JPH11207973A - 電極の形成方法、およびインクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

電極の形成方法、およびインクジェットヘッドの製造方法

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JPH11207973A
JPH11207973A JP1532398A JP1532398A JPH11207973A JP H11207973 A JPH11207973 A JP H11207973A JP 1532398 A JP1532398 A JP 1532398A JP 1532398 A JP1532398 A JP 1532398A JP H11207973 A JPH11207973 A JP H11207973A
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electrode
cavity plate
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Masahiro Fujii
正寛 藤井
Naoki Kobayashi
小林  直樹
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Seiko Epson Corp
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14314Structure of ink jet print heads with electrostatically actuated membrane

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い生産性をもって、金属材料とシリコン基
板とをオーム性接触させ、かつ、機械的にも強固に密着
した電極の形成方法、およびこの方法で形成した電極を
共通電極として用いた静電駆動式のインクジェットヘッ
ドの製造方法を提供すること。 【解決手段】 キャビティープレート3に用いたP型の
シリコン基板の表面に、共通電極17を構成するための
プラチナ膜や金膜を形成する。次に、キャビティープレ
ート3と、ガラス基板4を相互に重ね合せ、温度が34
0℃の窒素雰囲気中で基板間に900Vの電圧を5分間
印加する。この結果、キャビティープレート3とガラス
基板4とが陽極接合されるとともに、電極材料がキャビ
ティープレート3中に拡散し、チタンなどの下地が無く
ても、密着性の高い共通電極17をP型のシリコン基板
の表面に形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン基板表面
に形成した金属膜から電極を形成する方法、およびこの
方法により形成した電極を共通電極として用いた静電駆
動式のインクジェットヘッドの製造方法に関するもので
ある。さらに詳しくは、シリコン基板表面に形成した金
属膜の電気的あるいは物理的な密着性の向上技術に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェットヘッドとしては、インク
液滴を吐出させるためのメカニズムに応じて各種の方式
のものが提案されている。例えば、ヒータを加熱してイ
ンクを沸騰させ、それによって生じる気泡圧でインク液
滴を吐出する方式のインクジェットヘッド、あるいはイ
ンクを貯留した圧力室に貼り付けられた圧電素子に電圧
を印加することにより圧力室の容積を膨張および収縮さ
せて、インク液滴を吐出する方式のインクジェットヘッ
ドがある。さらに、静電気力を利用してインクを貯留し
た圧力室の容積を変化させて、インク液滴の吐出を行う
静電駆動式のものもある。
【0003】これら各種のインクジェットヘッドのう
ち、静電駆動式のインクジェットヘッドは小型・高密度
化に適している。また、静電駆動式のインクジェットヘ
ッドは、印字品質に優れ、かつ、長寿命であるという利
点もある。この種のインクジェットヘッドでは、図1に
示すように、シリコン基板からなるキャビティープレー
ト3(第1の基板)、ガラス基板(第2の基板)、およ
びガラス基板からなるノズルプレート2(第3の基板)
の3枚の基板が接合された構造をしている。キャビティ
ープレート3には複数のノズル溝22、および底壁が振
動板5として機能する凹部7、および共通電極17が形
成されている。ガラス基板4において、各々の振動板5
に対峙する部分には、振動室12を構成することになる
凹部13が形成され、この凹部13の底面には、振動板
5に対峙する個別電極14が構成されている。従って、
共通電極17と各個別電極14に対してドライバ20か
ら駆動信号を出力すると、この駆動信号に基づいて振動
板5が振動し、圧力室6のインクがノズル溝22からイ
ンク液滴として吐出される。
【0004】このようなインクジェットヘッドにおい
て、キャビティープレート3に共通電極17を形成する
にはシリコン基板に金属膜を形成する。従って、金属膜
の仕事関数の大小によっては共通電極17とキャビティ
ープレート3(シリコン基板)との間はオーム性接触あ
るいは整流性接触になるが、共通電極17とキャビティ
ープレート3とがオーム性接触している場合には、イン
クジェットヘッド1の駆動において電荷の移動が一方の
方向に制限されないので、印字の高速化の面で有利であ
る。従って、仕事関数がP型のシリコン基板より大きな
金属材料であり、かつ、優れた耐腐食性を有するプラチ
ナ(Pt)または金(Au)がP型のシリコン基板に共
通電極17を形成するための電極材料として用いられる
ことが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プラチ
ナまたは金からなる金属膜をシリコン基板上に直接に形
成しただけでは、これらの金属膜とシリコン基板との間
に充分な密着性を得ることができず、共通電極17とし
ての充分な機械的強度を確保できないという問題点があ
る。このため、プラチナまたは金を付着させるのに先立
って、プラチナであればチタン(Ti)、金であればク
ロム(Cr)を下地材料として形成し、その表面にプラ
チナや金を積層したものを共通電極17として用いられ
ているが、このような電極構造を採用すると、シリコン
基板上に異なる金属膜を2度形成させる必要があり、製
造工程が増えてしまう。これに伴って必要な設備が増
え、製造コストを高騰させる原因となる。
【0006】そこで、プラチナや金などの金属膜をシリ
コン基板上に直接形成し、それを熱拡散させれば、これ
らの金属膜とシリコン基板との密着性を高めることがで
きると考えられる。しかし、プラチナや金などをシリコ
ン基板中に拡散させるためには、これらの金属を融点近
くにまで加熱する必要がある。例えば、プラチナをシリ
コン基板中に拡散させるには約700〜1000℃にま
で加熱する工程と、加熱装置が必要なので、やはり製造
コストを高騰させる原因となる。
【0007】なお、アルミニウム(Al)は融点が低い
ので、シリコン基板中に拡散させるが比較的容易である
が、腐食しやすいので、インクジェットヘッドの電極用
には不向きである。
【0008】以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、
金属材料をシリコン基板に低温下で拡散させることによ
り、高い生産性をもって、金属材料とシリコン基板とを
オーム性接触させ、かつ、機械的にも強固に密着した電
極を形成する方法、およびこの方法で形成した電極を共
通電極として用いた静電駆動式のインクジェットヘッド
の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の電極の形成方法では、シリコン基板からな
る第1の基板の表面に電極材料としての金属膜を形成す
る第1の工程と、当該第1の基板に対して前記金属膜が
形成された面の反対側に第2の基板を重ね合わせ、この
状態で、前記第1および第2の基板を加熱しながら当該
基板間に電圧を印加して前記第1の基板と前記金属膜と
の密着性を高める第2の工程とを有することを特徴とす
る。
【0010】本発明では、以下に説明するように、第1
および第2の基板を加熱することによって金属材料をシ
リコン基板に拡散させ、金属膜とシリコン膜との密着性
を高めるが、そのときには基板間に電圧印加するので、
加熱温度は前記金属膜の融点以下の温度で十分である。
【0011】本発明の電極形成方法では、第1の工程で
第1の基板(シリコン基板)に形成したプラチナや金な
どの金属膜(電極材料)から電極を形成するにあたっ
て、第1の基板に対して金属膜が形成された面の反対側
に第2の基板を重ね合わせ、この状態で第1および第2
の基板を加熱しながら当該基板間に電圧を印加する。そ
の結果、金属膜の融点近くにまで加熱しなくても、金属
膜として用いたプラチナや金が第1の基板中に拡散し、
金属膜(電極)と第1の基板とをオーム性接触させるこ
とができるとともに、それらを機械的にも強固に密着さ
せることができる。例えば、シリコン基板を加熱するだ
けでシリコン基板中にプラチナを拡散させるには、約7
00〜1000℃にまで加熱する必要があるが、本発明
を適用すると、第1の基板(シリコン基板)を340℃
位にまで加熱し、この状態で第1の基板と第2の基板間
に約900Vの直流電圧を5分間程度印加するだけで、
プラチナがシリコン基板中に拡散するので、約700〜
1000℃といった高い温度にまで加熱しなくても、プ
ラチナと第1の基板とをオーム性接触させることができ
るとともに、それらを機械的にも強固に密着させること
ができる。それ故、第1の基板に下地材料および電極材
料の2種類の金属材料を付着させる必要がなく、かつ、
高温にまで加熱するための工程や装置も不要であるの
で、製造コストの削減を図ることができる。
【0012】本発明において、前記第1の基板は、例え
ばP型のシリコン基板であり、この場合には、前記金属
膜としてプラチナまたは金を用いるのに適している。
【0013】本発明において、前記第1の基板は、抵抗
率が1Ω・Cm以下のシリコン基板であることが好まし
い。このようなシリコン基板であれば、プラチナ等の電
極材料がそのシリコン基板内に拡散しやすいので、その
分、低い温度で第2の工程を行うことができる。
【0014】本発明に係る方法で前記金属膜から形成し
た電極については、静電駆動式のインクジェットヘッド
の共通電極などとして用いることができる。この場合に
は、静電駆動式のインクジェットヘッドの製造方法にお
いて、前記第1の基板の両面のうち、一方の面側には、
共通電極を構成することとなる前記電極材料、複数のノ
ズル溝、および該ノズル溝にそれぞれ連通し、底壁が振
動板として機能する凹部を形成しておき、当該第1の基
板の他方の面側には、前記第2の工程により、前記振動
板に対して隙間を介して対峙する個別電極が形成された
前記第2の基板を陽極接合する一方、前記一方の面側に
は第3の基板を接合する。
【0015】
【発明の実施の形態】図面を参照して、本発明の好適な
実施形態を説明する。
【0016】(全体構成)図1は、インクジェットヘッ
ドの一部の分解斜視図、図2はその部分断面図である。
なお、本形態のインクジェットヘッドは、従来技術で説
明したインクジェットヘッドと基本的な構成が共通する
ので、同じく図1を参照して説明する。
【0017】図1および図2に示すように、インクジェ
ットヘッド1は、インク液滴と基板の端部に設けたイン
クノズルから吐出させるエッジインクジェットタイプで
あり、静電駆動方式のものである。インクジェットヘッ
ド1は、キャビティープレート3(第1の基板)、ガラ
ス基板(第2の基板)、およびノズルプレート2(第3
の基板)が接合された構造をしている。
【0018】キャビティープレート3はP型のシリコン
基板であり、その表面には、複数のインクノズル21を
構成するための複数のノズル溝22がキャビティープレ
ート3の一方端から平行かつ等間隔で形成されている。
キャビティープレート3の表面には、底壁が振動板5と
して機能する圧力室6を構成することになる凹部7、こ
の凹部7の後部に設けられたインク供給口8を構成する
ことになる細溝9、各々の圧力室6にインクを供給する
ためのインクリザーバ10を構成することになる凹部1
1がエッチングによって形成されている。キャビティー
プレート3において、ノズル溝22が形成されたプレー
ト表面の一方端と反対側の端部にはインク供給孔24と
なる多数のインク供給溝23が形成されている。
【0019】また、キャビティープレート3の表面には
プラチナまたは金からなる共通電極17が形成されてい
る。但し、本形態において、プラチナまたは金からなる
共通電極17の下層側にはチタンやクロムなどの下地は
形成されていない。
【0020】インク供給孔24には接続パイプを介して
インクタンク等の外部のインク供給源(図示せず。)が
接続され、インク供給源からインク供給孔24を介して
インクリザーバ10にインクが供給される。キャビティ
ープレート3の下面は鏡面研磨によって平坦化されてお
り、ガラス基板2に対する取付け面とされている。
【0021】このキャビティープレート3の上面(溝形
成側の基板表面)に接合されるノズルプレート2として
は、パイレックスガラス基板などを用いることができ
る。このノズルプレート2およびキャビティープレート
3を重ね合わせることにより、これらのプレート2、3
の間に、インクノズル21、圧力室6、インク供給口
8、インクリザーバ10およびインク供給孔24が区画
形成される。
【0022】キャビティープレート3の下面に接合され
るガラス基板4は、シリコン基板と熱膨張率が近いホウ
珪酸ガラス基板を用いることができる。ガラス基板4に
おいて、各々の振動板5に対峙する部分には、振動室1
2を構成することになる凹部13が形成されている。こ
の凹部13の底面には、振動板5に対峙する個別電極1
4が配置されている。個別電極14は、ITOからなる
セグメント電極部15、リード部18および端子部16
を備え、セグメント電極部15はリード部18を介して
端子部16に接続されている状態にある。なお、端子部
16を除くセグメント電極部15およびリード部18は
絶縁膜で被覆される場合もある。
【0023】キャビティープレート2に形成した各圧力
室6の底面を規定している振動板5は、実質的な電極と
して機能し、等価回路的には、電極(振動板5)と各個
別電極14の端子部16との間にはドライバ20が接続
されている。ドライバ20によって個別電極14に印加
すると、印加された個別電極14と対峙している振動板
5が静電気力によって振動し、これに伴って圧力室6の
圧力が変動してインクノズル21からインク液滴が吐出
される。
【0024】例えば、正の電圧パルスを印加して個別電
極14の表面を正の電位に帯電させると、対応する振動
板5の下面は負の電位に帯電される。従って、振動板5
は静電気力によって吸引され下方に撓む。次に、個別電
極14へ印加している電圧パルスをオフにすると、振動
板5が形状復帰力によって元の位置に復帰する。この復
帰動作によって、圧力室6の内圧が急激に上昇して、イ
ンクノズル21からインク液滴が吐出される。そして、
振動板5が下方に撓むことにより、インクがインクリザ
ーバ10からインク供給口8を経由して、圧力室6に補
給される。
【0025】ここで、キャビティープレート3はそれ自
身が導電性を持つため、キャビティープレート3自身と
ドライバ20を接続することにより振動板5に電圧を供
給することができ、振動板5を電極として機能させるこ
とができる。但し、より低い電気抵抗で振動板5に電圧
を供給することを目的に、キャビティープレート3の表
面にプラチナや金などの電極材料(薄膜)から共通電極
17を形成し、この共通電極17を介して振動板5にド
ライバ20からの駆動信号を供給する。
【0026】(共通電極17およびインクジェットヘッ
ド1の製造方法)次に、キャビティープレート3への共
通電極17の形成方法を説明しながら、インクジェット
ヘッド1の製造方法を説明する。
【0027】まず、抵抗率が1Ω・Cm以下のP型のシリ
コンウエハを用意する。このシリコンウエハの両面を鏡
面研磨し、所定の厚さ、例えば、厚さが180μmのシ
リコン基板(キャビティープレート3用のシリコン基
板)を作製する。このシリコン基板を熱酸化させて、そ
の表面にSiO2膜を形成する。
【0028】次に、SiO2膜の表面に所定のパターン
に形成したレジストマスク(図示せず。)およびフッ酸
系エッチング液でSiO2膜の一部を除去した後、残っ
たSiO2膜をマスクとしてシリコン基板の表面をアル
カリ液によりエッチングする。その結果、シリコン基板
の表面には、インクノズル21、インク供給口8、イン
クリザーバ10等を構成することになる凹部が形成され
る。これにより、図1に示した形状のキャビティープレ
ート3が得られる。このようにして得られたキャビティ
ープレート3を再度、熱酸化し、その表面にSiO2
を形成する。
【0029】次に、キャビティープレート3の所定領域
に共通電極17を形成する。
【0030】この共通電極17の形成工程では、共通電
極17をキャビティープレート3の上面のうち、共通電
極17を形成すべき部分については酸化膜(SiO
2膜)を除去し、この酸化膜を除去した部分に対して、
スパッタ法によりプラチナや金等の電極材料(金属膜)
を形成する(本発明における第1の工程)。なお、酸化
膜の除去はArを用いた逆スパッタによって行われる。
【0031】次に、図3に示すように、キャビティープ
レート3の下面、すなわち、共通電極17を構成するこ
とになる金属膜が形成された面の反対側の面に、振動室
12を構成することになる凹部13や個別電極14が形
成されたガラス基板4を重ね合わせ、この状態の基板を
2雰囲気中に入れる。それには、例えば、図4に示す
ように、2枚のプレス板101、102によってキャビ
ティープレート3とガラス基板4とを重ね合わせ、重ね
合わせたキャビティープレート3およびガラス基板4を
処理槽内に入れた後、この処理槽内にN2 ガスを供給し
て、処理槽内から空気を追い出し、酸素濃度を低下させ
る。そして、例えば、電源100からプレス板101、
102を介してキャビティープレート3およびガラス基
板4に直流電圧を印加する。この際には、キャビティー
プレート3を陰極とし、ガラス基板4を陽極として、そ
れらの間に900Vの直流電圧を印加する。この際に
は、キャビティープレート3およびガラス基板4を34
0℃位にまで加熱し、この状態を約5分間保持する(本
発明における第2の工程)。
【0032】この第2の工程を行うことによって、キャ
ビティープレート3とガラス基板4とが陽極接合され、
同時にプラチナあるいは金などといった電極材料(共通
電極を形成するための金属材料)が、図4に矢印Dで示
すように、キャビティープレート3を構成するP型のシ
リコン基板中に拡散していく。その結果、キャビティー
プレート3において、それを構成するP型のシリコン基
板とオーム性接触したプラチナ膜または金膜から構成さ
れた共通電極17が形成され、かつ、この共通電極17
は、チタンやクロムなどの下地がなくてもシリコン基板
からなるキャビティープレート3に対して強固に密着す
る。
【0033】次に、キャビティープレート3の上面にノ
ズルプレート2を重ね合わせ、この状態で、N2雰囲気
中においてキャビティープレート3を陰極とし、ノズル
プレート2を陽極として、それらの間に900Vの直流
電圧を印加する。この際には、キャビティープレート3
およびノズルプレート2を340℃位にまで加熱し、こ
の状態を約5分間保持する。このようにして、ノズルプ
レート2とキャビティープレート3とを陽極接合する。
【0034】(本形態の主な効果)このような方法によ
って形成された共通電極17を調べたところ、この共通
電極17とキャビティープレート3とは良好なオーム性
接触してることが確認された。また、共通電極17の機
械的強度を調べたところ、チタンやクロムなどの下地を
形成せずにプラチナまたは金で共通電極17を形成した
にもかかわらず、かつ、プラチナまたは金の融点からみ
ればかなり低い温度条件下で加熱したにもかかわらず、
共通電極17とキャビティープレート3(P型のシリコ
ン基板)とは実用上十分な密着性を有していることが確
認された。それ故、本形態によれば、キャビティープレ
ート3に共通電極17を形成する際に、シリコン基板に
下地材料および電極材料の2種類の金属材料を付着させ
る必要がなく、かつ、高温にまで加熱するための工程や
装置も不要であるので、製造コストの削減を図ることが
できる。このような効果の得られた理由としては、キャ
ビティープレート3とガラス基板4との間に電圧を印加
することにより、電極材料がシリコン基板中に拡散する
のが促進されたからであると考えられる。また、340
℃位という比較的低い温度条件下で、かつ、約5分間と
いう短時間で、キャビティープレート3において、それ
を構成するP型のシリコン基板とオーム性接触したプラ
チナ膜または金膜から構成された共通電極17との密着
性が飛躍的に向上した理由は、キャビティープレート3
として抵抗率が1Ω・Cm以下という低抵抗のP型のシリ
コン基板を使用したため、金属材料の拡散がスムーズに
進行したことに寄与していることが考えられる。また、
低抵抗のシリコン基板を使用したため、金属材料の拡散
が少なくとも、必要十分なオーム性接触が得られたこと
も考えられる。
【0035】また、キャビティープレート3とガラス基
板4とを加熱しながら、これらの基板間に電圧を印加し
てキャビティープレート3を構成するシリコン基板に対
する共通電極17の密着性を向上する工程(本発明にお
ける第2の工程)は、キャビティープレート3とガラス
基板4とを接合する工程(陽極接合工程)として行うも
のであり、新たな工程を追加するものではない。それ
故、キャビティープレート3を構成するシリコン基板に
対する共通電極17の密着性を向上するために新たな工
程を追加する必要がないので、高い生産効率を維持でき
る。
【0036】(その他の形態)なお、上記形態では、イ
ンク液滴を基板の端部に設けたインクノズルから吐出さ
せるフェイスインクジェットタイプであるが、基板の上
面に設けたインクノズルからインク液滴を吐出させるエ
ッジインクジェットタイプであっても良い。
【0037】また、本発明の電極形成方法は、静電駆動
式のインクジェットヘッドに限らず、シリコン基板の表
面に形成したプラチナや金などの金属膜から電極を形成
する構成を有するインクジェットヘッドであれば、その
他の駆動方式を採用したインクジェットヘッドにも適用
できる。
【0038】さらに、本発明の電極形成方法は、インク
ジェットヘッドの電極形成用に限らず、シリコン基板の
表面に形成したプラチナや金などの比較的融点の高い金
属膜から電極を形成する必要がある装置全てに適用でき
る。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る電極
形成方法では、第1の工程で第1の基板(シリコン基
板)に形成したプラチナや金などの金属膜(電極材料)
から電極を形成するにあたって、第1の基板に対して金
属膜が形成された面の反対側に第2の基板を重ね合わ
せ、この状態で第1および第2の基板を加熱しながら当
該基板間に電圧を印加する。その結果、金属膜の融点近
くにまで加熱しなくても、金属膜として用いたプラチナ
や金が第1の基板中に拡散し、金属膜(電極)とシリコ
ン基板とをオーム性接触させることができるとともに、
それらを機械的にも強固に密着させることができる。そ
れ故、第1の基板に下地材料および電極材料の2種類の
金属材料を付着させる必要がなく、かつ、高温にまで加
熱するための工程や装置も不要であるので、製造コスト
の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェットヘッドの分解斜視図である。
【図2】図1に示すインクジェットヘッドの断面図であ
る。
【図3】本発明に係る電極形成方法、およびインクジェ
ットヘッドの製造方法において行う陽極接合(本発明に
おける第2の工程)の様子を示す説明図である。
【図4】本発明に係る電極形成方法、およびインクジェ
ットヘッドの製造方法において行う陽極接合(本発明に
おける第2の工程)の様子を示す説明図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド 2 ノズルプレート(第3の基板) 3 キャビティープレート(第1の基板) 4 ガラス基板(第2の基板) 5 振動板 6 圧力室 8 インク供給口 12 振動室 17 共通電極 20 ドライバ 21 インクノズル 24 インク供給孔

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン基板からなる第1の基板の表面
    に電極材料としての金属膜を形成する第1の工程と、当
    該第1の基板に対して前記金属膜が形成された面の反対
    側に第2の基板を重ね合わせ、この状態で、前記第1お
    よび第2の基板を加熱しながら当該基板間に電圧を印加
    して前記第1の基板と前記金属膜との密着性を高める第
    2の工程とを有することを特徴とする電極の形成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記第1および第2
    の基板に対する加熱温度を前記金属膜の融点以下の温度
    に設定することを特徴とする電極の形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記第1の
    基板はP型のシリコン基板であることを特徴とする電極
    の形成方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記電極材料はプラ
    チナまたは金であることを特徴とする電極の形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    前記第1の基板は、抵抗率が1Ω・Cm以下であることを
    特徴とする電極の形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに規定する
    方法で前記金属膜から形成した電極を共通電極とする静
    電駆動式のインクジェットヘッドの製造方法おいて、 前記第1の基板の両面のうち、一方の面側には、共通電
    極を構成することとなる前記金属膜、複数のノズル溝、
    および該ノズル溝にそれぞれ連通し、底壁が振動板とし
    て機能する凹部を形成しておき、 当該第1の基板の他方の面側には、前記第2の工程によ
    り、前記振動板に対して隙間を介して対峙する個別電極
    が形成された前記第2の基板を陽極接合する一方、 前記一方の面側には第3の基板を接合することを特徴と
    する静電駆動式のインクジェットヘッドの製造方法。
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JP2014522755A (ja) * 2011-06-29 2014-09-08 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. 圧電インクジェットダイスタック
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