JPH11217623A - 環流式真空脱ガス装置での溶鋼の精錬方法 - Google Patents

環流式真空脱ガス装置での溶鋼の精錬方法

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JPH11217623A
JPH11217623A JP1610698A JP1610698A JPH11217623A JP H11217623 A JPH11217623 A JP H11217623A JP 1610698 A JP1610698 A JP 1610698A JP 1610698 A JP1610698 A JP 1610698A JP H11217623 A JPH11217623 A JP H11217623A
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oxygen
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vacuum degassing
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Eiju Matsuno
英寿 松野
Takeshi Murai
剛 村井
Kazutoshi Kawashima
一斗士 川嶋
Eiji Sakurai
栄司 櫻井
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Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転炉出鋼温度を低減し且つ環流式真空脱ガス
装置の能率を上げるため、環流式真空脱ガス装置におい
て脱硫処理と加熱処理とを同時に効率良く行う。 【解決手段】 Alを所定値以上含有する溶鋼12を真
空槽1と取鍋11との間で環流させつつ、溶鋼に石灰質
系の脱硫剤14を添加して真空槽内で溶鋼と脱硫剤とを
攪拌し、同時に、真空槽内の溶鋼に酸素を吹き込み又は
吹き付けて添加する環流式真空脱ガス装置での溶鋼の精
錬方法であって、前記脱硫剤中の石灰分添加量と酸素添
加量とを、(1)式を満足する範囲とする。但し(1)
式において、Aは脱硫剤中の石灰分添加量(kg)、B
は酸素添加量(kg)である。 0<B/A≦0.25 ……(1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環流式真空脱ガス
装置において、酸素を吹き込んで溶鋼を加熱しながら脱
硫剤を添加して溶鋼を脱硫する精錬方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼材料の使用用途の拡大に伴い、要求
される鋼成分も広範に渡って拡大し、そのため、転炉精
錬後に取鍋精錬炉や環流式真空脱ガス装置(RH脱ガス
装置ともいう)等による二次精錬が施されている。そし
て、硫黄濃度が10ppm以下の所謂極低硫鋼は、従
来、取鍋精錬炉で脱硫された後に、環流式真空脱ガス装
置にて脱水素及び成分調整がなされ、取鍋内における2
回の精錬を経て製造されていた。
【0003】しかし、脱硫処理のために2つの二次精錬
炉間を搬送することの煩雑さや、設備の二重投資の無駄
等の問題点を解決するため、従来、脱水素が主体であっ
た環流式真空脱ガス装置にて脱硫処理を行うことで、製
造プロセスの簡素化を図る試みが多数提案されている。
例えば、特公平3−61721号公報には、環流式真空
脱ガス装置の上昇側浸漬管の下方から溶鋼中に浸漬した
吹き込みランスを介して上昇側浸漬管中に脱硫剤を吹き
込み、真空槽内で脱硫する方法が、又、特開昭62−4
4518号公報には、環流式真空脱ガス装置の真空槽内
溶鋼湯面下に設けた羽口を介して、真空槽内の溶鋼中に
脱硫剤を吹き込んで脱硫する方法が開示されている。
【0004】又、環流式真空脱ガス装置にて溶鋼を加熱
する方法も多数提案されており、例えば、鉄と鋼(Vol.
63(1977)No.13,p2064)に示されるように、真空槽内の
溶鋼に酸素を吹き込み又は吹き付け、酸素との親和力の
強い溶鋼中のAlやCを燃焼させ、この燃焼熱にて溶鋼
温度を上昇させる方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】脱硫処理では、添加す
る脱硫剤の潜熱や溶解熱、及び溶鋼中に浸漬させる脱硫
剤添加用の吹き込みランスにより、溶鋼温度が降下す
る。この溶鋼温度の降下を補償するため、上述のよう
に、環流式真空脱ガス装置での脱硫処理前又は脱硫処理
後に真空槽内の溶鋼に酸素を吹き付けてAlやCを燃焼
させて溶鋼を加熱したり、又は、転炉の出鋼温度を予め
高くする等の処置が行なわれてきた。
【0006】しかしながら、脱硫処理前又は脱硫処理後
に真空槽内の溶鋼に酸素を吹き付けて溶鋼を加熱する方
法では、環流式真空脱ガス装置での処理時間が延長し
て、環流式真空脱ガス装置の処理能率が低下し、又、転
炉の出鋼温度を高くすることは、転炉耐火物の溶損によ
る耐火物コストの上昇を招く。
【0007】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
その目的とするところは、転炉耐火物コストの上昇を抑
えると共に環流式真空脱ガス装置の能率低下を防止する
ことが可能な環流式真空脱ガス装置での溶鋼の精錬方法
を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による環流式真空
脱ガス装置での溶鋼の精錬方法は、Alを所定値以上含
有する溶鋼を環流式真空脱ガス装置の真空槽と取鍋との
間で環流させつつ、溶鋼に石灰質系の脱硫剤を添加して
前記真空槽内で溶鋼と脱硫剤とを攪拌し、同時に、前記
真空槽内の溶鋼に酸素を吹き込み又は吹き付けて添加す
る環流式真空脱ガス装置での溶鋼の精錬方法であって、
前記脱硫剤中の石灰分添加量と酸素添加量とを、(1)
式を満足する範囲とすることを特徴とするものである。 0<B/A≦0.25 ………(1) 但し、(1)式において各記号は以下を表わすものであ
る。 A:脱硫剤中の石灰分添加量(kg) B:酸素添加量(kg)
【0009】発明者等は、環流式真空脱ガス装置におい
て、真空槽内の溶鋼に酸素を吹き付け、溶鋼中のAlを
燃焼させて溶鋼を加熱しながら、石灰質系の脱硫剤を添
加して脱硫処理をする際に、溶鋼への酸素添加量(B)
を様々に変化させ、脱硫反応に及ぼす酸素添加量(B)
の影響について調査した。
【0010】その結果、図2に示すように、酸素添加量
(B)を脱硫剤中の石灰分添加量(A)で除算した値
(以下、「B/A値」と記す)が0.26以上になる
と、脱硫処理後の溶鋼中の硫黄濃度は10ppmを超え
る値となり、目的とする10ppm以下とすることがで
きない、即ち、脱硫反応が妨げられていることが分かっ
た。
【0011】溶鋼の脱硫反応は、(2)式で示されるよ
うに、添加した脱硫剤中の石灰(CaO)と溶鋼中の硫
黄とが反応してCaSを生成して進行し、そして、
(2)式から分かるように、溶鋼中の溶解酸素濃度が低
いほど脱硫反応は進行する。尚、(2)式のS及びOは
溶鋼中の硫黄及び溶解酸素を示している。 CaO+S=CaS+O ………(2)
【0012】溶鋼に酸素を吹き込み又は吹き付けて酸素
と溶鋼中のAlとを反応させ、反応熱により溶鋼を加熱
すると、酸素とAlとの反応の進行と共に溶鋼中のAl
が低減して溶鋼中の溶解酸素量が増加し、脱硫反応が阻
害される。更に、この反応により生成するAl23は、
脱硫剤である石灰と反応して化合物を造り、石灰が有す
る脱硫能力を低下させて脱硫反応を阻害する。
【0013】B/A値の上限値を0.25とすること
で、溶鋼中の溶解酸素量を低く抑えることができると共
に、Al23の生成量を抑えることができ、その結果、
脱硫反応は阻害されることなく、脱硫処理と同時に溶鋼
を加熱することができる。又、B/A値の下限値は0を
越える値であれば良いが、転炉出鋼温度は酸素添加量
(B)を多くすればするほど低減できるので、B/A値
の下限値は0.15以上とすることが好ましい。こうし
て、転炉の出鋼温度を低く抑えることが可能となり、
又、環流式真空脱ガス装置では脱硫処理と加熱処理とを
同時に行うことができるので、処理時間を延長する必要
がない。
【0014】尚、溶鋼中の溶解酸素量を低く維持して脱
硫反応を促進させるために、添加された酸素と反応して
も、0.01wt%以上のAlが溶鋼中に常に残留する
ように、予め脱硫処理前にAlを添加するか又は脱硫処
理中にAlを追加することが必要である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明を図面に基づき説明する。
図1は、本発明を実施した環流式真空脱ガス装置の縦断
面概略図である。
【0016】図において、上昇側浸漬管4と下降側浸漬
管5とを下部に備えた下部槽3と、底部で下部槽3と連
結し、上部で排気装置(図示せず)と連結した上部槽2
とからなる真空槽1を主設備として環流式真空脱ガス装
置が構成されている。そして、上部槽2には、その側壁
を貫通する原料投入口7と、その天蓋を貫通して上下方
向に移動可能な上吹き酸素ランス8とが設置されてい
る。
【0017】真空槽1の直下には、転炉(図示せず)か
ら出鋼された溶鋼12とスラグ13とを収納した取鍋1
1が搬入されており、この取鍋11は昇降装置(図示せ
ず)により上昇され、上昇側浸漬管4及び下降側浸漬管
5が取鍋11内の溶鋼12に浸漬されている。そして、
上昇側浸漬管4を貫通して設けられた環流用Arガス吹
き込み管6から上昇側浸漬管4内にArガスが吹き込ま
れると共に、真空槽1内が排気装置にて排気されること
で、取鍋11内の溶鋼12は、Arガスと共に上昇側浸
漬管4を上昇して真空槽1内に流入し、その後、下降側
浸漬管5から取鍋11に戻る流れ、所謂、環流を形成し
て脱ガス処理が施されている。
【0018】又、脱硫剤添加装置として、真空槽1の側
壁外面に沿って上下移動の可能な吹き込みランス9が配
置されている。この吹き込みランス9は、下部槽3と取
鍋11側壁との間を下降して取鍋11内の溶鋼12中に
浸漬され、吹き込みランス先端9aが上昇側浸漬管4の
下方直下で停止されるようになっている。又、吹き込み
ランス9の他端は、脱硫剤14を収納したホッパー10
と連結され、Arガス等の不活性ガスを搬送ガスとし
て、吹き込みランス9にて上昇側浸漬管4の直下の溶鋼
12中に脱硫剤14が吹き込み添加される構造となって
いる。
【0019】そして、予めAlを添加した溶鋼12を取
鍋11と真空槽1との間で環流させながら、吹き込みラ
ンス9より石灰質系の脱硫剤14を溶鋼12中に吹き込
み、上吹き酸素ランス8より酸素を溶鋼12に吹き付け
る。吹き込まれた脱硫剤14は、溶鋼12中の硫黄と反
応して脱硫反応を起こしながら溶鋼12と共に上昇側浸
漬管4を上昇して真空槽1に流入し、更に、この真空槽
1内において、環流用Arガスにより溶鋼12と激しく
攪拌されて脱硫反応が促進される。又、吹き付けられた
酸素は、溶鋼12中のAlと反応してAl23を生成
し、発熱して溶鋼12を加熱する。未反応の脱硫剤1
4、脱硫反応により生成したCaS、及び酸素と反応し
て生成したAl23は、やがて真空槽1内から下降側浸
漬管5を経てスラグ13に吸収される。尚、処理中の真
空槽1内の圧力は10torr以下に保持する。10t
orr以下であれば吹き込まれた脱硫剤14に含まれる
水素による溶鋼12の水素ピックアップもなく、製品特
性上の劣化を招くことがないからである。
【0020】この際に、脱硫剤14の添加量は、脱硫剤
14中の石灰分添加量が溶鋼トン当たり3.0kg(以
下、「kg/ton」と記す)以上とすることが好まし
い。3.0kg/ton未満では、脱硫剤14が不足し
て目的とするレベルまで脱硫できないことがある。極低
硫鋼を製造する場合には、脱硫処理前の溶鋼12の硫黄
濃度を0.004wt%以下とする必要があり、これを
満足しない溶鋼12は、転炉精錬前に溶銑予備処理等で
予め脱硫処理する必要がある。又、脱硫剤14の添加量
の上限は特にないが、脱硫剤14のコスト削減や脱硫剤
14の添加による溶鋼12の温度降下を防止するため
に、脱硫剤14中の石灰分添加量を8.0kg/ton
以下とすることが好ましい。こうして、処理する溶鋼1
2の量と決めた添加量とから、1ヒートの溶鋼12に添
加する脱硫剤中の石灰分添加量(A)を決める。
【0021】上吹き酸素ランス8による酸素添加量
(B)は、決定した脱硫剤中の石灰分添加量(A)に応
じて、B/A値を0を越えて0.25以下の範囲の任意
の値として決定する。
【0022】溶鋼12のAl濃度は、添加された酸素と
反応しても、0.01wt%以上のAlが溶鋼12中に
常に残留するように調整する。このAlの調整方法は、
例えば、酸素添加量(B)と溶鋼12中の溶解酸素量と
を合計し、これら酸素と反応してAl23を生成すると
して、合計した酸素量と化学等量が等しい量のAl量
と、溶鋼12中に0.01wt%以上残留する量のAl
量との合計量を、脱硫処理前に原料投入口7より溶鋼1
2に添加して調整することができる。又は、最初、溶鋼
12を脱酸して溶鋼12に残留するAl量が0.03w
t%程度となるに必要な量のAlを添加し、次いで、脱
硫処理時に溶鋼12からサンプルを採取してAl濃度を
分析し、常にAl濃度が0.01wt%以上となるよう
に、原料投入口7からAlを追加供給して調整すること
もできる。
【0023】尚、取鍋11内のスラグ13は、転炉出鋼
時に転炉スラグが混入したものであり、通常、FeOや
MnO等の低級酸化物を含む。これら低級酸化物は、溶
鋼12中のAlと反応してAl23を新たに生成させ、
脱硫反応を阻害する。そのため、転炉スラグの混入を防
止したり、取鍋11内のスラグ13に金属Al、又は石
灰を主成分とするスラグ改質剤等を添加し、スラグ13
中の(%T.Fe)と(%MnO)との合計を4wt%
以下に低減してから、脱ガス処理を実施することが好ま
しい。尚、(T.Fe)とは、全ての鉄酸化物(FeO
やFe23等)中の鉄分の総和を表わしている。
【0024】このようにして環流式真空脱ガス装置にて
脱硫処理と加熱処理とを同時に施すことで、環流式真空
脱ガス装置の能率を低下することなく、且つ、転炉出鋼
温度を低減することが可能となる。
【0025】尚、上記説明では、脱硫剤14は取鍋11
内の溶鋼12中に吹き込みランス9にて添加されている
が、脱硫剤14の添加方法はこれに限るものではなく、
真空槽1内の溶鋼12にノズルから吹き込み又は吹き付
けして添加しても良い。又、酸素は真空槽1内に設けた
浸漬型のノズルから溶鋼12中に吹き込む方法であって
も、本発明の実施に何ら支障となるものではなく、更
に、溶鋼12へのAl添加は、転炉出鋼直後に行っても
良いことは言うまでもない。
【0026】
【実施例】図1に示す環流式真空脱ガス装置及び脱硫剤
添加装置を用いて転炉から出鋼された溶鋼の脱硫処理と
加熱処理とを同時に実施する際に、酸素添加量(B)を
様々に変化させてB/A値を0.17〜0.5の範囲で
変更した試験操業を実施し、脱硫反応に及ぼす酸素添加
量(B)の影響について調査した。又、比較のために酸
素による加熱を実施しない従来方法による試験操業(従
来例)も実施した。
【0027】対象とした溶鋼は、高炉から出銑された溶
銑を溶銑予備処理にて脱硫、脱燐し、次いで転炉精錬し
たもので、溶鋼の成分は、炭素濃度が0.03〜0.0
4wt%、Si濃度が0.03wt%以下、Mn濃度が
0.3〜0.5wt%、燐濃度が0.01wt%以下、
硫黄濃度が0.0040wt%以下で、転炉からの出鋼
量は1ヒート250トンである。そして、全てのヒート
で転炉出鋼後、取鍋内スラグに石灰を主成分とするスラ
グ改質剤を添加し、スラグ中の(%T.Fe)と(%M
nO)との合計を4wt%以下に予め調整した。調整後
のスラグ組成は、CaO−SiO2−Al23−MgO
系である。
【0028】溶鋼のAl調整は、酸素添加量(B)と溶
鋼中の溶解酸素量とを合計し、これら酸素と反応してA
23を生成するとして、合計した酸素量と化学等量が
等しい量のAl量と、溶鋼中に0.02wt%残留する
量のAl量との合計量を、脱硫処理前に原料投入口より
溶鋼に添加して調整した。
【0029】脱硫剤は石灰を主体とするものを使用し、
1ヒートで添加する脱硫剤中の石灰分添加量(A)を9
00(3.6kg/ton)〜1200(4.8kg/
ton)kgとした。全てのヒートにおいて、脱硫剤添
加中の真空槽1内の圧力は10torr以下であり、
又、脱硫剤添加中に、環流用Arガスを2000〜30
00Nl/minで吹き込んだ。表1に、実施した合計
10ヒートの試験操業の操業条件及び操業結果を示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1に示すように、脱硫処理と同時に加熱
処理を実施したNo.4〜No.10の試験操業では、酸素添
加量(B)が多いNo.8〜No.10で処理後の硫黄濃度が
10ppmを越える高い値であったが、No.4〜No.7で
は目標とする10ppm以下を満足した。又、従来例の
No.1〜No.3は安定して10ppm以下を確保した。
【0032】図2は、これら10ヒートの脱ガス処理後
の溶鋼中硫黄濃度と転炉での出鋼温度とをまとめて示す
図であり、B/A値が0.26以上になると、脱硫処理
後の溶鋼中の硫黄濃度は10ppmを超える値となり、
目的とする10ppm以下とすることができない。即
ち、脱硫反応が妨げられていることが分かる。又、従来
例では出鋼温度を1700℃を越える高い温度とする必
要があることが分かる。
【0033】このように、B/A値を0を越えて0.2
5以下の範囲とすることで、脱硫を阻害することなく、
脱硫処理と同時に溶鋼を加熱することができることが分
かった。尚、表1の備考欄に脱硫処理と加熱処理を同時
に行った試験操業の内、本発明の範囲内のヒートを実施
例として、又、それ以外のヒートを比較例として区分し
て表示した。
【0034】
【発明の効果】本発明では、添加する脱硫剤に対して適
正範囲の酸素を添加するので、脱硫反応が阻害されるこ
となく実施可能で、且つ、脱硫処理による溶鋼の温度降
下を補償する加熱処理を脱硫処理と同時に実施すること
ができる。その結果、環流式真空脱ガス装置の能率を低
下することなく、且つ、転炉出鋼温度を低減することが
でき、産業上の効果は格別である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した環流式真空脱ガス装置の縦断
面概略図である。
【図2】試験操業における脱ガス処理後の溶鋼中硫黄濃
度と転炉での出鋼温度とをまとめて示す図である。
【符号の説明】
1 真空槽 2 上部槽 3 下部槽 4 上昇側浸漬管 5 下降側浸漬管 6 環流用Arガス吹き込み管 7 原料投入口 8 上吹き酸素ランス 9 吹き込みランス 10 ホッパー 11 取鍋 12 溶鋼 13 スラグ 14 脱硫剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 櫻井 栄司 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Alを所定値以上含有する溶鋼を環流式
    真空脱ガス装置の真空槽と取鍋との間で環流させつつ、
    溶鋼に石灰質系の脱硫剤を添加して前記真空槽内で溶鋼
    と脱硫剤とを攪拌し、同時に、前記真空槽内の溶鋼に酸
    素を吹き込み又は吹き付けて添加する環流式真空脱ガス
    装置での溶鋼の精錬方法であって、前記脱硫剤中の石灰
    分添加量と酸素添加量とを、(1)式を満足する範囲と
    することを特徴とする環流式真空脱ガス装置での溶鋼の
    精錬方法。 0<B/A≦0.25 ………(1) 但し、(1)式において各記号は以下を表わすものであ
    る。 A:脱硫剤中の石灰分添加量(kg) B:酸素添加量(kg)
JP1610698A 1998-01-28 1998-01-28 環流式真空脱ガス装置での溶鋼の精錬方法 Pending JPH11217623A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008285709A (ja) * 2007-05-16 2008-11-27 Kobe Steel Ltd 真空脱ガス工程における復硫現象を抑制する低硫鋼の二次精錬方法
JP2012062530A (ja) * 2010-09-16 2012-03-29 Nippon Steel Corp 溶鋼精錬方法
JP2012172213A (ja) * 2011-02-23 2012-09-10 Jfe Steel Corp 溶鋼の精錬方法

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JP2012062530A (ja) * 2010-09-16 2012-03-29 Nippon Steel Corp 溶鋼精錬方法
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