仕
上げ被膜を形成するのに別の分配パターンが必要である
場合、回転速度を変えることによって同じ回転部材を用
いて達成することができる。タービン速度が別の点を考
慮することで制限をうける場合、所望の回転速度で望ま
しいパターンを形成する形成用部材を用いて回転部材を
形成すればよい。前に示したように、望ましいパターン
は、形成用部材の勾配、傾斜度、深さ、長さ、幅、形
状、及び数、並びにこの回転部材の外側でのそれらの相
対的な位置を選択することによって影響される。本明細
書で開示されたような形成用部材を備える噴霧装置は、
別個の形成用空気が用いられる場合には何らかの応用法
で置き換えることができる。
【００４１】本明細書で前術したように、従来型の回転
式噴霧装置は本明細書中、図１で説明した「パンケー
キ」効果が大きくなる傾向がある。パンケーキから落ち
てくる被膜用粒子は仕上げ用被膜で結果的に不具合をも
たらすことになる。被膜用物質が例えばベル型カップの
ような回転式噴霧装置を離れると、大きな粒子は小さな
粒子とは分離する傾向がある。均一な被膜を形成するた
めには、これらの大きな粒子と小さな粒子とが完全に混
合される必要がある。本発明の噴霧装置では都合のよい
前方への移動空気を発生させることによって、被膜用物
質が被膜すべき対象に向かう方向に移動するのを保つこ
とができる。またこれにより、形成用空気／被膜物質コ
ーン内で「渦巻効果」を結果的に形成することになる。
羽根またはチャンネルによって形成される渦巻効果は、
より均一な被膜仕上げを行う異なる大きさの粒子を混合
する助けとなる。
【００４２】静電気的な手法は、大きな平らな平面に塗
料のような被膜を施す際に用いられてきた。静電気的な
塗装法では、塗料と被膜が施される対象物は、塗料が対
象物に引き付けられる要因となるべく反対にチャージし
ている。静電気的な塗装方法を採用する一つの理由は、
噴霧装置によって生成された被膜用物質のパンケーキが
存在するため、及びパンケーキ以外の被膜用物質を引き
付ける必要があるためである。本発明によると回転部材
の外側に設けられた形成用部材によって生成された自己
発生的空気の前方への空気移動が、パンケーキを減少ま
たは排除し、その結果、塗料の移動効率が改善されると
ともに、揮発性の有機系化学物質の存在量が減少する。
揮発性の有機系化学物質が減少すると、危険性が低減し
て安全性が高まる。
【００４３】またパンケーキの減少または削除により、
下方流を利用した塗料用ブース内での被膜性能を改善す
ることもできる。ある製造設備では、被膜をスプレーさ
れる大きな表面が塗料用ブースの内部に配置されてい
て、ブース内の下方流は塗装を行う対象に向かってパン
ケーキからのオーバースプレーを引き付けるように作用
する。本発明ではパンケーキが減少または削除されるた
めにオーバースプレーが減少し、それによって下方流の
中での塗料の移動効率が改善されるとともに、調節がよ
り容易になる。結果的に本発明により、被膜の欠点が減
少され、かつより均一な仕上げが提供される。
【００４４】静電気が用いられる応用法では、形成用部
材から大きな表面領域が得られると、その回転部材がよ
り大きなチャージを蓄積することが可能になり、それに
よって移行効率が改善する。本質的には回転部材の表面
領域が大きくなると、回転部材の見かけがより大きくな
り、それによってその表面により大きなチャージが蓄積
する。静電気塗装の応用法では、望ましくないアークを
生じさせうるコロナ放電の可能性を小さくするために、
形成用部材の上端はシャープになっていないことが好ま
しい。さらに形成用部材は、怪我の危険を伴わずに人が
より簡単に取り扱えるよう、とがった端部がないことが
推奨される。
【００４５】回転部材から出て行く物質の分配を指向す
るために、形成用部材によって充分な量の空気を自己発
生させると、別個の形成用空気の供給源を用いる従来の
システムに比べてブローバックの量が小さくなる。ブロ
ーバックが小さくなるとタービンに蓄積する塗料の量が
減少し、タービンの寿命が長くなる。更にこの効果によ
って、タービンに向かってブローバックした物質より受
ける損傷からタービンを保護するための面倒な「気密
性」確保を行う必要性が小さくなる。
【００４６】本発明によって実現された形成用空気の自
己発生により、従来のシステムが形成用空気を生成する
ために用いたような圧縮空気の必要性が減少する。圧縮
された空気の必要性がこのように減少すると、エネルギ
ー効率が改善するとともに、コストが低減する。
【００４７】図９及び図１０は、回転部材に設けられた
形成用部材の二つの別の形状を図示している。図９にお
いて回転部材９０１は、形成用部材９０３を備えてい
る。部材９０１が回転すると周囲の空気は後方部分９０
５にて形成用部材９０３に入る。後方部分９０５は、回
転部材の正面９０７に対してほとんど９０°の角度を成
している。これによって最大量の空気が形成用部材に入
れるようになっている。空気は形成用部材を通って移動
し、前方部分９０９で外に出る。前方部分９０９は、噴
霧された物質の分配パターンに影響を与える出口角度に
形成されていることが示されている。この分配パターン
は、その角度が大きくなるにつれて明らかに広くなる。
形成用部材９０３は入口９０５と出口９０９との間はな
だらかな変化をしている。
【００４８】図１０は、形成用部材１００３を設けた回
転部材１００１を示している。空気は入口１００５で形
成用部材１００３に入り、１００７で出て行く。形成用
部材１００３はシャープなトランジション１００９に特
徴がある。このシャープな変化があると、渦巻方向を逆
転させることになり、形成用空気を遅くする足手まとい
となる。形成用部材のジグザグパターンなどの他のパタ
ーンは、望ましい効果が得られるように回転部材に形成
してもよい。
【００４９】図１１は本発明に係る更に別の構成を示し
ている。図１１では、回転式噴霧装置が回転する場合に
形成用空気の流れが生じるように、羽根またはブレード
１１０１が従来型の回転式噴霧装置に関連して配設され
ている。図１１に示された例において羽根１１０１は、
ベル型カップ１１０３のような従来型の噴霧装置の背面
に配設されている。羽根１１０１は噴霧装置１１０３と
は別個に回転するものでもよいし、または噴霧装置１１
０３と同期して回転するものでもよい。また羽根１１０
１は、回転式噴霧装置が回転する場合に静止したままで
あってもよい。羽根１１０１は、噴霧装置が回転する場
合に回転装置１１０３から外側に空気を指向させる形状
になっている。
【００５０】また、ある種の回転式噴霧装置では、ポシ
ティブな勾配の形成用部材と負の勾配の形成用部材とを
組み合わせて用いることもできるし、また本明細書で前
記したパラメータは噴霧された物質の所望の分配を達成
するために変更してもよい。
【００５１】本発明の他の態様は、本明細書を考慮し、
かつ本明細書に開示された本発明の実施により当業者に
は明らかとなると思われる。本明細書は、実例に過ぎ
ず、添付の請求の範囲によって本発明の真の範囲及び精
神を示しいると解釈されるべきである。
【００５２】
【発明の効果】本発明の回転式噴霧装置は、形成用空気
の別個の供給源を必要とせずに形成用空気を発生させる
形成用部材を備えている。形成用部材の分布及び形状、
並びに回転速度を選択することによって、噴霧剤の分配
のパターンを実質的に選択することが可能になる。形成
用部材は、回転式噴霧装置から外方向に空気の流れが形
成されるように配設されており、それによって形成用空
気の外部供給源の必要性を排除することが可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図１】 従来の回転式噴霧装置を用いて噴霧された物
質の分配パターンを示す図である。
【図２】 タービンに取り付けられた本発明に係る回転
式噴霧装置の一態様を示す図である。
【図３】 （ａ）及び（ｂ）は、図２に示された回転式
噴霧装置とタービンのそれぞれ正面図及び断面図であ
る。
【図４】 本発明に係る回転式噴霧装置の横断面図であ
る。
【図５】 本発明に係る回転式噴霧装置の側面図であ
る。
【図６】 本発明に係る回転式噴霧装置の背面図であ
る。
【図７】 本発明に係る回転式噴霧装置の後方斜視図で
ある。
【図８】 図５及び図７の線Ｂ−Ｂに沿った回転式噴霧
装置の断面図である。
【図９】 本発明に係る別の態様を示す図である。
【図１０】 本発明に係る別の改変された態様を示す図
である。
【図１１】 本発明に係る更に別の態様を示す図であ
る。
【符号の説明】
１０１ ベル型カップ、１０３ タービン、１０５ 開口
部、１０７ 出口、１０９ 噴霧剤の分布のパターン、１
１１ 噴霧剤の分散、１１３ 噴霧剤、２０１ タービン
及び回転式噴霧装置アセンブリの一態様、２０３ 回転
部材（回転式噴霧装置、ベル型カップ）、２０５ ター
ビンアセンブリ、２０７ 形成用部材（チャンネル）、
３０１ シャフト部材、３０３ タービンモータハウジン
グ、３０５塗料注入マニホールド、３０７ 注入用マニ
ホールド（入口）、３０９ 入口部分、３１１ 出口、３
１３ 後方部分、３１５ 後方部分、３１７ 前方部分、
３１９前方端、５０１ チャンネルの中心線、５０３ 回
転式噴霧装置の中心線、９０１ 回転部材、９０３ 形成
用部材、９０５ 後方部分（入口）、９０７ 正面、９０
９ 前方部分（出口）、１００１ 回転部材、１００３
形成用部材、１００５入口、１００７ 出口、１００９
トランジション、１１０１ 羽（ブレード）、１１０３
噴霧装置（ベル型カップ、回転装置）。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 598161565 1325 Ｐｏｓｔ Ｒｏａｄ， Ｈａｒｖｅ ｄｅ Ｇｒａｃｅ， Ｍｅｒｒｙ ｌａ ｎｄ， Ｕｎｉｔｅｄ Ｓｔａｔｅｓ ｏ ｆ Ａｍｅｒｉｃａ

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 噴霧用物質を受け入れるための入口側お
    よび噴霧剤を排出するための出口側を備えた回転可能な
    部材と、 該回転部材の外側部分に設けられた複数個の形成用部材
    とを備える、回転式噴霧装置。
  2. 【請求項２】 形成用部材が、回転可能な部材の外側表
    面に設けられたチャンネルを含むものである、請求項１
    記載の回転式噴霧装置。
  3. 【請求項３】 チャンネルが、回転可能な部材の前方端
    から回転部材の後方に向かって延びている、請求項２記
    載の回転式噴霧装置。
  4. 【請求項４】 チャンネルの少なくとも一つの後方部分
    がその前方部分から傾斜しており、前方部分が回転可能
    な部材の前方端に位置している、請求項３記載の回転式
    噴霧装置。
  5. 【請求項５】 回転可能な部材の表面から外側に向かう
    形成用空気の流れを生成する方向で、後方部分が前方部
    分から傾斜している、請求項４記載の回転式噴霧装置。
  6. 【請求項６】 前方部分が入口の角度で配置されてお
    り、かつ後方部分が該入口の角度とは異なる出口の角度
    で配置されている、請求項４記載の回転式噴霧装置。
  7. 【請求項７】 入口の角度およびチャンネルの少なくと
    も一つが正の勾配を有する、請求項６記載の回転式噴霧
    装置。
  8. 【請求項８】 回転可能な部材がベル型カップを含むも
    のである、請求項２記載の回転式噴霧装置。
  9. 【請求項９】 回転可能な部材が回転式シャフトを含む
    ものである、請求項２記載の回転式噴霧装置。
  10. 【請求項１０】 チャンネルが、噴霧用物質を望ましい
    分配状態にするために選択された深さ、幅、形状、及び
    勾配の少なくとも一つを有する、請求項２記載の回転式
    噴霧装置。
  11. 【請求項１１】 形成用チャンネルのそれぞれが、実質
    的に同じ深さ、幅、及び勾配を有する、請求項１０記載
    の回転式噴霧装置。
  12. 【請求項１２】 チャンネルの少なくとも一つが、前記
    の深さ、幅、及び勾配の少なくとも一つで該チャンネル
    以外のチャンネルと異なる値を有する、請求項１０記載
    の回転式噴霧装置。
  13. 【請求項１３】 回転部材の異なる回転速度で噴霧剤を
    異なる様式に分配する、請求項１記載の回転式噴霧装
    置。
  14. 【請求項１４】 形成部材がブレードを含むものであ
    る、請求項１記載の回転式噴霧装置。
  15. 【請求項１５】 ブレードが、噴霧用物質を望ましい分
    配状態にするための形状及び位置を有する、請求項１４
    記載の回転式噴霧装置。
  16. 【請求項１６】 下記の段階を含む、物質を噴霧する方
    法：外側部分に形成部材を備える回転可能な部材の入口
    部分に、噴霧されるべき物質を供給する段階、 該回転可能な部材の出口部分から放出される噴霧用物質
    を望ましいパターンで分配するために、ある速度で該回
    転可能な部材を回転させる段階。
  17. 【請求項１７】 下記の段階を含む、物質で物品を被覆
    する方法：外側部分に形成部材を備える回転部材でその
    物質を噴霧する段階であって、選択された回転速度で該
    形成部材が噴霧用物質の望ましいパターンを形成する段
    階、及び該物品に該噴霧剤を供給する段階。
  18. 【請求項１８】 回転式噴霧装置、該噴霧装置に関連し
    て配設され、該回転式噴霧装置が回転する際に形成空気
    流を発生させる複数個の羽根を備える、回転式噴霧シス
    テム。
  19. 【請求項１９】 羽根が、回転式噴霧装置の回転と無関
    係に回転する、請求項１８記載のシステム。
  20. 【請求項２０】 羽根が、回転式噴霧装置と同期して回
    転する、請求項１８記載のシステム。
JP10333217A 1997-11-21 1998-11-24 統合した形成用空気を用いる回転式噴霧装置 Pending JPH11221498A (ja)

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