JPH1121540A - 機能性成分含有無水透明ゲル - Google Patents

機能性成分含有無水透明ゲル

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JPH1121540A
JPH1121540A JP9177367A JP17736797A JPH1121540A JP H1121540 A JPH1121540 A JP H1121540A JP 9177367 A JP9177367 A JP 9177367A JP 17736797 A JP17736797 A JP 17736797A JP H1121540 A JPH1121540 A JP H1121540A
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浩子 永田
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勝久 滝下
Koichi Matsuda
孝一 松田
Kenji Komazawa
謙史 駒澤
Katsuji Ono
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多量の機能性成分を均一にかつ安定に含有さ
せることができ、長期間にわたり機能性成分を揮散ある
いは放出させることができる上に、透明性、高温安定
性、温度変化安定性、耐候性、外観性に優れた機能性成
分含有無水透明ゲルを提供する。 【解決手段】 水酸基、アミノ基及びイミノ基の中から
選ばれた少なくとも1種の活性水素基を少なくとも2個
含有し、しかも疎水性かつ無臭性である油脂系含活性水
素化合物と、イソシアネート化合物との、活性水素基当
量/イソシアネート基当量が0.9〜1.5となる割合
での反応生成物である透明ゲル状ネットワーク化合物中
に、機能性成分を含有させる。さらに希釈剤、中でも可
塑剤を含有させてもよい。油脂系含活性水素化合物の分
子量は1000未満が好ましい。機能性成分には、香
料、消臭剤、生物忌避剤、生物誘引剤、生物駆除剤など
が用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、倉庫、オ
フィス、居室、トイレ、冷蔵庫、収納庫、各種容器等に
おける密閉系空間を始め、開放系空間にも多様な形態で
設置でき、長期間にわたり機能性成分を揮散あるいは放
出することができる外観性、耐候性、高温安定性に優れ
た無水透明ゲルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から上記のような密閉空間におい
て、機能性成分を揮散あるいは放出させた製品が広く使
用されている。このような機能性成分を含有する製品と
しては、液状、ゲル状、エアゾール状等と非常に多くの
種類があるが、そのうちの液状製品は、機能性成分を水
及び/又は低級アルコール系溶媒に界面活性剤等を用い
て溶解/分散させて使用しているため、転倒時には内容
物が流れ出し周囲を汚染するし、また低級アルコール系
溶媒を使用した場合にはさらに高温条件下で引火するお
それがある上に、機能性成分については溶媒への溶解性
に限界があるため、その種類や、使用目的や用途が制限
されるのを免れない。
【0003】機能性成分を含有させたゲルとしては、ア
ルギン酸塩、ゼラチン、ペクチン、寒天、カラヤゴム、
トラガカントゴム、デンプンを基礎とした含水ゲル(米
国特許第2691615号明細書)が、同様にカラギー
ナン、イナゴマメガムを基礎とした含水ゲル(米国特許
第2972055号明細書)が公知である。しかし、こ
れらの含水ゲルは、経時変化に伴い離水現象が起こる、
機能性成分の溶媒/分散剤である水の拡散とともに機能
性成分が蒸散してしまい長期持続性に欠ける、更に乾燥
収縮が非常に大きく外形に比例するような収縮ではない
ため、使用中にもとの形状が不均一になりかつ著しく縮
小して外観不良となる、製造時に加熱冷却工程を必要と
する場合があるため、機能性成分の事前蒸散、変質、変
色等が誘発される、使用中に微生物等が繁殖し外観を損
ねる等の、多くの問題を抱えている。
【0004】また、カルボキシメチルセルロース(特開
昭52−47926号公報)、アクリル酸系高分子化合
物、例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリア
クリルアミド等や、その誘導体(特開平1−26596
5号公報)、ポリビニルアルコール及びその誘導体(特
開昭61−220656号公報)等の親水性高分子をゲ
ル化剤として含水ゲルを調製する方法やケイ酸塩等の鉱
物系増粘剤を使用する方法があるが、これらの物質は帯
電物質の存在量により増粘ゲル化性能が左右されたり、
温度変化によりゲル外観が変化したりする等の欠点があ
る。
【0005】そこで、機能性成分を担持したゲルの強度
が温度変化や帯電物質等の外的要因に左右されない含水
ゲルの調製方法として、例えば以下の親水性ウレタンポ
リマ−を使用する方法が知られている。水溶性ジイソシ
アネート化合物を使用する方法(特公昭51−4011
5号公報)、親水性ウレタンプレポリマーとペプタイド
溶液を架橋反応させる方法(特公昭53−24492号
公報)、水性及び/又はアルコール性ポリウレタン−ポ
リウレア重合体を使用する方法(特公昭57−1590
6号公報、特公昭61−34828号公報)、親水性ポ
リオールから得られるウレタンプレポリマーにイソシア
ネートブロッキング剤を使用し水硬化させる方法(特公
昭63−64227号公報、特開昭60−28419号
公報)、親水性ウレタンプレポリマ−を香料エマルジョ
ン液に分散硬化させる方法(特公平3−36542号公
報)、親水性ポリオール・ポリイソシアネート・イミダ
ゾール又は2‐メチルイミダゾールから得られる親水性
ウレタンポリマーを水硬化させる方法(特開昭63−7
9661号公報)。
【0006】しかし、これらの方法においては、基本的
に親水性ウレタンプレポリマーに水及び機能性成分とし
ての香料を添加し、水又は水系溶剤と硬化反応させるこ
とで含水ウレタンポリマーゲルが製造されているが、そ
の際、イソシアネート基と水の反応で炭酸ガスが大量に
発生し、この炭酸ガスが機能性成分の分解、変質等に悪
影響を及ぼす上に、この炭酸ガスの大量の気泡のため、
完全に透明なゲルを調製することが困難となり、外観性
に優れたゲルを形成することができないし、また、一般
にプレポリマー化したウレタン化合物は粘度が急激に上
昇するため、他成分と混合しにくくなる上に、発生及び
/又は混入した気泡が効率よく抜けない等の問題があ
る。
【0007】−般的に、化学物質は水の存在によりその
機能活性を大きく減じ、保存安定性が低下する。それ
故、機能性成分を含水ゲルに担持させ製品化すること
は、長期安定性の点からも好ましくない。そこで、機能
性成分を含有させた油性ゲルが種々提案され、その調製
に油性ゲル化剤を使用する方法、例えば、油性ゲル化剤
として12‐ヒドロキシステアリン酸(特開平1−16
3111号公報、特開平6−55057号公報)、ステ
アリン酸ナトリウム(特公平2−36111号公報、特
開昭56−6783号公報、特開昭60−53148号
公報)、ベンジリデンソルビトール(特開昭59−77
859号公報)、スチレン−ブタジエン−スチレン共重
合体(特開昭62−249652号公報)、スチレン‐
エチレン‐ブチレン‐スチレン共重合体(特開昭62−
249653号公報)等を用いるものが挙げられる。し
かし、これらの方法においては、油性ゲル化剤を使用す
るには高温で溶解する必要があるため、機能性成分の事
前蒸散や変質、変色を誘発するし、また形成されたゲル
も透明性に劣り、高温下でゲル形状が変化するという欠
点がある。
【0008】他方、高温下でも形状が安定している油性
ゲルの製法としては、オクチル酸アルミニウムを用いる
方法(特開平1−320063号公報、特開平3−97
58号公報)や、アミノ酸系ゲル化剤と脂肪酸アルミニ
ウム系ゲル化剤を併用する方法(特開平4−34818
2号公報)等が知られているが、いずれの場合もゲル化
剤を使用するには高温で溶解する必要があるため、機能
性成分の事前蒸散や変質、変色等の問題があるし、また
形成されたゲルの透明性も必ずしも十分ではない。
【0009】また、高温下でも形状が安定している油性
ゲルを室温条件下で形成させる方法としては、アセトア
セチル化オリゴマーを使用する方法(特公昭63−65
338号公報)があるが、この方法はゲル化までの時間
が最低でも30分以上と長いため、生産ラインを考慮す
ると不適当であり、しかも形成された油性ゲルの機能性
成分の蒸散速度が極端に遅く、ゲルと機能性成分が反応
してしまう等の欠点を有している。
【0010】他方、非水系の常温硬化型樹脂を用いてゲ
ル状ネットワーク化合物を形成し、これに機能性成分を
混和・担持する方法も提案されている。例えば、紫外線
硬化性樹脂を使用する方法(特開平3−192106号
公報、特開平3−192107号公報、特開平4−23
9514号公報、特開平4−304219号公報等)が
知られているが、これらの方法には、紫外線硬化性樹脂
が高価であり、紫外線到達の関係上ゲルの形状に制限が
あり、紫外線照射時に着色用色素の分解、変色を招くと
いう問題がある。
【0011】そこで、安価でしかも機能性成分に悪影響
を及ぼさず、常温条件下で容易にゲル化させることがで
きる常温硬化型樹脂として、非水系ポリオールを使用し
たウレタン樹脂が、コスト、高温での安定性、ゲル強度
等の点から注目されている。非水系ポリオールのウレタ
ン樹脂に機能性成分を含有させる方法としては、ポリエ
ーテル系ポリオール或いはポリエステル系ポリオールか
らウレタンプレポリマ−を作成し、水以外の硬化剤にて
硬化させる方法(特公昭56−22458号公報、特公
昭57−15904号公報)、ポリエーテル系ポリオー
ル、イソシアネート化合物、機能性成分をスズ系触媒の
存在下硬化させる方法(特公平3−32579号公報)
等が知られている。
【0012】しかし、前者の、ウレタンプレポリマーを
作成してから硬化剤によリゲル化させる方法には、ウレ
タンプレポリマ−自体の粘度が高いため、他成分との混
合が困難になる、混合時に混入した気泡が抜けない、鋳
型による成型時の細部表現性に劣る等の問題がある。ま
た、ポリエーテル系ポリオールやポリエステル系ポリオ
ールは基剤臭が強く作業環境問題や調製ゲル中の残留臭
等の問題を免れないし、さらにポリエーテル系ポリオー
ルはエーテル結合(−O−)を繰り返し単位として多数
含有しているため、硬化工程中や或いは保存期間中にポ
リオール自体が空気中の水分を吸着し、この水分がイソ
シアネート化合物と反応し炭酸ガスの微少気泡を発生さ
せ、機能性成分の変質を誘発し、形成ゲルの透明性を阻
害して外観性に優れたゲルが得られないなどの問題をも
抱えている。
【0013】そこで、ポリオール化合物として、水分子
を吸着する官能基を多数は含まない炭素−炭素結合中心
のものを使用することも考えられなくはないが、このよ
うなものとして常用されるポリブタジエン系ポリオール
やポリアクリル酸系ポリオールのうち、前者は基剤臭で
あるゴム臭がきつくて上記したと同様に作業環境や調製
ゲル中の残留臭等の問題を免れないし、後者もアクリル
特有の基剤臭が強く、しかも高価であるためコスト面か
らも適当ではない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の機能性成分含有ゲルのもつ欠点を克服し、多量の
機能性成分を均一にかつ安定に含有させることができ、
長期間にわたり機能性成分を揮散あるいは放出させるこ
とができる上に、透明性、高温安定性、温度変化安定
性、耐候性、外観性に優れた機能性成分含有無水透明ゲ
ルを提供することを目的としてなされたものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の良
好な性質を有する機能性成分含有無水透明ゲルを開発す
るために種々研究を重ねた結果、特定の活性水素基を含
有する油脂系含活性水素化合物とイソシアネート化合物
とを、活性水素基当量/イソシアネート基当量が所定範
囲内となる割合で反応させて生成される透明ゲル状ネッ
トワーク化合物中に、機能性成分を含有させることによ
り、その目的を達成しうることを見出し、この知見に基
づいて本発明を完成するに至った。
【0016】すなわち、本発明は、水酸基、アミノ基及
びイミノ基の中から選ばれた少なくとも1種の活性水素
基を少なくとも2個含有し、しかも疎水性かつ無臭性で
ある油脂系含活性水素化合物と、イソシアネート化合物
との、活性水素基当量/イソシアネート基当量が0.9
〜1.5となる割合での反応生成物である透明ゲル状ネ
ットワーク化合物中に、機能性成分を含有させたことを
特徴とする機能性成分含有無水透明ゲルを提供するもの
である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に用いる油脂系含活性水素
化合物は、水酸基、アミノ基及びイミノ基の中から選ば
れた少なくとも1種の活性水素基(以下、活性水素基と
略称する)を少なくとも2個含有する油脂、あるいは該
油脂を変性したものであって、しかも疎水性かつ無臭性
であることが必要である。油脂系含活性水素化合物とし
ては、活性水素基を見かけ上は有していなくても、酸性
試薬や求電子試薬あるいは塩基性試薬や求核試薬を作用
させるなどして容易に活性水素基を生成しうる化合物
(例えばエポキシ化大豆油、エポキシ化あまに油等)も
用いられる。油脂系含活性水素化合物は、イソシアネー
ト化合物と反応しゲル状ネットワーク化合物を形成する
と同時に、機能性成分をゲル状ネットワーク中に均一に
含有させる分散剤としての作用を示す。活性水素基は1
分子中に2個以上なければゲル状ネットワーク化合物の
形成が十分には進行しない。そして、油脂系含活性水素
化合物は、疎水性かつ無臭性であることが、無水ゲル化
し、しかも作業環境を良好とし、臭気を生じさせないた
めに必要である。本発明においては、無臭性とは実質的
に無臭性であることを意味し、この無臭性には、ほとん
ど臭気を感じさせないかあるいは僅かに臭う程度の微臭
性が包含される。
【0018】油脂系含活性水素化合物は、その活性水素
基価が500以下であるのが好ましい。活性水素基価
は、活性水素基が水酸基である場合は水酸基価、アミノ
基である場合はアミノ価、イミノ基である場合はイミノ
価を意味する。活性水素基価が500を超えると臭気を
生じる傾向がみられる。
【0019】油脂系含活性水素化合物は、分子量が10
00未満であるのが好ましい。分子量が1000以上で
は粘度が高くなり他成分との混合性や混入気泡の脱泡性
が低下する傾向がみられる。また、油脂系含活性水素化
合物は、その炭素数が10〜63個、中でも10〜60
個であるのが好ましい。炭素数が10個未満では、活性
水素基の分子全体に及ぼす相対的な影響が大きくなりす
ぎて水との親和性が生じるし、揮発性が生じるため基剤
臭や形成ゲルの体積減少等の問題が生じることとなる。
また、炭素数が63個を超えると、他成分との混合が困
難となる。
【0020】油脂系含活性水素化合物は、取扱性、他成
分との混和性、ゲル状ネットワーク化合物形成時の気泡
の抜けやすさ等の点を考慮すると、室温で液体であるの
が好ましい。油脂系含活性水素化合物は完全に水素添加
すると、不飽和結合が消滅してしまい、炭素数が6個以
上になると固形となってしまうので、化学構造中に不飽
和結合を幾つか残すことにより、炭素数が多くなっても
室温で液状とすることが可能となり、また不飽和結合の
部分で分子が折れ曲がり多彩な立体構造をとり、形成さ
れたゲル状ネットワーク化合物に靭性やたわみ性を付与
することが可能となる。また、不飽和結合数が6個を超
えると紫外線劣化により着色しやすくなり、基剤臭を生
じやすくなる。したがって、油脂系含活性水素化合物の
不飽和結合数は6個以下、中でも3個以下とするのが好
ましい。ただし、油脂系含活性水素化合物のうち、炭素
数が10個以上でかつ飽和結合だけであったとしても、
化学構造によっては(例えば、側鎖に長鎖アルキル基の
ような結晶阻害官能基を有する場合など)常温で低粘度
の液状となるものもあり、このようなものとしてペスポ
ールHP−1000(東亜合成社製)が挙げられる。
【0021】油脂系含活性水素化合物としては、前記必
要事項を満足することを前提として、未変性油脂がその
まま用いられるか、あるいはこれを変性して調製された
変性油脂が用いられる。未変性油脂は動物油脂であって
もよいが、植物油脂が好ましい。植物油脂は、乾性油、
半乾性油、不乾性油、植物脂などに分類され、乾性油の
例としては、麻実油、あまに油、イサノ油、えの油、オ
イチシカ油、けし油、サフラワー油、桐油、大豆油、ひ
まわり油等が、半乾性油の例としては、クランベ油、ゴ
マ油、米ぬか油、トウモロコシ油、菜種油、キャノーラ
油、綿実油、トール油等が、不乾性油の例としては、オ
リーブ油、椿油、ひまし油等が、植物脂の例としては、
やし油、パーム油、パーム核油、カカオ油等がそれぞれ
挙げられる。
【0022】油脂を変性するには、脱水工程、還元工
程、水素添加工程、エステル化工程、エステル交換工
程、アミド化工程、重合工程等の一般に油脂化学工業で
用いられる変性工程が用いられる。例えば、菜種油、大
豆油又はトール油由来のダイマー酸をエステル交換工
程、エステル化工程、重合工程、還元工程、水素添加工
程、アシル化工程等によりダイマー酸エステル系ポリオ
ールやダイマージオールに変性させることができるし、
ひまし油をグリセリドやジグリセリドやヒンダードアル
コール類(例えば、トリメチロールプロパン、ジトリメ
チロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエ
リスリトール、ネオペンチルグリコール、トリメチロー
ルエタン、2‐エチルヘキサノール、ベンジルアルコー
ル等)とのエステル化工程やエステル交換工程等により
変性させることができる。殊にヒンダードアルコール類
で変性された変性油脂を用いるとヒンダード効果により
耐水性を向上させることができる。これら油脂系含活性
水素化合物のうち、主要骨格炭素数、ヨウ素価(不飽和
結合数)、油脂の供給量とコストを考え合わせると、大
豆油、イサノ油、ひまわり油、菜種油、桐油、トール
油、ひまし油、又はあまに油、中でも大豆油、菜種油、
トール油、ひまし油、又はあまに油をそのままあるいは
変性させて用いるのが好ましい。油脂系含活性水素化合
物は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用い
てもよい。
【0023】ゲル状ネットワーク化合物の形成におい
て、油脂系含活性水素化合物の配合量は通常15〜85
重量%、好ましくは20〜80重量%の範囲で選ばれ
る。この配合量がこの範囲を逸脱すると、ゲル状ネット
ワーク化合物の形成が十分には進行せず、強度的に脆弱
となりやすい。
【0024】本発明において、油脂系含活性水素化合物
との化学的架橋反応によりゲル状ネットワークを形成す
るのに用いられるイソシアネート化合物は、例えば公知
の脂肪族、環式脂肪族、芳香脂肪族、芳香族又は複素環
式のものであり、好ましくは1分子中にイソシアネート
基を2個以上持つモノマー、このモノマーから誘導され
るポリイソシアネート化合物、多官能型イソシアネート
化合物などである。
【0025】このイソシアネート化合物の例としては、
2,4‐又は2,6‐トリレンジイソシアネート、4,
4′‐又は2,4′‐又は2,2′‐ジフェニルメタン
ジイソシアネート、1,6‐ヘキサメチレンジイソシア
ネート、2,2,4‐又は2,4,4‐トリメチルヘキ
サメチレンジイソシアネート、p‐フェニレンジイソシ
アネート、4,4′‐ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート、3,3′‐ジメチルジフェニル‐4,4′‐
ジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、
1,3‐又は1,4‐キシリレンジイソシアネート、
1,3‐又は1,4‐テトラメチルキシレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、1,5‐ナフタ
レンジイソシアネート、トランス‐1,4‐シクロヘキ
シルジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジ
ントリイソシアネート、メチルシクロヘキサン‐2,4
‐又は2,6‐ジイソシアネート、1,3‐又は1,4
‐(ジイソシアネートメチル)シクロヘキサン、ダイマ
ー酸ジイソシアネート、イソプロピリデンビス(4‐シ
クロヘキシルイソシアネート)、ジメチルトリフェニル
メタンテトライソシアネート、トリフェニルメタントリ
イソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)‐
チオリン酸等のモノマー体単独、ポリマー体単独、或い
は任意の割合の混合物が挙げられ、またこれら化合物の
ウレタン変性体、アロファネート変性体、ビウレット変
性体、トリメチロールプロパン(TMP)付加物、カル
ボジイミド変性体、ウレトニミン変性体、ウレトジオン
変性体(二量体)、イソシアヌレート変性体(三量
体)、アシル尿素変性体等を単独或いは任意の割合の混
合物として使用することができる。これらイソシアネー
ト化合物のうち、2,4‐又は2,6‐トリレンジイソ
シアネート、4,4′‐又は2,4′‐又は2,2′‐
ジフェニルメタンジイソシアネ‐ト、1,6‐ヘキサメ
チレンジイソシアネート、4,4′‐ジシクロヘキシル
メタンジイソシアネート、1,3‐又は1,4‐キシリ
レンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
1,5‐ナフタレンジイソシアネート、1,3‐又は
1,4‐(ジイソシアネートメチル)シクロヘキサン、
リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネートが
好ましい。また、ゲル状ネットワークに耐候性と良好な
外観性を付与するとともにコストを軽減するには4,
4′‐又は2,4′‐又は2,2′‐ジフェニルメタン
ジイソシアネート、1,6‐ヘキサメチレンジイソシア
ネート、4,4′‐ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート、1,3‐又は1,4‐キシリレンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート、1,3‐又は1,
4‐(ジイソシアネートメチル)シクロヘキサン、リジ
ンジイソシアネート、リジントリイソシアネートを使用
することが好ましい。モノマー体が高い蒸気圧を示した
り、室温で固体である場合は、作業環境や取扱い性の面
から考慮して、そのポリマー体や各種変性体を使用する
のが好ましい。これらのイソシアネート化合物は1種用
いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0026】ゲル状ネットワーク化合物の形成におい
て、油脂系含活性水素化合物とイソシアネート化合物の
配合量は、活性水素基当量/イソシアネート基当量が
0.9〜1.5、好ましくは0.9〜1.3、より好ま
しくは0.9〜1.2の範囲になる割合とすることが必
要である。活性水素基当量/イソシアネート基当量=1
というのは、反応に関与する活性水素基とイソシアネー
ト基の各個数がこれらの基を完全に反応させるに過不足
ないことを意味する。この割合が大きすぎるとゲル状ネ
ットワーク構造の強度が不足し機能性成分含有無水透明
ゲルが脆弱になるおそれがある。また、この割合が小さ
すぎても過剰のイソシアネート基が油脂系含活性水素化
合物とイソシアネート化合物の反応で形成されたウレタ
ン結合(活性水素基が水酸基の場合)や尿素結合(活性
水素基がアミノ基の場合)等とさらに反応し、ゲル状ネ
ットワーク構造中にアロファネート結合やビューレット
結合を多数生じ、ゲル状ネットワーク構造を過剰に強固
にさせ、機能性成分含有無水透明ゲルにおける機能性成
分の揮散や放出の妨げとなるおそれがあるし、また過剰
のイソシアネート基がゲル状ネットワーク化合物中に多
量に残留し、空気中の水分等と反応して白濁化し、発泡
するため、外観を損なうこととなるし、また未反応のイ
ソアネート基が露出するために生物への悪影響が憂慮さ
れる。
【0027】本発明においては、必要に応じ、ゲル状ネ
ットワーク化合物形成に係る活性水素基当量及び/又は
イソシアネート基当量を調節しゲル状ネットワーク化合
物の硬度を調整したり、弾性、柔軟性等を付加するため
や、ゲル自体を増量しコストを低減するために、希釈剤
を用いることができる。この希釈剤としては、油脂系含
活性水素化合物、イソシアネート化合物、機能性成分等
と実質的に反応せず、相容性及び透明性がよく、無臭性
であるものが好ましく、希釈剤の含有割合が高くなるほ
どこのような特性に優れるものを用いるのがよい。ま
た、希釈剤は、使用期間中において肉痩せ等を誘発する
ことのないように揮発性が少なく、無色であり、耐候
性、耐熱性、耐水性に優れているものが好ましい。この
ような希釈剤としては、例えば高沸点溶剤、好ましくは
炭化水素系、芳香族系、エーテル系、エステル系等の高
沸点溶剤が挙げられ、中でも揮発性が低くさらに他成分
との相容性が良好なインキ用高沸点溶剤が好ましい。
【0028】また、希釈剤としては、一般に高分子分野
において可塑剤として使用されているものをそのまま用
いるのがコスト、取扱性の良好さからみて好ましい。こ
の可塑剤としては、例えばフタル酸エステル系可塑剤、
トリメリット酸エステル系可塑剤、脂肪族二塩基酸エス
テル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、ポリエステル
系可塑剤等を挙げることができる。フタル酸エステル系
可塑剤としては、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメチ
ル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ2‐エチルヘキシ
ル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジアリル、フタル酸
ジアミル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラ
ウリル、フタル酸ジ混合アルコールエステル等が、トリ
メリット酸エステル系可塑剤としては、トリメリット酸
トリブチル、トリメリット酸トリn‐オクチル、トリメ
リット酸トリ2‐エチルヘキシル、トリメリット酸トリ
イソデシル、トリメリット酸トリ混合アルコールエステ
ル等が、脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤としては、フ
マル酸ジブチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジ2
‐エチルヘキシル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン
酸ジ2‐エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシ
ン酸ジ2‐エチルヘキシル、アゼライン酸ジ2‐エチル
ヘキシル等が、リン酸エステル系可塑剤としては、リン
酸トリエチル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジ
ル、リン酸トリn‐クロルエチル等が、ポリエステル系
可塑剤としては、セバシン酸系ポリエステル、アジピン
酸系ポリエステル、フタル酸系ポリエステル等がそれぞ
れ挙げられる。
【0029】これらの可塑剤のうち、フタル酸エステル
系可塑剤を使用した場合は形成ゲルに耐水性、耐寒性、
耐老化性等を、トリメリット酸エステル系可塑剤を使用
した場合は耐老化性、耐熱性等を、脂肪族二塩基酸エス
テル系可塑剤を使用した場合は耐寒性等を、リン酸エス
テル系可塑剤を使用した場合は、耐候性、難燃性等を、
ポリエステル系可塑剤を使用した場合は、耐水性、耐油
性等を付与し、あるいは向上させることができる。
【0030】また、希釈剤としては、水酸基を有しない
未変性及び/又は変性油脂を挙げることができ、このよ
うなものとしては、麻実油、あまに油、えの油、オイチ
シカ油、ケシ油、桐油、クランベ油、菜種油、キャノー
ラ油、トール油、中でもあまに油、クランベ油、菜種油
等が挙げられる。
【0031】本発明のゲルにおいて希釈剤を含有させる
場合、その含有量は50重量%以下、中でも45重量%
以下が好ましく、50重量%を超えるとゲルが脆弱とな
る。
【0032】ゲル状ネットワーク化合物を形成するため
の、油脂系含活性水素化合物とイソシアネート化合物の
架橋反応において触媒を使用してもよい。触媒を使用す
ることで、活性水素基とイソシアネート基の反応を促進
させたり或いは逆に遅延させたりすることができ、ゲル
化までの時間を0.1分から24時間以上まで適宜調整
することができる。この触媒としては、活性水素化合物
とイソシアネート化合物の架橋反応において通常用いら
れるアミン系触媒、無機金属系触媒、有機金属系触媒等
が挙げられる。
【0033】反応促進触媒としては、例えばN,N‐ジ
メチルシクロヘキシルアミン、N,N‐ジシクロヘキシ
ルメチルアミン、N,N‐ジメチルベンジルアミン、
N,N‐ジメチルセチルアミン、トリエチルアミン、
N,N‐ジメチルドデシルアミン、ピリジン、N‐メチ
ルモルホリン、N‐エチルモルホリン、N,N,N′,
N′‐テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N′,
N′‐テトラメチル‐1,3‐プロパンジアミン、N,
N,N′,N′‐テトラメチル‐1,3‐ブタンジアミ
ン、N,N,N′,N′‐テトラメチルヘキサンジアミ
ン、N,N,N′,N′‐テトラエチルメチレンジアミ
ン、メチレンビス(ジメチルシクロヘキシルアミン)、
3‐ジメチルアミノ‐N,N‐ジメチルプロピオンアミ
ド、ビス‐2‐ジメチルアミノエチルエーテル、2‐
(N,N‐ジメチルアミノ)エチル‐3‐(N,N‐ジ
メチルアミノ)プロピルエーテル、4,4′‐オキシジ
エチレンジモルホリン、エチレングリコールビス(3‐
ジメチルアミノプロピル)エーテル、N,N,N′,
N′,N″‐ペンタメチルジエチレントリアミン、N,
N,N′,N′,N″‐ペンタメチルジプロピレントリ
アミン、N,N,N′,N′‐テトラ(3‐ジメチルア
ミノプロピル)メタンジアミン、1,4‐ジアザビシク
ロ[2.2.2]オクタン、N,N′‐ジメチルピペラ
ジン、N,N′‐ジエチルピペラジン、N‐メチル‐
N′‐ジメチルアミノエチルピペラジン、N‐(2‐ジ
メチルアミノエチル)モルホリン、1,2‐ジメチルイ
ミダゾール、1,8‐ジアザビシクロ[5.4.0]ウ
ンデセン、1,8‐ジアザビシクロ[5.4.0]ウン
デセン塩(フェノレート、カルボキシレート、オクチレ
ート)、N,N‐ジメチルアミノエタノール、ポリエト
キシ水酸化アミン、N,N,N′,N′‐テトラメチル
‐1,3‐ジアミノ‐2‐プロパノール、N,N,N′
‐トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N,
N′‐トリメチルアミノプロピルエタノールアミン、N
‐メチル‐N′‐(2‐ヒドロキシエチル)ピペラジ
ン、N‐(2‐ヒドロキシエチル)モルホリン、1‐
(2‐ヒドロキシプロピル)イミダゾール、2,4,6
‐トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,4
‐ビス(2‐ヒドロキシプロピル)‐2‐メチルピペラ
ジン、トリエタノールアミン、3,3‐ジアミノ‐N‐
メチルジプロピルアミン、ビス(ジメチルアミノプロピ
ル)アミン、モルホリン、N,N‐ジエチルシクロヘキ
シルアミン、N,N,N′,N′‐テトラメチルメタン
ジアミン、オクチル酸スズ、オレイン酸スズ、シュウ酸
スズ、ステアリン酸スズ、ナフテン酸スズ、ジブチルス
ズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチル
スズメルカプチド、ジブチルスズジラウリルメルカプチ
ド、ジブチルスズチオカルボキシレート、ジブチルスズ
マレエート、ジブチルスズマレエートポリマー、ジブチ
ルスズビス‐o‐フェニルフェネート、ジブチルスズ‐
S,S‐ジブチルジチオカーボネート、ジメチルスズジ
ラウレート、ジメチルスズメルカプチド、ジメチルスズ
カルボキシレート、ジメチルスズマレエート、ジメチル
スズジクロリド、ジオクチルスズメルカプチド、ジオク
チルスズチオカルボキシレート、重炭酸ナトリウム、炭
酸カルシウム、酢酸鉛、プロピオン酸フェニルスズ、オ
クチル酸鉛、マンガン化合物、ジルコニウム、コバル
ト、鉛、スズ酸ビスマス、ステアリン酸ビスマス、ステ
アリン酸鉛、スズ酸鉛、オクチル酸ジルコニウム、オク
チル酸亜鉛、硝酸バリウム、トリフェニルアンチモニー
クロリド等が挙げられる。また、反応抑制触媒として
は、例えば塩酸、ベンゾイルクロリド、p‐トルエンス
ルホン酸等を挙げることができる。
【0034】好ましい触媒としては、触媒速度、溶解
性、取扱い性、安全性、コスト、臭気問題等を考慮する
と、N,N,N′,N′‐テトラメチル‐1,3‐ブタ
ンジアミン、1,4‐ジアザビシクロ[2.2.2]オ
クタン、1,8‐ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ
セン、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズビス‐
o‐フェニルフェネート、ジブチルスズマレエート、ジ
ブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウリルメル
カプチド、ジメチルスズジクロリド、オクチル酸スズ、
スズ酸ビスマス、スズ酸鉛等、中でも特にN,N,
N′,N′‐テトラメチル‐1,3‐ブタンジアミン、
1,4‐ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,
8‐ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン、ジブチ
ルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジブチ
ルスズジアセテート、オクチル酸スズが挙げられる。
【0035】これらの触媒は、予め油脂系含活性水素化
合物に混合してからゲル状ネットワーク化合物を形成さ
せるのがよい。ゲル状ネットワーク化合物の形成におい
て、触媒の配合量は、機能性成分含有無水透明ゲルの強
度に与える影響や安全性、残留臭、着色等の問題を考慮
して、10重量%以下、中でも5重量%以下の範囲が好
ましい。この配合量が10重量%を超えると触媒効果発
現が急激にすぎるし、また形成されたゲルの強度が低下
する。
【0036】本発明において用いられる機能性成分は、
ゲル状ネットワーク化合物中に均一に分散、含有され、
長期間にわたり揮散あるいは放出されるものである。そ
こで、機能性成分としては、ゲル状ネットワーク化合物
に化学的結合により固定されることで機能性成分の揮散
あるいは放出が阻害されないように、活性水素基やイソ
シアネート基との反応性官能基を実質的に含んでいない
ものが好ましいが、活性水素基を有するものであっても
機能性成分全量当り30重量%まで、好ましくは10重
量%までを限度として混入させてもよい。さらに、機能
性成分としてはゲルの透明性を阻害しないものが用いら
れる。
【0037】この機能性成分としては、例えば、香料、
消臭剤、生物忌避剤、生物誘引剤、生物駆除剤などが用
いられ、これらは天然系のものでも、また合成系のもの
でもよい。これらの機能性成分は、予め油脂系含活性水
素化合物及び/又はイソシアネート化合物に混合してか
らゲル状ネットワーク化合物を形成すれば、機能性成分
が均一に分散、含有された無水透明ゲルを形成すること
ができる。
【0038】機能性成分として、天然系及び/又は合成
系等の香料を使用すれば、自動車、居室空間、トイレ等
に賦香することができる香料含有無水透明ゲルを調製す
ることができる。香料は、動物、植物のような天然素材
から抽出、精製、浸出等による方法で取り出した天然系
香料を用いてもよいし、合成系香料を用いてもよいし、
調香師がイメージに基づいて調製した調合ベース(ファ
ンシーベース)のものを用いてもよい。また、香料は1
種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。天然系香料は、動物性香料と植物性香料に大別され
る。動物性香料としては、例えば麝香、龍涎香、霊猫香
等が、植物性香料としては、例えばアーモンド油、アン
ブレットシード油、アルモアゼ油、バジル油、ベルガモ
ット、キャラウエイ油、カルダモン油、シナモン油、シ
トロネラ油、カッシー油、ユーカリ油、タイム油、フェ
ニグリーク油、ガルパナム油、ゼラニウム油、グレープ
フルーツ油、ヒバ油、檜油、ローズマリー油、ジャスミ
ン油、ジョンキル油、ジョニーパーベリー油、ローレル
リーフ油、ラベンダー油、レモン油、レモングラス油、
ライム油、リセアキュベバ油、マンダリン油、ミモザ
油、オレンジ油、ローズ油、オリス油、タジェット油、
バニラ、イランイラン油、ユズ油等がそれぞれ挙げられ
る。
【0039】合成系香料を官能基別に分類すると、炭化
水素系合成香料、脂肪族・テルペンアルコール系合成香
料、芳香族アルコール系合成香料、脂肪族・テルペンア
ルデヒド系合成香料、芳香族アルデヒド系合成香料、脂
訪族・テルペンエステル系合成香料、芳香族エステル系
合成香料、脂肪族・テルペンケトン系合成香料、芳香族
ケトン系合成香料、アセタール系合成香料、エーテル系
合成香料、ラクトン系合成香料、大環状ムスク系合成香
料、ニトロムスク系合成香料、インダンムスク系合成香
料、含窒素・含硫黄系合成香料等を例示することができ
る。炭化水素系合成香料としてはリモネン、α‐ピネ
ン、β‐ピネン、テルピネン、セドレン、β‐ファルネ
セン等を、脂肪族・テルペンアルコール系合成香料とし
ては、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、シ
ス‐3‐ヘキサノール、ターピネオール、メントール等
を、芳香族アルコール系合成香料としては、ベンジルア
ルコール、フェニルエチルアルコール、チモール、シン
ナミックアルコール等を、脂肪族・テルペンアルデヒド
系合成香料としては、アルデヒドC6〜C12、ヒドロ
キシシトロネラール等を、芳香族アルデヒド系合成香料
としては、ベンズアルデヒド、シンナミックアルデヒ
ド、ヘキシルシンナミックアルデヒド、バニリン、ヘリ
オトロピン等を、脂肪族・テルペンエステル系合成香料
としては、酪酸ブチル、酢酸リナリル、酢酸ヘキシル、
酢酸アミル等を、芳香族エステル系合成香料としては、
酢酸ベンジル、安息香酸ベンジル、酢酸フェニルエチ
ル、アンスラニル酸メチル、桂皮酸メチル、ジャスモン
酸メチル等を、脂肪族・テルペンケトン系合成香料とし
ては、メチルヘプテノン、カルボン、メントン、イオノ
ン、ダマスコン等を、芳香族ケトン系合成香料として
は、メチルアセトフェノン、ラズベリーケトン、メチル
ナフチルケトン等を、アセタール系合成香料としては、
フェニルアセトアルデヒドジエチルアセタール等を、エ
ーテル系合成香料としては、リナロールオキサイド、セ
ドリルメチルエーテル、ローズオキサイド、アネソール
等を、ラクトン系合成香料としては、γ‐,δ‐,C8
〜C12ラクトン、クマリン、ジャスミンラクトン等
を、大環状ムスク系合成香料としては、ムスコン、シベ
トン、シクロペンタデカノライド、エチレンブラシレー
ト等を、ニトロムスク系合成香料としては、ムスクケト
ン、ムスクモスケン等を、インダンムスク系合成香料と
しては、ヘキサメチルヘキサヒドロシクロペンタベンゾ
ピラン(ガラキソライド)、6‐アセチルテトラヒドラ
リン(トナライド)等を、含窒素・含硫黄系合成香料と
してはインドール、イソブチルキノリン、ピラジン、ジ
メチルスルフィド等をそれぞれ挙げることができる。
【0040】消臭剤としては、例えば植物性抽出物、鉄
系化合物、金属フタロシアニン類などが挙げられる。生
物忌避剤や生物誘引剤としては、犬猫やゴキブリのフェ
ロモン、有忌避性香料などが挙げられる。生物駆除剤と
しては殺ダニ剤、殺虫剤等が挙げられる。
【0041】これらの機能性成分は、予め油脂系含活性
水素化合物及び/又はイソシアネート化合物に混合して
からゲル状ネットワーク化合物を形成すれば、機能性成
分が均一に分散、含有された無水透明ゲルを形成するこ
とができる。
【0042】本発明のゲルにおける機能性成分の含有割
合は、0.1〜80重量%、好ましくは1〜65重量%
の範囲で選ばれる。この割合が0.1重量%未満では機
能性成分の揮散あるいは放出が効率的に行われないし、
また80重量%を超えるとゲルの物理的強度が低下する
ので好ましくない。
【0043】本発明のゲルには、必要に応じ、本発明の
目的をそこなわない範囲で、各種添加剤を配合すること
ができる。例えば、耐候性向上のために、老化防止剤、
UV吸収剤等が、強度向上のために、各種無機フィラー
や炭酸ガス吸収剤等が、外観性向上のために、染料、顔
料等の着色剤、微小ガラス片、繊維片、金属箔、マイカ
粉末やシリカ粉末のような無機粉末、パール化剤[例え
ばゲーナポールPGS−J(商品名、ヘキストインダス
トリー社製)]等が、透明性向上のために炭酸ガス吸収
剤が、配合成分の相容性向上のために、配合成分の種類
に適合したHLB価を有する界面活性剤(例えば配合成
分としての離型剤の溶解性向上のためのシリコーン系界
面活性剤)が、機能性成分の安定性向上のために、酸化
防止剤や各種保存剤等が、乳幼児やペット等が食物と混
同して発生する経口事故等を防ぐために、いわゆる「苦
味剤」、例えばデナトニウムベンゾエイト(商品名:ビ
トレックス、マクファーラン・スミス社製)が用いられ
る。これらの添加剤は、1種用いてもよいし、2種以上
を組み合わせて用いてもよい。添加剤として好ましいの
は、活性水素基やイソシアネート基との反応性官能基を
実質的に含まず、ゲルの透明性を阻害しないものであ
る。添加剤は、予め油脂系含活性水素化合物及び/又は
イソシアネート化合物に混合してからゲル状ネットワー
ク化合物を形成させるのがよい。添加剤の配合量は5重
量%以下が望ましい。5重量%を超える配合量ではゲル
の物理的強度や透明性や外観性に好ましくない影響が出
るおそれがある。
【0044】本発明のゲルを調製するには、例えば、油
脂系含活性水素化合物、イソシアネート化合物、機能性
成分、場合により用いられる希釈剤、触媒及び/又は添
加剤を、同時に混合する方法や、予め油脂系含活性水素
化合物又はイソシアネート化合物を除く他の全成分を混
合し、この混合物に、残りの先に除いた成分を加え混合
する方法などが用いられ、有利には油脂系含活性水素化
合物、機能性成分、場合により用いられる希釈剤、触媒
及び/又は添加剤を予め混合し、次いでこの混合物にイ
ソシアネート化合物を加え混合する方法が用いられる。
本発明のゲルを調製するに当り、上記の油脂系含活性水
素化合物、イソシアネート化合物、機能性成分、場合に
より用いられる希釈剤、触媒及び/又は添加剤の混合前
及び/又は混合後に加熱、冷却等の温度調節を行うこと
も可能である。各配合成分を混合前及び/又は混合後に
加熱すれば、油脂系含活性水素化合物とイソシアネート
化合物との反応速度が上昇するため、ゲル調製時間を短
縮することができる。また、機能性成分等が室温以上で
変質しやすい場合には、混合前から各成分を冷却してお
けば、機能性成分等の変質を誘発することなく、機能性
成分含有ゲルを調製することができる。各配合成分を冷
却することで遅くなった反応速度を早めたい場合には触
媒を前記の範囲内で増量すればよい。そこで、本発明の
ゲルを調製するには、通常、常圧下、5〜75℃の範囲
の温度の条件下で行えばよい。この温度が5℃未満では
油脂系含活性水素化合物及び/又はイソシアネート化合
物の粘度が上昇し混合しにくくなり、また反応速度が極
端に遅くなり、触媒添加によっても反応速度の上昇が望
めなくなるし、また75℃を超えると機能性成分の事前
蒸散、変質、変色等が誘発されるおそれがある。かくし
て、ゲル状ネットワーク化合物の形成は、通常、常圧
下、5〜75℃、好ましくは10〜65℃、より好まし
くは15〜50℃で行われる。
【0045】本発明のゲルの使用形態については特に限
定されないが、好適には、各原料成分を混合し、ゲル状
ネットワーク構造形成反応の完了前に様々な種類の容器
に充填したのち、反応を完了させることによって容器入
りゲル状製品とするのがよい。このような製品として好
ましいのは、ゲル状ネットワーク構造物を着色し、かつ
容器に透明又は半透明なガラスやプラスチックを用いた
ものであり、特に機能性成分に香料芳香剤、消臭剤又は
害虫駆除剤を用いた場合に適している。この容器は、使
用開始時まで密閉可能な蓋を付設することで機能性成分
の事前蒸散等を防止するようにすることもできる。ま
た、本発明のゲルは、容器入りとせずに、顆粒状、平板
状、フィルム状等の適当な形態の他、人物や動物、アニ
メーションキャラクター、建築物等の模型形態として製
品化することもできる。本発明のゲルは、高い強度と靭
性を有する一方、その原料の油脂系含活性水素化合物と
イソシアネート化合物は低粘度であるので、複雑な形状
の金型を使用しても、その形状の再現性や離型性の点
で、例えば水ゲル等に比べはるかに優れている。機能性
成分に生物忌避剤や生物誘引剤を使用した場合、本発明
のゲルの使用形態は特定されるものではないが、上記容
器入りの他に、1〜数10mm程度の粒状形態とし、生
物の侵入口に静置又は散布するようにするのがよい。こ
の場合、本発明のゲルは非水溶性でありかつ耐候性を有
するため、風雨による崩壊等の影響を受けず、機能性成
分を揮散あるいは放出し続けることができる。
【0046】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、各実施例、参考例及び比較例に
おける各種ゲルの生成に用いた各種成分あるいはゲルを
生成しない場合(比較例5〜7)の各種成分において、
これらの全量は100重量部である。また、試料の物性
は以下の測定法あるいは評価法により求めた。
【0047】(1)ゲル状態 室温下で指触及び目視により次の評価基準で判定した。 ◎:完全ゲル化。 ○:ゲルを形成するが軟らかい。 △:高粘度ではあるが流動する。 ×:流動する。
【0048】(2)透明性 試料を直径45mmの円筒形透明ガラス容器に深さ20
mmに充填し、目視により次の評価基準で判定した。 ◎:完全に透明。 ○:僅かに濁り又は気泡が認められる。 △:かなり濁り又は気泡が認められる。 ×:不透明。
【0049】(3)高温安定性 試料を容器にいれ、100℃(湿度5%以下)で24時
間放置した後のゲルの硬度及び容器を傾けたときの流動
状態を100℃で次の評価基準で判定した。 ◎:ゲル硬度及び流動性共に変化が認められない。 ○:僅かにゲル硬度又は流動性の変化が認められる。 △:かなりゲル硬度又は流動性の変化が認められる。 ×:完全にゲル硬度又は流動性の変化が認められる。
【0050】(4)温度変化安定性 試料をガラス製透明容器に入れ−15℃と50℃の間を
4時間毎に、昇降温するサイクリング試験機中に2週間
放置し、色相の変化や、機能性成分の分離やゲル状熊の
変化等の形態変化を室温で目視にて観察し、次の評価基
準で判定した。 ◎:色相及び形態共に変化は認められない。 ○:僅かに色相又は形態に変化が認められる。 △:かなり色相又は形態に変化が認められる。 ×:完全に色相又は形態に変化が認められる。
【0051】(5)外観性 試料をガラス製透明容器に入れ、40℃の恒温槽内に3
か月放置したときの、ゲル外観変化について次の評価基
準に従い目視で判定した。 ◎:全く変化なし。 ○:ほとんど変化なし。 △:かなり変化している。 ×:完全に変化している。
【0052】(6)耐候性 試料をガラス製透明容器に入れ屋外にて1か月間暴露試
験を実施し、色相の変化や、機能性成分の分離やゲル状
熊の変化等の形態変化を室温で目視にて観察し、次の評
価基準で判定した。 ◎:色相及び形態共に変化は認められない。 ○:僅かに色相又は形態に変化が認められる。 △:かなり色相又は形態に変化が認められる。 ×:完全に色相又は形態に変化が認められる。
【0053】(7)基剤臭 機能性成分を含有しない試料の基剤臭について次の評点
による5人の試験者の官能試験を行い、試験者の合計評
点を求めてそれにより評価した。 3:基剤臭なし。 2:僅かに基剤臭がする。 1:かなり基剤臭がする。 0:基剤臭がひどい。
【0054】(8)耐水性 機能性成分を含有しないゲル状ネットワーク化合物を作
成し、この試料を50±2℃の水に24時間浸漬し、試
料の吸水に伴う重量変化を吸水率として以下の数式によ
り求め、また外観変化を目視により観察し、吸水性及び
外観性として以下の評価基準でそれぞれ判定した。 吸水率(%)=[(Mw−Mo)/Mw]×100 Mw:浸漬後の試料重量 Mo:浸漬前の試料重量 [吸水性] ◎:吸水率1%未満 ○:吸水率1〜5%未満 △:吸水率5〜10%未満 ×:吸水率10%以上 [外観変化] ◎:全く変化なし。 ○:僅かに白化又は発泡が認められる。 △:かなり白化又は発泡が認められる。 ×:完全に白化又は発泡が認められる。
【0055】(9)香調特性 機能性成分にスカッシュ香料(小川香料製)を使用した
場合の、経時変化に伴う香りの強度変化と香調の変化に
ついて、次の評点による5人の試験者の官能試験を行
い、試験者の合計評点を求めてそれにより評価した。 [香り強度] 3:強く匂う 2:匂う 1:僅かに匂う 0:匂わない [香調変化] 3:変化なし 2:ほとんど変化なし 1:かなり変化している 0:完全に変化している。
【0056】(10)機能性成分揮散率 機能性成分に香料を使用した場合の機能性成分の揮散率
を次式にて求めた。 揮散率(%)=(揮散機能性成分重量/初期機能性成分
重量)×100
【0057】各試料の調製に用いられる反応成分や機能
性成分のうち記号で示されるものは以下のとおりのもの
である。 CO−POL1:URIC H−30(商品名、伊藤製
油社製、ひまし油系ポリオール) CO−POL2:URIC H−30を希釈して水酸基
価を70に調整したもの CO−POL3:URIC H−52(商品名、伊藤製
油社製、ひまし油系ポリオール) CO−POL4:URIC H−81(商品名、伊藤製
油社製、ひまし油系ポリオール) CO−POL5:URIC H−91(商品名、伊藤製
油社製、ひまし油系ポリオール) TO−POL:トール油由来のリノール酸の2量体であ
るダイマー酸1モルと1,6‐ヘキサンジオール2モル
とのエステル化反応生成物であって、水酸基価150,
官能基数2,平均分子量750を有するもの SO−POL:大豆油とグリセリンのエステル交換反応
生成物であって、水酸基価320,官能基数2,平均分
子量350を有するもの TMP−PEPOL:T−4000(商品名、旭電化社
製、TMP−PO付加型ポリエーテルポリオール) AAPG−PSPOL:F7−68(商品名、旭電化社
製、アジピン酸とプロピレングリコールからのポリエス
テルポリオール) PB−POL:PBR−45HT(商品名、出光石油化
学社製、ポリブタジエン系ポリオール) SO:大豆油(関東化学社製試薬) LO:あまに油(関東化学社製試薬) i−HDI:イソシアヌレート変性1,6‐ヘキサメチ
レンジイソシアネート(有効成分100%、イソシアネ
ート価21) XDI:1,3‐キシリレンジイソシアネート(有効成
分100%、イソシアネート価45) LTI:リジントリイソシアネート(有効成分100
%、イソシアネート価47) c−MDI:カルボジイミド変性メチレンジフェニルジ
イソシアネート(有効成分100%、イソシアネート価
28) 80−TDI:トリレンジイソシアネート(有効成分1
00%、イソシアネート価24) DOP:ジ2‐エチルヘキシルフタレート DBP:ジブチルフタレート IP:アイソゾール#400(商品名、日本石油化学社
製、イソパラフィン) DABCO:1,4‐ジアザビシクロ[2.2.2]オ
クタン DBTDL:ジブチルスズジラウレート DBTM:ジブチルスズマレエート DBTDA:ジブチルスズジアセテート p−TS:p‐トルエンスルホン酸 SQ:スカッシュ香料(主成分;ジャスミン油、ローズ
油、ゲラニオール等、小川香料社製) PH:フィトン香料(主成分;オレンジ油、ユーカリ
油、タイム油等、小川香料社製) ND:ジュウヤクエキス(商品名、小川香料社製、天然
抽出系消臭剤) CDB:ワンヤダ(商品名、小川香料社製、犬猫忌避
剤) NP−SA:ノイゲンEA−80(商品名、第一工業製
薬社製、ノニルフェニルエーテル系界面活性剤) K−G:カラギーナン(生化学用試薬、和光純薬工業社
製) EO:エチレンオキサイド PO:プロピレンオキサイド 12−OHST:12−ヒドロキシステアリン酸(試
薬、東京化成工業社製) O−Al:オクトープAl(商品名、ホープ製薬社製、
オクチル酸アルミニウム)
【0058】実施例1 油脂系含活性水素化合物としてCO−POL1を30重
量部、機能性成分として香料のSQを35重量部、触媒
としてDBTDLを0.5重量部、DOPを26.5重
量部それぞれ用い、これらを室温にて均一混合したの
ち、イソシアネート化合物としてXDIを8重量部加
え、これを直径45mmの円筒形透明ガラス容器に20
mmの深さに充填し、次いで、室温で15分放置して、
機能性成分として香料を含有した無色透明ゲル試料を得
た。
【0059】実施例2〜7 表1に示す種類及び配合割合の反応成分、機能性成分、
その他成分を用い、実施例1と同様にしてゲル試料を得
た。
【0060】
【表1】
【0061】なお、表1中の配合量欄のA、B、C、D
及びEはそれぞれポリオール化合物、イソシアネート化
合物、希釈剤、触媒及び機能性成分を示し、またOH/
NCOは水酸基当量とイソシアネート基当量との比を示
す。
【0062】比較例1(水性ゲル) 香料のSQを5重量部、界面活性剤のNP−SAを5重
量部用い、これらを蒸留水87.7重量部と混合、分散
し、分散液を80℃まで昇温したのち、K−Gを2重量
部、塩化カリウムを0.3重量部添加溶解させ、実施例
1と同じ容器に実施例1と同量充填し、冷却して水性ゲ
ル試料を得た。このゲル試料は白濁していた。
【0063】比較例2(水性ウレタンゲル) EOとPOの付加モル比が9:1のポリオキシエチレン
−ポリオキシプロピレンジオールを8重量部、80−T
DIを3重量部用い、これらを反応させて親水性ウレタ
ンプレポリマーを調製した。別に、SQ5重量部及びN
P−SA5重量部を蒸留水7重量部と混合、分散して香
料分散液を調製した。上記ウレタンプレポリマーをこの
香料分散液と室温で混合、撹拌したのち、実施例1と同
じ容器に実施例1と同量充填し、室温で1時間放置して
水性ウレタンゲル試料を得た。このゲル試料は発泡体で
あり、かつ不透明であった。
【0064】比較例3[油性ゲル(1)] SO30重量部とIP55重量部の混合液を100℃ま
で昇温し、これに12−OHST5重量部を添加し、撹
拌溶解したのち、香料のSQを10重量部添加し、実施
例1と同じガラス容器に充填し、室温で放置冷却して油
性ゲル(1)試料を得た。このゲル試料は半透明であっ
た。
【0065】比較例4[油性ゲル(2)] IP72重量部を100℃まで昇温し、これにO−Al
を8重量部添加し、撹拌溶解したのち、香料のSQを1
0重量部添加し、実施例1と同じガラス容器に充填し、
室温で放置冷却して油性ゲル(2)試料を得た。このゲ
ル試料は若干濁っていた。
【0066】以上の各実施例及び比較例の試料につい
て、各種特性を調べ評価した。その結果を表2に示す。
【0067】
【表2】
【0068】これより、本発明のゲルは、従来の水性ゲ
ル、油性ゲル等と比較して、含有させた機能性成分を長
期間にわたり安定に揮散あるいは放出させることがで
き、さらに透明性、耐候性、高温安定性、温度変化安定
性、外観性に優れていることが分かる。
【0069】次に、以下の参考例及び比較参考例のとお
り、本発明のゲルから機能性成分を除外した基材ゲル及
び従来の基材ゲルを調製した。
【0070】参考例1 実施例1においてSQをDOPに代えた以外は実施例1
と同様にして無水透明ゲルを得た。
【0071】参考例2 実施例2においてSQをDOPに代えた以外は実施例2
と同様にして無水透明ゲルを得た。
【0072】参考例3 実施例3においてSQをDOPに代えた以外は実施例3
と同様にして無水透明ゲルを得た。
【0073】参考例4 実施例4においてSQをDOPに代えた以外は実施例4
と同様にして無水透明ゲルを得た。
【0074】参考例5 実施例5においてSQをDOPに代えた以外は実施例5
と同様にして無水透明ゲルを得た。
【0075】参考例6 実施例6においてSQをDOPに代えた以外は実施例6
と同様にして無水透明ゲルを得た。
【0076】参考例7 実施例7においてSQをDOPに代えた以外は実施例7
と同様にして無水透明ゲルを得た。
【0077】比較参考例1(ポリエーテル系無水ウレタ
ンゲル) TMP−PEPOL50重量部にDOP45重量部とD
BTDL1重量部を加え、室温で混合し、次いでXDI
4重量部を添加し室温で混合した後、実施例1と同じガ
ラス容器に充填し、室温で15分放置してポリエーテル
系無水透明ゲル試料を得た。
【0078】比較参考例2(ポリエステル系無水ウレタ
ンゲル) AAPG−PSPOL50重量部にDOP39重量部と
DBTDL1重量部を加え、室温で混合し、次いでXD
I10重量部を添加し室温で混合した後、実施例1と同
じガラス容器に充填し、室温で30分放置してポリエス
テル系無水透明ゲル試料を得た。
【0079】比紋参考例3(ポリブタジエン系無水ウレ
タンゲル) PB−POL50重量部にDOP45重量部及びDBT
DL1重量部を加え、室温で混合し、次いでXDI4重
量部を添加し室温で混合した後、実施例1と同じガラス
容器に充填し、室温で30分放置してポリブタジエン系
無水ウレタンゲル試料を得た。
【0080】以上の各参考例及び比較参考例の試料につ
いて、各種特性を調べ評価した。その結果を表3に示
す。
【0081】
【表3】
【0082】これより、本発明の機能性成分を含有する
ゲルにおいて機能性成分を担持させる基材として用いら
れる無水透明ゲルは、他の透明ゲルと比較して、無臭で
あり、透明性、高温安定性、温度変化安定性、耐水性に
優れていることが分かる。
【0083】実施例8〜28 表4に示す種類及び配合割合の反応成分、機能性成分、
その他成分を用い、実施例1と同様にしてゲル試料を得
た。各試料の物性を表4に示す。
【0084】比較例5〜12 表5に示す種類及び配合割合の反応成分、機能性成分、
その他成分を用い、実施例1と同様にして、配合し、場
合により容器に充填し、場合によりさらに室温で放置し
た。比較例5〜7では所定成分の配合によるゲル形成が
不可能であり、比較例8では容器への充填が不可能であ
り、比較例9ではゲル試料が黄変し、比較例10ではゲ
ル試料が黄変白濁し、比較例11及び12ではゲル試料
が軟弱であるかあるいは流動状であった。比較例8〜1
2で得た各試料の物性を表5に示す。
【0085】
【表4】
【0086】
【表5】
【0087】表4及び表5中の配合量欄のA、B、C、
D及びEはそれぞれポリオール化合物、イソシアネート
化合物、希釈剤、触媒及び機能性成分を示し、またOH
/NCOは水酸基当量とイソシアネート基当量との比を
示す。
【0088】実施例29 CO−POL2を71.5重量部、SQを20重量部、
DBTDLを0.5重量部それぞれ用い、これらを室温
にて均一混合したのち、LTI8重量部を加え、これを
直径45mmの円筒形透明ガラス容器に20mmの深さ
に充填し、次いで、室温で15分放置して、機能性成分
として香料を含有した無色透明ゲル試料を得た。
【0089】実施例30 LTI8重量部に代えてXDI9重量部を用い、CO−
POL2の使用量を70.5重量部に変えた以外は実施
例29と同様にして香料を含有した無色透明ゲル試料を
得た。
【0090】実施例31 CO−POL2を62.5重量部、PHを20重量部、
DBTDLを0.5重量部それぞれ用い、これらを室温
にて均一混合したのち、i−HDI17重量部を加え、
これを直径45mmの円筒形透明ガラス容器に20mm
の深さに充填し、次いで、室温で15分放置して、機能
性成分として香料を含有した無色透明ゲル試料を得た。
【0091】実施例29〜31で得た各試料について1
20日間にわたり、40℃の恒温槽に静置して揮散テス
トを行い、経過日数と揮散量(%)との関係を調べた。
その結果を図1に実施例29ないし31にそれぞれ対応
してグラフAないしCで示す。このグラフより、本発明
の機能性成分含有無水透明ゲルは、長期間にわたり機能
性成分をゲル状ネットワーク化合物中に捕捉することな
く、安定に揮散させ続けることができることが分る。
【0092】
【発明の効果】本発明のゲルは、長期間に渡り機能性成
分を揮散あるいは放出させ続けることができる上に、透
明性、高温安定性、温度変化安定性、耐候性、外観性に
優れているし、また、透明なため色素等による着色が可
能であり、使用中に極端な乾燥収縮の問題を生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例29〜31の各試料の揮散テスト結果
を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 孝一 三重県四日市市末広町13番26号 伊藤製油 株式会社内 (72)発明者 駒澤 謙史 三重県四日市市末広町13番26号 伊藤製油 株式会社内 (72)発明者 小野 勝司 三重県四日市市末広町13番26号 伊藤製油 株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基、アミノ基及びイミノ基の中から
    選ばれた少なくとも1種の活性水素基を少なくとも2個
    含有し、しかも疎水性かつ無臭性である油脂系含活性水
    素化合物と、イソシアネート化合物との、活性水素基当
    量/イソシアネート基当量が0.9〜1.5となる割合
    での反応生成物である透明ゲル状ネットワーク化合物中
    に、機能性成分を含有させたことを特徴とする機能性成
    分含有無水透明ゲル。
  2. 【請求項2】 希釈剤を含有する請求項1記載の機能性
    成分含有無水透明ゲル。
  3. 【請求項3】 希釈剤が可塑剤、水酸基を有しない未変
    性及び/又は変性油脂、又は高沸点溶媒である請求項2
    記載の機能性成分含有無水透明ゲル。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の油脂系含活性水素化合物
    の活性水素基価が500以下である請求項1、2又は3
    記載の機能性成分含有無水透明ゲル。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の油脂系含活性水素化合物
    が、分子量1000未満である請求項1ないし4のいず
    れかに記載の機能性成分含有無水透明ゲル。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の油脂系含活性水素化合物
    が、不飽和結合が6個以下で、かつ炭素数が10〜63
    個の範囲である請求項1ないし5のいずれかに記載の機
    能性成分含有無水透明ゲル。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の油脂系含活性水素化合物
    が、大豆油、イサノ油、ひまわり油、菜種油、桐油、ト
    ール油、ひまし油及びあまに油の中から選ばれた少なく
    とも1種の植物性油脂及び/又はこの油脂を脱水工程、
    還元工程、水素添加工程、エステル化工程、エステル交
    換工程、アミド化工程及び重合工程の中から選ばれた少
    なくとも1種の工程に付すことにより得られる変性油脂
    である請求項1ないし6のいずれかに記載の機能性成分
    含有無水透明ゲル。
  8. 【請求項8】 機能性成分が、香料、消臭剤、生物忌避
    剤、生物誘引剤又は生物駆除剤である請求項1ないし7
    のいずれかに記載の機能性成分含有無水透明ゲル。
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