JP4278257B2 - アクリル樹脂系カラーモニター用導光板 - Google Patents

アクリル樹脂系カラーモニター用導光板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はワードプロセッサやパーソナルコンピュータなどのオフィスオートメーション機器や、画像信号を表示する各種モニターなどに用いられる液晶表示装置等のバックライト用面照明装置に使用される導光板において、特にカラー表示装置に適した導光板に関する。
【0002】
【従来の技術】
アクリル系樹脂は、その優れた光透過性、機械的特性からこれまでに多くの照明用途に用いられてきたが、特に最近は照明用ランプを備えた液晶表示装置等のバックライト用導光板して使用されるようになってきた。このバックライトの方式としては、導光板を光源と液晶ユニットの間に挟んだ、いわゆる直下式と、光源を導光板のエッジに取り付けるエッジライト方式の2種が通常用いられ、現在はエッジライト式が主流となっている。特に、近年は液晶表示装置の大型化から、高輝度で輝度ムラのない均一な発光をするエッジライト方式の面発光装置が要求されるようになり、又表示装置のカラー化の進歩により色調再現性や色調安定性にも優れたエッジライト方式の面発光装置が要求されるようになってきた。この為、カラー表示装置に用いられる面発光装置で使用される導光板については、単色表示装置と異なり、高輝度で輝度ムラが小さい事の他に、色調再現性及び色調安定性にも優れている事が要求される。
【0003】
即ち、単色の表示装置では光の明暗のコントラストでモニター表示される為、バックライトに用いられる導光板からの出光色に色調の変化がおきてもモニター画面上の変化は目立たず、実用上問題は無いがカラー表示装置では導光板からの出射光の色調が変化するとモニター画面上の表示色にも影響が現れ、色調変化が起こる。この時、単色の表示装置とは異なり変化が目立ち、モニター画面上の微細な色差が認識できない等の不都合を生じる。導光板からの出光色の変化の例としては、面発光装置に用いられる陰冷極管等の光源からの出射光の中に含まれる紫外線による劣化により導光板自体が着色しその結果、導光板からの出射光の色調が変化する。近年は面発光装置の輝度を向上させる為、光源ランプ自体の光量を増大する事及び、光源ランプを2灯以上使用する多灯のバックライト方式が多用されるようになり、導光板が多量の紫外線を浴びる環境で使用される情況下にある為、再々、モニター画面の色調が変化する等の問題を起こしている。更にこの紫外線による導光板の着色は単なるモニター画面の色調変化だけでなく、光源ランプとの距離により導光板の着色の程度が異なる為、モニター画面上に色ムラが発生する問題をも起こしている。又、この着色は導光板の光透過性を低下させる為、色調変化と共に輝度の低下、輝度のバラツキの原因となっている。このようにカラー表示装置用導光板については高輝度で輝度ムラが小さい事の他に、紫外線による着色が無い等、色調再現性、色調安定性に優れている事が要求されている。
【0004】
このような要求のうち、導光板による高輝度化や輝度ムラの改良に関してはこれまでにも技術開示がなされている。例えば、特公昭39−1194号公報では導光板の基体中に光拡散用粒子を分散混入する事により均一な発光面を得る方法が示され、特開平4−145485号公報では導光体に屈折率の異なる微粒子を包含する光散乱性プラスチック材料を用いる事により高輝度化する方法が示されている。しかしながらこれらの方法は高輝度化や輝度ムラの改良には、ある程度効果が認められるものの、カラー表示装置で要求される色調再現性や色調安定性に関しては技術開示はされていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題はカラー表示装置用に適した高輝度で輝度ムラが小さく、且つ、色調再現性、色調安定性に優れたアクリル樹脂系導光板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため本発明者らは鋭意検討の結果、アクリル系樹脂に特定の紫外線吸収剤と微粒子を特定量含有させる事により、高輝度で輝度ムラが少なく、且つ、色調再現性、色調安定性に優れたカラー表示装置用に適するアクリル樹脂系導光板を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤の中から選択される1種以上の紫外線吸収剤を80〜500ppm含有する導光板用アクリル系樹脂において、該アクリル系樹脂中に平均粒径が0.1〜20μmであり屈折率がアクリル系樹脂より高い微粒子を下記(式1)が成立する濃度で含有せしめ、且つ、前記組成物を成形して得られる導光板の出光色と、紫外線吸収剤及び微粒子を含まない導光板の出光色との色度座標値(x,y)の差が±0.003以内である事を特徴とするカラーモニター用導光板に関するものである。
【0007】
0.05≦(A−B)×C≦5・・・・(式1)
A:微粒子の20℃における屈折率
B:アクリル系樹脂の20℃における屈折率
C:微粒子の濃度(ppm)
以下に本発明を詳細に説明する。
【0008】
本発明で用いられるアクリル系樹脂は、メタクリル酸メチルあるいはメタクリル酸エチルを70重量%以上と、これらと共重合性を有する単量体とを共重合することにより得る事ができる。これらと共重合性を有する単量体としてはメタクリル酸ブチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどのメタクリル酸エステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸、アクリル酸等の不飽和酸類等があげられるが、これらに限定されるものではない。又、アクリル系樹脂の分子量は押出成形、あるいは射出成形方法により導光板に成形される事から、これらの成形方法に適した重量平均分子量で5〜20万程度である事が好ましい。本発明のアクリル系樹脂の製造方法は通常工業的に行われている懸濁重合法、乳化重合法、塊状重合法、溶液重合法等を用いる事ができるが導光板用途には微少な異物混入が避けられる塊状重合法、溶液重合法を用いる事が好ましい。
【0009】
次に本発明に用いられる紫外線吸収剤は面発光装置の光源ランプから発生する紫外線による導光板の着色を抑える事ができる。この事により、特にカラー表示装置においてはモニター画面上の色調が長時間使用しても常に一定した色調を示し、且つ、色ムラの発生も抑えられ、更には、輝度の低下及び輝度ムラの拡大をも抑制できる等画期的な効果をもたらす。
【0010】
本発明に用いられる紫外線吸収剤は2−(5−メチル−2ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール,2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α’ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール,2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールのようなベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン,2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン,2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンのようなベンゾフェノン系紫外線吸収剤、フェニルサリシレート,4−tブチルフェニルサリシレートのようなサリチル酸系紫外線吸収剤であり、これらの中から選択される1種以上の紫外線吸収剤をアクリル系樹脂に対して80〜500ppmの濃度で用いられる。80ppm未満では光源ランプから発生する紫外線による導光板の着色を抑える事ができず、特にカラー表示装置では色調が変化したり色ムラが発生する等の不都合を生じ、500ppmを超えると紫外線吸収剤自体が無色では無い為、導光板が着色し光透過性が低下する為、輝度の低下や輝度ムラが発生する等好ましくない。
【0011】
次に本発明に用いられる微粒子は、導光板発光面の輝度の向上及び輝度ムラの低減の為にカラー表示装置の色調再現性に影響のない範囲でアクリル系樹脂中に分散させる。この微粒子はアクリル系樹脂より屈折率が高く、平均粒径が0.1〜20μmのものを下記(式1)が成立する濃度で用いる。
0.05≦(A−B)×C≦5・・・・(式1)
A:微粒子の20℃における屈折率
B:アクリル系樹脂の20℃における屈折率
C:微粒子の濃度(ppm)
【0012】
微粒子はその屈折率がアクリル系樹脂より高いものを適量用いる事により、微粒子の光分散効果によって、光源ランプから導光板へ入射された光のうち、その1部について光の進行方向を導光板の発光面に対して垂直方向寄りに変換させる効果が発現し、その結果、輝度の向上及び輝度ムラが改善される。アクリル系樹脂より屈折率が低い微粒子では上記の効果が殆ど無く、輝度の向上及び輝度ムラの改善効果は認められず好ましくない。又、微粒子の平均粒径は0.1μm未満では長波長側の散乱が大きくなる等、光拡散波長の選択性が出てくる為、導光板発光面の色調が黄味を帯びる等の不都合が生じ、カラー表示装置用導光板には好ましくない。又、20μmを超えると光の分散性が低下する為、輝度の向上及び輝度ムラの改善効果が小さくなる他に、微粒子の周囲が明るく輝いて見える輝点が発生する為、好ましく無い。より好ましくは0.1〜10μmである。
【0013】
次に微粒子の濃度であるが、上記(式1)に示されるように屈折率の高いものほど光分散効率が大きくなる為、低濃度で用いられる。上記(式1)で(A−B)×Cの値が0.05未満では光分散効率の不足により輝度の向上及び輝度ムラの改善効果は認められず好ましくない。又、(A−B)×Cの値が5を超えると微粒子による光の分散が大きすぎる為、光源ランプの近傍で入射光のうちの多くが発光面から出射する現象が起こり、その結果、光源ランプの近傍が明るく、ランプから離れるほど暗くなる現象が起こり更に、微粒子自体が僅かに着色している為、多量に用いると導光板への入射光の1部が吸収される結果、輝度の低下や色調変化が起こり、好ましくない。より好ましい(A−B)×Cの範囲は0.1≦(A−B)×C≦4である。
【0014】
又、前記したように、紫外線吸収剤及び微粒子にはそれ自体に僅かな光吸収性や、散乱波長選択性を有するものがある為、多量に用いると導光板からの出光色が着色する事がある。カラーモニター用導光板は出光色に着色があると前記のように不都合を生じる為、本発明の導光板は、少なくとも紫外線吸収剤及び微粒子を含まない導光板との出光色の色度座標値(x,y)の差を±0.003以内にする事が好ましい。更に好ましくは±0.002以内である。
【0015】
ここで言う色度座標値(x、y)はJIS K7105などに示されるように、色調を数値化したものであり、おおよそx値は赤みの成分量、y値は黄味の成分量を示し、同一の色彩及び色相を有するものは同一のx値及びy値が測定値として得られる。即ち、本発明の導光板と紫外線吸収剤及び微粒子を含まない導光板の出光色の色度座標値(x、y)の差が小さいという事は、本発明の導向板が、紫外線吸収剤及び微粒子を含む事による出光色の着色が殆ど認められない事を示しており、前記したようにカラーモニター用導向板として最適である。
本発明で用いられるアクリル系樹脂より高い屈折率である微粒子は特に限定されないが、例えば、メタクリル酸メチル重合体架橋粒子、スチレン重合体架橋粒子、MS(メタクリル酸メチルエステル−スチレンの共重合体)架橋粒子等の有機系微粒子や、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン等の無機系微粒子等があげられ、これらの中から1種以上を任意に選択して用いる事ができる。
【0016】
又、本発明のカラーモニター用導光板の製造方法は特に限定されず、本発明で示したアクリル系樹脂と紫外線吸収剤と微粒子からなる樹脂組成物を例えば、シート成形押出機、或いはプレス成形機によりシート成形体を得、その後所定のサイズに切り出しカット面を研磨加工して導光板を得る方法、賦形金型を有する射出成形機で成形する方法、アクリル系単量体或いは部分重合体を含むシラップに紫外線吸収剤と微粒子を分散させた後キャスト法により重合しシート成形体を得、その後所定のサイズに切り出しカット面を研磨加工して導光板を得る方法等、公知の製法を用いる事ができるが、得られる導光板の厚み寸法精度の点から押出成形方法又は射出成形方法を用いる事が好ましい。
【0017】
又、本発明のカラーモニター用導光板を形成するアクリル系樹脂組成物には、例えば、グリセリンモノステアレートなどのグリセリン脂肪酸エステル、ステアリルアルコールなどの高級アルコール、ステアリン酸などの高級脂肪酸を離型剤として添加する事や、フェノール系、チォエーテル系、フォスファイト系等の酸化防止剤等を添加する事が可能であるが、その際は、本発明の目的を損なわない範囲で用いられ、通常5000ppm以下の濃度で用いる事が好ましい。 このようにして得られる本発明のカラーモニター用導光板は各種照明装置の導光体として使用できるが、高輝度であり輝度ムラが小さく、且つ、色調再現性、色調安定性に優れる事からカラーモニター用光源装置の導光板として使用する事に特に適している。
【0018】
図1に本発明の導光板を用いたエッジライト2灯式のカラー用光源装置の1例を示す。導光板Bの両側面に接して光源である陰冷極管Aが配置される。導光板下部には光拡散層Cとして光拡散処理が施される。この光拡散処理方法は例えば光拡散剤等を含有する光拡散性インキによりドットグラデーションを施したスクリーンを用いてスクリーン印刷をして形成する方法や射出成形では賦形金型にドットグラデーションを施した微細な凹凸を形成しておき、成形体にその微細な凹凸を転写させる等の方法など目的に応じて任意に選択できる。次に光拡散層Cの下部には光反射シートを光拡散層Cに接して配置される。導光板Bの上部には必要に応じて光拡散シートD、プリズムシートFが配置され、これらを通過した光がカラー液晶ユニットに背面から入光し液晶表示画像を均一に明るく見せる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に実施例、比較例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。
尚、実施例に示される微粒子の屈折率及び平均粒径の値は、次の測定方法によるものである。
(屈折率の測定方法)
アクリル系樹脂、アクリル系架橋粒子、MS架橋粒子については、まず200℃の温度でプレス成形を行い約100μmの厚みのフィルム状成形体を得た。次いでJISK7105に示される測定方法に準じ、アッベ屈折計を用いて20℃の温度でフィルム状成形体の屈折率を測定した。
炭酸カルシウム、酸化チタン、シリコン系架橋粒子については、一般に無機顔料の屈折率の測定方法として知られているLarsenの油浸法を用いて20℃の温度で屈折率を測定した。
【0020】
(平均粒径の測定方法)
平均粒径が5μm以上の微粒子については微粒子をイソプロピルアルコール中に超音波により分散させ、得られた分散液を遠心式自動粒度分布測定器(堀場製作所製:CAPA型測定器)を用いて測定し、50%累積粒径を平均粒径とした。
平均粒径が0.1μm以下の微粒子については透過型電子顕微鏡にて写真撮影を行い、得られた粒子画像の長径と短径を測定し、その平均値を微粒子1個の粒径として、微粒子30個の粒径の平均値を平均粒径とした。
【0021】
【実施例1】
(アクリル系樹脂の製造)
メタクリル酸メチル79.9重量%、アクリル酸メチル5.1重量%、及びエチルベンゼン15重量%からなる単量体混合物に1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン150ppm及びn−オクチルメルカプタン300ppmを添加し均一に混合した。この混合溶液を内容積10リットルの密閉式耐圧反応器に連続的に供給し、攪拌下に平均温度130℃、平均滞留時間2時間で重合した後、反応器に接続された貯槽に連続的に送り出し、減圧下で揮発分を除去した後、押出機に連続的に溶融状態で移送し、押出機を通す事により、アクリル系樹脂のペレットを得た。このペレットを分析した結果、その共重合率はメタクリル酸メチル単位94.0重量%,アクリル酸メチル単位6.0重量%であり、重量平均分子量は14万であり、その20℃における屈折率は1.490であった。
【0022】
(導光板の作成)
得られたアクリル系樹脂ペレットに対して紫外線吸収剤として、2−(5−メチル−2ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール150ppmと微粒子として平均粒径が5μmであるアクリル系架橋粒子(テクポリマーMB20X−5:積水化成品工業(株)製:屈折率1.495)を200ppmを添加し、タンプラ−混合機を用いて5分間混合した。次いで、得られた混合品をシート用Tダイを有する50mm単軸押出機と温調されたポリシングロールと引き取り装置からなる押出シート成形機を用いて250℃の温度で幅300mm、厚み6mmの押出板を得た。次いで得られた押出板から幅227mm、長さ297mmのサイズの板を丸鋸を用いて切り出した。次いで、切り出した板のカット面を精密研磨機(PLA−BEAUTY:メガロテクニカ(株)製)を用いて研磨し、更にバフ研磨を施し鏡面状に仕上げ導光板とした。
次いで、14インチサイズのドットグラデーションを施した印刷スクリーンを用い、インクにマットメジウムSR9300(ミノグループ社製)を用いて、導光板の片面にスクリーン印刷を行い拡散層を形成した。
【0023】
(輝度,輝度ムラ及び出光色の色度座標値の測定)
図1に示した光源装置に準じ、光源として4mmφの冷陰極管(ハリソン電気社製)を拡散層を設けた導光板の長さ297mm側の両端面に設置し、光反射シートとしてレイホワイト75(きもと社製)を用い、導光板の上部に光拡散シートD121(辻電製)を2枚重ねて載せた。陰冷極管には直流電圧安定装置より12Vの電圧をかけ20分間点灯後に発光面から1m離れた位置に設置した輝度計(CS−1000:ミノルタ社製)により、発光面全体を縦8×横8=64分割した測定点の各々の輝度及び色度座標値(x,y)を測定した。次いで得られた測定値から平均輝度と均斉度(輝度ムラ)を算出した。
平均輝度:64分割した各々の測定点の輝度の平均値
均斉度 :64分割した各々の測定点の輝度の中の(最小輝度/最大輝度)×100%
【0024】
次ぎに別に測定していた紫外線吸収剤及び微粒子を含まない導光板の色度座標値(x,y)との差(Δx,Δy)を算出した。
Δx=(実施例で得られた導光板のx値)−(紫外線吸収剤及び微粒子を含まない導光板のx値)
Δy=(実施例で得られた導光板のy値)−(紫外線吸収剤及び微粒子を含まない導光板のy値)
評価結果を表1(但し、「輝度cd/m2 」は、平均輝度を意味する。)に示す。
【0025】
(紫外線による着色性評価)
押出シート成形機により成形して得られた厚み6mmのシートから幅30mm、長さ220mmの短冊状の試片を切り出し、30mm幅側の両面についてPLA−BEAUTYを用いて研磨し、更にバフ研磨を行って鏡面状に仕上げた。次いで研磨した短冊状試片3枚を、紫外線による着色性評価に適したサンシャインウェザーメーターWEL−SUN−HCH型(ブラックパネル温度63℃,降雨時間18分/120分:スガ試験機(株)製)の試料枠に固定し100時間の照射試験を行った。次いで照射試験後の試片3枚を束ね、色差計(TC−1800型カラーアナライザー:東京電色工業社製)を用いて、220mm長さ方向のYI(黄色度)を測定した。次いで、あらかじめ測定してあった照射試験前のYIとの差ΔYI(黄変度)を求めた。結果を表1に示す。 尚、黄色度はJISK7105に準じ下式により算出した。結果を表1に示す。
YI(黄色度)=100(1.28X−1.06Z)/Y
表1に示したように実施例1で得られた導光板は紫外線による着色性が小さく、且つ、高輝度で輝度ムラが小さい。又、Δx,Δyが0.000である事から、添加した紫外線吸収剤及び微粒子による導光板の出射光の色調への影響が無く、カラーモニター用導光板として優れたものであった。
【0026】
【比較例1】
紫外線吸収剤及び微粒子を用いない他は実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。紫外線吸収剤及び微粒子を用いていない為、紫外線による着色が大きく低輝度であり且つ、輝度ムラも大きくカラーモニター用には適さない導光板である。
【実施例2〜4】
紫外線吸収剤の量を各々、80ppm、300ppm、500ppmとした他は実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。実施例1同様カラーモニター用導光板として優れたものであった。
【0027】
【実施例5〜6】
紫外線吸収剤の種類を実施例5では、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾヘェノンに,実施例6では4−tブチルフェニルサリシレートにかえた他は実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。実施例1同様カラーモニター用導光板として優れたものであった。
【比較例3〜5】
紫外線吸収剤の量を各々、0ppm、50ppm、1000ppmとした他は実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。紫外線吸収剤が0ppm,50ppmでは紫外線による着色性が大きく、又1000ppmでは輝度及び均斉度が小さく、いずれも劣るものであった。
【0028】
【実施例7〜10】
微粒子の濃度を各々、12ppm,20ppm,800ppm,1000ppmとした他は実施例1と同様に実施した。結果を表2(但し、「輝度cd/m2 」は、平均輝度を意味する。)に示す。実施例1同様カラーモニター用導光板として優れたものであった。
【実施例11〜13】
微粒子として炭酸カルシウム(平均粒径5μm:屈折率1.658)を用い、濃度を各々、0.6ppm,6.1ppm,25ppmとした他は実施例1と同様に実施した。結果を表2に示す。実施例1同様カラーモニター用導光板として優れたものであった。又、炭酸カルシウムはアクリル系架橋粒子より屈折率が高い為、小量で効果を発現する。
【0029】
【実施例14〜16】
微粒子としてMS架橋粒子(平均粒径6μm:屈折率1.520)を用い、濃度を各々、3.3,33,133ppmとした他は実施例1と同様に実施した。結果を表2に示す。実施例1同様カラーモニター用導光板として優れたものであった。
【実施例17〜19】
実施例17では微粒子として、平均粒径0.1μmの炭酸カルシウム(屈折率1.658)を6.1ppm用い、実施例18,19では微粒子として平均粒径が8μm,20μmのアクリル系架橋粒子(屈折率1.495)とした他は実施例1と同様に実施した。結果を表2に示す。実施例1同様カラーモニター用導光板として優れたものであった。
【0030】
【比較例2】
微粒子を用いない他は実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。微粒子が含有されていない為、輝度が小さく、均斉度も劣るものであった。
【比較例6,7】
比較例6,7では微粒子の添加量を各々、6ppm,2000ppmに変えた他は実施例1と同様に実施した。結果を表2に示す。このように、(A−B)×Cの値が0.05未満では輝度及び均斉度が劣り、5を超えると輝度及び均斉度が劣り、且つ、Δx,Δyの値が大きくなりカラーモニター用導光板としては不適当であった。
【0031】
【比較例8,9】
比較例8.9では微粒子として平均粒径が5μmである炭酸カルシウム(屈折率1.658)を用い、添加量を各々、0.2ppm,61ppmに変えた他は実施例1と同様に実施した。結果を表2に示す。比較例6〜7と同様に(A−B)×Cの値が0.05未満、或いは5を超えるとカラーモニター用導光板としては不適当であった。
【比較例10】
比較例10では微粒子として平均粒径が0.02μmである酸化チタン(屈折率2.583)を0.9ppm用いた他は実施例1と同様に実施した。結果を表2に示す。微粒子の平均粒径が0.1μm未満であるとΔx,Δyの値が大きくなりカラーモニター用導光板としては不適当であった。
【0032】
【比較例11,12】
比較例11では微粒子として平均粒径30μmのアクリル系架橋粒子(屈折率1.495)を200ppm用い、比較例12では平均粒径30μmの炭酸カルシウム(屈折率1.658)を6.1ppm用いた他は実施例1と同様に実施した。結果を表2に示す。微粒子の平均粒径が20μmを超えるものは低輝度であり均斉度も劣るものであった。又、導光板の発光面に輝点が観察された。
【比較例13】
比較例13では微粒子として平均粒径が6μmであるシリコン系架橋粒子(トスパール2000B:東芝シリコン(株):屈折率1.420)を14.3ppm用いた他は実施例1と同様に実施した。結果を表2に示す。微粒子の屈折率がアクリル系樹脂より低いものでは、低輝度であり均斉度も劣るものであった。
【0033】
【実施例20】
(射出成形用原料の調整)
実施例1の(導光板の作成)の項に示したアクリル系樹脂ペレットと紫外線吸収剤と微粒子をタンブラー混合機で混合したブレンド品を50φ単軸押出機を用いて250℃の温度で押し出しペレットとして得た。
(導光板の作成)
得られたペレットを賦型金型及び金型温調機を有する射出成形機(IS550:東芝機械(株))を用いて260℃の温度で成形し、幅227mm,長さ297mm,厚み6mmの導光板を得た。次いで、14インチサイズのドットグラデーションを施した印刷スクリーンを用い、インクにマットメジウムSR9300(ミノグループ製)を用いて、導光板の片面にスクリーン印刷を行い拡散層を形成した。
【0034】
(導光板の評価)
以下、実施例1と同様に輝度、輝度ムラ、出射光の色度座標値、紫外線による着色性評価を実施した。尚、Δx,Δyの算出は、上記成形条件で別に作成していた紫外線吸収剤及び微粒子を含まない導光板の測定値と比較した。結果を表1に示す。射出成形方法で得た導光板についても実施例1で得た押出板同様にカラーモニター用導光板として優れたものであった。
【0035】
【表1】
Figure 0004278257
【0036】
【表2】
Figure 0004278257
【0037】
【発明の効果】
本発明のアクリル樹脂系カラーモニター用導光板は、従来の導光板に比較して高輝度で輝度ムラも少なく、且つ、色調再現性、色調安定性等に優れている為、カラー液晶表示装置などのバックライト用導光板に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアクリル樹脂系カラーモニター用導光板を用いたエッジライト方式の面光源装置の1例を示したものである。
【符号の説明】
A:光源(冷陰極管)
B:導光板
C:光拡散層
D:光反射シート
E:光拡散シート
F:プリズムシート
G:カラー液晶ユニット
H:装置収納ケース

Claims (6)

  1. ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤の中から選択される1種以上の紫外線吸収剤を80〜500ppm含有する導光板用アクリル系樹脂において、該アクリル系樹脂中に平均粒径が0.1〜20μmであり屈折率がアクリル系樹脂より高い微粒子を下記(式1)が成立する濃度で含有せしめ、且つ、前記組成物を成形して得られる導光板の出光色と、紫外線吸収剤及び微粒子を含まない導光板の出光色との色度座標値(x,y)の差が±0.003以内である事を特徴とするカラーモニター用導光板。
    0.05≦(A−B)×C≦5・・・・(式1)
    A:微粒子の20℃における屈折率
    B:アクリル系樹脂の20℃における屈折率
    C:微粒子の濃度(ppm)
  2. 微粒子の平均粒径が0.1〜10μmである事を特徴とする請求項1記載のカラーモニター用導光板。
  3. 上記式(1)の範囲が0.1≦(A−B)×C≦4である事を特徴とする請求項1、又は請求項2記載のカラーモニター用導光板。
  4. 紫外線吸収剤及び微粒子を含まない導光板の出光色との色度座標値(x,y)の差が±0.002以内である事を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカラーモニター用導光板。
  5. 押出成形又は射出成形で成形される事を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカラーモニター用導光板。
  6. 請求項5記載のカラーモニター用導光板を用いる事を特徴とするカラーモニター用光源装置。
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