JPS6231061B2 - - Google Patents

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JPS6231061B2
JPS6231061B2 JP8475278A JP8475278A JPS6231061B2 JP S6231061 B2 JPS6231061 B2 JP S6231061B2 JP 8475278 A JP8475278 A JP 8475278A JP 8475278 A JP8475278 A JP 8475278A JP S6231061 B2 JPS6231061 B2 JP S6231061B2
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JP
Japan
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surface layer
total
alloy composition
intermediate layer
added
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JP8475278A
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JPS5511182A (en
Inventor
Sumio Sahashi
Shoji Kamya
Tamotsu Nara
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Taiho Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Taiho Kogyo Co Ltd
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Publication date
Application filed by Taiho Kogyo Co Ltd filed Critical Taiho Kogyo Co Ltd
Priority to JP8475278A priority Critical patent/JPS5511182A/ja
Publication of JPS5511182A publication Critical patent/JPS5511182A/ja
Publication of JPS6231061B2 publication Critical patent/JPS6231061B2/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K20/00Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating
    • B23K20/04Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating by means of a rolling mill

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、車両用エンジンの軸受等に使用する
摺動材料に関するもので、なじみ性、耐疲労性、
耐摩耗性等、摺動材料として必要とされる各種の
性質をバランスよく備え、かつその製造および品
質管理を容易に行ないうる複合ライニング構造の
摺動材料を提案するものである。 〔従来の技術と発明が解決しようとする問題点〕 従来、鋼板上に添着する合金軸受材料として代
表的なものに、Al−Sn系合金が知られている
が、この合金は主にSnの添加量によつてその性
質が定まる。すなわち、Snの添加量が重量%で
15〜35%の範囲にあるAl−高Sn系合金(Snの他
通常1%程度のCuを含む)は、軟質なSnの影響
が強く受けてなじみ性等の表面性能が特に優れて
いるが、耐疲労性、耐荷重性等の機械的性質に劣
り、逆にSnの添加量が重量%で10%以下、通常
5〜6%程度のAl−低Sn系合金(Snの他、微量
のSi、Ni、Cu、Sb、Mn等を含む)では、耐疲労
性や耐荷重性等の機械的性質には優れるが、なじ
み性等の表面性能が悪いという欠点がある。この
ため、このようなAl−低Sn系合金を軸受合金と
して使用する場合には、なじみ性や耐焼付性を良
くする目的で、PbやPb−Snを主体とする合金等
の低融点金属の電気メツキを施すことが一般的に
行なわれて来た。しかるに、このPbメツキ層を
形成することは、なじみ性、低摩擦性の向上とい
う点だけを見れば顕著な効果を認めることができ
るが、製造工程、製造コスト、公害問題および品
質管理等の各種の側面からみた場合、多くの不利
益がある。つまり、製造工程およびコストの上か
らは、電気メツキの各種工程を必要とするだけ不
利であり、また公害発生を防ぐためには高価なメ
ツキ廃液処理施設が必要となる。さらに、メツキ
層はその厚み管理が極めて困難であつて、特に半
円状に加工後メツキ処理をする場合には、一様な
メツキ厚を得ることが不可能であり、また各種毎
のメツキ厚のバラツキも大きなものとなるため品
質を一定の範囲に保つことが頗る困難であつた。
また、このPb層は軟質であるため、耐荷重性、
耐疲労性に乏しく、使用中にPb層に亀裂が発生
し、さらにこの後、剥離する恐れがある。 一方、本発明者等は既に表面層をAl−高Sn系
合金、中間層をAl−低Sn系合金とし、これらを
鋼板上に積層圧接した複合摺動材料(トリメタ
ル)を提案したが、この材料は高温下におかれる
と特にその表面層の硬さが急激に低下し、Snの
粒子が粗大化して機械的性質が劣化するという欠
点があらわれてきた。 本発明は、このような欠点を解消した複合摺動
材料を提供することを目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 このため本発明では、Al−高Sn系合金にCrを
添加しかつその厚さを制御した表面層と、潤滑金
属の添加を抑えあるいは添加しないAl系の中間
層と、裏金鋼板とを圧接した構造の複合摺動材料
を提供することにより、高温特性の向上および各
種摺動特性のバランス良い向上を達成した。 本発明の構成は、第1には、合金組成Aの表面
層と、この表面層に積層され、合金組成Bからな
る中間層と、この中間層に積層された裏金鋼板と
を備え、これら三層の金属は圧接され、かつ上記
表面層の厚みは0.01〜0.15mmである。 第2には、合金組成Aの表面層と、この表面層
に積層され、合金組成Cからなる中間層と、この
中間層に積層された裏金鋼板とを備え、これら三
層の金属は圧接され、かつ上記表面層の厚みは
0.01〜0.15mmである。 第3には、合金組成Aの表面層と、この表面層
に積層され、アルミニウムからなる中間層と、こ
の中間層に積層された裏金鋼板とを備え、これら
三層の金属は圧接され、かつ上記表面層の厚みは
0.01〜0.15mmである。 但し、上記合金組成A、合金組成B、合金組成
Cは、 合金組成A:スズ15〜35%と、クロム0.1〜1%
と、鉛、ビスマス、インジウムの1種または2
種以上を合計で5%以下と、銅0〜2%、マグ
ネシウム0〜3%の1種または2種を合計で3
%以下と、シリコン、マンガン、アンチモン、
チタン、ニツケル、鉄、ジルコン、モリブデ
ン、コバルトのうちの1種または2種以上を合
計0.1〜3%と、残部アルミニウム(重量%) 合金組成B:スズ0〜10%、鉛0〜5%、インジ
ウム0〜5%のうちの1種または2種以上を合
計で3〜10%と、銅0〜2%、マグネシウム0
〜3%で銅とマグネシウムの合計が0〜3%
と、クロム0〜1%と、残部アルミニウム(重
量%) 合金組成C:銅0〜2%、マグネシウム0〜3%
の1種または2種を合計で3%以下と、クロム
0〜1%と、残部アルミニウム(重量%) である。 〔作用〕 以下に、本発明の各構成要素の作用・機能につ
いて説明する。 表面層については、Al−高Sn系合金からな
り、ある程度の機械的性質を持ち、主に表面性能
を持つ表面層に対して、Crを添加して特に高温
下での硬さの低下を防止するとともにSn粒子の
阻大化を阻止する一方、Pb、Bi、Inを加えてSn
の潤滑性を改善したことを特徴とし、さらにCu
または(および)Mgを加えて機械的性質を改良
している。この表面層の厚みは0.01〜0.15mmであ
る。なおこの表面層には、さらにSi、Mn、Sb、
Ti、Ni、Fe、Zr、Mo、Coの1種または2種以上
を微量加えてさらに機械的性質を改良している。 一方、中間層については機械的性質を強化する
ため、潤滑金属としてSn、Pb、Inの添加を抑え
あるいは添加せず、必要に応じてCu、Mg、Crを
表面層と同様に添加している。 本発明に係る複合摺動材料の表面層は、従来の
Al−Sn系合金に比べ0.1〜1%のCrと、合計で5
%以下のPb、Bi、Inの1種または2種以上を加
えたことによつてSnが微細化されるとともにな
じみ性が向上し、加えて硬さが上昇し、特に高温
状態におけるSnの移動と成長がほとんどないこ
とが認められた。また高温硬さの低下も少ない。
さらに動荷重疲労試験を行なつたところ、高油温
下での疲労強度の向上が確認された。これについ
ては後に詳述する。 表面層の合金組成Aにおいて、Snの含有量を
重量%で15〜35%に限定した理由は、Snは潤滑
を主目的として添加される元素であるが、これを
35%以上添加するとなじみ性、潤滑性は向上する
が硬さが低下し、これが15%以下では逆に軸受合
金としては硬くなり過ぎ、なじみ性等に劣るから
である。なお、このSnの添加量はSnを孤立分散
させるためには従来のAl−Sn系合金では15%程
度が上限とされており、その理由はこれを15%以
上添加すると合金中のSn粒子がAl中に孤立して
分散できなくなり連続状態で存在し始めるため、
硬さが低下するからとされていたが、本発明では
後述する他の元素の添加効果によつて、これを35
%迄添加した場合でも実用上支障がなくなつた。
また、Snの添加量を15〜35%の範囲でどのよう
に定めるかは、用途に応じ適宜決定されるべきも
のであるが、一般的には軸受に加わる荷重(負
荷)の大なるときはSn量を少なく、荷重の小な
るときはSn量を多くすると良い。また別の観点
からは、焼付きが懸念される状態で使用されると
きはSn量を多く、この心配のないときはSn量を
少なくするのが良い。しかし最近は高油温により
軸受が高温になり、これが原因で軸受が変形し焼
付、疲労を起すことが問題であるので、高温での
変形が少ないという観点からSn量を定める必要
もある。 Crは硬さの上昇と高温時の軟化を防ぐ点、お
よび焼鈍によつてもSn粒子の粗大化を招かない
という点について特に添加効果が高い。まず硬さ
の上昇と高温時の軟化防止について述べると、こ
のCrの添加量が重量%で0.1%以下では高温硬さ
の改良は期待できず、1.0%以上添加するとCrAl7
等のAl−Cr金属間化合物が析出し過ぎ、軸受合
金としては硬くなり過ぎることから、その添加量
を0.1〜1.0%に限定したものである。この高温硬
さの向上についてさらに詳述すると、CrはAl中
に固溶することによつてAlの再結晶温度を上
げ、かつ固溶することでAl地の硬さを上昇させ
るが、これと同時に数回の圧延によつても鋳造時
に比して硬さが上昇する。再結晶温度を上げるこ
とはエンジンの軸受がさらされる高温領域でも安
定した機械的性質を維持させるために効果があ
り、特に硬さについては、高温下での硬さの低下
を少なくして高温領域での軸受の軟化を防ぐこと
ができ、ひいては疲労強度の向上をもたらす。ま
た固溶限を過ぎて析出するAl−Crの金属間化合
物は、ヴイツカース硬さで約370を示し、このた
めこの化合物が細かく分散することは高温硬さの
維持を助けるので、これが適量分散することは良
い効果を生ずる。ここに適量の範囲は、前述のよ
うにCrが1.0%以下を意味し、この範囲であれば
上記析出物は均一かつ微細であつて他に悪影響を
与えることなく硬さの上昇が得られる。 次に、Cr添加によるSn粒子の粗大防止効果に
ついて述べる。Sn粒子の粗大化はAl−Sn系合金
が高温下におかれた場合Al粒界およびSn粒子の
移動が起るために生ずる現象であるが、Crは上
記のようにAl−Crの金属間化合物の析出物を作
り、この析出物がAl地金中に細かく分散して存
在するため、この金属間化合物が直接的にはAl
粒界の移動を妨げ、同時にAl結晶粒の成長を妨
げてSn粒子の移動、つまりSn粒子の粗大化を防
ぐからであると考えられる。また、Sn粒子が微
細のまま保持されてAl地金中に存在するという
ことは、同時に232℃という低い融点をもつSn粒
子の高温下での溶出現象を防止するためにも効果
的であると考えられ、この観点からしても硬さの
低下防止の効果が首肯される。 次にPb、BiまたはInは、表面層におけるSnの
潤滑金属としての性質を改良するために添加した
もので、Crと一緒に添加したときに効果が認め
られる。すなわち従来Al−Sn系合金の中にこれ
らの元素を添加することは考えられ、また一部行
なわれているが、これらの添加元素を単独で加え
ると、Al−Sn系合金の中へ合金化されてしまう
ためSnの融点が低くなつてしまうという欠点が
避けられない。このため従来のAl−Sn系合金に
比べて低温でSnの溶融と移動が起こり易くなる
結果、Snが粗大なSn粒に成長しやすく、これを
軸受として使用すると、高負荷運転が連続したと
き部分的に溶融することもありうる。これに対し
本発明のように、Crを加えることによつてSn粒
を微細化し、かつその組識を高温でも維持できる
ようにしておくと、Pb、BiまたはInを加えても
上記のような弊害は生ぜずにSnの潤滑性を改善
することができ、高い疲労強度の必要とされる軸
受にも使用可能となり、さらに耐疲労性に加えて
なじみ性の向上も図ることができる。このような
効果を得ることのできるPb、BiまたはInの添加
量は5%以下であり、好ましくは含有Sn量に対
し15%以下程度がよい。なおこのPb、Bi、Inは
2種以上を合計で5%以下添加してもよい。 さらに上記組成の表面には、重量%でCu0〜2
%、Ms0〜3%の1種または2種を合計で3%以
下加えることにより、機械的性質をさらに改良す
る。このうちCuを用いる場合にはその添加量を
2%以下とすることが好ましい。2%以上添加す
ると硬さは向上するがCuの増加と共に硬いCuAl2
が析出し軸受としては好ましくないからである。
またMgについては、これを3%以上添加する
と、圧延による硬さ上昇が大きくなり過ぎて十分
な圧延ができなくなり、このため微細なSn組織
を得ることが困難になる。また焼鈍時にAlに固
溶していたMgが析出し、余分に添加された量は
析出してしまうため、固溶によるAl地の強化は
期待できない。このCuとMgの上記効果はCrと同
時に添加して生ずるもので、CuまたはMg単独で
は高温下での硬さの上昇の効果が期待できない。
すなわち、CuまたはMgはAl中に添加した場合に
圧延時に硬さの上昇が大きく、同一圧延率でも他
の元素を添加したAl材料に比し、硬さの上昇は
顕著であるが、200℃近く迄加熱すると容易に軟
化し、高温硬さの維持は期待できない。これに対
してCrとCuまたはMgを同時に添加すると、Cu
またはMgの添加効果によつて圧延時に高くなつ
た硬さが、焼鈍をしてもCrの添加効果、すなわ
ち再結晶温度の上昇によりあまり低下しない。こ
の硬さは高温時においても保たれ、従来合金に比
べて高温強度のある合金となり、ひいては疲労強
度の向上にもつながる。なおCuとMgを同時に添
加する場合は、その合計量を3%以下とし、その
内Cuは0〜2%、Mgは0〜3%とする。 さらに表面層におけるAl地金の強化のため、
Si、Mn、Sb、Ti、Ni、Fe、Zr、Mo、Coのうち
の1種または2種以上を重量%で合計0.1〜3%
添加しており、さらに機械的性質を改善してい
る。なおこの添加量が3%を越えると硬くなり過
ぎ、なじみ性等の表面性能を低下させるので好ま
しくない。そして0.1%以上でないと十分効果を
発揮できない。 次に本摺動材料の中間層は、上記表面層の機械
的性質の弱さをバツクアツプするとともに、薄い
表面層が万一摩耗してしまつた場合でもある程度
のなじみ性を保持するために設けるものである。
したがつて表面層程なじみ性等を大きくする必要
はないが、表面層より高い耐疲労性、耐荷重性を
備えるように成分を設定する。 この目的のため、中間層にある程度なじみ性を
多く付与したい場合には、潤滑金属の添加を抑え
た組成、すなわち合金組成Bとする。 合金組成B:スズ0〜10%、鉛0〜5%、インジ
ウム0〜5%のうちの1種または2種以上を合
計で3〜10%と、銅0〜2%、マグネシウム0
〜3%で銅とマグネシウムの合計が0〜3%
と、クロム0〜1%と、残部アルミニウム(重
量%) そのAl合金に添加する潤滑金属の組成範囲と
しては、重量%でSn0〜10%、Pb0〜5%、In0〜
5%のうち1種または2種以上を合金で3〜10加
えればよい。3%以下では中間層として必要なな
じみ性が得られず、10%以上とすると、表面層の
機械的性質、すなわち耐荷重性、耐疲労性等をバ
ツクアツプして強化することができない。 また上記潤滑金属を加えたAl合金に対して
は、必要に応じてCuまたは(および)MgとCrを
加えることができる。その添加理由は表面層につ
いて添加したこれら金属の場合と同様であり、中
間層の機械的性質を改善することができる。なお
添加量は、銅0〜2%、マグネシウム0〜3%で
銅とマグネシウムの合計が0〜3%とし、クロム
は0〜1%とする。この組成範囲の上限は表面層
と同様な理由による。 ここで本発明における中間層は、その表面層と
の組合せにおいて、スズ、鉛、インジウムの潤滑
金属を含まない、次の合金組成Cからなる中間層
とすることができる。 合金組成C:銅0〜2%、マグネシウム0〜3%
の1種または2種を合計で3%以下と、クロム
0〜1%と、残部アルミニウム(重量%) これは表面層がCrを含むAl−高Sn系合金であ
り、なじみ性等の摺動特性が極めて優れているた
め、中間層のなじみ性を若干犠牲にすることがで
きることによる。例えば、前述の潤滑金属の添加
を抑えたAl系の中間層に対し、これを、Sn等の
潤滑金属を含まずNi、Si等の金属を微量含んだAl
合金に置き換えることも可能であり、このような
潤滑金属を含まないAl合金はなじみ性は劣る
が、銅0〜2%、マグネシウム0〜3%の1種ま
たは2種を合計で3%以下としているため、耐疲
労性、耐荷重性にはより優れるので、これを用い
ても、表面層のAl−高Sn系合金との相乗作用で
従来の摺動材料より優れた性質が得られる。また
必要に応じ添加されるクロムの組成範囲は0〜1
%とする。クロムは、表面層で詳述のとおりAl
中に固溶してAl地の硬さを上げるが、上限を超
えるとAl−Cr金属間化合物が析出しすぎるため
である。 さらに本発明における中間層は、その表面層と
の組合せにおいて、スズ、鉛、インジウムの潤滑
金属を含まない、アルミニウムからなる中間層と
することができる。ここでいうアルミニウムは、
工業的に純粋なアルミニウムを指す。この場合も
合金組成Cと同様に表面層のなじみ性等の摺動特
性が優れている故に、中間層のなじみ性を犠牲に
して採用しうるものである。 このように合金組成Cからなる中間層およびア
ルミニウムからなる中間層は、機械的性質をより
向上せしめ、複合摺動材料の耐疲労性、耐荷重性
をさらに改善する作用をなす。 すなわち本発明の中間層は、前述の如く潤滑金
属の添加を抑えた合金組成Bからなる中間層、潤
滑金属を添加しない合金組成Cからなる中間層、
アルミニウムからなる中間層の何れかを、必要に
応じて選択して適用することができる。 〔実施例〕 本発明の表面層の実施例を第1表に示す。
【表】
【表】 表中、合金(A1)〜(A16)が上述した合金
組成Aに係る実施例である。なお、数値は重量%
で示されている。 次に、本発明の中間層の合金の実施例を第2表
に示す。
【表】 ここで、合金(B1)〜(B4)は前述の合金組
成Bに係る実施例であり、合金(B5)〜(B8)
は前述の合金組成Cに係る実施例であり、合金
(B9)は、工業用純アルミを用いた実施例であ
る。 第1図は、上記構成の本複合摺動材料の構造を
模式的に示すもので、1は鋼、2は中間層、3は
表面層であり、表面層3の厚みは0.01〜0.15mmに
設定される。鋼1の厚みは用途によつて広範囲に
渡り、また中間層2も、成分、用途によつて表面
層3の厚みと同程度から数mm迄の範囲の厚みをと
る。 なお、上記各層は圧延によつて接合されるもの
で、この圧接後には接着強度を増すために焼鈍を
行なつている。ところが従来の表面層を構成する
Al−Sn系合金では圧延後の数回に渡る焼鈍によ
つて合金組織中のAl粒界およびSn粒子の移動が
生じ、Sn粒子が粗大化するため、硬さの低下、
Sn粒子の溶出等の欠点が生じていた。これに対
し本発明では、圧延、焼鈍の工程から特にその表
面層中に生じるAl−Cr金属間化合物の析出物が
Al粒界の移動を妨げるとともにAl結晶粒の成長
を阻止するので、焼鈍による上記悪影響の生ずる
ことがなく、このため焼鈍温度を上げて表面層や
中間層および裏金鋼板との接着強度を増すことが
できる。なおこのことは、本材料が焼鈍に匹敵す
る高温下に置かれる場合にもそのまま妥当するか
ら、軟化の防止を通じ疲労強度の向上に寄与でき
ることも同時に意味している。 次に、第1表、第2表に示した各合金のうち、
合金(A1)、(A3)、(A8)、(A10)、(A11)を表
面層として用い、合金(B1)(B4)、(B5)〜
(B9)を中間層として用いた軸受について、焼付
試験および疲労試験を行つた結果を述べる。な
お、比較材(C1)〜(C3)の構成を第3表に示
す。
〔発明の効果〕
したがつて本発明に係る複合摺動材料は、上記
のようにその表面層がなじみ性、低摩擦性、耐摩
耗性等の表面性能に優れ、かつ高温下においても
高度の低下が少なく組織の変化がない。そしてこ
の表面層はその表面性能が優れる故に耐疲労性、
耐荷重性等の機械的性質は全体として劣るけれど
も、この層の厚みは薄く、かつこの内側には、耐
疲労性、耐荷重性の高い中間層が存在するため、
材料全体としての耐疲労性、耐荷重性、あるいは
耐焼付性は、Al−低Sn系合金のみを鋼板に積層
圧接した場合に比し、はるかに良好になる。また
Al−低Sn系合金上にPbメツキを施した材料と本
発明の摺動材料とを比較した場合、なじみ性と低
摩擦性については若干Pbメツキの材料の方が優
れているが、耐摩耗性については本発明材料が優
れ、特に表面層のみを観察すると、Al−高Sn系
合金の方がPbメツキ層よりはるかに亀裂および
剥離がおこりにくい。すなわち、耐疲労性や耐荷
重性は本発明材料の方が優れ、しかもこれらの性
能は高温時においても維持される。 本発明に係る複合摺動材料は、その製造にあた
つては、予め所定の肉厚に成形した上記三材料を
積層し、これを圧延して圧接した後、ブローチ加
工により表面層のAl−高Sn系合金層を所定の厚
みになる迄切削するものであるが、上記圧接の
際、鋼と中間層との密着性を高めるため、両者の
間に純Al、Cu、Ni層等を介在させることができ
るのは勿論である。上記ブローチ加工による表面
層の厚み管理は、非常に厳格に行なうことがで
き、通常1μのオーダーで厚みを管理できる。こ
のためメツキによる厚み管理では到底不可能な厳
しい厚み管理を行えるので、品質の維持および管
理がPbメツキの材料に比して著しく容易とな
る。 以上の通り本発明に係る複合摺動材料は、鋼板
とAl−低Sn系合金を接合したのちPbメツキを施
す材料と比較して、その製造の面からは、製造お
よび品質管理が容易で、かつメツキ廃液による公
害問題の生じる余地がない等のすぐれた効果を有
し、またその性質の面からは、特にその表面層の
亀裂および剥離が生じにくいから耐荷重性、耐疲
労性に優れるという効果が認められる。また鋼板
上に直接Al−高Sn系合金を接合する材料に比較
すれば、耐疲労性、耐荷重性および耐焼付性にお
いて本発明材料が優れ、さらになじみ性や耐摩耗
性、低摩擦性についてみると、本発明材料は上記
従来の二つの材料に比べて何ら遜色がない。した
がつて本発明材料は摺動材料として必要とされる
各種の性能をバランスよく備え、かつその材料コ
ストも上記二材料より安いか、これと同等である
から、車両用エンジンの軸受等、各種の摺動材料
に用いて極めて有用であり、特に本発明材料の表
面層は焼鈍またはこれに匹敵する高温状態におか
れても、硬さの低下が少なくSn粒子の粗大化を
招くことがないので、高温下での耐荷重性の低下
が少なく、したがつて疲労強度等の機械的性質を
より高く維持できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る複合摺動材料の構造を模
式的に示す断面図、第2図は焼付試験結果を示す
グラフ、第3図は、疲労試験結果を示すグラフで
ある。 1……鋼、2……中間層、3……表面層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 合金組成Aの表面層と、この表面層に積層さ
    れ、合金組成Bからなる中間層と、この中間層に
    積層された裏金鋼板とを備え、これら三層の金属
    は圧接され、かつ上記表面層の厚みは0.01〜0.15
    mmであることを特徴とする複合摺動材料。 合金組成A:スズ15〜35%と、クロム0.1〜1%
    と、鉛、ビスマス、インジウムの1種または2
    種以上を合計で5%以下と、銅0〜2%、マグ
    ネシウム0〜3%の1種または2種を合計で3
    %以下と、シリコン、マンガン、アンチモン、
    チタン、ニツケル、鉄、ジルコン、モリブデ
    ン、コバルトのうちの1種または2種以上を合
    計0.1〜3%と、残部アルミニウム(重量%) 合金組成B:スズ0〜10%、鉛0〜5%、インジ
    ウム0〜5%のうちの1種または2種以上を合
    計で3〜10%と、銅0〜2%、マグネシウム0
    〜3%で銅とマグネシウムの合計が0〜3%
    と、クロム0〜1%と、残部アルミニウム(重
    量%) 2 合金組成Aの表面層と、この表面層に積層さ
    れ、合金組成Cからなる中間層と、この中間層に
    積層された裏金鋼板とを備え、これら三層の金属
    は圧接され、かつ上記表面層の厚みは0.01〜0.15
    mmであることを特徴とする複合摺動材料。 合金組成A:スズ15〜35%と、クロム0.1〜1%
    と、鉛、ビスマス、インジウムの1種または2
    種以上を合計で5%以下と、銅0〜2%、マグ
    ネシウム0〜3%の1種または2種を合計で3
    %以下と、シリコン、マンガン、アンチモン、
    チタン、ニツケル、鉄、ジルコン、モリブデ
    ン、コバルトのうちの1種または2種以上を合
    計0.1〜3%と、残部アルミニウム(重量%) 合金組成C:銅0〜2%、マグネシウム0〜3%
    の1種または2種を合計で3%以下と、クロム
    0〜1%と、残部アルミニウム(重量%) 3 合金組成Aの表面層と、この表面層に積層さ
    れ、アルミニウムからなる中間層と、この中間層
    に積層された裏金鋼板とを備え、これら三層の金
    属は圧接され、かつ上記表面層の厚みは0.01〜
    0.15mmであることを特徴とする複合摺動材料。 合金組成A:スズ15〜35%と、クロム0.1〜1%
    と、鉛、ビスマス、インジウムの1種または2
    種以上を合計で5%以下と、銅0〜2%、マグ
    ネシウム0〜3%の1種または2種を合計で3
    %以下と、シリコン、マンガン、アンチモン、
    チタン、ニツケル、鉄、ジルコン、モリブデ
    ン、コバルトのうちの1種または2種以上を合
    計0.1〜3%と、残部アルミニウム(重量%)
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