JPH11217328A - 抗hiv活性を発現する脂質集合体 - Google Patents
抗hiv活性を発現する脂質集合体Info
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- JPH11217328A JPH11217328A JP1566198A JP1566198A JPH11217328A JP H11217328 A JPH11217328 A JP H11217328A JP 1566198 A JP1566198 A JP 1566198A JP 1566198 A JP1566198 A JP 1566198A JP H11217328 A JPH11217328 A JP H11217328A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】リンパ節に特異選択的に移行して抗HIV活性を
発現する薬物調製物の提供。 【解決手段】一般式(I): 【化1】 〔R1は飽和・不飽和の長鎖脂肪酸残基又は飽和・不飽和
の炭化水素残基、R2はH,飽和・不飽和の長鎖脂肪酸残
基又は飽和・不飽和の炭化水素残基;Xは式(II): 【化2】 (R3は水素,アジド基;R4は水素,低級アルキル基;Yは式
(III),(IV),(V)又は(VI): 【化3】 [R5はハロゲン,H又は分岐していてもよい低級アルキ
ル基;R6はハロゲン,H,低級アルキル基を表し;R7は
アミノ基,ハロゲン又はヒドロキシ基;R8はハロゲン,
H又はハロゲンで置換されていてもよいアルケニル基;
R9及びR10は各々H,アミノ基,ヒドロキシ基又はハロ
ゲン;R11はアミノ基,ヒドロキシ基又はハロゲン]のい
ずれかで示される塩基)で表される基。〕で示され、少
なくともホスフォリパーゼD又はC下で抗HIV活性を
発現する脂質類似型化合物又はその薬学的に許容される
塩を脂溶性微粒子キャリアーに含有する脂質集合体。
発現する薬物調製物の提供。 【解決手段】一般式(I): 【化1】 〔R1は飽和・不飽和の長鎖脂肪酸残基又は飽和・不飽和
の炭化水素残基、R2はH,飽和・不飽和の長鎖脂肪酸残
基又は飽和・不飽和の炭化水素残基;Xは式(II): 【化2】 (R3は水素,アジド基;R4は水素,低級アルキル基;Yは式
(III),(IV),(V)又は(VI): 【化3】 [R5はハロゲン,H又は分岐していてもよい低級アルキ
ル基;R6はハロゲン,H,低級アルキル基を表し;R7は
アミノ基,ハロゲン又はヒドロキシ基;R8はハロゲン,
H又はハロゲンで置換されていてもよいアルケニル基;
R9及びR10は各々H,アミノ基,ヒドロキシ基又はハロ
ゲン;R11はアミノ基,ヒドロキシ基又はハロゲン]のい
ずれかで示される塩基)で表される基。〕で示され、少
なくともホスフォリパーゼD又はC下で抗HIV活性を
発現する脂質類似型化合物又はその薬学的に許容される
塩を脂溶性微粒子キャリアーに含有する脂質集合体。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リンパ系、特にリ
ンパ節に特異選択的に移行して抗HIV活性を発現する
ことを特徴とする脂質集合体に関する。詳細には、抗H
IV活性を発現するヌクレオシド誘導体の脂溶性調製物
を脂溶性微粒子キャリアーに含有する脂質集合体、特に
リポソーム体及びエマルジョン体に関する。
ンパ節に特異選択的に移行して抗HIV活性を発現する
ことを特徴とする脂質集合体に関する。詳細には、抗H
IV活性を発現するヌクレオシド誘導体の脂溶性調製物
を脂溶性微粒子キャリアーに含有する脂質集合体、特に
リポソーム体及びエマルジョン体に関する。
【0002】
【従来の技術】生体の中で血管系と共に脈管系を構成
し、末梢組織から組織液を回収して体液循環を調節して
いるのがリンパ系である。リンパ液は毛細リンパ管から
中心方向に一方向に流れ、リンパ節において他の部位か
ら流出したリンパ液と合流を重ねて、最終的には胸管に
代表される中心リンパ管を経て左鎖骨下静脈に注ぐ。リ
ンパ系はしばしば細菌感染の拡大の経路となる。またリ
ンパ系は免疫システムの中で重要な役割を果たしてお
り、後天性免疫不全症であるエイズはレトロウイルスH
IVがリンパ系に集まり、免疫調整能が破壊されて発症
する疾患である。
し、末梢組織から組織液を回収して体液循環を調節して
いるのがリンパ系である。リンパ液は毛細リンパ管から
中心方向に一方向に流れ、リンパ節において他の部位か
ら流出したリンパ液と合流を重ねて、最終的には胸管に
代表される中心リンパ管を経て左鎖骨下静脈に注ぐ。リ
ンパ系はしばしば細菌感染の拡大の経路となる。またリ
ンパ系は免疫システムの中で重要な役割を果たしてお
り、後天性免疫不全症であるエイズはレトロウイルスH
IVがリンパ系に集まり、免疫調整能が破壊されて発症
する疾患である。
【0003】従来より、ヌクレオシド誘導体又は疑似ヌ
クレオシドが逆転写酵素阻害剤として、HIVによる誘
発されるHIV感染の予防及び治療に有効であることが
判明している。
クレオシドが逆転写酵素阻害剤として、HIVによる誘
発されるHIV感染の予防及び治療に有効であることが
判明している。
【0004】近年のエイズ治療法においては、かかる逆
転写酵素阻害剤をプロテアーゼ阻害剤と併用することに
より、年間死亡者数の減少が認められているが、その反
面、逆転写酵素阻害剤が循環血を介して骨髄に移行する
ことによって生じる骨髄系の重篤な副作用や、耐性ウイ
ルス株の出現が問題となっている。
転写酵素阻害剤をプロテアーゼ阻害剤と併用することに
より、年間死亡者数の減少が認められているが、その反
面、逆転写酵素阻害剤が循環血を介して骨髄に移行する
ことによって生じる骨髄系の重篤な副作用や、耐性ウイ
ルス株の出現が問題となっている。
【0005】また従来の逆転写酵素阻害剤は、経口投与
形態であるが、例えばDDI(didanosine)と称される
逆転写酵素阻害剤は消化管内での代謝が大きいため、経
口投与後のバイオアベイラビリティーは非常に低い(3
〜7%)。更にAZT(azido thymidine)は、血中半
減期が短いために1日の投与量及び投与回数を多くしな
ければ効き目がなく(1200mg 6分服)、長期間
投与によって循環血中のAZTが骨髄に移行して毒性を
発揮するという欠点がある。さらに血中から逆転写酵素
阻害剤がリンパ液に移行する量は限られているため、リ
ンパ節内に潜むHIVを有意に破壊させるには、今の薬
剤の使用量また投与形態では不十分である。
形態であるが、例えばDDI(didanosine)と称される
逆転写酵素阻害剤は消化管内での代謝が大きいため、経
口投与後のバイオアベイラビリティーは非常に低い(3
〜7%)。更にAZT(azido thymidine)は、血中半
減期が短いために1日の投与量及び投与回数を多くしな
ければ効き目がなく(1200mg 6分服)、長期間
投与によって循環血中のAZTが骨髄に移行して毒性を
発揮するという欠点がある。さらに血中から逆転写酵素
阻害剤がリンパ液に移行する量は限られているため、リ
ンパ節内に潜むHIVを有意に破壊させるには、今の薬
剤の使用量また投与形態では不十分である。
【0006】HIVに感染した患者では、リンパ節が腫
れる等の初期症状を示すことが報告されている。リンパ
移行性を示す薬物を経口投与した場合であっても、薬物
は腸リンパ本幹から吸収され、乳ビ槽、胸管を経て、比
較的速やかに鎖骨下静脈から血中に入ってしまう。その
ため、経口投与ではこの経路中のリンパ節に存在するウ
イルスしか攻撃することができない可能性もある。
れる等の初期症状を示すことが報告されている。リンパ
移行性を示す薬物を経口投与した場合であっても、薬物
は腸リンパ本幹から吸収され、乳ビ槽、胸管を経て、比
較的速やかに鎖骨下静脈から血中に入ってしまう。その
ため、経口投与ではこの経路中のリンパ節に存在するウ
イルスしか攻撃することができない可能性もある。
【0007】しかして、副作用を軽減しながらHIVの
根治を実現するためには、ウイルスが巣くうリンパ節に
選択特異的に移行し、該ターゲッティング部位において
有意に抗HIV活性を発現する抗HIV剤の開発が求め
られている。
根治を実現するためには、ウイルスが巣くうリンパ節に
選択特異的に移行し、該ターゲッティング部位において
有意に抗HIV活性を発現する抗HIV剤の開発が求め
られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、エイズ治療
薬のリンパターゲッティングを目的とする。つまり本発
明は、リンパ節中に選択的に移行して該部位において有
意に抗HIV活性を発現する化合物の調製物を提供する
ことを目的とするものである。
薬のリンパターゲッティングを目的とする。つまり本発
明は、リンパ節中に選択的に移行して該部位において有
意に抗HIV活性を発現する化合物の調製物を提供する
ことを目的とするものである。
【0009】更に本発明は、該化合物の調製物を有効成
分とすることによって、リンパ節内に選択的に移行し、
有意な抗HIV活性を発揮し、副作用の低減された抗H
IV剤を提供することを目的とする。
分とすることによって、リンパ節内に選択的に移行し、
有意な抗HIV活性を発揮し、副作用の低減された抗H
IV剤を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】従来から、種々の薬物を
リポソーム体として組織内に投与すると、選択的にリン
パ系から吸収されることが知られている。このため、本
発明者らは前記目的を達成するために、AZT等の抗H
IV活性を有するヌクレオシド誘導体のリポソーム化を
試みた。しかしながら、これらのヌクレオシド誘導体は
水溶性が高く分子量が小さいためリポソームへの封入率
は極端に少なく、その上封入された薬物も速やかに漏出
することが判明した。
リポソーム体として組織内に投与すると、選択的にリン
パ系から吸収されることが知られている。このため、本
発明者らは前記目的を達成するために、AZT等の抗H
IV活性を有するヌクレオシド誘導体のリポソーム化を
試みた。しかしながら、これらのヌクレオシド誘導体は
水溶性が高く分子量が小さいためリポソームへの封入率
は極端に少なく、その上封入された薬物も速やかに漏出
することが判明した。
【0011】一方、脂溶性を高めて膜透過性を向上させ
る目的で、種々の水溶性薬物にリン脂質官能基を導入す
る試みが種々なされている。しかしながら、本発明者ら
によって、AZT等の抗HIV活性を有するヌクレオシ
ド誘導体の場合はリン脂質官能基を導入しても、脂溶性
は向上するものの、予想に反して膜透過性は逆に減少し
てしまうことが確認された。
る目的で、種々の水溶性薬物にリン脂質官能基を導入す
る試みが種々なされている。しかしながら、本発明者ら
によって、AZT等の抗HIV活性を有するヌクレオシ
ド誘導体の場合はリン脂質官能基を導入しても、脂溶性
は向上するものの、予想に反して膜透過性は逆に減少し
てしまうことが確認された。
【0012】これらの検討結果をもとにして、本発明者
らは、核酸系逆転写酵素阻害剤として有用な各種ヌクレ
オシド誘導体にリン脂質官能基を導入して調製される脂
質類似型ヌクレオシド誘導体をリポソーム化又は水中油
(o/w)型エマルジョン化することを試みたところ、
薬物はほぼ100%安定してリポソーム化又はエマルジ
ョン化することができ、しかもかかるリポソーム体及び
エマルジョン体は、上記目的に合致した優れた特性を有
しており、特に筋肉内投与により殆ど血漿中に移行する
ことなく速やかにリンパ系を介して吸収され、リンパ節
内で活性型ヌクレオシド誘導体となって有意に抗HIV
活性を発揮することが見いだされた。本発明は、かかる
知見に基づくものである。
らは、核酸系逆転写酵素阻害剤として有用な各種ヌクレ
オシド誘導体にリン脂質官能基を導入して調製される脂
質類似型ヌクレオシド誘導体をリポソーム化又は水中油
(o/w)型エマルジョン化することを試みたところ、
薬物はほぼ100%安定してリポソーム化又はエマルジ
ョン化することができ、しかもかかるリポソーム体及び
エマルジョン体は、上記目的に合致した優れた特性を有
しており、特に筋肉内投与により殆ど血漿中に移行する
ことなく速やかにリンパ系を介して吸収され、リンパ節
内で活性型ヌクレオシド誘導体となって有意に抗HIV
活性を発揮することが見いだされた。本発明は、かかる
知見に基づくものである。
【0013】すなわち、本発明は、下記(1)〜(6)
のいずれかに示される、脂質類似型化合物若しくはその
薬学的に許容される塩を脂溶性微粒子キャリアーに含有
する脂質集合体である。
のいずれかに示される、脂質類似型化合物若しくはその
薬学的に許容される塩を脂溶性微粒子キャリアーに含有
する脂質集合体である。
【0014】(1)一般式(I):
【0015】
【化8】
【0016】〔式中、R1は飽和若しくは不飽和の長鎖
脂肪酸残基または飽和若しくは不飽和の炭化水素残基を
表し、R2は水素原子,飽和若しくは不飽和の長鎖脂肪
酸残基または飽和若しくは不飽和の炭化水素残基を表
し;Xは式(II):
脂肪酸残基または飽和若しくは不飽和の炭化水素残基を
表し、R2は水素原子,飽和若しくは不飽和の長鎖脂肪
酸残基または飽和若しくは不飽和の炭化水素残基を表
し;Xは式(II):
【0017】
【化9】
【0018】(式中、R3は水素原子またはアジド基を
表し、R4は水素原子又は低級アルキル基を表し;Yは
式(III),(IV),(V)又は(VI):
表し、R4は水素原子又は低級アルキル基を表し;Yは
式(III),(IV),(V)又は(VI):
【0019】
【化10】
【0020】[R5はハロゲン,水素原子又は分岐してい
てもよい低級アルキル基を表し;R6はハロゲン,水素
原子,分岐しているか若しくは置換基を有していてもよ
い低級アルキル基を表し;R7はアミノ基,ヒドロキシ
基又はハロゲンを表し;R8はハロゲン,水素原子又は
ハロゲンで置換されていてもよいアルケニル基を表し;
R9及びR10は、それぞれ水素原子,アミノ基,ヒドロ
キシ基又はハロゲンを表し;R11アミノ基,ヒドロキシ
基又はハロゲンを表す。]のいずれかで示される塩基を
表す。)で表される基である。〕で示され、少なくとも
ホスフォリパーゼD若しくはホスフォリパーゼC下で抗
HIV活性を発現することを特徴とする脂質類似型化合
物またはその薬学的に許容される塩を、脂溶性微粒子キ
ャリアーに含有する脂質集合体。
てもよい低級アルキル基を表し;R6はハロゲン,水素
原子,分岐しているか若しくは置換基を有していてもよ
い低級アルキル基を表し;R7はアミノ基,ヒドロキシ
基又はハロゲンを表し;R8はハロゲン,水素原子又は
ハロゲンで置換されていてもよいアルケニル基を表し;
R9及びR10は、それぞれ水素原子,アミノ基,ヒドロ
キシ基又はハロゲンを表し;R11アミノ基,ヒドロキシ
基又はハロゲンを表す。]のいずれかで示される塩基を
表す。)で表される基である。〕で示され、少なくとも
ホスフォリパーゼD若しくはホスフォリパーゼC下で抗
HIV活性を発現することを特徴とする脂質類似型化合
物またはその薬学的に許容される塩を、脂溶性微粒子キ
ャリアーに含有する脂質集合体。
【0021】(2)上記の脂質類似型化合物(I)にお
いて、R1が炭素数12〜18の飽和若しくは不飽和の
長鎖脂肪酸残基であり、R2が水素原子または炭素数1
2〜18の飽和若しくは不飽和の長鎖脂肪酸残基である
ことを特徴とする、(1)記載の脂質集合体。
いて、R1が炭素数12〜18の飽和若しくは不飽和の
長鎖脂肪酸残基であり、R2が水素原子または炭素数1
2〜18の飽和若しくは不飽和の長鎖脂肪酸残基である
ことを特徴とする、(1)記載の脂質集合体。
【0022】(3)前記の脂質類似型化合物(I)におい
て、Xが式(II)
て、Xが式(II)
【0023】
【化11】
【0024】(式中、R3は水素原子又はアジド基を表
し、R4は水素原子を表し、Yは式(III),(IV),(V)又は
(VI):
し、R4は水素原子を表し、Yは式(III),(IV),(V)又は
(VI):
【0025】
【化12】
【0026】[式中、R5は分岐していても良い炭素数1
〜5の低級アルキル基を表し、R6は水素原子を表し、
R7はアミノ基を表し、R8,R9及びR10はそれぞれ水
素原子を表し、R11はハロゲンを表す。]のいずれかで
示される塩基を表す。)で表される基であることを特徴
とする、(1)または(2)記載の脂質集合体。
〜5の低級アルキル基を表し、R6は水素原子を表し、
R7はアミノ基を表し、R8,R9及びR10はそれぞれ水
素原子を表し、R11はハロゲンを表す。]のいずれかで
示される塩基を表す。)で表される基であることを特徴
とする、(1)または(2)記載の脂質集合体。
【0027】(4)前記の脂質類似型化合物(I)にお
いて、R1が炭素数14〜16の飽和若しくは不飽和の
長鎖脂肪酸残基であり、R2が炭素数14〜16の飽和
若しくは不飽和の長鎖脂肪酸残基または水素原子であ
り、Xが、式(II):
いて、R1が炭素数14〜16の飽和若しくは不飽和の
長鎖脂肪酸残基であり、R2が炭素数14〜16の飽和
若しくは不飽和の長鎖脂肪酸残基または水素原子であ
り、Xが、式(II):
【0028】
【化13】
【0029】(式中、R3はアジド基を表し、R4は水素
原子を表し、Yは式(VII):
原子を表し、Yは式(VII):
【0030】
【化14】
【0031】で示される基である、(1)乃至(3)の
いずれかに記載の脂質集合体。
いずれかに記載の脂質集合体。
【0032】(5)リポソームまたはエマルジョンの形
態を有することを特徴とする(1)乃至(4)のいずれ
かに記載の脂質集合体。
態を有することを特徴とする(1)乃至(4)のいずれ
かに記載の脂質集合体。
【0033】さらにまた、本発明は上記脂質集合体を有
効成分とする医薬組成物、特に抗HIV剤に関する。ま
た、本発明は上記脂質集合体のリンパ節移行型製剤とし
ても用途を提供するものである。
効成分とする医薬組成物、特に抗HIV剤に関する。ま
た、本発明は上記脂質集合体のリンパ節移行型製剤とし
ても用途を提供するものである。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明の一般式(I)で示される
ヌクレオシド誘導体において、R1及びR2で表される飽
和若しくは不飽和の長鎖脂肪酸残基または飽和若しくは
不飽和の炭化水素残基としては、該官能基に起因してヌ
クレオシド誘導体が生体内における細胞膜に対して優れ
た親和性を有するものであって、少なくともホスフォリ
パーゼDまたはホスフォリパーゼCで酵素分解されるこ
とによって、式:HO−X(式中、Xは前記と同意義を
示す。)で表されるヌクレオシド誘導体、またはその
5’リン酸体が解離されるものであれば、特に制限され
ない。
ヌクレオシド誘導体において、R1及びR2で表される飽
和若しくは不飽和の長鎖脂肪酸残基または飽和若しくは
不飽和の炭化水素残基としては、該官能基に起因してヌ
クレオシド誘導体が生体内における細胞膜に対して優れ
た親和性を有するものであって、少なくともホスフォリ
パーゼDまたはホスフォリパーゼCで酵素分解されるこ
とによって、式:HO−X(式中、Xは前記と同意義を
示す。)で表されるヌクレオシド誘導体、またはその
5’リン酸体が解離されるものであれば、特に制限され
ない。
【0035】具体的には、飽和若しくは不飽和の長鎖脂
肪酸残基としては、通常、炭素数10〜18の飽和脂肪
酸残基若しくは炭素数10〜18の不飽和脂肪酸残基を
挙げることができる。好ましくは、飽和脂肪酸残基とし
て、例えばラウロイル,ミリストイル,パルミトイル,
ステアロイル,ドデカノイルなどの炭素数12〜18の
長鎖脂肪酸残基が挙げられる。また、不飽和脂肪酸残基
として、炭素数12〜18の不飽和脂肪酸残基、例えば
パルミトオレオイル,オレオイル,リノレオイル,リノ
レノイル,アラキドノニルなどの1〜4個の不飽和結合
を有する長鎖脂肪酸残基を挙げることができる。
肪酸残基としては、通常、炭素数10〜18の飽和脂肪
酸残基若しくは炭素数10〜18の不飽和脂肪酸残基を
挙げることができる。好ましくは、飽和脂肪酸残基とし
て、例えばラウロイル,ミリストイル,パルミトイル,
ステアロイル,ドデカノイルなどの炭素数12〜18の
長鎖脂肪酸残基が挙げられる。また、不飽和脂肪酸残基
として、炭素数12〜18の不飽和脂肪酸残基、例えば
パルミトオレオイル,オレオイル,リノレオイル,リノ
レノイル,アラキドノニルなどの1〜4個の不飽和結合
を有する長鎖脂肪酸残基を挙げることができる。
【0036】炭化水素残基としては、炭素を2〜30
個、好ましくは10〜24個、より好ましくは12〜2
0個有するものが挙げられ、これらは飽和炭化水素残
基、不飽和炭化水素残基のいずれであってもよい。この
ような炭化水素の例としては、好ましくはラウリル,ミ
リスチル,パルミチル,ステアリル,イコサニルなどの
飽和炭化水素残基、パルミトオレイル,オレイル,リノ
レイル,リノレニル,アラキドニルなどの1〜4個の不
飽和結合を有する不飽和炭化水素残基を挙げることがで
きる。
個、好ましくは10〜24個、より好ましくは12〜2
0個有するものが挙げられ、これらは飽和炭化水素残
基、不飽和炭化水素残基のいずれであってもよい。この
ような炭化水素の例としては、好ましくはラウリル,ミ
リスチル,パルミチル,ステアリル,イコサニルなどの
飽和炭化水素残基、パルミトオレイル,オレイル,リノ
レイル,リノレニル,アラキドニルなどの1〜4個の不
飽和結合を有する不飽和炭化水素残基を挙げることがで
きる。
【0037】R2は、好ましくはホスフォリパーゼA2の
作用により解離し得る官能基であり、好適にはラウロイ
ル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、より
好ましくはミリストイル、パルミトイル等の長鎖脂肪酸
残基を挙げることができる。またR2は水素原子であっ
てもよい。
作用により解離し得る官能基であり、好適にはラウロイ
ル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、より
好ましくはミリストイル、パルミトイル等の長鎖脂肪酸
残基を挙げることができる。またR2は水素原子であっ
てもよい。
【0038】R1及びR2の組み合わせ態様は、特に制限
されず、上記いずれかの基を同一又は異なって適宜組み
合わせることができる。例えば、R1及びR2がいずれ
も、上記に掲げる同一若しくは異なる長鎖脂肪酸残基で
あっても、上記に掲げる同一若しくは異なる炭化水素残
基であってもよいし、R1が長鎖脂肪酸残基又は炭化水
素残基でありR2が水素原子であってもよいし、またR1
が炭化水素残基でありR2が長鎖脂肪酸残基であって
も、またその逆であってもよい。
されず、上記いずれかの基を同一又は異なって適宜組み
合わせることができる。例えば、R1及びR2がいずれ
も、上記に掲げる同一若しくは異なる長鎖脂肪酸残基で
あっても、上記に掲げる同一若しくは異なる炭化水素残
基であってもよいし、R1が長鎖脂肪酸残基又は炭化水
素残基でありR2が水素原子であってもよいし、またR1
が炭化水素残基でありR2が長鎖脂肪酸残基であって
も、またその逆であってもよい。
【0039】好ましくは、R1及びR2がいずれも、同一
又は異なる、飽和若しくは不飽和の長鎖脂肪酸残基であ
る態様、及びR1が飽和若しくは不飽和の長鎖脂肪酸残
基であってR2が水素原子である態様であり、より好ま
しくはR1及びR2のいずれもが炭素数10〜18の飽和
脂肪酸残基であるか、またはR1がこれらの飽和脂肪酸
残基であってR2が水素原子である態様である。より具
体的には、R1及びR2が互いに同一のラウロイル基,ミ
リストイル基,パルミトイル基又はステアロイル基等の
炭素数12〜18の飽和脂肪酸残基である態様、R1が
これらの飽和脂肪酸残基であって、R2が水素原子であ
るか若しくはパルミトオレオイル,オレオイル,リノレ
オイル,リノレノイルといった炭素数12〜18の不飽
和脂肪酸残基である態様を挙げることができる。
又は異なる、飽和若しくは不飽和の長鎖脂肪酸残基であ
る態様、及びR1が飽和若しくは不飽和の長鎖脂肪酸残
基であってR2が水素原子である態様であり、より好ま
しくはR1及びR2のいずれもが炭素数10〜18の飽和
脂肪酸残基であるか、またはR1がこれらの飽和脂肪酸
残基であってR2が水素原子である態様である。より具
体的には、R1及びR2が互いに同一のラウロイル基,ミ
リストイル基,パルミトイル基又はステアロイル基等の
炭素数12〜18の飽和脂肪酸残基である態様、R1が
これらの飽和脂肪酸残基であって、R2が水素原子であ
るか若しくはパルミトオレオイル,オレオイル,リノレ
オイル,リノレノイルといった炭素数12〜18の不飽
和脂肪酸残基である態様を挙げることができる。
【0040】本発明においてハロゲンとは、フッ素,臭
素,ヨウ素,塩素を意味するが、好ましくはフッ素,塩
素である。特に、R7又はR11で示されるハロゲンは塩
素であることが好ましい。
素,ヨウ素,塩素を意味するが、好ましくはフッ素,塩
素である。特に、R7又はR11で示されるハロゲンは塩
素であることが好ましい。
【0041】R5及びR6で表される分岐していてもよい
低級アルキル基とは、炭素数が1〜5の直鎖状または分
枝状のアルキル基であり、例えば、メチル基,エチル
基,プロピル基,イソプロピル基,ブチル基,イソブチ
ル基,sec-ブチル基,tert-ブチル基,ペンチル基,イ
ソペンチル基,ネオペンチル基,tert-ペンチル基,2-
メチルブチル基,1,2-ジメチルプロピル基,ヘキシル
基,イソヘキシル基等を挙げることができる。好ましく
はメチル基,エチル基,プロピル基,イソプロピル基,
ブチル基,イソブチル基,sec-ブチル基,tert-ブチル
基である。より好ましくは炭素数が1〜3の直鎖状また
は分枝状のアルキル基であり、メチル基,エチル基,プ
ロピル基,イソプロピル基が挙げられる。
低級アルキル基とは、炭素数が1〜5の直鎖状または分
枝状のアルキル基であり、例えば、メチル基,エチル
基,プロピル基,イソプロピル基,ブチル基,イソブチ
ル基,sec-ブチル基,tert-ブチル基,ペンチル基,イ
ソペンチル基,ネオペンチル基,tert-ペンチル基,2-
メチルブチル基,1,2-ジメチルプロピル基,ヘキシル
基,イソヘキシル基等を挙げることができる。好ましく
はメチル基,エチル基,プロピル基,イソプロピル基,
ブチル基,イソブチル基,sec-ブチル基,tert-ブチル
基である。より好ましくは炭素数が1〜3の直鎖状また
は分枝状のアルキル基であり、メチル基,エチル基,プ
ロピル基,イソプロピル基が挙げられる。
【0042】R4で表される低級アルキル基またはR6で
表される置換基を有していてもよい低級アルキル基にお
いて、低級アルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状
または分枝状のアルキル基であり、例えば、メチル基,
エチル基,プロピル基,イソプロピル基,ブチル基,イ
ソブチル基等を挙げることができるが、好ましくはメチ
ル基,エチル基,プロピル基等の炭素数1〜3の直鎖状
アルキル基である。
表される置換基を有していてもよい低級アルキル基にお
いて、低級アルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状
または分枝状のアルキル基であり、例えば、メチル基,
エチル基,プロピル基,イソプロピル基,ブチル基,イ
ソブチル基等を挙げることができるが、好ましくはメチ
ル基,エチル基,プロピル基等の炭素数1〜3の直鎖状
アルキル基である。
【0043】ここで置換基としては置換基を有していて
もよいベンジル基を例示することができる。ここでベン
ジル基の置換基としてはハロゲン,ニトロ基,アミノ基
を挙げることができる。
もよいベンジル基を例示することができる。ここでベン
ジル基の置換基としてはハロゲン,ニトロ基,アミノ基
を挙げることができる。
【0044】R8で表されるハロゲンで置換されていて
もよいアルケニル基としては、炭素数2〜5を有する、
例えばビニル基,アリル基,2−プテニル,3−ヘキセ
ニル等を挙げることができる。好ましくはハロゲンで置
換されたビニル基であり、かかるハロゲンとしては臭
素,塩素,ヨウ素を挙げることができる。
もよいアルケニル基としては、炭素数2〜5を有する、
例えばビニル基,アリル基,2−プテニル,3−ヘキセ
ニル等を挙げることができる。好ましくはハロゲンで置
換されたビニル基であり、かかるハロゲンとしては臭
素,塩素,ヨウ素を挙げることができる。
【0045】本発明の脂質類似型化合物(I)は、塩又
は水和物の形態でも優れた特性を有するものとして存在
し得る。そのような塩としては、特に制限されないが、
例えば塩酸塩や臭化水素酸塩等のハロゲン化水素酸塩,
硫酸塩又はリン酸塩などの無機酸塩、マレイン酸塩,酒
石酸塩,クエン酸塩,コハク酸塩又はメタンスルホン酸
塩等の有機酸塩、Na,Ca,K,Mg又はAl等のア
ルカリ金属塩,アルカリ土類金属塩、またはアミン,ア
ンモニウム塩等を例示することができる。当該塩を医薬
組成物に使用する場合には、薬理学的に許容され得る塩
であることが好ましい。また、水和物としては、特に制
限されないが、本発明の誘導体またはその塩1分子に対
し、0.1〜3分子の水が水和したものを例示すること
ができる。
は水和物の形態でも優れた特性を有するものとして存在
し得る。そのような塩としては、特に制限されないが、
例えば塩酸塩や臭化水素酸塩等のハロゲン化水素酸塩,
硫酸塩又はリン酸塩などの無機酸塩、マレイン酸塩,酒
石酸塩,クエン酸塩,コハク酸塩又はメタンスルホン酸
塩等の有機酸塩、Na,Ca,K,Mg又はAl等のア
ルカリ金属塩,アルカリ土類金属塩、またはアミン,ア
ンモニウム塩等を例示することができる。当該塩を医薬
組成物に使用する場合には、薬理学的に許容され得る塩
であることが好ましい。また、水和物としては、特に制
限されないが、本発明の誘導体またはその塩1分子に対
し、0.1〜3分子の水が水和したものを例示すること
ができる。
【0046】本発明の化合物(I)には種々の立体異性
体,互変異性体が存在するが、これらの異性体のいずれ
も本発明に含まれる。また、分子中に不斉中心を含む場
合には、不斉中心の立体配置はR,Sのいずれでも、ま
たそれらの混合物であってもよい。そしてそれらは、光
学活性な化合物を出発原料として用いるか、または得ら
れた異性体混合物をカラムクロマトグラフィーや再結晶
により精製することにより得ることができる。
体,互変異性体が存在するが、これらの異性体のいずれ
も本発明に含まれる。また、分子中に不斉中心を含む場
合には、不斉中心の立体配置はR,Sのいずれでも、ま
たそれらの混合物であってもよい。そしてそれらは、光
学活性な化合物を出発原料として用いるか、または得ら
れた異性体混合物をカラムクロマトグラフィーや再結晶
により精製することにより得ることができる。
【0047】なお、本発明において抗HIV活性とは、
HIVの複製を抑制する作用を意味し、抗HIV活性を
発現するとは、被験物をHIV感染細胞と混合した場合
に、培養液中のウイルス数(ウイルス感染価)を減少さ
せる活性を示すことを意味する。
HIVの複製を抑制する作用を意味し、抗HIV活性を
発現するとは、被験物をHIV感染細胞と混合した場合
に、培養液中のウイルス数(ウイルス感染価)を減少さ
せる活性を示すことを意味する。
【0048】本発明の脂質集合体はホスファリパーゼD
またはホスフォリパーゼCと反応して抗HIV活性を発
現するものであればよく、抗HIV活性に加えてその他
の抗ウイルス活性を発現するものも包含される。
またはホスフォリパーゼCと反応して抗HIV活性を発
現するものであればよく、抗HIV活性に加えてその他
の抗ウイルス活性を発現するものも包含される。
【0049】本発明の脂質類似型化合物として、具体的
には、表1〜表5に示される化合物を例示することがで
きる。
には、表1〜表5に示される化合物を例示することがで
きる。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
【0055】本発明の化合物(I)は、常法に従って製
造することができる。より具体的には、例えば下記の反
応式で示される方法で製造することができる。
造することができる。より具体的には、例えば下記の反
応式で示される方法で製造することができる。
【0056】
【化15】
【0057】(式中、R1,R2,R3,R4及びYは前記
と同意義である。) すなわち、本発明の化合物(I)は、ホスフォリパーゼ
Dの存在下、必要に応じて金属イオンを共存させ、一般
式(VIII)で示されるリン脂質と一般式(IX)で示されるヌ
クレオチド誘導体とを適切な溶媒中で反応させることに
よって製造することができる。
と同意義である。) すなわち、本発明の化合物(I)は、ホスフォリパーゼ
Dの存在下、必要に応じて金属イオンを共存させ、一般
式(VIII)で示されるリン脂質と一般式(IX)で示されるヌ
クレオチド誘導体とを適切な溶媒中で反応させることに
よって製造することができる。
【0058】なお、これらのリン脂質(VIII)及びヌク
レオチド誘導体(IX)は常法に従って製造することがで
きる(George W.J.Fleet, Jong Chan Son, Andrew E.De
rome, Tetrahedron,44(2),625-636,1988;Chung K.Chu,
J.Warren Beach,Yoshiyuki Kosugi et al.,Tetrahedron
Letters,29(42),5349-5352,1988;Murakami.K.,T.Shir
asaka,J.A.Kelley,H.Mitsuya et al.,J.Med.Chem.,34,1
606-1612,1991等)。
レオチド誘導体(IX)は常法に従って製造することがで
きる(George W.J.Fleet, Jong Chan Son, Andrew E.De
rome, Tetrahedron,44(2),625-636,1988;Chung K.Chu,
J.Warren Beach,Yoshiyuki Kosugi et al.,Tetrahedron
Letters,29(42),5349-5352,1988;Murakami.K.,T.Shir
asaka,J.A.Kelley,H.Mitsuya et al.,J.Med.Chem.,34,1
606-1612,1991等)。
【0059】本方法において使用されるリン脂質は、前
記R1及びR2を有するホスファチジルコリンであり、例
えば1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホ
スフォコリン(DPPC)、1,2−ジミリストイル−
sn−グリセロ−3−ホスフォコリン(DMPC)、
1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスフォ
コリン(DOPC)、1,2−ジリノレオイル−sn−
グリセロ−3−ホスフォコリン(DLPC)等を挙げる
ことができる。R1とR2が脂肪酸残基である場合には、
炭素数12〜20の長鎖脂肪酸の混合体であるラジール
(Radyl)基で示される天然のホスファチジルコリンであ
ってもよい。
記R1及びR2を有するホスファチジルコリンであり、例
えば1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホ
スフォコリン(DPPC)、1,2−ジミリストイル−
sn−グリセロ−3−ホスフォコリン(DMPC)、
1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスフォ
コリン(DOPC)、1,2−ジリノレオイル−sn−
グリセロ−3−ホスフォコリン(DLPC)等を挙げる
ことができる。R1とR2が脂肪酸残基である場合には、
炭素数12〜20の長鎖脂肪酸の混合体であるラジール
(Radyl)基で示される天然のホスファチジルコリンであ
ってもよい。
【0060】このようなホスファチジルコリンは、常法
に従って製造でき、また簡便には試薬メーカーから購入
することができる。また、R2が水素原子である化合物
(VIII)は、上記ホスファチジルコリンを、ホスファリパ
ーゼA2を用いて酵素分解することによって調製するこ
とができる。
に従って製造でき、また簡便には試薬メーカーから購入
することができる。また、R2が水素原子である化合物
(VIII)は、上記ホスファチジルコリンを、ホスファリパ
ーゼA2を用いて酵素分解することによって調製するこ
とができる。
【0061】本方法において使用されるホスフォリパー
ゼDとしては、特に制限されないが、具体的には、例え
ばストレプトミセ属に属するストレプトミセス・エス・
ピー(Streptmyces sp・TypeVII)由来のホスフォリパー
ゼD(Sigma製)を用いることができ、その使用量は、
ホスファチジルコリン1mgあたりホスフォリパーゼ
0.01ユニット(U)以上、好ましくは0.1〜100
ユニットである。
ゼDとしては、特に制限されないが、具体的には、例え
ばストレプトミセ属に属するストレプトミセス・エス・
ピー(Streptmyces sp・TypeVII)由来のホスフォリパー
ゼD(Sigma製)を用いることができ、その使用量は、
ホスファチジルコリン1mgあたりホスフォリパーゼ
0.01ユニット(U)以上、好ましくは0.1〜100
ユニットである。
【0062】本方法において使用される反応溶媒として
は、例えばエーテル,ベンゼン,クロロホルムなどの有
機溶媒、及びpH3〜9、好ましくはpH4〜6の緩衝
液の有機溶媒層−水層の二層系溶媒等が挙げられる。
は、例えばエーテル,ベンゼン,クロロホルムなどの有
機溶媒、及びpH3〜9、好ましくはpH4〜6の緩衝
液の有機溶媒層−水層の二層系溶媒等が挙げられる。
【0063】また、酵素反応を促進する目的で反応液中
に金属イオンを共存させてもよく、そのような金属イオ
ン形成のための水溶性塩類としては、通常塩化カルシウ
ムが用いられる。反応温度は通常20〜60℃、好まし
くは30〜50℃であり、反応時間は30分〜10時間
程度である。
に金属イオンを共存させてもよく、そのような金属イオ
ン形成のための水溶性塩類としては、通常塩化カルシウ
ムが用いられる。反応温度は通常20〜60℃、好まし
くは30〜50℃であり、反応時間は30分〜10時間
程度である。
【0064】このようにして製造される本発明の脂質類
似型化合物は、分液法、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー等の常法に従って精製することができる。
似型化合物は、分液法、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー等の常法に従って精製することができる。
【0065】また、さらに得られた化合物をイオン交換
カラム処理等の既知の方法で処理することによって塩又
は水和物に調製することもできる。
カラム処理等の既知の方法で処理することによって塩又
は水和物に調製することもできる。
【0066】本発明は、上記脂質類似型化合物(I)お
よびその薬学的に許容される塩を脂溶性微粒子キャリア
ーに含有してなる脂質集合体である。
よびその薬学的に許容される塩を脂溶性微粒子キャリア
ーに含有してなる脂質集合体である。
【0067】微粒子キャリアーとしては、前述する脂質
類似型化合物(I)およびその薬学的に許容される塩を
保持して、それをリンパ系に選択的に移行させる特性を
有するものであって生体に悪影響を与えないものであれ
ば特に制限されず、いかなるものをも包含される。具体
的には、リポソームまたはエマルジョンを例示すること
ができる。
類似型化合物(I)およびその薬学的に許容される塩を
保持して、それをリンパ系に選択的に移行させる特性を
有するものであって生体に悪影響を与えないものであれ
ば特に制限されず、いかなるものをも包含される。具体
的には、リポソームまたはエマルジョンを例示すること
ができる。
【0068】すなわち、本発明の脂質集合体は、基本的
には、リン脂質,グリセロ糖脂質,大豆油,コーン油,
ゴマ油,トリオレイン(トリグリセリド)などの脂質等
とともに前述する本発明の脂質類似型化合物(I)又は
その薬学的に許容される塩を、水性溶媒中で懸濁するこ
とによって調製できるリポソームまたはエマルジョン等
の微粒子小胞である。
には、リン脂質,グリセロ糖脂質,大豆油,コーン油,
ゴマ油,トリオレイン(トリグリセリド)などの脂質等
とともに前述する本発明の脂質類似型化合物(I)又は
その薬学的に許容される塩を、水性溶媒中で懸濁するこ
とによって調製できるリポソームまたはエマルジョン等
の微粒子小胞である。
【0069】本発明において「含有」とは、上記微粒子
キャリアーに前述する脂質類似型化合物(I)およびそ
の薬学的に許容される塩が含まれるものであれば、その
存在態様を問わない趣旨であり、例えばリポソームの膜
を形成する脂質二重層間に脂質類似型化合物(I)等が
存在していてもよいし、またエマルジョンの内胞内に含
有存在していても若しくは脂質膜層として存在していて
もよい。
キャリアーに前述する脂質類似型化合物(I)およびそ
の薬学的に許容される塩が含まれるものであれば、その
存在態様を問わない趣旨であり、例えばリポソームの膜
を形成する脂質二重層間に脂質類似型化合物(I)等が
存在していてもよいし、またエマルジョンの内胞内に含
有存在していても若しくは脂質膜層として存在していて
もよい。
【0070】本発明の脂質集合体がリポソーム体の態様
である場合、その膜成分として用いられる脂質として
は、ホスファチジルコリン,ホスファチジルセリン,ホ
スファチジルエタノールアミン,ホスファチジルイノシ
トール,ホスファチジルグリセロールなどのグリセロリ
ン脂質を挙げることができ、より具体的には、1,2−
ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスフォコリン
(DPPC)、1,2−ジミリストイル−sn−グリセ
ロ−3−ホスフォコリン(DMPC)、1,2−ジラウ
ロイル−sn−グリセロ−3−ホスフォコリン(DLP
C)、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−
ホスフォコリン(DSPC)が例示できる。なお、これ
らの脂質は一種若しくは2種以上を組み合わせて用いる
こともできる。
である場合、その膜成分として用いられる脂質として
は、ホスファチジルコリン,ホスファチジルセリン,ホ
スファチジルエタノールアミン,ホスファチジルイノシ
トール,ホスファチジルグリセロールなどのグリセロリ
ン脂質を挙げることができ、より具体的には、1,2−
ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスフォコリン
(DPPC)、1,2−ジミリストイル−sn−グリセ
ロ−3−ホスフォコリン(DMPC)、1,2−ジラウ
ロイル−sn−グリセロ−3−ホスフォコリン(DLP
C)、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−
ホスフォコリン(DSPC)が例示できる。なお、これ
らの脂質は一種若しくは2種以上を組み合わせて用いる
こともできる。
【0071】このような脂質に加えて、膜成分としてコ
レステロールを用いることもできる。特にコレステロー
ルは、膜安定化剤として有用であり、脂質に対して通常
0〜100モル%、好ましくは25〜50モル%配合さ
れることが好ましい。
レステロールを用いることもできる。特にコレステロー
ルは、膜安定化剤として有用であり、脂質に対して通常
0〜100モル%、好ましくは25〜50モル%配合さ
れることが好ましい。
【0072】本発明の脂質類似型化合物(I)又はその
塩は、前述する脂質に対して通常10〜100モル%、
好ましくは25〜50モル%の割合で配合される。ま
た、リポソームが脂質,コレステロール及び本発明の化
合物又はその塩から基本的に構成される場合の各配合割
合は、脂質:コレステロール:本発明の化合物又はその
塩=4:0〜4:1〜4、好ましくは4:1〜2:1〜
2である。
塩は、前述する脂質に対して通常10〜100モル%、
好ましくは25〜50モル%の割合で配合される。ま
た、リポソームが脂質,コレステロール及び本発明の化
合物又はその塩から基本的に構成される場合の各配合割
合は、脂質:コレステロール:本発明の化合物又はその
塩=4:0〜4:1〜4、好ましくは4:1〜2:1〜
2である。
【0073】また、本発明の脂質類似型化合物(I)又
はその塩は、DMPC,ホスファチジルセリン及びコレ
ステロールから構成されるアニオン性リポソーム、好ま
しくはDMPC/ホスファチジルセリン/コレステロー
ル=5/1/4から構成されるアニオン性リポソームに
含有させることもできる。
はその塩は、DMPC,ホスファチジルセリン及びコレ
ステロールから構成されるアニオン性リポソーム、好ま
しくはDMPC/ホスファチジルセリン/コレステロー
ル=5/1/4から構成されるアニオン性リポソームに
含有させることもできる。
【0074】本発明のリポソーム体は、一枚膜リポソー
ム(SUV:Small Unilamella Vesicle、LUV:Larg
e Unilamella Vesicle)〜多重層リポソーム(MLV:
Multilamellar Vesicle)のいずれの形態を有していて
も良く、またその粒子径によって限定されるものではな
い。
ム(SUV:Small Unilamella Vesicle、LUV:Larg
e Unilamella Vesicle)〜多重層リポソーム(MLV:
Multilamellar Vesicle)のいずれの形態を有していて
も良く、またその粒子径によって限定されるものではな
い。
【0075】好適な粒子径としては、限定されないが、
数十nm〜数百nm、好ましくは40〜100nmを挙
げることができ、かかる径を有するリポソームによれば
筋肉内投与に適したリポソーム製剤を調製することがで
きる。
数十nm〜数百nm、好ましくは40〜100nmを挙
げることができ、かかる径を有するリポソームによれば
筋肉内投与に適したリポソーム製剤を調製することがで
きる。
【0076】リポソームは常法に従って調製することが
できる(Gregoriadis, G.,FEBS Letters,(1973), 36,29
2-296; A.W.Segal, et al.,Clinical Science and Mole
cular Medicine (1975),49, 99-106)。一般には、単純
水和法によって一旦MLVリポソームを作成して、これ
を超音波処理法、フレンチプレス法またはエクストルー
ション法等によって均一な粒子径を有するSUVリポソ
ームに調製する方法を例示することができる。
できる(Gregoriadis, G.,FEBS Letters,(1973), 36,29
2-296; A.W.Segal, et al.,Clinical Science and Mole
cular Medicine (1975),49, 99-106)。一般には、単純
水和法によって一旦MLVリポソームを作成して、これ
を超音波処理法、フレンチプレス法またはエクストルー
ション法等によって均一な粒子径を有するSUVリポソ
ームに調製する方法を例示することができる。
【0077】エマルジョンの態様の本発明の脂質集合体
は、o/w型エマルジョンの調製法を広く用いて調製す
ることができ、一般的に、常温で液状の油及び界面活性
剤を、前述する脂質類似型化合物(I)またはその薬学
的に許容される塩とともにホモジナイズすることにより
製造することができる。
は、o/w型エマルジョンの調製法を広く用いて調製す
ることができ、一般的に、常温で液状の油及び界面活性
剤を、前述する脂質類似型化合物(I)またはその薬学
的に許容される塩とともにホモジナイズすることにより
製造することができる。
【0078】なお、本発明においては、前述する脂質類
似型化合物(I)またはその薬学的に許容される塩を、
エマルジョン内胞の液状油を被覆する界面活性剤として
用いることができる。この場合、常温で液状の油を脂質
類似型化合物(I)またはその薬学的に許容される塩と
ともにホモジナイズすることにより、リピッドマイクロ
スフェアーと称されるエマルジョンを製造することがで
きる。
似型化合物(I)またはその薬学的に許容される塩を、
エマルジョン内胞の液状油を被覆する界面活性剤として
用いることができる。この場合、常温で液状の油を脂質
類似型化合物(I)またはその薬学的に許容される塩と
ともにホモジナイズすることにより、リピッドマイクロ
スフェアーと称されるエマルジョンを製造することがで
きる。
【0079】液状の油としては、常温で液状であって生
体に悪影響を与えないものであれば特に制限されない
が、具体的には大豆油、コーン油、ゴマ油、トリオレイ
ン等の植物油が挙げられる。
体に悪影響を与えないものであれば特に制限されない
が、具体的には大豆油、コーン油、ゴマ油、トリオレイ
ン等の植物油が挙げられる。
【0080】なお、エマルジョン体である本発明の脂質
集合体は、上記の方法及び成分に特に制限されず、生体
に悪影響を及ぼさない常温で油状の有機物、ステロイド
化合物、界面活性剤及び蛋白質等を組み合わせて用いる
こともできる。特に、界面活性剤としてはホスファチジ
ルコリン(レシチン)等のリン脂質、HCO−60等を
挙げることができる。
集合体は、上記の方法及び成分に特に制限されず、生体
に悪影響を及ぼさない常温で油状の有機物、ステロイド
化合物、界面活性剤及び蛋白質等を組み合わせて用いる
こともできる。特に、界面活性剤としてはホスファチジ
ルコリン(レシチン)等のリン脂質、HCO−60等を
挙げることができる。
【0081】例えば界面活性剤としてHCO−60を用
いる場合は、上記の植物油の油相に脂質類似型化合物
(I)またはその薬学的に許容される塩を溶解し、5〜
10%程度のHCO−60水溶液を容積比6:4程度で
混合し、室温でボルテックスミキサーで撹拌混濁後、更
に超音波発生器で窒素雰囲気下で分散させることによっ
てエマルジョン体である本発明の脂質集合体を調製する
ことができる。
いる場合は、上記の植物油の油相に脂質類似型化合物
(I)またはその薬学的に許容される塩を溶解し、5〜
10%程度のHCO−60水溶液を容積比6:4程度で
混合し、室温でボルテックスミキサーで撹拌混濁後、更
に超音波発生器で窒素雰囲気下で分散させることによっ
てエマルジョン体である本発明の脂質集合体を調製する
ことができる。
【0082】脂質類似型化合物(I)またはその薬学的
に許容される塩を保持する本発明の脂質集合体は、ヒト
及び哺乳動物(例えば、マウス,ラット,ウサギ,イ
ヌ,ネコ等)に筋肉内投与または皮下投与されることに
よって、速やかにリンパ系に移行して、リンパ節内で活
性型に変換して優れた抗HIV作用を発揮する。
に許容される塩を保持する本発明の脂質集合体は、ヒト
及び哺乳動物(例えば、マウス,ラット,ウサギ,イ
ヌ,ネコ等)に筋肉内投与または皮下投与されることに
よって、速やかにリンパ系に移行して、リンパ節内で活
性型に変換して優れた抗HIV作用を発揮する。
【0083】また本発明の脂質集合体によれば、エマル
ジョン化することによって難溶解性薬物を可溶化するこ
とができ、またリン脂質の吸収経路であるカイロミクロ
ンを介してリンパ選択的に薬物を経口吸収させることも
可能となる。また、高分子や微粒子性の老廃物は血管壁
を通過できず、末梢組織からの吸収は内皮細胞間を流れ
ているリンパ系を介して行われているという知見を利用
して、筋肉内投与によってリンパ系に選択的に薬物を送
り込むことができる。
ジョン化することによって難溶解性薬物を可溶化するこ
とができ、またリン脂質の吸収経路であるカイロミクロ
ンを介してリンパ選択的に薬物を経口吸収させることも
可能となる。また、高分子や微粒子性の老廃物は血管壁
を通過できず、末梢組織からの吸収は内皮細胞間を流れ
ているリンパ系を介して行われているという知見を利用
して、筋肉内投与によってリンパ系に選択的に薬物を送
り込むことができる。
【0084】更に、脂溶性微粒子キャリアーに保持され
ている脂質類似型化合物(I)は脂溶性が高いため生体
膜への親和性が高く、生体内で長期間滞留して活性を持
続し、キナーゼの関与なしに抗HIV活性を発揮するヌ
クレオシド誘導体の5’−リン酸体が細胞内で生成する
等の利点がある。すなわち、本発明の脂質集合体は、生
体内で活性が持続、増強されるという効果を有し、また
高い生体内利用率を有しており、更に選択的にリンパ節
に移行し血流に移行する量を軽減できるため、低毒性で
あるという利点がある。
ている脂質類似型化合物(I)は脂溶性が高いため生体
膜への親和性が高く、生体内で長期間滞留して活性を持
続し、キナーゼの関与なしに抗HIV活性を発揮するヌ
クレオシド誘導体の5’−リン酸体が細胞内で生成する
等の利点がある。すなわち、本発明の脂質集合体は、生
体内で活性が持続、増強されるという効果を有し、また
高い生体内利用率を有しており、更に選択的にリンパ節
に移行し血流に移行する量を軽減できるため、低毒性で
あるという利点がある。
【0085】よって、本発明の脂質集合体は、リンパ節
移行型製剤として有用である。
移行型製剤として有用である。
【0086】さらに、本発明の脂質集合体は、抗ウイル
ス剤、特に抗HIV剤として、後天性免疫不全症候群の
予防又は治療剤として極めて有用である。
ス剤、特に抗HIV剤として、後天性免疫不全症候群の
予防又は治療剤として極めて有用である。
【0087】本発明の医薬組成物の投与方法は、特に制
限されることなく、各種製剤形態、患者の年齢,性別そ
の他の条件、疾患の程度等に応じて適宜選択決定され
る。具体的には、経口投与、静脈投与,皮下・皮内投
与,筋肉内投与,関節内投与,直腸投与,経粘膜投与等
の非経口投与などを挙げることができるが、好ましくは
経口投与、筋肉内投与,皮下投与であり、より好ましく
は筋肉内投与である。
限されることなく、各種製剤形態、患者の年齢,性別そ
の他の条件、疾患の程度等に応じて適宜選択決定され
る。具体的には、経口投与、静脈投与,皮下・皮内投
与,筋肉内投与,関節内投与,直腸投与,経粘膜投与等
の非経口投与などを挙げることができるが、好ましくは
経口投与、筋肉内投与,皮下投与であり、より好ましく
は筋肉内投与である。
【0088】各単位投与形態中で配合される本発明の化
合物またはその薬学的に許容される塩の量は、患者の症
状や剤形等によって種々選択され、一律に規定すること
ができないが、一般に経口投与剤では約1mg〜10
g、注射剤では0.5mg〜5g、坐剤では0.5mg
〜5gの範囲から適宜選択使用されるのが好ましい。
合物またはその薬学的に許容される塩の量は、患者の症
状や剤形等によって種々選択され、一律に規定すること
ができないが、一般に経口投与剤では約1mg〜10
g、注射剤では0.5mg〜5g、坐剤では0.5mg
〜5gの範囲から適宜選択使用されるのが好ましい。
【0089】また、上記投与形態を有する薬剤の1日あ
たりの投与量は、疾病の種類、患者の症状・重篤度,体
重,年齢,性別,薬物に対する認容度やその他の条件等
に応じて、約1mg/body〜10g/bodyの範囲から適
宜選択して用いられ、これを1日に1回乃至は数回に分
けて投与することができる。
たりの投与量は、疾病の種類、患者の症状・重篤度,体
重,年齢,性別,薬物に対する認容度やその他の条件等
に応じて、約1mg/body〜10g/bodyの範囲から適
宜選択して用いられ、これを1日に1回乃至は数回に分
けて投与することができる。
【0090】
【実施例】以下に、参考例及び実施例を挙げて本発明を
さらに説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定
されるものでない。
さらに説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定
されるものでない。
【0091】参考例1 5”−(1,2−ジパルミトイ
ル−sn−グリセロ−3−ホスフォ)−3”−アジド−
3’−デオキシチミジン・ナトリウム塩 アジドチミジン(AZT)(和光純薬工業製)200m
g(0.75mmol)を100mM塩化カルシウムを含有する
100mM酢酸緩衝液(pH5.7)に溶解し、ホスフ
ォリパーゼD(TypeVII)(Sigma製)250ユニット及
びクロロホルムに溶解した1,2−ジパルミトイル−s
n−グリセロ−3−ホスフォコリン(DPPC)183
mg(0.25mmol)を加え、45℃で撹拌しながら6時間
反応させた。反応後、反応液を放冷し、クロロホルム2
0ml,メタノール20ml、水5ml加えて分液し、
下層をメタノール−水(1:1)10mlで3回洗浄し
た後、溶媒を留去した。残渣をクロロホルム−メタノー
ル(9:1)少量に溶解してシリカゲルに吸着させ、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィーを行った。まず溶離
液として、クロロホルム−メタノール(9:1)を用い
て未反応のAZTを溶出回収し、次いでクロロホルム−
メタノール(4:1)を用いてリン脂質化されたAZT
(lipoidAZT)を溶出回収した。
ル−sn−グリセロ−3−ホスフォ)−3”−アジド−
3’−デオキシチミジン・ナトリウム塩 アジドチミジン(AZT)(和光純薬工業製)200m
g(0.75mmol)を100mM塩化カルシウムを含有する
100mM酢酸緩衝液(pH5.7)に溶解し、ホスフ
ォリパーゼD(TypeVII)(Sigma製)250ユニット及
びクロロホルムに溶解した1,2−ジパルミトイル−s
n−グリセロ−3−ホスフォコリン(DPPC)183
mg(0.25mmol)を加え、45℃で撹拌しながら6時間
反応させた。反応後、反応液を放冷し、クロロホルム2
0ml,メタノール20ml、水5ml加えて分液し、
下層をメタノール−水(1:1)10mlで3回洗浄し
た後、溶媒を留去した。残渣をクロロホルム−メタノー
ル(9:1)少量に溶解してシリカゲルに吸着させ、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィーを行った。まず溶離
液として、クロロホルム−メタノール(9:1)を用い
て未反応のAZTを溶出回収し、次いでクロロホルム−
メタノール(4:1)を用いてリン脂質化されたAZT
(lipoidAZT)を溶出回収した。
【0092】更に、得られたlipoidAZTをクロロホル
ム−メタノール−水(10:5:1)に溶解し、ダイア
イオンWK−20樹脂カラム(Na+ 型)にかけて、同
溶媒で溶出して標記の5”−(1,2−ジパルミトイル
−sn−グリセロ−3−ホスフォ)−3”−アジド−
3’−デオキシチミジンのナトリウム塩92mg(収率
40%)を得た。
ム−メタノール−水(10:5:1)に溶解し、ダイア
イオンWK−20樹脂カラム(Na+ 型)にかけて、同
溶媒で溶出して標記の5”−(1,2−ジパルミトイル
−sn−グリセロ−3−ホスフォ)−3”−アジド−
3’−デオキシチミジンのナトリウム塩92mg(収率
40%)を得た。
【0093】以下、本明細書において、5”−(1,2
−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスフォ)−
3”−アジド−3’−デオキシチミジンのナトリウム塩
を「lipoidAZTDPPC」と称する。
−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスフォ)−
3”−アジド−3’−デオキシチミジンのナトリウム塩
を「lipoidAZTDPPC」と称する。
【0094】 (a)元素分析(C45H79N5NaO11P):920.1 理論値 C:58.7 H:8.7 N:7.6 測定値 C:57.5 H:8.6 N:6.9 (b)FAB−MS(m/z): フリー体(MW=898)→ m/z921(MNa+) Na塩 (MW=921)→ m/z943(MNa2 +) (c)UVスペクトル:λmax(CHCl3)267nm:AZT(-C=C-)由来 (d)1H−NMRスペクトル(CDCl3): 7.6(H-C(6))、6.1(H-C(1'))、5.1(CH 2CHCH2)、 4.4-3.8(H-C(3'),H-C(4')),H-C(5'))、1.8(Me-C(5))、 1.3(2Me(CH 2 )12CH2CH2CO)、0.9(2Me(CH2)14CO) (e)IRスペクトル:νmax(KBr)2110cmー1:AZT(-N3)由来 (f)TLC−Rf値(CHCl3/MeOH/H2O=65/25/3):0.47 (g)HPLC保持時間(Rt):8.4分 (条件;カラム:COSMOSIL(ナカライテスク、type:waters, 4.6×150mm) 移動相:15mM KH2PO4(pH6.5)/MeOH=5/95 流速:1ml/min 検出波長:267nm 温度:30℃ 参考例2 5”−(1,2−ジミリストイル−sn−
グリセロ−3−ホスフォ)−3”−アジド−3’−デオ
キシチミジン アジドチミジン(AZT)(和光純薬工業製)200m
g(0.75mmol)を100mM塩化カルシウムを含有する
100mM酢酸緩衝液(pH5.7)に溶解し、ホスフ
ォリパーゼD(TypeVII)(Sigma製)250ユニット及
びクロロホルムに溶解した1,2−ジミリストイル−s
n−グリセロ−3−ホスフォコリン(DMPC)174
mg(0.25mmol)を加え、45℃で撹拌しながら6時間
反応させた。反応後、反応液を放冷し、クロロホルム2
0ml,メタノール20ml、水5ml加えて分液し、
下層をメタノール−水(1:1)10mlで3回洗浄し
た後、溶媒を留去した。残渣をクロロホルム−メタノー
ル(9:1)少量に溶解してシリカゲルに吸着させ、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィーを行った。まず溶離
液として、クロロホルム−メタノール(9:1)を用い
て未反応のAZTを溶出回収し、次いでクロロホルム−
メタノール(4:1)を用いてlipoidAZTを溶出回収
した。
グリセロ−3−ホスフォ)−3”−アジド−3’−デオ
キシチミジン アジドチミジン(AZT)(和光純薬工業製)200m
g(0.75mmol)を100mM塩化カルシウムを含有する
100mM酢酸緩衝液(pH5.7)に溶解し、ホスフ
ォリパーゼD(TypeVII)(Sigma製)250ユニット及
びクロロホルムに溶解した1,2−ジミリストイル−s
n−グリセロ−3−ホスフォコリン(DMPC)174
mg(0.25mmol)を加え、45℃で撹拌しながら6時間
反応させた。反応後、反応液を放冷し、クロロホルム2
0ml,メタノール20ml、水5ml加えて分液し、
下層をメタノール−水(1:1)10mlで3回洗浄し
た後、溶媒を留去した。残渣をクロロホルム−メタノー
ル(9:1)少量に溶解してシリカゲルに吸着させ、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィーを行った。まず溶離
液として、クロロホルム−メタノール(9:1)を用い
て未反応のAZTを溶出回収し、次いでクロロホルム−
メタノール(4:1)を用いてlipoidAZTを溶出回収
した。
【0095】更に、得られたlipoidAZTをクロロホル
ム−メタノール−水(10:5:1)に溶解し、ダイア
イオンWK−20樹脂カラム(Na+ 型)にかけて、同
溶媒で溶出して標記の5”−(1,2−ジミリストイル
−sn−グリセロ−3−ホスフォ)−3”−アジド−
3’−デオキシチミジンのナトリウム塩82mg(収率
38%)を得た。本明細書において、当該5”−(1,
2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスフォ)
−3”−アジド−3’−デオキシチミジンのナトリウム
塩を「lipoidAZTDMPC」と称する。
ム−メタノール−水(10:5:1)に溶解し、ダイア
イオンWK−20樹脂カラム(Na+ 型)にかけて、同
溶媒で溶出して標記の5”−(1,2−ジミリストイル
−sn−グリセロ−3−ホスフォ)−3”−アジド−
3’−デオキシチミジンのナトリウム塩82mg(収率
38%)を得た。本明細書において、当該5”−(1,
2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスフォ)
−3”−アジド−3’−デオキシチミジンのナトリウム
塩を「lipoidAZTDMPC」と称する。
【0096】 (a)元素分析(C41H71N5NaO11P):864.0 理論値 C:57.0 H:8.3 N:8.1 測定値 C:56.5 H:8.5 N:7.4 (b)FAB−MS(m/z): フリー体(MW=842)→ m/z864(MNa+) (c)UVスペクトル:λmax(CHCl3)267nm:AZT(-C=C-)由来 (d)1H−NMRスペクトル(CDCl3): 7.7(H-C(6))、6.1(H-C(1'))、5.0(CH 2CHCH2)、 4.5-3.7(H-C(3'),H-C(4')),H-C(5'))、1.9(Me-C(5))、 1.2(2Me(CH 2 )10CH2CH2CO)、0.8(2Me(CH2)12CO) (e)IRスペクトル:νmax(KBr)2110cmー1:AZT(-N3)由来 (f)TLC−Rf値(CHCl3/MeOH/H2O=65/25/3):0.47 (g)HPLC保持時間(Rt):4.8分 (条件;カラム:COSMOSIL(ナカライテスク、type:waters, 4.6×150mm ) 移動相:15mM KH2PO4(pH6.5)/MeOH=5/95 流速:1ml/min 検出波長:267nm 温度:30℃ 実施例1 lipoidAZTDPPC含有リポソーム(1)の調
製 (1)DPPC又はDMPC10μmol(10m
M),コレステロール5μmol、実施例1で調製した
lipoidAZTDPPC2.5μmol(2.5mM)(リン脂
質:コレステロール:lipoidAZT=4:2:1)をナ
スフラスコに量りとり、有機溶媒(クロロホルム/メタ
ノール)を加えて、エバポレーターを用いて溶媒を留去
して薄膜を形成後、リン酸緩衝液(pH7.4)を加え
てボルテックスミキサーで脂質を水和させ、Multilamel
lar Vesicle(MLV)を形成した。次いで、該MLV
をプローブ型ソニケーターで10分間超音波処理して、
Small Unilamellar Vesicle(SUV)リポソームを形
成させた 。これを0.45μmメンブランフィルター
で濾過して、37℃で15分間インキュベーションし
た。
製 (1)DPPC又はDMPC10μmol(10m
M),コレステロール5μmol、実施例1で調製した
lipoidAZTDPPC2.5μmol(2.5mM)(リン脂
質:コレステロール:lipoidAZT=4:2:1)をナ
スフラスコに量りとり、有機溶媒(クロロホルム/メタ
ノール)を加えて、エバポレーターを用いて溶媒を留去
して薄膜を形成後、リン酸緩衝液(pH7.4)を加え
てボルテックスミキサーで脂質を水和させ、Multilamel
lar Vesicle(MLV)を形成した。次いで、該MLV
をプローブ型ソニケーターで10分間超音波処理して、
Small Unilamellar Vesicle(SUV)リポソームを形
成させた 。これを0.45μmメンブランフィルター
で濾過して、37℃で15分間インキュベーションし
た。
【0097】(2)ゲルカラム溶出曲線による含有の確
認 lipoidAZTDPPC(分子量:MW898)がリポソーム
に含有されているかを確認するために、lipoidAZT
DPPC含有リポソーム調製後の溶液を分画分子量が1,000
〜5,000であるゲルカラム(Sephadex G-50)にかけて溶
出性を調べた。なお、比較サンプルとして、同様の調製
法でlipoidAZTの代わりにAZTを用いてリポソーム
化した溶液をゲルカラムにかけた。lipoidAZTDPPC及
びAZTの検出はHPLCで行い、リン脂質(リポソー
ム)の検出はリン脂質のコリン基を基にした定量法(コ
リンオキシダーゼ・DAOS法)を用いて行った。
認 lipoidAZTDPPC(分子量:MW898)がリポソーム
に含有されているかを確認するために、lipoidAZT
DPPC含有リポソーム調製後の溶液を分画分子量が1,000
〜5,000であるゲルカラム(Sephadex G-50)にかけて溶
出性を調べた。なお、比較サンプルとして、同様の調製
法でlipoidAZTの代わりにAZTを用いてリポソーム
化した溶液をゲルカラムにかけた。lipoidAZTDPPC及
びAZTの検出はHPLCで行い、リン脂質(リポソー
ム)の検出はリン脂質のコリン基を基にした定量法(コ
リンオキシダーゼ・DAOS法)を用いて行った。
【0098】その結果、lipoidAZTDPPC含有リポソー
ムの流出曲線は、リン脂質(リポソーム)の流出曲線と
重なり、かつこの溶出量は該カラムのボイドボリューム
に一致することから、lipoidAZTDPPC含有リポソーム
にはlipoidAZTDPPCが取り込まれていることが示され
た(図1A)。
ムの流出曲線は、リン脂質(リポソーム)の流出曲線と
重なり、かつこの溶出量は該カラムのボイドボリューム
に一致することから、lipoidAZTDPPC含有リポソーム
にはlipoidAZTDPPCが取り込まれていることが示され
た(図1A)。
【0099】(3)リポソームへの保持封入率の測定 lipoidAZTDPPCのリポソームへの封入率を遠心式濾過
ユニットウルトラフリーCL(MILLPORE)を用いて測定
した。溶液を遠心限外濾過後、濾液の薬物濃度と原液の
薬物濃度を求めることにより、リポソームへの封入率を
算出した。比較対照試験として、lipoid修飾していない
AZTを(1)の方法を用いてリポソームに封入して、
その封入率を同様に遠心式濾過ユニットウルトラフリー
CL(MILLPORE)を用いて測定した。
ユニットウルトラフリーCL(MILLPORE)を用いて測定
した。溶液を遠心限外濾過後、濾液の薬物濃度と原液の
薬物濃度を求めることにより、リポソームへの封入率を
算出した。比較対照試験として、lipoid修飾していない
AZTを(1)の方法を用いてリポソームに封入して、
その封入率を同様に遠心式濾過ユニットウルトラフリー
CL(MILLPORE)を用いて測定した。
【0100】その結果、lipoid修飾されたlipoidAZT
DPPCはリポソームに100%保持されることが分かり、
この結果は(2)で示したゲルカラム溶出曲線の結果を
支持するものであった(図1A参照)。
DPPCはリポソームに100%保持されることが分かり、
この結果は(2)で示したゲルカラム溶出曲線の結果を
支持するものであった(図1A参照)。
【0101】一方、lipoid修飾されていないAZTを用
いた場合は、図1Bに示すように、高分子量の分画に全
くAZT薬物が存在せず、AZTの溶出位置はフェノー
ルレッドやカルボキシフルオレセイン等の水溶性低分子
の色素の溶出位置とほぼ一致した。このことからAZT
はリポソームに殆ど保持封入できず、外水層に存在して
いることが分かった。なお、AZTのリポソーム保持封
入率は0.06%であった(図1B参照)。
いた場合は、図1Bに示すように、高分子量の分画に全
くAZT薬物が存在せず、AZTの溶出位置はフェノー
ルレッドやカルボキシフルオレセイン等の水溶性低分子
の色素の溶出位置とほぼ一致した。このことからAZT
はリポソームに殆ど保持封入できず、外水層に存在して
いることが分かった。なお、AZTのリポソーム保持封
入率は0.06%であった(図1B参照)。
【0102】このことから、AZT等の抗HIV活性を
有するヌクレオシド誘導体をlipoid修飾することによ
り、脂溶性が向上し、リン脂質に対する相溶性が非常に
高まることによって、リポソームの脂質二重層間にほぼ
100%封入保持することができることが判明した。一
方、水溶性の高いAZT等のヌクレオシド誘導体は、安
定にリポソームに保持させることは難しいために保持封
入率は極めて低く、更にAZTをリポソーム体に調製し
ても筋肉内投与後、リポソームがリンパ系に移行する前
に薬物が漏出してしまう可能性が示唆された。
有するヌクレオシド誘導体をlipoid修飾することによ
り、脂溶性が向上し、リン脂質に対する相溶性が非常に
高まることによって、リポソームの脂質二重層間にほぼ
100%封入保持することができることが判明した。一
方、水溶性の高いAZT等のヌクレオシド誘導体は、安
定にリポソームに保持させることは難しいために保持封
入率は極めて低く、更にAZTをリポソーム体に調製し
ても筋肉内投与後、リポソームがリンパ系に移行する前
に薬物が漏出してしまう可能性が示唆された。
【0103】(4)lipoidAZTDPPC含有リポソームの
粒径分布 動的光散乱法によってlipoidAZTDPPC含有リポソーム
の粒径分布を測定した。具体的には上記(1)で調製し
たlipoidAZT含有リポソーム(DPPC/コレステロ
ール/lipoidAZT=4/2/1;又はDMPC/コレス
テロール/lipoidAZT=4/2/1)を測定サンプル
として、該リポソーム粒子を含有する溶液にレーザーを
照射した。各粒子からの散乱光は入射光の中心振動数に
対してシフトを示し、線幅が広がるが、この信号を計測
して求められる散乱強度分布を重量分布換算係数によっ
て補正して、重量分布図を作成した。また、個数分布図
を、各分布における重量を粒子1個当たりの重量とその
分布中の総個数の積と考え、重量分布値をその粒子経の
3乗で除することによって作成した。結果を図2に示
す。また係る図から求めた重量分布の平均及び個数分布
の平均を表6に示す。
粒径分布 動的光散乱法によってlipoidAZTDPPC含有リポソーム
の粒径分布を測定した。具体的には上記(1)で調製し
たlipoidAZT含有リポソーム(DPPC/コレステロ
ール/lipoidAZT=4/2/1;又はDMPC/コレス
テロール/lipoidAZT=4/2/1)を測定サンプル
として、該リポソーム粒子を含有する溶液にレーザーを
照射した。各粒子からの散乱光は入射光の中心振動数に
対してシフトを示し、線幅が広がるが、この信号を計測
して求められる散乱強度分布を重量分布換算係数によっ
て補正して、重量分布図を作成した。また、個数分布図
を、各分布における重量を粒子1個当たりの重量とその
分布中の総個数の積と考え、重量分布値をその粒子経の
3乗で除することによって作成した。結果を図2に示
す。また係る図から求めた重量分布の平均及び個数分布
の平均を表6に示す。
【0104】
【表6】
【0105】実施例2 lipoidAZTDPPC含有アニオン
性リポソーム 実施例1(1)に記載する方法に従って、DMPC/ホ
スファチジルセリン/コレステロール=5/1/4のモ
ル比で構成されたアニオン性リポソーム(Antiviral Ch
emistry&Chemotherapy, 2(3), 143-148, 1991)に、実
施例1で調製したlipoidAZTDPPCを含有して、lipoid
AZTDPPC含有リポソームを作成した(粒径:約50n
m)。更に実施例1(2)と同様にして、該リポソーム
にlipoidAZTDPPCが含有されていることを確認した。
性リポソーム 実施例1(1)に記載する方法に従って、DMPC/ホ
スファチジルセリン/コレステロール=5/1/4のモ
ル比で構成されたアニオン性リポソーム(Antiviral Ch
emistry&Chemotherapy, 2(3), 143-148, 1991)に、実
施例1で調製したlipoidAZTDPPCを含有して、lipoid
AZTDPPC含有リポソームを作成した(粒径:約50n
m)。更に実施例1(2)と同様にして、該リポソーム
にlipoidAZTDPPCが含有されていることを確認した。
【0106】実施例3 lipoidAZTDMPC含有エマルジ
ョン 参考例2で調製したlipoidAZTDMPC5mgをトリオレ
インまたはゴマ油50〜200μlに溶解混合した。こ
れに生理食塩水またはリン酸緩衝液(pH7.4)を1
〜2ml加えて混合撹拌し、次いでソニケーターで1〜
2分間超音波照射し、均一分散したエマルションを調製
した。終わりに、これをアミコン社のフレンチプレッシ
ャーセルプレスに5回通過させて、平均粒子径0.2〜
0.4μmのlipoidAZTDMPC含有エマルジョンを得
た。
ョン 参考例2で調製したlipoidAZTDMPC5mgをトリオレ
インまたはゴマ油50〜200μlに溶解混合した。こ
れに生理食塩水またはリン酸緩衝液(pH7.4)を1
〜2ml加えて混合撹拌し、次いでソニケーターで1〜
2分間超音波照射し、均一分散したエマルションを調製
した。終わりに、これをアミコン社のフレンチプレッシ
ャーセルプレスに5回通過させて、平均粒子径0.2〜
0.4μmのlipoidAZTDMPC含有エマルジョンを得
た。
【0107】
【実験例】実験例1 lipoidAZTDPPCの脂溶性評価 参考例1で調製したlipoidAZTDDPCについて、その脂
溶性をAZTと比較した。脂溶性の評価には、有機溶媒
と水系緩衝液間の分配係数(logPc)、及び逆相HPL
Cの保持時間から求めるLipophilic Index(logK'0)(T.
Yamana, A.Tsuji, E.Miyamoto and O.Kubo, J.Pharm.Sc
i.,66, 747 (1977))を採用した。
溶性をAZTと比較した。脂溶性の評価には、有機溶媒
と水系緩衝液間の分配係数(logPc)、及び逆相HPL
Cの保持時間から求めるLipophilic Index(logK'0)(T.
Yamana, A.Tsuji, E.Miyamoto and O.Kubo, J.Pharm.Sc
i.,66, 747 (1977))を採用した。
【0108】なお、分配係数(logPc)は、溶媒とし
て、(i)n−オクタノール/PBS(pH7.4)及び(i
i)クロロホルム/PBS(pH7.4)の2種類を使用
して求め、Lipophilic Index(logK'0)は下記のHPLC
移動相を用いて求めた。
て、(i)n−オクタノール/PBS(pH7.4)及び(i
i)クロロホルム/PBS(pH7.4)の2種類を使用
して求め、Lipophilic Index(logK'0)は下記のHPLC
移動相を用いて求めた。
【0109】 lipoidAZTDDPC :15mM KH2PO4(pH6.5)/CH3OH=5/95 AZT :50mM CH3COONH4(pH5.5)/CH3CN=85/15
【0110】
【表7】
【0111】結果を表7に示す。lipoidAZTのlogPc
及びlogK'0は、AZTに比べて顕著に増加し、リン脂質
修飾により脂溶性が増大していることが分かる。
及びlogK'0は、AZTに比べて顕著に増加し、リン脂質
修飾により脂溶性が増大していることが分かる。
【0112】実験例2 lipoidAZTDPPCの消化管内で
の安定性 脂質類似型化合物の消化管内での安定性を調べるため
に、被験化合物として参考例1で調製したlipoidAZT
DPPCを用いて、ラット十二指腸,空腸,回腸のホモジネ
ート溶液及び血漿中でのその分解半減期を求めた。
の安定性 脂質類似型化合物の消化管内での安定性を調べるため
に、被験化合物として参考例1で調製したlipoidAZT
DPPCを用いて、ラット十二指腸,空腸,回腸のホモジネ
ート溶液及び血漿中でのその分解半減期を求めた。
【0113】<実験方法> 1.ラット消化管ホモジネートの調製方法 (1) ラット(Wister雄性、250g)の消化管内を洗浄
後、胃の幽門下10cmを十二指腸、盲腸から上15c
mを回腸、それ以外を空腸として分離切断し、氷冷下粘
膜を剥いだ。
後、胃の幽門下10cmを十二指腸、盲腸から上15c
mを回腸、それ以外を空腸として分離切断し、氷冷下粘
膜を剥いだ。
【0114】(2) 粘膜の3倍容のPBS(pH7.4、P
hosphate buffer solution)を加え、氷冷下でホモジナ
イズした後、4℃下で3000G×10分間遠心分離
し、各上澄を消化管(十二指腸,空腸,回腸)ホモジネ
ート溶液とした。
hosphate buffer solution)を加え、氷冷下でホモジナ
イズした後、4℃下で3000G×10分間遠心分離
し、各上澄を消化管(十二指腸,空腸,回腸)ホモジネ
ート溶液とした。
【0115】(3) ホモジネート溶液をLowry法を用いて
蛋白定量し、その結果をもとにして、ホモジネート液に
PBSを加えて希釈し、蛋白濃度を2mg/mlに調製
した。
蛋白定量し、その結果をもとにして、ホモジネート液に
PBSを加えて希釈し、蛋白濃度を2mg/mlに調製
した。
【0116】2.安定性試験 (被験化合物の最終濃度:0.1mM;ホモシ゛ネート溶液の蛋白
量:1mg蛋白質/ml) (1) 被験化合物(0.2mM)、ホモジネート溶液(2
mg/ml)を37℃で15分間インキュベーションし
た。
量:1mg蛋白質/ml) (1) 被験化合物(0.2mM)、ホモジネート溶液(2
mg/ml)を37℃で15分間インキュベーションし
た。
【0117】(2) 双方の溶液を等量混合し、以後15分
間隔で経時的にサンプリングし、サンプル100μlに
直ちに冷メタノール300μlを加え、10,000rpm×5
分間の遠心分離後、被験化合物の濃度をHPLCで測定
した。
間隔で経時的にサンプリングし、サンプル100μlに
直ちに冷メタノール300μlを加え、10,000rpm×5
分間の遠心分離後、被験化合物の濃度をHPLCで測定
した。
【0118】(3) 同様にして、ラットの血漿を用いて、
血漿中のlipoid−ヌクレオシド誘導体の分解半減期を求
めた。
血漿中のlipoid−ヌクレオシド誘導体の分解半減期を求
めた。
【0119】なお、HPLCは実験例1と同じ条件を使
用した。
用した。
【0120】<結果>lipoidAZTDPPCの各消化管のホ
モジネート溶液中での安定性及び血漿中での安定性を図
3に示す。薬物の残存率(%)の対数を時間に対してプ
ロットして得られる値の直線の傾きから、分解半減期
(T1/2)を求めた(表8)。表8から分かるように、lip
oidAZTDPPCの分解半減期は消化管内では数時間であ
り、消化管内で比較的安定性が高いことがわかった。
モジネート溶液中での安定性及び血漿中での安定性を図
3に示す。薬物の残存率(%)の対数を時間に対してプ
ロットして得られる値の直線の傾きから、分解半減期
(T1/2)を求めた(表8)。表8から分かるように、lip
oidAZTDPPCの分解半減期は消化管内では数時間であ
り、消化管内で比較的安定性が高いことがわかった。
【0121】
【表8】
【0122】実験例3 lipoidAZTDPPCのホスフォリ
パーゼ分解による活性本体AZTの生成 <実験方法> 1.被験薬液及び酵素の調製 (1) 被験物として、参考例1で調製したlipoidAZT
DPPCを用いて、Tris-HCl緩衝液9ml中に、lipoidAZ
TDPPC4.6mg(5μmol),CaCl25.9mg(2
0μmol)及びTritonX-100 25mgを溶解して被験薬
液を調製した。
パーゼ分解による活性本体AZTの生成 <実験方法> 1.被験薬液及び酵素の調製 (1) 被験物として、参考例1で調製したlipoidAZT
DPPCを用いて、Tris-HCl緩衝液9ml中に、lipoidAZ
TDPPC4.6mg(5μmol),CaCl25.9mg(2
0μmol)及びTritonX-100 25mgを溶解して被験薬
液を調製した。
【0123】(2) ホスフォリパーゼD(PLD:TypeVI
(Stereptomyces Chromofuscus由来))を用いて、Tris
-HCl緩衝液5mlに、PLD2500ユニット及びBS
A2.5mgを溶解して酵素溶液(PLD溶液)を調製
した。
(Stereptomyces Chromofuscus由来))を用いて、Tris
-HCl緩衝液5mlに、PLD2500ユニット及びBS
A2.5mgを溶解して酵素溶液(PLD溶液)を調製
した。
【0124】2.酵素分解反応 (1) 予め、被験薬液及びPLD溶液の双方を別個に37
℃で10分間インキュベーションした後、PLD溶液0.
5mlを被験薬液4.5mlに加えて直ちにボルテック
スした。
℃で10分間インキュベーションした後、PLD溶液0.
5mlを被験薬液4.5mlに加えて直ちにボルテック
スした。
【0125】(2) 反応開始直後、5,15,30,4
5,60分の時点で反応液を50μlサンプリングし、
メタノール0.6mlを添加して反応を停止させ、遠心
分離後(10,000rpm×5分間)、lipoidAZTの残量及
びAZTの生成量をHPLCで定量した。なお、HPL
C条件は実験例1と同じである。
5,60分の時点で反応液を50μlサンプリングし、
メタノール0.6mlを添加して反応を停止させ、遠心
分離後(10,000rpm×5分間)、lipoidAZTの残量及
びAZTの生成量をHPLCで定量した。なお、HPL
C条件は実験例1と同じである。
【0126】<結果>結果を図4に示す。図から明らか
なように、lipoidAZTは、ホスフォリパーゼDの作用
により速やかに活性本体であるAZTに解離し、本発明
のlipoid−ヌクレオシド誘導体がプロドラッグとしての
特性を有するものであることが確認された。
なように、lipoidAZTは、ホスフォリパーゼDの作用
により速やかに活性本体であるAZTに解離し、本発明
のlipoid−ヌクレオシド誘導体がプロドラッグとしての
特性を有するものであることが確認された。
【0127】参考実験例1 AZTのラット大腿伸筋内
投与(筋注)時のバイオアベイラビリティーの測定 <実験方法>掛見等の方法(K.Kakemi, H.Sezaki, K.Ok
umura and S.Ashida, Chem.Pharm.Bull., 1332 (196
9))に従って、絶食Wistar雄性ラット(250g)をネ
ンブタールで麻酔し、ラット一匹あたりAZT2mg/
0.4mlPBSの投与量で左右の大腿伸筋に0.2ml
ずつ、計0.4ml投与した。投与後、1,3,5,3
0,60,90,120分後に頚静脈から採血して血漿
中のAZT薬物濃度を測定し、血中薬物濃度下面積AU
C筋注(μg/ml・min)を求めた。バイオアベイラビリテ
ィーを求めるために、AZTの同量を静脈から投与し
て、同様にして経時的に血漿中のAZT濃度を測定し、
AUC静注(μg/ml・min)を求めた。
投与(筋注)時のバイオアベイラビリティーの測定 <実験方法>掛見等の方法(K.Kakemi, H.Sezaki, K.Ok
umura and S.Ashida, Chem.Pharm.Bull., 1332 (196
9))に従って、絶食Wistar雄性ラット(250g)をネ
ンブタールで麻酔し、ラット一匹あたりAZT2mg/
0.4mlPBSの投与量で左右の大腿伸筋に0.2ml
ずつ、計0.4ml投与した。投与後、1,3,5,3
0,60,90,120分後に頚静脈から採血して血漿
中のAZT薬物濃度を測定し、血中薬物濃度下面積AU
C筋注(μg/ml・min)を求めた。バイオアベイラビリテ
ィーを求めるために、AZTの同量を静脈から投与し
て、同様にして経時的に血漿中のAZT濃度を測定し、
AUC静注(μg/ml・min)を求めた。
【0128】<結果>結果を表9に示す。
【0129】
【表9】
【0130】台形法に基づいて、バイオアベイラビリテ
ィーを下式に従って求めた: Bioavailability=(AUC筋注/Dose筋注)÷(AUC静注/Dose静注)×100 =(393.3/2000)÷(387.5/2000)×100 = 100.7% AZTを筋注投与すると、Tmaxは1〜3分であり、バ
イオアベイラビリティーは約100%であった。このこ
とから、AZTは筋肉内投与が有効な投与形態であるこ
とが示唆された。
ィーを下式に従って求めた: Bioavailability=(AUC筋注/Dose筋注)÷(AUC静注/Dose静注)×100 =(393.3/2000)÷(387.5/2000)×100 = 100.7% AZTを筋注投与すると、Tmaxは1〜3分であり、バ
イオアベイラビリティーは約100%であった。このこ
とから、AZTは筋肉内投与が有効な投与形態であるこ
とが示唆された。
【0131】参考実験例2 AZTのラット経口投与及
び筋注投与による腸骨リンパ節内への移行性 <実験方法> 1.絶食Wistar雄性ラット(220〜250g)を用い
て、エーテル麻酔下で実験を行った。筋注投与は、大腿
部を切開後、左右の大腿伸筋にAZTを8mg/kg
(ラット一匹あたり約2mg)の投与量で投与した。経
口投与は、経口ゾンデを用いて同量投与した。ラット
は、麻酔覚醒後一定時間ゲージで飼育した。
び筋注投与による腸骨リンパ節内への移行性 <実験方法> 1.絶食Wistar雄性ラット(220〜250g)を用い
て、エーテル麻酔下で実験を行った。筋注投与は、大腿
部を切開後、左右の大腿伸筋にAZTを8mg/kg
(ラット一匹あたり約2mg)の投与量で投与した。経
口投与は、経口ゾンデを用いて同量投与した。ラット
は、麻酔覚醒後一定時間ゲージで飼育した。
【0132】2.投与後5,30,60分の時点で下大
動脈から脱血致死させ、左右の腸骨リンパ節を摘出し
た。
動脈から脱血致死させ、左右の腸骨リンパ節を摘出し
た。
【0133】3.PBS 0.5mlを加えて、リンパ節
を氷冷下でホモジナイズした。
を氷冷下でホモジナイズした。
【0134】4.ホモジナイズ液0.1mlにメタノー
ル1ml加えて、AZTを抽出し、遠心分離して上澄の
AZT量をHPLCで測定した。
ル1ml加えて、AZTを抽出し、遠心分離して上澄の
AZT量をHPLCで測定した。
【0135】<結果>結果を図5に示す。図からわかる
ように、筋肉内投与は経口投与に比べてリンパ節移行性
が高く、リンパ節内薬物濃度の増大が認められた。筋注
投与は、参考実験例1で示すようにバイオアベイラビリ
ティーが100%と高く、薬物の設計によっては直接リ
ンパ系に流入させることが可能となることから、有効な
投与形態として位置づけられる。
ように、筋肉内投与は経口投与に比べてリンパ節移行性
が高く、リンパ節内薬物濃度の増大が認められた。筋注
投与は、参考実験例1で示すようにバイオアベイラビリ
ティーが100%と高く、薬物の設計によっては直接リ
ンパ系に流入させることが可能となることから、有効な
投与形態として位置づけられる。
【0136】実験例4 lipoidAZTDPPC、lipoidAZ
TDPPC含有リポソームを筋注した場合のリンパ移行性
(筋注時の腸骨リンパ節内薬物濃度) <実験方法> 1.被験物: ・lipoidAZTDPPC(参考例1)、 ・lipoidAZTDPPC含有DPPCリポソーム(DPPC/コレス
テロール/lipoidAZTDPPC=4/2/1:実施例1)、 ・lipoidAZTDPPC含有DMPCリポソーム(DMPC/コレス
テロール/lipoidAZTDPPC=4/2/1:実施例1) ・AZT(対照被験物) 2.方法 (1) 絶食Wistar雄性ラット(220〜250g)をエー
テルで麻酔し、大腿部皮膚を切開後左右の大腿伸筋に下
記の投与量で薬液を注入し、麻酔覚醒後ゲージで飼育し
た。
TDPPC含有リポソームを筋注した場合のリンパ移行性
(筋注時の腸骨リンパ節内薬物濃度) <実験方法> 1.被験物: ・lipoidAZTDPPC(参考例1)、 ・lipoidAZTDPPC含有DPPCリポソーム(DPPC/コレス
テロール/lipoidAZTDPPC=4/2/1:実施例1)、 ・lipoidAZTDPPC含有DMPCリポソーム(DMPC/コレス
テロール/lipoidAZTDPPC=4/2/1:実施例1) ・AZT(対照被験物) 2.方法 (1) 絶食Wistar雄性ラット(220〜250g)をエー
テルで麻酔し、大腿部皮膚を切開後左右の大腿伸筋に下
記の投与量で薬液を注入し、麻酔覚醒後ゲージで飼育し
た。
【0137】 投与量:lipoidAZTDPPC 3.7mg/kg(約1μmol/ラット) lipoidAZTDPPC含有DPPCリポソーム 3.7mg/kg(約1μmol/ラット) lipoidAZTDPPC含有DMPCリポソーム 3.7mg/kg(約1μmol/ラット) AZT 8.0mg/kg(約2.0mg/ラット) (2) 5,30,60分後に下大動脈から脱血致死させ、
左右の腸骨リンパ節を摘出して重量を測定した。
左右の腸骨リンパ節を摘出して重量を測定した。
【0138】(3) PBS 0.5mlを加えて、リンパ節
を氷冷下、ホモジナイズした。
を氷冷下、ホモジナイズした。
【0139】(4) サンプル200μlにメタノール1m
lを加えて遠心分離(3,000×10分間)し、上澄に存
在する薬物及びその量をHPLCで確認した。
lを加えて遠心分離(3,000×10分間)し、上澄に存
在する薬物及びその量をHPLCで確認した。
【0140】<結果> 1.lipoidAZTDPPC及びlipoidAZTDPPC含有リポソ
ームのいずれを筋注した場合も、腸骨リンパ節ホモジネ
ート中にlipoidAZTDPPCが検出された。このことは、
lipoidAZTDPPC及びlipoidAZTDPPC含有リポソーム
は、筋注することによりlipoidAZTの態様で、リンパ
系に移行することを示す。
ームのいずれを筋注した場合も、腸骨リンパ節ホモジネ
ート中にlipoidAZTDPPCが検出された。このことは、
lipoidAZTDPPC及びlipoidAZTDPPC含有リポソーム
は、筋注することによりlipoidAZTの態様で、リンパ
系に移行することを示す。
【0141】2.筋注後の腸骨リンパ節内における各被
験物の経時的濃度変化を図6に示す。
験物の経時的濃度変化を図6に示す。
【0142】(1) lipoidAZTDPPCを単独で筋注した場
合は、AZTを筋注した場合よりも腸骨リンパ節内にお
ける各被験物の濃度が持続する傾向を示したが、リンパ
節に移行する量は、脂溶性にもかかわらず、水溶性AZ
Tの投与の場合と殆ど変わらなかった。
合は、AZTを筋注した場合よりも腸骨リンパ節内にお
ける各被験物の濃度が持続する傾向を示したが、リンパ
節に移行する量は、脂溶性にもかかわらず、水溶性AZ
Tの投与の場合と殆ど変わらなかった。
【0143】(2) lipoidAZTDPPC含有DPPCリポソーム
及びlipoidAZTDPPC含有DMPCリポソームの結果から明
らかなように、lipoidAZTDPPCをリポソームに保持さ
せることによって、腸骨リンパ節内のlipoidAZTDPPC
濃度は著しく上昇し、かつ長時間にわたって持続する傾
向が顕著に見られた。
及びlipoidAZTDPPC含有DMPCリポソームの結果から明
らかなように、lipoidAZTDPPCをリポソームに保持さ
せることによって、腸骨リンパ節内のlipoidAZTDPPC
濃度は著しく上昇し、かつ長時間にわたって持続する傾
向が顕著に見られた。
【0144】以上の結果は、水溶性薬物の脂溶性を向上
させる目的でリン脂質官能基を導入しても必ずしも膜透
過性は向上しないことを示す。特に本発明におけるAZ
T等のヌクレオシド誘導体はその傾向が顕著であり、例
えばAZTにリン脂質基を付与した脂質類似型AZT
は、薬物の脂溶性はAZTに比して顕著に向上するもの
の、膜透過性は予想に反してAZTに比して減少するこ
とが確認された。
させる目的でリン脂質官能基を導入しても必ずしも膜透
過性は向上しないことを示す。特に本発明におけるAZ
T等のヌクレオシド誘導体はその傾向が顕著であり、例
えばAZTにリン脂質基を付与した脂質類似型AZT
は、薬物の脂溶性はAZTに比して顕著に向上するもの
の、膜透過性は予想に反してAZTに比して減少するこ
とが確認された。
【0145】更に、上記結果から膜透過性を向上させる
手段として脂質類似型AZTをリポソーム化する方法を
採用することにより、筋肉内投与によるリンパ移行性が
顕著に向上するとともに、ターゲッティング細胞への細
胞親和性を高めることができることが確認できた。
手段として脂質類似型AZTをリポソーム化する方法を
採用することにより、筋肉内投与によるリンパ移行性が
顕著に向上するとともに、ターゲッティング細胞への細
胞親和性を高めることができることが確認できた。
【0146】なお、実施例3で調製したエマルジョンを
同様にラット大腿伸筋に投与したところ、上記のリポソ
ーム体と同様な傾向を示した。
同様にラット大腿伸筋に投与したところ、上記のリポソ
ーム体と同様な傾向を示した。
【0147】これらのことから、本発明の脂質類似型ヌ
クレオシド誘導体を含有するリポソーム体及びエマルジ
ョン体は、リンパ系に選択的に移行するリンパターゲッ
ティング剤(リンパ節移行型製剤)として極めて有効で
あることが分かる。
クレオシド誘導体を含有するリポソーム体及びエマルジ
ョン体は、リンパ系に選択的に移行するリンパターゲッ
ティング剤(リンパ節移行型製剤)として極めて有効で
あることが分かる。
【0148】実験例5 lipoidAZTDPPC含有リポソー
ム筋注時の腸骨リンパ節−血漿中のlipoidAZTDPPC濃
度、及びリンパ節中での活性本体AZTの生成 実験例4において最もリンパ移行性が高かったlipoidA
ZTDPPC含有DMPCリポソームを用いて、投与後12
0分まで経時的に腸骨リンパ節及び血漿中のlipoidAZ
T濃度を測定し、AZTを投与した場合と比較した。さ
らに、lipoidAZTDPPCから生成するAZTの量を測定
した。
ム筋注時の腸骨リンパ節−血漿中のlipoidAZTDPPC濃
度、及びリンパ節中での活性本体AZTの生成 実験例4において最もリンパ移行性が高かったlipoidA
ZTDPPC含有DMPCリポソームを用いて、投与後12
0分まで経時的に腸骨リンパ節及び血漿中のlipoidAZ
T濃度を測定し、AZTを投与した場合と比較した。さ
らに、lipoidAZTDPPCから生成するAZTの量を測定
した。
【0149】<実験方法>絶食Wistar雄性ラット(22
0〜250g)をエーテルで麻酔し、大腿部皮膚を切開
後左右の大腿伸筋に下記の投与量で薬液を注入し、5,
15,30,60,120分の時点で、左右の腸骨リン
パ節を採取するとともに、頚静脈より採血して、リンパ
節中及び血漿中の薬物濃度をHPLCを用いて測定し
た。
0〜250g)をエーテルで麻酔し、大腿部皮膚を切開
後左右の大腿伸筋に下記の投与量で薬液を注入し、5,
15,30,60,120分の時点で、左右の腸骨リン
パ節を採取するとともに、頚静脈より採血して、リンパ
節中及び血漿中の薬物濃度をHPLCを用いて測定し
た。
【0150】 投与量:lipoidAZTDPPC含有DMPCリポソーム 3.7mg/kg(約1μmol/ラット ) AZT 8.0mg/kg(約2mg/ラット) <結果>結果を図7に示す。
【0151】(1)lipoidAZTDPPC含有DMPCリポソ
ームを投与した場合は(図中、●で示す。)、血中には
ほとんどlipoidAZTDPPCは出現しないのに対して、腸
骨リンパ節内への出現濃度は顕著に高くかつ長時間維持
されていた。また、該lipoidAZTDPPCから生成するA
ZT量を測定したところ、lipoidAZTDPPCの濃度に比
例して標準品のAZTの保持時間(Rt)と一致するピー
クが出現した。
ームを投与した場合は(図中、●で示す。)、血中には
ほとんどlipoidAZTDPPCは出現しないのに対して、腸
骨リンパ節内への出現濃度は顕著に高くかつ長時間維持
されていた。また、該lipoidAZTDPPCから生成するA
ZT量を測定したところ、lipoidAZTDPPCの濃度に比
例して標準品のAZTの保持時間(Rt)と一致するピー
クが出現した。
【0152】(2)AZT溶液投与の場合は(図中、△で
示す。)、血漿中のAZT濃度は高いものの、腸骨リン
パ節中のAZT濃度は低く、投与後速やかに減少した。
示す。)、血漿中のAZT濃度は高いものの、腸骨リン
パ節中のAZT濃度は低く、投与後速やかに減少した。
【0153】なお、実施例3で調製したエマルジョンを
同様にラット大腿伸筋に投与して、リンパ節及び血漿中
の薬物濃度を経時的に測定したところ、上記のリポソー
ム体と同様な傾向を示した。
同様にラット大腿伸筋に投与して、リンパ節及び血漿中
の薬物濃度を経時的に測定したところ、上記のリポソー
ム体と同様な傾向を示した。
【0154】このことから、本発明の脂質類似型化合物
含有リポソーム体及びエマルジョン体は、脂質複合体と
してリンパ節に選択特異的に移行し、且つその移行部で
抗HIV活性を有するAZTに変換することが確認でき
た。
含有リポソーム体及びエマルジョン体は、脂質複合体と
してリンパ節に選択特異的に移行し、且つその移行部で
抗HIV活性を有するAZTに変換することが確認でき
た。
【0155】このことは、本発明の脂質類似型化合物含
有リポソーム体及びエマルジョン体は、高い生物学的利
用率を有するリンパターゲッティング剤(リンパ節移行
型製剤)であること、及び活性本体である逆転酵素酵素
阻害剤が循環血流に流出することにより生じる骨髄抑制
等の副作用を回避できる、副作用の軽減された有用な抗
HIV剤となり得ることを示唆するものである。
有リポソーム体及びエマルジョン体は、高い生物学的利
用率を有するリンパターゲッティング剤(リンパ節移行
型製剤)であること、及び活性本体である逆転酵素酵素
阻害剤が循環血流に流出することにより生じる骨髄抑制
等の副作用を回避できる、副作用の軽減された有用な抗
HIV剤となり得ることを示唆するものである。
【0156】実験例6 HIV増殖阻害活性の測定 成人末梢リンパ球細胞(PBMC)及びヒト細胞由来樹
立細胞(MT4)を宿主細胞としてHIVの増殖が、本
発明の脂質集合体によって阻害されるかどうかを調べ
た。
立細胞(MT4)を宿主細胞としてHIVの増殖が、本
発明の脂質集合体によって阻害されるかどうかを調べ
た。
【0157】 <実験方法> 1.使用ウイルス株/細胞:JMH−1(primary isolate)/PBMC JMH−1(primary isolate)/MT4 2.被験物 (イ)lipoidAZTDPPC含有DMPCリポソーム(DMPC/コレ
ステロール/lipoidAZTDPPC=4/2/1:実施例1) (ロ)lipoidAZTDMPC含有DMPCリポソーム(DMPC/コレ
ステロール/lipoidAZTDMPC=4/2/1:実施例1) (ハ)lipoidAZTDPPC(参考例1) (ニ)AZT(対照被験物) 3.方法 (a)JMH−1(primary isolate)/PBMCの場合 健常ヒト血液からPBMCを密度勾配遠心法(フィコー
ル溶液)にて分離した。具体的には、ヒト血液(30〜
40ml)に150ml PBS(又はRPMI164
0(−FBS))を加えて希釈し、遠心管1チューブあ
たり15ml容量フィコールを分注したものに希釈血液
を静かに重層した。これを1800rpm、25分間遠
心し、中間に位置するリンパ球画分(白濁層)を回収し
た。回収液を50ml×4本に分け、それぞれ30ml
のPBS(又はRPMI1640(−FBS))を添加
した後、1500rpmで、5分間遠心した。上清を除
去後、新たにPBS(又はRPMI1640(−FB
S))30mlを加えた。この洗浄操作を3回繰り返し
た後、PBMC用培地(RPMI1640+10%FB
S+6μg/ml PHA-P(phytohemaggulutinin-P))を
加えて、細胞数を1×106細胞/mlに調製し、72
時間培養した。細胞を遠心して回収後新鮮な培地で一回
洗浄し、得られた細胞を新しいPBMC用培地(10m
l)に懸濁して、その結果からPBMCが4×106細
胞/mlとなるように希釈した。
ステロール/lipoidAZTDPPC=4/2/1:実施例1) (ロ)lipoidAZTDMPC含有DMPCリポソーム(DMPC/コレ
ステロール/lipoidAZTDMPC=4/2/1:実施例1) (ハ)lipoidAZTDPPC(参考例1) (ニ)AZT(対照被験物) 3.方法 (a)JMH−1(primary isolate)/PBMCの場合 健常ヒト血液からPBMCを密度勾配遠心法(フィコー
ル溶液)にて分離した。具体的には、ヒト血液(30〜
40ml)に150ml PBS(又はRPMI164
0(−FBS))を加えて希釈し、遠心管1チューブあ
たり15ml容量フィコールを分注したものに希釈血液
を静かに重層した。これを1800rpm、25分間遠
心し、中間に位置するリンパ球画分(白濁層)を回収し
た。回収液を50ml×4本に分け、それぞれ30ml
のPBS(又はRPMI1640(−FBS))を添加
した後、1500rpmで、5分間遠心した。上清を除
去後、新たにPBS(又はRPMI1640(−FB
S))30mlを加えた。この洗浄操作を3回繰り返し
た後、PBMC用培地(RPMI1640+10%FB
S+6μg/ml PHA-P(phytohemaggulutinin-P))を
加えて、細胞数を1×106細胞/mlに調製し、72
時間培養した。細胞を遠心して回収後新鮮な培地で一回
洗浄し、得られた細胞を新しいPBMC用培地(10m
l)に懸濁して、その結果からPBMCが4×106細
胞/mlとなるように希釈した。
【0158】次に、この細胞懸濁液を50μl/ウエル
ずつ96ウエルマイクロプレートに分注し、直ちに被験
物及びHIV(JMH-1:104TCID50/ml)溶
液をそれぞれ50μl/ウエル添加した。これを更に3
7℃、5%CO2下で3日間培養を行い、培養上清を回
収してTCID50値(50% tissue culture infections
dose)を指標として試料のウイルス増殖抑制効果を判
定した。
ずつ96ウエルマイクロプレートに分注し、直ちに被験
物及びHIV(JMH-1:104TCID50/ml)溶
液をそれぞれ50μl/ウエル添加した。これを更に3
7℃、5%CO2下で3日間培養を行い、培養上清を回
収してTCID50値(50% tissue culture infections
dose)を指標として試料のウイルス増殖抑制効果を判
定した。
【0159】(b)JMH−1(primary isolate)/M
T4の場合 対数増殖期のMT4細胞をMT4用培地(RPMI-1640+10
%FBS)を用いて4×105細胞/mlに調製して、
(a)記載の方法に準じて行った。
T4の場合 対数増殖期のMT4細胞をMT4用培地(RPMI-1640+10
%FBS)を用いて4×105細胞/mlに調製して、
(a)記載の方法に準じて行った。
【0160】TCID50(50%感染価)の測定は以下
のようにして行った。MT4用培地を用いて測定試料を
10-1〜10-6に段階希釈し、96ウエルマイクロプレ
ートに1ウエルあたり20μlずつ3ウエルに分注し
た。次にMT4細胞を2×105細胞/mlに調製し、
予め希釈液を加えておいたウエルに100μl/ウエル
ずつ分注した。これを37℃、5%CO2下で4〜5日
間培養し、ウイルス細胞変性効果(CPE)の有無を顕
微鏡下で調べた。CPEが認められないウエルを全量5
00μl/ウエルずつ培地を分注した48ウエルプレー
トに継代してから、さらに37℃、5%CO2下で4〜
5日間培養した。ウイルスのTCID50値は、CPEの
有無を確認後、Read-Muench法により求めた。具体的に
は、CPE陽性になったウエル数を希釈率の高い方か
ら、CPE陰性となったウエル数を希釈率の低い方から
累積加算し、50%感染価を比較配分により算出した。
なお、TCID50値は、算出した50%感染価(希釈
率)の逆数となり、これは測定試料中に存在する感染力
をもつウイルス量を示している。
のようにして行った。MT4用培地を用いて測定試料を
10-1〜10-6に段階希釈し、96ウエルマイクロプレ
ートに1ウエルあたり20μlずつ3ウエルに分注し
た。次にMT4細胞を2×105細胞/mlに調製し、
予め希釈液を加えておいたウエルに100μl/ウエル
ずつ分注した。これを37℃、5%CO2下で4〜5日
間培養し、ウイルス細胞変性効果(CPE)の有無を顕
微鏡下で調べた。CPEが認められないウエルを全量5
00μl/ウエルずつ培地を分注した48ウエルプレー
トに継代してから、さらに37℃、5%CO2下で4〜
5日間培養した。ウイルスのTCID50値は、CPEの
有無を確認後、Read-Muench法により求めた。具体的に
は、CPE陽性になったウエル数を希釈率の高い方か
ら、CPE陰性となったウエル数を希釈率の低い方から
累積加算し、50%感染価を比較配分により算出した。
なお、TCID50値は、算出した50%感染価(希釈
率)の逆数となり、これは測定試料中に存在する感染力
をもつウイルス量を示している。
【0161】<結果>JMH−1/PBMC細胞に関す
る結果を表10に、JMH−1/MT4細胞に関する結
果を表11に示す。表中の「mediumのみ」(コントロー
ル)のTCID50値に比して値が小さくなれば、被験物
にウイルスの増殖阻害活性があることを示す。なお、表
中の阻害率(%)は、式: 阻害率(%)= 100−被験物のTCID50値/コントロールの
TCID50値 から算出したものである。阻害率は高いほど阻害活性が
高いことを示す。
る結果を表10に、JMH−1/MT4細胞に関する結
果を表11に示す。表中の「mediumのみ」(コントロー
ル)のTCID50値に比して値が小さくなれば、被験物
にウイルスの増殖阻害活性があることを示す。なお、表
中の阻害率(%)は、式: 阻害率(%)= 100−被験物のTCID50値/コントロールの
TCID50値 から算出したものである。阻害率は高いほど阻害活性が
高いことを示す。
【0162】
【表10】
【0163】
【表11】
【0164】表から分かるように、プロドラッグであり
本来抗HIV活性を有しないlipoidAZTにHIV増殖
阻害活性が確認された。このことから、細胞内のホスフ
ォリパーゼの作用によって脂質とAZTの結合が解離し
て、AZT若しくは5’−リン酸体が形成され、抗HI
V活性が発現したものと考えられた。
本来抗HIV活性を有しないlipoidAZTにHIV増殖
阻害活性が確認された。このことから、細胞内のホスフ
ォリパーゼの作用によって脂質とAZTの結合が解離し
て、AZT若しくは5’−リン酸体が形成され、抗HI
V活性が発現したものと考えられた。
【0165】実験例7 細胞障害性試験 本発明の脂質集合体を構成する脂溶性微粒子キャリアー
に包含されるlipoidAZTDPPCの細胞毒性をAZTの細
胞毒性と比較した。なお、細胞としてヒト細胞由来樹立
細胞(MT4)を用いた。
に包含されるlipoidAZTDPPCの細胞毒性をAZTの細
胞毒性と比較した。なお、細胞としてヒト細胞由来樹立
細胞(MT4)を用いた。
【0166】<実験方法> 1.被験物 (ハ) lipoidAZTDPPC (参考例1) (ニ)AZT(対照被験物) 2.方法 (1)対照増殖期のMT4を1000rpm×5分間遠心後、
上清を捨てて新しい培地(RPMI-1640+10%
FBS)を10ml加え、細胞数を4×105細胞/ml
に調製した。次にこの細胞懸濁液を50μl/ウエルず
つ96ウエルマイクロプレートに分注した。この中に被
験物を50μl/ウエル加えて37℃、5%CO2下で
4日間培養を行った後、各ウエル中の生細胞数をMTT
アッセイによる比色法を用いて定量した。その結果か
ら、細胞を含まないウエルをブランクとし、被験物無添
加の生細胞数を100として換算して、各被験物におけ
る細胞障害性を検討した。
上清を捨てて新しい培地(RPMI-1640+10%
FBS)を10ml加え、細胞数を4×105細胞/ml
に調製した。次にこの細胞懸濁液を50μl/ウエルず
つ96ウエルマイクロプレートに分注した。この中に被
験物を50μl/ウエル加えて37℃、5%CO2下で
4日間培養を行った後、各ウエル中の生細胞数をMTT
アッセイによる比色法を用いて定量した。その結果か
ら、細胞を含まないウエルをブランクとし、被験物無添
加の生細胞数を100として換算して、各被験物におけ
る細胞障害性を検討した。
【0167】(2)MTTアッセイ MTT〔3-(4,5-ジメチルチアル-2-イル)-2,5-ジフェニ
ルテトラゾリウムブロマイド〕は、生存細胞と共にイン
キュベーションされると濃青色生成物(Formazan)を形
成し、形成された色の濃さが試験サンプル中に存在する
生存細胞の濃度に比例する。
ルテトラゾリウムブロマイド〕は、生存細胞と共にイン
キュベーションされると濃青色生成物(Formazan)を形
成し、形成された色の濃さが試験サンプル中に存在する
生存細胞の濃度に比例する。
【0168】具体的には、まずMTT試薬を20μl/
ウエルずつ添加し、37℃、5%CO2下で4時間培養
した後、更に20%SDS、0.01N HClを10
0μl/ウエルずつ添加した。次いでプレートを遮光し
て室温で一晩振盪した。翌日、生成したFormazanが完全
に溶解していることを確認して、620nm、690n
mの2波長で吸光度を測定した。
ウエルずつ添加し、37℃、5%CO2下で4時間培養
した後、更に20%SDS、0.01N HClを10
0μl/ウエルずつ添加した。次いでプレートを遮光し
て室温で一晩振盪した。翌日、生成したFormazanが完全
に溶解していることを確認して、620nm、690n
mの2波長で吸光度を測定した。
【0169】<結果>結果を表12に示す。被験物を添
加しない系(コントロール)の生存細胞数を100とし
て比較した。この値より低い場合を細胞障害性ありと判
定した。
加しない系(コントロール)の生存細胞数を100とし
て比較した。この値より低い場合を細胞障害性ありと判
定した。
【0170】
【表12】
【0171】AZT単独処理の場合、25μM〜250
μM濃度で細胞障害性が見られたが、lipoidAZTでは
殆ど障害性は認められず、このことから、リン脂質修飾
化によって細胞障害性が低下するものと考えられた。
μM濃度で細胞障害性が見られたが、lipoidAZTでは
殆ど障害性は認められず、このことから、リン脂質修飾
化によって細胞障害性が低下するものと考えられた。
【0172】実験例6と実験例7の結果から、本発明の
脂質集合体の有効成分であるlipoidAZTは、AZTに
比して、抗HIVという薬理作用は若干弱いものの、安
全性は高い(毒性が低い)ことが分かった。
脂質集合体の有効成分であるlipoidAZTは、AZTに
比して、抗HIVという薬理作用は若干弱いものの、安
全性は高い(毒性が低い)ことが分かった。
【0173】以上の実験例等から、本発明の脂質集合体
及びそれに保持される脂質類似型化合物(I)の有用性
については、次のように纏めることができる。
及びそれに保持される脂質類似型化合物(I)の有用性
については、次のように纏めることができる。
【0174】1.本発明で用いる脂質類似型化合物
(I)は、脂溶性が高い上にリン脂質に対する相溶性が
非常に高いため、ほぼ100%リポソームの脂質二重層
膜間に封入することができる。これに対して、水溶性が
高いAZT等の抗HIV活性を有するヌクレオシド誘導
体は、リポソームへの封入率は極めて低く、また筋肉内
投与後リポソームがリンパ系(特にリンパ節)に移行す
る前に薬物が漏出して安定してリポソーム化することは
困難である。また、エマルジョンでも同様の傾向が認め
られる。
(I)は、脂溶性が高い上にリン脂質に対する相溶性が
非常に高いため、ほぼ100%リポソームの脂質二重層
膜間に封入することができる。これに対して、水溶性が
高いAZT等の抗HIV活性を有するヌクレオシド誘導
体は、リポソームへの封入率は極めて低く、また筋肉内
投与後リポソームがリンパ系(特にリンパ節)に移行す
る前に薬物が漏出して安定してリポソーム化することは
困難である。また、エマルジョンでも同様の傾向が認め
られる。
【0175】2.脂溶性を高めたプロドラッグとして
は、水酸基やカルボキシル基にアルキル鎖を導入したエ
ステル型の薬物が多いが、これらは生体内に多く存在す
るエステラーゼで容易に切断され、生体内滞留性を向上
させることは難しい。エイズ治療を目的とするリンパタ
ーゲッティングでは、リンパ節内で高濃度の薬物を持続
的に維持させることが重要と考えられる。これに対して
本発明の脂質集合体は、ホスホリパーゼ系の酵素によっ
て活性化を図るものであるため、活性化型の生成が適度
な速度で生じ、薬物の持続性を担保できる。
は、水酸基やカルボキシル基にアルキル鎖を導入したエ
ステル型の薬物が多いが、これらは生体内に多く存在す
るエステラーゼで容易に切断され、生体内滞留性を向上
させることは難しい。エイズ治療を目的とするリンパタ
ーゲッティングでは、リンパ節内で高濃度の薬物を持続
的に維持させることが重要と考えられる。これに対して
本発明の脂質集合体は、ホスホリパーゼ系の酵素によっ
て活性化を図るものであるため、活性化型の生成が適度
な速度で生じ、薬物の持続性を担保できる。
【0176】3.本発明の脂質集合体を筋肉内投与した
場合には、脂質類似型化合物(I)の滞留性は顕著であ
り、またリポソームまたはエマルジョンがリンパ節で壊
れた際に流出した薬物は、細胞膜から非常に出にくいと
予想される。そのため、上記2で示したように、活性型
の解離速度が遅くても、長時間にわたって十分の薬効を
示す量の活性型化合物がリンパ節内で維持されるものと
考えられる。
場合には、脂質類似型化合物(I)の滞留性は顕著であ
り、またリポソームまたはエマルジョンがリンパ節で壊
れた際に流出した薬物は、細胞膜から非常に出にくいと
予想される。そのため、上記2で示したように、活性型
の解離速度が遅くても、長時間にわたって十分の薬効を
示す量の活性型化合物がリンパ節内で維持されるものと
考えられる。
【0177】4.HIVに感染した患者は、初期にリン
パ節が腫れる等の症状を示し、HIVがリンパ節に集ま
ることが知られている。本発明の脂質集合体によれば、
腫れているリンパ節の近傍や狙ったリンパ系の下流に、
選択的に筋肉内投与若しくは皮下投与等の方法で投与す
ることにより、リンパ節に巣くうHIVを集中的に攻撃
することができる。また、かかる方法によれば、薬物が
リンパ液で余り希釈されないでリンパ節に到達するた
め、その効果も大きいと考えられる。
パ節が腫れる等の症状を示し、HIVがリンパ節に集ま
ることが知られている。本発明の脂質集合体によれば、
腫れているリンパ節の近傍や狙ったリンパ系の下流に、
選択的に筋肉内投与若しくは皮下投与等の方法で投与す
ることにより、リンパ節に巣くうHIVを集中的に攻撃
することができる。また、かかる方法によれば、薬物が
リンパ液で余り希釈されないでリンパ節に到達するた
め、その効果も大きいと考えられる。
【図1】ゲル濾過クロマトグラフィーによって、リポソ
ームにlipoidAZTまたはAZTが保持封入されるか否
かを調べた結果を示す図である(実施例1)。図1A
は、lipoidAZTDPPC含有リポソームのゲルカラム(Se
phadex G-50)上の流出曲線を示し、図1Bは、AZTを
リポソームに封入処理してゲルカラムにかけた流出曲線
を示す。
ームにlipoidAZTまたはAZTが保持封入されるか否
かを調べた結果を示す図である(実施例1)。図1A
は、lipoidAZTDPPC含有リポソームのゲルカラム(Se
phadex G-50)上の流出曲線を示し、図1Bは、AZTを
リポソームに封入処理してゲルカラムにかけた流出曲線
を示す。
【図2】動的光散乱法によってlipoidAZTDPPC含有リ
ポソームの粒径分布を測定した結果を示す(実施例1
(4))。
ポソームの粒径分布を測定した結果を示す(実施例1
(4))。
【図3】lipoidAZTDPPCの各消化管(十二指腸、回
腸、空腸)のホモジネート溶液中及び血漿中での安定性
を示す図である(実験例2)。
腸、空腸)のホモジネート溶液中及び血漿中での安定性
を示す図である(実験例2)。
【図4】lipoidAZTDPPCをホスフォリパーゼDで分解
して活性本体AZTが生成することを確認した図である
(実験例3)。
して活性本体AZTが生成することを確認した図である
(実験例3)。
【図5】AZTをラットに経口投与及び筋注投与して、
腸骨リンパ節内への移行性を調べた結果を示す図である
(参考実験例2)。
腸骨リンパ節内への移行性を調べた結果を示す図である
(参考実験例2)。
【図6】lipoidAZTDPPC、lipoidAZTDPPC含有DPPC
リポソーム、lipoidAZTDPPC含有DMPCリポソーム及び
AZTをそれぞれラットに筋注して、腸骨リンパ節内へ
の移行性を調べた結果を示す図である(実験例4)。
リポソーム、lipoidAZTDPPC含有DMPCリポソーム及び
AZTをそれぞれラットに筋注して、腸骨リンパ節内へ
の移行性を調べた結果を示す図である(実験例4)。
【図7】lipoidAZTDPPC含有DMPCリポソーム筋注時の
腸骨リンパ節−血漿中のlipoidAZTDPPC濃度、及びリ
ンパ節中での活性本体AZTの生成をみた図である。図
7Aは腸骨リンパ節内でのlipoidAZT及びAZTの濃
度の経時的変化を示し、図7Bは血漿中のlipoidAZT
及びAZTの濃度の経時的変化を示す(実験例5)。
腸骨リンパ節−血漿中のlipoidAZTDPPC濃度、及びリ
ンパ節中での活性本体AZTの生成をみた図である。図
7Aは腸骨リンパ節内でのlipoidAZT及びAZTの濃
度の経時的変化を示し、図7Bは血漿中のlipoidAZT
及びAZTの濃度の経時的変化を示す(実験例5)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 曲渕 俊幸 大阪市淀川区西中島4丁目1番1号 日清 食品株式会社内
Claims (7)
- 【請求項1】一般式(I): 【化1】 〔式中、R1は飽和若しくは不飽和の長鎖脂肪酸残基ま
たは飽和若しくは不飽和の炭化水素残基を表し、R2は
水素原子,飽和若しくは不飽和の長鎖脂肪酸残基または
飽和若しくは不飽和の炭化水素残基を表し;Xは式(I
I): 【化2】 (式中、R3は水素原子またはアジド基を表し、R4は水
素原子又は低級アルキル基を表し;Yは式(III),(IV),
(V)又は(VI): 【化3】 [R5はハロゲン,水素原子又は分岐していてもよい低級
アルキル基を表し;R6はハロゲン,水素原子,分岐し
ているか若しくは置換基を有していてもよい低級アルキ
ル基を表し;R7はアミノ基、ヒドロキシ基又はハロゲ
ンを表し;R8はハロゲン,水素原子又はハロゲンで置
換されていてもよいアルケニル基を表し;R9及びR10
は、それぞれ水素原子,アミノ基,ヒドロキシ基又はハ
ロゲンを表しR11はアミノ基,ヒドロキシ基又はハロゲ
ンを表す。]のいずれかで示される塩基を表す。)で表
される基である。〕で示され、少なくともホスフォリパ
ーゼD若しくはホスフォリパーゼC下で抗HIV活性を
発現することを特徴とする脂質類似型化合物またはその
薬学的に許容される塩を、脂溶性微粒子キャリアーに含
有する脂質集合体。 - 【請求項2】上記の脂質類似型化合物(I)において、
R1が炭素数12〜18の飽和若しくは不飽和の長鎖脂
肪酸残基であり、R2が水素原子または炭素数12〜1
8の飽和若しくは不飽和の長鎖脂肪酸残基であることを
特徴とする、請求項1記載の脂質集合体。 - 【請求項3】前記の脂質類似型化合物(I)において、X
が式(II) 【化4】 (式中、R3は水素原子又はアジド基を表し、R4は水素
原子を表し、Yは式(III),(IV),(V)又は(VI): 【化5】 [式中、R5は分岐していても良い炭素数1〜5の低級ア
ルキル基を表し、R6は水素原子を表し、R7はアミノ基
を表し、R8,R9及びR10はそれぞれ水素原子を表し、
R11はハロゲンを表す。]のいずれかで示される塩基を
表す。)で表される基であることを特徴とする、請求項
1または2記載の脂質集合体。 - 【請求項4】前記の脂質類似型化合物(I)において、
R1が炭素数14〜16の飽和若しくは不飽和の長鎖脂
肪酸残基であり、R2が炭素数14〜16の飽和若しく
は不飽和の長鎖脂肪酸残基または水素原子であり、X
が、式(II): 【化6】 (式中、R3はアジド基を表し、R4は水素原子を表し、
Yは式(VII): 【化7】 で示される基を表す。)で表される基である、請求項1
乃至3のいずれかに記載の脂質集合体。 - 【請求項5】リポソームまたはエマルジョンの形態を有
することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載
の脂質集合体。 - 【請求項6】リンパ節移行型製剤である、請求項1乃至
5のいずれかに記載の脂質集合体。 - 【請求項7】抗HIV剤である請求項1乃至6のいずれ
かに記載の脂質集合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1566198A JPH11217328A (ja) | 1998-01-28 | 1998-01-28 | 抗hiv活性を発現する脂質集合体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1566198A JPH11217328A (ja) | 1998-01-28 | 1998-01-28 | 抗hiv活性を発現する脂質集合体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11217328A true JPH11217328A (ja) | 1999-08-10 |
Family
ID=11894937
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1566198A Pending JPH11217328A (ja) | 1998-01-28 | 1998-01-28 | 抗hiv活性を発現する脂質集合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11217328A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003070220A1 (de) * | 2002-02-19 | 2003-08-28 | Novosom Ag | Ph sensitiv kationische lipide, lipsomen und nanokapseln, die diese umfassen |
JP2017075937A (ja) * | 2010-05-31 | 2017-04-20 | エーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社 | リンパ節イメージング用蛍光プローブ |
-
1998
- 1998-01-28 JP JP1566198A patent/JPH11217328A/ja active Pending
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