JPH11217340A - プロペンの製造方法 - Google Patents

プロペンの製造方法

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JPH11217340A
JPH11217340A JP10295739A JP29573998A JPH11217340A JP H11217340 A JPH11217340 A JP H11217340A JP 10295739 A JP10295739 A JP 10295739A JP 29573998 A JP29573998 A JP 29573998A JP H11217340 A JPH11217340 A JP H11217340A
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JP10295739A
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Peter Dr Schwab
ペーター、シュヴァプ
Michael Schultz
ミヒャエル、シュルツ
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BASF SE
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    • C07C11/02Alkenes
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
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    • B01D3/00Distillation or related exchange processes in which liquids are contacted with gaseous media, e.g. stripping
    • B01D3/14Fractional distillation or use of a fractionation or rectification column
    • B01D3/141Fractional distillation or use of a fractionation or rectification column where at least one distillation column contains at least one dividing wall
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C07C6/04Metathesis reactions at an unsaturated carbon-to-carbon bond at a carbon-to-carbon double bond
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    • C07C2523/32Manganese, technetium or rhenium
    • C07C2523/36Rhenium
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】高収率でプロペンを製造する方法の提供。 【解決手段】a)1種類以上のVIb、VIIbまたは
VIII族遷移金属の化合物を含有するメタセシス触媒
の存在下、1−、2−ブテンおよびイソブテンを反応さ
せプロペン、2−ペンテン/2−メチル−2−ブテンを
形成し、b)形成されたプロペンと2−ペンテン/2−
メチル−2−ブテンとを分離し、c)1種類以上の元素
周期表第VIb、VIIbまたはVIII族遷移金属の
化合物を含有するメタセシス触媒の存在下、2−ペンテ
ンおよび2−メチル−2−ブテンをエテンと反応させプ
ロペン、1−ブテン/イソブテンを形成し、d)形成さ
れたプロペンと1−ブテン/イソブテンとを分離し、
e)1−ブテン/イソブテンを工程aに返送する工程を
含むプロペンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン化合物
のメタセシスによりプロペンを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィンのメタセシス(不均化)はそ
の最も簡単な形態において、オレフィンの裂開による可
逆的な金属触媒転位およびC=C二重結合の再形成とし
て説明し得る。例えば式R1 −CH=CH−R2 及びR
3 −CH=CHR4 のオレフィンは、可逆的反応によ
り、式R1 −CH=CH−R3 およびR2 −CH=CH
−R4 を形成する。非環式オレフィンのメタセシスにお
いては、あるオレフィンが異なる分子量を有する2種類
のオレフィンに転化する自己メタセシスと、2種類のオ
レフィンが反応する交叉メタセシスもしくはコメタセシ
スとの間の区別がなされる。自己メタセシスの例として
は、2分子のプロペンの、例えばフィリップストリオレ
フィン法(「ハイドロカーボン、プロセシング」46巻
(1967年)11号、232頁参照)による反応で、
エテンと、2−ブテンを形成する事例が挙げられる。交
叉メタセシスの例としては、プロペンと1−ブテンの反
応でエテンと2−ペンテンを形成する事例が挙げられ
る。反応関与体の一方がエテンである場合、この反応は
慣例的にエテノリシスと称される。
【0003】メタノセシス反応は触媒の存在下に行われ
る。適当な触媒は、遷移金属、ことに元素周期表VI か
らVIII族金属の化合物を含有する均一系および不均
一系触媒である。
【0004】西独特願公開1940433号公報には、
触媒としてRe27 /Al23を使用して、プロペ
ンおよび2−ペンテンを形成する1−ブテンと2−ブテ
ンのメタセシス反応が記載されている。形成されたペン
テンは、さらに、炭酸カリウム上のナトリウムヒドリド
およびエテンと反応せしめられて、ヘプテンを形成す
る。
【0005】プロペンと2−ペンテンを形成する1−ブ
テンと2−ブテンのメタセシスは、同上文献の55巻
(1976年)8号における、T.D.ブラウン、K.
L.アンダーソンの報文に、イオアミレンの合成におけ
る二次反応として記載されている。
【0006】欧州特願公開304515号公報は、触媒
としてRe27 /Al23 を使用し、反応性蒸留装
置中において行われる、プロペンとペンテンを形成する
ための1−ブテンおよび2−ブテンのメタセシス反応を
開示している。
【0007】米国特許3526676号明細書は、Al
23 担体上のMoO3 およびCoO触媒上における、
プロペンおよびペンテン形成のための、1−ブテンと2
−ブテンのメタセシスを開示している。
【0008】米国特許3785957号明細書は、高オ
クタン価燃料の製造方法を開示しており、この方法にお
いて、オレフィン燃料は、エチレンにより不均化され、
生成物は、プロペン流、ブテン流、C5 またはC5 −C
6 オレフィン流およびC6+またはC7+燃料流に分別され
る。このC5 またはC5 −C6 オレフィン流は、WO3
/SiO2 固定層触媒上で、エテンにより不均化され
て、プロペンおよびブテンを形成する。得られたプロペ
ンは、不均化されて、エテンとブテンを形成し、このエ
テンはイソブタンによりアルキル化される。
【0009】米国特許3767565号明細書は、燃料
のオクタン価を増大させるための方法を開示しており、
この方法では、オレフィン燃料のC5 留分が、WO3
SiO2 およびMgO含有触媒の存在下において、エテ
ンと反応せしめられ、エテン、プロペン、n−ブテンお
よびイソブテンを形成し、得られたブテンは不均化さ
れ、得られたn−ブテンはイソブタンでアルキル化され
る。
【0010】さらに欧州特願公開691318号公報
は、触媒の存在下に、C5 オレフィンとエテンが反応せ
しめられ、C4 オレフィンとプロペンの混合物を形成す
るオレフィンメタセシス法を開示している。すなわち、
2−メチル−2−ブテンがエテンと反応せしめられ、イ
ソブテンとプロペンが形成される。2−ペンテンと2−
メチル−2−ブテンの混合物が反応せしめられ、1-ブテ
ン、イソブテンおよびプロペンの混合物が形成される。
【0011】しかしながら、1−ブテン、2−ブテンお
よびイソブテンを反応させて、プロペンを高収率で製造
する方法は、公知ではない。
【0012】過剰量のエテンを使用することなく、プロ
ペンを高収率で得る方法は、高収率で得る方法は、公知
ではない。上述の方法では、少なくとも等モル量のエテ
ンの添加によりプロペンが製造されるが、高いプロペン
の選択性を達成するためには、大量のエテンを循環使用
しなければならない。さらに、給送材料中に存在するイ
ソブテンは反応せず、時空収率を低減させる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】この技術分野において
解決されるべき課題ないし本発明の目的は、過剰量のエ
テンを使用することなく、極めて少量のエテンの使用
で、1−ブテン分の少ないC4 流からプロペンが得ら
れ、しかもイソブテンも所望生成物に転化され得る、1
−ブテン、2−ブテンおよびイソブテンを含有する混合
物からプロペンを製造する方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】しかるに、上述の課題な
いし目的は、少なくとも1種類の元素周期表第VIb、
VIIbまたはVIII族遷移金属の化合物を含有する
メタセシス触媒の存在下において、1−ブテン、2−ブ
テンおよびイソブテンを反応させ、次いでプロペンを分
離することを特徴とするプロペンの製造方法により解決
ないし達成されることが本発明者らにより見出された。
【0015】さらに上述の課題ないし目的は、以下の各
工程、すなわち、(a)少なくとも1種類の元素周期表
第VIb、VIIbまたはVIII族遷移金属の化合物
を含有するメタセシス触媒の存在下において、1−ブテ
ン、2−ブテンおよびイソブテンを反応させ、プロペ
ン、2−ペンテンおよび2−メチル−2−ブテンを形成
し、(b)次いで、形成されたプロペンと、2−ペンテ
ン/2−メチル−2−ブテンとを分離し、(c)次い
で、少なくとも1種類の元素周期表第VIb、VIIb
またはVIII族遷移金属の化合物を含有するメタセシ
ス触媒の存在下において、2−ペンテンおよび2−メチ
ル−2−ブテンをエテンと反応させて、プロペン、1−
ブテンおよびイソブテンを形成し、(d)次いで形成サ
レタプロペンと、1−ブテン/イソブテンとを分離し、
(e)次いで形成された1−ブテンおよびイソブテンを
工程(a)に返送することを特徴とするプロペンの製造
方法よっても解決ないし達成されることが見出された。
【0016】本発明の好ましい実施態様は、2段階の、
メタセシス工程を包含する。第1の工程においては、1
−ブテン、2−ブテンおよびイソブテンが反応せしめら
れて、プロペン、2−ペンテンおよび2−メチル−2−
ブテンを形成する。第2の工程においては、この2−ペ
ンテンおよび2−メチル−2−ブテンが、エテンと反応
せしめられて、1−ブテン、イソブテンおよびペンテン
を形成する。本発明の一実施態様において、1−ブテン
およびイソブテンは、第1反応工程に返送される。
【0017】従って、基本的反応は、2分子のプロペン
を形成するための、2−ブテンとエテンの反応である。
本発明の一実施態様において、2−ペンテンおよび2−
メチル−2−ブテンと、エテンとの反応は、目的生成物
を高収率で得るために、明白に等モル量の出発材料を使
用するだけでよい。従って公知の可逆的トリオレフィン
法とは異なり、使用されるエテンの量は少量に維持され
得る。
【0018】上記の両メタセシス工程は、以下に詳述さ
れるように反応性蒸留として実施され得る。
【0019】本発明の一実施態様において、1−ブテ
ン、2−ブテンおよびイソブテンは、純粋な物質として
使用される。しかしながら、他の実施態様においては、
これらブテンは、分解装置、ことに流動分解装置から、
または精製処理からのC4 分ストリームの形態で使用さ
れる。このC4 分ストリームは、ブテンの他にC4 アル
カンを含有する。また他の実施態様においては、ラフィ
ネートIから成るC4 分ストリームが使用される。ここ
でラフィネートIと称するのは、1−ブテン、シス/ト
ランス−2−ブテン、イソブテンおよびさらにn−ブタ
ン、イソブタンを含有する留分である。ラフィネートI
は、例えば、60−90重量%のオレフィンと、10−
40重量%のブテンを含有し、このブテンは、例えば1
0から40重量%の1−ブテン、10から40重量%の
2−ブテンおよび10から50重量%のイソブテンから
成る。本発明の一実施態様において使用されるC4 分ス
トリームは、20−100重量%、好ましくは50−9
0、ことに70−90重量%のブテンを含有する。1−
ブテン対2−ブテンのモル割合は、10:1から1:1
0、好ましくは3:1から1:3、ことに2:1から
1:2であり、また1−ブテン+2−ブテン対イソブテ
ンのモル割合は、10:1から1:5、ことに3:1か
ら1:2である。本発明の他の実施態様において、C4
分ストリームは、少量のその他の炭化水素化合物も含有
する。
【0020】ラフィネートIIは、水蒸気分解で得られ
た粗C4 成分からブタジエンを除去したものが好まし
い。これは、例えば、極性非プロトン溶媒(例えばN−
メチルピロリドン)よるブタジエン抽出または選択的水
素添加により行われる。処理の態様により、異なる組成
のC4 成分が得られる。
【0021】
【表1】
【0022】原則的に、これらの処理を施したラフィネ
ートIが本発明方法に適する。
【0023】本発明の一実施態様において、使用され得
る出発材料は、1−ブテン、2−ブテンおよびイソブテ
ンを含有する任意のストリームである。また他の実施態
様において、1−ブテンとイソブテンは、本発明方法自
体により生成されたものであり、新たに使用される2−
ブテンと混合され得る。
【0024】本発明において使用されるC4 給送流は、
本発明方法に使用される前に、微量で存在する場合のあ
る水、酸素、酸素付加物、硫黄ないし硫黄含有化合物、
窒素、燐、またはハロゲン、ことに塩化物を除去するた
めに精製するのが好ましい。この除去は、C4 給送流
を、ゼオライド、ゼオライト様燐酸塩、珪素、アルミニ
ウム、チタン、ジルコニウムの高表面積酸化物、漂白
土、粘土、ヒドロタルサイト、高表面積燐酸塩、活性
炭、炭素分子篩、有機ポリマー、イオン交換樹脂、こと
にNaX分子篩のような吸着作用を有する材料上に走過
させることにより行われ得る。吸着材料は案内床として
構成されるのが好ましい。
【0025】この吸着処理ないし吸着精製のための方法
は、例えば、1988年ヴァインハイムのVCH社刊、
W.カストの「アドゾルプチオーン、アウス、デル、ガ
スファーゼ」に記載されており、またゼオライト吸着剤
の使用方法は、1974年、ニューヨークのウィリイ社
刊、D.W.ベロックの「ゼオライト、モレキュラー、
スィーヴズ」に説明されている。ことに液相におけるC
3 −C15炭化水素化合物からのアセトアルデヒドの除去
については、欧州特願公開582901号公報に記載さ
れている。上記各文献に記載の方法が、この精製にも利
用され得る。
【0026】上記C4 給送流は、気相、液相または超臨
界相において、吸着材料と接触せしめられる。
【0027】1−ブテン、2−ブテンおよびイソブテン
の反応により、プロペン、2−ペンテン、さらに2−メ
チル−2−ブテンが形成されるが、その他に、さらに、
小量の3−ヘキセン、エテン、2,3−ジメチル−2−
ブテンおよび2−メチル−2−ペンテンが副生成物とし
て得られる。小量のさらに他の高沸点化合物も得られ
る。
【0028】
【化1】
【0029】上記反応において、a′−オレフィンであ
る1−ブテンおよびi−ブテンと2−ブテンとの交叉メ
タセシス反応により、所望分子量のプロペンが形成され
る。ほぼ当モル量のC5 オレフィンである2−ペンテ
ン、2−メチル−2−ブテンが同時生成物として得られ
る。1−ブテンとイソブテンの自己メタセシス反応(エ
テンと3−ヘキセンまたは2,3−ジメチル−2−ブテ
ンを形成)および2種類のa′−オレフィンの交叉メタ
セシス反応(2−メチル−2−ペンテンを形成)は、極
めて有用でない。イソブテン自己メテシス反応生成物の
形成は認められなかった。
【0030】この第1工程で得られるC4+オレフィン
は、エテンとプロペンの蒸留による除去後において、出
発材料よりも著しく、高い分解度を有する同時分解給送
分として機能する。また、C4 とC5+の分離後、下記に
示されるC5+のエテノリシスによりプロペン収率は著し
く高められる。この反応により得られる2次的構成分
は、専ら1−ブテンとイソブテンのみを含有し、第1メ
タセシス工程に返送されるか、あるいは周知の技術によ
り純粋化合物として単離され得る。
【0031】
【化2】
【0032】本発明の一実施態様において、2−ペンテ
ンおよび2−メチル−2−ブテンの1から20重量%、
ことに1から5重量%の量で、第1工程において形成さ
れる少量の副生成物は、次工程(エテノリシス)におけ
る反応を防げることがなく、従ってこの副生成物を除去
するために、2−ペンテンおよび2−メチル−2−ブテ
ンを精製する必用はない。ただし、本発明の他の実施態
様においては、2−ペンテンおよび2−メチル−2−ブ
テンは、純粋な形態で2次反応に使用される。
【0033】「2−ペンテンおよび2−メチル−2−ブ
テン」と称するのは、2−ペンテンと2−メチル−2−
ブテンのみでなく、さらに他の少量のヘキセン、ことに
3−ヘキセンと、高沸点化合物をも包含する混合物も含
む。
【0034】さらに、「ブテン」、「1−ブテン」、
「2−ブテン」および「イソブテン」も、ブテンのみで
なく、さらにC4 アルカン、ことにブタンを含有する混
合物も含めて意味する。
【0035】
【実施態様】以下の実施態様において、添付図面を参照
しつつ本発明の複数実施態様を例示的に説明する。
【0036】図面中に使用される符号は以下の意味を有
する。
【0037】Bu ブテン Et エテン Pr プロペン H 高沸点化合物 I ラフィネート C44 オレフィン C5+ 炭素原子数5以上のオレフィン R1 反応器 R2 反応器 D1 蒸留カラム(垂直線がD1の下方に施されて
いる場合、このカラムは隔壁カラムである) D2 蒸留カラム(垂直線がD2の下方に施されて
いる場合、このカラムは隔壁カラムである) D3 蒸留カラム
【0038】以下において、本発明による以下の各工
程、すなわち、(a)少なくとも1種類の元素周期表第
VIb、VIIbまたはVIII族遷移金属の化合物を
含有するメタセシス触媒の存在下において、1−ブテ
ン、2−ブテンおよびイソブテンを反応させ、プロペ
ン、2−ペンテンおよび2−メチル−2−ブテンを形成
し、(b)次いで、形成されたプロペンと、2−ペンテ
ン/2−メチル−2−ブテンとを分離し、(c)次い
で、少なくとも1種類の元素周期表第VIb、VIIb
またはVIII族遷移金属の化合物を含有するメタセシ
ス触媒の存在下において、2−ペンテンおよび2−メチ
ル−2−ブテンをエテンと反応させて、プロペン、1−
ブテンおよびイソブテンを形成し、(d)次いで形成さ
れたプロペンと、1−ブテン/イソブテンとを分離し、
(e)次いで形成された1−ブテンおよびイソブテンを
工程(a)に返送することを特徴とするプロペンの製造
方法の一実施態様を説明する。
【0039】この実施態様は図1に示されている。第1
反応器R1において、1−ブテン、2-ブテンおよびイソ
ブテンが、メタセシス触媒の存在下に反応せしめられ、
プロペン、2−ペンテンおよび2−メチル−2−ブテン
が形成される。このためにラフィネート流Iがこの反応
器に給送される。その下流に蒸留カラムD1が接続され
ており、この塔頂からプロペンおよび副生成物として形
成されたエテンが排出除去される。この中間排出部か
ら、未反応ラフィネートIが取り出され、その一部は反
応器R1に返送されてもよい(図1には示されていな
い)。副生成物として形成された2−ペンテン、2−メ
チル−2−ブテン、3−ヘキセンと高沸点化合物がカラ
ムD1の塔底から取り出される。この塔底留分は、添加
されたエテンと共に同じく本発明によるメタセシス触媒
が装填されている第2反応器R2に給送される。この反
応器R2における2−ペンテン、2−メチル−2−ブテ
ンとエテンとの反応により、1−ブテン、イソブテンお
よびプロペンが形成される。反応器R2における反応生
成物は、蒸留カラムD2に給送され、その塔頂からプロ
ペンと未反応エテンが取り出される。形成された1−ブ
テンおよびイソブテンは、中間取出部から取り出され、
少なくともその一部は反応器R1に返送されるのが好ま
しい。カラムD2の塔底において、未反応の2−ペンテ
ン、2−メチル−2−ブテンおよび副生成物としての3
−ヘキセン、高沸点生成物が塔底で得られる。これら塔
底留分は反応器R2に返送されるのが好ましい。カラム
D1、D2から取り出されたプロペンと副生成物エテン
との混合物は、さらに他の蒸留カラムD3において分別
蒸留される。その塔頂でエテンが得られ、これは反応器
R2に返送されるのが好ましく(図1には示されていな
い)、あるいは同時分解給送分として排出される。カラ
ムD3の塔底で得られるプロペンが本発明方法による好
ましい反応生成物である。蒸留カラムD1、D2は、低
沸点相、ことにエテン、プロペンを含有するC2/3 相が
塔頂から取り出されるように構成されている。C4
流、ことにブテンとブタンは、中間沸点相として取り出
される。C≧5 炭化水素は塔底分として排出される。
【0040】反応器R1、R2は、適当なものであれば
どのような反応器でも差し支えない。連続的な反応装置
でも、バッチ式装置でもよい。この実施態様では、ガラ
ス製耐圧反応器が使用されたが、他の実施例では管状反
応器が使用された。
【0041】本実施態様における反応器R1の転化率は
20から90%、ことに50から80%、反応器R2の
それは20から100%、ことに60から90%であ
る。反応器R1における反応は液相で行われ、圧力、温
度は反応関与体が液状に維持されるように選択される。
【0042】本実施態様において、反応器R1における
温度は0から150℃、ことに20から80℃、圧力は
20から200バール、ことに5から20バールであ
る。反応器R2における反応(エテノリシス)は、20
から150℃、ことに20から80℃、5から200バ
ール、ことに30から80バールで行われる。エテンの
補給は、定常的な圧力が維持されるように連続的な加圧
導入により行われる。
【0043】R1、R2における反応は、圧力反応器、
管状反応器または反応カラムで、連続的にまたはバッチ
式で、1秒間から10時間、ことに1から60分間行わ
れる。いずれかと言えば管状反応器を使用するのが好ま
しい。
【0044】本実施態様による蒸留カラムD1、D2
は、炭化水素流を、C2/3 ストリーム、C4 ストリーム
およびC≧5 ストリームに分離する。これらカラムは隔
壁カラムとして構成される。本実施態様におけるカラム
D3は、エテンとプロペンを分離する。本発明の一実施
態様においては、反応器R1は蒸留カラムD1と合併さ
れ、反応蒸留装置を構成する。この場合、反応は蒸留カ
ラムにおいて直接行われ、触媒は反応カラム中に装填さ
れる。従って、蒸留は反応と同時に、或いはその直後に
行われる。この反応方法は「反応蒸留」と称される。
【0045】本発明の一実施態様では、両反応共に反応
蒸留装置で行われる。これらの反応は平衡反応であっ
て、反応生成物は、平衡状態からなるべく迅速に取り出
され、なるべく高い転化率を達成する。これは反応蒸留
装置を使用することにより可能である。
【0046】この場合、通常の蒸留カラムD1の代わり
に隔壁カラムが使用される。この方法が図2に示され
る。
【0047】上述実施態様と同様に、メタセシス反応
は、ラフィネートIを使用して、反応器R1中の不均系
メタセシス触媒上で行われる。蒸留カラムD1はこのメ
タセシス反応生成物を分離する。蒸留カラムD3は、前
同様にエテンとプロペンを分離する。反応器R2は、C
5+高沸点相をエテンと反応させる。
【0048】前実施態様と異なり、蒸留カラムD1は隔
壁カラムとして構成されており、さらにC4 オレフィン
およびブタンを含有するカラムD1からの中間沸点留分
の一部は、ラフィネート給送流Iに返送される。蒸留カ
ラムD1、D2は同一の分離作用を果たすべきであるか
ら、本実施態様ではカラムD2を設けず、単一のカラム
D1を使用する。これにより装置が簡素化される。これ
に対応して反応スキームも簡単化され、カラムD1から
の高沸点生成物は反応器R2に給送され、その一部は排
出される。反応器R2からの生成物は、蒸留カラムD1
に給送される。反応器R2へのエテン給送の一部は、蒸
留カラムD3からの低沸点生成物から行われ、残部は新
規補給により行われる。本実施態様における反応生成物
はプロペンを主とするが、C4 オレフィンおよびC5+オ
レフィンを少量含有する。
【0049】図3は、図1の実施態様により近似する実
施態様を示す。ただし、カラムD2もD1と同様に隔壁
カラムとして形成される。
【0050】図1の方法と異なり、C4 オレフィンおよ
びブタンを含有するカラムD1からの中間沸点生成物の
一部は排出され、他の一部はカラムD2からの中間沸点
生成物と合併され、反応器R1に返送される。蒸留カラ
ムD3から得られるエテンは、反応器R2に給送され、
5+留分との反応が行われる。反応生成物は、前同様
に、この実施態様ではプロペンを主とし、C4 オレフィ
ンとブタンを少量含有するが、さらに蒸留カラムD2か
らのC5+留分(同時分解給送分として)も含有する。
【0051】(触媒)本発明方法においては、適当な公
知のメタセシス触媒のいずれでも使用され得る。本発明
の一実施態様で使用される触媒は不均一系の、ことに担
持触媒である。これは、少なくとも1種類の元素周期表
VIb、VIIbまたはVIII遷移族金属の化合物を
含有する。ことにルテニウム化合物および/またはレニ
ウム化合物が好ましい。このような触媒は、例えば、1
996年、ニューヨークのアカデミックプレス社刊、
K.J.アイヴィン、I.C.モルの「オレフィン、メ
タセシス、アンド、メタセシルポリメライゼーション」
第2版、217頁以降、1978年、ニューヨークのジ
ョーン、ウィリイ、アンド、サンズ社刊、S.リパード
編、Prg.Inorg.Chem.24巻、1−50
におけるR.H.グラブズの報文、1982年、ニュー
ヨークのパーガモン、プレス社刊、G.ウィルキンソン
編、Compr.Organomet.Chem.8
巻、479−551におけるR.H.グラブズの報文、
Prog.Polym.Sci.(1993)18巻、
1141−1195におけるD.S.ブレスロウの報文
に記載されている。
【0052】本発明の一実施態様に使用される金属化合
物は、金属酸化物、付加的有機基を有する部分的酸化
物、カルボニル化合物である。
【0053】また、他の実施態様では、均一系触媒が使
用される。この触媒も、少なくとも1種類の元素周期表
VIb、VIIb、VIII遷移族金属の化合物、こと
にレニウムまたはルテニウムの化合物を含有するのが好
ましい。
【0054】本発明の一実施態様では、WO93/20
111、同96/4289各公報、J.Chem.So
c.Chem.Commun.1995、1127−1
128に記載されているようなルテニウム化合物が使用
される。
【0055】また本発明の好ましい実施態様において
は、式RuX2 (CHR)(PR′32 で表され、
R、R′がC1 −C12、ことにC1 −C6 アルキルまた
はC6 −C12アリールを意味し、R′がさらにC3 −C
8 、ことにC5 もしくはC6 シクロアルキルを意味し、
Xが塩化物、臭化物、沃化物のようなハロゲン化物を意
味する場合が使用される。ことにRuCl2 (=CHP
a)(PCy32 の、例えばメチレンクロリド溶液と
して使用するのが好ましい。
【0056】金属酸化物は、モリブデン、タングステ
ン、好ましくはレニウムの酸化物、ことにRe27
好ましい。
【0057】(担体)本発明の一実施態様において使用
される触媒は担体を含有し、これはAl23 、ことに
【0058】
【化3】 これらの混合物、例えばSiO2 /Al23 、B2
3 /SiO2 /Al23 、Fe23 /Al23
ような無機担体である。
【0059】この担体上の金属酸化物分の量割合は、担
持触媒全体に対して1から20重量%、好ましくは3か
ら15、ことに8から12重量%である。
【0060】例えば20から80℃の極めて穏和な反応
条件下においても活性のAl23上のRe27
媒、あるいは比較的高温ではMO3 /SiO2 触媒(M
はMoもしくはW)が使用される。
【0061】ことにAl23 上のR27 、SiO2
/Al23 、SiO2 /Al23 /Fe23 、B
23 /Al23 触媒が好ましい。この場合の金属酸
化物の量割合は1から20、ことに3から10重量%で
本発明の他の実施態様ではRe27 またはその混合物
の代わりにMeReO3 が使用される。
【0062】本発明方法においては、ことにAl23
担体上のRe27 触媒を使用するのが好ましい。
【0063】本発明の一実施態様において、触媒は〓焼
した直後のものが使用され、その後、例えばアルキル化
剤による活性化処理は不要である。不活性化触媒は、例
えば550℃において空気流中で炭素残渣を焼き落と
し、アルゴン雰囲気中で冷却することにより再生され
る。
【0064】本発明方法は、溶媒、例えば炭化水素溶媒
の存在下に行われ得るが、好ましい実施態様では、反応
は溶媒を使用することなく行われる。
【0065】
【実施例】ラフィネートIからプロペンを製造する連続
的実験実施例1−3 (i−ブテン含有C4 留分のメタセシス)不均一系Re
27 /Al23 触媒を充填した管状反応器に、60
℃、10バールにおいてラフィネートIを連続的に給送
し、滞留時間を異ならせて実験した。反応生成物は、放
圧後取り出され、ガスクロマトグラフィー分析に附され
た。結果は下表1に示される。
【0066】
【表2】
【0067】実施例4および5 (C5 /C6 高沸点分のエテノリシスに関する連続的実
験)2−ペンテン、2−メチル−2−ブテン、3−ヘキ
センおよび2−メチル−2−ペンテンを含有する、実施
例1から3で得られた高沸点分を、不均一系Re27
/Al23 触媒を充填した管状反応器に、60℃、5
0から70バールにおいて連続的に給送した(給送割合
2 :C5 、C6 =1:1)、放圧後、反応生成物を取
り出し、ガスクロマトグラフィー分析に附した。結果を
下表1に示す。
【0068】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の好適態様を示す概略図である。
【図2】本発明の方法の別の好適態様を示す。
【図3】本発明の方法の別の好適態様を示す。
【符号の説明】
Bu ブテン Et エテン Pr プロペン H 高沸点化合物 I ラフィネート C44 オレフィン C5+ 炭素原子数5以上のオレフィン R1 反応器 R2 反応器 D1 蒸留カラム(垂直線がD1の下方に施されて
いる場合、このカラムは隔壁カラムである) D2 蒸留カラム(垂直線がD2の下方に施されて
いる場合、このカラムは隔壁カラムである) D3 蒸留カラム

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種類の元素周期表第VI
    b、VIIbまたはVIII族遷移金属の化合物を含有
    するメタセシス触媒の存在下において、1−ブテン、2
    −ブテンおよびイソブテンを反応させ、次いでプロペン
    を分離することを特徴とするプロペンの製造方法。
  2. 【請求項2】 以下の各工程、すなわち、 (a)少なくとも1種類の元素周期表第VIb、VII
    bまたはVIII族遷移金属の化合物を含有するメタセ
    シス触媒の存在下において、1−ブテン、2−ブテンお
    よびイソブテンを反応させ、プロペン、2−ペンテンお
    よび2−メチル−2−ブテンを形成し、 (b)次いで、形成されたプロペンと、2−ペンテン/
    2−メチル−2−ブテンとを分離し、 (c)次いで、少なくとも1種類の元素周期表第VI
    b、VIIbまたはVIII族遷移金属の化合物を含有
    するメタセシス触媒の存在下において、2−ペンテンお
    よび2−メチル−2−ブテンをエテンと反応させて、プ
    ロペン、1−ブテンおよびイソブテンを形成し、 (d)次いで形成されたプロペンと、1−ブテン/イソ
    ブテンとを分離し、 (e)次いで形成された1−ブテンおよびイソブテンを
    工程(a)に返送することを特徴とするプロペンの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 上記工程(b)が隔壁カラム中で行われ
    る蒸留工程であって、ここでプロペン含有低沸点相と、
    場合によりブテン含有中間沸点相と、2−ペンテンおよ
    び2−メチル−2−ブテン含有底部相とが得られ、かつ
    /もしくは上記工程(d)が隔壁カラム中で行われる蒸
    留工程であって、ここでプロペン含有低沸点相と、1−
    ブテンおよびイソブテン含有中間沸点相と、場合により
    2−ペンテンおよび2−メチル−2−ブテン含有底部相
    とが得られ、上記工程(b)および(d)が単一蒸留カ
    ラム中で行われ得ることを特徴とする、請求項(2)の
    方法。
  4. 【請求項4】 上記工程(a)および/または(c)に
    おける反応が完結するまで行われず、工程(b)および
    /または(d)において、C2/3 含有低沸点相と、C4
    中間沸点相と、C≧5 含有底部相とが得られ、 合併されてもよい低沸点相が、蒸留によりC2 相と、C
    3 相に分離され、C2相が工程(c)に返送され、 合併されてもよい中間沸点相の少なくとも一部分が工程
    (a)に返送され、また合併されてもよい底部相の少な
    くとも一部分が工程(c)に返送されることを特徴とす
    る、請求項(2)または(3)の方法。
  5. 【請求項5】 1−ブテン、2−ブテンおよびイソブテ
    ンが、ラフィネートIとして使用されることを特徴とす
    る、請求項(1)から(4)のいずれかの方法。
  6. 【請求項6】 上記ラフィネートIが、反応前における
    精製のために、吸着剤上を走過せしめられることを特徴
    とする、請求項(5)の方法。
  7. 【請求項7】 1−ブテン対2−ブテンのモル割合が1
    0:1から1:10、1−ブテン+2−ブテン対イソブ
    テンのモル割合が10:1から1:5であることを特徴
    とする、請求項(5)または(6)の方法。
  8. 【請求項8】 レニウムまたはルテニウム化合物を含有
    する均一系もしくは不均一系メタセシス触媒が使用され
    ることを特徴とする、請求項(1)から(7)のいずれ
    かの方法。
  9. 【請求項9】 上記メタセシス触媒が、触媒全量に対し
    て1から20重量%の酸化レニウム分を含有する、Al
    23 担体上のRe27 触媒を含有するか、またはこ
    れから構成されることを特徴とする、請求項(8)の方
    法。
  10. 【請求項10】 1−ブテン、2−ブテンおよびイソブ
    テンの反応、および/または2−ペンテンおよび2−メ
    チル−2−ブテンとエテンの反応が、反応蒸留として、
    行われることを特徴とする、請求項(1)から(9)の
    いずれかの方法。
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