JPH11210417A - ロッカーアームの製造方法 - Google Patents

ロッカーアームの製造方法

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JPH11210417A
JPH11210417A JP985698A JP985698A JPH11210417A JP H11210417 A JPH11210417 A JP H11210417A JP 985698 A JP985698 A JP 985698A JP 985698 A JP985698 A JP 985698A JP H11210417 A JPH11210417 A JP H11210417A
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punch
hole
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Yoshio Kawatake
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Nakanishi Metal Works Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産効率の向上及びコストの削減を図ること
ができ、十分な保持力でローラ支持軸を固定できる軸固
定孔を、高い位置精度で形成できるロッカーアームの製
造方法を提供する。 【解決手段】 金属板に対し外径抜き加工及び折曲加工
を施すことにより、平行に配置される一対の両側壁21
と、その両側壁21を連結する連結壁22a、22bと
を有するロッカーアーム本体11を作製した後、ロッカ
ーアーム本体11の両側壁21を、孔開け用パンチ36
により打ち抜いて下孔26を形成し、その下孔26にシ
ェービング加工用パンチを打ち込んで孔内面を仕上げ
て、ローラ支持軸固定孔28を形成するものとしたロッ
カーアームの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば車両の内
燃機関における動弁機構において、バルブの開閉を行う
ためのロッカーアームの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は車両等の内燃機関における動弁機
構を示す断面図である。同図に示すように、この動弁機
構には、クランク軸(2)に連動して回転するカム
(3)の回転運動を、吸気弁や排気弁等のバルブ(4)
におけるバルブステム(5)の往復運動に変換するため
のロッカーアーム(1)が設けられている。
【0003】このロッカーアーム(1)は、図6及び図
7に示すように、平行に配置される一対の両側壁(1
a)と、その両側壁間の一端側及び他端側を連結する連
結壁(1b)(1c)と、一端側の連結壁(1b)に設
けられ、上記バルブステム(5)に当接するバルブステ
ム当接部(1d)と、他端側の連結壁(1c)に設けら
れ、シリンダヘッドに固定されたピボット部(6)に係
合するピボット係合部(1e)とを備えている。更にこ
のロッカーアーム(1)の両側壁(1a)には、互いに
同軸線上に軸固定孔(1f)が設けられており、その軸
固定孔(1f)に、ローラ(7)の支持軸(8)が固定
されて、そのローラ(7)と、上記カム(3)とが転が
り接触し得るように構成されている。
【0004】このようなロッカーアーム(1)は、十分
な剛性が必要で、更に形状も複雑であるため、一般に
は、鍛造や精密鋳造(ロストワックス)により製造し、
更にその鍛造品や鋳物品にドリル等により下孔を形成
し、その下孔にリーマ仕上げ加工等を施して、所定の精
度の軸固定孔(1f)を形成するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ロ
ッカーアームの製造方法においては、ドリル旋削加工や
リーマ仕上げ加工等の低能率の機械加工が必要であるた
め、生産効率の低下及びコストの増大を招くという問題
があった。またリーマは磨耗が早く、長期安定した状態
で、高精度の軸固定孔(1f)を形成することが困難で
あり、また高精度を維持するためにリーマを早期に交換
するとなると、一段と、コストの増大を招くという問題
が発生する。
【0006】一方、近年になって、内燃機関の高回転
化、高出力化に伴って、慣性重量の低減のために、ロッ
カーアームの軽量化が望まれ、ロッカーアームをプレス
加工により製造する技術が多数提案されている。
【0007】プレス加工によりロッカーアームを製造す
る場合、鋼板に対し外径抜き加工及び折曲加工を施すこ
とにより、所定形状のロッカーアーム本体を製造した
後、そのロッカーアーム本体の両側壁にドリル旋削加工
及びリーマ加工等の機械加工により軸固定孔を形成して
ロッカーアームを得る方法と、図8に示すように、鋼板
に対し外径抜き加工を施す際に、軸固定孔(1f)も同
時に形成しておき、図9に示すようにその孔(1f)が
同軸線上に配置されるように折曲加工を施してロッカー
アーム(1)を得る方法とが周知である。
【0008】しかしながら、前者の機械加工を用いる方
法では、生産効率が低く、コストの増大を招くことに変
わりなく、更にリーマの早期磨耗に起因する種々の問題
も解決できるものではない。
【0009】また後者の外径抜き加工時に軸固定孔(1
f)を形成しておく方法では、折曲加工した際に、軸固
定孔(1f)が互いに位置ずれして、同軸線上に配置す
ることが困難であり、高い位置精度を得ることが困難で
あるという問題を抱えている。
【0010】更に軸固定孔(1f)はパンチの打ち抜き
により形成されるため、孔内面に、面粗さの大きい破断
面が形成される。このため、その軸固定孔内にローラの
支持軸を挿入固定した際に、軸固定孔と支持軸との接触
面積を十分確保できず、ローラ支持軸を安定状態に固定
できず、ローラ支持軸が脱外する等の不具合が発生する
恐れがある。
【0011】なおこの方法において、軸固定孔(1f)
の内面を仕上げるために、リーマ仕上げ加工等を施す
と、上記と同様の問題が発生することは言うまでもな
い。
【0012】この発明は、上記従来技術の問題を解消
し、生産効率の向上及びコストの削減を図ることがで
き、十分な保持力でローラ支持軸を固定できる軸固定孔
を、高い位置精度で形成できるロッカーアームの製造方
法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明のロッカーアームの製造方法は、平行に配
置される一対の両側壁と、その両側壁を連結する連結壁
とを有するロッカーアーム本体を得る工程と、前記ロッ
カーアーム本体における両側壁の所定領域を、孔開け用
パンチにより打ち抜いて下孔を形成する工程と、前記下
孔にシェービング加工用パンチを打ち込んで孔内面を仕
上げて、ローラ支持軸固定孔を形成する工程とを含むも
のを要旨としている。
【0014】この発明のロッカーアームの製造方法にお
いては、打ち抜き孔開け加工及びシェービング加工等の
プレス加工のみでロッカーアームの軸固定孔を形成する
ようにしているため、例えば軸固定孔を形成する際に、
低能率のリーマ加工等の機械加工を行う必要がなくな
り、生産効率を向上させることができる。
【0015】また所定形状のロッカーアーム本体を得た
後、軸固定孔を形成するものであるため、正確な位置に
精度良く軸固定孔を形成することができる。更に軸固定
孔の内面は、シェービング加工により面粗さの小さい良
好な面に仕上げられているため、ローラの支持軸を固定
した際に、軸固定孔とローラ支持軸との接触面積を大き
くでき、ローラ支持軸の保持力を十分に確保することが
できる。
【0016】またシェービング加工用パンチは、リーマ
に比べて、処理数当たりの磨耗が少ないので、長期安定
した状態で高精度の軸固定孔を形成することができる。
【0017】一方、本発明においては、前記孔開け用パ
ンチ及び前記シェービング加工用パンチのうちいずれか
一方の基端部外周に面押し部を形成しておき、パンチ打
ち込み時に、前記面押し部により孔周縁を押圧して圧潰
変形させて面取り部を形成するのが好ましい。
【0018】すなわちこの場合、面取り部形成を別工程
で行う必要がないので、高い生産効率を維持しつつ面取
り部を形成することができる上更に、軸固定孔に挿入し
たローラ支持軸の端部を拡径状に加締めた際に、その加
締め端部を、上記の面取り部に十分に圧接することがで
き、ローラ支持軸の固定力を一段と向上させることがで
きる。
【0019】更に本発明においては、前記孔開け用パン
チを、前記ロッカーアーム本体の両側壁外側に、互いに
同軸線上に対向するようにそれぞれ配置するとともに、
孔開け用ダイを前記ロッカーアーム本体の両側壁内側に
配置しておき、上記両側の孔開け用パンチにより前記両
側壁を外側から同時に打ち抜いて、両側壁に前記下孔を
同時に形成するのが望ましく、又は、前記シェービング
用パンチを、前記ロッカーアーム本体の両側壁外側に、
互いに同軸線上に対向するようにそれぞれ配置するとと
もに、シェービング加工用ダイを前記ロッカーアーム本
体の両側壁内側に配置しておき、上記両側のシェービン
グ加工用パンチを前記両側壁の下孔に同時に打ち込ん
で、両下孔の内面を同時に仕上げるのが望ましい。
【0020】すなわちこれらの場合には、両側の軸固定
孔を、同軸線上に、より高い精度で正確に配置すること
ができるとともに、ロッカーアーム本体に作用するパン
チ打ち込み時の圧力が両側から均等にバランス良く付与
されるので、パンチ打ち込み圧力による悪影響が及ぶの
を有効に防止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態であるロ
ッカーアームの製造方法を、図面に基づいて詳細に説明
する。
【0022】本製法においては、まず図1に示すよう
に、鋼板の所定領域を打ち抜いて、所定形状の打ち抜き
加工品(10)を得る。
【0023】続いて図2に示すように、上記打ち抜き加
工品(10)に対して折曲加工を施して、ロッカーアー
ム本体(11)を得る。
【0024】このロッカーアーム本体(11)は、互い
に平行に配置された一対の両側壁(21)と、その両側
壁間の一端側及び他端側を連結する連結壁(22a)
(22b)と、一端側連結壁(22a)に設けられ、バ
ルブステム(図6参照)に当接するステム当接部(2
3)と、他端側連結壁(22b)に設けられ、シリンダ
ヘッドに固定されたピボット部(図6参照)に係合する
ピボット係合部(24)とを備えている。
【0025】次にこうして得られたロッカーアーム本体
(11)の両側壁(21)に、以下に詳述する孔開け装
置を用いて、下孔を形成する。
【0026】すなわち本実施形態の孔開け装置は、図3
及び図4に示すように、設置台(31)を有しており、
その設置台(31)上には、幅が上記ロッカーアーム本
体(11)の両側壁間に対応する寸法に設定された孔開
け用ダイ(32)が設けられている。更に設置台(3
1)上には、ロッカーアーム本体(11)のピボット係
合部(24)に係合可能な位置決め突起(33)が設け
られている。そしてその位置決め突起(33)にピボッ
ト係合部(24)を係合するようにして、ロッカーアー
ム本体(11)の両側壁(21)間中央に孔開け用ダイ
(32)を嵌合することにより、ロッカーアーム本体
(11)を設置台(31)の所定位置に設置されるよう
構成されている。
【0027】なお、孔開け用ダイ(32)には、ロッカ
ーアーム本体(11)の両側壁(21)における軸固定
孔形成位置に対応して、ダイ孔(32a)が幅方向に貫
通するように形成されている。
【0028】またこの孔開け装置には、設置台(31)
の両側にパンチ支持台(35)が配置されるとともに、
各パンチ支持台(35)には、上記孔開け用ダイ(3
2)と同軸上に孔開け用パンチ(36)がパンチ支持部
材(37)を介して軸線方向に沿ってスライド自在に支
持されている。更にパンチ支持台(35)の両側には、
昇降駆動自在な昇降駆動体(38)が配置されており、
この昇降駆動体(38)の下端側に設けられたカム面
(38a)と、パンチ支持部材(37)の基端側に設け
られたカム面(37a)とが摺動自在に当接配置されて
いる。そして昇降駆動体(38)が降下駆動することに
より、孔開け用パンチ(36)が軸線方向に沿って進出
するよう構成されている。
【0029】また、パンチ(36)の基端側外周には、
面取り部形成用としてテーパ状の面押し部(39)が形
成されている。
【0030】なお後に詳述するように、孔開け用パンチ
(36)は、その刃先の直径寸法が、後のシェービング
加工における取り代との関係を考慮して、ロッカーアー
ム完成品の軸固定孔の径よりも小さく設定されている。
【0031】以上の構成の孔開け装置により、ロッカー
アーム本体(11)に下孔を形成するには、まずロッカ
ーアーム本体(11)を上記したように、設置台(3
1)上に設置して、昇降駆動体(38)を降下させてパ
ンチ(36)を進出させる。これにより図5(a)に示
すように、ロッカーアーム本体(11)の両側壁(2
1)の所定領域が両側から同時に打ち抜かれて、両側壁
(21)に、互いに同軸線上に正確に配置された下孔
(26)がそれぞれ形成される。このとき下孔(26)
には、その内面の一部に、面粗さの大きい不良の破断面
(26a)が形成される。
【0032】またこの孔開け加工時において、パンチ
(36)が打ち込まれた際に、パンチ基端側の面押し部
(39)が、ロッカーアーム本体(11)の開口端部周
縁を押圧して圧潰変形させ、その周縁に沿って面取り部
(27)が形成される。
【0033】ところで本実施形態の孔開け装置において
は、ロッカーアーム本体(11)のの両側壁(21)が
打ち抜かれた後、ロッカーアーム本体(11)が孔開け
用ダイ(32)に設置された状態で、設置台(31)
が、孔開け用ダイ(32)と共に、水平方向にスライド
して排出ステージに移動する。そして図示しない突き上
げ機構により、ロッカーアーム本体(11)が下方から
突き上げられて、ダイ(32)から取り出される。その
後、ダイ孔(32a)に、その軸線方向に沿って一側方
から突き出しピン(図示省略)が挿通されて、ダイ孔
(32a)内の抜きカスが所定箇所に排出されることに
なる。更に抜きカスの排出が完了すると、設置台(3
1)がスライドして元の位置に戻り、新たなロッカーア
ーム本体が設置されて、上記同様に、打ち抜き加工が行
われる。こうしてロッカーアーム本体の孔開け加工が順
次連続して行われる。
【0034】一方、孔開け用パンチ(36)に代えてシ
ェービング加工用パンチが装着されるとともに、孔開け
用ダイ(32)に代えてシェービング加工用ダイが装着
される点を除いて、上記孔開け装置と同様な構成のシェ
ービング加工装置によって、上記下孔付きロッカーアー
ム本体(11)の下孔(26)に対し、シェービング加
工が施されて、内面仕上げが行われる。
【0035】すなわち下孔付きのロッカーアーム本体
(11)の両側壁(21)に形成された下孔(26)に
対し、それぞれ両側から同時にシェービング用パンチが
打ち込まれて、図5(b)に示すように、両下孔(2
6)の内面全域が軸線方向に対し平行に削り取られ、こ
うして下孔(26)の内面全域において、破断面(26
a)が消失して、面粗さの小さい良好な内面(せん断
面)を有するローラ支持軸固定孔(28)が両側同時に
形成される。これにより完成品としてのロッカーアーム
が得られる。
【0036】なお、このシェービング加工も、上記孔開
け加工と同様に、順次連続的に処理される。
【0037】ところで、シェービング加工での取り代
は、側壁(21)の肉厚との関係で設定するのが良い。
ここで取り代は、図5(a)に示すように、シェービン
グ加工での削り量を「L1」としたとき、この削り量
(L1)の2倍に相当するものであり、換言すれば、シ
ェービング加工用パンチの径と孔開け用パンチ(36)
の径との差に相当するものである。そして、この取り代
は、側壁(21)の肉厚(T)に対し、5〜12%に設
定するのが好ましい。すなわちこの取り代が小さ過ぎる
と、下孔(26)の内面全域を均等に削り取ることがで
きず、軸固定孔(28)の寸法精度が低下する恐れがあ
り、また逆に取り代が大き過ぎると、下孔(26)の内
面に破断面が形成される恐れがある。
【0038】また取り代は、良好なせん断面が形成され
るように、使用する材料によって、上記規定範囲内にお
いて、適宜設定するのが好ましい。例えば軟鋼を使用す
る場合には、取り代を小さめに、また硬鋼を使用する場
合には、取り代を大きめに設定するのが良い。
【0039】以上のように、本実施形態の方法によれ
ば、外径抜き加工、折曲加工、打ち抜き孔開け加工、及
びシェービング加工等のプレス加工のみでロッカーアー
ムを製造するものであるため、例えばプレス加工に比べ
て低能率のリーマ加工等を行う必要がなく、生産効率の
向上及びコストの削減を図ることができる。
【0040】また本実施形態においては、折曲加工によ
り所定形状のロッカーアーム本体(11)を得た後、そ
のロッカーアーム本体(11)に、軸固定孔(28)を
形成するものであるため、正確な位置に精度良く軸固定
孔(28)を形成することができる。更に軸固定孔(2
8)の内面は、シェービング加工により面粗さの小さい
良好な面に仕上げられているため、ローラの支持軸を固
定した際に、軸固定孔とローラ支持軸との接触面積を大
きくでき、ローラ支持軸の保持力を十分に確保すること
ができる。従って、軸固定孔にローラ支持軸を安定状態
に固定でき、例えばローラ支持軸の脱外等の不具合が発
生するのを確実に防止することができる。
【0041】しかも孔開け加工及びシェービング加工に
おいて、ロッカーアーム本体(11)の両側壁(21)
に、両側から同時に、パンチを打ち込んで、両側同時
に、孔(26)(28)を形成するようにしているた
め、両側の孔(26)(28)を、同軸線上に、精度良
く正確に配置することができるので、より一層、安定し
た状態にローラ支持軸を固定することができる。しかも
パンチ打ち込み時の圧力が両側から均等にバランス良く
付与されるので、パンチ打ち込み圧力により、有害な変
形が生じるようなことを有効に防止することができる。
【0042】更に本実施形態におけるシェービング加工
用パンチは、従来のリーマ仕上げ加工におけるリーマに
比べて、処理数当たりの磨耗が少ないので、長期安定し
た状態に高精度の軸固定孔(28)を形成することがで
きるとともに、シェービング加工用パンチを早期に交換
する必要もなく、長期使用でき、耐久性の向上はもちろ
ん、一段と、コストの削減を図ることができる。
【0043】また本実施形態においては、ロッカーアー
ムにおける軸固定孔(28)の開口周縁に面取り部(2
7)を形成しているため、軸固定孔(28)にローラ支
持軸を挿入してローラ支持軸の端部を拡径状に加締めた
際に、ローラ支持軸端部を上記面取り部(27)に確実
に圧接することができ、ローラ支持軸の固定力を一段と
向上させることができ、より確実にローラ支持軸の脱外
等の不具合が発生するのを防止することができる。
【0044】更にこの面取り部(27)は、孔開け加工
と同時に形成するようにしているため、面取り加工を、
別途行う必要がなく、高い生産効率を維持することがで
きる。
【0045】しかもパンチ(36)に面押し部(39)
を形成しているため、一対のパンチ(36)の打ち抜き
タイミングにずれが生じたとしても、パンチ打ち込み圧
力による悪影響を回避できる。すなわちパンチ(36)
に面押し部を形成しない場合には、パンチ(36)によ
りロッカーアーム本体(11)の側壁(21)を打ち抜
いた直後、孔開け用ダイ(32)に加わるパンチ打ち込
み荷重は「0」となるので、仮に左右のパンチ(36)
の打ち抜きタイミングがずれていると、打ち込み荷重が
片側から加わってしまい、ダイ(32)等が破損してし
まう恐れがある。ところが、パンチ(36)に面押し部
(39)を形成する場合には、パンチ(36)による打
ち抜き後も、面押し部(39)によってダイ(32)に
面押し荷重が加わっているため、左右のパンチ(36)
の打ち抜きタイミングがずれていたとしても、上記面押
し荷重によってダイ(32)が支持されるので、ダイ
(32)が破損する等の不具合を確実に防止することが
できる。
【0046】ここで図5に示すように、面取り部(2
7)の面取り量(L2)は、側壁(21)の肉厚(T)
に対し、10〜30%に設定するのが好ましい。すなわ
ち、面取り量(L2)が少な過ぎると、ローラ支持軸を
加締め固定した際に支持軸の面取り部(27)への圧接
量が少なくなり、ローラ支持軸の固定力を十分に確保で
きない恐れがある。逆に面取り量(L2)が多過ぎる
と、軸固定孔(28)周辺の圧潰量が多くなり、バリと
なって周囲にはみ出したり、有害な変形が生じて、軸固
定孔(28)の真円度が低下する恐れがある。
【0047】なお上記実施形態においては、ロッカーア
ーム本体を、外径抜き加工及び折曲加工等のプレス加工
により得る場合について説明しているが、本発明はそれ
だけに限られず、例えば鍛造や精密鋳造(ロストワック
ス)によりロッカーアーム本体を得、そのロッカーアー
ム本体に上記したように軸固定孔を形成するようにして
も良い。
【0048】更に本発明において、面取り部(27)の
形成は、シェービング加工と同時に行うようにしても良
い。すなわちシェービング加工用パンチの基端側周囲に
テーパ状に面押し部を設けておいて、シェービング加工
用パンチを下孔(26)に打ち込む際に、面押し部を下
孔(26)の開口端部周縁に押圧して面取り部を形成す
るようにしても良い。
【0049】もっとも本発明においては、面取り部を必
ずしも形成する必要はなく、もちろん面取り部の形成
を、孔開け加工やシェービング加工と同時に行わなくと
も良い。
【0050】
【実施例】鋼板に対して外径抜き加工及び折曲加工を施
して、側壁部の肉厚が3.5mmの折曲加工品(ロッカ
ーアーム本体)を作製した。
【0051】そしてこのロッカーアーム本体を、パンチ
径が9.68mmの孔開け用パンチと、ダイ孔径が9.
82mmのダイとを具備した上記実施形態と同様な孔開
け装置を用いて両側壁に下孔を形成し、更にパンチ径が
10.0mmのシェービング加工用パンチと、ダイ孔径
が10.12mmのダイとを具備した上記実施形態と同
様なシェービング加工装置を用いて、上記下孔に対し、
シェービング加工を施して、下孔内面の仕上げを行っ
た。
【0052】こうして得られたロッカーアームは、その
両側壁に形成される一対の軸固定孔が同軸線上に正確に
配置されてそれぞれ高い位置精度を有するものであっ
た。また軸固定孔の内面は、面粗さの小さい良好な仕上
がりのせん断面に形成されていた。
【0053】
【発明の効果】以上のように、この発明のロッカーアー
ムの製造方法によれば、所定形状のロッカーアーム本体
を得、そのロッカーアーム本体の両側壁を打ち抜いて下
孔を形成した後、その下孔の内面をシェービング加工に
より仕上げるものであるため、打ち抜き孔開け加工及び
シェービング加工等のプレス加工のみでロッカーアーム
における軸固定孔を形成することができる。従って、従
来のように低能率のドリル研削加工やリーマ加工等を行
う必要がなく、生産効率の向上及びコストの削減を図る
ことができる。また所定形状のロッカーアーム本体を得
た後、軸固定孔を形成するものであるため、正確な位置
に位置精度良く軸固定孔を形成することができる。更に
軸固定孔の内面は、シェービング加工により面粗さの小
さい良好な面に仕上げられているため、その軸固定孔内
にローラの支持軸を挿入固定した際に、軸固定孔とロー
ラ支持軸との接触面積を大きくでき、ローラ支持軸の保
持力を十分に確保できて、ローラ支持軸の脱外等の不具
合が発生するのを防止することができる。また本発明に
おけるシェービング加工用パンチは、孔仕上げ用リーマ
に比べて、処理数当たりの磨耗が少ないので、長期安定
した状態に高精度の軸固定孔を形成することができると
ともに、シェービング加工用パンチを早期に交換する必
要もなく、長期使用が可能となり、この点においても、
一層、コストを削減することができるという効果があ
る。
【0054】一方、本発明において、孔開け用パンチ又
はシェービング加工用パンチの基端部外周に面押し部を
形成して、パンチ打ち込みと同時に、孔周縁部に面取り
部を形成する場合には、面取り部形成を別工程で行う必
要がないので、高い生産効率を維持しつつ面取り部を形
成することができる上更に、軸固定孔に挿入したローラ
支持軸の端部を拡径状に加締めた際に、その加締め端部
を、上記の面取り部に十分に圧接することができ、ロー
ラ支持軸の固定力を一段と向上させることができ、ロー
ラ支持軸の脱外等の不具合が発生するのを、より確実に
防止できるという利点がある。
【0055】また本発明において、孔開け加工時又はシ
ェービング加工時に、ロッカーアーム本体の両側から両
側壁にパンチを打ち込んで、両側同時に処理する場合に
は、両側の軸固定孔を、同軸線上に正確に形成すること
ができるので、より安定した状態にローラ支持軸を固定
できるとともに、パンチ打ち込み圧力が両側から均等に
バランス良く付与されるので、パンチ打ち込み圧力によ
り、有害な変形等が生じるのを防止できるという利点が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態であるロッカーアームの製
造方法において中間製品としての打ち抜き加工品を示す
図であって、同図(a)は断面図、同図(b)は平面図
である。
【図2】実施形態の方法において中間製品としてのロッ
カーアーム本体を示す図であって、同図(a)は断面
図、同図(b)は平面図である。
【図3】実施形態の方法に使用された孔開け装置を示す
断面図である。
【図4】実施形態の孔開け装置における設置台を示す斜
視図である。
【図5】同図(a)は実施形態の方法において孔開け直
後のロッカーアーム本体の軸固定孔周辺を拡大して示す
断面図、同図(b)はシェービング加工後のロッカーア
ーム本体の軸固定孔周辺を拡大して示す断面図である。
【図6】車両における内燃機関の動弁機構を示す断面図
である。
【図7】従来のロッカーアームを示す斜視図である。
【図8】従来方法において中間製品としての打ち抜き加
工品を示す図であって、同図(a)は断面図、同図
(b)は平面図である。
【図9】従来のプレス加工により得られるロッカーアー
ムを示す図であって、同図(a)は断面図、同図(b)
は平面図である。
【符号の説明】
11…ロッカーアーム本体 21…側壁 21a、21b…連結壁 26…下孔 27…面取り部 28…軸固定孔 32…孔開け用ダイ 36…孔開け用パンチ 39…面押し部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平行に配置される一対の両側壁と、その
    両側壁を連結する連結壁とを有するロッカーアーム本体
    を得る工程と、 前記ロッカーアーム本体における両側壁の所定領域を、
    孔開け用パンチにより打ち抜いて下孔を形成する工程
    と、 前記下孔にシェービング加工用パンチを打ち込んで孔内
    面を仕上げて、ローラ支持軸固定孔を形成する工程とを
    含むロッカーアームの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記孔開け用パンチ及び前記シェービン
    グ加工用パンチのうちいずれか一方の基端部外周に面押
    し部を形成しておき、パンチ打ち込み時に、前記面押し
    部により孔周縁を押圧して圧潰変形させて面取り部を形
    成するものとした請求項1記載のロッカーアームの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記孔開け用パンチを、前記ロッカーア
    ーム本体の両側壁外側に、互いに同軸線上に対向するよ
    うにそれぞれ配置するとともに、 孔開け用ダイを前記ロッカーアーム本体の両側壁内側に
    配置しておき、 上記両側の孔開け用パンチにより前記両側壁を外側から
    同時に打ち抜いて、両側壁に前記下孔を同時に形成する
    ものとした請求項1又は2記載のロッカーアームの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記シェービング用パンチを、前記ロッ
    カーアーム本体の両側壁外側に、互いに同軸線上に対向
    するようにそれぞれ配置するとともに、 シェービング加工用ダイを前記ロッカーアーム本体の両
    側壁内側に配置しておき、 上記両側のシェービング加工用パンチを前記両側壁の下
    孔に同時に打ち込んで、両下孔の内面を同時に仕上げる
    ものとした請求項1ないし3のいずれかに記載のロッカ
    ーアームの製造方法。
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