JPH1121357A - メタクリル樹脂組成物のマスターバッチペレットの押出方法及び該樹脂を用いた導光板 - Google Patents

メタクリル樹脂組成物のマスターバッチペレットの押出方法及び該樹脂を用いた導光板

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JPH1121357A
JPH1121357A JP12339298A JP12339298A JPH1121357A JP H1121357 A JPH1121357 A JP H1121357A JP 12339298 A JP12339298 A JP 12339298A JP 12339298 A JP12339298 A JP 12339298A JP H1121357 A JPH1121357 A JP H1121357A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色調が優れかつ高輝度の導光板に適した微
小異物の少ない光散乱性メタクリル樹脂組成物のMBペ
レットを得る。 【解決手段】 メタクリル樹脂100重量部に、メタク
リル樹脂又はそのモノマーに対する親和性を有する有機
基が珪素原子に直結したポリシロキサン結合をなす固体
状の架橋性シリコーン樹脂からなる数平均粒子径0.3
〜10μmの真球状粒子を0.001〜0.1重量部、
0.3μm以上0.5μm未満の大きさの微小異物が1
CF(Cubic Feet)当たり10万個以下、
0.5μm以上の微小異物が1CF当たり2万個以下の
環境内にある押出造粒工程にて、乾燥窒素を押出機のホ
ッパー内に送入しながら溶融混合分散させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光拡散性メタクリ
ル樹脂組成物のマスターバッチ(MB)ペレットの製造
方法に関するものである。本方法によって得られるMB
ペレットで作製した光散乱性導光板を用いて色調が優れ
高輝度な面照明装置を得ることができる。面照明装置
は、ワードプロセッサやパーソナルコンピュータ等のO
A(オフィスオートメーション)機器、或いは画像信号
の各種モニターなどの液晶表示装置等の光源(バックラ
イト等)として利用される。
【0002】
【従来の技術】従来より、メタクリル樹脂中に架橋性シ
リコーン樹脂からなる真球状粒子を分散させた光拡散性
メタクリル樹脂組成物は、該粒子の散乱効果を利用して
照明用カバー等に使用されている。また最近では、この
散乱効果を利用して該樹脂組成物を液晶表示装置等に用
いられる面照明装置用導光板用途にも使用し始めてい
る。
【0003】例えば、特開平2−194058号公報、
特開平3−294348号公報、特開平5−39401
号公報等には、メタクリル樹脂にシリコン系の架橋ポリ
マーを分散させる光散乱性メタクリル樹脂組成物に関す
る発明が見られる。
【0004】また特開平6−324330号公報、マト
リックス樹脂内に屈折率の異なる粒子状材料を混練する
成形プロセスを経て光散乱体ブロックを作成する発明
が、特開平7−130208号公報には、屈折率の異な
る二種類のポリマーの混練工程と射出成形工程とを含む
プロセスに関する発明が見られる。
【0005】更に特開平7−90167号公報には、熱
可塑性芳香族ポリカーボネイト樹脂に該樹脂とは屈折率
が異なり、しかも相溶しない粒子からなる光散乱性樹脂
組成物に関する記述が見られる。特開平7−36037
号公報、特開平7−270709号公報には、光散乱性
導光体の楔型の形状及び出光方向を調節するためにプリ
ズム素子を使用する光散乱性導光体装置に関する発明が
見られる。
【0006】何れにしても、上記発明中にはマトリック
ス樹脂に光拡散粒子を混練り分散させる際に、微小異物
の発生及び混入を抑制低減するための押出造粒工程に関
する具体的な記述は見られない。
【0007】一方、液晶表示装置等のバックライトに用
いられる面照明用導光板などの光学用途に用いられる光
学用メタクリル樹脂には、微小異物量を極力低減したも
のが要求されている。従って、光学用メタクリル樹脂の
生産工程に於いては光学用成形品にて欠陥となる微小異
物の混入を極力防止する必要がある。
【0008】このため、光学用樹脂の生産工程に於いて
は低ダスト化のために数多くの研究がなされてきた。
【0009】例えば、特開平7−178790号公報に
は押出成形時に成型品中の異物量を検出することによっ
て異物量の少ない成型品が得られるとしている。また、
特開平7−164511号公報には、押出される熱可塑
性樹脂管の表面外観を改良する冷却方法が開示されてい
る。
【0010】更に、特開昭60−184813号公報に
は、押出機ホッパー内に乾燥窒素を送入することによっ
て、ゴミ状物質の発生が抑えられるとしているが、これ
だけではペレットとして得られる樹脂中の微小異物量を
抑えるには不十分である。特開平1−232305号公
報には、光ファイバーの直径変動を防止するための冷却
固化方法が開示されているが、冷却水中の微小異物に関
する記述は見られない。
【0011】特開平4−22615号公報には、射出成
形機のシリンダー及びスクリューの材質を規定すること
によって発生する異物量を少なくすることができるとし
ている。また特開平7−9439号公報には、樹脂中の
異物の混入と切粉の発生を低減させる造粒方法が開示さ
れている。何れにしても本発明の技術とは異なってい
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来技術に於いては、
メタクリル樹脂中に架橋性シリコーン樹脂からなる真球
状粒子を分散させた光拡散性メタクリル樹脂組成物を光
散乱性導光板に利用する技術は示されている。しかしな
がら、マトリックス樹脂であるメタクリル樹脂と該樹脂
とは屈折率の異なる架橋性シリコーン樹脂からなる真球
状粒子とを溶融混練分散する押出造粒工程に関する技術
は何ら示されていない。
【0013】すなわち本発明の目的は、微小異物の発生
及び微小異物の混入を抑制した押出造粒工程を用いて、
マトリックス樹脂であるメタクリル樹脂と該樹脂とは屈
折率の異なる架橋性シリコーン樹脂からなる真球状粒子
を溶融混練分散することによって、混入する微小異物量
の少ない光散乱性樹脂組成物のマスターバッチ(MB)
ペレットを得ることにある。更に、該樹脂のMBペレッ
トで作製した光散乱性導光板を用いて色調が優れ高輝度
な面照明装置を得ることにある。
【0014】更に詳しくは本発明の目的は、メタクリル
樹脂に架橋性シリコーン樹脂からなる数平均粒子径0.
3〜10μmの真球状粒子を、0.5〜25μmの大き
さの微小異物の発生及び混入を抑制した押出造粒工程を
用いて溶融混合分散及び冷却ペレット化することによっ
て、微小異物の少ない光拡散性メタクリル樹脂組成物の
MBペレットを得ることにある。該樹脂のMBペレット
を用いて、発光面内の色座標値の最大値と最小値との差
がx、yとも0.03以下である面照明装置用等の導光
板を得ることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意研究した
結果、特定の造粒工程を用いることによって上記課題が
解決されることを見出し本発明に至った。
【0016】即ち、本発明は以下の(1)〜(4)であ
る。
【0017】(1)メタクリル樹脂の粉末、又はペレッ
ト100重量部に、メタクリル樹脂又はそのモノマーに
対する親和性を有する有機基が珪素原子に直結したポリ
シロキサン結合をなす固体状の架橋性シリコーン樹脂か
らなる数平均粒子径0.3〜10μmの真球状粒子1〜
10重量部を、乾燥窒素を連続的に送入している押出機
のホッパー内に供給し、押出機スクリューにて溶融混合
分散後、押出機ダイス面よりストランド状に押出し、
0.5〜25μmの大きさの微小異物が水1cc当たり
2万個以下である水にて水冷後、ペレット化することを
特徴とする光拡散性メタクリル樹脂組成物のマスターバ
ッチ(MB)ペレットの押出造粒方法。
【0018】(2)原料自動計量装置、原料混合機、原
料タンク、単軸又は二軸押出機、ストランドバス、ペレ
タイザー、製品貯蔵タンクからなる押出造粒工程が、
0.3μm以上0.5μm未満の大きさの微小異物が1
CF(Cubic Feet)当たり10万個以下、
0.5μm以上の微小異物が1CF当たり2万個以下の
環境内にあることを特徴とする上記(1)記載の押出造
粒方法。
【0019】(3)メタクリル樹脂中の0.5〜25μ
mの大きさの微小異物が樹脂1g当たり5000個以下
であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の押
出造粒方法。
【0020】(4)上記(1)、(2)又は(3)記載
の光拡散性メタクリル樹脂組成物のマスターバッチペレ
ットを希釈して、架橋性シリコーン樹脂真球状粒子濃度
を0.001〜0.9重量部とした光拡散性メタクリル
樹脂組成物からなり、発光面内の色座標値の最大値と最
小値との差がx、yとも0.03以下であることを特徴
とする導光板。
【0021】以下に本発明を詳細に説明する。
【0022】本発明に用いる押出造粒工程は、原料自動
計量装置、原料混合機、原料タンク、単軸又は二軸押出
機、ストランドバス、ペレタイザー、製品貯蔵タンクな
どの設備からなり、これらの押出造粒工程は、0.3μ
m以上0.5μm未満の大きさの微小異物が1CF(C
ubic Feet)当たり10万個以下、更に好まし
くは5万個以下、0.5μm以上の大きさの微小異物が
1CF当たり2万個以下、更に好ましくは1万個以下の
環境内にある。0.3μm以上0.5μm未満の大きさ
の微小異物が1CF当たり10万個を越えるか、或い
は、0.5μm以上の大きさの微小異物が1CF当たり
2万個を越えて存在すると、作製される光散乱性導光板
の色調が低下(黄色味が増す)して好ましくない。この
様な環境を保つ為には、該環境が直接外気と接しないよ
うに、例えば、外気の取り入れ口に中性能フィルターや
HEPAフィルターなど各種のフィルターを設置するの
が好ましい。
【0023】以下に詳細に製造方法を説明する。
【0024】まず、メタクリル樹脂と固体状の架橋性シ
リコーン樹脂からなる真球状粒子を、それぞれ自動計量
装置によって必要量計量し、自動混合機内にフィードし
均一になるまで十分に攪拌する。
【0025】次にこの十分に攪拌した樹脂を押出機のホ
ッパー内にフィードする。押出は、単軸又は二軸以上の
一箇所或いは二箇所以上にベントを設けたベント付押出
機を使用し、ベントより樹脂中の揮発分を除去しながら
溶融混練分散する。押出機のシリンダーの設定温度は、
220℃〜250℃であるが、通常は樹脂のせん断発熱
により樹脂温度はこの温度よりも高く、240℃〜27
0℃になってしまう。このような樹脂温度では、メタク
リル樹脂の黄変や樹脂中に褐色乃至黒褐色の塩化メチレ
ン(メタクリル樹脂の良溶媒)に不溶解性の異物が生成
するという現象が見られる。この不良現象は、一般的に
は押出機内(ホッパー及びスクリュー)に存在する酸素
によって引き起こされる、樹脂の酸化劣化によるもので
ある。従って樹脂の酸化劣化を抑えるためには、押出機
内に存在する酸素ガスを不活性ガス(本発明の場合は乾
燥窒素ガス)で十分に置換することが必要である。具体
的には、乾燥窒素をホッパー内に連続的に出来る限り押
出機スクリューに近い部分に送入する方法が良い。乾燥
窒素としては純度99.9%以上、好ましくは99.9
9%以上のものが良い。送入する乾燥窒素量は使用する
押出機の大きさによって異なるが、単軸のスクリュー径
が50mm程度の押出機では、50〜60リットル/m
in送入するのが好ましい。この量以下では送入する乾
燥窒素の置換効果、すなわち、空気の巻き込みによる樹
脂の熱酸化劣化を防止するのが不十分となり好ましくな
い。またあまり送入し過ぎてしまうと、経済的にも、ま
た安全上の観点(窒素による酸欠)からも好ましくな
い。
【0026】最後に、押出機ダイスより押出される溶融
樹脂をストランドバス水によって冷却固化した後ペレタ
イズする。冷却固化に使用する冷却水は、蒸留水や上水
を1μm以下さらに好ましくは0.5μm以下のフィル
ターを通して循環させながら用いる。この様に所定のフ
ィルターを通して得た冷却水中には、0.5〜25μm
の大きさの微小異物が水1cc当たり2万個以下、更に
好ましくは1万個以下しか含まれず、色ムラや輝点・黒
点の原因となる微小異物を樹脂表面に付着させることな
く溶融樹脂を冷却固化することができる。
【0027】普通、透明なメタクリル樹脂を導光板用途
に使用する場合でも、樹脂中に微小異物が存在すると輝
点や黒点の原因になり好ましくない。特に固体状の架橋
性シリコーン樹脂からなる粒子径0.3〜10μmの真
球状粒子を混入分散した光散乱性メタクリル樹脂組成物
からなる光散乱性導光板では、分散させた真球状粒子の
光散乱効果を利用して、サイド面より入射した光を特定
方向に出射させるので、分散させた真球状粒子と形状や
大きさ、且つ又は性質(屈折率や透明性)が異なる微小
異物が樹脂中に存在すると、該微小異物による光の吸収
散乱反射が、分散させた真球状粒子による光の吸収散乱
反射と異なる為に、微小異物を規定以上含む光散乱性導
光板からなるサイドライト式面照明装置(バックライ
ト)では、色調や輝度が低下してしまう。特に、フルカ
ラータイプの液晶表示装置においては色再現性が低下す
る原因となる。フルカラータイプの液晶表示装置では、
バックライトの色ムラはCIEのXYZ表色系におい
て、色座標値の最大値と最小値との差がx、yとも0.
03以下であることが好ましい。もちろんx、y座標と
も全く変化しないことが望ましい。
【0028】微小異物の発生及び混入を抑制した押出造
粒工程を用いて、0.5〜25μmの大きさの微小異物
が規定量以下の光散乱性メタクリル樹脂組成物のMBペ
レットを得るためには、最初に用いるメタクリル樹脂中
の微小異物が規定量以下であることが好ましい。すなわ
ち0.5〜25μmの大きさの微小異物が樹脂1g当た
り5000個以下であるメタクリル樹脂の粉末、又はペ
レットを使用することが好ましい。更に好ましくは、樹
脂1g当たり3000個以下のメタクリル樹脂の粉末、
又はペレットを使用することが好ましい。
【0029】このようなメタクリル樹脂の粉末、又はペ
レットを用い、微小異物の発生及び混入を抑制した押出
造粒工程を使用することによって、0.5〜25μmの
大きさの微小異物が樹脂1g当たり2万個以下となる光
散乱性メタクリル樹脂組成物のMBペレットを得ること
ができる。
【0030】通常メタクリル樹脂中の微小異物は特定の
粒度分布に従って存在し、0.5〜25μmの大きさの
微小異物が樹脂1g当たり2万個以下であれば、25〜
50μmの大きさの微小異物は樹脂1g当たり3個以下
となる。従って、本発明の光散乱性メタクリル樹脂組成
物中の0.5〜25μmの大きさの微小異物は樹脂1g
当たり2万個以下である。更に好ましくは、樹脂1g当
たり1万個以下である。
【0031】ここで本発明に於いて微小異物とは、メタ
クリル樹脂中に存在する固形物であって、メタクリル樹
脂の溶融温度に於いて溶融性・流動性を有しないものを
いい、例えばメタクリル樹脂の熱劣化物、外部の環境よ
り混入する有機物や無機物等が挙げられる。
【0032】本発明の光散乱性メタクリル樹脂組成物の
MBペレットでは、メタクリル樹脂又はそのモノマーに
対する親和性を有する有機基が珪素原子に直結したポリ
シロキサン結合をなす固体状の架橋性シリコーン樹脂か
らなる数平均粒子径0.3〜10μmの真球状粒子を使
用するが、この真球状粒子は、常温又はそれ以上の温度
で固体状である。本発明のシリコン樹脂はガラスのよう
な無機的性質と有機基による有機的な性質とを合わせ持
つ中間的な性質の物質であるので、メタクリル樹脂内で
の分散性が良い。また、シリコン樹脂の屈折率はメタク
リル樹脂より低いので、界面での反射は少なく効率的に
シリコン樹脂粒子内部で光線の屈折、すなわち散乱を起
こさせることができる。
【0033】シリコーン真球状粒子を製造するための原
料としては、例えば官能基3個をもつ加水分解性シラン
が用い得られる。加水分解と縮合の反応機構を経て、3
次元的網目構造をとる真球状粒子が形成されると推定さ
れている。
【0034】この加水分解と重縮合反応の工程におい
て、使用される加水分解性シランの官能基および有機基
の種類、加水分解触媒の種類と量(酸、アルカリ)、反
応装置の構造、撹拌条件によって粒子の形状、粒径が微
妙に影響され、これら粒子形成時の影響因子の制御によ
り、所定の真球状粒子を作ることが可能となる。
【0035】本発明において、粒子の形状は不定形でな
く、真球状又はこれに近い形状であることが導光体とし
ての光学的特性を得るうえで必要である。この理由とし
ては、真球状粒子は、入射側への反射成分、すなわち反
射による光線損失を最も小さくでき、入射光を最も効率
的に液晶ユニット側へ散乱出射できるからである。
【0036】シリコン樹脂以外の有機拡散粒子、たとえ
ば架橋ポリスチレン粒子等では屈折率がメタクリル樹脂
より高いため、本願発明が目的とする効果が得られな
い。
【0037】本願発明において、真球状粒子の数平均粒
径は0.3μm〜10μmの範囲である。0.3μm未
満の粒子径では入射光の波長より粒子が小さいため、光
を有効に屈折散乱させることができなくなり、液晶ユニ
ット側に散乱出射する光量が低下してしまうので好まし
くない。逆に数平均粒子径が10μmを越えると、粒子
の曲率が小さくなり光を屈折散乱せしめる機能が低下し
てしまい、やはり液晶ユニット側に散乱出射する光量が
低下してしまうので好ましくない。
【0038】以上の理由から、更に好ましい真球状粒子
の数平均粒子径は1μm〜5μmの範囲である。数平均
粒子径は下記数式により算出する。
【0039】
【数1】
【0040】ここで、daは平均粒径、Nは粒子総計、
iは個々の粒径、niは粒径diの粒子数を表わす。
【0041】本願発明における固体状の架橋性シリコン
真球状粒子の濃度は1〜10重量部の範囲である。10
重量部以上であると、本MBペレットを希釈して低濃度
の光散乱性導光板を得る際の希釈倍率か大きくなるため
濃度コントロールが難しくなるので好ましくない。また
1重量部以下の濃度では、希釈に際して希釈倍率が小さ
くなるため多くのMBペレットを使用しなくてはならな
くなり、光散乱性導光板を得る際にMBペレットの熱履
歴の影響が出てしまうので好ましくない。
【0042】固体状の架橋性シリコン真球状粒子の濃度
が1〜10重量部のMBペレットを用いて光散乱性導光
板を作製すると、希釈の際の熱履歴の影響がでずらく、
かつ濃度コントロールが容易となる。
【0043】光散乱性メタクリル樹脂組成物を面照明装
置用導光板に用いた場合、分散混入させる固体状の架橋
性シリコン真球状粒子の最適濃度は、導光板の形状(厚
み、大きさ等)及び真球状粒径の大きさによって異なる
が、0.001〜0.9重量部の範囲にある。0.9重
量部より大きいと濁度が大きくなりすぎるためエッジラ
イト方式のバックライト用導光板においては、光源側で
の散乱が大きくなってしまいバックライトの面全体の輝
度を均一に上げることができない。また、0.001重
量部より小さい濃度では散乱性能が小さくなりすぎるた
めに光散乱性導光板の使用に適さない。
【0044】最適濃度の光散乱性導光板を得るために
は、本方法によって得られるMBペレットを用いて、再
度、本押出方法を用いて目的の濃度の光散乱性樹脂組成
物を得ても良いし、射出成形機を用いて直接に希釈する
ことによって目的の濃度の光散乱性導光板を得ても良
い。
【0045】本発明に用いられるメタクリル樹脂とは、
メタクリル酸メチル単独重合体あるいはメタクリル酸メ
チルを50重量%以上含み、メタクリル酸メチルと共重
合性単量体、例えばメタクリル酸エチル、メタクリル酸
ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フ
ェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチ
ルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、など
のメタクリル酸エステル類、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキ
シル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アク
リル酸2−ヒドロキシエチル、などのアクリル酸エステ
ル類、メタクリル酸、アクリル酸などの不飽和酸類との
共重合体であるが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いられるメタクリル樹脂の分子量は、導光板
の形状を成形することから考えて、5〜15万程度のも
のが好ましい。本発明のメタクリル樹脂の製造法につい
ては特に制限がなく、通常工業的に行われているラジカ
ル重合法、すなわち懸濁重合法、乳化重合法、塊状重合
法、溶液重合法等により製造することができる。0.5
〜25μmの大きさの微小異物が樹脂1g当たり500
0個以下であるメタクリル樹脂を得るためには、懸濁剤
や乳化剤を用いない塊状重合法や溶液重合法が好まし
い。
【0046】
【発明の実施の形態】以下に実施例等によって本発明を
さらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例によっ
て制限されるものではない。
【0047】本件の各種評価方法は以下の方法によっ
た。
【0048】(1)メタクリル樹脂 旭化成工業社製 デルペット(登録商標)80NH(H
DT:100℃、MFR:5.9g/10’) (2)加熱変形温度(HDT) ASTM−D648にもとづいて測定を行った。試験片
は96℃で2時間アニーリングを行った後状態調節(2
3℃、相対湿度52%で48時間)を行って測定する。
【0049】(3)成形性(MFI) ASTM−D1238のI法(230℃、3.8kg)
で、MFI(g/10min)を測定する。
【0050】(4)固体状の架橋性シリコーン樹脂 東芝シリコーン社製 トスパール120平均粒子径2μ
m。
【0051】(5)空気中の微小異物の測定 リオン社製 パーティクルカウンターKC−03にて測
定。
【0052】(6)樹脂中及び水中の微小異物の測定 HIAIC−ROYCO社 Model−346BC
L。
【0053】樹脂中の微小異物は、樹脂5gをジクロロ
エタン30mlに溶解した溶液を用い、He−Neレー
ザー光を照射した際の微粒子による散乱強度をあらかじ
め校正したカウンターによって検出し、0.5〜25μ
mの微粒子として測定する。
【0054】水中の微小異物は、測定する水をそのまま
用い、上記と同様の方法によって0.5〜25μmの微
粒子を測定する。
【0055】(7)導光板の成形及び面照明装置の組立 射出成形機(名機 ダイナメルタ M150AII)によ
り、成形温度230〜250℃、金型温度80℃、及び
最大射出圧力70MPaの条件下で成形(ペレットは予
め90℃×3時間の条件で予備乾燥する)し、図1aの
平面図及び同bの断面図で示すような縦215mm、横
167mm、で厚さが長辺方向に3.0mmから1.0
mmまで除除に変化した楔型の導光板を得る。図2に示
すように、こうして作製した導光板に、光源としての蛍
光管、これを取り巻くランプハウス、拡散フィルム、反
射フィルム、これらを固定するためのフレーム及び反射
フレーム(光を反射して有効利用するための白色のフレ
ーム)をセットし、いわゆるサイドライト式の面照明装
置を組み立てる。蛍光管の電極にはインバーター(TD
K(株)製 CXA−M10L−L)を接続し、該イン
バーターに直流安定化電源装置(菊水電機製 PAB3
2−3)から12Vの電源を供給して発光させる。
【0056】(8)色座標値及び輝度値の測定 暗室中に液晶色分布測定装置(ミノルタカメラ製 CA
−1000)の測定ヘッドをサイドライト式面照明装置
の発光面から40cmの位置に設置し、該サイドライト式
面照明装置を点灯後30分放置して蛍光管輝度を安定化
した後、発光面全体の輝度と色座標(CIE XYZ表
色系のxy座標)を測定する。得られた色座標値は光源
からの距離毎に平均値を取り、その最大値と最小値を求
める。輝度については平均値を求める。
【0057】(9)輝点及び黒点の評価 面全体を目視で観察評価する。
【0058】実施例1 0.5〜25μmの大きさの微小異物が2000個/g
のメタクリル樹脂(旭化成工業社製 デルペット(登録
商標)80NH)7.84kgと、トスパール120
(東芝シリコーン社製、平均粒子径2μm)0.16k
gを、0.3μm以上0.5μm未満の大きさの微小異
物が1CF当たり62000個、0.5μm以上の大き
さの微小異物が1CF当たり18700個の環境内にあ
る自動計量装置によって計量し、自動混合機内にフィー
ドして均一になるまで十分に攪拌する。
【0059】次にこの十分に攪拌した樹脂を該環境内に
ある押出機のホッパー内にフィードし、スクリュー径5
0mmの単軸押出機を用いてベントより樹脂中の揮発分
を除去しながら溶融混練分散する。この際、純度99.
9%以上の乾燥窒素をホッパー内に連続的に出来る限り
押出機スクリューに近い部分に50リットル/min送
入する。
【0060】最後に、押出機より押出される溶融樹脂を
該環境内にあるストランドバス水によって冷却固化した
後ペレタイズする。冷却水としては、上水を1μmのフ
ィルターを通して循環させたものを用いる。この時の、
0.5〜25μmの大きさの微小異物は水1cc当たり
10800個であった。
【0061】こうして得た光散乱性メタクリル樹脂組成
物のMBペレット0.12kgを、メタクリル樹脂(旭
化成工業社製 デルペット(登録商標)80NH)7.
88kgを用い、上記と全く同様な押出し方法によって
希釈しトスパール濃度が0.03wt%の光散乱性メタ
クリル樹脂組成物を得る。
【0062】こうして得た光散乱性メタクリル樹脂組成
物を用いて(7)に示す方法によって、光散乱性導光板
を成形後サイドライト式面照明装置に組立る。続いて
(8)に示す方法によって色座標値及び輝度値を測定す
る。評価結果を表1、2に示す。色調に優れ平均輝度値
の高いバックライトが得られた。
【0063】実施例2 0.5〜25μmの大きさの微小異物が4000個/g
のメタクリル樹脂(旭化成工業社製 デルペット(登録
商標)80NH)7.84Kgと、トスパール120
0.03wt%(東芝シリコーン社製、平均粒子径2μ
m)0.16kgを用いて、実施例1と全く同様の装置
及び方法にて光散乱性メタクリル樹脂組成物を得る。
【0064】次に光散乱性メタクリル樹脂組成物のMB
ペレット0.12kgを、メタクリル樹脂(旭化成工業
社製 デルペット(登録商標)80NH)7.88kg
を用いて、上記と全く同様な押出し方法によって希釈し
トスパール濃度が0.03wt%の光散乱性メタクリル
樹脂組成物を得る。
【0065】こうして得た光散乱性メタクリル樹脂組成
物を用いて(7)に示す方法によって、光散乱性導光板
を成形後サイドライト式面照明装置を組立る。続いて
(8)に示す方法によって色座標値及び輝度値を測定す
る。評価結果を表1、2に示す。色調に優れ平均輝度値
の高いバックライトが得られた。
【0066】実施例3 0.5〜25μmの大きさの微小異物が2000個/g
のメタクリル樹脂(旭化成工業社製 デルペット(登録
商標)80NH)6.00kgと、トスパール120
(東芝シリコーン社製、平均粒子径2μm)0.25k
gを、0.3μm以上0.5μm未満の大きさの微小異
物が1CF当たり65000個、0.5μm以上の大き
さの微小異物が1CF当たり18800個の環境内にあ
る自動計量装置によって計量し、自動混合機内にフィー
ドして均一になるまで十分に攪拌する。
【0067】次にこの十分に攪拌した樹脂を該環境内に
ある押出機のホッパー内にフィードし、スクリュー径5
0mmの単軸押出機を用いてベントより樹脂中の揮発分
を除去しながら溶融混練分散する。この際、純度99.
9%以上の乾燥窒素をホッパー内に連続的に出来る限り
押出機スクリューに近い部分に50リットル/min送
入する。
【0068】最後に、押出機より押出される溶融樹脂を
該環境内にあるストランドバス水によって冷却固化した
後ペレタイズする。冷却水としては、上水を1μmのフ
ィルターを通して循環させたものを用いる。この時の、
0.5〜25μmの大きさの微小異物は水1cc当たり
10800個であった。こうして得た光散乱性メタクリ
ル樹脂組成物のMBペレット0.06kgと、メタクリ
ル樹脂(旭化成工業社製 デルペット(登録商標)80
NH)7.94kgを、0.3μm以上0.5μm未満
の大きさの微小異物が1CF当たり65000個、0.
5μm以上の大きさの微小異物が1CF当たり1880
0個の環境内にある自動計量装置によって計量し、自動
混合機内にフィードして均一になるまで十分に攪拌す
る。
【0069】上記のトスパール濃度が0.03wt%に
なる様に希釈攪拌したペレットを用い、(7)に示す方
法によって光散乱性導光板を成形後サイドライト式面照
明装置を組立る。続いて(8)に示す方法によって色座
標値及び輝度値を測定する。評価結果を表1、2に示
す。色調に優れ平均輝度値の高いバックライトが得られ
た。
【0070】実施例4 0.5〜25μmの大きさの微小異物が2000個/g
のメタクリル樹脂(旭化成工業社製 デルペット(登録
商標)80NH)を、0.3μm以上0.5μm未満の
大きさの微小異物が1CF当たり65000個、0.5
μm以上の大きさの微小異物が1CF当たり18800
個の環境内にある自動計量装置にて必要量計量し、自動
混合機内にて十分攪拌後、押出機のホッパー内にフィー
ドする。
【0071】続いて、スクリュー径50mmの単軸押出
機を用いてベントより樹脂中の揮発分を除去しながら溶
融混練りする。この際、純度99.9%以上の乾燥窒素
をホッパー内に連続的に出来る限り押出機スクリューに
近い部分に50リットル/min送入する。
【0072】最後に、押出機より押出される溶融樹脂を
該環境内にあるストランドバス水によって冷却固化した
後ペレタイズする。冷却水としては、上水を1μmのフ
ィルターを通して循環させたものを用いる。この時の、
0.5〜25μmの大きさの微小異物は水1cc当たり
10800個であった。
【0073】こうして得たメタクリル樹脂中の微小異物
量を(6)の方法にて測定すると、0.5〜25μmの
大きさの微小異物は15800個/gであった。結果を
表1に示す。
【0074】実験No.1 0.5〜25μmの大きさの微小異物が6500個/g
のメタクリル樹脂(旭化成工業社製 デルペット(登録
商標)80NH)7.84Kgと、トスパール120
(東芝シリコーン社製、平均粒子径2μm)0.16K
gを用いて、実施例1と全く同様の装置及び方法にて光
散乱性メタクリル樹脂組成物を得る。
【0075】次に光散乱性メタクリル樹脂組成物のMB
ペレット0.12kgを、メタクリル樹脂(旭化成工業
社製 デルペット(登録商標)80NH)7.88kg
を用いて、上記と全く同様な押出し方法によって希釈し
トスパール濃度が0.03wt%の光散乱性メタクリル
樹脂組成物を得る。
【0076】こうして得た光散乱性メタクリル樹脂組成
物を用いて(7)に示す方法によって、光散乱性導光板
を成形後サイドライト式面照明装置に組立る。続いて
(8)に示す方法によって色座標値及び輝度値を測定す
る。評価結果を表1、2に示す。実施例1に比べてバッ
クライトは色調に劣り平均輝度値も低い。
【0077】実験No.2 0.5〜25μmの大きさの微小異物が2000個/g
のメタクリル樹脂(旭化成工業社製 デルペット(登録
商標)80NH)7.84Kgに、トスパール120
(東芝シリコーン社製、平均粒子径2μm)0.16K
gを用いて、0.3μm以上0.5μm未満の大きさの
微小異物が1CF当たり156000個、0.5μm以
上の大きさの微小異物が1CF当たり38500個の環
境内にある自動計量装置によって必要量計量し、自動混
合機内にフィードして均一になるまで十分に攪拌する。
【0078】次にこの十分に攪拌した樹脂を該環境内に
ある押出機のホッパー内にフィードし、スクリュー径5
0mmの単軸押出機を用いてベントより樹脂中の揮発分
を除去しながら溶融混練分散する。この際、純度99.
9%以上の乾燥窒素をホッパー内に連続的に出来る限り
押出機スクリューに近い部分に50リットル/min送
入する。
【0079】最後に、押出機より押出される溶融樹脂を
該環境内にあるストランドバス水によって冷却固化した
後ペレタイズする。冷却水としては、上水を1μmのフ
ィルターを通して循環させたものを用いる。この時の、
0.5〜25μmの大きさの微小異物は水1cc当たり
10800個であった。
【0080】こうして得た光散乱性メタクリル樹脂組成
物のマスターバッチペレット0.12kgを、メタクリ
ル樹脂(旭化成工業社製 デルペット(登録商標)80
NH)7.88kgを用いて、上記と全く同様な押出し
方法によって希釈しトスパール濃度が0.03wt%の
光散乱性メタクリル樹脂組成物を得る。
【0081】こうして得た光散乱性メタクリル樹脂組成
物を用いて(7)に示す方法によって、光散乱性導光板
を成形後サイドライト式面照明装置を組立る。続いて
(8)に示す方法によって色座標値及び輝度値を測定す
る。評価結果を表1、2に示す。実施例1に比べてバッ
クライトは色調に劣り平均輝度値も低い。
【0082】実験No.3 0.5〜25μmの大きさの微小異物が2000個/g
のメタクリル樹脂(旭化成工業社製 デルペット(登録
商標)80NH)6.00kgに、トスパール120
(東芝シリコーン社製、平均粒子径2μm)0.25k
gを用いて、0.3μm以上0.5μm未満の大きさの
微小異物が1CF当たり65000個、0.5μm以上
の大きさの微小異物が1CF当たり18800個の環境
内にある自動計量装置によって必要量計量し、自動混合
機内にフィードして均一になるまで十分に攪拌する。
【0083】次にこの十分に攪拌した樹脂を該環境内に
ある押出機のホッパー内にフィードし、スクリュー径5
0mmの単軸押出機を用いてベントより樹脂中の揮発分
を除去しながら溶融混練分散する。この際、純度99.
9%以上の乾燥窒素をホッパー内に連続的に出来る限り
押出機スクリューに近い部分に50リットル/min送
入する。
【0084】最後に、押出機より押出される溶融樹脂を
該環境内にあるストランドバス水によって冷却固化した
後ペレタイズする。冷却水としては、上水を1μmのフ
ィルターを通して循環させたものを用いる。この時の、
0.5〜25μmの大きさの微小異物は水1cc当たり
32000個であった。
【0085】こうして得た光散乱性メタクリル樹脂組成
物のマスターバッチペレット0.06kgを、メタクリ
ル樹脂(旭化成工業社製 デルペット(登録商標)80
NH)7.94kgを用いて、上記と全く同様な押出し
方法によって希釈しトスパール濃度が0.03wt%の
光散乱性メタクリル樹脂組成物を得る。
【0086】こうして得た光散乱性メタクリル樹脂組成
物を用いて(7)に示す方法によって、光散乱性導光板
を成形後サイドライト式面照明装置を組立る。続いて
(8)に示す方法によって色座標値及び輝度値を測定す
る。評価結果を表1、2に示す。実施例1に比べてバッ
クライトは色調に劣り平均輝度値も低い。
【0087】実験No.4 0.5〜25μmの大きさの微小異物が2000個/g
のメタクリル樹脂(旭化成工業社製 デルペット(登録
商標)80NH)6.00kgに、トスパール120
(東芝シリコーン社製、平均粒子径2μm)0.25k
gを用いて、0.3μm以上0.5μm未満の大きさの
微小異物が1CF当たり62000個、0.5μm以上
の大きさの微小異物が1CF当たり18700個の環境
内にある自動計量装置によって必要量計量し、自動混合
機内にフィードして均一になるまで十分に攪拌する。
【0088】次にこの十分に攪拌した樹脂を該環境内に
ある押出機のホッパー内にフィードし、スクリュー径5
0mmの単軸押出機を用いてベントより樹脂中の揮発分
を除去しながら溶融混練分散する。この際ホッパー内に
窒素を送入しない。
【0089】最後に、押出機より押出される溶融樹脂を
該環境内にあるストランドバス水によって冷却固化した
後ペレタイズする。冷却水としては、上水を1μmのフ
ィルターを通して循環させたものを用いる。この時の、
0.5〜25μmの大きさの微小異物は水1cc当たり
10800個であった。
【0090】こうして得た光散乱性メタクリル樹脂組成
物のマスターバッチペレット0.06kgを、メタクリ
ル樹脂(旭化成工業社製 デルペット(登録商標)80
NH)7.94kgを用いて、上記と全く同様な押出し
方法によって希釈しトスパール濃度が0.03wt%の
光散乱性メタクリル樹脂組成物を得る。
【0091】こうして得た光散乱性メタクリル樹脂組成
物を用いて(7)に示す方法によって、光散乱性導光板
を成形後サイドライト式面照明装置を組立る。続いて
(8)に示す方法によって発光させたが、輝点及び黒点
の発生が見られた。評価結果を表1、2に示す。
【0092】実験No.5 0.5〜25μmの大きさの微小異物が2000個/g
のメタクリル樹脂(旭化成工業社製 デルペット(登録
商標)80NH)を、0.3μm以上0.5μm未満の
大きさの微小異物が1CF当たり156000個、0.
5μm以上の大きさの微小異物が1CF当たり3850
0個の環境内にある自動計量装置にて必要量計量し、自
動混合機内にて十分攪拌後、押出機のホッパー内にフィ
ードする。
【0093】続いて、スクリュー子径50mmの単軸押
出機を用いてベントより樹脂中の揮発分を除去しながら
溶融混練りする。この際、純度99.9%以上の乾燥窒
素をホッパー内に連続的に出来る限り押出機スクリュー
に近い部分に50リットル/min送入する。
【0094】最後に、押出機より押出される溶融樹脂を
該環境内にあるストランドバス水によって冷却固化した
後ペレタイズする。冷却水としては、上水を1μmのフ
ィルターを通して循環させたものを用いる。この時の、
0.5〜25μmの大きさの微小異物は水1cc当たり
32000個であった。
【0095】こうして得たメタクリル樹脂中の微小異物
量を(6)の方法にて測定すると、0.5〜25μmの
大きさの微小異物は75000個/gであった。結果を
表1に示す。
【0096】
【表1】
【0097】
【表2】
【0098】
【発明の効果】本発明によれば、メタクリル樹脂に固体
状の架橋性シリコーン樹脂からなる数平均粒子径0.3
〜10μmの真球状粒子を、0.5〜25μmの大きさ
の微小異物の発生及び混入を抑制した押出造粒工程を用
いて溶融混合分散及び冷却ペレット化することによっ
て、微小異物の少ない光散乱性メタクリル樹脂組成物の
MBペレットを得ることができる。該MBペレットは、
発光面内の色座標値の最大値と最小値との差がx、yと
も0.03以下である導光板の製造に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】色座標評価用サイドライト式面照明装置に用い
る導光板の模式図で、aが平面図、bがその断面図を示
す。
【図2】色座標評価用サイドライト式面照明装置の断面
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小池 康博 神奈川県横浜市青葉区市が尾534−23 (72)発明者 細沼 信行 神奈川県川崎市川崎区夜光1丁目3番1号 旭化成工業株式会社内 (72)発明者 山崎 浩 埼玉県川口市並木2−30−1 株式会社エ ンプラス内 (72)発明者 樋口 榮三郎 東京都品川区平塚2−9−29 日東樹脂工 業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタクリル樹脂の粉末、又はペレット1
    00重量部に、メタクリル樹脂又はそのモノマーに対す
    る親和性を有する有機基が珪素原子に直結したポリシロ
    キサン結合をなす固体状の架橋性シリコーン樹脂からな
    る数平均粒子径0.3〜10μmの真球状粒子1〜10
    重量部を、乾燥窒素を連続的に送入している押出機のホ
    ッパー内に供給し、押出機スクリューにて溶融混合分散
    後、押出機ダイス面よりストランド状に押出し、0.5
    〜25μmの大きさの微小異物が水1cc当たり2万個
    以下である水にて水冷後、ペレット化することを特徴と
    する光拡散性メタクリル樹脂組成物のマスターバッチペ
    レットの押出造粒方法。
  2. 【請求項2】 原料自動計量装置、原料混合機、原料タ
    ンク、単軸又は二軸押出機、ストランドバス、ペレタイ
    ザー、製品貯蔵タンクからなる押出造粒工程が、0.3
    μm以上0.5μm未満の大きさの微小異物が1CF
    (CubicFeet)当たり10万個以下、0.5μ
    m以上の微小異物が1CF当たり2万個以下の環境内に
    あることを特徴とする請求項1記載の押出造粒方法。
  3. 【請求項3】 メタクリル樹脂中の0.5〜25μmの
    大きさの微小異物が樹脂1g当たり5000個以下であ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の押出造粒方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の光拡散性メタ
    クリル樹脂組成物のマスターバッチペレットを希釈し
    て、架橋性シリコーン樹脂真球状粒子濃度を0.001
    〜0.9重量部とした光拡散性メタクリル樹脂組成物か
    らなり、発光面内の色座標値の最大値と最小値との差が
    x、yとも0.03以下であることを特徴とする導光
    板。
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