JP2004296465A - ソルダーレジスト膜形成回路基板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】絶縁基板2の少なくとも片面に厚さ120μm以上の回路導体3を所定のパターンに形成した回路基板1の、前記回路導体3間の溝を溝埋め剤5で埋め、回路導体3及び溝埋め剤5の表面にソルダーレジスト膜4を形成する。回路導体3の厚さt1と回路導体3間における溝埋め剤5及びソルダーレジスト膜4の合計厚さt2との差(t1−t2)を80μm以内とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】本発明は、ソルダーレジスト膜が形成された回路基板で、特に回路導体の厚さが厚い回路基板と、その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】回路基板上に部品を実装する方法としては、ハンダ付けによる方法が一般的である。この方法は、回路基板表面の部品を実装する箇所に、予めハンダを付着させておき、部品を実装する際に、このハンダを溶融させて部品を回路導体にハンダ付けするものである。この方法において、回路基板の所定の箇所にハンダを付着させる工程では、回路基板表面に、ハンダを付着させる部分を除いて、ソルダーレジスト膜を形成し、その後、ソルダーレジスト膜のない部分にハンダを付着させる方法が一般に採用されている。
【0003】ソルダーレジスト膜を形成した回路基板は従来、次のようにして製造されている。まず銅張り積層板の銅箔表面に感光性ドライフィルムを貼り付け、感光性ドライフィルムを所定のパターンに露光し、現像することにより、感光性ドライフィルムにより所定の回路パターンを形成する。次に感光性ドライフィルムをマスク(エッチングレジスト膜)として銅箔をエッチングすることにより、所定パターンの回路導体を形成する。次に回路導体上の感光性ドライフィルムを除去した後、回路基板上にソルダーレジストを塗布して、所定のパターンのソルダーレジスト膜を形成する。ソルダーレジスト膜は、当該膜が形成されていない部分にのみハンダを付着させ、当該膜が形成されている部分にはハンダが付着しないようにするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、回路基板への部品の実装は高密度化しており、ソルダーレジスト膜に対しても、そのパターンの微細化が要求されている。微細なソルダーレジスト膜パターンを形成するためには、フォトリソグラフィー法が採用されている。
【0005】フォトリソグラフィー法は、有機溶剤等により希釈した液状の感光性樹脂組成物を、スプレー塗装、ロールコーター塗装、カーテンコーター塗装などの方法により回路基板表面に塗布して塗膜を形成した後、露光、現像して、パターン化する方法である。
【0006】ところで自動車等では、搭載する補機類の増加や大容量化、アクセサリ類の増加にともない、電気系統に用いられる回路基板に対しても大きな電流が流せるようにすることが要求されている。これに対応するためには、回路基板上の回路導体の厚さを厚くすること(厚い銅箔を使用すること)が有効である。
【0007】しかしながら回路導体の厚さを厚くすると、ソルダーレジスト膜を形成した際に、回路導体のエッジ部をソルダーレジスト膜で十分に被覆することができず、その結果、回路導体のエッジ部にもハンダが付着してしまうという問題が生じる。この問題は特に回路導体の厚さが120μm以上になると顕著になる傾向がある。
【0008】図5は上記の問題を説明するための回路基板の断面図である。回路基板1は、絶縁基板2上にパターンエッチング等により回路導体3を形成したものである。回路基板1の表面には、ハンダを付着させる部分(回路導体3の表面の一部であるが図示省略)を除いて、ソルダーレジスト膜4が形成されている。回路導体3の厚さt1が120μm以上になると、回路基板1表面の凹凸が激しくなるため、回路導体3のエッジ部3aをソルダーレジスト膜4で確実に被覆することが難しくなる。その結果、回路導体のエッジ部3aが一部露出して、そこにハンダが付着してしまい、隣り合う回路導体間の絶縁が十分に保てなくなったり、回路導体の短絡が生じたりするおそれがある。
【0009】本発明の目的は、回路導体の厚さが120μm以上の回路基板で、回路導体のエッジ部にも良好なソルダーレジスト膜を形成したソルダーレジスト膜形成回路基板と、それを製造する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】回路導体のエッジ部にもソルダーレジスト膜を十分に被覆するためには、回路導体間の溝部を適当な溝埋め剤で埋めて、溝部の深さを浅くすることが有効である。回路導体間の溝部を溝埋め剤で埋めるにあたり、溝埋め剤の粘度を考慮すると、回路導体の厚さが厚い場合には、数回にわたって塗布作業を行なうことが必要となる。このようにして回路導体間の溝部を溝埋め剤で埋めてから、ソルダーレジスト膜を形成する場合、回路導体のエッジ部にも十分にソルダーレジスト膜を被覆できるようにするためには、回路導体の厚さと、回路導体間の溝部における塗膜の合計厚さ(最小厚さ)との間に関連性のあることを見いだした。
【0011】すなわち、本発明に係るソルダーレジスト膜形成回路基板は、絶縁基板の少なくとも片面に厚さ120μm以上の回路導体を所定のパターンに形成した回路基板の、前記回路導体間の溝を溝埋め剤で埋め、前記回路導体及び溝埋め剤の表面にソルダーレジスト膜を形成し、前記回路導体の厚さと前記回路導体間における溝埋め剤及びソルダーレジスト膜の合計厚さとの差を80μm以内としたことを特徴とするものである。
【0012】このような構成にすると、回路導体のエッジ部にも十分なソルダーレジスト膜を形成することができる。
【0013】本発明に係るソルダーレジスト膜形成回路基板は、溝埋め剤が熱硬化性のソルダーレジストからなり、ソルダーレジスト膜が光硬化性又は熱硬化性のソルダーレジストからなるものであることが好ましい。
【0014】また本発明に係るソルダーレジスト膜形成回路基板は、溝埋め剤がエポキシ樹脂を15重量%以上含有しているものであることが好ましい。
【0015】本発明に係るソルダーレジスト膜形成回路基板は、次のような製造方法で製造することができる。
【0016】一つの好ましい製造方法は、絶縁基板の少なくとも片面に厚さ120μm以上の回路導体を所定のパターンに形成する工程と、回路導体間の溝を溝埋め剤で埋める工程と、前記回路導体及び溝埋め剤の表面にソルダーレジスト膜を形成する工程とを備え、これらの工程で、前記回路導体の厚さと前記回路導体間における溝埋め剤及びソルダーレジスト膜の合計厚さとの差が80μm以内となるようにし、前記回路導体間の溝を溝埋め剤で埋める工程では、前記溝に相当する部分に穴を形成したスクリーン印刷版を使用し、このスクリーン印刷版を回路導体上に載せ、スクリーン印刷版の穴を通して前記溝に溝埋め剤を埋めることを特徴とするものである。
【0017】他の好ましい製造方法は、絶縁基板の少なくとも片面に厚さ120μm以上の回路導体を所定のパターンに形成する工程と、回路導体間の溝を溝埋め剤で埋める工程と、前記回路導体及び溝埋め剤の表面にソルダーレジスト膜を形成する工程とを備え、これらの工程で、前記回路導体の厚さと前記回路導体間における溝埋め剤及びソルダーレジスト膜の合計厚さとの差を80μm以内となるようにし、前記回路導体間の溝を溝埋め剤で埋める工程及びソルダーレジスト膜を形成する工程では、回路導体及び回路導体間の溝を覆うように溝埋め剤を塗布し、回路導体上に付着した溝埋め剤を除去し、残った溝埋め剤を加熱硬化させた後、表面を研磨して回路導体上に残存する溝埋め剤を取り除き、その後ソルダーレジストを塗布してソルダーレジスト膜を形成することを特徴とするものである。
【0018】さらに他の好ましい製造方法は、絶縁基板の少なくとも片面に厚さ120μm以上の回路導体を所定のパターンに形成する工程と、回路導体間の溝を溝埋め剤で埋める工程と、前記回路導体及び溝埋め剤の表面にソルダーレジスト膜を形成する工程とを備え、これらの工程で、前記回路導体の厚さと前記回路導体間における溝埋め剤及びソルダーレジスト膜の合計厚さとの差を80μm以内となるようにし、前記回路導体間の溝を溝埋め剤で埋める工程及びソルダーレジスト膜を形成する工程では、回路導体上のエッチングレジスト膜を残したまま回路導体及び回路導体間の溝を覆うように溝埋め剤を塗布し、回路導体上に塗布された溝埋め剤を除去し、残った溝埋め剤を加熱硬化させた後、回路導体上に残存する溝埋め剤及びエッチングレジスト膜を取り除き、その後ソルダーレジストを塗布してソルダーレジスト膜を形成することを特徴とするものである。
【0019】本発明の製造方法によれば、回路導体間の溝を溝埋め剤で埋めて溝を浅くすることで、回路導体のエッジ部における段差を小さくすることができるので、回路導体のエッジ部をも含めて必要な部分にソルダーレジスト膜を良好に被覆することができる。
【0020】溝埋め剤としては、チキソトロピー性を持ったものが好ましく、具体的には熱硬化性のソルダーレジストを使用することが好ましい。溝埋め剤に光硬化性のソルダーレジストを使用すると、硬化後に、回路基板の伸縮によりクラックが入りやすい。溝埋め剤として使用する熱硬化性ソルダーレジストは、エポキシ樹脂を15重量%以上含有する組成物であることが好ましい。この場合、硬化系としてはフェノール硬化系やアミン硬化系などが考えられる。これら主剤及び硬化剤には必要により溶剤や顔料或いは適当な添加剤などを混合してもよい。また溝埋め剤としては、TH永久穴埋め剤、例えば太陽インキHBI−200DB4も使用できる。一般的に永久穴埋め剤は熱硬化性ソルダーレジストよりも熱による伸縮量が小さいために表面レジストにクラックが入りにくい。
【0021】ソルダーレジストとしては、光硬化性又は熱硬化性のソルダーレジストを使用できる。光硬化性ソルダーレジストは、回路導体間の溝を溝埋め剤で埋めた回路基板の表面に塗布して、乾燥した後、紫外線等の活性エネルギーを照射し、未露光部分をアルカリ性洗浄液などで除去して、所定のパターンに形成する。また熱硬化性ソルダーレジストを使用する場合は、上記のようなパターニング方法に代えて、予め塗布パターンが形成されたスクリーン印刷版を用いて、ソルダーレジストを所望のパターンに塗布した後、加熱硬化させて、ソルダーレジスト膜を形成してもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0023】図1は本発明に係るソルダーレジスト膜形成回路基板の一実施形態を示す。回路基板1は、絶縁基板2上にパターンエッチング等により回路導体3を形成したものである。回路導体3の厚さt1は120μm以上である。回路導体3、3間の溝は溝埋め剤5で埋められ、回路導体3及び溝埋め剤5の表面には、ハンダを付着させる部分(図示省略)を除いたパターンでソルダーレジスト膜4が形成されている。回路導体3、3の間における溝埋め剤5及びソルダーレジスト膜4の合計厚さt2(最小厚さ)は、回路導体3の厚さt1よりも小さく、その差(t1−t2)が80μm以内になるように形成されている。このような構成にすると、回路導体3のエッジ部3aにもソルダーレジスト膜4を十分な厚さに被覆することができ、エッジ部3aへのハンダの付着を確実に防止できる。また(t1−t2)が10μm未満であると、回路基板1上に水が浸入したり、又は結露により水が発生した場合に、水が表面張力により水滴となり、回路導体3の間を短絡するおそれがある。10μm以上であると、水が溝内に広がって水滴にならず、また溝を伝って排水されるので、短絡するおそれがない。
【0024】図2(A)〜(D)は、図1のようなソルダーレジスト膜形成回路基板を製造する方法の一実施形態を示す。この製造方法では、まず(A)に示すように、絶縁基板2の表面に回路導体3を所定のパターンに形成した回路基板1を用意する。回路導体3の厚さは120μm以上である。次に(B)に示すように、回路導体3上にスクリーン印刷版6を載せ、その上でスキージ7を移動させて溝埋め剤5を塗布する。スクリーン印刷版6は回路導体3間の溝に相当する部分に予め穴6aが形成されているので、スキージ7を移動させると、(C)に示すように、回路導体3間の溝の部分だけに溝埋め剤5が塗布される。溝埋め剤5としては熱硬化性穴埋め剤又は熱硬化性ソルダーレジストを使用するとよい。塗布する溝埋め剤5の量は、スクリーン印刷版6の穴6aのメッシュ或いはスキージ回数により調節することができる。その後、加熱して溝埋め剤5を硬化させる。
【0025】次に回路導体3及び溝埋め剤5の表面に光硬化性ソルダーレジストを塗布し、(D)に示すようにソルダーレジスト膜4を形成する。その後、ソルダーレジスト膜4に、ハンダを付着させる部分を除いて、紫外線などの活性エネルギー線を照射し、未露光部分をアルカリ洗浄液等で除去して現像し、光硬化したソルダーレジスト膜4のパターンを形成する。
【0026】以上の工程で、回路導体3の厚さと回路導体3間における溝埋め剤5及びソルダーレジスト膜4の合計厚さとの差が80μm以内になるようにすると、回路導体3のエッジ部3aにも機能上必要な厚さのソルダーレジスト膜4を形成することができる。回路導体のエッジ部3aには少なくとも5〜10μm程度の厚さにソルダーレジスト膜が形成されていないと、当該エッジ部3aへのハンダの付着を阻止することができないが、上記の条件、すなわち回路導体3の厚さと回路導体3間での溝埋め剤5及びソルダーレジスト膜4の合計厚さとの差が80μm以内の条件を満たしていれば、エッジ部3aに5〜10μm以上の厚さにソルダーレジスト膜4を形成できることが実験で確かめられた。
【0027】回路導体3の厚さと、前記溝埋め剤5及びソルダーレジスト膜4の合計厚さとの差が80μmを超えると、回路導体のエッジ部に十分な厚さのソルダーレジスト膜を確保できず、この状態ではハンダを付着させる必要のない回路導体エッジ部にまでハンダが付着してしまうことが実験で明らかとなった。
【0028】一般的には、溝埋め剤及びソルダーレジストは1回塗りで約20〜30μm程度の厚さに形成できる。したがって回路導体3の厚さと回路導体3間における溝埋め剤5及びソルダーレジスト膜4の合計厚さとの差を80μm以内にするためには、回路導体の厚さが例えば200μmの場合、溝埋め剤を4〜5回塗布して硬化させた後、ソルダーレジストを1回塗布してもよいし、或いは溝埋め剤を3〜4回塗布して硬化させた後、ソルダーレジストを2回塗布してもよい。
【0029】また回路導体間の溝を溝埋め剤で埋めた後、予め所定のパターンに形成されたスクリーン印刷版を用いてソルダーレジストを塗布し、その後加熱硬化のみでソルダーレジスト膜を形成してもよい。この場合はソルダーレジストに光硬化成分が含まれていなくてもよい。また(t1−t2)が10μm未満であると、回路基板1上に水が浸入したり、又は結露により水が発生した場合に、水が表面張力により水滴となり、回路導体3の間を短絡するおそれがある。10μm以上であると、水が溝内に広がって水滴にならず、また溝を伝って排水されるので、短絡するおそれがない。
【0030】以上の製造方法によれば、回路導体間の溝が溝埋め剤によって埋められるので、回路導体のエッジ部における段差が小さくなる。このため回路導体の厚さが120μm以上と厚くても、ソルダーレジスト膜をほぼ一様な厚さに形成することができ、回路導体のエッジ部にもソルダーレジスト膜を良好な状態で被覆することができる。
【0031】図3(A)〜(D)は本発明に係るソルダーレジスト膜形成回路基板の製造方法の、他の実施形態を示す。まず(A)に示すように、絶縁基板2の表面に回路導体3を所定のパターンに形成した回路基板1を用意する点は、図2の実施形態と同じである。この後、この実施形態では、(B)に示すように回路基板1の全面に熱硬化性ソルダーレジスト等からなる溝埋め剤5を塗布する。
【0032】次に回路導体3の表面に付着した溝埋め剤を除去し、回路導体3間に残った溝埋め剤5を加熱硬化させる。この状態では回路導体3の表面に若干の溝埋め剤が残っているので、表面を研磨してそれを除去する。これによって(C)に示すように、回路導体3間の溝が溝埋め剤5によって埋められた回路基板1が得られる。その後(D)に示すように回路導体3及び溝埋め剤5の表面にソルダーレジスト膜4を形成する。この点は図2の実施形態と同様である。このような方法でも、回路導体3のエッジ部3aにソルダーレジスト膜4が良好な状態で被覆された回路基板を製造することができる。
【0033】図4(A)〜(D)は本発明に係るソルダーレジスト膜形成回路基板の製造方法の、さらに他の実施形態を示す。この実施形態は、回路基板にエッチングレジスト膜を残したままソルダーレジスト膜を形成し、回路導体上のソルダーレジスト膜を除去するときにエッチングレジスト膜も一緒に除去してしまうというものである。
【0034】図4(A)は、絶縁基板2に厚さ120μm以上の銅箔3Fを張り付けて銅張り積層板とし、さらに銅箔3F表面に感光性ドライフィルム8Dを張り付けた状態を示している。この後、感光性ドライフィルム8Dを所定の回路パターンになるように露光、現像することにより、(B)に示すように銅箔3F上に所定の回路パターンのエッチングレジスト膜8を形成する。
【0035】次にエッチングレジスト膜8をマスクとして銅箔3Fをエッチングすることにより、(C)に示すように所定の回路パターンの回路導体3を形成する。通常はこの後、回路導体3上のエッチングレジスト膜8を除去するが、この実施形態では、回路導体3上のエッチングレジスト膜8を残したまま、(D)に示すように溝埋め剤5を塗布する。次に好ましくは回路導体3上に付着した溝埋め剤5、すなわちエッチングレジスト膜8上の溝埋め剤5をしごいて除去し、(E)の状態にする。この状態では、回路導体3間の溝が溝埋め剤5で埋められ、エッチングレジスト膜8上に若干の溝埋め剤が残る。
【0036】次に残された溝埋め剤5を加熱硬化させる。その後、エッチングレジスト膜8を、その上に付着している硬化した溝埋め剤と一緒に、アルカリ溶液により剥離するか、研磨することにより取り除く。これにより図2(C)と同じ状態となるので、その後は図2の実施形態と同様に、ソルダーレジストを塗布して、所定のパターンのソルダーレジスト膜を形成すればよい。
【0037】本発明において、溝埋め剤としては、二液性熱硬化型のソルダーレジストが使用可能である。溝埋め剤には高耐熱性、高絶縁性、低熱膨張性の他に、その上に塗布するソルダーレジストとの密着性がよいことが要求される。また作業のしやすさの面からは、混合後のポットライフや粘度、硬化条件などが重要である。これらの条件をほぼ満足するものとしては次のような組成物がある。すなわち、主剤は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂約30%、グリコール系溶剤約2%、顔料(シリカ)約60%、その他添加剤を数%含有させたものである。また硬化剤は、フェノール系樹脂約35%、グリコール系溶剤約25%、顔料(シリカ)約35%、その他添加剤を数%含有させたものである。上記主剤と硬化剤を8:2の割合で混合して使用する。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、回路導体の厚さが厚い回路基板に対して、回路導体のエッジ部を含めて良好な状態のソルダーレジスト膜を形成できるので、ハンダを付着させる部分のみに正確にハンダを付着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るソルダーレジスト膜形成回路基板の一実施形態を示す断面図。
【図2】(A)〜(D)は本発明に係るソルダーレジスト膜形成回路基板の製造方法の一実施形態を工程順に示す断面図。
【図3】(A)〜(D)は本発明に係る製造方法の他の実施形態を工程順に示す断面図。
【図4】(A)〜(E)は本発明に係る製造方法のさらに他の実施形態を工程順に示す断面図。
【図5】回路導体の厚さが厚い回路基板にソルダーレジスト膜を形成した場合の問題点を示す断面図。
【符号の説明】
1:回路基板
2:絶縁基板
3:回路導体
3a:エッジ部
4:ソルダーレジスト膜
5:溝埋め剤
6:スクリーン印刷版
7:スキージ
8:エッチングレジスト膜
Claims (5)
- 絶縁基板の少なくとも片面に厚さ120μm以上の回路導体を所定のパターンに形成した回路基板の、前記回路導体間の溝を溝埋め剤で埋め、前記回路導体及び溝埋め剤の表面にソルダーレジスト膜を形成し、前記回路導体の厚さと前記回路導体間における溝埋め剤及びソルダーレジスト膜の合計厚さとの差を80μm以内としたことを特徴とするソルダーレジスト膜形成回路基板。
- 請求項1記載の回路基板であって、溝埋め剤が熱硬化性のソルダーレジストからなり、ソルダーレジスト膜が光硬化性又は熱硬化性のソルダーレジストからなることを特徴とするソルダーレジスト膜形成回路基板。
- 請求項1又は2記載の回路基板であって、溝埋め剤がエポキシ樹脂を15重量%以上含有していることを特徴とするソルダーレジスト膜形成回路基板。
- 絶縁基板の少なくとも片面に厚さ120μm以上の回路導体を所定のパターンに形成する工程と、回路導体間の溝を溝埋め剤で埋める工程と、前記回路導体及び溝埋め剤の表面にソルダーレジスト膜を形成する工程とを備え、これらの工程で、前記回路導体の厚さと前記回路導体間における溝埋め剤及びソルダーレジスト膜の合計厚さとの差が80μm以内となるようにし、前記回路導体間の溝を溝埋め剤で埋める工程では、前記溝に相当する部分に穴を形成したスクリーン印刷版を使用し、このスクリーン印刷版を回路導体上に載せ、スクリーン印刷版の穴を通して前記溝に溝埋め剤を埋めることを特徴とするソルダーレジスト膜形成回路基板の製造方法。
- 絶縁基板の少なくとも片面に厚さ120μm以上の回路導体を所定のパターンに形成する工程と、回路導体間の溝を溝埋め剤で埋める工程と、前記回路導体及び溝埋め剤の表面にソルダーレジスト膜を形成する工程とを備え、これらの工程で、前記回路導体の厚さと前記回路導体間における溝埋め剤及びソルダーレジスト膜の合計厚さとの差を80μm以内となるようにし、前記回路導体間の溝を溝埋め剤で埋める工程及びソルダーレジスト膜を形成する工程では、回路導体及び回路導体間の溝を覆うように溝埋め剤を塗布し、回路導体上に付着した溝埋め剤を除去し、残った溝埋め剤を加熱硬化させた後、表面を研磨して回路導体上に残存する溝埋め剤を取り除き、その後ソルダーレジストを塗布してソルダーレジスト膜を形成することを特徴とするソルダーレジスト膜形成回路基板の製造方法。
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