JPH1121542A - グランドパッキンおよびその製造方法 - Google Patents

グランドパッキンおよびその製造方法

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JPH1121542A
JPH1121542A JP9191807A JP19180797A JPH1121542A JP H1121542 A JPH1121542 A JP H1121542A JP 9191807 A JP9191807 A JP 9191807A JP 19180797 A JP19180797 A JP 19180797A JP H1121542 A JPH1121542 A JP H1121542A
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JP
Japan
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packing
paraffin
expanded graphite
emulsion
expandable graphite
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JP9191807A
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English (en)
Inventor
Naoya Kusawa
直也 九澤
Katsumi Watanabe
勝美 渡辺
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Nichias Corp
Original Assignee
Nichias Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摺動抵抗が小さく、潤滑効果を長期間維持で
きる膨張黒鉛系パッキンを提供することである。 【解決手段】 膨張黒鉛製シート10をスリットしたテ
ープを渦巻き状に巻回し、これをクランクプレスで加圧
成形する。その成形品をパラフィンエマルジョン溶液中
に浸漬し乾燥させてパラフィン10aを付着させたリン
グ状グランドパッキンとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バルブ等の機器の
スタフィングボックス内に装填し、バルブステムからの
流体の漏れを防止する等のために使用されるグランドパ
ッキンおよびその製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、バルブステムあるいは回転軸(以
下、軸と称する)からの漏れを防止するために使用する
パッキンとしては、石綿繊維やカーボン繊維等の耐熱繊
維を八編み、袋編みあるいは格子編み等に編組し、潤滑
剤などを含浸させるか表面処理を行なった、いわゆる編
組パッキンが多く使用されていた。かかるパッキンは耐
熱性・耐薬品性・耐摩耗性等が優れているために現在で
も広く使用されているが、近時、環境問題に対する意識
の高まり等から微少な漏れも問題とされるようになり、
シール性の高い膨張黒鉛を主原料として用いるパッキン
(以下、膨張黒鉛系パッキンと称する)が使用されるよ
うになってきた。
【0003】前記膨張黒鉛系パッキンには種々のタイプ
があるが、最も一般的なものはテープモールド式といわ
れ、膨張黒鉛製シートを所定の幅にスリットして得たテ
ープ状素材を成形用金型内に渦巻き状または同心円状に
配置した後、これを縦方向に加圧成形して得られたリン
グ状グランドパッキンである。
【0004】別の成形方法としてはラミネート式といわ
れ、膨張黒鉛製シートをリング状に打ち抜いたリング状
素材を成形用金型内に所定枚数積層し、これを縦方向に
加圧成形して得られたリング状グランドパッキンであ
る。
【0005】また別の構造の膨張黒鉛系パッキンとして
は、膨張黒鉛製シートを所定の幅にスリットして得たテ
ープ状素材にテープ状の金網を一緒に渦巻き状に巻き込
み加圧成形したタイプや、膨張黒鉛製シートを所定の幅
にスリットして得たテープ状素材を積層した後周囲を金
属線で被覆したタイプ等、パッキンの取り出し性や補強
性を高めたものもある。
【0006】さらに別の構造の膨張黒鉛系パッキンとし
ては、膨張黒鉛製シートを所定の幅にスリットして得た
テープ状素材の周囲を補強繊維で袋編みするなどの方法
で膨張黒鉛と補強繊維とを複合させた編み糸を作り、こ
れを八編み、袋編みあるいは格子編み等に編組して紐状
体を構成することで様々な軸径に合わせて所定の長さに
切断して使用できるようにしたタイプのものも最近使わ
れるようになってきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
膨張黒鉛系パッキンは、石綿等の編組パッキンに比べ、
シール性は格段に優れているものの、鱗片状の膨張黒鉛
粉末が金属からなる相手軸材に対して付着し易い傾向が
あり、その使用により軸の摺動抵抗が増加するという問
題があった。このため、既存のプラントで使用されてい
るバルブのパッキンを編組パッキンから膨張黒鉛系パッ
キンに変更しようとする際に、摺動抵抗が増加し軸が回
らなくなるのを防ぐために、金属製のスリーブを用いて
膨張黒鉛系パッキンの使用量を少なくする必要があり、
操作が煩雑であることを指摘されていた。
【0008】この対策として、膨張黒鉛系パッキンに潤
滑剤を含浸あるいは表面処理する場合があり、潤滑剤と
してはタービン油等の鉱油系潤滑剤やシリコーンオイ
ル、フッ素オイル、パラフィンワックス等が使用されて
いる。しかし、これらの潤滑剤は量が少ないと効果がな
く、量が多いとパッキンがフローして隙間からはみ出し
応力緩和が大きくなるという問題があった。
【0009】本発明の目的は、以上の問題点に鑑みてな
されたもので、摺動抵抗が小さくフローも少ない膨張黒
鉛系パッキンを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のグランドパッキンは膨張黒鉛単体あるいは
膨張黒鉛と金属線等を複合させた膨張黒鉛系パッキンに
おいて、パラフィンエマルジョンの含浸により、パラフ
ィンが付着していることを要旨とする。このパッキンの
本発明による製造方法は、上記パッキン又はパッキン素
材に、パラフィンエマルジョンを含浸させた後、乾燥さ
せることを要旨とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態としては、例
えば、膨張黒鉛製シートを所定の幅にスリットして得た
テープ状素材を成形用金型内に渦巻き状に配置した後、
これを縦方向に加圧成形して得られたリング状の膨張黒
鉛系パッキンを作製し、これをパラフィンエマルジョン
のなかに含浸させた後に乾燥することにより所定量のパ
ラフィンを付着させたグランドパッキンがある。なおパ
ラフィンの含有量はグランドパッキンに対して0.1重
量%以上ないと効果が見られなかった。
【0012】本発明者らは、シール性の良い膨張黒鉛系
パッキンの摺動抵抗を小さくするために潤滑剤について
鋭意検討を行ない、膨張黒鉛系パッキンにパラフィンエ
マルジョンを含浸させることにより、良好なシール性を
維持しながら摺動抵抗が低減することを見出した。これ
は、タービン油、シリコーンオイル、フッ素オイル等の
液体の潤滑剤に比べ、パラフィン等の常温で固体の潤滑
剤はパッキンを締め付けた時に潤滑剤が流れ出たり、パ
ッキンをフローさせたりすることが少ないことによるも
のと思われる。また通常のパラフィンワックスをグラン
ドパッキンに処理をする場合は加熱して溶融させた後含
浸させるか、溶剤に溶解させた後含浸し溶剤を蒸発させ
るが、パッキン内部にまで浸透しにくい、あるいは均一
に所定量付着しにくいために、パッキンがフローしたり
潤滑効果が持続しないという問題があった。これに対し
てパラフィンエマルジョンは、パラフィンワックスを活
性剤等を用いて乳化させることによりエマルジョンにし
たものである。
【0013】パラフィンエマルジョンの製法は、固形パ
ラフィンと界面活性剤を混合し、これを80℃程度で溶
融し、その溶融混合液に熱水を攪拌しながら徐々に加え
て行き、OW(Oil Water)型エマルジョンを形成する
ものである。このためパラフィンエマルジョンの粒子径
は1〜10μmと非常に小さくなるのが特徴である。従
ってパラフィンエマルジョンを使用する効果は、 (i)粒子径が小さいために、細かい隙間にパラフィン
粒子が入り込む。 (ii)パッキン全体に対する皮膜が非常に薄く均一なも
のが形成される。 (iii)使用しやすい。 であり、膨張黒鉛系パッキンに使用すると、パッキン表
面にパラフィンが均一に皮膜となって付着しているため
フローしにくく、またパッキン内部に多くのパラフィン
を保持しており、運転時にはパラフィンが連続的にパッ
キン表面にしみ出てくるため、長期間パラフィンの潤滑
効果が維持できる。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 [実施例1] 図1に示すように、厚さ0.38mm、
密度1.0g/cm3の膨張黒鉛製シート10を16m
m幅にスリットしたテープを渦巻き状に巻回し、これを
クランクプレスで加圧成形した膨張黒鉛系パッキンAを
固形分濃度が20%になるように調整したパラフィンエ
マルジョン(東邦化学工業(株)製パラックス40K−
3)溶液中に浸漬し、100℃で乾燥させ、1重量%の
パラフィン10aが含まれるリング状(内径26mm、
外径42mm、高さ8mm)のグランドパッキンを得
た。 [実施例2] 図2に示すように、厚さ0.60mmの
膨張黒鉛製シート11を5.2mm幅にスリットし、そ
の周囲を厚さ0.08mmのステンレス線12で袋編み
した編み糸13を16本と中芯材14を用いて図3に示
すように、紐状体15となし、この紐状体15を図4に
示すように、リング状に圧縮成形加工した膨張黒鉛系パ
ッキンBを上記パラフィンエマルジョン溶液中に浸漬
し、100℃で乾燥させ、5重量%のパラフィンが含ま
れるリング状(内径26mm、外径42mm、高さ8m
m)のグランドパッキンを得た。
【0015】[比較例1] 上記膨張黒鉛系パッキンA
をタービン油中に浸漬し、風乾して1重量%のタービン
油が含まれるリング状(内径26mm、外径42mm、
高さ8mm)のグランドパッキンを得た。 [比較例2] 上記膨張黒鉛系パッキンAをシリコーン
オイル中に浸漬し、風乾して1重量%のシリコーンオイ
ルが含まれるリング状(内径26mm、外径42mm、
高さ8mm)のグランドパッキンを得た。 [比較例3] 上記膨張黒鉛系パッキンAを60℃で加
温して溶融しているパラフィンワックス(日本精蝋
(株)製No.140)中に浸漬し、常温で固化させ、
1重量%のパラフィンワックスが含まれるリング状(内
径26mm、外径42mm、高さ8mm)のグランドパ
ッキンを得た。 [比較例4] 上記膨張黒鉛系パッキンBを上記パラフ
ィンワックス中に浸漬し、常温で固化させ、5重量%の
パラフィンワックスが含まれるリング状(内径26m
m、外径42mm、高さ8mm)のグランドパッキンを
得た。
【0016】上記実施例1,2および比較例1〜4のリ
ング状グランドパッキンPを図5に示す出願人規格の試
験機1(ステム径26mm、スタフィングボックス内径
42mm、スタフィングボックス深さ150mm)にそ
れぞれ6リング装着して面圧500kgf/cm2で締
め付け、この試験機1を常温にて2日間、さらに400
℃で16時間加熱した後、常温まで放冷するサイクルを
3日間行なったときの軸トルクおよび20kgf/cm
2のN2ガスを負荷したときの漏洩量を測定した。なお、
図1において、2は軸、3はパッキン押さえ、4は締め
付けボルト、5はランタンリング、6はガス加圧口、7
はガス出口である。
【0017】常温時および加熱サイクル時における軸ト
ルクの変化を表1、漏洩量の変化を表2に示す。表1、
表2に示す如く、本発明による実施例1,2で得られた
膨張黒鉛系パッキンは、比較例1〜4の膨張黒鉛系パッ
キンに比べて加熱サイクル時の軸トルクの増加が少な
く、シール性も保持されていることが判った。
【0018】なお、今回の実施例はいずれもグランドパ
ッキンを成形した後、パラフィンエマルジョンを含浸し
たが、あらかじめパラフィンエマルジョンで処理した膨
張黒鉛粉末あるいは膨張黒鉛製テープを用いてグランド
パッキンを製造しても同様な効果が得られることは言う
までもない。
【0019】
【表1】
【表2】
【0020】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による膨張黒
鉛系パッキンによれば、従来の膨張黒鉛系パッキンと比
較して摺動抵抗が小さく、かつその潤滑効果が長期間維
持され、また膨張黒鉛の特性である良好なシール性を保
持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のグランドパッキンの一実施例を示す概
略図である。
【図2】本発明のグランドパッキンに用いる編み糸の構
成を示す概略図である。
【図3】上記編み糸を用いた紐状体を示す斜視図であ
る。
【図4】上記紐状体から成る本発明のグランドパッキン
の他の実施例を示す図である。
【図5】本発明および従来のグランドパッキンの性能試
験機を示す図である。
【符号の説明】 1 試験機 2 軸 3 パッキン押さえ 4 締め付けボルト 5 ランタンリング 6 ガス加圧口 7 ガス出口 10 膨張黒鉛製シート 10a パラフィン 11 膨張黒鉛製シート 12 ステンレス線 13 編み糸 14 中芯材 15 紐状体 A 膨張黒鉛系パッキン B 膨張黒鉛系パッキン P リング状パッキン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膨張黒鉛単体あるいは膨張黒鉛と金属線
    等を複合させた膨張黒鉛系パッキンにパラフィンエマル
    ジョンの含浸によりパラフィンが付着していることを特
    徴とするグランドパッキン。
  2. 【請求項2】 パッキン素材としての膨張黒鉛単体ある
    いは膨張黒鉛と金属線等を複合させた膨張黒鉛系パッキ
    ン又は上記パッキン素材にパラフィンエマルジョンを含
    浸させた後、乾燥させることによりパラフィンを含ませ
    ることを特徴とするグランドパッキンの製造方法。
JP9191807A 1997-07-02 1997-07-02 グランドパッキンおよびその製造方法 Pending JPH1121542A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011080553A (ja) * 2009-10-08 2011-04-21 Nichias Corp 渦巻形ガスケットおよびその製造方法
JP2014111996A (ja) * 2014-02-28 2014-06-19 Nichias Corp 渦巻形ガスケット及びその製造方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50138251A (ja) * 1974-04-22 1975-11-04
JPS638434A (ja) * 1986-06-27 1988-01-14 Uchiyama Mfg Corp 表面処理液
JPH08100860A (ja) * 1994-09-30 1996-04-16 Nippon Valqua Ind Ltd グランドパッキン

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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040323