JPH11211041A - ハロゲン含有物の処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン物質を多量に含有する廃棄物を単一
の回転処理炉で加熱し炭化処理して排出する場合、分解
したハロゲン物質が処理炉内に充満し残渣がこれを吸収
するため、炭化処理物を再利用することはできない。ま
た、廃棄物の種類（性質）によってハロゲン物質の分解
析出条件が異なり、同一条件での加熱処理では最適な分
解析出ができない。 【解決手段】 廃棄物を複数の分解手段１０，１０′で
個別に加熱処理してハロゲン物質を分解析出し、次にこ
のハロゲン物質を除去した残渣を減容手段２に送り、炭
化処理して減容化し、ハロゲン物質を含まない炭化物を
取り出して再利用を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン（塩素，
臭素，ヨウ素等）を多量に含有する廃棄物などの被処理
物を熱分解などの熱的処理を行って処理する処理方法と
処理装置に係り、特に、被処理物の含有するハロゲン物
質（特に塩素）を分解析出させる分解工程と、その後の
被処理物を炭化などにより減容化する工程とを別々の加
熱処理炉で行い、残渣中にハロゲン物質（特に、塩素）
が反応残存しないように処理する方法および装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】都市ゴミなどの一般廃棄物や産業廃棄
物、シュレッダーダスト、塩化ビニルなどの廃棄物はハ
ロゲン物質（塩素、臭素、沃素、フッ素、アスタチ
ン）、特に、塩素を多量に含んでいるので、焼却などの
加熱処理をした場合には、塩素系ガス（塩化水素、塩
素）を多量に発生し、発生したガス（排ガス）、焼却後
の残渣（処理灰）、排ガス中の飛灰中に猛毒のダイオキ
シン類を生成してしまう。

【０００３】そこで、排ガスと消石灰とを反応塔で反応
させ、ＨＣｌ，ＳＯｘをＣａＣｌ₂，ＣａＳＯ₄として粉
体中に吸収固定し、排ガスからＨＣｌ，ＳＯｘを除去
し、次に、バグフィルタにより消石灰粉末をダストと共
に除去するようにした廃棄物処理方法が知られている。

【０００４】しかし、この処理方法では、高濃度の酸性
ガスが発生し、廃棄物処理設備を耐食構造にしなければ
ならないので設備費が高くなる。

【０００５】この設備費を低減するために、単一の回転
処理炉（ロータリーキルン）を使用して熱分解し、排出
された残渣を後ストーカで焼却し、熱分解ガスを再燃室
で燃焼させ、発生した高温ガスをボイラ等を通した後、
反応塔に導き、この反応塔で前述同様に消石灰スラリを
噴霧して排ガスと反応させるようにした処理方法が提案
されている（例えば、特開平５−３３９１６）。

【０００６】また、他の方法として、回転処理炉で低温
乾留法により廃棄物を熱処理して低温乾留ガスと熱分解
残留物とに変換し、これを高温燃焼炉で燃焼して溶融液
状のスラグを生成し、これを冷却してガラス状に固化
し、発生したガスはボイラ、除去フィルタ及びガス浄化
装置で処理して排出する処理の方法が知られている（例
えば特開平８−５１０７８９）。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】従来の被処理物を熱分
解する方法は、単一の回転処理炉の一方の供給口から被
処理物を供給し、他方の排出口から炭化物を排出するの
で、炭化物を排出する過程において、被処理物を撹拌し
ながら３００℃〜６００℃で約１時間加熱することで被
処理物から塩素系ガスを分解析出するようにしている
が、しかし、ハロゲン物質（特に塩素系ガス）が被処理
物から分解析出する温度は２００℃〜３５０℃程度であ
り、回転処理炉内には、分解析出した塩素系ガスが充満
することになり、この時点でダイオキシン類を生成する
可能性がある。

【０００８】しかも、被処理物は回転処理炉内で撹拌さ
れながら移動しており、更に、被処理物が３５０℃程度
の温度で加熱されると炭化物となるが、この炭化物とな
るとき、炉内に塩素系ガス、ダイオキシン類が生成され
て存在すると、炭化物には、これらの塩素系ガス、ダイ
オキシン類を吸着してしまう。一度炭化物内に吸収した
ダイオキシン類を除去することは極めて困難である。

【０００９】従って、生成した炭化物は再利用すること
は困難で、残渣として最終処分場に埋設するか、非常に
高温にて溶融処理するなどの特別な手段によって無害化
処理をする必要がある。

【００１０】また、被処理物の性質は一定したものでは
なく、時期、場所によって大きく変化する場合がある。
加熱処理炉は被処理物の性質によって加熱温度，加熱処
理時間を制御して行われるが、単一の加熱処理炉で行う
には限界がある。

【００１１】そこで、本発明の課題は、加熱処理炉で加
熱処理する場合、生成した炭化物にハロゲン物質（特に
塩化水素）を吸収することなく、しかもハロゲン物質を
含まない被処理物を炭化等により減容化するとともに、
被処理物の性質に合わせた、被処理物の加熱処理をでき
るようにすることにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本願の発明者は、種々実
験検討の結果、ダイオキシン類生成の起因となるハロゲ
ン物質、特に塩素系ガスを被処理物から分解析出する手
段と、その後の減容化（炭化、灰化）処理する手段とを
別の加熱処理炉で行いば、上記の課題が解決されること
を見い出した。

【００１３】また、加熱処理炉で、加熱処理する場合、
被処理物の性質によりハロゲン物質の分解析出する条件
が異なり、単一の加熱処理炉のみでは、好適処理が困難
であることも判明した。

【００１４】そこで、本発明による課題解決の手段は、
被処理物に含有するハロゲン物質を分解析出する分解加
熱処理炉と、この分解加熱処理炉で処理された被処理物
を炭化等により減容する減容化加熱処理炉と、前記分解
加熱処理炉で処理した被処理物を減容化加熱処理炉に導
くダクトとを備え、これら分解加熱処理炉および減容化
処理炉は、一端側に被処理物を供給する供給口及び他端
側にこれを排出する排出口を有する円筒体と、該円筒体
の内部を供給口側から排出口側に被処理物を撹拌しなが
ら移送させる手段と、この円筒体を外部から加熱する加
熱手段とで構成し、前記分解加熱処理炉は少なくとも２
基設けて夫々排出口と、前記減容化加熱処理炉の供給口
とをダクトで連通し、被処理物の性質によって分解加熱
処理炉の温度又は加熱時間を個別に制御可能とするもの
である。

【００１５】前記の２基の分解加熱処理炉の配置は、ダ
クトを平面的でそのダクトを挾んだ両側の端部にダクト
と直角方向に配置し、減容化加熱処理炉は、上記のダク
トの他端側に該ダクトと直角方向又は直線方向に配置す
る。この場合ダクトの内部には分解加熱処理炉から減容
化加熱処理炉に被処理物を移動させるコンベヤ又はスク
リュー等の移送手段を設ける。

【００１６】この移送手段は、ダクトを立設（垂直又は
所定角傾斜）し、上部に分解加熱処理炉、下部に減容化
加熱処理炉を配置し、被処理物を流下させることでも
（特別な移送手段なしに）実現できる。

【００１７】このときの分解加熱処理炉の配置は、ダク
トを挟んだ両側に横置きして配置するか、又はダクトの
一方の側面側に略平行に配置する。

【００１８】そして、これら分解加熱処理炉における加
熱処理は、被処理物からハロゲン物質が分解析出する温
度の２００℃〜３５０℃で加熱処理する。２基の分解加
熱処理炉は被処理物の性質によって個別に温度又は加熱
時間が制御可能とする。

【００１９】また、これら分解加熱処理炉の加熱処理
は、被処理物の乾燥工程と、ハロゲン物質の分解工程と
を分けて同一加熱処理炉又は異なる加熱処理炉で行って
もよい。

【００２０】上記の減容化加熱処理炉での減容化処理
は、炭化又は灰化処理により行い、その処理温度は、被
処理物が炭化する３５０℃〜７００℃、又は灰化する８
００℃以上で処理する。

【００２１】上記の加熱手段は、円筒体を包囲する加熱
コイル（抵抗体又は誘導加熱）で形成し、通電により加
熱するか、又は、円筒体を包囲する加熱筒（ガスダク
ト）を設け、この加熱筒内に熱ガスを導入して加熱する
か、あるいは、この両方の加熱手段を併用する。

【００２２】円筒体は必ずしも回転自在とする必要はな
く、固定して内部に被処理物を移送する手段（スクリュ
ー等）を設けてもよいが、回転自在とするときは、円筒
体の外周に従動歯車を設けて、従動歯車をモータで回転
駆動する。また、上下に設置した加熱処理炉の各円筒体
の外周に従動歯車を設け、これら両方の従動歯車を共通
のモータで回転駆動する。

【００２３】上記のようなハロゲン含有物の処理装置と
することにより、被処理物の性質に合わせて適切にハロ
ゲン物質の分解析出処理ができ、減容化した処理物のよ
り完全な無害化が実現できる。

【００２４】なお、上記ハロゲン物質の熱分解析出過程
で発生した排ガスは、従来から行われているバグフィル
タ等の周知の手段によって塩素系ガス、生成されたダイ
オキシン類の除去を行う。

【００２５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
によって説明する。本発明は上記のように、ハロゲン物
質を含有する被処理物を加熱処理する処理装置として、
被処理物からハロゲン物質を分解析出する分解加熱処理
炉と、このハロゲン物質を分解析出した後の被処理物を
炭化処理等により減容化する減容化加熱処理炉とを異な
る加熱処理炉として構成し、且つ分解加熱処理炉を少な
くとも２基設けたことに特徴を有する。図１はこの基本
思想を説明するための廃棄物処理設備の概念図である。

【００２６】図１において、１０は分解加熱処理炉、２
０は減容化加熱処理炉を示す。分解加熱処理炉１０は、
回転自在の円筒体１１と、該円筒体１１の外周にガスダ
クトを形成し熱ガスを導入して円筒体１１を加熱する加
熱筒１２と、円筒体１１の一方の端部に設けられ、被処
理物を円筒体１１内に供給する供給口１３と、円筒体１
１の他方の端部に設けられた排出口１４とで構成され、
この円筒体１１は回転駆動手段１５によって回転駆動さ
れる。回転駆動手段１５は駆動用モータ１５ａ、駆動歯
車１５ｂ，円筒体１１に設けられた従動歯車１５ｃから
成る。１６は供給口１３側を包囲する供給側ダクト、１
７は排出口１４側を包囲する排出側ダクト、１８は加熱
コイル（誘導加熱又は抵抗体）で、加熱筒１２の両側の
円筒体１１の外周に、円筒体１１とは非接触で且つ近接
して設けられ、加熱筒１２と共に加熱手段を構成する。

【００２７】なお、図中１９は温度センサ装着用筒、Ｐ
は動的シールを示している。

【００２８】この分解加熱処理炉１０は、図３の１０お
よび１０′で示すように同一構成で２基設けられる。

【００２９】減容化加熱処理炉２０は、前記の分解加熱
処理炉１０とは基本的構成は同じである。よって、同一
又は相当部分には２０の次の一桁を同じ数字とし（例え
ば、２１は円筒体、２２は加熱筒）説明を省略する。

【００３０】３０はホッパで、被処理物を投入し、該被
処理物は開閉バルブ（開閉扉）３１を介して円筒体１１
の供給口１３から円筒体１１内に供給する。被処理物と
しては、一般廃棄物，産業廃棄物等の固形物や灰類，汚
泥いずれでもよい。

【００３１】分解加熱処理炉１０の円筒体１１と、減容
化加熱処理炉２０の円筒体２１とは上下方向に横置きに
して配設され、円筒体１１の排出側ダクト１７と円筒体
２１の供給口２３とは、開閉バルブ（開閉扉）３２を介
して連通され、また、減容化加熱処理炉２０の円筒体２
１の排出側ダクト２７は開閉バルブ（開閉扉）３３を介
して炭化物ホッパ３４に連通し、加熱処理後の炭化物又
は処理灰を排出する。

【００３２】３５は燃焼装置で、例えばＬＮＧを燃焼さ
せる場合はＬＮＧタンク３６からのＬＮＧを燃焼して熱
ガスを発生させる。この熱ガスは円筒体２１の外周に設
けた加熱筒２２内に供給され円筒体２１を加熱した後、
連絡管３７を介して分解加熱処理炉１０，１０′の円筒
体１１の加熱筒１２内に送入し、この円筒体１１を加熱
した後、排出管３８を介して排ガス燃焼部３９に送り込
まれる。

【００３３】４０はバグフィルタで、分解加熱処理炉１
０内で発生した分解ガスをダクト１７内およびダクト２
６内から、管路４１を介して取り出し、処理剤供給部４
２からの処理剤と反応させて排ガスの無害化処理を行
う。このバグフィルタ４０で処理された排ガスは排ガス
燃焼部３９に送り込まれる。

【００３４】排ガス燃焼部３９では、加熱筒１２からの
熱ガスとバグフィルタ４０からの排ガスとをＬＮＧ等に
より燃焼処理を行い発生した熱ガスの一部を管路４３を
介して減容化加熱処理炉２０の加熱筒２２に供給し、他
を煙突４４から放出する。

【００３５】図２は円筒体１１および２１の縦断面図
で、内部に複数の羽根Ｓを有し、円筒体の回転により、
内部に供給された被処理物、また被処理物と処理剤の混
合物を撹拌しながら供給口側から排出口側に移動させ
る。この移動をスムーズにするため、円筒体１１，２１
を供給口側を排出口側より若干高く傾斜して設備しても
よい。

【００３６】図３は図１の処理装置の２基の分解加熱処
理炉を分解手段１および１′、減容化加熱処理炉を減容
手段２，ダクトを３としてこれを模式的に表した模式図
で、その（Ａ）は側面図、（Ｂ）は正面図を示したもの
である。

【００３７】ダクト３を被処理物が流下しやすいように
立設（直立又は傾斜させて）し、その上部に２基の分解
手段１，１′をダクト３の同一面に略平行に配置し、減
容手段はダクトの下部に分解手段と同じ方向に配置した
ものである。

【００３８】なお、４はダクト３に設けられ、被処理物
の流量を制御可能とした開閉扉（開閉バルブ）である。

【００３９】次に一連の処理について説明すると、ま
ず、燃焼装置３５でＬＮＧを燃焼して熱ガスを発生さ
せ、加熱筒２２および１２に供給する。また必要に応じ
て加熱コイル１８，２８に交流電力を供給して円筒体２
１，１１を加熱する。次に（又は同時に）ハロゲン物質
を含有する被処理物（必要に応じて処理剤を混合して）
をホッパ３０から分解処理炉１０の円筒体１１内に供給
する。このとき、被処理物を性質により分別して２基の
分解加熱処理炉１０，１０′に分けて供給し、各分解加
熱処理炉１０，１０′は性質に合わせて加熱処理する。

【００４０】即ち、被処理物の性質により、ハロゲン物
質、特に塩素系ガスが分解析出する温度（２００℃〜３
５０℃）および時間で加熱処理し、ハロゲン物質を被処
理物から分解析出する。析出したガスは、バグフィルタ
４０で処理剤と反応させて無害化処理する。この処理は
従来から知られている処理手段である。

【００４１】なお、図示を省略したが、バグフィルタ４
０に取り込む前工程としてガスを燃焼してタール分を除
去し、且つバグフィルタの耐久温度以下にガスを冷却す
る。

【００４２】一方、ハロゲン物質を析出した後の被処理
物は、分解加熱処理炉１０，１０′の排出口からダクト
１７，開閉バルブ３２を介して減容化加熱処理炉２０の
円筒体２１の供給口２３に送り込まれ、ここで被処理物
が炭化する温度（紙類は３５０℃程度で炭化が始まる）
３５０℃〜７００℃に加熱して炭化処理、又は８００℃
以上に加熱して灰化処理により減容化する。

【００４３】この減容化加熱処理炉２０内には、塩素系
ガス成分、ダイオキシン類は存在しないので、炭化又は
灰化した被処理物には、これらの塩素系ガス成分やダイ
オキシン類を吸着することはない。

【００４４】この減容化した被処理物はダクト２７，開
閉バルブ３３に介して炭化物ボッパ３４内に排出され
る。

【００４５】分解および減容化加熱処理炉の温度制御手
段は、次のように行われる。分解加熱処理炉１０，１
０′においては、減容化加熱処理炉２０の加熱筒２２と
の連絡管３７にバルブを設け、このバルブの開閉制御に
より、又は連絡管３７を複数本設けて使用本数をバルブ
開閉制御により選択する手段、又は加熱コイル１８に供
給する交流電流、もしくは誘導加熱の場合は周波数を制
御する手段で行われる。これらの制御はダクト１７内の
ＨＣｌ等のガス濃度をガス濃度計４５又は温度センサ装
着用筒１９内に設けられた温度センサによる検出温度に
より自動又は手動で制御される。

【００４６】また、減容化加熱処理炉２０の温度制御手
段は、上記とほぼ同じであるが、燃焼装置３５によるＬ
ＮＧ燃焼手段の制御が主となる。これらの制御も、ダク
ト２６，２７内のＨＣｌ濃度を計測するガス濃度計４
６，４７および温度センサ装着用筒２９内の温度センサ
による検出温度を反映して制御する。

【００４７】なお、図１の実施の形態は、分解および減
容化加熱処理炉１０，２０内の被処理物を撹拌して移動
する手段として、円筒体の中に羽根を設けて円筒体自体
を回転させて移動するようにした場合であるが、必ずし
も円筒体を回転させる必要はなく、円筒体を固定し、内
部の軸線方向に長いスクリュー体を設けて、スクリュー
体を外部から回転駆動するようにしてもよい。

【００４８】また、円筒体を加熱する加熱手段は、熱ガ
スによる加熱と加熱コイルによる加熱の両方を適用した
場合について説明したが、いずれか一方の加熱手段でも
よい。

【００４９】また、減容化加熱処理炉での減容化は、被
処理物を炭化した後、金属類等を分離回収し、その他の
残渣を高温で灰化するようにしてもよい。

【００５０】以上のように本発明は、分解加熱処理炉を
少なくとも２基設け、夫々の分解加熱炉で性質の異なる
被処理物を、加熱処理できるようにして、被処理物に含
有するハロゲン物質を効果的に分解析出し、これを減容
化することを基本としているので、分解加熱炉の配置
は、図１又は図３に限定されるものではない。

【００５１】即ち、図３は前述したように図１の第１の
実施の形態を模式化した模式図で、その（Ａ）は側面
図、（Ｂ）は正面図である。図４は第２の実施の形態の
模式図で、その（Ａ）は側面図、（Ｂ）は正面図を示
し、ダクト３を立設（直立又は傾斜して）し、その上部
のダクトを挾んでダクトの両側に分解手段を横置きに配
置し、減容手段はダクトの下部に横置きに設置した場合
である。

【００５２】図５は第３の実施の形態で、その（Ａ）は
平面図、（Ｂ）は正面図を示し、ダクト３を平面上に配
設し、その一端側にダクト３を挟む両側に分解手段１，
１′を、ダクト３の他端側に減容手段２を夫々平面的で
ダクトと直角方向に配置したものである。この場合はダ
クト３内に被処理物を移送する手段を設ける。

【００５３】図６は第４の実施の形態で、その（Ａ）は
平面図、（Ｂ）は正面図を示す。この実施の形態は、第
３の実施の形態の減容手段２をダクト３の端部にダクト
の軸線方向に配置した場合である。

【００５４】

【発明の効果】本発明は以上のように、被処理物の含有
するハロゲン物質（特に塩素系ガス等）を分解析出させ
る分解手段と、その後の被処理物を加熱して減容化する
手段とを別の加熱処理炉で行うようにするとともに、分
解手段を少なくとも２基設けるようにしたので、減容化
手段の過程では、残渣とハロゲン物質に起因して生成さ
れるダイオキシン類とは共存することがないので、ダイ
オキシン類が残渣（炭化物、灰類）に吸着混入すること
はない。よって残渣の無害化が実現でき、残渣から金
属，炭化物を取り出して再利用できる等、環境上好まし
い廃棄物処理が可能となる。

【００５５】加えて、分解手段を複数基設置するとによ
り、被処理物の性質に合わせて使い分けができ、被処理
物に適した加熱処理が可能となり、残渣へのダイオキシ
ン類の残存が無くなる。

【００５６】また、被処理物の集中する時期（年末、年
始等）の処理に容易に対応できる。等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態の廃棄物処理設備の概念
図。

【図２】円筒体の縦断面図。

【図３】本発明の第１の実施の形態の模式図。

【図４】本発明の第２の実施の形態の模式図。

【図５】本発明の第３の実施の形態の模式図。

【図６】本発明の第４の実施の形態の模式図。

【符号の説明】

１…分解手段 ２…減容手段 ３…ダクト ４…開閉扉 １０，２０…加熱処理炉 １１，２１…円筒体 １２，２２…加熱筒 １３，２３…供給口 １４，２４…排出口 １５，２５…回転駆動手段 １６，２６…供給側ダクト １７，２７…排出側ダクト １８，２８…加熱コイル １９，２９…温度センサ装着用筒 ３０…ホッパ ３１，３２，３３…開閉バルブ ３４…炭化物ホッパ ３５…燃焼装置 ３６…ＬＮＧタンク ３７…連絡管 ３８…排出管 ３９…排ガス燃焼部 ４０…バグフィルタ ４１…管路 ４２…処理剤供給部 ４３…管路 ４４…煙突 ４５，４６，４７…ガス濃度計

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被処理物に含有するハロゲン物質を分解
   析出する分解加熱処理炉と、この分解加熱処理炉で処理
   された被処理物を炭化等により減容する減容化加熱処理
   炉と、前記分解加熱処理炉で処理した被処理物を減容化
   加熱処理炉に導くダクトとを備え、これら分解加熱処理
   炉および減容化処理炉は、一端側に被処理物を供給する
   供給口および他端側にこれを排出する排出口を有する円
   筒体と、該円筒体の内部を供給口側から排出口側に被処
   理物を撹拌しながら移送させる手段と、この円筒体を外
   部から加熱する加熱手段とで構成し、前記分解加熱処理
   炉は少なくとも２基設けて夫々の排出口と、前記減容化
   加熱処理炉の供給口とをダクトで連通したことを特徴と
   するハロゲン含有物の処理装置。
2. 【請求項２】 ダクトは被処理物が流下可能に立設し、
   その上部に分解加熱処理炉を横置きにして設置し、下部
   に減容化加熱処理炉を横置きにして配置したことを特徴
   とする請求項１記載のハロゲン含有物の処理装置。
3. 【請求項３】 分解加熱処理炉は、ダクトを挟んだ両側
   に配置したことを特徴とする請求項１又は２記載のハロ
   ゲン含有物の処理装置。
4. 【請求項４】 分解加熱処理炉は、ダクトの一方の側面
   側に平行に配置したことを特徴とする請求項１又は２記
   載のハロゲン含有物の処理装置。
5. 【請求項５】 分解加熱処理炉における加熱処理は、被
   処理物からハロゲン物質が分解析出する温度で加熱する
   ことを特徴とする請求項１ないし４のいずれか１項に記
   載のハロゲン含有物の処理装置。
6. 【請求項６】 分解加熱処理炉における加熱処理温度
   は、被処理物からハロゲン物質が分解析出する２００℃
   〜３５０℃であることを特徴とする請求項１ないし５の
   いずれか１項に記載のハロゲン含有物の処理装置。
7. 【請求項７】 分解加熱処理炉における加熱処理は、乾
   燥工程と、ハロゲン物質の分解工程とに分けて同一加熱
   処理炉又は異なる加熱処理炉で行うことを特徴とする請
   求項１ないし６のいずれか１項に記載のハロゲン含有物
   の処理装置。
8. 【請求項８】 減容化加熱処理炉における減容化処理
   は、炭化又は灰化処理であることを特徴とする請求項１
   又は２記載のハロゲン含有物の処理装置。
9. 【請求項９】 減容化加熱処理炉における減容化処理温
   度は、被処理物が炭化する３５０℃〜７００℃又は灰化
   する８００℃以上であることを特徴とする請求項１，
   ２，８のいずれか１項に記載のハロゲン含有物の処理装
   置。