JPH11307934A - 多層プリント配線板及びその製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板及びその製造方法

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JPH11307934A
JPH11307934A JP11520998A JP11520998A JPH11307934A JP H11307934 A JPH11307934 A JP H11307934A JP 11520998 A JP11520998 A JP 11520998A JP 11520998 A JP11520998 A JP 11520998A JP H11307934 A JPH11307934 A JP H11307934A
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JP
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layer
printed wiring
plating
wiring board
multilayer printed
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JP11520998A
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English (en)
Inventor
Tokihito Suwa
時人 諏訪
Hitoshi Suzuki
斉 鈴木
Mineo Kawamoto
峰雄 川本
Haruo Akaboshi
晴夫 赤星
Masashi Miyazaki
政志 宮崎
Hiroshi Yukiyanagi
博司 幸柳
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリント回路の絶縁特性の信頼性を高め、狭
ピッチのプリント配線を行うことが可能な多層プリント
配線板及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 フルアディティブ法により接着剤となる
絶縁層2を介してメッキレジスト層3及び銅メッキ層4
を積層した多層プリント配線板において、接着剤となる
絶縁層2とメッキレジスト層3とを同一樹脂によって構
成し、かつ、銅メッキ層4に接触する接着剤となる絶縁
層2とメッキレジスト層3の表面を粗化面5、6に形成
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層プリント配線
板及びその製造方法に係わり、特に、フルアディティブ
法またはフルアディティブ法及びビルドアップ法を用
い、絶縁層を介してプリント回路を多層構成にした多層
プリント配線板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、プリント配線板は、プリント回
路を形成する際にエッチングを用いるサブトラクティブ
法が用いられていた。
【0003】近年になって、プリント配線板において
は、狭ピッチのプリント配線を行いたいとの要求が強く
なったことにより、サブトラクティブ法に代わって、プ
リント回路の形成精度に優れたフルアディティブ法が採
用されるようになってきた。
【0004】このフルアディティブ法は、通常、始めに
下層基材上に接着剤となる絶縁層を形成し、次に銅メッ
キ層の密着力を高めるために接着剤となる絶縁層の表面
を粗面化し、次いでパラジウム等のメッキ触媒を粗面化
した部分に付着し、続いてプリント配線を形成する部分
を除いた接着剤となる絶縁層の露出表面にメッキレジス
トを形成し、その後無電解銅メッキによってプリント回
路を形成するようにしているものである。
【0005】このフルアディティブ法を用いたプリント
配線板は、サブトラクティブ法を用いたプリント配線板
と比較して、プリント回路部分の断面形状が矩形になる
ことから、狭ピッチのプリント配線を行うのに適したも
のである。
【0006】しかしながら、このフルアディティブ法を
用いたプリント配線板においても、狭ピッチのプリント
配線を行いたいとの要求が強まると、メッキレジスト層
と接着剤となる絶縁層との界面に残留する触媒によっ
て、プリント回路間の絶縁抵抗を高くすることができ
ず、絶縁特性に対する高信頼性を得ることができなとい
う問題を有している。
【0007】このような問題点に対して、その解決を意
図したプリント配線板の製造方法が既に開発されてお
り、その一例として、特開平7−297520号公報や
特開平9−181422号公報等に開示のものがある。
【0008】ここで、特開平7−297520号公報に
開示されたプリント配線板の製造方法は、メッキレジス
ト層を形成した後で触媒を付着させ、メッキレジスト層
に付着した触媒を酸化剤に浸漬させて除去するようにし
ているものである。このため、メッキレジスト層と接着
剤となる絶縁層との界面には触媒が存在しないことにな
り、絶縁特性に対する高信頼性を確保することができる
ようになる。
【0009】また、特開平9−181422号公報に開
示されたプリント配線板の製造方法は、感光性レジスト
の上に感光性エッチングレジストを積層した2重構造の
メッキレジスト層を形成した後、接着剤となる絶縁層の
露出表面を粗面化し、この粗面化した部分及びメッキレ
ジスト層の露出表面にメッキ触媒を付着させ、その後に
メッキレジスト層の外層側の感光性エッチングレジスト
をメッキ触媒とともに剥離液で剥離するようにしている
ものである。このため、メッキレジスト層と接着剤とな
る絶縁層との界面にはメッキ触媒が存在しないことにな
り、絶縁特性に対する高信頼性を確保することができる
ようになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記特開平
7−297520号公報に開示されたプリント配線板の
製造方法は、メッキレジスト層に付着した触媒を酸化剤
に浸漬させて除去するものであることから、接着剤とな
る絶縁層の露出表面に付着されている触媒も一部が除去
されるようになり、接着剤となる絶縁層の表面に銅メッ
キが析出しない部分が生じる、即ち、銅メッキの付きム
ラ不良が発生し、その部分でプリント回路が断線状態に
なってしまうという問題を有している。
【0011】また、前記特開平9−181422号公報
に開示されたプリント配線板の製造方法は、メッキレジ
スト層が2層構造のものであるため、メッキレジスト層
を形成する際に、感光性エッチングレジストの厚さを含
む露光及び現像を行う必要があり、それによってプリン
ト回路形成時の解像度が低下し、狭ピッチのプリント配
線を行うときの障害になるだけでなく、感光性エッチン
グレジスト材料や剥離した感光性エッチングレジストに
対する廃棄物処理のためのコストや環境汚染対策のため
のコストが増えるという問題がある。
【0012】この場合、前記特開平9−181422号
公報に開示されたプリント配線板の製造方法は、高密度
プリント配線を行うことにより、プリント回路の配線幅
が細くなると、実装部品のランド面積が減少し、実装部
品への機械的な衝撃やリペア時のストレスによって実装
部品が脱落し易くなるという問題もある。
【0013】本発明は、これらの問題点を解決するため
になされたもので、その目的は、プリント回路の絶縁特
性の信頼性を高め、狭ピッチのプリント配線を行うこと
が可能な多層プリント配線板及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明による多層プリント配線板は、フルアディテ
ィブ法によって製造されるもので、接着剤からなる絶縁
層とメッキレジスト層とを同一樹脂によって構成し、か
つ、銅メッキ層に接触する絶縁層とメッキレジスト層の
表面を粗化面にした第1手段を具備する。
【0015】前記第1手段によれば、メッキレジスト層
と接着剤からなる絶縁層との界面にメッキ触媒が存在し
ない構成であるため、各プリント配線間の絶縁特性が良
好になり、接着剤からなる絶縁層とメッキレジスト層と
が同一樹脂で構成されるため、銅メッキ層と接着剤から
なる絶縁層及びメッキレジスト層との接触面が同様に粗
化され、銅メッキ層の接着力が高くなり、狭ピッチのプ
リント配線を行っても、十分なピール強度が得られる。
【0016】また、前記目的を達成するために、本発明
による多層プリント配線板の製造方法は、フルアディテ
ィブ法を用いるもので、接着剤となる絶縁層の形成工程
と、メッキレジスト層の形成工程と、接着剤となる絶縁
層及びメッキレジスト層を粗化面にする工程と、粗化面
への無電解メッキ触媒の付着工程と、メッキレジスト層
外層表面の無電解メッキ触媒の除去工程と、銅メッキ層
の形成工程からなる第2手段を具備する。
【0017】さらに、前記目的を達成するために、本発
明による多層プリント配線板の製造方法は、フルアディ
ティブ法及びビルドアップ法を用いるもので、下層銅メ
ッキ層の形成工程と、ビルドアップ層の形成工程と、ビ
ルドアップ層へのビアホール形成工程と、メッキレジス
ト層の形成工程と、ビルドアップ層、下層銅メッキ層及
びメッキレジスト層を粗化面にする工程と、粗化面への
無電解メッキ触媒の付着工程と、メッキレジスト層外層
表面の無電解メッキ触媒の除去工程と、銅メッキ層の形
成工程からなる第3手段を具備する。
【0018】前記第2及び第3手段によれば、メッキレ
ジスト層と接着剤となる絶縁層との界面にメッキ触媒を
介在させないで製造できるため、各プリント配線間の絶
縁特性が良好であり、しかも、接着剤となる絶縁層及び
メッキレジスト層と銅メッキ層との接触面を粗化面にし
ているので、銅メッキ層の接着力が高く、狭ピッチのプ
リント配線を行ったときでも、十分なピール強度を持つ
多層プリント配線板が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の1つの実施の形態におい
て、多層プリント配線板は、フルアディティブ法により
接着剤となる絶縁層を介してメッキレジスト層及び銅メ
ッキ層を積層したものであって、絶縁層とメッキレジス
ト層とを同一樹脂によって構成し、かつ、銅メッキ層に
接触する絶縁層とメッキレジスト層の表面を粗化面にし
ているものである。
【0020】本発明の1つの実施の形態の他のものにお
いて、多層プリント配線板は、接着剤となる絶縁層がビ
ルドアップ法により積層されたビルドアップ層であっ
て、ビルドアップ層に設けたホールを通して銅メッキ層
が下層の銅メッキ層に結合されているものである。
【0021】本発明の他の実施の形態において、多層プ
リント配線板の製造方法は、フルアディティブ法によっ
て多層プリント配線板を製造するものであって、接着剤
となる絶縁層を形成する第1工程と、メッキレジスト層
を形成する第2工程と、絶縁層及びメッキレジスト層の
露出表面を粗化面とする第3工程と、粗化面に無電解メ
ッキ触媒を付着させる第4工程と、メッキレジスト層の
外層表面を研磨し、外層表面に付着している無電解メッ
キ触媒を除去する第5工程と、外層表面を除いた無電解
メッキ触媒の付着面に無電界銅メッキ液を用いて銅メッ
キ層を形成する第6工程を経て多層プリント配線板が製
造されるものである。
【0022】本発明のさらに他の実施の形態において、
多層プリント配線板の製造方法は、フルアディティブ法
及びビルドアップ法によって多層プリント配線板を製造
するものであって、下層銅メッキ層を形成する第1工程
と、絶縁層からなるビルドアップ層を形成する第2工程
と、ビルドアップ層にレーザー照射を行い、ビアホール
を形成する第3工程と、感光性樹脂を用いてメッキレジ
ストを塗布し、その後にマスクを用いてメッキレジスト
を露光してメッキレジスト層を形成する第4工程と、ビ
ルドアップ層、下層銅メッキ層及びメッキレジスト層の
各露出表面を粗化面とする第5工程と、粗化面に無電解
メッキ触媒を付着させる第6工程と、メッキレジスト層
の外層表面を研磨し、外層表面に付着している無電解メ
ッキ触媒を除去する第7工程と、外層表面を除いた無電
解メッキ触媒の付着面に無電界銅メッキ液を用いて銅メ
ッキ層を形成する第8工程を経て多層プリント配線板が
製造されるものである。
【0023】本発明の1つの実施の形態によれば、フル
アディティブ法またはフルアディティブ法及びビルドア
ップ法によって多層プリント配線板を製造する多層プリ
ント配線板において、メッキレジスト層と接着剤からな
る絶縁層(ビルドアップ層)との界面にメッキ触媒を介
在させない構成にし、しかも、接着剤からなる絶縁層
(ビルドアップ層)とメッキレジスト層とを同一樹脂で
構成するようにしているので、各プリント配線間の電気
的絶縁特性が極めて良好になるとともに、接着剤からな
る絶縁層(ビルドアップ層)及びメッキレジスト層と銅
メッキ層との接触面を粗化する際に、同じように粗化さ
れるようになり、接着剤からなる絶縁層(ビルドアップ
層)及びメッキレジスト層への銅メッキ層の接着力が高
くなり、狭ピッチのプリント配線を行ったとしても、十
分なピール強度を持った多層プリント配線板を得ること
ができる。
【0024】本発明の他の実施の形態及び本発明のさら
に他の実施の形態によれば、フルアディティブ法または
フルアディティブ法及びビルドアップ法によって多層プ
リント配線板を製造する多層プリント配線板の製造方法
において、メッキレジスト層と接着剤となる絶縁層(ビ
ルドアップ層)との界面部分にメッキ触媒を介在させな
い状態で製造するものであり、しかも、接着剤となる絶
縁(ビルドアップ層)層及びメッキレジスト層と銅メッ
キ層との接触面を粗化によって粗化面にしているので、
得られた多層プリント配線板における各プリント配線間
の絶縁特性が良好なものになり、かつ、銅メッキ層の接
着力が高くなって、狭ピッチのプリント配線が行われた
ときであっても、十分なピール強度を有する多層プリン
ト配線板を製造することが可能になる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0026】図1は、本発明による多層プリント配線板
の第1実施例の構成を示す断面図であって、図中、大き
い丸で囲んだ部分は小さい丸で囲んだ部分の拡大図を示
すものであり、フルアディティブ法によって多層プリン
ト配線板が製造される例を示すものである。
【0027】図1において、1は積層板、2は接着剤か
らなる絶縁層、3はメッキレジスト層、4は銅メッキ
層、5はメッキレジスト層3の粗化面、6は銅メッキ層
4の粗化面、7は接着剤からなる絶縁層2とメッキレジ
スト層3との界面である。この場合、接着剤からなる絶
縁層2とメッキレジスト層3は、同一樹脂によって構成
されている。
【0028】積層板1は、その一方の主表面及び他方の
主表面にそれぞれ接着剤からなる絶縁層2が形成されて
いる。接着剤からなる絶縁層2は、積層板1側の面と反
対側の面上に、メッキレジスト層3と銅メッキ層4が交
互に配置形成されている。接着剤からなる絶縁層2にお
ける銅メッキ層4と接する面及びメッキレジスト層3に
おける銅メッキ層4と接する面は、いずれも、粗化面5
及び粗化面6に形成されている。
【0029】前記構成を備えた多層プリント配線板によ
れば、接着剤からなる絶縁層2とメッキレジスト層3
は、同一樹脂によって構成されているので、接着剤から
なる絶縁層2における銅メッキ層4と接する面、及び、
メッキレジスト層3における銅メッキ層4と接する面を
それぞれ粗化する際に、同様の粗化状態となった粗化面
5及び粗化面6を形成することが可能になり、接着剤か
らなる絶縁層2と銅メッキ層4との間及びメッキレジス
ト層3と銅メッキ層4との間を同様の接合強度で接着さ
せることができ、銅メッキ層4の結合強度が増大する。
【0030】また、前記構成を備えた多層プリント配線
板によれば、接着剤からなる絶縁層2とメッキレジスト
層3との間にメッキ触媒が介在しない構成になっている
ため、各プリント配線間の電気的絶縁特性が良好にな
り、高い信頼性を持つ多層プリント配線板が得られる。
【0031】次に、図2は、本発明による多層プリント
配線板の第2実施例の構成を示す断面図であって、図
中、大きい丸で囲んだ部分は小さい丸で囲んだ部分の拡
大図を示すものであり、ビルドアップ法及びフルアディ
ティブ法によって多層プリント配線板が製造される例を
示すものである。
【0032】なお、図2においては、多層プリント配線
板の片面部分だけを示したもので、現実には、積層板1
の他側に図2に図示される構成部分が配置されているも
のである。
【0033】図2において、8は下側銅メッキ層、9は
ビアホールであり、その他、図1に示された構成要素同
じ構成要素については同じ符号を付けている。
【0034】なお、図2においては、第1実施例におけ
る接着剤となる絶縁層2を接着剤となるビルドアップ層
2と呼ぶが、接着剤となる絶縁層2と接着剤となるビル
ドアップ層2とは実質的に同じものである。
【0035】下側銅メッキ層8は、接着剤からなるビル
ドアップ層2とともに積層板1の主表面に形成されてい
る。この場合、接着剤からなるビルドアップ層2は、1
つの下側銅メッキ層8に連通するビアホール9が形成さ
れており、ビアホール9の形成位置にある銅メッキ層4
は、接着剤からなるビルドアップ層2の表面からビアホ
ール9を通して下側銅メッキ層8にまで達するように形
成配置されている。
【0036】前記構成を備えた多層プリント配線板によ
れば、第1実施例の多層プリント配線板と同様に、接着
剤からなるビルドアップ層2とメッキレジスト層3は、
同一樹脂によって構成されているので、接着剤からなる
ビルドアップ層2における銅メッキ層4と接する面、及
び、メッキレジスト層3における銅メッキ層4と接する
面をそれぞれ粗化する際に、同様の粗化状態となった粗
化面5及び粗化面6を形成することが可能になり、接着
剤からなるビルドアップ層2と銅メッキ層4との間及び
メッキレジスト層3と銅メッキ層4との間を同様の接合
強度で接着させることができ、銅メッキ層4の結合強度
が増大する。
【0037】また、前記構成を備えた多層プリント配線
板によれば、第1実施例の多層プリント配線板と同様
に、接着剤からなるビルドアップ層2とメッキレジスト
層3との間にメッキ触媒が介在しない構成になっている
ため、各プリント配線間の電気的絶縁特性が良好にな
り、高い信頼性を持つ多層プリント配線板が得られる。
【0038】次いで、図3(a)乃至(f)は、本発明
による多層プリント配線板の製造方法の第1実施例の製
造プロセスを示す断面図であって、フルアディティブ法
により多層プリント配線板を製造する例を示すものであ
る。
【0039】図3(a)乃至(f)において、図1に示
された構成要素と同じ構成要素については同じ符号を付
けている。
【0040】図3(a)乃至(f)を用い、フルアディ
ティブ法による第1実施例の多層プリント配線板の製造
プロセスについて説明すると、次のとおりである。
【0041】始めに、図3(a)に示されるように、所
要の大きさに切断した積層板1にアディティブ用接着剤
フィルムをオートカットラミネータでラミネートし、こ
のフィルムにメタルハライドランプを用いて1.5J/
cm2 の強度の紫外線を照射し、その後に、PETフィ
ルムを剥離し、温度150℃に設定した乾燥炉内で60
分間硬化させ、接着剤からなる絶縁層2を形成する(第
1工程)。
【0042】次に、図3(b)に示されるように、接着
剤からなる絶縁層2上に、メッキレジストをオートカッ
トラミネータでラミネートし、メッキレジスト層3を全
面に形成する(第2工程)。
【0043】次いで、図3(c)に示されるように、メ
ッキレジスト層3上にマスク(図示なし)を配置し、超
高圧水銀灯を用いて250mJ/cm2 の強度の紫外線
を照射し、その後に、PETフィルムを剥離し、メッキ
レジスト層3を40℃の温度の現像液(ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル200g/l、ほう砂8g/
l)を1.2kgf/cm2 の圧力にして90秒間スプ
レー処理し、その後に、水洗し、温度150℃に設定し
た乾燥炉内で60分間硬化させ、所要形状のメッキレジ
スト層3を形成する(第3工程)。
【0044】続いて、図3(d)に示されるように、8
0℃の過マンガン酸水溶液(過マンガン酸60g/l)
によって、5分間にわたって露出表面を粗化し、水洗し
た後で、40℃の温度の中和液(硫酸ヒドロキシルアミ
ン30g/l)で5分間処理し、粗化面5、6を形成す
る。さらに、粗化面5、6を水洗し、無電解メッキ触媒
液で5分間処理し、水洗した後、活性化液で5分間処理
し、水洗及び乾燥し、無電解メッキ触媒を付着させた粗
化面5、6を形成する(第4工程)。
【0045】次に、図3(e)に示されるように、無電
解メッキ触媒が付着しているメッキレジスト層3の外層
表面をバフロール研摩し、水洗及び乾燥して、無電解メ
ッキ触媒を除去したメッキレジスト層3の外層表面を形
成する(第5工程)。
【0046】次いで、図3(f)に示されるように、露
出表面を、70℃の温度、pH12.5の無電解銅メッ
キ液(硫酸銅5水和物10g/l、EDTA40g/
l、ポリエチレングリコール20g/l、ホルマリン2
ml/l)に浸漬させ、12時間かけて銅メッキを行
い、その後に、水洗し、温度170℃に設定した乾燥炉
内で40分間銅メッキ部分を硬化させ、厚さ約20μm
の銅メッキ層4を形成する(第6工程)。
【0047】このようなフルアディティブ法を用いた多
層プリント配線板の製造方法によれば、接着剤からなる
絶縁層2とメッキレジスト層3との界面にメッキ触媒を
介在させない状態で多層プリント配線板を形成すること
ができることから、プリント配線間の電気的絶縁特性が
良好になり、銅メッキ層4と接着剤からなる絶縁層2及
び銅メッキ層4とメッキレジスト層3との接着力がそれ
ぞれ高く、狭ピッチのプリント配線を行った場合でも、
十分なピール強度を持った多層プリント配線板を得るこ
とができる。
【0048】続いて、下記の表1は、多層プリント配線
板の製造方法の第2実施例の製造工程で用いられる感光
性樹脂A及び他の製造工程で用いられる熱硬化性樹脂B
の各組成の一例を示すものである。
【0049】
【表1】
【0050】本発明による多層プリント配線板の製造方
法の第2実施例は、多層プリント配線板の製造方法の第
1実施例の前記第1工程に代わり、積層板1上に、感光
性樹脂Aを15本/cmのステンレススクリーンを用い
て印刷塗布し、温度80℃に設定した乾燥炉内で30分
間乾燥させ、厚さが約50μmの接着剤となる絶縁層2
を形成し、この接着剤となる絶縁層2に超高圧水銀ラン
プで700mJ/cm2 の強度の紫外線を照射して露光
し、その後で、温度150℃に設定した乾燥炉内で30
分間硬化させる第1工程を用いており、また、前記多層
プリント配線板の製造方法の第1実施例の第2工程に代
わり、同じく積層板1上に、感光性樹脂Aを24本/c
mのステンレススクリーンを用いて印刷塗布し、温度8
0℃に設定した乾燥炉内で30分間乾燥させ、厚さが約
25μmのメッキレジスト3を形成する第2工程を用い
ているもので、第2工程以後の第3工程乃至第6工程
は、多層プリント配線板の製造方法の第1実施例の前記
第3工程乃至第6工程と同じものである。
【0051】このようなフルアディティブ法を用いた多
層プリント配線板の製造方法の第2実施例によれば、前
記多層プリント配線板の製造方法の第1実施例で得られ
る効果と同じ効果が期待できる他に、接着剤となる絶縁
層2とメッキレジスト層3とを同じ感光性樹脂Aによっ
て構成するようにしたので、粗化面5及び粗化面6の形
成時に、同じ粗化プロセスを用いて同じ粗化状態の粗化
面5及び粗化面6を得ることができ、銅メッキ層4と接
着剤からなる絶縁層2及び銅メッキ層4とメッキレジス
ト層3との接着力をより強力なものにすることができ
る。
【0052】続く、図4(a)乃至(h)は、本発明に
よる多層プリント配線板の製造方法の第3実施例の製造
工程を示す断面図であり、ビルドアップ法及びフルアデ
ィティブ法により多層プリント配線板を製造する例を示
すものである。
【0053】図4(a)乃至(h)において、10はメ
タルマスク、11はフィルムマスクであり、その他、図
2に示された構成要素と同じ構成要素については同じ符
号を付けている。
【0054】図4(a)乃至(h)及び表1を用い、第
3実施例のビルドアップ法及びフルアディティブ法によ
る多層プリント配線板の製造プロセスについて説明す
る。
【0055】始めに、図4(a)に示されるように、所
要の大きさに切断した積層板1上に下側銅メッキ層8を
形成し、この下側銅メッキ層8の表面に黒化還元膜を形
成する(第1工程)。
【0056】次に、図4(a)に示されるように、表1
に示された熱硬化性樹脂Bを15本/cmのステンレス
メッシュスクリーンを用いて印刷塗布し、温度170℃
に設定した乾燥炉内で90分間にわたって硬化させ、厚
さ約50μmの接着剤となるビルドアップ層2を形成す
る(第2工程)。
【0057】次いで、図4(b)に示されるように、接
着剤となるビルドアップ層2上にメタルマスク10を配
置し、メタルマスク10を介して接着剤となるビルドア
ップ層2にエキシマレーザーから出力されるレーザーパ
ルスを照射し、ビアホール9を形成する(第3工程)。
【0058】続いて、図4(c)に示されるように、表
1に示された感光性樹脂Aを24本/cmのステンレス
スクリーン11を用いて印刷塗布し、温度80℃に設定
した乾燥炉内で30分間にわたって乾燥させ、厚さ約2
5μmのメッキレジスト層3を形成する(第4工程)。
【0059】次に、図4(d)に示されるように、フィ
ルムマスク11をメッキレジスト層3の表面に密着さ
せ、フィルムマスク11を介してメッキレジスト層3に
超高圧水銀ランプから出力された700mJ/cm2
強度の紫外線を照射して露光する(第5工程)。
【0060】次いで、図4(e)に示されるように、温
度40℃の現像液(炭酸ナトリウム;10g/l)に
1.8kgf/cm2 の圧力を加え、2分間にわたるス
プレー処理を行った後で、水洗し、温度150℃に設定
した乾燥炉内で30分間にわたって硬化させ、メッキレ
ジスト層3を形成する(第6工程)。
【0061】続いて、図4(f)に示されるように、露
出表面を、温度80℃の過マンガン酸水溶液(過マンガ
ン酸60g/l)で5分間にわたって粗化処理を行い、
その後に水洗し、温度40℃の中和液(硫酸ヒドロキシ
ルアミン30g/l)で5分間処理する。さらに、水洗
し、その後に、無電解メッキ触媒液で5分間にわたる処
理を行い、水洗した後で、活性化液で5分間にわたる処
理を行い、水洗し、乾燥して、無電解メッキ触媒が付着
した粗化面5、6を形成させる(第7工程)。
【0062】次に、図4(g)に示されるように、無電
解メッキ触媒を付着させたメッキレジスト層3の外層表
面をバフロール研摩し、水洗及び乾燥して、無電解メッ
キ触媒が除去されたメッキレジスト層3の外層表面を形
成する(第8工程)。
【0063】次いで、温度38℃のフラッシュ銅メッキ
液で30分間にわたる処理を行い、厚さが約0.5μm
のメッキ膜を形成し、水洗し、乾燥する。それに続い
て、温度70℃、pH12.5の無電解銅メッキ液(硫
酸銅5水和物10g/l、EDTA40g/l、ポリエ
チレングリコール20g/l、ホルマリン2ml/l)
に浸漬し、12時間にわたって銅メッキを行い、水洗し
た後で、温度170℃に設定した乾燥炉内で40分間に
わたって硬化させ、厚さ約20μmの銅メッキ層4を形
成する(第9工程)。
【0064】このようなビルドアップ法及びフルアディ
ティブ法を用いた多層プリント配線板の製造方法によれ
ば、接着剤となるビルドアップ層2とメッキレジスト層
3との界面にメッキ触媒を介在させない状態で多層プリ
ント配線板を形成することができることから、プリント
配線間の電気的絶縁特性が良好になり、銅メッキ層4と
接着剤となるビルドアップ層2及び銅メッキ層4とメッ
キレジスト層3との接着力がそれぞれ高く、狭ピッチの
プリント配線を行った場合でも、十分なピール強度を持
った多層プリント配線板を得ることができる。
【0065】続く、図5(a)乃至(d)は、本発明に
よる多層プリント配線板の製造方法の第4実施例の製造
工程を示す断面図であり、ビルドアップ法及びフルアデ
ィティブ法により多層プリント配線板を製造する例を示
すものである。
【0066】図5(a)乃至(d)において、図4
(a)乃至(h)に示された構成要素と同じ構成要素に
ついては同じ符号を付けている。
【0067】図5(a)乃至(d)及び表1を用い、第
4実施例のビルドアップ法及びフルアディティブ法によ
る多層プリント配線板の製造プロセスについて説明す
る。
【0068】始めに、図5(a)に示されるように、所
要の大きさに切断した積層板1上に下側銅メッキ層8を
形成し、この下側銅メッキ層8の表面に黒化還元膜を形
成する(第1工程)。
【0069】次に、図5(a)に示されるように、表1
に示された感光性樹脂Aを15本/cmのステンレスメ
ッシュスクリーンを用いて印刷塗布し、温度80℃に設
定した乾燥炉内で30分間にわたって乾燥させ、厚さ約
50μmの接着剤となるビルドアップ層2を形成する
(第2工程)。
【0070】次いで、図5(b)に示されるように、接
着剤となるビルドアップ層2上にフィルムマスク11を
密着し、フィルムマスク11を介して接着剤となるビル
ドアップ層2に超高圧水銀ランプから出力された700
mJ/cm2 の強度の紫外線を照射し、ビアホール9以
外の接着剤となるビルドアップ層2を露光する(第3工
程)。
【0071】続いて、図5(c)に示されるように、表
1に示された感光性樹脂Aを24本/cmのステンレス
スクリーン10を用いて印刷塗布し、温度80℃に設定
した乾燥炉内で30分間にわたって乾燥させ、厚さ約2
5μmのメッキレジスト層3を形成する(第4工程)。
【0072】次に、図5(d)に示されるように、フィ
ルムマスク11をメッキレジスト層3の表面に密着さ
せ、フィルムマスク11を介してメッキレジスト層3に
超高圧水銀ランプから出力された700mJ/cm2
強度の紫外線を照射し、メッキレジスト層3を露光する
(第5工程)。
【0073】第5工程以降の各工程は、図4(e)乃至
(h)に図示した第3実施例の対応する各工程と同じで
ある。
【0074】このようなビルドアップ法及びフルアディ
ティブ法を用いた多層プリント配線板の製造方法によっ
ても、接着剤となるビルドアップ層2とメッキレジスト
層3との界面にメッキ触媒を介在させない状態で多層プ
リント配線板を形成することができることから、プリン
ト配線間の電気的絶縁特性が良好になり、銅メッキ層4
と接着剤となるビルドアップ層2及び銅メッキ層4とメ
ッキレジスト層3との接着力がそれぞれ高く、狭ピッチ
のプリント配線を行った場合でも、十分なピール強度を
持った多層プリント配線板を得ることができる。
【0075】次に、本発明による多層プリント配線板の
製造方法の各実施例と対比するために、以下に示すよう
な多層プリント配線板の製造方法の第1及び第2比較例
を設定した。
【0076】まず、第1比較例は、一般的なフルアディ
ティブ法によって多層プリント配線板を製造する方法に
関するものである。
【0077】始めに、所要の大きさに裁断した積層板に
アディティブ用接着剤フィルムをオートカットラミネー
タでラミネートし、ラミネートした上にメタルハライド
ランプを用いて1.5J/cm2 の強度の紫外線を照射
し、その後で、PETフィルムを剥離し、温度150℃
に設定した乾燥炉内で60分間にわたって硬化し、接着
剤となる絶縁層を形成する。
【0078】次に、温度80℃の過マンガン酸水溶液
(過マンガン酸60g/l)で5分間にわたって粗化処
理を行い、水洗した後で、温度40℃の中和液(硫酸ヒ
ドロキシルアミン30g/l)で5分間にわたる処理を
行った。さらに、水洗し、無電解メッキ触媒液で5分間
にわたる処理を行い、水洗した後で、活性化液で5分間
にわたる処理を行い、水洗し、乾燥して、無電解メッキ
触媒を付着させた粗化面を形成する。
【0079】続いて、メッキレジストをオートカットラ
ミネータでラミネートしてメッキレジスト層を形成し、
メッキレジスト層上にフィルムマスクを密着させ、フィ
ルムマスク上から超高圧水銀灯を用いて250mJ/c
2 の強度の紫外線を照射し、その後に、PETフィル
ムを剥離し、温度40℃の現像液(ジエチレングリコー
ルモノブチルエーテル200g/l、ほう砂8g/l)
を1.2kgf/cm2 の圧力で90秒間にわたってス
プレー処理し、水洗し、温度150℃に設定した乾燥炉
内で60分間にわたって硬化させる。
【0080】次に、露出表面を、温度70℃、pH1
2.5の無電解銅メッキ液(硫酸銅5水和物10g/
l、EDTA40g/l、ポリエチレングリコール20
g/l、ホルマリン2ml/l)に浸漬し、銅メッキを
行い、水洗した後で、温度170℃に設定した乾燥炉内
で40分間にわたって硬化させ、厚さ約25μmの銅メ
ッキ層を形成する。
【0081】次に、第2比較例2は、一般的なビルドア
ップ法及びフルアディティブ法によって多層プリント配
線板を製造する方法に関するものである。
【0082】始めに、所定の大きさに裁断した積層板上
にエッチングによって下層銅メッキ層を形成し、黒化還
元処理を行って、下層銅メッキ層の表面に黒化還元膜を
形成する。その後に、表1に示されている熱硬化性樹脂
Bを15本/cmのステンレスメッシュスクリーンを用
いて印刷塗布し、温度170℃に設定した乾燥炉内で9
0分間にわたって硬化させ、厚さ約50μmのビルドア
ップ層を形成する。
【0083】次に、ビルドアップ層上にメタルマスクを
密着し、メタルマスク上からエキシマレーザーから出力
されたレーザーパルスを照射し、ビルドアップ層にビア
ホールを形成し、その後で、温度80℃の過マンガン酸
水溶液(過マンガン酸60g/l)で5分間にわたり粗
化処理を行い、水洗し、温度40℃の中和液(硫酸ヒド
ロキシルアミン30g/l)で5分間にわたる処理を行
った。さらに、水洗し、無電解メッキ触媒液で5分間に
わたる処理を行い、水洗した後で、活性化液で5分間に
わたる処理を行い、その後、水洗し、乾燥して、無電解
メッキ触媒を付着させた粗化面を形成させる。
【0084】次に、メッキレジストをオートカットラミ
ネータでラミネートし、メッキレジスト層を形成し、メ
ッキレジスト層上にフィルムマスクを密着させ、フィル
ムマスク上に超高圧水銀灯を用いて250mJ/cm2
の強度の紫外線を照射し、その後で、PETフィルムを
剥離し、温度40℃の現像液(ジエチレングリコールモ
ノブチルエーテル200g/l、ほう砂8g/l)を
1.2kgf/cm2 の圧力で90秒間にわたるスプレ
ー処理を行い、水洗し、温度150℃に設定した乾燥炉
内で60分間にわたって硬化させる。
【0085】続いて、温度70℃、pH12.5の無電
解銅メッキ液(硫酸銅5水和物10g/l、EDTA4
0g/l、ポリエチレングリコール20g/l、ホルマ
リン2ml/l)に浸漬し、銅メッキを行い、水洗し、
温度170℃に設定した乾燥炉内で40分間にわたって
硬化させ、厚さ約25μmの銅メッキ層を形成した。
【0086】本発明による多層プリント配線板の製造方
法の第1乃至第4実施例、多層プリント配線板の製造方
法の第1乃至第2比較例によって製造する多層プリント
配線板には、それぞれ、プリント配線の幅及び間隙を、
10μm刻みにして、20μm〜50μm、25μm刻
みにして、75μm〜150μmのくし型プリント配線
パターンを形成している。そして、得られたこれらのく
し型プリント配線パターンについて、絶縁抵抗計(DC
10V印加)を用いて絶縁抵抗を測定したところ次のよ
うな結果が得られた。
【0087】図6は、プリント配線の幅及び間隙と絶縁
抵抗との関係を示す特性図である。また、図7は、プリ
ント配線の幅及び間隙とメッキ密着力との関係を示す特
性図であり、図7に示されているメッキ密着力は、引張
り試験機の測定によって得られたものである。
【0088】まず、図6の特性図からわかるように、第
1実施例乃至第4実施例の製造方法で製造された多層プ
リント配線板(図6においては、実施例1乃至実施例4
として示している)及び第1比較例乃至第2比較例(図
6においては、比較例1及び比較例2として示してい
る)の製造方法で製造された多層プリント配線板は、い
ずれのものも、プリント配線の幅及び間隙が150μm
のとき、絶縁抵抗が1013Ω程度ある。そして、第1実
施例乃至第4実施例の製造方法で製造された多層プリン
ト配線板は、メッキレジスト層と接着剤となる絶縁層
(ビルドアップ層)との界面にメッキ触媒が介在してい
ないため、プリント配線の幅及び間隙が20μmまで狭
くなったとしても、絶縁抵抗が1012Ω以上もあるのに
対し、第1比較例乃至第2比較例は、メッキレジスト層
と接着剤となる絶縁層(ビルドアップ層)との界面にメ
ッキ触媒が介在しているので、プリント配線の幅及び間
隙が75μmになると、絶縁抵抗が1012Ω程度にな
り、プリント配線の幅及び間隙が50μm以下になる
と、絶縁抵抗が1011Ω以下に低下するようになる。
【0089】また、図7の特性図からわかるように、第
1実施例乃至第4実施例の製造方法で製造された多層プ
リント配線板(図7においては、実施例1乃至実施例4
として示している)は、メッキレジスト層と銅メッキ層
との接触面が粗化されているので、銅メッキ層の密着力
の絶対値が大きく、その上に、プリント配線の幅及び間
隙が狭くなるにつれて、銅メッキ層の密着力が増大す
る。これに対し、第1比較例乃至第2比較例の製造方法
で製造された多層プリント配線板(図7においては、比
較例1及び比較例2として示している)は、メッキレジ
スト層と銅メッキ層との接触面が粗化されていないた
め、銅メッキ層の密着力の絶対値が大きくなく、プリン
ト配線の幅及び間隙回路幅が狭くなっても、銅メッキ層
の密着力に変化がない。
【0090】これらの特性の比較から、第1実施例乃至
第4実施例の製造方法で製造された多層プリント配線板
は、第1比較例乃至第2比較例の製造方法で製造された
多層プリント配線板に比べて、プリント配線の幅及び間
隙に係りなく、絶縁抵抗が高いものであり、しかも、銅
メッキ層の密着力も大きいものである。
【0091】
【発明の効果】以上のように、本発明による多層プリン
ト配線板によれば、メッキレジスト層と接着剤からなる
絶縁層(ビルドアップ層)との界面にメッキ触媒が存在
しない構成であるため、各プリント配線間の絶縁特性が
良好になり、しかも、接着剤からなる絶縁層(ビルドア
ップ層)とメッキレジスト層とが同一樹脂で構成されて
いるため、銅メッキ層と接着剤からなる絶縁層との接触
面及び銅メッキ層とメッキレジスト層との接触面が同じ
ように粗化され、銅メッキ層の接着力が高くなって、狭
ピッチのプリント配線を行っても、十分なピール強度が
得られるという効果がある。
【0092】また、本発明による多層プリント配線板の
製造方法によれば、メッキレジスト層と接着剤となる絶
縁層(ビルドアップ層)との界面部分にメッキ触媒を介
在させない状態で製造するものであり、しかも、接着剤
となる絶縁(ビルドアップ層)層及びメッキレジスト層
と銅メッキ層との接触面を粗化によって粗化面にしてい
るので、得られた多層プリント配線板における各プリン
ト配線間の絶縁特性が良好なものになり、かつ、銅メッ
キ層の接着力が高くなって、狭ピッチのプリント配線が
行われたときであっても、十分なピール強度を有する多
層プリント配線板を製造することが可能になるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による多層プリント配線板の第1実施例
の構成を示す断面図である。
【図2】本発明による多層プリント配線板の第2実施例
の構成を示す断面図である。
【図3】本発明による多層プリント配線板の製造方法の
第1実施例の製造工程を示す断面図である。
【図4】本発明による多層プリント配線板の製造方法の
第3実施例の製造工程を示す断面図である。
【図5】本発明による多層プリント配線板の製造方法の
第4実施例の製造工程を示す断面図である。
【図6】プリント配線の幅及び間隙と絶縁抵抗との関係
を示す特性図である。
【図7】プリント配線の幅及び間隙とメッキ密着力との
関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 積層板 2 接着剤からなる絶縁層またはビルドアップ層 3 メッキレジスト層 4 銅メッキ層 5 メッキレジスト層の粗化面 6 銅メッキ層の粗化面 7 接着剤からなる絶縁層(ビルドアップ層)とメッキ
レジスト層との界面 8 下側銅メッキ層 9 ビアホール 10 メタルマスク 11 フィルムマスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤星 晴夫 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 宮崎 政志 神奈川県秦野市堀山下1番地 株式会社日 立製作所汎用コンピュータ事業部内 (72)発明者 幸柳 博司 神奈川県秦野市堀山下1番地 株式会社日 立製作所汎用コンピュータ事業部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フルアディティブ法により接着剤となる
    絶縁層を介してメッキレジスト層及び銅メッキ層を積層
    した多層プリント配線板において、前記絶縁層と前記メ
    ッキレジスト層とを同一樹脂によって構成し、かつ、前
    記銅メッキ層に接触する前記絶縁層と前記メッキレジス
    ト層の表面を粗化面にしていることを特徴とする多層プ
    リント配線板。
  2. 【請求項2】 前記接着剤となる絶縁層は、ビルドアッ
    プ法により積層されたビルドアップ層であって、前記ビ
    ルドアップ層に設けたホールを通して前記銅メッキ層が
    下層の銅メッキ層に結合されていることを特徴とする請
    求項1に記載の多層プリント配線板。
  3. 【請求項3】 フルアディティブ法によって多層プリン
    ト配線板を製造する製造方法であって、接着剤となる絶
    縁層を形成する第1工程と、メッキレジスト層を形成す
    る第2工程と、前記絶縁層及び前記メッキレジスト層の
    露出表面を粗化面とする第3工程と、前記粗化面に無電
    解メッキ触媒を付着させる第4工程と、前記メッキレジ
    スト層の外層表面を研磨し、前記外層表面に付着してい
    る前記無電解メッキ触媒を除去する第5工程と、前記外
    層表面を除いた前記無電解メッキ触媒の付着面に無電界
    銅メッキ液を用いて銅メッキ層を形成する第6工程を経
    て多層プリント配線板が製造されることを特徴とする多
    層プリント配線板の製造方法。
  4. 【請求項4】 フルアディティブ法及びビルドアップ法
    によって多層プリント配線板を製造する多層プリント配
    線板の製造方法であって、下層銅メッキ層を形成する第
    1工程と、絶縁層からなるビルドアップ層を形成する第
    2工程と、前記ビルドアップ層にレーザー照射を行い、
    ビアホールを形成する第3工程と、感光性樹脂を用いて
    メッキレジストを塗布し、その後にマスクを用いて前記
    メッキレジストを露光してメッキレジスト層を形成する
    第4工程と、前記ビルドアップ層、前記下層銅メッキ層
    及び前記メッキレジスト層の各露出表面を粗化面とする
    第5工程と、前記粗化面に無電解メッキ触媒を付着させ
    る第6工程と、前記メッキレジスト層の外層表面を研磨
    し、前記外層表面に付着している前記無電解メッキ触媒
    を除去する第7工程と、前記外層表面を除いた前記無電
    解メッキ触媒の付着面に無電界銅メッキ液を用いて銅メ
    ッキ層を形成する第8工程を経て多層プリント配線板が
    製造されることを特徴とする多層プリント配線板の製造
    方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001284824A (ja) * 2000-04-04 2001-10-12 Ibiden Co Ltd プリント配線板の製造方法
JP2009302081A (ja) * 2008-06-10 2009-12-24 Sulfur Chemical Institute Inc 成形回路部品の製造方法
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