JPH11209233A - シート状パック剤 - Google Patents

シート状パック剤

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Publication number
JPH11209233A
JPH11209233A JP2148798A JP2148798A JPH11209233A JP H11209233 A JPH11209233 A JP H11209233A JP 2148798 A JP2148798 A JP 2148798A JP 2148798 A JP2148798 A JP 2148798A JP H11209233 A JPH11209233 A JP H11209233A
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JP
Japan
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sheet
weight
pack
polyoxyethylene
polyacrylate
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Pending
Application number
JP2148798A
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English (en)
Inventor
Kenji Fukano
兼司 深野
Takemi Nakajima
武美 中島
Kenji Masuda
健二 増田
Yasuaki Kitazaki
寧昭 北崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nichiban Co Ltd
Original Assignee
Nichiban Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 膏体分散性状、接着性、使用時乾燥性、角栓
除去性に優れ、剥離時の痛みが緩和され、膏体残りやブ
リードアウトがなく、しかも経時安定性に優れたシート
状パック剤を提供すること。 【解決手段】 シート状基材の片面に、少なくとも皮膜
形成剤と水とを含有する粘着性膏体層が形成されたシー
ト状パック剤において、該粘着性膏体層が、皮膜形成剤
として、重合度250〜6,000のポリアクリル酸
(A)100重量部と、重合度50〜700のポリアク
リル酸塩(B)0.3〜40重量部とを含有し、かつ、
軟化剤として、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピ
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン/ポリオキ
シプロピレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、及びポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテルからなる群より選ばれる少なくと
も一種の非イオン性界面活性剤(C)0.3〜25重量
部を含有し、多価アルコールを実質的に含有しないこと
を特徴とするシート状パック剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シート状パック剤
に関し、さらに詳しくは、角栓や皮脂汚れの除去効果に
優れ、接着性や使用時乾燥性が良好で、剥離時に痛みが
なく、保存安定性に優れた皮膜形成型のシート状パック
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】皮脂や古い角質などが毛穴にたまって固
まると、角栓と呼ばれ、毛穴の黒ずみやニキビ、吹き出
物の原因となる。従来より、美顔や化粧のために、クリ
ーム状の皮膜形成型パック剤を皮膚に塗布したり、エア
ゾール形態のパック剤を皮膚に吹き付けたりするパック
法が適用されている。ところが、これらのパック剤は、
顔面に均一に塗布することが困難であり、適用効果に場
所によるむらを生じやすく、剥す際にも、皮膜強度のむ
らにより、破断したり、一部が残留したりしやすい。ま
た、これらのパック剤は、皮膜形成のための乾燥に長時
間を必要とする。さらに、これらのパック剤は、使用時
に手がべとついたり、必要な領域以外にも付着して皮膚
面などを汚染するという問題があった。
【0003】近年、これらの問題点を解決するために、
各種シート状パック剤が開発されている。シート状パッ
ク剤は、シート状基材の片面に、粘着性膏体(パック
料)の層を形成したものである。シート状パック剤は、
使用時に手がべとつかないし、肌の塗りむらのおそれも
なく、適用箇所に応じて、所望の大きさや形状にするこ
とができる。例えば、鼻角栓用シート状パック剤は、鼻
の形状に合わせて貼りやすい大きさと形状に裁断したも
のであり、鼻に貼るだけで毛穴にたまった皮脂と古い角
質を取り除くことができる。このようなシート状パック
剤の中でも、皮膜形成剤と水と必要に応じてその他の添
加剤とを含有する粘着性膏体層が形成されたシート状パ
ック剤は、水が連続層となっているため、水による皮膚
の柔軟化や各種成分の吸収効果に優れている。
【0004】シート状パック剤には、膏体中に各成分
が均一に分散していること、皮膚面への接着性(肌へ
の密着性)に優れていること、使用時の乾燥性が良好
であること、剥離時に痛みのないこと、角栓の除去
性に優れていること、剥離時に膏体残りのないこと、
各成分のブリードアウトがないこと、経時変化がな
く、保存安定性(経時安定性)に優れていること、など
が要求されている。しかしながら、従来のシート状パッ
ク剤は、これらの諸特性を充分にバランス良く満足する
ものではなかった。
【0005】従来、例えば、特開平1−254612号
公報には、ポリアクリル酸またはポリアクリル酸塩と水
と美肌成分を主要成分とするシート状パック剤であっ
て、重量平均分子量が1×104〜105で、化学量論的
中和量が1〜80%のポリアクリル酸またはポリアクリ
ル酸塩を用い、水の含有率が10〜70重量%で、か
つ、アルミニウム塩と多価アルコールとを含有するシー
ト状パック剤が提案されている。このシート状パック剤
では、低分子量で中和率の低いポリアクリル酸をアルミ
ニウムで架橋したものに、多価アルコールを配合するこ
とにより、保水性と柔軟性を付与している。
【0006】特開平4−95015号公報には、支持体
層の一面に粘着性膏剤層を設けたシート状パック剤にお
いて、粘着性膏剤層が、ポリアクリル酸またはポリアク
リル酸塩と、分子量2000以下の低分子量多価アルコ
ールを含む保水性軟化剤成分とを含有し、かつ、該粘着
性膏剤層が電子線照射処理を施されているシート状パッ
ク剤が開示されている。このシートパック剤では、粘着
性膏剤層が電子線照射により水に難溶性または不溶性と
されている。登録実用新案公報第3040121号に
は、透湿性シート基材上に、被膜形成性材料としてポリ
アクリル酸を含有する被膜形成性化粧料層を形成したシ
ート状パックが開示されており、実施例では、ポリアク
リル酸に、保湿剤としてグリセリン及びソルビトールを
配合した化粧料溶液を用いた例が示されている。
【0007】これら公知のシート状パック剤では、軟化
剤(保湿剤)として、グリセリンなどの多価アルコール
を使用しているが、皮膜形成剤のポリアクリル酸または
ポリアクリル酸塩は、多価アルコールと反応を起こすた
め、経時安定性に劣るという問題があった。また、皮膜
形成剤としてポリアクリル酸またはポリアクリル酸塩を
用いた従来のシート状パック剤は、角栓除去性や剥離時
の痛みの緩和などの点で、必ずしも充分ではなかった。
【0008】最近、特開平9−104615号公報に
は、長径が1〜10μmの棒状酸化チタン、及び平均一
次粒子径が5〜100nmの微粒子金属酸化物を配合し
たパック料が提案されている。特開平9−110626
号公報には、平均一次粒子径が5〜100nmの微粒子
金属酸化物を含有し、界面活性剤を含まない皮膜形成型
パック料が開示されている。これらの公報の各実施例に
は、ポリビニルアルコール、微粒子酸化チタン、防腐
剤、シリコーン架橋微粉末、及び精製水を含有するパッ
ク料が記載されている。これらのパック料は、角栓や老
化した角質を効果的に除去することができるとされてい
るものの、いずれもピールオフタイプのパック料であっ
て、シート状パック剤ではない。また、これらのパック
料は、粘着性に乏しいため、シート状パック剤の膏体層
としては不適当なものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、膏体
分散性状、接着性、使用時乾燥性、角栓除去性に優れ、
剥離時の痛みが緩和され、膏体残りやブリードアウトが
なく、しかも経時安定性に優れたシート状パック剤を提
供することにある。本発明者らは、前記従来技術の問題
点を克服するために鋭意研究した結果、少なくとも皮膜
形成剤と水とを含有する粘着性膏体層が形成されたシー
ト状パック剤において、皮膜形成剤として、それぞれ特
定の重合度の範囲のポリアクリル酸とポリアクリル酸塩
とを特定の配合割合で組み合わせて使用し、軟化剤とし
て、特定の非イオン性界面活性剤を特定の割合で使用
し、そして、グリセリンなどの多価アルコールを実質的
に含まない粘着性膏体(皮膜形成型パック料)からなる
層を形成することにより、充分な柔軟性を有し、経時安
定性に優れ、しかも前記諸特性に優れたシート状パック
剤の得られることを見いだした。本発明は、これらの知
見に基づいて完成するに至ったものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、シート
状基材の片面に、少なくとも皮膜形成剤と水とを含有す
る粘着性膏体層が形成されたシート状パック剤におい
て、該粘着性膏体層が、皮膜形成剤として、重合度25
0〜6,000のポリアクリル酸(A)100重量部
と、重合度50〜700のポリアクリル酸塩(B)0.
3〜40重量部とを含有し、かつ、軟化剤として、ポリ
オキシエチレン/ポリオキシプロピレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンアルキ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル、及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ルからなる群より選ばれる少なくとも一種の非イオン性
界面活性剤(C)0.3〜25重量部を含有し、多価ア
ルコールを実質的に含有しないことを特徴とするシート
状パック剤が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明では、皮膜形成剤として、
重合度250〜6,000のポリアクリル酸(A)10
0重量部と、重合度50〜700のポリアクリル酸塩
(B)0.3〜40重量部とを併用する。また、本発明
では、軟化剤として、前記特定の非イオン性界面活性剤
(C)0.3〜25重量部を使用する。本発明において
は、各成分の配合割合は、ポリアクリル酸(A)100
重量部を基準とするものである。粘着性膏体層中の水の
含有率は、通常5〜70重量%、好ましくは10〜60
重量%である。粘着性膏体層中には、これらの成分の他
に、この分野で汎用の各種添加剤を適宜含有させること
ができる。
【0012】本発明で使用するポリアクリル酸の重合度
は、250〜6,000、好ましくは300〜5,00
0である。ポリアクリル酸の重合度が小さすぎると、剥
離時に皮膚面に膏体残り及び剥離時の痛みが生じやすく
なり、大きすぎると、角栓除去性が低下するとともに、
膏体分散性状(各成分の分散性)も悪化する傾向を示
す。ポリアクリル酸は、重合度の異なる2種以上のポリ
アクリル酸を組み合わせて使用してもよい。
【0013】ポリアクリル酸塩としては、ポリアクリル
酸のアルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)塩、ア
ンモニウム塩、有機アミン塩などが挙げられるが、これ
らの中でも、物性上、ポリアクリル酸アルカリ金属塩が
好ましく、ポリアクリル酸ナトリウムが特に好ましい。
ポリアクリル酸塩は、主として接着性調整剤及びpH調
整剤としての機能を果たす。本発明で使用するポリアク
リル酸塩の重合度は、50〜700、好ましくは200
〜600である。ポリアクリル酸塩の重合度が小さすぎ
ると、剥離時の痛みを緩和することが困難となり、大き
すぎると、膏体分散性状や接着性が低下する。ポリアク
リル酸塩の配合割合は、ポリアクリル酸100重量部に
対して、0.3〜40重量部、好ましくは5〜35重量
部、より好ましくは10〜30重量部である。ポリアク
リル酸の配合割合が小さすぎると剥離時の痛みが大きく
なり、大きすぎると接着性が低下する。また、ポリアク
リル酸は、酸性(pH=約3)のため、中性のポリアク
リル酸塩(pH=約8)を併用することにより、粘着性
膏体のpHを、できるだけ皮膚を刺激しない範囲に調整
することができる。ポリアクリル酸塩は、重合度の異な
る2種以上のポリアクリル酸塩を組み合わせて使用して
もよい。
【0014】本発明では、軟化剤として、ポリオキシエ
チレン/ポリオキシプロピレンアルキルエーテル(以
下、「POE/POPアルキルエーテル」と略記)、ポ
リオキシエチレン/ポリオキシプロピレンアルキルフェ
ニルエーテル(以下、「POE/POPアルキルフェニ
ルエーテル」と略記)、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル(以下、「POEアルキルエーテル」と略記)、
及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(以
下、「POEアルキルフェニルエーテル」と略記)から
なる群より選ばれる少なくとも一種の非イオン性界面活
性剤(C)を使用する。
【0015】POE/POPアルキルエーテルは、式
(1) R1O(C24O)n(C36O)mH (1) 〔R1=C7〜C18の飽和または不飽和のアルキル基、n
≧1、m≧1〕で表すことができる。R1は、好ましく
はC12〜C18の分岐状または鎖状アルキル基である。n
は、好ましくは1〜35であり、mは、好ましくは1〜
35である。n+mは、好ましくは4〜35である。P
OE/POPアルキルフェニルエーテルは、式(2) R2−Ph−O(C24O)n(C36O)mH (2) 〔R2=C7〜C18の飽和または不飽和のアルキル基、P
h=フェニレン基、n≧1、m≧1〕で表すことができ
る。R2は、好ましくはC11〜C15の分岐状または鎖状
アルキル基である。nは、好ましくは1〜35であり、
mは、好ましくは1〜35である。n+mは、好ましく
は4〜35である。
【0016】POEアルキルエーテルは、式(3) R3O(C24O)nH (3) 〔R3=C7〜C18の飽和または不飽和のアルキル基、n
≧1〕で表すことができる。R3は、好ましくはC12
18の分岐状または鎖状アルキル基である。nは、好ま
しくは4〜35である。POEアルキルフェニルエーテ
ルは、式(4) R4−Ph−O(C24O)nH (4) 〔R4=C7〜C18の飽和または不飽和のアルキル基、P
h=フェニレン基、n≧1〕で表すことができる。R4
は、好ましくはC11〜C15の分岐状または鎖状アルキル
基である。nは、好ましくは4〜35である。
【0017】なお、前記各式において、n及びmは、そ
れぞれ平均値であって、必ずしも整数ではない。また、
アルキル基としては、セチル基が好ましい。前記各式で
表される化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上
を組み合わせて使用することができる。非イオン性界面
活性剤(C)の中でも、シート状パック剤の諸特性、特
に角栓除去性及び接着性(肌への密着性)の点で、式
(1)で表されるPOE/POPアルキルエーテルが特
に好ましい。これらの非イオン性界面活性剤(C)は、
ポリアクリル酸100重量部に対して、0.3〜25重
量部、好ましくは1〜22重量部、より好ましくは2〜
15重量部の割合で使用する。非イオン性界面活性剤
(C)の配合割合が小さすぎると、柔軟性付与効果が小
さく、かつ、剥離時の痛みの緩和効果が小さくなり、大
きすぎると、使用時乾燥性が低下する傾向を示し、膏体
残りも生じやすくなる傾向にある。
【0018】本発明のシート状パック剤では、粘着性膏
体層は、グリセリンなどの多価アルコールを実質的に含
有しない。ここで、多価アルコールを実質的に含有しな
いとは、粘着性膏体の経時安定性を阻害しない程度の微
量を含有する場合までは排除しないという意味であり、
通常は、多価アルコールを含有させないことが好まし
い。皮膜形成剤としてポリアクリル酸またはポリアクリ
ル酸塩を用いた従来のシート状パック剤では、軟化剤と
して、グリセリンなどの多価アルコールを使用している
が、多価アルコールは、ポリアクリル酸またはポリアク
リル酸塩と反応して、角栓除去性や接着性などに悪影響
を及ぼしたり、粘着性膏体層を黄変させたりする。ま
た、脂肪酸エステルなどのエステル類も、粘着性膏体層
の経時安定性に悪影響を及ぼすので、実質的に含有させ
ないことが好ましい。
【0019】これに対して、軟化剤として、エーテル系
の非イオン性界面活性剤(C)を使用すると、粘着性膏
体層の経時安定性に優れ、しかも、角栓除去性と接着性
に優れ、その他の諸特性も良好なシート状パック剤を得
ることができる。より詳細に説明すると、一般に、シー
ト状パック剤は、皮膚面(通常、鼻などの顔面)を水で
濡らしてから、その上に貼り、乾燥させてから剥離す
る。シート状パック剤を皮膚面に貼る際には、柔軟性の
あることが必要であり、かつ、肌に密着することが要求
される。シート状パック剤を剥離する際に、角栓や油脂
汚れなどが粘着性膏体層側に付着して皮膚面から除去さ
れる。この剥離の際に、通常、痛みを感じる。前記のア
クリル酸(A)及びアクリル酸塩(B)からなる皮膜形
成剤を使用すると、角栓除去性に優れたシート状パック
剤を得ることができるが、剥離時に強い痛みを伴うとい
う欠点がある。非イオン性界面活性剤(C)を添加する
ことにより、粘着性膏体層を皮膚面に貼る際に、柔軟性
を付与し、かつ、肌に密着させることができる。乾燥後
に剥離すると角栓が除去されるが、非イオン性界面活性
剤(C)を添加すると、角栓除去性が高められ、しかも
剥離時の痛みを緩和することができる。非イオン性界面
活性剤(C)は、アクリル酸やアクリル酸塩と反応し
て、粘着性膏体層を黄変させることがない。
【0020】本発明のシート状パック剤では、粘着性膏
体層に各種添加剤を含有させることができる。添加剤と
しては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、炭
酸カルシウム、ベントナイト、水和石膏粉末、クレーな
どの充填剤・顔料;2,6−ジ−t−ブチル−p−クレ
ゾール、チモール、パラオキシ安息香酸エステル(パラ
ベン)などの安定剤(防腐剤、防黴剤);香料、溶剤、
美肌成分(例えば、アミノ酸、ビタミン類、蛋白質、ホ
ルモン、胎盤抽出エキスなど)、消炎剤、麻酔剤、架橋
剤などを挙げることができる。これらの添加剤は、必要
に応じて、それぞれ適量を使用することができる。
【0021】これらの添加剤の中でも、酸化チタンは、
着色剤として使用することが好ましい。酸化チタンとし
ては、アナターゼ型構造体であることが、ポリアクリル
酸またはポリアクリル酸塩と反応しないことから好まし
い。酸化チタンは、ポリアクリル酸100重量部に対し
て、通常0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜4重量
部の割合で使用される。酸化チタンの配合割合が大きす
ぎると、粘着性膏体層の白色度が増大して、シート状パ
ック剤を皮膚面に貼ったときに、密着しているところ
と、そうでないところとの違いを見分けることが困難と
なる。一方、酸化チタンの配合割合が少なすぎると、粘
着性膏体層の透明性が高くなり、角栓が取れたのが分か
りにくくなる。
【0022】本発明のシート状パック剤は、シート状基
材の片面に、前記の如き各種成分と水との混合物を塗布
し、乾燥することにより調製することができる。シート
状基材としては、各種不織布、布、伸縮性布、紙などが
挙げられる。これらのシート状基材は、通常、水に不溶
性で柔軟性のあるものである。他の支持体上に塗工した
後、形成した粘着性膏体層をシート状基材の片面に転写
してもよい。粘着性膏体層の表面には、離型性のある保
護シート(ライナー)を積層する。あるいは、混合物を
保護シート上に塗工した後、シート状基材を積層しても
よい。このようにして得られた原反シートは、適当な形
状と大きさに裁断して製品とする。
【0023】より具体的には、各成分を水に溶解ないし
は分散させて混合物を調製する。水としては、混合物を
調製する際に添加して使用する水(通常、精製水)以外
に、各成分の水溶液(例えば、ポリアクリル酸ナトリウ
ム水溶液)を使用する場合には、その水成分をも意味す
る。混合物の好ましい調製法としては、まず、所定量の
精製水に酸化チタンを充分に分散させ、そこに、ポリア
クリル酸とポリアクリル酸塩を加えて、加温し、攪拌・
溶解させる。次いで、軟化剤やその他の成分を加えて、
攪拌する方法を挙げることができる。なお、パラベンな
どの油溶性の添加剤は、エタノールなどの有機溶剤に溶
解させて添加することができる。この混合物中の水以外
の成分(合計量)の濃度は、通常10〜90重量%、好
ましくは20〜80重量%程度である。
【0024】このようにして調製した混合物は、アプリ
ケーターにより、シート状基材の片面に、通常100〜
300g/m2 程度の塗工量で塗布し、次いで、40〜
70℃程度の温度で乾燥する。転写法を採用する場合に
は、他の支持体上に混合物を塗布した後、シート状基材
の片面に転写し、さらに、乾燥させる。混合物を離型性
のある保護シート(例えば、プラスチックフィルムから
なるライナー)上に塗工し、半乾きの状態でシート状基
材(例えば、不織布や紙)を積層し、さらに乾燥させて
もよい。乾燥により、粘着性膏体層中の水の含有率が通
常5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%となる
ように調整する。水以外の残りの含有成分は、ポリアク
リル酸(A)、ポリアクリル酸塩(B)、非イオン性界
面活性剤(C)、及び各種添加剤であり、これらの合計
の含有率は、通常30〜95重量%、好ましくは40〜
90重量%である。粘着性膏体層中の水の含有率が小さ
すぎると、皮膚の柔軟化や各成分の吸着・吸収効果が損
なわれ、水の含有率が大きすぎると、粘着性膏体層を安
定して形成することが困難になったり、皮膚に対する粘
着性が低下することがある。なお、塗工工程において、
所望により、電離性放射線を照射して、粘着性膏体層の
架橋を行ってもよい。本発明のシート状パック剤は、角
栓除去性に優れているため、特に鼻角栓用シート状パッ
ク剤として好適である。
【0025】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明に
ついてより具体的に説明する。各種特性の測定法及び評
価法は、次の通りである。
【0026】(1)膏体分散性状 使用時に分散不良の粒や筋などが見られないかどうかを
目視にて観察し、以下の基準で評価した。 ○:均質であり、粒や筋が認められない、 △:粒や筋が少し認められる、 ×:粒や筋がかなり認められる。 (2)ブリード サンプルのライナーへ油状物の浸出があるか否かを目視
にて観察し、以下の基準で評価した。 無:油状物の浸出が全く認められない、 有:油状物の浸出が認められる。 (3)経時安定性(60℃、10日間) サンプルを60℃の空気恒温槽中に10日間放置した
後、初期サンプルに対する黄変の度合を目視にて観察
し、以下の基準で評価した。 ○:変化なし、あるいは製品として問題とならない程度
の変化しかない、 △:やや黄色味を帯びており、初期サンプルと並べて比
較すると違いがはっきりと分かる、 ×:かなり黄色みを帯びている。
【0027】(4)実用性評価 男女を含む健常人5名に対して、サンプルを実際に使っ
て角栓を除去してもらった。鼻の表面を水で充分に濡ら
してから、サンプルのライナーを剥して、鼻部に充分に
押し付けて貼付した。15分間経過後に、乾いた感じを
得た後、サンプルをゆっくりと剥離した。 接着性 サンプルを剥離するまでに、鼻部の形状に沿って良く付
いていたかを以下の基準で評価してもらった。 ◎:鼻部の全面にぴったり付いていた、 ○:鼻部のほぼ全面に付いていた、 △:一部浮いている感じがした、 ×:一部剥れてしまった。 使用時乾燥性 サンプルを貼付した後、以下の基準で使用時乾燥性を評
価してもらった。 ○:早く乾燥した、 △:乾燥がやや遅く感じられる、 ×:なかなか乾燥しない。 剥離時の痛み 剥離時の痛みに付いて、以下の基準で評価してもらっ
た。 ○:痛くなかった、 △:多少痛いが我慢できる程度である、 ×:痛かった。 角栓除去性 サンプルを剥離した後、角栓の取れ具合を目視にて観察
し、以下の基準で評価した。 ◎:角栓の大小に関わらず良く取れる、 ○:角栓の中程度のものが良く取れる、 △:小さな角栓のみ取れる、 ×:ほとんど取れない。 膏体残り サンプルを剥離した後、皮膚面に膏体が残っているか否
かを目視にて観察し、以下の基準で評価した。 ○:膏体残りが全くない、 △:目立たないが、良く見ると、膏体残りがある、 ×:剥離した跡に数カ所の膏体残りがある。 (5)含水率 シート状パック剤の粘着性膏体層の含水率は、ライナー
を剥したサンプルを赤外線水分計に入れ、120℃で5
分間の条件にて減量した重量より、含水率を計算した。
【0028】[実施例1]精製水1200gに酸化チタ
ン〔トーケムプロダクツ(株)製、アナターゼ型二酸化
チタン〕70gを添加して、高速攪拌機〔特殊機化工業
社製、オートホモディスパー〕により約2分間攪拌(3
000rpm)して分散させた。次いで、ポリアクリル
酸ナトリウム〔日本純薬(株)製、重合度300、固形
分25重量%〕溶液2000gを添加し、約10分間で
攪拌、混合した。次に、ポリアクリル酸〔日本純薬
(株)製、重合度3000〕400gを添加し、70℃
に加温して、40分間後続攪拌(6000rpm)して
溶解させた。一方、エチルアルコール100gにメチル
パラベン〔上野製薬(株)製〕10gを加え、攪拌して
溶解させた。この溶液と前記で調製した溶液とを混合し
て、低速攪拌機(ダルトン万能混合攪拌機)により約5
分間攪拌した。次いで、ポリアクリル酸〔日本純薬
(株)製、重合度300〕の50重量%水溶液3800
gを添加し、低速で10分間攪拌した。次に、POE
(1)/POP(4)セチルエーテル〔日光ケミカルズ
社製、ニッコールPBC−31〕200gを加え、全体
が均一に溶解するまで約30分間低速攪拌した。このよ
うにして、混合物7780g(水の含有率約59重量
%)を調製した。なお、ポリアクリル酸及びポリアクリ
ル酸ナトリウムは、日本純薬(株)製のジュリマーAC
シリーズから、各重合度のものを選択して使用した(以
下の実施例及び比較例でも同じ)。プラスチックフィル
ム(ライナー)上に前記混合物をアプリケーターで、塗
工量が約200g/m2になるように塗布した。50℃
で約3分間乾燥し、半乾きの状態でシート状基材(不織
布)を積層し、さらに60℃で乾燥して、水の含有率を
13重量%程度に調整し、次いで、適当な形状と大きさ
に裁断してサンプル(鼻角栓除去用サンプル)とした。
配合処方と物性の測定結果を表1に示す。
【0029】[実施例2、及び比較例1〜2]配合処方
を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同
様にして混合物(水の含有率=約59重量%に調整)を
調製し、次いで、塗工工程を経て、サンプルを調製した
(乾燥後の水の含有率=約13重量%に調整)。結果を
表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】(脚注) (1)PAA:ポリアクリル酸〔日本純薬(株)製のジ
ュリマーACシリーズ〕 (2)PAA−Na:ポリアクリル酸ナトリウム〔日本
純薬(株)製のジュリマーACシリーズ〕 (3)POE/POPアルキルエーテル:POE(1)
/POP(4)セチルエーテル〔日光ケミカルズ社製、
ニッコールPBC−31〕 (4)酸化チタン:〔トーケムプロダクツ(株)製、ア
ナターゼ型〕 (5)パラベン:メチルパラベン〔上野製薬(株)製〕 表1の結果から、本発明のシート状パック剤(実施例1
〜2)は、接着性及び角栓除去性に優れ、その他の諸特
性も良好であり、しかも経時安定性に優れていることが
分かる。
【0032】[実施例3〜4、比較例3〜5]配合処方
を表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同
様にして混合物(水の含有率=約59重量%に調整)を
調製し、次いで、塗工工程を経て、サンプルを調製した
(乾燥後の水の含有率=約13重量%に調整)。結果を
表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】(脚注) (1)脂肪酸エステル:ミリスチン酸イソプロピル〔日
光ケミカルズ(株)製、ニッコールIPM−100〕 (2)グリセリン脂肪酸エステル:モノオレイン酸グリ
セリル〔日光ケミカルズ(株)製、ニッコールMGO〕 (3)POEアルキルフェニルエーテル:POE(1
0)ノニルフェニルエーテル〔日光ケミカルズ(株)
製、ニッコールNP−10〕 (4)その他の成分は、表1と同じ。 表2の結果から、軟化剤として、グリセリン、脂肪酸エ
ステル、またはグリセリン脂肪酸エステルを添加して作
製したシート状パック剤(比較例3〜4)は、経時安定
性の悪いものであることが分かる。これに対して、本発
明のシート状パック剤(実施例3〜4)は、経時安定性
に優れ、かつ、諸特性も良好である。
【0035】[実施例5〜8、比較例6〜7]配合処方
を表3に示すように変更したこと以外は、実施例1と同
様にして混合物(水の含有率=約59重量%に調整)を
調製し、次いで、塗工工程を経て、サンプルを調製した
(乾燥後の水の含有率=約13重量%に調整)。結果を
表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】(脚注) (1)各成分は、表1と同じ。 表3の結果から、本発明のシート状パック剤(実施例5
〜8)は、経時安定性に優れ、かつ、諸特性も良好であ
ることが分かる。これに対して、ポリアクリル酸ナトリ
ウムを配合しなかった場合(比較例6)には、剥離時の
痛みが激しく、ポリアクリル酸ナトリウムの配合割合が
大きすぎる場合(比較例7)には、接着性が低下し、使
用時乾燥性や角栓除去性も低下傾向を示す。
【0038】[実施例9〜13、比較例8〜9]配合処
方を表4に示すように変更したこと以外は、実施例1と
同様にして混合物(水の含有率=約59重量%に調整)
を調製し、次いで、塗工工程を経て、サンプルを調製し
た(乾燥後の水の含有率=約13重量%に調整)。結果
を表4に示す。
【0039】
【表4】
【0040】(脚注) (1)各成分は、表1と同じ。 表4の結果から、本発明のシート状パック剤(実施例9
〜13)は、経時安定性に優れ、諸特性も良好であるこ
とが分かる。これに対して、POE/POPアルキルエ
ーテルを配合しなかった場合(比較例8)には、剥離時
の痛みがあり、角栓除去性も低下する。POE/POP
アルキルエーテルの配合割合が大きすぎる場合(比較例
9)には、角栓除去性が低下する。ポリアクリル酸ナト
リウムの配合割合が大きすぎる場合(比較例7)には、
接着性が低下し、使用時乾燥性や角栓除去性も低下傾向
を示す。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、膏体分散性状、接着
性、使用時乾燥性、角栓除去性に優れ、剥離時の痛みが
緩和され、膏体残りやブリードアウトがなく、しかも経
時安定性に優れたシート状パック剤が提供される。本発
明のシート状パック剤は、特に鼻の角栓除去用として好
適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北崎 寧昭 東京都文京区関口二丁目3番3号 ニチバ ン株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状基材の片面に、少なくとも皮膜
    形成剤と水とを含有する粘着性膏体層が形成されたシー
    ト状パック剤において、該粘着性膏体層が、皮膜形成剤
    として、重合度250〜6,000のポリアクリル酸
    (A)100重量部と、重合度50〜700のポリアク
    リル酸塩(B)0.3〜40重量部とを含有し、かつ、
    軟化剤として、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピ
    レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン/ポリオキ
    シプロピレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエ
    チレンアルキルエーテル、及びポリオキシエチレンアル
    キルフェニルエーテルからなる群より選ばれる少なくと
    も一種の非イオン性界面活性剤(C)0.3〜25重量
    部を含有し、多価アルコールを実質的に含有しないこと
    を特徴とするシート状パック剤。
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