JPH1121756A - 帽子枠装置 - Google Patents

帽子枠装置

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JPH1121756A
JPH1121756A JP9199229A JP19922997A JPH1121756A JP H1121756 A JPH1121756 A JP H1121756A JP 9199229 A JP9199229 A JP 9199229A JP 19922997 A JP19922997 A JP 19922997A JP H1121756 A JPH1121756 A JP H1121756A
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保彦 川口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帽子の正面部分にのみ刺繍縫製する普通帽子
枠と、正面部分と側面側部分とに刺繍縫製する幅広帽子
枠との取り替え作業を簡単化でき、しかも幅広帽子枠を
用いたときの大型刺繍模様の品質を向上すること。 【解決手段】 帽子29の内周面のうちの針穴12の左
右両側の所定範囲部分を支持する湾曲状の帽子支え板8
5と、幅広帽子枠100に装着された帽子29の内周面
に内接するようにベースフレーム30に回動自在に取付
けられた左右1対の案内ローラ90とを設け、案内ロー
ラ90の先端側部分を着脱可能な分割ローラ92で構成
したので、これら案内ローラ90で幅広帽子枠100に
装着された帽子29の拡大刺繍領域ELを常に張った状
態にでき、大型刺繍模様の品質を向上できる。一方、幅
広帽子枠100に代えて、帽子29の正面部分にのみ刺
繍縫製する為に用いる普通帽子枠を回動フレーム40に
装着する場合、各分割ローラ92を簡単に取り外すこと
ができ、普通帽子枠を回動フレーム40に簡単に装着す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、刺繍縫製装置に装
着して帽子の正面部分や側面側部分に刺繍模様を形成す
る帽子枠装置に関し、特に正面部分と側面側部分とに亙
る大型の刺繍模様を縫製する帽子枠を装着したときに
は、帽子の布地を案内ローラで張るようにし、正面部分
だけに刺繍模様を縫製する帽子枠を装着したときには、
干渉する案内ローラ先端側部分の分割ローラを簡単に取
り外せるようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】多頭式刺繍縫製装置は、複数の刺繍ミシ
ンと、これら刺繍ミシンのシリンダベッドと直交するX
方向(左右方向)とY方向(前後方向)とに独立に移動
駆動される布搬送枠と、この布搬送枠に着脱自在に取付
けられ被刺繍布を刺繍縫製可能にセットできる刺繍枠を
有する一方、多頭式刺繍縫製装置の複数の刺繍ミシンの
各々に着脱可能に装着して、帽子の正面部分に刺繍を施
す為の帽子枠装置が種々実用に供されている。
【0003】一般的な帽子枠装置は、刺繍ミシンのシリ
ンダベッド付近にY方向、つまり前後方向へ移動自在に
取付けられるベースフレームと、ベースフレームにY方
向と平行な軸回りに回動自在に支持される回動フレーム
と、回動フレームに着脱自在に装着され帽子を刺繍縫製
可能にセットする帽子枠と、布搬送枠のX方向移動を回
動フレームの回動に変換する回動機構等で構成されてい
る(例えば、特開平8−232158号公報参照)。ベ
ースフレームは連結機構を介して布搬送枠に連結され、
ベースフレームと回動フレームは布搬送枠とともにY方
向へ移動駆動される。
【0004】ここで、通常の帽子枠は、回動フレームに
装着される帽子支持体であって、帽子の正面部分の刺繍
領域に対応する略矩形状の開口部が形成された帽子支持
体と、その開口部の外周部を帽子支持体に押圧保持する
押え枠とからなり、縫製に供する帽子を帽子支持体にセ
ットした後、押え枠の左右両端部の連結金具を帽子支持
体の係合フックに係合させることで、帽子の普通サイズ
の刺繍領域(縦約7cm×横約10〜12cm)に対応する
布地が押え枠により張った状態に保持されるようになっ
ている。この場合、帽子の刺繍領域に対応する布地の内
側には、心地と言われる裏布が補強用に重ね縫いされて
いる。
【0005】ところで、最近、帽子に刺繍縫いする刺繍
模様としては、帽子の正面部分から左右両側面側部分に
拡大した幅広いものがデザイン的に好まれる場合もあ
り、そこで、帽子枠としては、帽子の正面部分のうちの
つば(ブリム)の縫い付け部だけを部分的に支持するワ
イド型の帽子枠が開発され、そのワイド型の帽子枠を取
付ける回動フレームの回動角度を大きくすることで、幅
広い刺繍模様を帽子の正面部分から側面側部分に刺繍縫
いできるようになっている。この場合、前述したよう
に、正面部分の刺繍領域に対応させて補強用の裏布が縫
い付けられているが、帽子の山部分(つば以外の頭部に
被さる布地部分)の殆どはフリー状態なので、正面部分
から側面側部分に至る拡大刺繍領域が湾曲状に保持され
ないことから、帽子の内周面のうちの針落ち位置の左右
両側を所定範囲に亙って支持する帽子支え板を設けるよ
うにしている。
【0006】しかし、縫製時にワイド型帽子枠を高速で
回動駆動するときに、フリー状態の山部分の特に頂部側
ほど回動遅れが生じるとともに、山部分の布地と帽子支
え板との間で摩擦抵抗が発生することなどから、その山
部分の布地が捩じれるようになってにシワが発生し易く
なり、刺繍模様の品質が低下するという問題が生じる。
【0007】そこで、特開平7─216716号公報に
は、前記ベースフレームの支持板に設けた4つの支持ロ
ーラで回動フレームを回転可能に支持する一方、帽子支
え板の左右両側に位置する上側の1対の支持ローラは、
帽子支え板よりも前方へ長く延びるように構成され、帽
子枠にセットされた帽子の山部分の内面をこれら1対の
支持ローラの先端部に形成されたテーパー面で夫々回転
させながら支持するようにし、縫製時に、フリー状態の
帽子の山部分の帽子支え板との摩擦による回動遅れを解
消するようにした帽子枠装置が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、特開
平7─216716号公報に記載の帽子枠装置において
は、縫製に際して帽子が回動するときに、帽子支え板の
左右両側に位置する上側の1対の支持ローラの先端部の
テーパー面で帽子枠にセットされた帽子の山部分の内面
を支持するようにしているが、ワイド型帽子枠に代え
て、押え枠を有する普通の帽子枠を装着したときに、そ
の押え枠の取付け金具がこれら帽子支え板や支持ローラ
に干渉しないように、帽子支え板や支持ローラを帽子の
回動軌跡より数ミリ低く取付けてあるので、帽子の正面
部分から側面側部分に至る拡大刺繍領域を帽子の回動方
向に張るように、つまり拡大刺繍領域の全域に亙って湾
曲状に張るようにはなっていないことから、拡大刺繍領
域にシワが発生し易くなり、刺繍模様の品質を改善する
には至っていない。
【0009】そこで、本願の発明者らは、1対の支持ロ
ーラの直径を大きくし、更にこれら支持ローラを帽子枠
に装着した帽子の回動軌跡に臨むように設け、ワイド型
帽子枠を装着したときには、これら支持ローラの各々を
帽子の内周面に常に内接させることで、拡大刺繍領域の
布地をこれら支持ローラにより帽子の回転方向に常に張
った状態に保持するようにし、拡大刺繍領域におけるシ
ワの発生を防止することを着想した。
【0010】しかし、帽子に縫製する刺繍模様として
は、常に大型の刺繍模様に限られることではなく、普通
サイズの刺繍領域を刺繍縫いするときには通常の帽子枠
を使用するに際して、押え枠の取付け金具が干渉しない
ように、また必要としない支持ローラを取り外すことに
なる一方、ワイド型帽子枠を使用するときには、1対の
支持ローラを位置調節することで取付けるようになり、
使用する帽子枠を取り替えるときの取り替え作業が複雑
化すること、またその取り替え作業に多大の作業時間を
要すること、などの問題がある。
【0011】本発明の目的は、帽子の正面部分にのみ刺
繍縫製する普通帽子枠と、正面部分と側面側部分とに刺
繍縫製する幅広帽子枠との取り替え作業を簡単化でき、
しかも幅広帽子枠を用いたときの大型刺繍模様の品質を
向上することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の帽子枠装置
は、刺繍縫製装置のシリンダベッド付近にシリンダベッ
ドの長さ方向である前後方向へ移動自在に取付けられる
ベースフレームと、ベースフレームに回動自在に支持さ
れ帽子枠が着脱可能に装着される回動フレームとを備え
た帽子枠装置において、ベースフレームに固定され、帽
子の内周面のうちの針落ち位置の左右両側の所定範囲部
分を支持する湾曲状の帽子支え板と、帽子支え板の左右
両側近傍に前後方向向きに配設され且つ帽子枠に装着さ
れた帽子の内周面に内接するようにベースフレームに回
動自在に取付けられた左右1対の案内ローラとを備え、
各案内ローラの先端側所定長さ部分が、着脱可能な分割
ローラに構成されたことを特徴とするものである。
【0013】刺繍縫製装置のシリンダベッド付近には、
シリンダベッドの長さ方向である前後方向へ移動自在に
ベースフレームが取付けられ、ベースフレームには回動
フレームが回動自在に支持され、その回動フレームには
帽子を装着した帽子枠が着脱可能に装着される。そし
て、ベースフレームが前後方向に移動駆動されるときに
は、帽子枠は回動フレームを介して同時に前後方向に移
動され、また回動フレームが回動されるときには、帽子
枠が同時に回動されるので、シリンダベッドに設けられ
た糸輪捕捉器と縫針との協働で、帽子枠に装着された帽
子の所定の刺繍領域に刺繍模様が縫製される。
【0014】ところで、帽子を装着する帽子枠として
は、帽子の正面部分にのみ刺繍模様を縫製する通常の帽
子枠と、正面部分とその側面側部分とに大型の刺繍模様
を縫製するワイド型の帽子枠とが存在し、ワイド型の帽
子枠を装着したときの刺繍領域が、帽子の正面部分から
側面側部分に至る拡大刺繍領域の場合には、基本的に、
帽子の正面部分のうちのつばの縫い付け部だけを帽子枠
で部分的に支持するので、帽子の山部分(つば以外の頭
部に被さる布地部分)の殆どはフリー状態となることか
ら、ベースフレームに固定された湾曲状の帽子支え板
は、縫製時に相対的に回動される帽子の内周面のうちの
針落ち位置の左右両側の所定範囲部分を摺動させながら
支持する。
【0015】しかし、帽子支え板の左右両側近傍に前後
方向向きに夫々配設された1対の案内ローラはベースフ
レームに夫々回動自在に取付けられており、しかも帽子
の内周面に夫々内接しているので、縫製時における拡大
刺繍領域の布地はこれら案内ローラにより常に張った状
態になり、それ故、拡大刺繍領域の布地が湾曲状の帽子
支え板に押圧接触しないことから、帽子支え板に対する
摩擦抵抗が軽減され、帽子の山部分が帽子枠と略同期し
て回動し、拡大刺繍領域におけるシワの発生を防止する
ことができる。
【0016】一方、通常の帽子枠を装着したときの刺繍
領域が、帽子の正面部分だけの場合には、その正面部分
の刺繍領域の外周部を押さえる押え枠が設けられてお
り、その押え枠の取付け金具が帽子枠の内部に突出状に
設けられている。そこで、押え枠の取付け金具が干渉す
る案内ローラの先端側所定長さ部分が着脱可能な分割ロ
ーラに構成されているので、その分割ローラを簡単に取
り外すことができ、ワイド型の帽子枠に代えて通常の帽
子枠に簡単に取り替えできる。
【0017】請求項2の帽子枠装置は、請求項1の発明
において、前記各案内ローラの基端側部分は回動フレー
ムの内面に摩擦接触し、回動フレームの回動に連動して
回動されることを特徴とするものである。この場合に
は、各案内ローラはその基端側部分において回動フレー
ムの内面に夫々摩擦接触しているので、回動フレームの
回動に連動して回動フレームの回動方向と同方向へ回動
し、帽子の内周面に内接しながら帽子の山部分を積極的
に且つ一体的に回動させることになり、拡大刺繍領域は
その全域に亙って綺麗な湾曲状を保持しながら回動す
る。その他、請求項1と同様の作用を奏する。
【0018】請求項3の帽子枠装置は、請求項1または
2の発明において、前記分割ローラは、分割ローラ以外
の案内ローラ本体部分よりも僅かに大径に形成されたこ
とを特徴とするものである。この場合には、縫製に際し
て帽子を回動させる際に、帽子の山部分の特につばから
遠ざかる頂部側ほど回動遅れが生じ易いが、各案内ロー
ラの先端側部分の分割ローラは案内ローラ本体部分より
も僅かに大径に構成されているので、その山部分の頂部
側を回動速度を少しでも速めるように積極的に回動させ
るようにして、回動遅れが確実に解消される。その他、
請求項1または2と同様の作用を奏する。
【0019】請求項4の帽子枠装置は、請求項1〜3の
何れか1項の発明において、前記帽子枠として、帽子の
正面部分にのみ刺繍縫製する為に用いる第1帽子枠と、
帽子の正面部分と側面側部分とに刺繍縫製する為に用い
る第2帽子枠とが選択的に適用され、第1帽子枠を装着
したときには両分割ローラが取り外され、第2帽子枠を
装着したときには両分割ローラが装着されることを特徴
とするものである。この場合、第1帽子枠を回動フレー
ムに装着して帽子の正面部分にのみ刺繍縫製する場合に
は、左右1対の分割ローラが夫々取り外されるので、第
1帽子枠を案内ローラに干渉することなく取付けでき
る。一方、第2帽子枠を回動フレームに装着して帽子の
正面部分と側面側部分とに刺繍縫製する場合には、両分
割ローラを簡単に装着でき、これら両分割ローラを帽子
の内周面に夫々内接させて正面部分から側面側部分に亙
る拡大刺繍領域を常に張った状態にできる。その他、請
求項1〜3の何れか1項と同様の作用を奏する。
【0020】請求項5の帽子枠装置は、請求項1〜4の
何れか1項の発明において、前記分割ローラの外周面に
摩擦係数の大きな摩擦層を形成したことを特徴とするも
のである。この場合には、縫製に際して帽子を回動させ
る際に、帽子の山部分の特につばから遠ざかる頂部程回
動遅れが生じ易いが、その山部分の頂部が各分割ローラ
の外周面に形成した摩擦係数の大きな摩擦層により、ス
リップすることなく確実に回動される。その他、請求項
1〜4の何れか1項と同様の作用を奏する。
【0021】請求項6の帽子枠装置は、請求項1〜4の
何れか1項の発明において、前記分割ローラを摩擦係数
の大きな材料で構成したことを特徴とするものである。
この場合には、縫製に際して帽子を回動させる際に、帽
子の山部分の特につばから遠ざかる頂部程回動遅れが生
じ易いが、その山部分の頂部が摩擦係数の大きな分割ロ
ーラによりスリップすることなく確実に回動される。そ
の他、請求項1〜4の何れか1項と同様の作用を奏す
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基いて説明する。本実施形態は多頭式刺繍縫製
装置に着脱可能に装着され、複数の帽子を一度に刺繍縫
製する複数の帽子枠装置の各々に本発明を適用した場合
の例である。図1に示すように、多頭式刺繍装置SM
は、X方向(左右方向)へ延びる刺繍機ベースフレーム
1と、刺繍機ベースフレーム1の上面の後部側に配設さ
れたX方向へ延びる略矩形状のミシン支持板2を有し、
ミシン支持板2上に3台の同一構造の多針式刺繍ミシン
M1〜M3がX方向に並設されている。
【0023】これら刺繍ミシンM1〜M3の各々におい
て、そのアーム部3の前端部には、12本の針棒と12
個の天秤9とを上下動可能に支持する針棒ケース7が、
X方向へ移動可能に支持されている。一方、アーム部3
には脚柱部4が連なり、脚柱部4の下端部に連なるベッ
ド本体部5は、ミシン支持板2上に固定され、ベッド本
体部5の前端部からシリンダベッド6が前方に延び、シ
リンダベッド6の先端部(前端部)には糸輪捕捉器等が
設けられている。
【0024】各針棒ケース7の針棒の下端部には縫針8
が取付けられ、12本の縫針8には糸立台10の12個
の糸立て11から12色の刺繍糸が夫々供給され、針棒
ケース7をX方向に移動させて、所望の1つの縫針8を
シリンダベッド6の先端部の針穴12に対向する縫製位
置に切換えることで針棒の1つが選択されると、その針
棒とそれに連結された天秤9のみが上下に駆動され、そ
の針棒の縫針8と糸輪捕捉器との協働により選択された
色の刺繍糸で刺繍縫目が形成される。前記針棒や天秤9
を上下動させる上軸と糸輪捕捉器を回転させる下軸は、
ミシンモータに連結されたVベルト17により回転駆動
される駆動軸18により駆動される。
【0025】ミシン支持板2の前側にはシリンダベッド
6の上面と同一高さまで上昇可能な作業用テーブル13
が配設され、作業用テーブル13の左右両側には1対の
補助テーブル14,15が設けられ、これら両補助テー
ブル14,15上に亙って、X方向へ長い矩形枠状の布
搬送枠16の両端部分の駆動枠部16a,16bが載置
支持され、右側の駆動枠部16aがX方向駆動機構(図
示略)によりX方向へ移動駆動され、左側の駆動枠部1
6bと右側の駆動枠部16aとがY方向駆動機構(図示
略)によりY方向へ移動駆動される。
【0026】各刺繍ミシンM1〜M3に取付けられる帽
子枠装置20について説明する。図2〜図5に示すよう
に、帽子枠装置20は、布搬送枠16の下側においてY
方向(前後方向)へ延びる案内軸21、案内軸21にY
方向へ移動自在に取付けられるベースフレーム30、ベ
ースフレーム30の回動を規制する回動規制機構24、
ベースフレーム30にY方向と平行な軸回りに回動自在
に支持される回動フレーム40、回動フレーム40を回
動させる回動機構50、ベースフレーム30を布搬送枠
16に作動的に連結する連結機構80、ベースフレーム
30に取付けられた鉛直向きの連結板35に取付けられ
た帽子支え板85及び1対の案内ローラ90と、回動フ
レーム40に着脱自在に装着される帽子枠100,11
0等で構成されている。
【0027】前記案内軸21は、シリンダベッド6の基
端側のベット本体部5に形成されたY方向向きの水平な
装着穴22に前方より着脱自在に装着され、固定具23
で固定解除可能にベッド本体部5に固定され、ベースフ
レーム30はこの案内軸21に摺動することでY方向移
動可能に支持されている。ベースフレーム30には、正
面視Y形をなす3つの腕部30a,30a,30bが形
成され、上側の1対の腕部30aの各々の上端部には、
回動フレーム40を外側から回動自在に支持する1対の
ローラ部材33が設けられている。但し、これらローラ
部材33は、偏心機構を介して回動フレーム40の回動
中心を半径方向へ位置調節可能になっている。
【0028】回動規制機構24について説明すると、シ
リンダベッド6の下面には、Y方向に延びるキー部材2
5が固定され、ベースフレーム30には、キー部材25
に前後方向に摺動自在に係合してベースフレーム30の
回動を規制する溝形部材26が固定され、ベースフレー
ム30は、Y方向と平行な軸回りに回動しないように規
制され、案内軸21に沿ってY方向にのみ移動自在であ
る。
【0029】回動フレーム40について説明する。回動
フレーム40には、断面円形の環状部41と、環状部4
1の上半部から前方へ所定長さ延びる断面半円弧状の帽
子枠支持部42とが設けられ、環状部41の外周部に
は、ローラ部材33が嵌まって転動するローラ溝43
と、回動機構50のワイヤ51を導くワイヤ案内溝44
が形成されている。環状部41の最下部は、ベースフレ
ーム30の下側腕部30bの下端に取付けられたローラ
部材34で案内され、環状部41の外周部には、帽子枠
支持部42に外嵌状に装着される帽子枠100,110
の係合穴に係合して帽子枠100,110を回動フレー
ム40に着脱自在に保持する4つの係合ローラ45が、
バネ部材で弾性付勢して設けられている。
【0030】次に、回動機構50について説明する。回
動機構50は、布搬送枠16のX方向移動を回動フレー
ム40の回動に変換するものであり、回動フレーム40
に巻き付けられたワイヤ51と、布搬送枠16に固定解
除可能に固定されるX方向に細長い固定部材52と、ベ
ースフレーム30に対してX方向へ相対移動可能であっ
て前記ワイヤ51の両端部分を夫々連結するワイヤ連結
部65,70を両端部に有するX方向に細長い可動部材
55等で構成されている。
【0031】固定部材52のX方向両端部の各々には1
対の連結穴53が形成され、固定部材52の下面をX方
向枠部16cに当接させた状態で、1対の連結穴53に
挿通させたツマミ付きのネジ部材(図示略)がX方向枠
部16cに螺着され、固定部材52がX方向枠部16c
に締結される。図5に示すように、可動部材55は、固
定部材52に載置して固定される水平板部56と、水平
板部56の前側に一体的に略横U字状に形成され、ベー
スフレーム30に固定された連結板35の上端屈曲部3
6が係合する係合壁部57を有する。
【0032】そして、可動部材55に形成された1対の
長孔77を介して、ツマミ付きのネジ部材76により、
これら水平板部56が固定部材52に固定解除可能に夫
々締結され、後述するように、固定部材52がX方向枠
部16cと一体的にX方向に移動されるときに、可動部
材55も同時にX方向に移動される。一方、ネジ部材7
6を取り外して、帽子枠装置20を多頭式刺繍縫製装置
SMから取外した場合でも、可動部材55はベースフレ
ーム30に取付けた連結板35の上端屈曲部36を介し
て常に係合されていることから、固定部材52と可動部
材55とワイヤ51などがベースフレーム30に対して
所定の連結関係に保持される。
【0033】前記可動部材55の左側のワイヤ連結部6
5は、可動部材55の下面に固着されて前方へ突出する
水平な連結板66と、連結板66の上面部にX方向へ移
動可能に連結された連結片68などから構成され、回動
フレーム40から左側へ延びるワイヤ51は、連結板6
6の端部でUターン状に上側へ屈曲され、ワイヤ51の
端部は連結片68に固定されている。一方、右側のワイ
ヤ連結部70は、可動部材55の下面に固着されて前方
へ突出する水平な連結板71を有し、回動フレーム40
から右側へ延びるワイヤ51は、その連結板71の端部
でUターン状に上側へ屈曲され、ワイヤ51の端部は連
結板71に固定されている。
【0034】次に、連結機構80について、図5に基づ
いて簡単に説明すると、連結部材81に鍔付き軸82が
支持され、その鍔付き軸82に操作レバー83の上端部
が回動可能に枢支され、操作レバー83を操作して鍔付
き軸82を固定位置に切換えると、図示外のクランプ機
構により鍔付き軸82が下方に移動して、鍔付き軸82
の上端部の鍔部82aにより連結部材81がY軸送り部
材28に固定される。つまり、ベースフレーム30は連
結機構80を介して布搬送枠16に連結され、布搬送枠
16とともにY方向へ移動駆動される。
【0035】ところで、前記帽子枠支持部42の直ぐ前
側には、その帽子枠支持部42の湾曲形状と同様に湾曲
形成された案内部85aを有する帽子支え板85が配設
され、この帽子支え板85は、シリンダベッド6の左右
両側に夫々位置する1対の前後方向向きの支持棒86に
夫々固定され、これら支持棒86の後端部は連結板35
に固着されている。即ち、帽子支え板85は、後述する
帽子枠100,110と共に回動フレーム40にセット
され回動フレーム40よりも前方へ突出する帽子29の
内周面のうち、針穴12(針落ち位置)の左右両側の所
定範囲部分を摺動させながら支持するようになってい
る。但し、帽子支え板85の高さは、普通防止枠110
が装着されたときでも干渉しないように、帽子29の回
動軌跡より数ミリ低くしてある。
【0036】一方、前記1対のローラ部材33に対応し
且つ帽子支え板85の案内部85aの左右両側近傍に
は、前後方向向きの左右1対の案内ローラ90が夫々配
設され、これら案内ローラ90は合成樹脂製であり、そ
の基端部(後端部)において連結板35に回動自在に取
付けられている。即ち、各案内ローラ90は図6に示す
ように同様に構成され、ベースフレーム30と連結板3
5とに段付きボルト96の基端部が螺着され、その段付
きボルト96に1対のベアリング97が嵌め込まれ、案
内ローラ90の基端部がこれらベアリング97に圧入状
に外嵌することで、各案内ローラ90は回動自在に枢支
されている。
【0037】ところで、図6、図7に示すように、各案
内ローラ90は、案内ローラ90の大部分であるローラ
本体部91(案内ローラ本体部に相当する)と、案内ロ
ーラ90の先端側所定長さ部分に対応する分割ローラ9
2とで構成され、その分割ローラ92は、ローラ本体部
91に対して僅かに大径に構成され且つローラ本体部9
1に着脱可能に構成されている。即ち、ローラ本体部9
1の先端部分は所定長さに亙って若干段落ち状に、つま
り小径部91aとして構成され、その小径部91aの基
端近傍部にストレートピン98が貫通状に固着されてい
る。ここで、各案内ローラ90は、ローラ部材33に対
向する外周面が帽子29の回動軌跡に臨む位置に設けら
れ、帽子29の内周面に確実に内接するようになってい
る。
【0038】一方、分割ローラ92はその内部を中空と
するキャップ状に形成されたものであり、分割ローラ9
2の内部にはコイルバネ93が固着されるとともに、分
割ローラ92の開放側端部には、前記ストレートピン9
8の両端部に係合可能な平面視略J字状の1対の係合穴
92aが対向状に夫々形成されている。これにより、分
割ローラ92の係合穴92aの開口部をストレートピン
98に夫々対応させた状態でローラ本体部91側に押し
込み、右回転方向に回動させることで、分割ローラ92
をローラ本体部91に装着できる。一方、分割ローラ9
2をローラ本体部91に押し込みながら左回転方向に回
動させることで、分割ローラ92をローラ本体部91か
ら取り外すことができる。
【0039】ここで、分割ローラ92の外周面には、摩
擦係数の大きいゴム膜94が摩擦層として形成されてい
る。つまり、そのゴム膜94を形成した分割ローラ92
が、後述するように帽子29の山部分(つば29a以外
の頭部に被さる布地部分)29bの内周面に確実に内接
するようになっている。また、ローラ本体部91の基端
部にも摩擦係数の大きいゴム膜95が形成され、このゴ
ム膜95を介して回動フレーム40の内面に摩擦接触
し、案内ローラ90は回動フレーム40の回動に連動し
て回動されるようになっている。
【0040】次に、帽子枠100,110について説明
する。ここで、帽子枠100,110としては、帽子2
9の正面部分に対応する普通サイズ(縦約7cm×横約1
0〜12cm)の刺繍模様を形成する標準刺繍領域EM
(図10参照)を有する普通帽子枠110(第1帽子枠
に相当する)と、帽子29の正面部分から側面側部分に
至る幅広い大型の刺繍模様(縦約7cm×横約14〜15
cm)を形成する拡大刺繍領域EL(図2参照)を有する
幅広帽子枠100(第2帽子枠に相当する)とがあり、
先ず幅広帽子枠100について説明する。幅広帽子枠1
00は、図2、図9に示すように、回動フレーム40に
着脱自在に装着される湾曲状の帽子枠本体101と、こ
の帽子枠本体101に帽子29を挟んで外側から着脱自
在に固定される押え枠部材102とで構成されている。
【0041】帽子29は、図示外の準備ステーションに
おいて、帽子枠100に装着するが、その場合、図2に
示すように、帽子29の汗取り部に対応する外周部分だ
けを帽子枠本体101に被せ、正面部分のうちのつば2
9a(ブリム)の縫い付け部だけを外側から押え枠部材
102で押え、押え枠部材102の左右両端部を帽子枠
本体101に取付ける。そして、図8〜図9に示すよう
に、幅広帽子枠100を回動フレーム40に装着する。
この場合、帽子29の山部分29bの殆どはフリー状態
になっている。
【0042】次に、帽子枠装置20の作用について説明
する。図8〜図9に示すように、幅広帽子枠100を回
動フレーム40に装着したときには、前述したように、
帽子29は、帽子枠本体101と押え枠部材102とに
より、正面部分のうちのつば29aの縫い付け部分にお
いて支持されているだけなので、帽子29の山部分29
bの殆どはフリー状態になっている。ところで、このと
き、連結板35に固定された湾曲状の帽子支え板85
は、帽子29の内周面のうちの針穴12の左右両側の所
定範囲部分を支持するとともに、その帽子支え板85の
案内部85aの左右両側近傍に設けられた左右1対の案
内ローラ90が帽子29の内周面に夫々内接している。
【0043】つまり、拡大刺繍領域ELの布地はこれら
案内ローラ90により、帽子29の回転方向に常に張っ
た状態になっており、拡大刺繍領域ELの布地にはシワ
が発生することがない。そして、布搬送枠16がX方向
とY方向とに夫々移動駆動されて刺繍縫製実行されると
きに、特に布搬送枠16がX方向への移動に際して、可
動部材55がX方向へ移動するのと同時に、両ワイヤ連
結部65,70のワイヤ51を介して回動フレーム40
と幅広帽子枠100とが時計回り方向と反時計回り方向
とに一体的に回動駆動される。
【0044】このとき、帽子支え板85は、相対的に回
動される帽子29の内周面のうちの針穴12の左右両側
の所定範囲部分を摺動させながら支持することになる
が、回動フレーム40に摩擦接触している1対の案内ロ
ーラ90が、回動フレーム40の回動に連動して夫々同
期して回動されるので、拡大刺繍領域ELの布地が帽子
支え板85に押圧接触しないことから、帽子支え板85
に対する摩擦抵抗が軽減され、帽子29の山部分29b
が幅広帽子枠100と略同期して回動し、拡大刺繍領域
ELにおけるシワの発生を防止した状態で、拡大刺繍領
域ELに綺麗な刺繍模様を縫製することができる。
【0045】特に、縫製に際して帽子29を回動させる
際に、帽子29の山部分29bの特につば29aから遠
ざかる頂部29c側ほど回動遅れが生じ易いが、各案内
ローラ90の先端側の分割ローラ92はローラ本体部9
1に対して僅かに大径に構成され且つ分割ローラ92の
外周面には摩擦係数の大きいゴム膜94が形成されてい
るので、その頂部29c側の布地は分割ローラ92で支
持されながら積極的に回動されるので、その山部分29
bが一体的にスリップすることなく確実に回動される。
【0046】次に、普通サイズの標準刺繍領域EMを有
する普通帽子枠110について説明すると、図10〜図
12に示すように、回動フレーム40に装着される帽子
支持体112であって、帽子29の正面部分の標準刺繍
領域EMに対応する略矩形状の開口部111が形成され
た帽子支持体112と、その開口部111の外周部を帽
子支持体112に押圧保持する押え枠113とからな
り、縫製に供する帽子29を帽子支持体112にセット
した後、押え枠113の左右両端部の固定部113aを
帽子支持体112に取付けることで、帽子29の標準刺
繍領域EMに対応する布地が押え枠113により張った
状態に保持されるようになっている。
【0047】この場合、押え枠113の固定部113a
においては、固定用の金具などが普通帽子枠110の内
側に出っ張っているが、帽子支え板85は、前述したよ
うに、帽子29の回動軌跡よりも若干低くなっているの
で、固定部113aが帽子支え板85に干渉することが
ない。しかし、押え枠113の固定部113aは、1対
の案内ローラ90の先端側部分に干渉することから、各
案内ローラ90の分割ローラ92が同時に取り外され
る。
【0048】即ち、分割ローラ92を装着していたロー
ラ本体部91の先端部は小径部91aなので、普通帽子
枠110が回動しても固定部113aが案内ローラ90
に干渉しなくなる。このとき、各分割ローラ92はロー
ラ本体部91に着脱可能になっているので、各分割ロー
ラ92を簡単に取り外すことができ、普通帽子枠110
を回動フレーム40に簡単に装着することができる。そ
して、前記幅広帽子枠100と同様に、布搬送枠16が
X方向とY方向とに夫々移動駆動されて、標準刺繍領域
EMに綺麗な刺繍模様を縫製することができる。
【0049】このように、多頭式刺繍装置SMのシリン
ダベッド6付近に、シリンダベッド6の長さ方向である
前後方向へ移動自在に取付けられるベースフレーム30
と、ベースフレーム30に回動自在に支持され幅広帽子
枠100が着脱可能に装着される回動フレーム40とを
備えた帽子枠装置20において、湾曲状の帽子支え板8
5と、幅広帽子枠100に装着された帽子29の内周面
に確実に内接するようにベースフレーム30に回動自在
に取付けられた左右1対の案内ローラ90とを設けたの
で、正面部から側面側部分に至る拡大刺繍領域ELに刺
繍縫製する幅広帽子枠100であって、帽子29の山部
分29bが支持されないフリー状態であっても、これら
1対の案内ローラ90で拡大刺繍領域ELの布地を常に
張った状態にでき、帽子29の山部分29bを幅広帽子
枠100と略同期して回動させることができ、拡大刺繍
領域ELにシワが発生することがなく、大型刺繍模様の
品質を向上することができる。
【0050】また、各案内ローラ90は、その基端側部
分に形成した摩擦係数の大きいゴム膜95を介して回動
フレーム40の内面に摩擦接触し、回動フレーム40の
回動に連動して回動されるので、帽子29の内周面に内
接しながら帽子29の山部分29bを積極的に且つ一体
的に回動させることができ、拡大刺繍領域ELをその全
域に亙って綺麗な湾曲状に保持しながら回動できる。
【0051】更に、縫製に際して帽子29を回動させる
際に、帽子29の山部分29bの特につば29aから遠
ざかる頂部29c側ほど回動遅れが生じ易いが、各案内
ローラ90の先端側の分割ローラ92はローラ本体部9
1に対して僅かに大径に構成され且つ分割ローラ92の
外周面には摩擦係数の大きいゴム膜94が形成されてい
るので、その頂部29c側の布地は分割ローラ92で支
持されながら積極的に回動されるので、その山部分29
bが一体的にスリップすることなく確実に回動される。
【0052】加えて、幅広帽子枠100に代えて、帽子
29の正面部分にのみ刺繍縫製する為に用いる普通帽子
枠110を回動フレーム40に装着する場合には、押え
枠113の固定部113aが案内ローラ90の先端側部
分に干渉するので、左右1対の分割ローラ92を夫々取
り外すことになるが、各分割ローラ92はローラ本体部
91に着脱可能に取付けられているので、各分割ローラ
92を簡単に取り外すことができ、これら分割ローラ9
2を取り外したローラ本体部91の先端側部分は小径部
91aなので、普通帽子枠110が回動しても固定部1
13aが案内ローラ90に干渉しなくなる。これによ
り、普通帽子枠110を回動フレーム40に簡単に装着
することができる。
【0053】前記実施形態の変更形態として、各案内ロ
ーラ90を次のように構成してもよい。 1) 各分割ローラ92の全体を摩擦係数の大きな材料
として、例えば硬質のゴム体、表面をヤスリ状に荒立て
た合成樹脂や硬質ゴムで構成するようにしてもよい。 2) ローラ本体部91の小径部91の外周と分割ロー
ラ92の内周とに夫々螺旋ネジを形成し、分割ローラ9
2をローラ本体部91に着脱可能に螺着するようにして
もよい。
【0054】3) 図13に示すように、ローラ本体部
91Aの小径部91aに係合凹部91bを形成し、分割
ローラ92Aに、2つの平行なスリットにより形成した
短冊状の弾性片92aを形成し、その弾性片92aに内
側突出状に形成した係合凸部92bを係合凹部91bに
係脱可能に係合させることで、分割ローラ92Aをロー
ラ本体部91Aに着脱可能に構成してもよい。
【0055】4) また、図14に示すように、ローラ
本体部91Bの小径部91aに、コイルバネ120によ
り退入可能な可動ピン121を設け、分割ローラ92B
に形成した係合穴92cにその可動ピン121を係合さ
せることで、分割ローラ92Aをローラ本体部91Aに
着脱可能に構成してもよい。尚、本発明は前記実施形態
に限定されず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲に
おいて、前記実施形態の各機構に既存の技術や当業者に
自明の技術に基いて種々の変更を加えることもあり得
る。
【0056】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、刺繍縫製装置
のシリンダベッド付近にシリンダベッドの長さ方向であ
る前後方向へ移動自在に取付けられるベースフレーム
と、ベースフレームに回動自在に支持され帽子枠が着脱
可能に装着される回動フレームとを備えた帽子枠装置に
おいて、湾曲状の帽子支え板と、帽子枠に装着された帽
子の内周面に内接するようにベースフレームに回動自在
に取付けられた左右1対の案内ローラとを設けたので、
正面部から側面側部分に至る拡大刺繍領域に刺繍縫製す
るワイド型の帽子枠であって、帽子の山部分が支持され
ないフリー状態であっても、これら1対の案内ローラで
拡大刺繍領域の布地を常に張った状態にでき、帽子の山
部分を帽子枠と略同期して回動させることができ、拡大
刺繍領域にシワが発生することがなく、大型刺繍模様の
品質を向上することができる。
【0057】一方、各案内ローラの先端側所定長さ部分
が、着脱可能な分割ローラに構成されたので、正面部だ
けに刺繍縫製する通常の帽子枠を装着したときには、そ
の分割ローラを簡単に取り外すことができ、それ故、ワ
イド型の帽子枠に代えて通常の帽子枠に簡単に取り替え
て、案内ローラに干渉することなく通常の帽子枠を回動
フレームに装着して帽子の正面部に刺繍縫製することが
できる。
【0058】請求項2の発明によれば、請求項1と同様
の効果を奏するが、前記各案内ローラの基端側部分は回
動フレームの内面に摩擦接触し、回動フレームの回動に
連動して回動されるので、帽子の内周面に内接しながら
帽子の山部分を積極的に且つ一体的に回動させることが
でき、拡大刺繍領域をその全域に亙って綺麗な湾曲状に
保持しながら回動できる。
【0059】請求項3の発明によれば、請求項1または
2と同様の効果を奏するが、前記分割ローラは、分割ロ
ーラ以外の案内ローラ本体部分よりも僅かに大径に形成
されたので、回動遅れが生じ易い帽子の山部分の特につ
ばから遠ざかる頂部側をその分割ローラで積極的により
速く回動させるようにして、回動遅れを確実に解消する
ことができる。
【0060】請求項4の発明によれば、請求項1〜3の
何れか1項と同様の効果を奏するが、帽子の正面部分に
のみ刺繍縫製する為に用いる第1帽子枠を回動フレーム
に装着する場合には、左右1対の分割ローラが夫々取り
外されるので、第1帽子枠を案内ローラに干渉すること
なく取付けできる。一方、帽子の正面部分と側面側部分
とに刺繍縫製する為に用いる第2帽子枠を回動フレーム
に装着する場合には、両分割ローラを簡単に装着でき、
これら両分割ローラを帽子の内周面に夫々内接させて正
面部分から側面側部分に亙る拡大刺繍領域を常に張った
状態にでき、大型の刺繍模様を綺麗に刺繍縫製すること
ができる。
【0061】請求項5の発明によれば、請求項1〜4の
何れか1項と同様の効果を奏するが、前記分割ローラの
外周面に摩擦係数の大きな摩擦層を形成したので、縫製
時に帽子を回動させる際に、回動遅れが生じ易い帽子の
山部分の特につばから遠ざかる頂部をスリップさせるこ
となく確実に回動させることができる。請求項6の発明
によれば、請求項1〜4の何れか1項と同様の効果を奏
するが、前記分割ローラを摩擦係数の大きな材料で構成
したので、請求項3と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る多頭式刺繍装置の全体
斜視図である。
【図2】幅広帽子枠を取外した帽子枠装置及び回動機構
の斜視図である。
【図3】幅広帽子枠を取外した帽子枠装置及び回動機構
の平面図である。
【図4】幅広帽子枠を取外した帽子枠装置及び回動機構
の正面図である。
【図5】幅広帽子枠を取外した帽子枠装置の側面図であ
る。
【図6】案内ローラの部分切欠き拡大側面図である。
【図7】案内ローラの縦断側面図である。
【図8】幅広帽子枠を装着した図3相当図である。
【図9】幅広帽子枠を装着した図5相当図である。
【図10】普通帽子枠を取外した図2相当図である。
【図11】普通帽子枠を装着した図8相当図である。
【図12】普通帽子枠を装着した図9相当図である。
【図13】変更形態に係る案内ローラの部分側面図であ
る。
【図14】変更形態に係る案内ローラの図7相当図であ
る。
【符号の説明】
SM 多頭式刺繍縫製装置 6 シリンダベッド 12 針穴 20 帽子枠装置 29 帽子 30 ベースフレーム 40 回動フレーム 85 帽子支え板 90 案内ローラ 91,91A,91B ローラ本体部 92,92A,92B 分割ローラ 94 ゴム膜 95 ゴム膜 100 幅広帽子枠 110 普通帽子枠

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 刺繍縫製装置のシリンダベッド付近にシ
    リンダベッドの長さ方向である前後方向へ移動自在に取
    付けられるベースフレームと、ベースフレームに回動自
    在に支持され帽子枠が着脱可能に装着される回動フレー
    ムとを備えた帽子枠装置において、 前記ベースフレームに固定され、帽子の内周面のうちの
    針落ち位置の左右両側の所定範囲部分を支持する湾曲状
    の帽子支え板と、 前記帽子支え板の左右両側近傍に前後方向向きに配設さ
    れ且つ帽子枠に装着された帽子の内周面に内接するよう
    にベースフレームに回動自在に取付けられた左右1対の
    案内ローラとを備え、 前記各案内ローラの先端側所定長さ部分が、着脱可能な
    分割ローラに構成されたことを特徴とする帽子枠装置。
  2. 【請求項2】 前記各案内ローラの基端側部分は回動フ
    レームの内面に摩擦接触し、回動フレームの回動に連動
    して回動されることを特徴とする請求項1に記載の帽子
    枠装置。
  3. 【請求項3】 前記分割ローラは、分割ローラ以外の案
    内ローラ本体部分よりも僅かに大径に形成されたことを
    特徴とする請求項1または2に記載の帽子枠装置。
  4. 【請求項4】 前記帽子枠として、帽子の正面部分にの
    み刺繍縫製する為に用いる第1帽子枠と、帽子の正面部
    分と側面側部分とに刺繍縫製する為に用いる第2帽子枠
    とが選択的に適用され、前記第1帽子枠を装着したとき
    には両分割ローラが取り外され、前記第2帽子枠を装着
    したときには両分割ローラが装着されることを特徴とす
    る請求項1〜3の何れか1項に記載の帽子枠装置。
  5. 【請求項5】 前記分割ローラの外周面に摩擦係数の大
    きな摩擦層を形成したことを特徴とする請求項1〜4の
    何れか1項に記載の帽子枠装置。
  6. 【請求項6】 前記分割ローラを摩擦係数の大きな材料
    で構成したことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項
    に記載の帽子枠装置。
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