JPH11215976A - タバコ葉の連折り畳み装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 葉編みされた連の自動折り畳みを可能とし、
葉編み作業とその事後処理の省力化が図る。 【解決手段】 基台１にベルトコンベア装置１０をその
搬送面が正逆両方向に反転自在に移動できるよう取り付
け、該ベルトコンベア上に葉編み機Ｂから送られてくる
タバコ葉Ｔを編み込んだ連を、ベルトコンベアの往復移
動を利用して自動的に折り畳む。好ましくは、ベルトコ
ンベア装置１０は、上下移動も可能とされる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、葉編み装置等なん
らかの手段で連縄等の紐部材に編み込まれたタバコ葉の
連を所定の幅に自動的に折り畳むための連折り畳み装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】在来種及びバーレー種等のタバコ葉は、
収穫後に乾燥施設内において乾燥される。そのために、
紐状のものを寄り合わせた縄（連縄）の各撚り目にタバ
コの葉元部を挟み込み、タバコ葉の葉編みが行われる
（例えば、実公昭５６−１４６９５号公報に記載の装置
参照）。撚り目にタバコの葉元部を挟み込む作業は容易
でないことから、さらに改良された連の製造装置とし
て、タバコ葉を連縄に直接葉編みすることのできるミシ
ン機構部を持つタバコ葉の葉編み装置も提案されている
（特開平８−１７３１２６号公報参照）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のような連製造装
置を用いることにより、長尺状にタバコ葉を編み込んだ
連縄あるいはタバコ葉を編み込んだ連を複数本連続させ
たもの（本明細書では、それらも含めて「連」として表
現する）を、比較的容易に得ることができる。従来、葉
編みされた連は、装置の下流側において、装置から自然
落下の状態でそのまま床面上に山積み状態とされるか、
落下位置に配置した収容箱内に山積み状態で収納され
る。移動可能な台車を用いて、その上に連を落下させる
場合もある。

【０００４】ある程度の量の連が山積みされた時点で、
装置の作動を停止し、必要に応じて連の集積物を別の場
所に移動して、乾燥室での乾燥に適した所定の長さに連
縄を調整し、あるいは、連が複数本連続したものの場合
には、個々の連に分離する作業を行う。しかし、自然落
下状態で山積みされた集積物はタバコ葉が不規則な方向
に向いていて、そのままでは分離作業等を容易に行えな
いことから、一連分の葉編みが終了した時点で連を処理
するか、編み込み作業の進行中に、別の作業者が不規則
かつ乱雑に山積みされた連を手作業でもって規則的に折
り畳み、事後の処理が容易になるようしている場合が多
い。本発明の目的は、葉編み装置等を用いて製造される
連を乾燥処理等のために事後処理する場合に生じている
上記のような人手による折り畳み作業を解消して、処理
の省力化を達成することのできるタバコ葉の連折り畳み
装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明によるタバコ葉の連折り畳み装置は、基本的
に、基台と、該基台に装着されたタバコ葉の連載置面と
を有しており、該連載置面は正逆両方向に反転自在に移
動できるように該基台に装着されていることを特徴と
し、該連載置面を正逆方向に反転移動させることによ
り、連載置面上に送られてくる連は所定の幅で連続的に
かつ自動的に折り畳まれる。

【０００６】そのようにして規則的に折り畳まれた連
（連の集積物）は上方から順次引き出すことが容易であ
り、所要の編み込み作業終了後に、作業者は、連と連と
の連結部の分離、あるいは、所定の長さ位置での連縄の
切断等の処理を容易に行うことができる。そのために、
これまでのように、一連分の葉編みが終了した時点で連
を処理したり、あるいは、編み込み作業中に、別の作業
者が山積みされた連を手作業により規則的に折り畳む作
業は不要となり、省力化が図られる。

【０００７】好ましくは、前記連載置面は、基台に対し
て上下方向にも変移可能な状態で装着される。編み込み
作業の開始時には、連載置面を上昇した位置としておく
ことにより、編み込み装置等から落下してくる連と該連
載置面との距離を小さくすることができ、連は乱れるこ
となく安定して連載置面に載置される。連の折り畳み数
が増すにつれて連載置面を次第に下降していくことによ
り、編み込み装置等と連載置面との距離を常時一定に保
つことができ、終始安定した連の載置が可能となる。

【０００８】連載置面は、正逆方向への往復移動が可能
であり、かつ連が安定して載置される面であれば任意で
ある。一枚の板状のものでもよく、無端帯状のベルトコ
ンベアのコンベア面の一部であってもよい。前者の場合
には、例えば該板体の裏面に滑車等を設け、それを基台
に配置したレール上で適宜の駆動手段により正逆両方向
に移動させるようにしてもよい。後者の場合には、電動
モータ等により駆動ローラを正逆両方向に所定距離分だ
け回転させればよい。

【０００９】連載置面の長さとして、連の所望の折り畳
み幅分の長さは少なくとも必要となるが、好ましくは、
より長いものを用いることにより作業性は向上する。ま
た、連載置面は連の所望の折り畳み幅の少なくとも２倍
以上の移動域を有していることが望ましく、特に、連載
置面を基台に固定的に取り付けた無端帯状のベルトコン
ベア装置のコンベア面の一部により構成する場合には、
該ベルトコンベアの搬送面の長さ（すなわち、ベルトコ
ンベアの両端を巻装する２本のローラ間の距離）が連折
り畳み幅の少なくとも２倍以上の長さであることは必須
である。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照しなが
ら、本発明によるタバコ葉の連折り畳み装置をより詳細
に説明する。図１は、本発明によるタバコ葉の連折り畳
み装置Ａを例えば従来知られた葉編み機Ｂと組み合わせ
て用いる状態を説明する斜視図であり、図２は連折り畳
み装置Ａを拡大して示す斜視図、図３はその正面図、図
４は側面図である。

【００１１】この例での連折り畳み装置Ａは、連載置面
としてベルトコンベアの搬送面の一部を用い、かつ、該
ベルトコンベアは基台に対して上下方向に移動可能とさ
れている。基台を構成する長手方向の延びる左右の支持
フレーム１、１の両端近傍には、アングル材１ａ、１ｂ
が固着され、該アングル材１ａ、１ｂの立ち上がり部に
は第１の揺動片２ａ、２ｂの一端側が回動自在に枢着さ
れる。該第１の揺動片２ａ、２ｂの他端側には内面に互
いに逆方向のネジ溝を形成した筒状ナット３ａ、３ｂが
回動自在に枢着され、該筒状ナット３ａ、３ｂには第２
の揺動片４ａ、４ｂの一端側が回動自在に枢着される。
そして、該第２の揺動片４ａ、４ｂの他端側は、後記す
るベルトコンベア装置１０の機枠１１に枢支される。

【００１２】前記筒状ナット３ａ、３ｂのそれぞれのネ
ジ溝の方向に噛み合う逆方向のネジ山を前方部分及び後
方部分にそれぞれ形成したネジ杆５が、筒状ナット３
ａ、３ｂに螺合しており、該ネジ杆５は電動モータＭ１
等の適宜の駆動手段により正方向と逆方向とに回動自在
とされている。なお、図４に示すように、筒状ナット３
ａ、３ｂをネジ杆５に螺合した状態で、それぞれの第１
と第２の揺動片（２ａと４ａ）及び（２ｂと４ｂ）とは
鏡面対象となる姿勢でセットされる。

【００１３】ベルトコンベア装置１０は長手方向に延び
る機枠１１の先端及び後端にローラ１２、１３を回動自
在に支持しており、該ローラ１２、１３には無端帯状の
ベルトコンベア１４が巻装されている。また、前記のよ
うに、機枠１１には第２の揺動片４ａ、４ｂの上方端部
が枢着される。機枠１１の端部近傍にはコロ１５、１５
が取り付けられており、該コロ１５、１５は前記支持フ
レーム１、１に立設したガイド杆６、６内を摺動するよ
うにされている。前記ローラ１２、１３のいずれか一方
（図ではローラ１２）には、電動モータＭ２等の適宜の
駆動手段が取り付けてあり、該駆動手段によりベルトコ
ンベア１４は正方向（矢印ａ１方向）及び逆方向（矢印
ａ２方向）に所定距離だけ反復的に移動可能とされてい
る。

【００１４】上記の構成であり、電動モータＭ１を駆動
することにより、ベルトコンベア装置１０は、その搬送
面を同じ姿勢（好ましくは水平状態）に保ったままで、
基台（支持フレーム１、１）に対して上下方向に移動す
ることができる。その際に、ベルトコンベア装置１０の
機枠１１に取り付けたコロ１５が支持フレーム１、に立
設したガイド杆６、６により案内されることから、移動
は安定する。コロ１５、１５とガイド杆６、６とからな
る案内手段を機枠１１に複数組設けることもでき、それ
により、一層安定した移動が確保される。

【００１５】さらに、図示しない制御機構により、ある
いは適宜のリミツトスイッチ等を用いることによって、
電動モータＭ２は、ベルトコンベア１４が例えば前記矢
印ａ１方向に所定距離（連の所望の折り畳み幅）移動し
たときにその回転方向が逆方向に切り換えられ、ベルト
コンベア１４が矢印ａ２方向（反対方向）に同じ距離だ
け移動したときに、再び回転方向が切り換えられる。こ
の回転方向の切り換えが所要回数反復される。

【００１６】また、図示しない制御機構により、電動モ
ータＭ１と電動モータＭ２とは連動制御されており、ベ
ルトコンベア１４の正方向（矢印ａ１方向）及び逆方向
（矢印ａ２方向）の反復的移動回数に比例して、ベルト
コンベア装置１０は次第に下降するようにされている。
図１に示すように、ベルトコンベア装置１０のベルトコ
ンベア１４の幅は葉編みされたタバコ葉Ｔの長さよりも
幾分幅広いものとされ、また、ベルトコンベア１４の有
効搬送面の長さ（すなわち、ベルトコンベア１４の両端
を巻装する２本のローラ１２、１３間の距離）は所望す
る連折り畳み幅（通常９０ｃｍ程度）の少なくとも２倍
以上の長さ（好ましくは２００ｃｍ程度）とされる。

【００１７】図１を参照して、上記の連折り畳み装置Ａ
の使用態様を説明する。図示の例では、従来知られた葉
編み機Ｂの連搬送ベルト２１の搬送下流端の下方位置
に、本発明による連折り畳み装置Ａを配置している。好
ましくは、ベルトコンベア１４の長手方向中央位置が連
搬送ベルト２１の下流端にほぼ一致するようにして配置
する。最初に電動モータＭ１を作動してベルトコンベア
装置１０を前記葉編み機Ｂの連搬送ベルト２１に近接し
た位置まで上昇させておく。

【００１８】その状態で葉編み機Ｂでの葉編み処理を開
始する。タバコ葉Ｔを編み込んだ連縄Ｓの先端が葉編み
機Ｂの連搬送ベルト２１の端部から落下し始めた時点
で、電動モータＭ２を作動させ、ベルトコンベア１４を
正方向（矢印ａ１方向）に向けて移動させる。なお、適
宜の手段により、葉編み機Ｂの連搬送ベルト２１の移動
速度とベルトコンベア１４の移動速度とを実質的に同じ
速度とすることは好ましい態様である。その際に、葉編
み機Ｂの可変速装置と連動してベルトコンベア１４の移
動速度を制御することは最も効果的である。さらに、ベ
ルトコンベア１４の駆動力を葉編み機Ｂの駆動源から取
るようにしてもよい。

【００１９】ベルトコンベア１４が矢印ａ１方向に所望
の距離（所望する連折り畳み幅）だけ進行した時点で
（図１はその状態を示している）、リミットスイッチ
（図示しない）等の手段によりベルトコンベア１４の進
行方向を逆方向（矢印ａ２方向）に切り換え、同じ距離
だけ移動させる。それにより、先にベルトコンベア１４
の搬送面上に載置されたタバコ葉Ｔの列に折り重なる形
で、次のタバコ葉Ｔの列が載置されていく。以下、この
動作を必要な回数繰り返す。それと連動して、連の折り
畳みにより形成される積み上げ高さに比例した距離だ
け、前記のようにしてベルトコンベア装置１０を下降さ
せていく。

【００２０】必要回数の折り畳みが終了したとき、遅く
ともベルトコンベア装置１０が最も下降した位置となっ
たときに、連折り畳み装置Ａと葉編み機Ｂの作動を停止
し、折り畳まれた連を連折り畳み装置Ａから別の場所に
移して、前記した連分離作業のような事後処理を行う
か、連折り畳み装置Ａそれ自体を移動してベルトコンベ
ア装置１０上での作業空間を確保し、そこで事後処理を
行う。

【００２１】なお、図１において、３０は葉編み機Ｂの
連搬送ベルト２１から連が落下するときに、タバコ葉Ｔ
の葉先が先に落下しないようにするための案内杆であ
り、案内杆３０に沿ってタバコ葉Ｔの葉先を落下させる
ことにより、葉先と葉元とが同時にベルトコンベア１４
上に落下するようになり、ベルトコンベア１４上でのタ
バコ葉Ｔの整列載置が確実となる。

【００２２】上記の説明は本発明によるタバコ葉の連折
り畳み装置の好ましい実施の形態の説明であり、他に多
くの変形例が存在する。連搬送面を構成するものがベル
トコンベア１４であることは必須でなく、単なる平板状
の部材を基台に対して所定距離往復移動するように組み
付けたものでもよい。この場合には、該平板状の部材の
長さは連の所望の折り畳み幅だけあれば初期の目的は達
成可能であるが、作業性の観点からは、より長いものを
用いることが好ましい。ベルトコンベア装置１０を昇降
させる機構も図示のものは例示であり、例えば、前記ガ
イド杆６、６の内部にラックを形成し、コロ１５に代え
てピニオンを機枠１１に正逆回転できるように駆動的に
取り付けて、該ピニオンの回転により昇降させるような
機構も有効である。さらに、折り畳む連は葉編み機によ
り作られた連に限らず、従来知られた任意の方法で製造
されるすべて連に本装置は適用可能である。

【００２３】

【発明の効果】本発明のタバコ葉の連折り畳み装置を用
いることにより、タバコ葉の編み込み作業中に、一連分
の葉編みの終了毎に連を処理する作業、あるいは、別の
作業者が山積みされた連を手作業により規則的に折り畳
む作業は不要となり、葉編み作業とその事後処理にわた
る全体の作業の省力化が図られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるタバコ葉の連折り畳み装置を従来
知られた葉編み機と組み合わせて用いている状態を説明
する斜視図。

【図２】連折り畳み装置を拡大して示す斜視図。

【図３】図２に示す装置の正面図。

【図４】図２に示す装置の側面図。

【符号の説明】

Ａ…タバコ葉の連折り畳み装置、１…基台（支持フレー
ム）、２ａ、２ｂ…第１の揺動片、３ａ、３ｂ…筒状ナ
ット、４ａ、４ｂ…第２の揺動片、５…ネジ杆、６…ガ
イド杆、１０…ベルトコンベア装置、１２、１３…ロー
ラ、１４…ベルトコンベア（連搬送面の一例）、１５…
コロ、Ｂ…葉編み機、２１…葉編み機の連搬送ベルト、
Ｔ…タバコ葉、Ｓ…連縄、Ｍ１、Ｍ２…電動モータ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基台と、該基台に装着されたタバコ葉の
   連載置面とを有しており、該連載置面は正逆両方向に反
   転自在に移動できるように該基台に装着されており、該
   連載置面を正逆方向に反転移動させることにより、連載
   置面上に送られてくる連を連続的に折畳むことを可能と
   したタバコ葉の連折り畳み装置。
2. 【請求項２】 前記連載置面は、上下方向にも変移可能
   な状態で基台に装着されていることを特徴とする請求項
   １記載のタバコ葉の連折り畳み装置。
3. 【請求項３】 前記連載置面は、該基台に正逆両方向に
   反転自在に移動できるように装着されたベルトコンベア
   のコンベア面の一部であることを特徴とする請求項１又
   は２記載のタバコ葉の連折り畳み装置。
4. 【請求項４】 前記連載置面は連の所望の折り畳み幅の
   少なくとも２倍以上の移動域を有していることを特徴と
   する請求項１ないし３いずれか記載のタバコ葉の連折り
   畳み装置。