JP4042878B2 - プリント配線板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、プリント配線板およびその製造方法に関し、特に、それぞれの回路を有する絶縁基板を積層した積層体にその表面から裏面に達するスルーホールを形成し、このスルーホールに導電性充填材を充填して、スルーホール上にスルーホールランドを形成したプリント配線板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、高密度の配線パターンを形成するために、積層体に形成されたスルーホールに導電性充填材を充填し、このスルーホール上にスルーホールランドを形成するプリント配線板にあっては、スルーホール内壁に無電解メッキを施し、あるいは、必要に応じて、さらに電解メッキを施して、スルーホール内に導電性を有する硬化性樹脂ペーストを充填している。そして、硬化性樹脂ペーストを加熱炉で硬化させた後に、表面を平滑にするために研削し、金属メッキ層を設けてエッチングを行い、スルーホールランドを形成している(特開平5−243728号公報参照。)。
【0003】
また、面実装部品の半田付けを良好に行い、高密度化を達成するために、その内壁に無電解メッキが施されたスルーホール内に、カーボン系または金属性の導電性粉末を混入した熱硬化性樹脂を充填して硬化させ、電解メッキ法により積層体の表裏に第2の金属層を設け、スルーホール内壁と同時に形成された無電解メッキによる第1の金属層と電解メッキによる第2の金属層の不要部分をエッチングにより除去し、スルーホール上に所定の大きさのスルーホールランドを形成するものも知られている(特公平8−31695号公報参照。)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特公平8−31695号公報に見られるように、既知のこの種のプリント配線板にあっては、内壁に無電解メッキを施したスルーホール内に導電性ペーストを充填しているが(図3参照)、制御の困難な工程が重複し、製造コストが高くなるという欠点があるとともに、スルーホールランドを形成する金属メッキ層が積層体から剥離し易いという欠点があった。
【0005】
この発明は、従来のこの種のプリント配線板におけるこのような欠点を解消するためになされたもので、スルーホール上に容易かつ安価に剥離し難いスルーホールランドを形成したプリント配線板を提供することをその目的としている。また、そのプリント配線板に適した製造方法を提供することをその目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明のプリント配線板は、それぞれの回路を有する絶縁基板を積層した積層体にその表面から裏面に達するスルーホールを形成し、このスルーホールに銅粒子を含有する硬化性樹脂からなる導電性充填材を充填し、この充填材の硬化後、表面に金属メッキ層を設けてエッチングを行い、前記スルーホール上にスルーホールランドを形成したプリント配線板において、前記硬化性樹脂に径10〜100μmの銅粒子を容積で30から80%含有させ、充填材の硬化後、デスミア処理を施して銅粒子を表面に露出させたことにより、直接電解メッキされた金属メッキ層が金属粒子間に入り込んでいることを特徴とするものである。
【0007】
また、このプリント配線板に適した製造方法としては、それぞれの回路を有する絶縁基板を積層した積層体にその表面から裏面に達するスルーホールを形成する工程と、形成されたスルーホールに径10〜100μmの銅粒子を容積で30から80%含有する硬化性樹脂ペーストを充填する工程と、充填された樹脂ペーストの硬化後に、金属粒子が露出するように積層体にデスミア処理を施す工程と、デスミア処理の施された表面に電解メッキ法により金属メッキ層を形成する工程と、形成された金属メッキ層の不要部分をエッチングにより除去してスルーホール上にスルーホールランドを形成する工程とからなるものである。
【0008】
【作用】
硬化性樹脂からなる充填材に径10〜100μmの銅粒子を容積で30から80%含有させ、充填材の硬化後、デスミア処理を施して銅粒子を表面に露出させたことにより、スルーホールランドを形成する金属メッキ層を銅粒子間に入り込ませたので、電解メッキ法による金属メッキ層と積層体の密着性がよく、スルーホールランドを形成する金属メッキ層の剥離がなくなり、一回の電解メッキ工程によりスルーホールランドを簡単かつ容易に形成することができる。すなわち、スルーホール内壁への無電解メッキ工程が省略でき、安価にかつ迅速にそれぞれの回路を有する絶縁基板を積層した積層体からなるプリント配線板を製造することができる。
【0009】
【発明の実施の態様】
以下、この発明は、その実施例を示す図について詳細に説明される。なお、図中、同一または相当部分には同一符号が付されている。
【0010】
図1において、1はそれぞれの回路を有する絶縁基板を積層した積層板であり、この積層板に、表面から裏面に達するスルーホール2が従来の方法で形成される(図1(a)参照)。このスルーホール2に、金属メッキ層を設けることなく、銅粒子を含有する樹脂ペーストからなる導電性充填材3が充填される(図1(b)参照)。充填された樹脂ペーストを硬化し、硬化後に、その積層体にデスミア処理が施される(図1(c)参照)。デスミア処理により表面の余分な樹脂が除去され、金属粒子が露出する。この金属粒子の露出した表面に電解メッキ法による金属メッキ層を形成する(図2(a)参照)。かくして、表面に露出した銅粒子間に金属メッキ層が入り込み、いわゆる投錨効果を奏するので、金属メッキ層が絶縁基板から剥離する恐れがない。
【0011】
樹脂ペーストとして使用できる樹脂は、エポキシ樹脂やフェノール樹脂などの架橋性の熱硬化性樹脂であり、このような樹脂ペーストに含有させる銅粒子は、直径が10〜100μmであり、10μm以下では充分な投錨効果が得られず、100μm以上では、スルーホール(通常の直径、約300μm)内への充填が困難である。充填材は、容積で30から80%の銅粒子を含有する樹脂ペーストからなり、銅粒子の含有率が30%以下の場合には、樹脂ペーストの硬化収縮、熱による膨張の影響が生じ、80%以上の場合には、その充填性樹脂と保持性に問題が生じる。
【0012】
樹脂ペーストの充填は、印刷法、スキージで圧入する方法、ロールコータやカーテンコータを利用する方法などがあるが、いずれの方法を採用するとしても、その表面を積層体の表面とほぼ面一とするのが好ましい。
【0013】
また、ここで行うデスミア処理は、濃硫酸、クロム酸またはこれらの混酸、あるいは、過マンガン酸ナトリウムや過マンガン酸カリウムの溶液に、スルーホールを形成した積層体を浸漬し、スルーホール内の残さを溶解除去する処理である。
【0014】
なお、デスミア処理後の電解メッキは通常の方法により行い、形成されたメッキ層に対する回路パターン形成のためのエッチングも既知の方法により行うことができる。また、電解メッキによる金属メッキ層4の上に、さらに無電解メッキ法によるメッキ層5を設けることができる。
【0015】
図4には、従来のこの種のプリント配線板の製造方法が示されている。すなわち、積層体1のスルーホール2には、その内壁に無電解メッキによる金属層6が、積層体1の上下面とともに形成され(図4(a)参照)、そこに粉末性導電材料を含有する樹脂ペースト3’が充填される(図4(b)参照)。樹脂ペースト3’は、硬化収縮性があるので、充填量を多くして、硬化後にはみ出ている樹脂を研削して平らにし、その上にパターン用導電層4を形成する(図4(c)参照)。以後、エッチングを行って、スルーホールランド4が形成される(図4(d)参照)。
【0016】
【実施例】
3層よりなるガラスエポキシ樹脂積層体に、直径350μmのスルーホールを形成し、通常の方法により洗浄する。洗浄されたスルーホール内に、直径30〜50μmの銅粒子を容積で約60%含有するエポキシ樹脂のペーストを充填し、硬化させた。硬化後、過マンガン酸カリウムで5分間のデスミア処理を行って銅粒子を表面に露出させ、銅の電解メッキで銅層を形成し、この銅層を通常のエッチングにより不要部分を除去し、表面の配線パターンとともにスルーホールランドを形成した。このスルーホールランドは積層体から剥離することが殆どなかった。
【0017】
得られたプリント配線板は、図3に示されるように、デスミア処理により余分な樹脂が除去され、銅粒子の露出した表面に、電解メッキ法による銅のメッキ層が形成されて、銅粒子間に銅メッキ層が入り込み、いわゆる投錨効果を奏している。したがって、銅メッキ層がスルーホール部、すなわち絶縁基板から剥離する恐れがないものである。
【0018】
比較例として、上記実施例において、形成されたスルーホールの洗浄後、無電解メッキで銅メッキ層を積層体の表裏両面とともにスルーホール内にも形成し、このスルーホール内に、銅粉末を容積で約60%含有するエポキシ樹脂のペーストを充填し、硬化させた。硬化後、はみ出ている部分をバフ研磨により研削し、表面に銅の電解メッキでさらに銅層を形成し、この二重銅層から通常のエッチングにより不必要部分を除去してスルーホールランドを形成した。この例では、研削の際に無電解メッキ層まで削られるものがあり、スルーホールの導通不良を起こすものがあるとともに、硬化後の樹脂の熱膨張が大きく、スルーホールランドにクラックが生じたり、また、スルーホールランドが剥離することもあった。なお、この剥離の発生率は、この発明の上記実施例の3〜4倍であった。
【0019】
以上のとおり、この発明の実施例によれば、スルーホールに充填された樹脂ペーストに約60%の銅粒子を含有させたので、硬化収縮および熱膨張が少ないとともに、デスミア処理の施された表面に1回の電解メッキ法によって必要な銅メッキ層が形成できるので、工程の短縮化を図ることができ、さらに、銅メッキ層の銅粒子への投錨効果によりスルーホールランドの剥離が殆どないという効果を有する。
【0020】
【発明の効果】
この発明によれば、スルーホールに充填する硬化性樹脂からなる導電性充填材に径10〜100μmの銅粒子を容積で30から80%含有させたので、充填部分に硬化収縮および熱膨張が少ないとともに、充填材の硬化後、デスミア処理を施して銅粒子を表面に露出させたことにより、金属メッキ層が銅粒子間に入り込むので、直接電解メッキ法による金属メッキ層を形成しても、金属メッキ層の銅粒子への投錨効果により、スルーホールランドの剥離がなく、したがって、工程の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1の(a)、(b)および(c)図は、この発明のプリント配線板の製造工程を示すものである。
【図2】図2の(a)および(b)図は、この発明のプリント配線板の製造工程を示すものである 。
【図3】図3はこの発明によって形成されるスルーホールランドの要部拡大断面図である。
【図4】図4の(a)、(b)、(c)および(d)図は、従来のプリント配線板の製造工程を示すものである。
【符号の説明】
1 積層体
2 スルーホール
3、3’ 充填材
4 電解メッキ法によるメッキ層
5 無電解メッキ法によるメッキ層
6 無電解メッキ法によるメッキ層
Claims (2)
- それぞれの回路を有する絶縁基板を積層した積層体にその表面から裏面に達するスルーホールを形成し、このスルーホールに銅粒子を含有する硬化性樹脂からなる導電性充填材を充填し、この充填材の硬化後、表面に金属メッキ層を設けてエッチングを行い、前記スルーホール上にスルーホールランドを形成したプリント配線板において、前記硬化性樹脂に径10〜100μmの銅粒子を容積で30から80%含有させ、前記充填材の硬化後、デスミア処理を施して銅粒子を表面に露出させたことにより、直接電解メッキされた金属メッキ層が前記銅粒子間に入り込んでいることを特徴とするプリント配線板。
- それぞれの回路を有する絶縁基板を積層した積層体にその表面から裏面に達するスルーホールを形成する工程と、形成されたスルーホールに径10〜100μmの銅粒子を容積で30〜80%含有する硬化性樹脂ペーストを充填する工程と、充填された樹脂ペーストの硬化後に、金属粒子が露出するように積層体にデスミア処理を施す工程と、デスミア処理の施された表面に電解メッキ法により金属メッキ層を形成する工程と、形成された金属メッキ層の不要部分をエッチングにより除去してスルーホール上にスルーホールランドを形成する工程とからなるプリント配線板の製造方法。
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