JPH11216678A - ゾーン加工用テープ及びその製造方法とゾーン加工方法 - Google Patents

ゾーン加工用テープ及びその製造方法とゾーン加工方法

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JPH11216678A
JPH11216678A JP3352298A JP3352298A JPH11216678A JP H11216678 A JPH11216678 A JP H11216678A JP 3352298 A JP3352298 A JP 3352298A JP 3352298 A JP3352298 A JP 3352298A JP H11216678 A JPH11216678 A JP H11216678A
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JP
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tape
flocking
hard disk
substrate
pile
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Application number
JP3352298A
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English (en)
Inventor
Yuji Horie
祐二 堀江
Hiromitsu Okuyama
弘光 奥山
Ray Joseph
ジョセフ・レイ
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Nihon Micro Coating Co Ltd
Original Assignee
Nihon Micro Coating Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゾーン加工のためのテープ交換を不要とし、
単一のテープで磁気ハードディスク基板表面に異なった
粗さの区域を形成することのできる磁気ハードディスク
基板表面のゾーン加工用のテープ及びその製造方法及び
ゾーン加工方法を提供すること。 【解決手段】 プラスチックフィルムの基材シート(1
1)と、この基材シートの表面にパイルを植毛して形成
した複数個の帯状の植毛区域(12、13)とから成る
ゾーン加工用のテープ(10)。植毛区域(12、1
3)は、それぞれ、テープ走行方向(T1、T2)に沿
っており、しかも、これら植毛区域のうちの少なくとも
2個の帯状の植毛区域は相互に異なったパイル植毛密度
を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テクスチャ加工技
術を利用して磁気ハードデイスク基板(以下、HD基板
という)の表面に異なった粗さの区域を形成するゾーン
加工に用いるテープ及びその製造方法とゾーン加工方法
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明の解決しようとする課題】HD基
板表面のゾーン加工は、HD基板表面に異なった粗さの
区域を形成するためのテクスチャ加工技術である。
【0003】HD基板表面のゾーン加工は、一般に、遊
離砥粒を使用するテクスチャ加工によって行われる。
【0004】遊離砥粒を使用するHD基板表面のテクス
チャ加工は、テープをアルミニウム合金等から成るHD
基板の表面に押し付け、このテープを走行させつつHD
基板を回転させると共に遊離砥粒としてのスラリー液を
HD基板の表面に供給し、HD基板の表面に押し付けら
れるテープの押圧力やHD基板の回転数等を調節して行
われる。ここで、遊離砥粒としてのスラリー液は、酸化
アルミニウム、炭化硅素、ダイヤモンド等の砥粒と、界
面活性剤を含む水溶性の液とを混合撹拌したものであ
る。
【0005】このようなテクスチャ加工に用いるテープ
としては、プラスチックフィルムの基材シートの表面全
体にバインダー接着剤を塗布した後、プラスチック繊維
のパイルを基材シートの表面全体にわたって均一に植毛
し、バインダー接着剤を乾燥し、テープ状に所望の幅に
スリットして製造されるテープが知られている(例え
ば、特開平9-259429号を参照)。
【0006】従来、このようなテープがHD基板表面の
ゾーン加工に使用されてきた。
【0007】ゾーン加工に使用されるこのようなテープ
は、基材シートの表面全体にわたってパイルが均一に植
毛される。
【0008】このため、HD基板表面のゾーン加工のた
めに、それぞれ異なったパイル植毛本数(単位面積当た
りに植毛されるパイルの本数)を有し、それぞれ異なっ
た幅にスリットしたテープを複数種類、製造していた。
ここで、HD基板表面に異なった粗さの表面を形成する
ために、それぞれのテープのパイル植毛本数は、植毛さ
れるパイルの太さを変えることによって調節され、この
ため、それぞれ異なった幅にスリットしたテープは、そ
れぞれ異なった太さのパイルが基材シートの表面全体に
均一に植毛される。
【0009】このように、従来は、複数種類のテープを
製造、準備してからHD基板表面のゾーン加工を行って
いた。
【0010】このため、従来のHD基板表面のゾーン加
工では、最初に、太幅(例えば、35mm)のテープで
HD基板表面全体のテクスチャ加工を行い、次に、HD
基板表面の所望の区域に所望の表面粗さを与えるため
に、所望のパイル植毛本数を有する細幅(例えば、6.
3mm)のテープに交換してHD基板表面の所望の区域
のみのテクスチャ加工を再度にわたって行っていた。
【0011】このような従来のHD基板表面のゾーン加
工では、テープ交換と複数回行われるテクスチャ加工と
に手間と時間がかかり、スループットを向上する上で重
大な問題となっていた。
【0012】したがって、本発明の課題は、ゾーン加工
のためのテープ交換を不要とし、単一のテープでHD基
板表面に異なった粗さの区域を形成することのできるH
D基板表面のゾーン加工用のテープ及びその製造方法及
びゾーン加工方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する本
発明は、テープをHD基板の表面に押し付け、このテー
プを走行させつつHD基板を回転させると共に遊離砥粒
としてのスラリー液をHD基板の表面に供給してHD基
板の表面に異なった粗さの区域を形成するためのゾーン
加工に用いるゾーン加工用のテープ及びその製造方法
と、このゾーン加工用のテープを使用したゾーン加工方
法である。
【0014】上記の本発明のゾーン加工用のテープは、
プラスチックフィルムの基材シートと、この基材シート
の表面にパイルを植毛して形成した複数個の帯状の植毛
区域とから成る。ここで、これら複数個の帯状の植毛区
域は、それぞれ、当該テープを走行させる方向に沿って
おり、しかも、これら複数個の帯状の植毛区域のうちの
少なくとも2個の帯状の植毛区域は相互に異なったパイ
ル植毛密度を有する。
【0015】上記の本発明のゾーン加工用のテープの製
造方法は、テープを走行させる方向に沿った複数個の帯
状の植毛区域を有し、これら複数個の帯状の植毛区域の
うちの少なくとも2個が相互に異なったパイル植毛密度
を有するように、バインダー接着剤をプラスチックフィ
ルムの基材シートの表面に塗布する工程と、パイルを基
材シートの表面に植毛する工程とを含む。
【0016】上記の本発明のゾーン加工方法は、上記の
本発明のゾーン加工用のテープをHD基板の表面に押し
付け、このテープを走行させつつHD基板を回転させる
と共に遊離砥粒としてのスラリー液をHD基板の表面に
供給する工程から成る。
【0017】ここで、植毛区域は、パイルを植毛して基
材シートの表面に形成された区域のことである。また、
パイル植毛密度は、植毛区域において、この植毛区域の
全体に均一にパイルを植毛したときのパイルの本数を基
準として、この基準のパイルの本数に対する植毛区域に
植毛されたパイルの本数の割合(%)で表される。
【0018】
【作用】本発明のゾーン加工用のテープは、複数個の帯
状の植毛区域を有し、これら複数個の帯状の植毛区域の
うちの少なくとも2個が相互に異なったパイル植毛密度
を有する。
【0019】つまり、単一のテープの表面に、テープを
走行させる方向に沿ってパイル植毛密度の異なる植毛区
域が少なくとも2個、形成される。
【0020】本発明に従ったHD基板表面のゾーン加工
は、このテープをHD基板表面に押し付け、テープを走
行させつつHD基板を回転させると共にHD基板表面に
遊離砥粒としてのスラリー液を供給して行われるので、
ゾーン加工後のHD基板表面には、パイル植毛密度の異
なった少なくとも2個の帯状の植毛区域に対応する少な
くとも2個の異なった粗さの区域が形成される。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に従ったゾーン加
工用のテープの一例を示し、テープの表面にはテープを
走行させる方向(以下、テープ走行方向という)に沿っ
た2個の植毛区域が形成されている。
【0022】図1に示す本発明のゾーン加工用のテープ
10は、プラスチックフィルムの基材シート11と、こ
の基材シート11の表面にパイルを植毛して形成した帯
状の第1の植毛区域12及び第2の植毛区域13(図1
の斜線で示す区域)とから成る。
【0023】これら帯状の第1及び第2の植毛区域1
2、13は、テープ走行方向(矢印T1又はT2の方
向)に沿っており、それぞれ異なったパイル植毛密度を
有する。
【0024】それぞれのパイル植毛密度は、10%以
上、好適には20%以上の範囲にある。
【0025】これら植毛区域12、13のパイル植毛密
度は、それぞれの植毛区域12、13に植毛されるパイ
ルのパターンを変更することによって調節し得る。
【0026】植毛されるパイルのパターンには、点、直
線、曲線等やこれらを組み合わせた幾何学的な模様、及
び、点、直線、曲線等や幾何学的な模様の間隔を調節し
たグラデーション模様、及び、植毛区域の全体にわたっ
て均一に植毛したものが含まれる。
【0027】例えば、第1の植毛区域12の全体にわた
ってパイルを均一に植毛(上記の「植毛区域の全体にわ
たって均一に植毛したもの」に該当する)して第1の植
毛区域12のパイル植毛密度を100%とし、第2の植
毛区域13にパイルを斜線状に間隔をあけて植毛して第
2の植毛区域13のパイル植毛密度を上記のパイル植毛
密度の範囲内(但し、第1の植毛区域12とは異なった
植毛密度)とすることができる。
【0028】テープ10には、図1に示すように、テー
プ走行方向T1(又はT2)に沿った2個の植毛区域1
2、13が形成されるが、上記のパターンでパイルを植
毛した3個以上の植毛区域を形成して、これら植毛区域
のうち少なくとも2個の植毛区域が、異なったパイル植
毛密度を有するようにしてもよい。
【0029】また、上記のパターンでパイルを植毛し
て、テープ走行方向T1(又はT2)に沿って多数の植
毛区域を形成し、テープ10の表面全体にわたってグラ
デーションをつけてもよい。
【0030】基材シート11には、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート又はポリイミド等
のプラスチックフィルムが使用される。これは、プラス
チックフィルムには、力学的強度があり、ヤング率が高
く、厚み斑が少ないからである。基材シート11の厚さ
は、10μm〜100μmの範囲にある。
【0031】パイルには、6−ナイロン、66−ナイロ
ン、ビニロン、ポリエステル、アクリル又はレーヨン系
のポリノジック等のプラスチック繊維が使用され、その
太さは、0.1デニール〜3.0デニールの範囲に、その
長さは、0.2mm〜1.0mmの範囲にある。
【0032】図1に示すテープ10の製造方法は、ま
ず、テープ走行方向T1(又はT2)に沿った帯状の第
1及び第2の植毛区域12、13を有し、これら2個の
帯状の植毛区域12、13が相互に異なったパイル植毛
密度を有するように、バインダー接着剤をプラスチック
フィルムの基材シート11の表面に塗布し、次に、パイ
ルを基材シート11の表面に植毛する。
【0033】バインダー接着剤は、それぞれの植毛区域
12、13に植毛されるパイルのパターンに対応して、
上記した幾何学的な模様やグラデーション模様を描くよ
うに、又、植毛区域の全体にわたって均一に塗布され
る。
【0034】例えば、第1の植毛区域12の全体にわた
ってバインダー接着剤を塗布し、第2の植毛区域13に
バインダー接着剤を斜線状に間隔をあけて塗布すると、
第1の植毛区域12にはパイルが上記の「植毛区域の全
体にわたって均一に植毛したもの」に該当するパターン
で植毛され、第2の植毛区域13にはパイルが斜線状に
間隔をあけて植毛される。
【0035】ここで、それぞれの植毛区域12、13の
パイル植毛密度は、それぞれの植毛区域12、13に塗
布されたバインダー接着剤の描くパターンによって調節
され得る。
【0036】図1に示すように、テープ10はテープ走
行方向T1(又はT2)に沿った2個の植毛区域12、
13が形成されるが、上記のパターンを描くようにバイ
ンダー接着剤を基材シート11の表面に塗布して、3個
以上の植毛区域を形成し、これら植毛区域のうち少なく
とも2個の植毛区域が、異なったパイル植毛密度を有す
るようにしてもよいし、テープ走行方向T1(又はT
2)に沿って多数の植毛区域を形成し、テープ10の表
面全体にわたってグラデーションをつけてもよい。
【0037】このようにテープ走行方向T1(又はT
2)に沿った複数個の帯状の植毛区域を有し、これら複
数個の帯状の植毛区域のうちの少なくとも2個が相互に
異なったパイル植毛密度を有するように、バインダー接
着剤を基材シートの表面に塗布することは、グラビア塗
工、押出塗工又はブレード塗工等の塗工法、又はこれら
塗工法の組み合わせによって行うことができる。
【0038】周知のように、グラビア塗工は、表面に水
玉状、格子状、斜線状等の模様を設けたグラビアローラ
にバインダー接着剤を塗布し、回転するグラビアローラ
に基材シートを押し付けて走行させ、グラビアローラ表
面の模様を転写するようにバインダー接着剤を基材シー
ト表面に塗布する塗工法である。ここで、基材シートの
表面に塗布されるバインダー接着剤の模様を斜線又は格
子とする場合、斜線又は格子の線数(1インチ幅の線の
数)は、5〜50本/インチ、好適には、10〜30本
/インチである。
【0039】また、押出塗工は、表面に多数の孔を設け
た回転シリンダに基材シートを押し付けつつ基材シート
を回転シリンダとともに走行させ、この孔を通じて染み
出すバインダー接着剤を基材シート表面に塗布する塗工
法であり、ブレード塗工は、表面にバインダー接着剤を
塗布した走行する基材シート表面からブレードを所望の
距離だけ間隔をあけて配置し、バインダー接着剤を所望
の厚さに一様に塗布する塗工法である。
【0040】例えば、グラビア塗工にて基材シート11
の全面に斜線状に間隔をあけてバインダー接着剤を塗布
した後に、ブレード塗工にて第1の植毛区域12にバイ
ンダー接着剤を塗布することによって、第1の植毛区域
12の全体にわたってパイルを植毛し、第2の植毛区域
13にパイルを斜線状に間隔をあけて植毛することがで
きる。
【0041】バインダー接着剤には、アクリル系の樹脂
等が使用される。
【0042】パイルは、好適に、フロック加工技術によ
って、基材シート11の表面に植毛される。
【0043】フロック加工技術は、対向する電極板の一
方を接地し、この接地電極板側にパイルを配置し、高電
圧を印加した他方の電極板側を走行するアクリル系樹脂
等のバインダー接着剤を塗布したプラスチックフィルム
の基材シートの表面へパイルを飛来させ、これら電極板
の間の電界の電気力線に沿ってパイルを植毛する、とい
う植毛技術であり、基材シート表面に垂直且つ均一にパ
イルを密集して植毛できる、という利点がある。
【0044】図1に示すテープ10は、パイルの植毛の
後、バインダー接着剤を乾燥し、次いで、ブラッシング
や圧縮空気の吹き付けにより余剰パイル(つまり、バイ
ンダー接着剤が塗布されていない基材シート11の表面
の部分に静電気力により付着した余分なパイル)を回収
する。
【0045】最後に、パイルを植毛した基材シート11
を、第1の植毛区域12と第2の植毛区域13とがテー
プ走行方向T1(又はT2)に沿ってテープ10の表面
上で左右に二分されるように、所望の幅でスリットして
図1に示すゾーン加工用のテープ10が製造される。
【0046】以下、本発明のHD基板表面のゾーン加工
方法について、図1に示すテープ10と図2に示すテク
スチャ加工用装置20とを使用して説明する。
【0047】図2のテクスチャ加工用装置20は、ベア
リング軸に関して回転可能なゴムローラ21と、噴出口
をテープ10とHD基板Dの表面との接面付近に向けた
ノズル22とから成る。テープ10のHD基板Dの表面
に対する圧力が、ベアリング軸に適用される圧力(図2
に矢印24、25で示す)によって調節される。
【0048】本発明に従ったHD基板表面のゾーン加工
は、まず、図1に示すテープ10を図2に示すテクスチ
ャ加工用装置20に配置し、HD基板Dの表面に押し付
ける。ここで、HD基板Dの中心側の部分に粗い表面を
形成するときは、テープ10は、ゾーン加工中にそのパ
イル植毛密度の高い植毛区域がHD基板Dの中心側の部
分にあるようにゴムローラ21を介して配置される。テ
ープ10は、HD基板Dの表面に対するゴムローラ21
の圧力(図2に矢印24、25で示す)を調節してHD
基板Dの表面に押し付けられる。
【0049】次に、テープ10をテープ走行方向(図2
の矢印Tで示す方向)に走行させつつHD基板Dを回転
(図2の矢印Rで示す方向)させると共に、遊離砥粒と
してのスラリー液23をHD基板Dの表面にノズル22
から滴下、供給することによって行われる。
【0050】
【実施例】本発明に従って、テープ走行方向に沿った2
個の植毛区域を有するゾーン加工用のテープ(以下、実
施例のテープという)を製造し、HD基板表面のゾーン
加工を行った。
【0051】実施例のテープは、まず、厚さ50μmの
ポリエチレンテレフタレートフィルムの基材シート表面
全体にアクリル系の樹脂のバインダー接着剤をグラビア
塗工にて斜線状に塗布した。ここで、グラビア塗工に
は、表面に線数20本/インチの斜線を設けたグラビア
ローラを使用した。
【0052】次に、ブレード塗工にて、テープ走行方向
に対して左右を二分する2個の帯状の区域、一方の区域
(以下、第1の植毛区域という)には全面に、他方の区
域(以下、第2の植毛区域という)にはテープ走行方向
に対して略45度の傾斜角度となるような斜線状のパタ
ーンが描かれるようにバインダー接着剤を塗布した。
【0053】次に、太さ1.0デニール、長さ0.4mm
の6-ナイロンのパイルをフロック加工技術を利用し
て、基材シート表面に植毛し、全面にわたってパイルを
均一に植毛した第1の植毛区域と、斜線状に間隔をあけ
てパイルを植毛した第2の植毛区域とを形成した。
【0054】その後、バインダー接着剤を乾燥し、ブラ
ッシングや圧縮空気の吹き付けにより余剰パイルを回収
した。
【0055】最後に、第1の植毛区域と、第2の植毛区
域との幅がテープ走行方向に対して左右に略均等となる
ように、パイルを植毛した基材シートを45mm幅にス
リットして実施例のテープを製造した。ここで、第2の
植毛区域のパイル植毛密度は、20%であった。
【0056】この実施例のテープを使用して、本発明の
ゾーン加工方法に従って、HD基板表面のゾーン加工を
行った。
【0057】ゾーン加工に使用したHD基板は、アルミ
ニウム板にNi-Pメッキをしてポリッシュ仕上げをし
たものである。
【0058】ゾーン加工は、図2に示すテクスチャ加工
用装置を使用して行われ、以下の条件で行われた。
【0059】実施例のテープは、第1の植毛区域がHD
基板の径方向の中心側になるように、テクスチャ加工用
装置に配置され、硬度40度のゴムローラを介して押付
圧力1.35kgでHD基板表面に押し付けられ、振幅
3mmで450回/分の横方向(つまり、磁気ハードデ
イスク基板の径方向)の振動を与えつつ5cm/分の走
行速度で、HD基板の回転方向とは逆の方向に走行され
た。ここで、実施例のテープをHD基板の径方向に揺動
するのは、HD基板表面からの磁気ヘッドの浮揚距離を
確保するために、HD基板の表面粗度の極端な変化を避
けるためである。
【0060】HD基板の回転速度は、103rpmであ
った。
【0061】ゾーン加工は、30秒間行われた。
【0062】ゾーン加工に用いた遊離砥粒としてのスラ
リー液は、平均粒径1.6μmのダイアモンド粉末と、
界面活性剤を含む水溶性の液とを混合撹拌した遊離砥粒
懸濁液であった。HD基板へのスラリー液の滴下量は、
毎分4ミリリットルであった。
【0063】HD基板表面のゾーン加工後のHD基板表
面の粗さ(Ra)の測定は、テンコール社製P−1(触針
0.2μmR)を使用して行った。
【0064】測定位置は、HD基板の中心から22.5
mm(内側)及び42.5mm(外側)の2箇所で行わ
れ、測定条件は、測定位置を中心として±500μmの
測定長で、測定速度は20μm/秒、カットオフは25
μ、触針荷重は5mgであった。測定結果は、下記の表
1に示す。
【0065】[比較実験] 基材シート表面全体にパイ
ルを均一に植毛したテープ(以下、比較テープという)
を製造し、HD基板表面のテクスチャ加工を行って、テ
クスチャ加工後のHD基板表面の粗さについて、上記実
施例のテープと比較した。
【0066】比較テープは、上記の実施例のテープと同
一の材料にて、基材シート表面全体にバインダー接着剤
を塗布し、基材シート表面にパイルを均一に植毛して製
造された。
【0067】比較テープによるテクスチャ加工は、上記
の実施例のテープによるゾーン加工と同一の装置及び条
件にて行われた。HD基板表面の粗さの測定結果は、下
記の表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】表1からわかるように、HD基板表面の外
側の区域の表面粗さは、比較テープによるよりも、実施
例のテープによる方が低い、という結果が得られた。
【0070】
【発明の効果】本発明のゾーン加工用テープ及びその製
造方法及びゾーン加工方法に従うと、テープ交換を要せ
ず、1回のテクスチャ加工によってゾーン加工ができ、
これにより、ゾーン加工に要する手間と時間とが省け、
スループットを向上することができる、という効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に従ったゾーン加工用のテープ
の部分斜視図である。
【図2】図2は、テクスチャ加工用装置の概略図であ
る。
【符号の説明】
10・・・テープ 11・・・基材シート 12・・・第1の植毛区域 13・・・第2の植毛区域 20・・・テクスチャ加工用装置 21・・・ゴムローラ 22・・・ノズル 23・・・スラリー液 24、25・・・押圧力 D・・・磁気ハードデイスク基板 R・・・磁気ハードディスク基板の回転方向 T、T1、T2・・・テープ走行方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 598021085 146Del Prado Dr.,Cam pbell,California ,t he United States of America (72)発明者 奥山 弘光 東京都昭島市武蔵野3丁目4番1号 日本 ミクロコーティング株式会社内 (72)発明者 ジョセフ・レイ アメリカ合衆国カリフォルニア州キャンベ ル、 デル・プラド・ディー・アール 146

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 当該テープを磁気ハードデイスク基板の
    表面に押し付け、当該テープを走行させつつ前記磁気ハ
    ードディスク基板を回転させると共に遊離砥粒としての
    スラリー液を前記磁気ハードディスク基板の表面に供給
    して前記磁気ハードディスク基板の表面に異なった粗さ
    の区域を形成するためのゾーン加工に使用するゾーン加
    工用のテープであって、プラスチックフィルムの基材シ
    ート、及び前記基材シートの表面にパイルを植毛して形
    成した、当該テープを走行させる方向に沿った複数個の
    帯状の植毛区域であって、前記複数個の前記帯状の植毛
    区域のうちの少なくとも2個が相互に異なったパイル植
    毛密度を有する、複数個の帯状の植毛区域、から成るゾ
    ーン加工用のテープ。
  2. 【請求項2】 テープを磁気ハードデイスク基板の表面
    に押し付け、前記テープを走行させつつ前記磁気ハード
    ディスク基板を回転させると共に遊離砥粒としてのスラ
    リー液を前記磁気ハードディスク基板の表面に供給して
    前記磁気ハードディスク基板の表面に異なった粗さの区
    域を形成するためのゾーン加工に使用する前記テープの
    製造方法であって、前記テープを走行させる方向に沿っ
    た複数個の帯状の植毛区域を有し、前記複数個の前記帯
    状の植毛区域のうちの少なくとも2個が相互に異なった
    パイル植毛密度を有するように、バインダー接着剤をプ
    ラスチックフィルムの基材シートの表面に塗布する工
    程、及びパイルを前記基材シートの前記表面に植毛する
    工程、を含むゾーン加工用のテープの製造方法。
  3. 【請求項3】 テープを磁気ハードデイスク基板の表面
    に押し付け、前記テープを走行させつつ前記磁気ハード
    ディスク基板を回転させると共に遊離砥粒としてのスラ
    リー液を前記磁気ハードディスク基板の前記表面に供給
    する工程から成る磁気ハードディスク基板表面のゾーン
    加工方法であって、前記テープが、プラスチックフィル
    ムの基材シート、及び前記基材シートの表面にパイルを
    植毛して形成した、当該テープを走行させる方向に沿っ
    た複数個の帯状の植毛区域であって、前記複数個の前記
    帯状の植毛区域のうちの少なくとも2個が相互に異なっ
    たパイル植毛密度を有する、複数個の帯状の植毛区域、
    から成る、磁気ハードディスク基板表面のゾーン加工方
    法。
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