JPH11209836A - 多層すべり軸受 - Google Patents

多層すべり軸受

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JPH11209836A
JPH11209836A JP10009887A JP988798A JPH11209836A JP H11209836 A JPH11209836 A JP H11209836A JP 10009887 A JP10009887 A JP 10009887A JP 988798 A JP988798 A JP 988798A JP H11209836 A JPH11209836 A JP H11209836A
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aluminum
alloy
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Masahito Fujita
田 正 仁 藤
Takeshi Sakai
井 武 志 坂
Hiroe Okawa
川 広 衛 大
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Nippon Dia Clevite Co Ltd
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Nippon Dia Clevite Co Ltd
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/02Parts of sliding-contact bearings
    • F16C33/04Brasses; Bushes; Linings
    • F16C33/06Sliding surface mainly made of metal
    • F16C33/12Structural composition; Use of special materials or surface treatments, e.g. for rust-proofing
    • F16C33/121Use of special materials
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2204/00Metallic materials; Alloys
    • F16C2204/20Alloys based on aluminium
    • F16C2204/22Alloys based on aluminium with tin as the next major constituent

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高荷重の要求にも十分に対応することができ
る耐久性に著しく優れた多層すべり軸受を提供する。 【解決手段】 裏金と、少なくとも5を超え15未満重
量%のSnと1を超え5未満重量%のSiと0.2を超
え2未満重量%のCuと0.05を超え1未満重量%の
Crを含み場合によっては0を超え0.1未満重量%の
Srを含み同じく場合によってはMn,Ni,Fe,S
b,Zr,V,Ti,B,Co,Moのうちの1種また
は2種以上を総量で0を超え1未満重量%含み同じく場
合によってはIn,Biのうちの1種または2種を総量
で0を超え5以下重量%含み同じく場合によってはPb
を0を超え5以下重量%含み残部が実質的にAlである
アルミニウム軸受合金からなる軸受合金層と、上記裏金
と軸受合金層との間に介在され0.05を超え1未満重
量%のCrを含みAlとCr以外の元素の含有量が工業
用純アルミニウム(JIS H 4000に制定する合
金番号1000番台の合金)の含有量以内であるアルミ
ニウム合金中間層が積層されてなる多層すべり軸受。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、すべり軸受に係わ
り、例えば、内燃機関に用いられるアルミニウム系の多
層すべり軸受に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、裏金とアルミニウム軸受合金層と
アルミニウムまたはアルミニウム合金中間層が積層され
てなるすべり軸受としては、例えば、以下に示すものが
開示されている。
【0003】すなわち、特開昭55−11182号公報
において開示されているものは、厚さが0.01〜0.
15mmである表面の軸受合金の成分組成が、Sn:1
5〜35重量%と、Cr:0.1〜1重量%と、Pb,
Bi,Inのうちの1種または2種以上の合計:5重量
%以下と、Cu:0〜2重量%およびMg:0〜3重量
%のうちの1種または2種の合計:3重量%以下と、S
i,Mn,Sb,Ti,Ni,Fe,Zr,Mo,Co
のうちの1種または2種以上の合計:0.1〜3重量%
を含み、残部が実質的にAlである軸受合金層と、C
u:0〜2重量%、Mg:0〜3重量%のうちの1種ま
たは2種の合計:3重量%以下と、Cr:0〜1重量%
を含み、残部が実質的にAlであるアルミニウム合金中
間層と、裏金鋼板とを積層してなる複合摺動材料であ
る。
【0004】また、特開昭60−36641号公報にお
いて開示されているものは、軸受合金層の成分組成が、
Si:1〜11重量%、Sn:8〜35重量%、Cu:
0.2〜3重量%を含み、残部が実質的にAlであり、
金属裏当てが鋼製であり、前記金属裏当てと軸受合金層
との間にはアルミニウムまたはアルミニウム合金の層を
含んでなる平軸受用複合ストリップである。
【0005】さらに、特開昭61−79023号公報に
おいて開示されているものは、裏金と、Sn:3〜35
重量%およびCr:0.1〜10重量%と、Si,M
n,Sb,Ti,Zr,Ni,Fe,Nb,V,Mo,
Coのうちの1種または2種以上を含み、かつこの添加
元素と上記Crとの総量:10重量%以下と、総量で
0.1〜2重量%のCu,Mgのうちの一方または両方
を含み、さらに総量で9重量%以下のPb,Bi,T
l,Cd,Inのうちの1種または2種以上を含む高温
硬さの大きいアルミニウム軸受合金からなるライニング
層と、前記裏金とライニング層との間に介在されかつラ
イニング層よりも高温硬さの小さいAlまたは総量で
0.1〜2重量%のCu,Mgのうちの一方または両方
を含むアルミニウム合金からなる中間層を設けた軸受材
料である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
55−11182号公報において開示されている複合摺
動材料は、低融点金属であるSnが15重量%以上と多
く、軟質相であるSnの形態がどのようであろうとも含
有される軟質相の占める割合が多いために耐荷重性が不
十分であるという問題点があった。
【0007】また、特開昭60−36641号公報にお
いて開示されている平軸受用複合ストリップは、Al−
20重量%Sn−1重量%Cuよりなる軸受材料に比べ
ると耐疲労性は向上したが、Snが網状に存在するた
め、また、Si粒子の過半数が低融点金属であるSn相
に含まれるため、高荷重の要求には十分に対応できない
という問題点があった。
【0008】さらに、特開昭61−79023号公報に
おいて開示されている軸受材料は、高温硬さの小さい中
間層が高温硬さの大きいライニング層に対するクッショ
ン材として作用させるようにしているため、高荷重が作
用した場合に高温硬さの小さい中間層でずれが発生し、
最悪の場合には亀裂剥離が発生するので、最も弱い部分
から破壊することがあるという問題点があった。
【0009】
【発明の目的】本発明は、このような従来の課題にかん
がみてなされたものであって、例えば、内燃機関に用い
られるすべり軸受として好適であり、とくに、高荷重の
要求にも十分に対応することが可能である多層すべり軸
受を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる高荷重ア
ルミニウム系多層すべり軸受は、請求項1に記載してい
るように、裏金と、少なくとも5を超え15未満重量%
のSnと1を超え5未満重量%のSiと0.2を超え2
未満重量%のCuと0.05を超え1未満重量%のCr
を含み残部が実質的にAlであるアルミニウム軸受合金
からなる軸受合金層と、上記裏金と軸受合金層との間に
介在され0.05を超え1未満重量%のCrを含みAl
とCr以外の元素の含有量が工業用純アルミニウム(J
IS H 4000に制定する合金番号1000番台の
合金)の含有量以内であるアルミニウム合金中間層が積
層されてなる構成としたことを特徴としている。
【0011】そして、本発明に係わる高荷重アルミニウ
ム系多層すべり軸受の実施態様においては、請求項2に
記載しているように、軸受合金層のアルミニウム軸受合
金は、0を超え0.1未満重量%のSrでSi粒子が球
状化されているものとしたことを特徴としている。
【0012】同じく、本発明に係わる高荷重アルミニウ
ム系多層すべり軸受の実施態様においては、請求項3に
記載しているように、軸受合金層のアルミニウム軸受合
金は、Mn,Ni,Fe,Sb,Zr,V,Ti,B,
Co,Moのうちの1種または2種以上を総量で0を超
え1未満重量%含んでいるものとしたことを特徴として
いる。
【0013】同じく、本発明に係わる高荷重アルミニウ
ム系多層すべり軸受の実施態様においては、請求項4に
記載しているように、軸受合金層のアルミニウム軸受合
金は、In,Biのうちの1種または2種を総量で0を
超え5以下重量%含んでいるものとしたことを特徴とし
ている。
【0014】同じく、本発明に係わる高荷重アルミニウ
ム系多層すべり軸受の実施態様においては、請求項5に
記載しているように、軸受合金層のアルミニウム軸受合
金は、Pbを0を超え5以下重量%含んでいるものとし
たことを特徴としている。
【0015】同じく、本発明に係わる高荷重アルミニウ
ム系多層すべり軸受の実施態様においては、請求項6に
記載しているように、アルミニウム軸受合金からなる軸
受合金層上に、In,Bi,Sb,Cu,Agのうちの
1種または2種以上を総量で30未満重量%(0を含
む)と残部が実質的にSnであるオーバレイをさらに有
しているものとしたことを特徴としている。
【0016】
【発明の作用】本発明では、アルミニウム軸受合金から
なる軸受合金層の成分組成を高荷重用に最適化し、そし
て中間層の役割つまり必要十分な密着性と耐荷重性を確
保する中間層とし、極めて優れたすべり軸受としてい
る。
【0017】そのためには、まず、軸受合金層の成分組
成として極めて高い耐荷重性を目的とするため、軟質相
であるSnを15重量%未満にしなければならない。ま
た、Snが5重量%以下では耐焼付性が乏しくなる。そ
して、望ましくはSn:7〜13重量%である。
【0018】Siは耐摩耗性と耐焼付性を向上させるの
で多く含有する程有利であるため添加必須の元素であ
り、1重量%超過としているが、添加量が多いと鋳造後
展伸するときに割れの発生頻度が高くなるため製造上の
制約で5重量%未満に抑える。そして、望ましくはS
i:2〜4重量%である。
【0019】さらに、そのSi粒子の析出形態を球状化
するため、0を超え0.1未満重量%のSrを添加して
も良い。
【0020】Cuはアルミニウム軸受合金の素地の強度
を調整するため高荷重レベルの目標に応じて0.2を超
え2未満重量%の範囲で添加される。そして、望ましく
はCu:0.5〜1.5重量%である。
【0021】Crは中間層に添加されるのと同じ作用効
果を目的に添加される。つまり、図1に示すように、C
rは破断伸びをそれほど損なわずに強度を大きく増加さ
せ、後述するエネルギー値を向上させることが出来る。
そして、エネルギー値の向上に効果が出始めるのが0.
05重量%を超えてであり、1重量%以上添加すると他
の元素との金属間化合物の析出が過多となりエネルギー
値が減少してくるので好ましくない。そして、望ましく
はCr:0.1〜0.7重量%である。
【0022】Mn,Ni,Fe,Sb,Zr,V,T
i,B,Co,Moは析出物による素地強化や結晶粒微
細化による素地強化に役立つ元素であり、必要に応じて
総量で0を超え1未満重量%添加される。
【0023】In,Biは耐焼付性を増加させる目的で
必要に応じて添加できるが、多い場合は高荷重の効果を
相殺するので、必要に応じて総量で0を超え5以下重量
%添加される。
【0024】Pbは耐焼付性を増加させる成分であり、
鉛添加ができる場合には高荷重の効果を相殺しない0を
超え5以下重量%の範囲で必要に応じて添加するのが望
ましい。
【0025】次に、中間層についてであるが、多層すべ
り軸受の中間層は非常に重要な役割を担っている。その
一つは軸受合金層と裏金とを強固に接合させる密着層と
しての役割であり、二つ目は荷重を支える土台の構造層
としての役割である。
【0026】一つ目の密着層としての役割についてであ
るが、アルミニウム軸受合金とも裏金とも接合しやすい
ためには純アルミニウムとするのが最も望ましい。ま
た、接合方法として、通常、ロール圧接を行うため、活
性な新生面が多く露出するよう大きな展延性が必要であ
る。このため、密着層としては、純度の高いアルミニウ
ムが望ましい。
【0027】他方、二つ目の構造層としての役割につい
ては、小さな荷重で大きく変形したり、簡単に破壊した
りしないことが必要である。そのためには、柔らか過ぎ
ても、また、強いがもろ過ぎても、高荷重用中間層とし
ての目的が達成せられない。
【0028】つまり、高靭性のある構造層が必要であ
る。そこで、強くて粘い特性の指標としてエネルギー値
がある。このエネルギー値は材料を引張試験した場合の
荷重を破壊に至るまでの変位で積分した値で定義され
る。
【0029】通常、アルミニウム材にMg等の元素を増
量添加して強度を増加させても、破断伸びが強度の増加
割合以上に著しく損なわれるので、エネルギー値はかえ
って低下する。つまり、エネルギー値は強度が高くても
破断伸びが小さければ大きくならないし、破断伸びが大
きくても強度が低ければ大きくならない。したがって、
強度と破断伸びの均衡がとれて始めてエネルギー値の極
大値が得られる。
【0030】そこで、エネルギー値の高くなる組成を鋭
意探求したところ、Crは破断伸びをそれほど損なわず
に強度を大きく増加できることを確認したが、この場
合、0.05重量%以下ではエネルギー値増大の効果が
乏しく、1重量%以上添加するとそれまで増加したエネ
ルギー値が減少するので、アルミニウム合金中間層中に
おける好適なCr含有量は0.05を超え1未満重量%
である。
【0031】従って、密着のためにアルミニウムの純度
をできるだけ高くすることで必要な密着性を確保し、高
荷重用構造物としてはCrを少量添加し、破断伸びを損
わずにエネルギー値を大きくすることで高荷重用多層す
べり軸受の中間層としての役割を十分果たすことができ
る。
【0032】また、中間層は表層にある軸受合金層との
界面において、機械的性質の整合性がとれている材質で
あることが高荷重軸受には要求される。すなわち、この
機械的性質のうちでも特に弾性係数の整合性がよいもの
が耐衝撃性に優れることが判明した。こうした知見のな
かで中間層にCrを少量添加すると飛躍的に弾性係数が
向上することが確かめられ(後に示す表6参照)、しか
も、前述のごとく、中間層として製造上必要な機械的性
質の破断伸びを損わず、中間層の添加元素としては理想
的な元素であることがわかった。
【0033】さらにまた、中間層に含まれる元素とその
含有量については、JIS H 4000に制定する合
金番号1000番台の純アルミニウム系合金材(工業用
純アルミニウム、または、商業用純アルミニウムと称せ
られる)で許容される元素の上限値迄(例えば、Tiは
0.05重量%迄)更に添加しても良い。なぜなら、こ
の場合でも合金番号1000番台のアルミニウムがベー
スであれば、密着層として必要な破断伸びが確保されて
いるからである。但し、合金番号1000番台のアルミ
ニウム材そのものでは前述の問題があり、本発明の中間
層としては対象外である。
【0034】そして、本発明によるすべり軸受では、ア
ルミニウム軸受合金からなる軸受合金層上に、In,B
i,Sb,Cu,Agのうちの1種または2種以上を総
量で30未満重量%(0を含む)と残部が実質的にSn
であるオーバレイをさらに有しているものとすることに
よって、すべり軸受の耐久性をさらに向上させたものと
することができる。そしてこの場合、In,Bi,S
b,Cu,Agの総量が多すぎると液相になる温度がす
べり軸受の使用温度に比べて低下するかまたはかなり上
昇し、オーバレイを施す目的が達せられなくなるので3
0重量%未満とすることが望ましい。
【0035】従来の中間層は良好な密着性やクッション
性の様に柔らかさに重点を置いたものであったが、高荷
重を目的とする本発明における中間層は破壊に至るまで
の許容のエネルギー値を大きくすることおよび弾性係数
の軸受合金との整合性に発想を転換したものである。
【0036】従って、中間層は軸受合金層と均衡のとれ
た特性が望ましいので、中間層に添加するCr量は組合
わせる軸受合金層中のCr量と均衡させるのが好まし
い。
【0037】
【実施例】まず、表1および表2に示す成分組成のアル
ミニウム軸受合金を連続鋳造により厚さ25mmの板状
材として鋳造し、各鋳造ビレットの上下面を1mm面切
削し、続いて冷間圧延により13mmの厚さ迄圧延し
た。
【0038】この状態で300℃のアニールを施して圧
延歪みを除去し、その後、表3に示す成分組成の中間層
用アルミニウム合金からなる厚さ1.2mmの展伸材を
表1および表2の「中間層」の欄に示す組合せでアルミ
ニウム軸受合金の活性化済の片面にロール圧接し、1m
mの厚さ迄圧延した。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】その結果得られた中間層付アルミニウム軸
受合金薄板を300℃でアニールした後、中間層の表面
をワイヤーブラシで活性化した側と脱脂洗浄したあと片
面をベルト研削で活性化した厚さ1.8mmの冷間圧延
鋼板(裏金)を総圧下率43%でロール圧接し、その後
350℃で最終アニールを行い、厚さ1.6mmの多層
すべり軸受材料を得た。
【0043】他方、比較材としては、軸受合金層に表2
に示す識別番号の比1および比2の成分組成を有するも
のを用い、中間層にJIS H 400の合金番号10
50の純アルミニウム薄板と表3に示す中間層aを使用
した以外は本発明の実施例と同じ方法にて多層すべり軸
受材料を得た。
【0044】次に、得られた多層すべり軸受材料から表
5に示す組み合わせものを選び、それぞれの軸受材料を
半円筒形のすべり軸受に加工し、さらに、実施例9〜1
2においては表5に示すオーバーレイを施し、その後、
各すべり軸受について耐荷重試験を実施した。
【0045】なお、中間層合金および軸受合金の弾性係
数は表6に示す値のものであった。
【0046】上記の耐荷重試験は回転軸のたわみに依る
変動荷重をすべり軸受に作用させる機構を用いたもので
あり、軸受の軸方向両端部に軸が強く接触する(エッジ
ロードと呼ばれる現象)。そのため、軸受が強いものの
脆い場合はエッジ部に亀裂・剥離が発生するし、中間層
が柔らかい場合はエッジ部が軸方向にずれて変形に耐え
られなくなった時点で亀裂が発生する苛酷な試験であ
る。
【0047】この耐荷重試験条件は以下の表4に示す通
りである。
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】
【0051】このような苛酷な試験が終了した時点で亀
裂・剥離の損傷が無かった割合を耐久率(%)で表5に
示す。
【0052】表5の「耐久率」の欄に示すように、本発
明実施例のすべり軸受ではいずれも耐久率が70%以上
である。
【0053】これに対して、比較例1,2のすべり軸受
では軸受合金層中にCrを0.3重量%含みSnを30
重量%と多く含むものであるが、中間層が純アルミニウ
ム(合金番号1050)であるもののみならず中間層に
Crを0.3重量%含むものであっても全数100時間
未満で亀裂または剥離し、耐久率は0%であった。これ
は軸受合金に多くのSnを含有する場合に中間層がどの
ようなものであっても高荷重に耐えることができないこ
とを示している。
【0054】また、比較例3,4のすべり軸受では軸受
合金がCrを含まないものであるが、中間層に純アルミ
ニウム(合金番号1050)を使用したすべり軸受に比
べてCrを0.3重量%含む中間層を使用したすべり軸
受の方が耐久率は3倍良いものとなっているが、それで
も本発明のすべり軸受に比べると半分以下である。
【0055】このようなことから、軸受合金層と中間層
が本発明の範囲の組み合わせとすることで初めて多大な
効果を発揮できることが判明した。
【0056】
【発明の効果】本発明による多層すべり軸受では、請求
項1に記載しているように、裏金と、少なくとも5を超
え15未満重量%のSnと1を超え5未満重量%のSi
と0.2を超え2未満重量%のCuと0.05を超え1
未満重量%のCrを含み残部が実質的にAlであるアル
ミニウム軸受合金からなる軸受合金層と、上記裏金と軸
受合金層との間に介在され0.05を超え1未満重量%
のCrを含みAlとCr以外の元素の含有量が工業用純
アルミニウム(JIS H 4000に制定する合金番
号1000番台の合金)の含有量以内であるアルミニウ
ム合金中間層が積層されてなるものとしたから、中間層
の特性を著しく優れたものにすることが可能であり、し
たがって、高荷重の要求にも十分に対応することがで
き、耐久性の良好なる高面圧アルミニウム系すべり軸受
を提供することが可能であるという著しく優れた効果が
もたらされる。
【0057】そして、請求項2に記載しているように、
軸受合金層のアルミニウム軸受合金は、0を超え0.1
未満重量%のSrでSi粒子が球状化されているものと
することによって、軸受合金層の靭性をより一層向上し
たものにすることが可能であるという著しく優れた効果
がもたらされる。
【0058】また、請求項3に記載しているように、軸
受合金層のアルミニウム軸受合金は、Mn,Ni,F
e,Sb,Zr,V,Ti,B,Co,Moのうちの1
種または2種以上を総量で0を超え1未満重量%含んで
いるものとすることによって、軸受合金層をより一層強
化することが可能であるという著しく優れた効果がもた
らされる。
【0059】さらに、請求項4に記載しているように、
軸受合金層のアルミニウム軸受合金は、In,Biのう
ちの1種または2種を総量で0を超え5以下重量%含ん
でいるものとすることによって、軸受合金層の耐焼付性
をさらに増加させたものとすることが可能であるという
著しく優れた効果がもたらされる。
【0060】さらにまた、請求項5に記載しているよう
に、軸受合金層のアルミニウム軸受合金は、Pbを0を
超え5以下重量%含んでいるものとすることによって、
軸受合金層の耐焼付性をさらに増加させたものとするこ
とが可能であるという著しく優れた効果がもたらされ
る。
【0061】さらにまた、請求項6に記載しているよう
に、アルミニウム軸受合金からなる軸受合金層上に、I
n,Bi,Sb,Cu,Agのうちの1種または2種以
上を総量で30未満重量%(0を含む)と残部が実質的
にSnであるオーバレイをさらに有しているものとする
ことによって、すべり軸受の耐久性をさらに向上したも
のとすることが可能であるという著しく優れた効果がも
たらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Cr含有量と機械的性質との関係を例示するグ
ラフである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 裏金と、 少なくとも5を超え15未満重量%のSnと1を超え5
    未満重量%のSiと0.2を超え2未満重量%のCuと
    0.05を超え1未満重量%のCrを含み残部が実質的
    にAlであるアルミニウム軸受合金からなる軸受合金層
    と、 上記裏金と軸受合金層との間に介在され0.05を超え
    1未満重量%のCrを含みAlとCr以外の元素の含有
    量が工業用純アルミニウム(JIS H 4000に制
    定する合金番号1000番台の合金)の含有量以内であ
    るアルミニウム合金中間層が積層されてなることを特徴
    とする多層すべり軸受。
  2. 【請求項2】 軸受合金層のアルミニウム軸受合金は、
    0を超え0.1未満重量%のSrでSi粒子が球状化さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の多層すべり
    軸受。
  3. 【請求項3】 軸受合金層のアルミニウム軸受合金は、
    Mn,Ni,Fe,Sb,Zr,V,Ti,B,Co,
    Moのうちの1種または2種以上を総量で0を超え1未
    満重量%含んでいることを特徴とする請求項1または2
    に記載の多層すべり軸受。
  4. 【請求項4】 軸受合金層のアルミニウム軸受合金は、
    In,Biのうちの1種または2種を総量で0を超え5
    以下重量%含んでいることを特徴とする請求項1ないし
    3のいずれかに記載の多層すべり軸受。
  5. 【請求項5】 軸受合金層のアルミニウム軸受合金は、
    Pbを0を超え5以下重量%含んでいることを特徴とす
    る請求項1ないし4のいずれかに記載の多層すべり軸
    受。
  6. 【請求項6】 アルミニウム軸受合金からなる軸受合金
    層上に、In,Bi,Sb,Cu,Agのうちの1種ま
    たは2種以上を総量で30未満重量%(0を含む)と残
    部が実質的にSnであるオーバレイをさらに有している
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の
    多層すべり軸受。
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