JPH11220185A - Pzt系強誘電体薄膜およびその形成方法ならびに同薄膜を用いた機能素子 - Google Patents
Pzt系強誘電体薄膜およびその形成方法ならびに同薄膜を用いた機能素子Info
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- JPH11220185A JPH11220185A JP3805598A JP3805598A JPH11220185A JP H11220185 A JPH11220185 A JP H11220185A JP 3805598 A JP3805598 A JP 3805598A JP 3805598 A JP3805598 A JP 3805598A JP H11220185 A JPH11220185 A JP H11220185A
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- pzt
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ゾル・ゲル法による薄膜形成時に、有機物熱
分解の温度を制御することにより、基板の表面に(10
0)面が膜厚方向に対して配向した結晶方位をもつPZ
T系強誘電体薄膜を形成し、微小変位制御用のアクチュ
エータなどに利用できる圧電効果をもつをPZT系強誘
電体薄膜得る。 【解決手段】 (111)面が膜厚方向に配向するPt
コーティング層を形成した基板に(100)面が膜厚方
向に配向するPZT系強誘電体薄膜を形成する。特に、
該PZT系強誘電体薄膜は有機金属化合物前駆体をコー
ティング後、昇温速度30〜500°C/s、加熱温度
350〜500°C、保持時間1〜5分の条件で前記有
機金属化合物前駆体を熱分解して形成する。
分解の温度を制御することにより、基板の表面に(10
0)面が膜厚方向に対して配向した結晶方位をもつPZ
T系強誘電体薄膜を形成し、微小変位制御用のアクチュ
エータなどに利用できる圧電効果をもつをPZT系強誘
電体薄膜得る。 【解決手段】 (111)面が膜厚方向に配向するPt
コーティング層を形成した基板に(100)面が膜厚方
向に配向するPZT系強誘電体薄膜を形成する。特に、
該PZT系強誘電体薄膜は有機金属化合物前駆体をコー
ティング後、昇温速度30〜500°C/s、加熱温度
350〜500°C、保持時間1〜5分の条件で前記有
機金属化合物前駆体を熱分解して形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PZT系強誘電体
薄膜の(100)面を膜厚方向に対して配向したPZT
系強誘電体薄膜、特に微小変位制御用のアクチュエータ
などに利用できる圧電効果を持つPZT系強誘電体薄膜
およびその形成方法ならびに同薄膜を用いた機能素子に
関する。
薄膜の(100)面を膜厚方向に対して配向したPZT
系強誘電体薄膜、特に微小変位制御用のアクチュエータ
などに利用できる圧電効果を持つPZT系強誘電体薄膜
およびその形成方法ならびに同薄膜を用いた機能素子に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、圧電効果を示すPZT系強誘電体
を薄膜化し、微小変位制御用のマイクロアクチュエータ
などに応用することが検討されており、スパッタリング
法、CVD法、ゾル・ゲル法などを用いて強誘電体薄膜
の作製が試みられている(K.Brooks et.al.,Integrated
Ferroelectrics Vol.8(1995)13-23参照)。さらに、半
導体技術の進展に伴い、この強誘電体マイクロアクチュ
エータを半導体素子と一体化させた複合素子を開発する
ために、Si単結晶基板上にPZT薄膜を形成すること
が試みられている。しかし、白金コーティングされたS
i基板上に形成されたPZT薄膜の結晶方位は、不揃い
か(H.D.Chen,K.R.Udayakumar et.al.,J.Appl.Phys.Vo
l.77 (1 April 1995) 3349-3353参照)、または揃って
いたとしても、〈111〉方向であり(S.Wakabayashi,
et.al.,Jpn.J.Appl.Phys.Vol.35(1996)pp.5012-501
4)、圧電特性が不十分であった。そこで、これらの薄
膜の場合には、成膜後に自発分極を揃え圧電特性を向上
させるポーリング処理を行なっているが、ポーリング処
理後に強誘電体薄膜が歪んでしまうためアクチュエータ
としての機能を十分に発揮させることが困難であった。
正方晶の強誘電体の場合、自発分極の方向である〈00
1〉方向を膜厚方向に揃える、つまり基板面に平行に
{001}面を揃えることができれば、ポーリング処理
を行なわなくても圧電特性を向上させることができると
考えられる。そのため、MgO単結晶基板上に(00
1)面の揃ったPZT薄膜を形成することが試みられて
いるが(I.Kanno,et.al.,Appl.Phys.Lett.,Vol.70,No.1
1(17 March 1997)1378-1380 参照)、Si基板上で{0
01}面を揃えることは難しいことが知られていた。
を薄膜化し、微小変位制御用のマイクロアクチュエータ
などに応用することが検討されており、スパッタリング
法、CVD法、ゾル・ゲル法などを用いて強誘電体薄膜
の作製が試みられている(K.Brooks et.al.,Integrated
Ferroelectrics Vol.8(1995)13-23参照)。さらに、半
導体技術の進展に伴い、この強誘電体マイクロアクチュ
エータを半導体素子と一体化させた複合素子を開発する
ために、Si単結晶基板上にPZT薄膜を形成すること
が試みられている。しかし、白金コーティングされたS
i基板上に形成されたPZT薄膜の結晶方位は、不揃い
か(H.D.Chen,K.R.Udayakumar et.al.,J.Appl.Phys.Vo
l.77 (1 April 1995) 3349-3353参照)、または揃って
いたとしても、〈111〉方向であり(S.Wakabayashi,
et.al.,Jpn.J.Appl.Phys.Vol.35(1996)pp.5012-501
4)、圧電特性が不十分であった。そこで、これらの薄
膜の場合には、成膜後に自発分極を揃え圧電特性を向上
させるポーリング処理を行なっているが、ポーリング処
理後に強誘電体薄膜が歪んでしまうためアクチュエータ
としての機能を十分に発揮させることが困難であった。
正方晶の強誘電体の場合、自発分極の方向である〈00
1〉方向を膜厚方向に揃える、つまり基板面に平行に
{001}面を揃えることができれば、ポーリング処理
を行なわなくても圧電特性を向上させることができると
考えられる。そのため、MgO単結晶基板上に(00
1)面の揃ったPZT薄膜を形成することが試みられて
いるが(I.Kanno,et.al.,Appl.Phys.Lett.,Vol.70,No.1
1(17 March 1997)1378-1380 参照)、Si基板上で{0
01}面を揃えることは難しいことが知られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ゾル・ゲル
法による薄膜形成時に、有機物熱分解の温度を制御する
ことにより、(111)面が膜厚方向に対して配向した
白金を下部電極として形成した基板の表面に(100)
面を膜厚方向に対して配向した結晶方位を持つPZT系
強誘電体薄膜を形成し、微小変位制御用のアクチュエー
タなどに利用できる優れた圧電効果を持つPZT系強誘
電体薄膜を得ることを目的とする。
法による薄膜形成時に、有機物熱分解の温度を制御する
ことにより、(111)面が膜厚方向に対して配向した
白金を下部電極として形成した基板の表面に(100)
面を膜厚方向に対して配向した結晶方位を持つPZT系
強誘電体薄膜を形成し、微小変位制御用のアクチュエー
タなどに利用できる優れた圧電効果を持つPZT系強誘
電体薄膜を得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、 1 (111)面が膜厚方向に配向するPtコーティン
グ層を形成した基板に(100)面が膜厚方向に配向す
るPZT系薄膜を形成したことを特徴とするPZT系強
誘電体薄膜 2 Ptコーティング層をもつ基板が、Pt/Ti/S
iO2 /Si基板であることを特徴とする上記1記載の
PZT系強誘電体薄膜 3 (111)面が膜厚方向に配向するPtコーティン
グ層を形成した基板に有機金属化合物前駆体をコーティ
ング後、昇温速度30〜500°C/s、加熱温度35
0〜500°C、保持時間1〜5分の条件で前記有機金
属化合物前駆体を熱分解し、(100)面が膜厚方向に
配向するPZT系強誘電体薄膜を形成することを特徴と
するPZT系強誘電体薄膜の形成方法 4 Ptコーティング層をもつ基板が、Pt/Ti/S
iO2 /Si基板であることを特徴とする上記3記載の
PZT系強誘電体薄膜の形成方法 5 有機金属化合物前駆体をコーティング後、400〜
450°Cで熱分解することを特徴とする上記3又は4
に記載のPZT系強誘電体薄膜の形成方法 6 熱分解されたコーティング層を550〜700°C
の温度で加熱し結晶化することを特徴とする上記3〜5
のそれぞれに記載のPZT系強誘電体薄膜の形成方法 7 有機金属化合物前駆体のコーティング溶液に、酢酸
1〜20vol.%添加することを特徴とする上記3〜
6のそれぞれに記載のPZT系強誘電体薄膜の形成方法 8 アクチュエータ素子として機能する(100)面が
膜厚方向に配向するPZT系強誘電体薄膜からなる圧電
体材料であることを特徴とする機能素子 9 (111)面が膜厚方向に配向するPtコーティン
グ層を形成した基板に、(100)面が膜厚方向に配向
するPZT系強誘電体薄膜が形成されていることを特徴
とする上記8記載の機能素子 10 Ptコーティング層をもつ基板が、Pt/Ti/
SiO2 /Si基板であることを特徴とする上記8また
は9記載の機能素子 に関する。
グ層を形成した基板に(100)面が膜厚方向に配向す
るPZT系薄膜を形成したことを特徴とするPZT系強
誘電体薄膜 2 Ptコーティング層をもつ基板が、Pt/Ti/S
iO2 /Si基板であることを特徴とする上記1記載の
PZT系強誘電体薄膜 3 (111)面が膜厚方向に配向するPtコーティン
グ層を形成した基板に有機金属化合物前駆体をコーティ
ング後、昇温速度30〜500°C/s、加熱温度35
0〜500°C、保持時間1〜5分の条件で前記有機金
属化合物前駆体を熱分解し、(100)面が膜厚方向に
配向するPZT系強誘電体薄膜を形成することを特徴と
するPZT系強誘電体薄膜の形成方法 4 Ptコーティング層をもつ基板が、Pt/Ti/S
iO2 /Si基板であることを特徴とする上記3記載の
PZT系強誘電体薄膜の形成方法 5 有機金属化合物前駆体をコーティング後、400〜
450°Cで熱分解することを特徴とする上記3又は4
に記載のPZT系強誘電体薄膜の形成方法 6 熱分解されたコーティング層を550〜700°C
の温度で加熱し結晶化することを特徴とする上記3〜5
のそれぞれに記載のPZT系強誘電体薄膜の形成方法 7 有機金属化合物前駆体のコーティング溶液に、酢酸
1〜20vol.%添加することを特徴とする上記3〜
6のそれぞれに記載のPZT系強誘電体薄膜の形成方法 8 アクチュエータ素子として機能する(100)面が
膜厚方向に配向するPZT系強誘電体薄膜からなる圧電
体材料であることを特徴とする機能素子 9 (111)面が膜厚方向に配向するPtコーティン
グ層を形成した基板に、(100)面が膜厚方向に配向
するPZT系強誘電体薄膜が形成されていることを特徴
とする上記8記載の機能素子 10 Ptコーティング層をもつ基板が、Pt/Ti/
SiO2 /Si基板であることを特徴とする上記8また
は9記載の機能素子 に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、(111)面が膜厚方
向に配向する白金(Pt)コーティング層を形成した基
板に(100)面が膜厚方向に配向するPZT系薄膜を
形成するものであるが、(111)面が膜厚方向に配向
するPtコーティング層を形成した基板にPZT系薄膜
を形成することにより、(100)面が膜厚方向に配向
するPZT系強誘電体薄膜が再現性よくかつ安定して得
られる。Si基板表面にPt層を直接形成するとSiと
Ptが反応して好ましくないので、Si基板表面にSi
O2 層を形成する。このSiO2 層はSiがTi層へ拡
散するバリヤ層としての役割を有する。SiO2 層の形
成はSi(100)基板を熱酸化させて形成するのが簡
便かつ有効な手法である。
向に配向する白金(Pt)コーティング層を形成した基
板に(100)面が膜厚方向に配向するPZT系薄膜を
形成するものであるが、(111)面が膜厚方向に配向
するPtコーティング層を形成した基板にPZT系薄膜
を形成することにより、(100)面が膜厚方向に配向
するPZT系強誘電体薄膜が再現性よくかつ安定して得
られる。Si基板表面にPt層を直接形成するとSiと
Ptが反応して好ましくないので、Si基板表面にSi
O2 層を形成する。このSiO2 層はSiがTi層へ拡
散するバリヤ層としての役割を有する。SiO2 層の形
成はSi(100)基板を熱酸化させて形成するのが簡
便かつ有効な手法である。
【0006】Ptは自己配向性が強いのでSiO2 など
のアモルファス上に成膜すると(111)に強く配向し
て表面の結晶方位が揃い易い。そのためPt上に配向性
の良い強誘電体膜が得られ易くなる。しかし、PtはS
iO2 との密着性に問題があり、このままの単層では使
用できない。また上記のような強い配向性が原因で粒界
に沿って強誘電の成分であるPb、Oなどが下地に拡散
してしまうという欠点がある。SiO2 上にスパッタリ
ングでPtを形成した場合、上記のように密着性が悪い
ので、Ptを形成した後、600°C以上に加熱して密
着性を改良するという手段がないではない。しかし、こ
のような密着性の改良だけのために高温に加熱すること
は様々な素子に熱影響を与えるので決して好ましいこと
ではない。
のアモルファス上に成膜すると(111)に強く配向し
て表面の結晶方位が揃い易い。そのためPt上に配向性
の良い強誘電体膜が得られ易くなる。しかし、PtはS
iO2 との密着性に問題があり、このままの単層では使
用できない。また上記のような強い配向性が原因で粒界
に沿って強誘電の成分であるPb、Oなどが下地に拡散
してしまうという欠点がある。SiO2 上にスパッタリ
ングでPtを形成した場合、上記のように密着性が悪い
ので、Ptを形成した後、600°C以上に加熱して密
着性を改良するという手段がないではない。しかし、こ
のような密着性の改良だけのために高温に加熱すること
は様々な素子に熱影響を与えるので決して好ましいこと
ではない。
【0007】上記の欠点を解決するために、Si基板表
面にSiO2 層を形成した上にTi層を形成しこの上に
Ptを形成する。このTi層はSiO2 層とPt層との
密着性が大幅に改良される。このようにTi層を形成す
ると室温スパッタリングでも十分な密着力をもつPt層
が得られる。本発明においては、(100)面が膜厚方
向に配向するPZT系強誘電体薄膜を得るものである
が、本発明のPtコーティング層ではなくPt箔を用い
た場合には、その後のゾル・ゲル法による有機物熱分解
条件にかかわらず、(110)面が優先配向性気味の無
配向薄膜は形成され、目的とする(100)面が得られ
ない。しかし、このようなPt箔にさらに(111)面
が膜厚方向に配向するPtコーティング層を形成した場
合には、本発明のゾル・ゲル法による条件で(100)
面が膜厚方向に配向するPZT系薄膜を形成することが
できる。
面にSiO2 層を形成した上にTi層を形成しこの上に
Ptを形成する。このTi層はSiO2 層とPt層との
密着性が大幅に改良される。このようにTi層を形成す
ると室温スパッタリングでも十分な密着力をもつPt層
が得られる。本発明においては、(100)面が膜厚方
向に配向するPZT系強誘電体薄膜を得るものである
が、本発明のPtコーティング層ではなくPt箔を用い
た場合には、その後のゾル・ゲル法による有機物熱分解
条件にかかわらず、(110)面が優先配向性気味の無
配向薄膜は形成され、目的とする(100)面が得られ
ない。しかし、このようなPt箔にさらに(111)面
が膜厚方向に配向するPtコーティング層を形成した場
合には、本発明のゾル・ゲル法による条件で(100)
面が膜厚方向に配向するPZT系薄膜を形成することが
できる。
【0008】本発明においては、(111)面が膜厚方
向に配向する白金コーティング層を形成した基板に有機
金属化合物前駆体をコーティング後、昇温速度30〜5
00°C/s、加熱温度350〜500°C、保持時間
1〜5分間の条件で前記有機金属化合物前駆体を熱分解
して(100)面が膜厚方向に配向するPZT系強誘電
体薄膜を得る。特に、有機金属化合物前駆体をコーティ
ング後、400〜450°Cで熱分解することが望まし
い。この温度を超えると薄膜は(111)方向に配向し
て、目的とする(100)面が膜厚方向に配向するPZ
T系強誘電体薄膜を得ることができない。また、400
°C未満では有機金属化合物前駆体の十分な熱分解がえ
られない。次に、このようにして熱分解して得たコーテ
ィング層を550〜700°Cの温度で加熱し結晶化す
る。700°Cを超える温度ではPZTの鉛成分が蒸発
してしまいPZTが分解するので、この温度以下で加熱
結晶化する。また550°C未満では、膜はアモルファ
ス状態になっている。上記加熱温度、昇温速度、保持時
間の範囲以外では安定した(100)面が膜厚方向に配
向するPZT系強誘電体薄膜が得られない。また、ゾル
・ゲル法による薄膜形成時に、コーティング溶液に酢酸
を1〜20vol.%添加すると、大気中での溶液の安
定性が向上し、コーティング溶液の濃度が0.8M程度
まで濃くてもクラックフリーの薄膜が形成できる。この
結果、膜厚100nm〜10μm程度のPZT系強誘電
体薄膜を形成することができる。
向に配向する白金コーティング層を形成した基板に有機
金属化合物前駆体をコーティング後、昇温速度30〜5
00°C/s、加熱温度350〜500°C、保持時間
1〜5分間の条件で前記有機金属化合物前駆体を熱分解
して(100)面が膜厚方向に配向するPZT系強誘電
体薄膜を得る。特に、有機金属化合物前駆体をコーティ
ング後、400〜450°Cで熱分解することが望まし
い。この温度を超えると薄膜は(111)方向に配向し
て、目的とする(100)面が膜厚方向に配向するPZ
T系強誘電体薄膜を得ることができない。また、400
°C未満では有機金属化合物前駆体の十分な熱分解がえ
られない。次に、このようにして熱分解して得たコーテ
ィング層を550〜700°Cの温度で加熱し結晶化す
る。700°Cを超える温度ではPZTの鉛成分が蒸発
してしまいPZTが分解するので、この温度以下で加熱
結晶化する。また550°C未満では、膜はアモルファ
ス状態になっている。上記加熱温度、昇温速度、保持時
間の範囲以外では安定した(100)面が膜厚方向に配
向するPZT系強誘電体薄膜が得られない。また、ゾル
・ゲル法による薄膜形成時に、コーティング溶液に酢酸
を1〜20vol.%添加すると、大気中での溶液の安
定性が向上し、コーティング溶液の濃度が0.8M程度
まで濃くてもクラックフリーの薄膜が形成できる。この
結果、膜厚100nm〜10μm程度のPZT系強誘電
体薄膜を形成することができる。
【0009】このようにして得られた圧電体用PZT系
強誘電体薄膜は、例えば位置決め用アクチュエーターと
して使用する場合、バルク材に比べ圧電層の変位量の絶
対値を小さくとれるので、より微小な位置決めも可能で
あり、そして変位量が小さいとそれだけ応答速度(周波
数)も向上させることができる。また、上記のようにS
i基板上に圧電層を形成することができるので、他のセ
ンサー素子や演算素子も同時に組み込むことができると
いう優れた特徴を有している。
強誘電体薄膜は、例えば位置決め用アクチュエーターと
して使用する場合、バルク材に比べ圧電層の変位量の絶
対値を小さくとれるので、より微小な位置決めも可能で
あり、そして変位量が小さいとそれだけ応答速度(周波
数)も向上させることができる。また、上記のようにS
i基板上に圧電層を形成することができるので、他のセ
ンサー素子や演算素子も同時に組み込むことができると
いう優れた特徴を有している。
【0010】
【実施例および比較例】次に、実施例を示す。基板に
は、Si(100)基板材料を用い、これを熱酸化させ
てSiO2 層を形成したSiO2 /Si基板を使用し
た。このSiO2 /Si基板からなる積層膜上に電極と
なるPtとSiO2 との接着性を改善するためにTi薄
膜をスパッタリングにより形成した。このTi薄膜の膜
厚は1nm〜1μmの範囲に調節するが、本実施例にお
いては150nmとした。さらに、上記Ti薄膜を形成
したTi/SiO2 /Si基板からなる積層膜上にPt
薄膜をスパッタリングにより形成した。これも同様に膜
厚は1nm〜1μmの範囲で調節するが、本実施例では
150nmとした。
は、Si(100)基板材料を用い、これを熱酸化させ
てSiO2 層を形成したSiO2 /Si基板を使用し
た。このSiO2 /Si基板からなる積層膜上に電極と
なるPtとSiO2 との接着性を改善するためにTi薄
膜をスパッタリングにより形成した。このTi薄膜の膜
厚は1nm〜1μmの範囲に調節するが、本実施例にお
いては150nmとした。さらに、上記Ti薄膜を形成
したTi/SiO2 /Si基板からなる積層膜上にPt
薄膜をスパッタリングにより形成した。これも同様に膜
厚は1nm〜1μmの範囲で調節するが、本実施例では
150nmとした。
【0011】次に、上記Pt膜上にチタン酸鉛系強誘電
体の薄膜をゾル・ゲル法により形成した。具体的には出
発原料として酢酸鉛三水化物、チタンイソプロポキシ
ド、ジルコニウムプロポキシドを用い、溶媒として2メ
トキシエタノールを使用した。まず、酢酸鉛三水化物を
2メトキシエタノール中に溶解させ、137°Cで蒸留
し結晶水を排出させる。次に、所定の組成(この場合は
Pb/Ti/Zr=100/47/53)になるように
秤量したZrとTiのアルコキシドを、上記脱水した酢
酸鉛溶液に加え、127°Cで還流させることによりP
b、Ti、Zrに複合アルコキシド溶液を作成した。こ
の溶液を用い、(111)面が膜厚方向に配向するPt
コーティング層をもつPt/Ti/SiO2 /Si基板
上に3000rpmでのスピンコート法により薄膜を作
成した。次に、これを乾燥した後、400°Cおよび4
50°Cの2種類の温度条件でそれぞれ保持時間:3分
間、有機物熱分解を10〜25回繰り返した後、昇温速
度30°C/secで700°C、1分間の焼成をO2
雰囲気中で行い、膜厚300nm〜1μmのPb(Ti
0.47Zr0.53)O3 薄膜をPt/Ti/SiO2/Si
基板からなる積層薄膜上に形成した。
体の薄膜をゾル・ゲル法により形成した。具体的には出
発原料として酢酸鉛三水化物、チタンイソプロポキシ
ド、ジルコニウムプロポキシドを用い、溶媒として2メ
トキシエタノールを使用した。まず、酢酸鉛三水化物を
2メトキシエタノール中に溶解させ、137°Cで蒸留
し結晶水を排出させる。次に、所定の組成(この場合は
Pb/Ti/Zr=100/47/53)になるように
秤量したZrとTiのアルコキシドを、上記脱水した酢
酸鉛溶液に加え、127°Cで還流させることによりP
b、Ti、Zrに複合アルコキシド溶液を作成した。こ
の溶液を用い、(111)面が膜厚方向に配向するPt
コーティング層をもつPt/Ti/SiO2 /Si基板
上に3000rpmでのスピンコート法により薄膜を作
成した。次に、これを乾燥した後、400°Cおよび4
50°Cの2種類の温度条件でそれぞれ保持時間:3分
間、有機物熱分解を10〜25回繰り返した後、昇温速
度30°C/secで700°C、1分間の焼成をO2
雰囲気中で行い、膜厚300nm〜1μmのPb(Ti
0.47Zr0.53)O3 薄膜をPt/Ti/SiO2/Si
基板からなる積層薄膜上に形成した。
【0012】このようにして得られたPb(Ti0.47Z
r0.53)O3 /Pt/Ti/SiO2 /Si基板からな
る積層膜の薄膜の結晶構造をX線回折により調べた。こ
の結果を図1および図2に示す。図1は有機物熱分解を
400°C、保持時間:3分間の条件で実施した場合、
図2は有機物熱分解を450°C、保持時間:3分間の
条件で実施した場合である。この図1および図2から明
らかなように、(100)面が膜厚方向に配向するPZ
T系薄膜が形成されているのが分かる。そして、このよ
うな(100)面が膜厚方向に配向するPZT系薄膜は
優れた圧電特性を示す。
r0.53)O3 /Pt/Ti/SiO2 /Si基板からな
る積層膜の薄膜の結晶構造をX線回折により調べた。こ
の結果を図1および図2に示す。図1は有機物熱分解を
400°C、保持時間:3分間の条件で実施した場合、
図2は有機物熱分解を450°C、保持時間:3分間の
条件で実施した場合である。この図1および図2から明
らかなように、(100)面が膜厚方向に配向するPZ
T系薄膜が形成されているのが分かる。そして、このよ
うな(100)面が膜厚方向に配向するPZT系薄膜は
優れた圧電特性を示す。
【0013】次に比較例を示す。上記本実施例と同じ前
駆体溶液を用い3000rpmでのスピンコート、乾燥
および400°C、保持時間10時間および510°
C、保持時間:3分間の2種類の温度条件で、有機物熱
分解を5〜25回繰り返した後、昇温速度30°C/s
ecで700°C、1分間の焼成をO2 雰囲気中で行
い、膜厚300nm〜1μmのPb(Ti0.47Z
r0.53)O3 薄膜を、実施例と同様に(111)面が膜
厚方向に配向するPtコーティング層をもつPt/Ti
/SiO2 /Si基板からなる積層薄膜上に形成した。
このようにして得られた積層膜の薄膜の結晶構造をX線
回折結果を、図3および図4に示す。上記有機物熱分解
の温度と時間は本発明の加熱温度350〜500°C、
保持時間1〜5分の条件を逸脱するものであるが、長時
間および高温の加熱は(100)面が膜厚方向に配向す
るPZT系薄膜の形成を大きく減少させるか、または全
く形成しない。
駆体溶液を用い3000rpmでのスピンコート、乾燥
および400°C、保持時間10時間および510°
C、保持時間:3分間の2種類の温度条件で、有機物熱
分解を5〜25回繰り返した後、昇温速度30°C/s
ecで700°C、1分間の焼成をO2 雰囲気中で行
い、膜厚300nm〜1μmのPb(Ti0.47Z
r0.53)O3 薄膜を、実施例と同様に(111)面が膜
厚方向に配向するPtコーティング層をもつPt/Ti
/SiO2 /Si基板からなる積層薄膜上に形成した。
このようにして得られた積層膜の薄膜の結晶構造をX線
回折結果を、図3および図4に示す。上記有機物熱分解
の温度と時間は本発明の加熱温度350〜500°C、
保持時間1〜5分の条件を逸脱するものであるが、長時
間および高温の加熱は(100)面が膜厚方向に配向す
るPZT系薄膜の形成を大きく減少させるか、または全
く形成しない。
【0014】また、本発明のように、(111)面が膜
厚方向に配向するPt(白金)コーティング層を形成せ
ずに、Pt箔の上に同様に本実施例と同じ前駆体溶液を
用い3000rpmでのスピンコート、乾燥および40
0°C、保持時間:3分間の温度条件で、有機物熱分解
を10回繰り返した後、昇温速度30°C/secで7
00°C、15分間の焼成をO2 雰囲気中で行い、膜厚
150nmのPb(Ti0.47Zr0.53)O3 薄膜をPt
箔に形成した場合の薄膜の結晶構造のX線回折結果を図
5に示す。これによれば、(100)面が膜厚方向に配
向するPZT系薄膜は殆ど認められない。したがって、
(100)面が膜厚方向に配向するPZT系強誘電体薄
膜の形成に際しては、白金箔では実現できず、(11
1)面が膜厚方向に配向する白金コーティング層の存在
は必須要件であることが分かる。なお、上記実施例に挙
げたいくつかの材料および方法はあくまで一例にすぎ
ず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更し
得る。そしてこれらの変更は全て本発明に含まれる。
厚方向に配向するPt(白金)コーティング層を形成せ
ずに、Pt箔の上に同様に本実施例と同じ前駆体溶液を
用い3000rpmでのスピンコート、乾燥および40
0°C、保持時間:3分間の温度条件で、有機物熱分解
を10回繰り返した後、昇温速度30°C/secで7
00°C、15分間の焼成をO2 雰囲気中で行い、膜厚
150nmのPb(Ti0.47Zr0.53)O3 薄膜をPt
箔に形成した場合の薄膜の結晶構造のX線回折結果を図
5に示す。これによれば、(100)面が膜厚方向に配
向するPZT系薄膜は殆ど認められない。したがって、
(100)面が膜厚方向に配向するPZT系強誘電体薄
膜の形成に際しては、白金箔では実現できず、(11
1)面が膜厚方向に配向する白金コーティング層の存在
は必須要件であることが分かる。なお、上記実施例に挙
げたいくつかの材料および方法はあくまで一例にすぎ
ず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更し
得る。そしてこれらの変更は全て本発明に含まれる。
【0015】
【発明の効果】ゾル・ゲル法による薄膜形成時に、有機
物熱分解の温度および時間を制御することにより、(1
11)面が膜厚方向に対して配向した白金を下部電極と
して形成した基板の表面に(100)面を膜厚方向に対
して配向した結晶方位を持つ圧電特性に優れたPZT系
強誘電体薄膜を得ることができる。また、このようなP
ZT系強誘電体薄膜を用いることにより、微小変位制御
用のアクチュエータなどに利用できる優れた効果を有す
る。
物熱分解の温度および時間を制御することにより、(1
11)面が膜厚方向に対して配向した白金を下部電極と
して形成した基板の表面に(100)面を膜厚方向に対
して配向した結晶方位を持つ圧電特性に優れたPZT系
強誘電体薄膜を得ることができる。また、このようなP
ZT系強誘電体薄膜を用いることにより、微小変位制御
用のアクチュエータなどに利用できる優れた効果を有す
る。
【図1】有機物熱分解を400°C、保持時間3分間で
実施した場合の積層膜のX線回折図である。
実施した場合の積層膜のX線回折図である。
【図2】有機物熱分解を450°C、保持時間3分間で
実施した場合の積層膜のX線回折図である。
実施した場合の積層膜のX線回折図である。
【図3】有機物熱分解を400°C、保持時間10時間
で実施した場合の積層膜のX線回折図である。
で実施した場合の積層膜のX線回折図である。
【図4】有機物熱分解を510°C、保持時間3分間で
実施した場合の積層膜のX線回折図である。
実施した場合の積層膜のX線回折図である。
【図5】Pt箔の上に有機物熱分解を400°C、保持
時間3分間で実施した場合の積層膜のX線回折図であ
る。
時間3分間で実施した場合の積層膜のX線回折図であ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年3月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、 1 (111)面が膜厚方向に配向するPtコーティン
グ層を形成した基板に有機金属化合物前駆体をコーティ
ング後、昇温速度30〜500°C/s、加熱温度35
0〜500°C、保持時間1〜5分の条件で前記有機金
属化合物前駆体を熱分解し、(100)面が膜厚方向に
配向するPZT系強誘電体薄膜を形成することを特徴と
するPZT系強誘電体薄膜の形成方法 2 Ptコーティング層をもつ基板が、Pt/Ti/S
iO2/Si基板であることを特徴とする前記1記載の
PZT系強誘電体薄膜の形成方法 3 有機金属化合物前駆体をコーティング後、400〜
450°Cで熱分解することを特徴とする前記1又は2
記載のPZT系強誘電体薄膜の形成方法 4 熱分解されたコーティング層を550〜700°C
の温度で加熱し結晶化することを特徴とする前記1〜3
のそれぞれに記載のPZT系強誘電体薄膜の形成方法 5 有機金属化合物前駆体のコーティング溶液に、酢酸
1〜20vol.%添加することを特徴とする前記1〜
4のそれぞれに記載のPZT系強誘電体薄膜の形成方法 、に関する。
グ層を形成した基板に有機金属化合物前駆体をコーティ
ング後、昇温速度30〜500°C/s、加熱温度35
0〜500°C、保持時間1〜5分の条件で前記有機金
属化合物前駆体を熱分解し、(100)面が膜厚方向に
配向するPZT系強誘電体薄膜を形成することを特徴と
するPZT系強誘電体薄膜の形成方法 2 Ptコーティング層をもつ基板が、Pt/Ti/S
iO2/Si基板であることを特徴とする前記1記載の
PZT系強誘電体薄膜の形成方法 3 有機金属化合物前駆体をコーティング後、400〜
450°Cで熱分解することを特徴とする前記1又は2
記載のPZT系強誘電体薄膜の形成方法 4 熱分解されたコーティング層を550〜700°C
の温度で加熱し結晶化することを特徴とする前記1〜3
のそれぞれに記載のPZT系強誘電体薄膜の形成方法 5 有機金属化合物前駆体のコーティング溶液に、酢酸
1〜20vol.%添加することを特徴とする前記1〜
4のそれぞれに記載のPZT系強誘電体薄膜の形成方法 、に関する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 41/26 H01L 41/22 C (72)発明者 阿部 利彦 宮城県仙台市宮城野区苦竹4丁目2番1号 東北工業技術研究所内
Claims (10)
- 【請求項1】 (111)面が膜厚方向に配向するPt
コーティング層を形成した基板に(100)面が膜厚方
向に配向するPZT系薄膜を形成したことを特徴とする
PZT系強誘電体薄膜。 - 【請求項2】 Ptコーティング層をもつ基板が、Pt
/Ti/SiO2 /Si基板であることを特徴とする請
求項2記載のPZT系強誘電体薄膜。 - 【請求項3】 (111)面が膜厚方向に配向するPt
コーティング層を形成した基板に有機金属化合物前駆体
をコーティング後、昇温速度30〜500°C/s、加
熱温度350〜500°C、保持時間1〜5分の条件で
前記有機金属化合物前駆体を熱分解し、(100)面が
膜厚方向に配向するPZT系強誘電体薄膜を形成するこ
とを特徴とするPZT系強誘電体薄膜の形成方法。 - 【請求項4】 Ptコーティング層をもつ基板が、Pt
/Ti/SiO2 /Si基板であることを特徴とする請
求項3記載のPZT系強誘電体薄膜の形成方法。 - 【請求項5】 有機金属化合物前駆体をコーティング
後、400〜450°Cで熱分解することを特徴とする
請求項3又は4に記載のPZT系強誘電体薄膜の形成方
法。 - 【請求項6】 熱分解されたコーティング層を550〜
700°Cの温度で加熱し結晶化することを特徴とする
請求項3〜5のそれぞれに記載のPZT系強誘電体薄膜
の形成方法。 - 【請求項7】 有機金属化合物前駆体のコーティング溶
液に、酢酸1〜20vol.%添加することを特徴とす
る請求項3〜6のそれぞれに記載のPZT系強誘電体薄
膜の形成方法。 - 【請求項8】 アクチュエータ素子として機能する(1
00)面が膜厚方向に配向するPZT系強誘電体薄膜か
らなる圧電体材料であることを特徴とする機能素子。 - 【請求項9】 (111)面が膜厚方向に配向するPt
コーティング層を形成した基板に、(100)面が膜厚
方向に配向するPZT系強誘電体薄膜が形成されている
ことを特徴とする請求項8記載の機能素子。 - 【請求項10】 Ptコーティング層をもつ基板が、P
t/Ti/SiO2/Si基板であることを特徴とする
請求項8または9記載の機能素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3805598A JP2995290B2 (ja) | 1998-02-03 | 1998-02-03 | Pzt系強誘電体薄膜の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3805598A JP2995290B2 (ja) | 1998-02-03 | 1998-02-03 | Pzt系強誘電体薄膜の形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11220185A true JPH11220185A (ja) | 1999-08-10 |
JP2995290B2 JP2995290B2 (ja) | 1999-12-27 |
Family
ID=12514835
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3805598A Expired - Lifetime JP2995290B2 (ja) | 1998-02-03 | 1998-02-03 | Pzt系強誘電体薄膜の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2995290B2 (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002270914A (ja) * | 2001-03-12 | 2002-09-20 | Sony Corp | 圧電薄膜及びその製造方法 |
JP2003017767A (ja) * | 2001-07-03 | 2003-01-17 | Sony Corp | 圧電素子 |
US6666943B2 (en) | 2000-12-04 | 2003-12-23 | Canon Kabushiki Kaisha | Film transfer method |
JP2007173604A (ja) * | 2005-12-22 | 2007-07-05 | Seiko Epson Corp | 圧電素子の製造方法及び液体噴射ヘッドの製造方法 |
US7380318B2 (en) | 2003-11-13 | 2008-06-03 | Canon Kabushiki Kaisha | Method of manufacturing liquid discharge head |
WO2009145272A1 (ja) | 2008-05-28 | 2009-12-03 | 三菱マテリアル株式会社 | 強誘電体薄膜形成用組成物、強誘電体薄膜の形成方法並びに該方法により形成された強誘電体薄膜 |
JP2014175389A (ja) * | 2013-03-07 | 2014-09-22 | Mitsubishi Materials Corp | アルミナ絶縁膜の形成方法 |
CN108780839A (zh) * | 2016-03-16 | 2018-11-09 | 赛尔科技有限公司 | 压电薄膜元件 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4662112B2 (ja) * | 2001-09-05 | 2011-03-30 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | 強誘電体薄膜及びその製造方法 |
-
1998
- 1998-02-03 JP JP3805598A patent/JP2995290B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6666943B2 (en) | 2000-12-04 | 2003-12-23 | Canon Kabushiki Kaisha | Film transfer method |
JP2002270914A (ja) * | 2001-03-12 | 2002-09-20 | Sony Corp | 圧電薄膜及びその製造方法 |
JP2003017767A (ja) * | 2001-07-03 | 2003-01-17 | Sony Corp | 圧電素子 |
US7380318B2 (en) | 2003-11-13 | 2008-06-03 | Canon Kabushiki Kaisha | Method of manufacturing liquid discharge head |
JP2007173604A (ja) * | 2005-12-22 | 2007-07-05 | Seiko Epson Corp | 圧電素子の製造方法及び液体噴射ヘッドの製造方法 |
EP2343268A1 (en) | 2008-05-28 | 2011-07-13 | Mitsubishi Materials Corporation | Composition for ferroelectric thin film formation, method for forming ferroelectric thin film, and ferroelectric thin film formed by the method thereof |
WO2009145272A1 (ja) | 2008-05-28 | 2009-12-03 | 三菱マテリアル株式会社 | 強誘電体薄膜形成用組成物、強誘電体薄膜の形成方法並びに該方法により形成された強誘電体薄膜 |
EP2436661A1 (en) | 2008-05-28 | 2012-04-04 | Mitsubishi Materials Corporation | Composition for ferroelectric thin film formation, method for forming ferroelectric thin film, and ferroelectric thin film formed by the method thereof |
US8790538B2 (en) | 2008-05-28 | 2014-07-29 | Mitsubishi Materials Corporation | Composition for ferroelectric thin film formation, method for forming ferroelectric thin film, and ferroelectric thin film formed by the method thereof |
US8859051B2 (en) | 2008-05-28 | 2014-10-14 | Mitsubishi Materials Corporation | Composition for ferroelectric thin film formation, method for forming ferroelectric thin film and ferroelectric thin film formed by the method thereof |
US9005358B2 (en) | 2008-05-28 | 2015-04-14 | Mitsubishi Materials Corporation | Composition for ferroelectric thin film formation, method for forming ferroelectric thin film, and ferroelectric thin film formed by the method thereof |
US9502636B2 (en) | 2008-05-28 | 2016-11-22 | Mitsubishi Materials Corporation | Composition for ferroelectric thin film formation, method for forming ferroelectric thin film, and ferroelectric thin film formed by the method thereof |
JP2014175389A (ja) * | 2013-03-07 | 2014-09-22 | Mitsubishi Materials Corp | アルミナ絶縁膜の形成方法 |
CN108780839A (zh) * | 2016-03-16 | 2018-11-09 | 赛尔科技有限公司 | 压电薄膜元件 |
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JP2995290B2 (ja) | 1999-12-27 |
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