JPH11214827A - プリント基板におけるメッキ方法 - Google Patents

プリント基板におけるメッキ方法

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JPH11214827A
JPH11214827A JP901798A JP901798A JPH11214827A JP H11214827 A JPH11214827 A JP H11214827A JP 901798 A JP901798 A JP 901798A JP 901798 A JP901798 A JP 901798A JP H11214827 A JPH11214827 A JP H11214827A
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JP
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resin
curing
plating
metal powder
secondary curing
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JP901798A
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Hiroyoshi Ogawa
裕誉 小川
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Noda Screen Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁樹脂層の表面に形成されるメッキ層の高
い密着力を得る。 【解決手段】 基板1上に、紫外線照射により一次硬化
が行われ加熱により二次硬化が行われる二段硬化型樹脂
からなる絶縁樹脂層2を設ける。二段硬化型樹脂を一次
硬化させた後、表面を研磨して平滑化する。次いで二次
硬化させる際に、その表面に金属粉体3を配することに
より、二次硬化の工程で、未重合の二次硬化成分が、一
次硬化による架橋構造体の内部から流動して表面ににじ
み出し、金属粉体3が付着するようになる。余分な金属
粉体を除去した後、付着した金属粉体3をアンカーの核
としながら、その表面を覆うようにメッキ層を形成する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機材料の表面に
メッキを施す方法を改良したプリント基板におけるメッ
キ方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】例えばビルドアップ基
板を製造するにあたっては、回路パターンが形成された
コア基板の表面に、絶縁樹脂層を形成し、その絶縁樹脂
層の表面に無電解メッキ及び電解メッキを順に施してメ
ッキ層を形成し、そのメッキ層をエッチングして所定の
回路パターンを形成することを繰返すことが行われる。
ところが、上記のメッキ方法では、絶縁樹脂層に対する
メッキ層の密着力が弱い事情があり、回路パターンを微
細化する際の信頼性に劣るなどの不都合がある。
【0003】そこで、従来より、絶縁樹脂層の表面を粗
化した上でメッキを施すことにより、いわゆるアンカー
効果を図ることも行われているが、十分なアンカー効果
を得るには至っていなかった。また、別の方法として、
絶縁樹脂層の表面にスパッタリングにより金属を打込ん
で、アンカーの杭とすることも試みられているが、相当
量の金属を打込む必要があるため、かなりのコストがか
かり、実用に適するものとはなっていなかった。
【0004】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、絶縁樹脂層の表面にメッキ層を形成す
るにあたり、高い密着力を得ることができるプリント基
板におけるメッキ方法を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のプリント基板におけるメッキ方法は、メッ
キを形成するプリント基板に二段硬化型樹脂を塗布して
一次硬化させる一次硬化工程と、一次硬化した樹脂表面
を平滑化する成形工程と、平滑化後の樹脂表面に金属粉
体を付着させた状態で前記二段硬化型樹脂を二次硬化さ
せることにより付着した金属粉体が前記樹脂表面に固着
した状態とする二次硬化工程と、二次硬化後の樹脂表面
から過剰な金属粉体を除去する過剰粉体除去工程と、樹
脂表面に固着された前記金属粉体を覆うようにメッキ層
を形成するメッキ工程とを順に行うことを特徴としてい
る(請求項1の発明)。
【0006】ここで、本発明者は、二段硬化型樹脂を一
次硬化させた後、二次硬化させる際に、一次硬化工程に
おける未重合物が、樹脂層の表面ににじみ出す現象を発
見した。これは、二段硬化型樹脂を一次硬化させた状態
では、一次硬化成分が、その内部に未重合物質(二次硬
化成分)を含んだスポンジ状(いわば三次元の網状)の
架橋構造体となり、二次硬化の工程で、その未重合物質
が流動して表面ににじみ出すためであると推測される。
【0007】本発明者は、この現象に着目し、二次硬化
成分の未重合状態で金属粉体を配置して二次硬化工程を
実行すれば、二次硬化成分が表面にその金属粉体を固着
した状態で重合するようになり、その金属粉体をメッキ
の際のアンカーの核にすることができることを確認した
のである。図1は、この現象により、基材1上に塗布さ
れた二段硬化型樹脂からなる樹脂層2上に、金属粉体3
が付着される様子を模式的に示したものである。
【0008】上記方法によれば、一次硬化工程におい
て、プリント基板に塗布された二段硬化型樹脂中の一次
硬化成分が重合して架橋構造体が構成され、成形工程に
おいて一次硬化した樹脂層の表面が成形される。次の二
次硬化工程においては、樹脂表面に金属粉体を付着させ
た状態で二次硬化成分の硬化が行われるので、上述のよ
うに樹脂表面ににじみ出た二次硬化成分の重合に伴う接
着作用により、金属粉体が固着されるようになる。ま
た、次の過剰粉体除去工程においては、樹脂表面に固着
されずに他の金属粉体の上に単に載置されているだけの
ような過剰な金属粉体が除去されるようになる。そし
て、メッキ工程において、付着した金属粉体をアンカー
の核としながら、その表面を覆うようにメッキ層を形成
することができる。
【0009】尚、上記金属粉体としては、メッキ金属と
同一種類の金属を用いることができるが、異なる種類の
金属粉体を採用することも可能となる。金属粉体の粒子
形状及びサイズは、金属粉体が樹脂により完全に覆われ
ることがなく且つ十分な固着力が得られるよう、樹脂の
接触角に適合したものを採用することが好ましい。ま
た、上記メッキ工程にあっては、無電解メッキを行った
後電解メッキを行うことが一般的であるが、無電解メッ
キのみでも良いことは勿論、樹脂層の表面に金属粉体を
密に付着させれば、面方向に連続した導電層を形成する
ことができるので、無電解メッキを省略して直接的に電
解メッキを行うことも可能となる。
【0010】この場合、上記二段硬化型樹脂としては、
紫外線硬化樹脂等の光硬化樹脂、電子線硬化樹脂、熱硬
化樹脂などを組合わせた各種のものを採用することがで
きる。このとき、光照射により一次硬化が行われ、加熱
により二次硬化が行われるものを採用した場合には、一
次硬化工程において二段硬化型樹脂の温度の上昇がある
と、同時に一定の二次硬化が進み、その後の二次硬化工
程における樹脂のにじみ出しが少なくなって所望の効果
が得られるなくなる可能性がある。そこで、二段硬化型
樹脂を塗布したプリント基板を液中に浸漬した状態で光
を照射することにより一次硬化工程を行うようにするこ
とが好ましく(請求項2の発明)、これによれば、一次
硬化工程における温度上昇を抑えて、二次硬化の進行や
ボイドの発生を未然に防止することができる。
【0011】また、一次硬化工程において光照射により
硬化された樹脂層は、表面ほど架橋密度が高くなり、そ
のまま二次硬化工程に移行すれば、上記した樹脂のしみ
出しが起りにくくなる可能性がある。そこで、前記成形
工程を、一次硬化した樹脂表面を平滑に研磨することに
より行うことが好ましい(請求項3の発明)。これによ
れば、架橋密度の高い部分が研磨により除去され、二次
硬化工程における樹脂のしみ出しを起こりやすくするこ
とができる。
【0012】二次硬化工程を実行するにあたって、樹脂
表面に金属粉体を付着させる手段としては、スプレーに
よる吹付けや、揮発性の溶剤中に金属粉体を分散させた
ペーストを塗布する、金属塗料を印刷するなど、各種の
方法が考えられるが、二次硬化工程が加熱炉内に前記二
段硬化型樹脂を塗布したプリント基板を配置して温風を
流すことによって行われる場合には、その温風に乗じて
金属粉体を散布することにより一次硬化した樹脂表面に
付着させるようにすることができる(請求項4の発
明)。これにより、金属粉体の塗布と、二次硬化とをひ
とつの工程にて行うことができ、工程の簡単化を図るこ
とができる。
【0013】また、プリント基板を加熱炉に通して加熱
する場合、その加熱炉の前段には二次硬化に必要な温度
よりも低い低温加熱領域を設け、その後に、二次硬化に
必要な温度に維持された二次硬化加熱領域を設けるよう
にすることが好ましい(請求項5の発明)。このように
すると、二段硬化型樹脂がまず低温度に加熱されること
になるから、内部の未重合物質の流動化が促進されて表
面へのにじみ出しが円滑に行われ、金属粉体の固定化に
より効果的である。
【0014】
【発明の効果】このように本発明のプリント基板におけ
るメッキ方法によれば、二段硬化型樹脂からなる絶縁樹
脂層の表面に、アンカーの核となる金属粉体を付着させ
ることができるので、絶縁樹脂層の表面にメッキ層を形
成するにあたり、高い密着力を得ることができ、しかも
比較的安価に済ませることができるという効果を奏する
ものである。
【0015】
【発明の実施の形態】<第1実施形態>
【0016】本発明の第1実施形態について、図2ない
し図9を参照しながら説明する。尚、この実施形態は、
サブトラクティブ法により両面配線基板を製造するにあ
たって、スルーホールに樹脂を充填すると共に、その充
填樹脂上を覆うようにメッキ層を形成する場合に本発明
を適用したものである。
【0017】まず、完成形態を示す図9には、サブトラ
クティブ法により製造されたプリント基板たる両面配線
基板11の構成を示してある。この両面配線基板11
は、例えばガラスエポキシ基板からなる基材12の上面
及び下面に位置して回路パターン13,14を有して構
成され、両回路パターン13,14は、その一部におい
てスルーホール15により接続されており、そのスルー
ホール15は絶縁樹脂層16により充填された状態とな
っている。
【0018】さて、上記両面配線基板11を製造する方
法について述べる。図2ないし図9は、両面配線基板1
1の製造の工程を順に示している。まず、図2は、スル
ーホール15の形成工程を示している。ここでは、基材
12の両面に銅箔17を貼付けてなる両面銅張板18に
対して、スルーホール15の形成位置にドリルによる穴
あけ加工を行って貫通孔18aを形成する(図2
(A))。次いで、その両面銅張板18の全面に銅メッ
キ19を施すことにより、貫通孔18aの内面を銅メッ
キ層19により覆うスルーホール15が形成される(図
2(B))。尚、この銅メッキ層19の形成は、周知の
ように、全体に触媒を付着させた後に無電解銅メッキを
薄付けし、その後、電解銅メッキを厚付けすることによ
り行われる。
【0019】次に、図3に示すように、前記スルーホー
ル15内に、二段硬化型樹脂20を充填し、次いで、こ
れを一次硬化させる一次硬化工程が実行される。本実施
形態では、上記二段硬化型樹脂20として、光(紫外
線)照射により一次硬化が行われ、加熱により二次硬化
が行われるものを採用しており、その具体的な組成は例
えば次の通りである。 アクリレート 34% 光反応開始剤 1% エポキシ樹脂 19% 硬化剤 1.8% 消泡剤 0.2% 充填剤(フィラー) 44%
【0020】この二段硬化型樹脂20は、図示のよう
に、両面銅張板18の上下両面に若干量はみ出すような
十分な量が塗布され、スルーホール15内に密に充填さ
れるようになっている。そして、この二段硬化型樹脂2
0に対して紫外線を照射して一次硬化させることが行わ
れるのであるが、この光照射は、図4及び図5に示すよ
うな露光装置21を用いて液中(水中)で行われるよう
になっている。
【0021】即ち、上面が開口した露光槽22内には、
水が貯留されるようになっている。この露光槽22の前
後の側壁22aには、夫々露光窓22bが形成され、こ
こに夫々透明板23が嵌込まれている。それら透明板2
3の外側には、夫々紫外線ランプからなる露光光源24
が配置され、露光窓22bを通して露光槽22内に紫外
線を照射する。そして、この露光槽22の上方には、図
示しない搬送装置が設けられ、上記二段硬化型樹脂20
が塗布された両面銅張板18を、露光槽22の右側で水
中に浸漬し、そこから露光窓22bの間を通して左方に
搬送し、露光槽22の左側で水中から引上げるのであ
る。
【0022】なお、露光槽22には、循環ポンプ25及
び熱交換器26を有する循環管路27が接続され、循環
ポンプ25の運転により、露光槽22内の水を熱交換器
26を通して循環させることができる。前記熱交換器2
6では、図示しない冷却装置により冷却された冷媒を、
循環する水とが熱交換し、これにて露光槽22内の水温
を、一定範囲の低温(10〜20℃)に維持するように
なっている。これにより、一次硬化工程においては、二
段硬化型樹脂20の温度上昇を抑えることができ、二段
硬化型樹脂20中の二次硬化成分の熱硬化の進行やボイ
ドの発生を未然に防止することができる。
【0023】このような一次硬化工程が実行されること
により、両面銅張板18に塗布された二段硬化型樹脂2
0のうち、一次硬化成分(UV硬化成分)が重合してス
ポンジ状(いわば三次元の網状)の架橋構造体が構成さ
れる。この架橋構造体の内部には、未重合物質(二次硬
化成分)が含まれた状態となる。また、この架橋構造体
は表面から紫外線が照射されたものであるから、表面ほ
ど架橋密度が高いものとなっている。
【0024】次に、一次硬化した二段硬化型樹脂20の
表面を平滑化する成形工程が実行される。この成形工程
では、図6に示すように、二段硬化型樹脂20のうちス
ルーホール15からはみ出た部分を、例えばバフ研磨に
より除去することにより行われる。これにて、スルーホ
ール15内に充填され一次硬化された二段硬化型樹脂2
0が、両面銅張板18の表面と面一な状態に平滑化され
る。また、このとき、一次硬化成分の架橋密度の高い部
分が除去され、二段硬化型樹脂20の表面には、架橋密
度がある程度粗となっている部分が現れるようになる。
【0025】次いで、平滑化後の二段硬化型樹脂20の
表面に、金属粉体この場合銅粉28を付着させた状態で
その二段硬化型樹脂20を二次硬化させて絶縁樹脂層1
6とする二次硬化工程が実行されるのである。この二次
硬化工程は、図示は省略するが、両面銅張板18を例え
ば温風循環形の加熱炉内を通過させて加熱することによ
り行われる。この加熱炉は、例えば二段硬化型樹脂20
の二次硬化温度が150℃であるとすると、その前段に
おいて120℃の低温加熱領域が設けられており、ここ
を両面銅張板18が例えば20分で通過し、その後に、
150℃の温度に維持された二次硬化加熱領域が設けら
れ、ここを両面銅張板18が例えば30分で通過して完
全硬化するように設定されている。また、加熱炉の低温
加熱領域では、循環される温風に乗じて乾燥した銅粉を
散布できるようにしてある。尚、この実施形態では、銅
粉28の粒径は数μmである。
【0026】ここで、本発明者の研究によれば、二段硬
化型樹脂20を二次硬化させる際に、一次硬化工程にお
ける未重合物が、樹脂層の表面ににじみ出す現象が生ず
る。これは、二段硬化型樹脂20中において、上記のよ
うに一次硬化成分が架橋構造体を構成し、その内部に含
まれている未重合物質(二次硬化成分)が、加熱中に、
流動して架橋構造体の隙間(いわば網目部分)を通って
表面ににじみ出すためであると推測される。また、この
滲み出しは、二次硬化温度に樹脂が直ちに加熱されてし
まうと少なく、それより低い温度に加熱されるときに比
較的多くなることが確認された。比較的低い温度の加熱
により未重合物質が流動化して表面に滲出しやすくなる
ためと考えられる。
【0027】両面銅張板18が加熱炉を通過すると、特
に、低温加熱領域を通過する際に、二段硬化型樹脂20
の表面に未重合物質が滲み出た状態で、銅粉28が散布
されるから、その銅粉28が二段硬化型樹脂20の表面
に付着することになる。そして、加熱炉の二次硬化加熱
領域に至って、150℃程度の二次硬化温度に加熱され
ることになる。従って、この工程では、二段硬化型樹脂
20の表面に銅粉28が付着した状態で二次硬化成分の
硬化が行われるので、表面ににじみ出た二次硬化成分の
重合に伴う接着作用により、図7に示すように、二段硬
化型樹脂20が硬化した絶縁樹脂層16の表面(スルー
ホール15の開口部分の表面)に銅粉28が固着される
ようになるのである。このとき、上述の成形工程にて、
二段硬化型樹脂20のうちの架橋密度の高い表面部分が
除去されて表面の架橋密度が粗となっているので、樹脂
のしみ出しが起こりやすくなり、銅粉28の接着性を高
いものとすることができる。
【0028】次いで、二次硬化後の絶縁樹脂層16の表
面から過剰な銅粉28を除去する過剰粉体除去工程が実
行される。この工程は、例えば溶剤中でブラシ洗浄する
ことにより行われ、これにて、絶縁樹脂層16の表面に
固着されずに他の銅粉28の上に単に載置しているだけ
のような余分な銅粉28が掻き落とされて除去される。
【0029】次に、図8に示すように、絶縁樹脂層16
の表面を含む両面銅張板18の全面に銅のメッキ層29
を形成するメッキ工程が実行される。このメッキ工程
は、やはり、触媒付与、無電解銅メッキの薄付け、電解
銅メッキの厚付けといった手順により行われる。このと
き、絶縁樹脂層16の表面においては、付着された銅粉
28をアンカーの核としながら、その表面を覆うように
メッキ層29を形成することができ、絶縁樹脂層16に
対するメッキ層29の密着力を極めて高いものとするこ
とができるのである。
【0030】最後に、上記メッキ層29及び銅メッキ1
9並びに銅箔17の不要部分を除去することにより回路
パターン13及び14を形成する工程が実行される。こ
の工程は、周知のフォトエッチング法を採用することが
できる。図示はしないが、具体的には、両面銅張板18
の全面にエッチングレジストを印刷し、乾燥後に回路パ
ターンフィルムを重ねて露光し、引続き現像する。そし
て、両面銅張板18をエッチング液に浸漬してメッキ層
29及び銅箔17のエッチングレジストに覆われていな
い部分を溶解させて除去し、最後にエッチングレジスト
を除去する。これにて、図9に示すように、基材12の
上下面に回路パターン13及び14を有すると共に、そ
れらの一部がスルーホール15により接続された両面配
線基板11が完成する。
【0031】このような本実施形態によれば、二段硬化
型樹脂20を一次硬化させた後二次硬化させる際に、一
次硬化工程における未重合物が、樹脂層16の表面にに
じみ出す現象を利用して、二段硬化型樹脂20からなる
絶縁樹脂層16の表面に、アンカーの核となる銅粉28
を付着させるようにしたので、絶縁樹脂層16の表面に
メッキ層29を形成するにあたり、高い密着力を得るこ
とができ、しかも、スパッタリングにより金属を打込む
場合に比べ、十分に安価に済ませることができるという
優れた効果を奏するものである。
【0032】そして、特に本実施形態では、紫外線照射
による一次硬化工程を、液中にて行うようにしたので、
一次硬化工程における温度上昇を抑えて、二次硬化の進
行やボイドの発生を未然に防止することができる。ま
た、成形工程を、一次硬化した二次硬化型樹脂20の研
磨することにより行うようにしたので、架橋密度の比較
的低い部分を表面に露出させて二次硬化工程における樹
脂のしみ出しを起こりやすいものとすることができ、銅
粉28の付着性をより良好とすることができる。さらに
は、樹脂表面に銅粉28を付着させる手段として、温風
循環形の加熱炉内に温風に乗じて銅粉28を散布するよ
うにしたので、銅粉28の付着と二次硬化とをひとつの
工程にて行うことができ、工程の簡単化を図ることがで
きるという利点も得ることができる。
【0033】<第2実施形態>
【0034】次に、本発明の第2実施形態について、図
10ないし図14を参照して説明する。この実施形態
は、ビルドアップ法による多層配線基板の製造に本発明
を適用したものである。
【0035】図14は、本実施形態により製造されたプ
リント基板たる多層配線基板31の完成形態を示してお
り、この多層配線基板31は、上記第1実施形態におい
て製造されたと同様の両面配線基板11(図9参照)に
対して、その上下両面に夫々絶縁樹脂層32,33を設
け、さらにそれらの表面に夫々外層回路パターン34及
び35を形成するようにしている。また、回路パターン
13と外層回路パターン34とが一部でバイアホール3
6により接続され、回路パターン14と外層回路パター
ン35とが一部でバイアホール37により接続されてい
る。
【0036】この実施形態では、両面配線基板11は上
記第1実施形態と同様にして製造される。従って、図9
に示した両面配線基板11と同一部位には、同一符号を
付してそれまでの工程についての説明を省略し、以下、
図9以降の製造工程について述べる。
【0037】まず、図10に示すように、両面配線基板
11の上下両面に、絶縁樹脂層32,33となる二段硬
化型樹脂38を所定の厚みに塗布する工程が実行され
る。この場合、二段硬化型樹脂38としては、上記した
二段硬化型樹脂20と同様の、紫外線照射により一次硬
化が行われ、加熱により二次硬化が行われるものを採用
している。引続き、一次硬化工程が実行されて二段硬化
型樹脂38の一次硬化が行われる。この一次硬化工程に
ついても上記第1実施形態と同様に、紫外線の照射が、
露光装置21を用いて水中にて行われるようになってい
る。
【0038】次に、図11に示すように、二段硬化型樹
脂38の表面を研磨により平滑化する成形工程が実行さ
れ、これと共に、その二段硬化型樹脂38にバイアホー
ル36,37となる穴38aを形成することが行われ
る。この穴38aの形成は、例えばレーザ照射により行
われ、この穴38aの底部には、前記回路パターン1
3,14の一部が露出した状態とされる。
【0039】そして、図12に示すように、平滑化後の
二段硬化型樹脂38の表面に、金属粉体この場合銅粉3
9を付着させた状態でその二段硬化型樹脂38を二次硬
化させて絶縁樹脂層32,33とする二次硬化工程が実
行される。この二次硬化工程についても、上記第1実施
形態と同様に、温風循環形の加熱炉内にて銅粉39を温
風に乗せて散布することにより行われる。これにて、穴
38aの内面を含む絶縁樹脂層32,33の表面全体に
銅粉39が固着されるようになるのである。次いで、絶
縁樹脂層32,33の表面から過剰な銅粉39を除去す
る過剰粉体除去工程が実行される。
【0040】次に、図13に示すように、穴38a(バ
イアホール36,37)の内面を含む絶縁樹脂層32,
33の表面全体に銅のメッキ層40を形成するメッキ工
程が実行される。このメッキ工程も、やはり、触媒付
与、無電解銅メッキの薄付け、電解銅メッキの厚付けと
いった手順により行われる。このとき、絶縁樹脂層3
2,33の表面及び穴38aの内面において付着された
銅粉39をアンカーの核としながらメッキ層40を形成
することができ、メッキ層40の密着力を極めて高いも
のとすることができる。
【0041】最後に、上記メッキ層40の不要部分を除
去することにより外層回路パターン34,35を形成す
る工程が実行される。この工程は、やはり周知のフォト
エッチング法を採用することができる。これにて、図1
4に示すように、表面に外層回路パターン34,35を
有し、内部に回路パターン13,14を有すると共に、
それら各層のパターンが一部にてバイアホール36,3
7及びスルーホール15により接続された多層配線基板
31が完成するのである。
【0042】なお、上記多層配線基板31の表面に対
し、さらに同様の方法で絶縁樹脂層を形成して回路パタ
ーンを形成する構成を繰返せば、順次多層化することが
できる。また、必要に応じて多層配線基板31の表面に
ソルダレジストの塗布等を行うようにしても良い。
【0043】このような第2実施形態においても、上記
第1の実施形態と同様に、二段硬化型樹脂38からなる
絶縁樹脂層32,33の表面に、アンカーの核となる銅
粉39を付着させるようにしたので、絶縁樹脂層32,
33の表面にメッキ層40を形成するにあたり、高い密
着力を得ることができ、しかも、スパッタリングにより
金属を打込む場合に比べ、十分に安価に済ませることが
できる等の効果を得ることができるものである。
【0044】<他の実施形態>
【0045】本発明は上記記述及び図面によって説明し
た実施の形態に限定されるものではなく、例えば次のよ
うな実施の形態も本発明の技術的範囲に含まれる。さら
に、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更し
て実施することができる。 (1)二段硬化型樹脂としては、紫外線照射により一次
硬化が行われ、加熱により二次硬化が行われるものに限
らず、例えば光硬化樹脂、電子線硬化樹脂、熱硬化樹脂
などを組合わせた各種のものを採用することができる。
また、一次硬化工程については、液中(水中)で行うも
のに限らず、二次硬化成分に対して悪影響が無い場合に
は大気中などで行うことも可能である。 (2)上記実施形態では、樹脂表面を平滑化する形成工
程を研磨により行うようにしたが、プレスなどにより行
うようにしても良い。 (3)上記実施形態では、金属粉体として銅粉を採用し
たが、メッキの際のアンカーの核となり得るものであれ
ば、各種の金属が採用できる。この場合、必ずしもメッ
キ金属と同一種類の金属でなくとも良く、さらには、粒
子表面に異種金属をメッキしたものであっても良い。金
属粉体の粒子形状及びサイズは、金属粉体が樹脂により
完全に覆われることがなく且つ十分な固着力が得られる
よう、樹脂の接触角に適合したものを採用する必要があ
る。 (4)樹脂表面に金属粉体を付着させる手段としては、
スプレーによる吹付けや、揮発性の溶剤中に金属粉体を
分散させたペーストを塗布する、金属塗料を印刷するな
ど、各種の方法が考えられる。 (5)メッキ工程にあっては、無電解メッキを行った後
電解メッキを行うものに限らず、無電解メッキのみでも
良いことは勿論、樹脂層の表面に金属粉体を密に付着さ
せれば、面方向に連続した導電層を形成することができ
るので、無電解メッキを省略して直接的に電解メッキを
行うことも可能となる。メッキ金属としても、銅に限ら
ず、ニッケル,金等を採用することもできる。 (6)本発明は、サブトラクティブ法やビルドアップに
限らず、アディティブ法によるプリント基板の製造にも
適用できる。この場合、絶縁層の形成後、パターンの充
填メッキ前に本発明の方法を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作用を説明するためのもので、二段硬
化型樹脂からなる樹脂層上に金属粉体が付着された状態
を模式的に示す断面図
【図2】本発明の第1実施形態を示すもので、両面銅張
板に対するスルーホールの形成工程を順に示す縦断面図
【図3】スルーホール内に二段硬化型樹脂を充填して一
次硬化工程を実行した状態を示す縦断面図
【図4】露光装置の縦断正面図
【図5】図4のa−a線に沿う露光装置の縦断側面図
【図6】成形工程を実行した状態を示す縦断面図
【図7】二次硬化工程を実行した状態を示す縦断面図
【図8】メッキ工程を実行した状態を示す縦断面図
【図9】回路パターンが形成された両面配線基板を示す
縦断面図
【図10】本発明の第2実施形態を示すもので、両面配
線基板に二段硬化型樹脂を塗布して一次硬化工程を実行
した状態を示す縦断面図
【図11】成形工程及び穴の形成を行った状態を示す縦
断面図
【図12】二次硬化工程を実行した状態を示す縦断面図
【図13】メッキ工程を実行した状態を示す縦断面図
【図14】外層回路パターンが形成された多層配線基板
を示す縦断面図
【符号の説明】
1…基材 2…二段硬化型樹脂 3…金属粉体 11…両面配線基板(プリント基板) 13,14…回路パターン 15…スルーホール 16,32,33…絶縁樹脂層 18…両面銅張板 20,28…二段硬化型樹脂 21…露光装置 28,39…銅粉(金属粉体) 29,40…メッキ層 31…多層配線基板(プリント基板) 34,35…外層回路パターン 36,37…バイアホール

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メッキを形成するプリント基板に二段硬
    化型樹脂を塗布して一次硬化させる一次硬化工程と、一
    次硬化した樹脂表面を平滑化する成形工程と、平滑化後
    の樹脂表面に金属粉体を付着させた状態で前記二段硬化
    型樹脂を二次硬化させることにより付着した金属粉体を
    前記樹脂表面に固着させた状態とする二次硬化工程と、
    二次硬化後の樹脂表面から過剰な金属粉体を除去する過
    剰粉体除去工程と、樹脂表面に固着された前記金属粉体
    を覆うようにメッキ層を形成するメッキ工程とを順に行
    うことを特徴とするプリント基板におけるメッキ方法。
  2. 【請求項2】 前記二段硬化型樹脂は、光照射により一
    次硬化が行われ、加熱により二次硬化が行われるもので
    あって、前記一次硬化工程は、二段硬化型樹脂を塗布し
    たプリント基板を液中に浸漬した状態で光を照射するこ
    とを特徴とする請求項1記載のプリント基板におけるメ
    ッキ方法。
  3. 【請求項3】 前記二段硬化型樹脂は、光照射により一
    次硬化が行われ、加熱により二次硬化が行われるもので
    あって、前記成形工程は、一次硬化した樹脂表面を平滑
    に研磨することにより行われることを特徴とする請求項
    1又は2記載のプリント基板におけるメッキ方法。
  4. 【請求項4】 二次硬化工程は、加熱炉内に前記二段硬
    化型樹脂を塗布したプリント基板を配置して温風を流す
    ことによって行われ、その温風に乗じて前記金属粉体を
    散布することにより一次硬化した前記樹脂表面に金属粉
    体を付着させることを特徴とする請求項1ないし請求項
    3のいずれかに記載のプリント基板におけるメッキ方
    法。
  5. 【請求項5】 前記加熱炉内には前記プリント基板が移
    動しつつ加熱されることにより前記二段硬化型樹脂の二
    次硬化が行われるようになっており、その加熱炉の前段
    には前記二次硬化に必要な温度よりも低い低温加熱領域
    が設けられ、その後に二次硬化に必要な温度に維持され
    た二次硬化加熱領域が設けられていることを特徴とする
    請求項1ないし4に記載のプリント基板におけるメッキ
    方法。
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