JPH11207461A - ビード継ぎ重ね溶接方法及びその自動溶接装置 - Google Patents

ビード継ぎ重ね溶接方法及びその自動溶接装置

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JPH11207461A
JPH11207461A JP1067198A JP1067198A JPH11207461A JP H11207461 A JPH11207461 A JP H11207461A JP 1067198 A JP1067198 A JP 1067198A JP 1067198 A JP1067198 A JP 1067198A JP H11207461 A JPH11207461 A JP H11207461A
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昭慈 今永
Mitsuaki Haneda
光明 羽田
Nobuo Shibata
信雄 柴田
Kiyotsuyo Naruse
聖剛 鳴瀬
Shuji Soma
修二 相馬
Tsugio Udagawa
次男 宇田川
Toru Takatani
透 高谷
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既存溶接ビードとのビード継ぎ部に溶接欠陥
のない平滑で良好な溶接ビードが形成できる信頼性の高
い溶接を行わせ得るビード継ぎ重ね溶接方法及び自動溶
接装置を提供する。 【解決手段】 既存溶接ビードの始端部又は終端部との
ビード継ぎ、或いは既存溶接ビードの始終端両方とのビ
ード継ぎが必要な溶接継手に対して、タッチセンサユニ
ット39による第1工程のセンシング動作でビード継ぎ
の重ね溶接線の位置ずれを検出し、さらに、光学式セン
サ50及び画像処理装置52による第2工程のセンシン
グ動作で既存溶接ビードのビード境界位置及び位置ずれ
を検出して、これらの検出情報に基づいて、溶接制御装
置38により、溶接ロボット30による第3工程の溶接
動作でビード継ぎ重ね溶接におけるトーチ位置補正及び
溶接条件補正の制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は消耗性の溶接ワイヤ
を電極とするアーク溶接法におけるビード継ぎ溶接に係
わり、特に、既存溶接ビードの始端部又は終端部とのビ
ード継ぎ、或いは既存溶接ビードの始端部及び終端部の
両方とのビード継ぎが必要な部材から成る建設機械部
品、船舶部品、管状部品、自動車部品などの溶接を良好
に行うのに好適なビード継ぎ重ね溶接方法及び自動溶接
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】既存溶接ビードの始端部や終端部のある
継手の溶接においては、その始端部や終端部と接続する
ためのビード継ぎ重ね溶接が必要となる。この場合、既
存の溶接始終端の組合せとしては、始端部と始端部の合
わせ、始端部と終端部の合わせ、終端部と始端部の合わ
せ、終端部と終端部の合わせの4種類がある。このビー
ド継ぎ重ね溶接は、普通の継手溶接と異なって既存溶接
ビードのある箇所で形状変化が伴うため、融合不良や溶
け込み不足や余盛り過剰などの溶接欠陥が生じないよう
に平滑で良好な溶接ビードを形成することが非常に難し
く、このため、ビード継ぎ部に欠陥のない良好な溶接を
如何にして行うかが重要な課題である。
【0003】熟練溶接員が手作業で行う場合、例えばア
ークガウジング法やグラインダ加工法により事前にビー
ド始終端部の溶接金属を除去加工してから、アーク溶接
法により溶融金属を埋めるようにしてビード継ぎ溶接を
行うことが多い。さらに、溶接結果のでき具合によって
はグラインダでビード継ぎ溶接部の仕上げ加工を施すこ
とになる。なお、この手作業による溶接は高度な技能を
持った熟練溶接員でないとできない。
【0004】このため、溶接作業工数の低減、生産性の
向上、省力化などの観点より、このビード継ぎ溶接作業
の自動化が求められており、従来からビード継ぎ溶接に
関する処理法が幾つか提案されている。例えば、特開平
3ー42179号公報に記載の溶接始終端処理方法(公
知例)では、円周方向に溶接が進行して溶接始端の手
前の位置に到達した時に、溶接トーチの向きを溶接始端
側に傾斜移動させると同時に電流を増加させて始端形状
を滑らかに修正し、溶接トーチの向きを元に戻した後に
定常作業により溶接終端を溶接始端に重ねるようにする
ことが開示されている。
【0005】また、特開平8ー155638号公報に記
載の固定管の片面突合せ溶接方法(公知例)では、左半
周と右半周の溶接を各々受け持つ2本の溶接トーチを配
置して、溶接の開始時と終了時に各溶接トーチを傾動及
び溶融プールを一体化させてビード始端継ぎ及びビード
終端継ぎを行うことが開示されている。
【0006】また、特開平5ー318122号(特許番
号2616633号)公報に記載のビード端部の検出方
法及び装置(公知例)は、高速回転アーク溶接法におけ
るビード端部の検出に関するもので、アーク1回転毎に
アーク電圧波形又は溶接電流波形を積分及び偏差信号を
演算し、溶接トーチがビード端検出制御の開始位置に到
達した時点より、予め演算の平均偏差信号との差をアー
ク1回転毎に積算して、その積算値の所定時間当りの変
化量が、所定のしきい値を越えた時に溶接トーチが既存
溶接ビード端に到達したと判定して、既存溶接ビードと
のビード継ぎ溶接の所定処理を行うようにすることが開
示されている。なお、ビード継ぎ溶接の処理方法につい
ては記載されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の公知例で
は溶接条件の制御図が記載され、かつ、良好な溶接始終
端部を得るための工夫がされており、一応の目的を達成
し得る方法であると言える。しかしながら、溶接始端の
手前の位置で溶接トーチの向きを前方に傾斜移動させか
つ電流を増加させると、アーク長の変化及び溶融金属の
増加による不具合が生じる可能性がある。また、溶接ト
ーチの向きを元に戻した後に定常作業により溶接終端を
溶接始端に重ねるようにしているが、溶接トーチの速度
制御は行われていないために溶接終了部のビード形状に
不具合が生じる可能性がある。なお、溶接始端位置を検
出する技術については全く記載されていない。
【0008】また、従来技術の公知例では、左半周と
右半周の振り分け溶接におけるビード始端継ぎ及びビー
ド終端継ぎを良好に行うための工夫がされている。しか
しながら、2つの溶接トーチを溶接開始時と終了時に傾
動させて各々のアーク及び溶融プールを一体化させよう
とすると、電磁場の発生に伴うアーク同士の干渉や多重
の溶融金属によるビード盛上がりなどの不具合が生じる
可能性がある。また、初層溶接だけでなく多層盛溶接に
も適用できると記載されているが、溶接パス毎のビード
始端継ぎ及びビード終端継ぎの位置が特定箇所に集中す
ると、そのビード継ぎ部に溶着金属の盛上がりや溶接欠
陥が生じる可能性がある。さらに、各溶接トーチを駆動
制御する2組の溶接走行台車が必要であり、装置の大型
化及び複雑な制御を要するという課題がある。
【0009】さらに、従来技術の公知例ではビード端
部を検出する方法が具体的に記載されており、高速回転
アーク溶接法における独自のビード継ぎ溶接が可能にな
ると言える。しかしながら、既存溶接ビードとのビード
継ぎ溶接は容易ではなく、如何にしてビード継ぎ部を良
好に処理するかが最も重要であり、その処理方法や処理
条件が実施例には全く記載されておらず不明である。既
存溶接ビード端の検出及び位置ずれの修正ができても、
或いは既存溶接ビード端の位置が事前に分かっている場
合でも、ビード継ぎ溶接の処理方法が明確でなければそ
の溶接を実施することができず、また、既存溶接ビード
とのビード継ぎの処理条件が不適であれば、ビード継ぎ
部に融合不良やビード盛上がりなどの溶接欠陥が生じる
結果となる。さらに、溶接ビードの始端部と終端部では
形状が異なるため、両者のビード端を区別して検出する
必要があるばかりでなく、両者のビード端に各々適した
処理条件でビード継ぎ溶接を行わなければ、良好な溶接
結果を得ることができないはずである。上記の公知例
にはビード継ぎ溶接を良好に行うための重要な処理方法
及び処理条件が開示されておらず、高速回転アーク溶接
法と異なる普通のアーク溶接法によるビード継ぎ溶接へ
の応用は全くできないものと推測される。
【0010】この他、アークセンサの代わりに光学式セ
ンサを用いて溶接線の位置ずれを検出しながら溶接トー
チ位置の補正制御を行う技術は幾つかあるが、光学式セ
ンサで既存溶接ビードのビード境界位置及びその位置ず
れを検出する技術や、この検出情報を使って既存溶接ビ
ードとのビード継ぎ溶接のトーチ位置補正及び溶接条件
補正の制御を行う技術は明らかにされていない。
【0011】そこで、本発明は上記の問題に鑑みてなさ
れたもので、その目的は、既存溶接ビードの始端部と終
端部のいずれか一方もしくは双方とのビード継ぎが必要
な部材から成る溶接継手に対して、ビード境界位置の正
確な検出と溶接トーチ位置及び溶接条件の適正な制御に
よってビード継ぎ部に良好な溶接ビードが形成できる信
頼性の高い溶接を行わせ得るビード継ぎ重ね溶接方法及
び自動溶接装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成する本
発明の第1の手段は、既存溶接ビードの始端部又は終端
部とのビード継ぎ、或いは既存溶接ビードの始端部及び
終端部の両方とのビード継ぎが必要な部材から成る溶接
継手ワークに対し、消耗電極ワイヤ式の溶接トーチを駆
動する溶接ロボットと、この溶接ロボットの駆動制御や
溶接位置のセンシング動作と情報処理及び溶接トーチへ
給電する溶接電源の出力制御が可能な溶接制御装置を用
い、ビード継ぎ部の位置検出動作や溶接動作の教示・運
転が可能な溶接運転プログラムに従ってビード継ぎ重ね
溶接を行う方法において、前記溶接継手ワークにおける
ビード継ぎ部の溶接線及び位置ずれを第1の自動検出手
段でセンシングする第1の工程と、既存溶接ビードの始
端境界位置又は終端境界位置或いは両方の境界位置及び
各々の位置ずれや、ビード継ぎ重ね溶接の開始位置や終
了位置を第2の自動検出手段でセンシングする第2の工
程と、さらに、前記第1の自動検出手段及び第2の自動
検出手段による検出情報に基づいて、溶接トーチ位置や
ビード境界位置の修正計算、溶接経路及び溶接条件の補
正計算を行うと共に、前記既存溶接ビードの始端部又は
終端部或いは両方とのビード継ぎ重ね溶接における溶接
トーチ位置の補正制御や溶接条件制御を行う第3の工程
とを有することを特徴とする。
【0013】上記の課題を達成する本発明の第2の手段
は、前記第1の手段において、前記第1の自動検出手段
は、溶接トーチのワイヤ先端又はノズルを溶接継手ワー
クにタッチさせた時に生じる印加電圧変化の検知信号よ
りワーク位置を算出するタッチセンサユニットを含んで
成り、さらに、前記第1の工程では、ロボット手首に設
置の溶接トーチを移動させてワイヤ先端又はノズルをビ
ード継ぎ部のある縦板及び横板に各々数点タッチさせ、
その時の検知信号を前記タッチセンサユニットで処理し
てビード継ぎ部の溶接線位置や位置ずれの情報を算出
し、算出した情報を前記溶接制御装置に送信して、次の
第2の工程で行うセンシング動作の位置補正や、第3の
工程で行うビード継ぎ重ね溶接のトーチ位置補正や溶接
条件補正の制御などに用いるようにしたことを特徴とす
る。
【0014】上記の課題を達成する本発明の第3の手段
は、前記第1の手段において、前記第2の自動検出手段
は、線状のレーザ光を照射するレーザ投光器と被照射面
からのレーザ反射像を特定波長通過の干渉フイルターを
介して撮るカメラとを備えた光学式センサと、この光学
式センサより得られる光切断画像を処理する画像処理装
置とを含んで成り、さらに、前記第2の工程では、線状
のレーザ光をビード始端側とビード終端側のいずれか一
方もしくは双方のビード境界部に溶接線と平行する方向
に照射し、前記カメラで被照射面からのレーザ反射像と
して撮像されるビード境界部の光切断画像を前記画像処
理装置に入力し、前記画像処理装置で光切断画像に基づ
いてビード境界位置、基準位置に対するビード境界部位
置ずれとビード継ぎ重ね溶接の開始位置や終了位置を検
出し、検出された情報を前記溶接制御装置側に送信し
て、次の第3の工程で行うビード継ぎ重ね溶接のトーチ
位置補正や溶接条件補正の制御に用いるようにしたこと
を特徴とする。
【0015】上記の課題を達成する本発明の第4の手段
は、前記第1の手段において、前記第1の自動検出手段
及び第2の自動検出手段は、線状の光を照射するレーザ
投光器と被照射面からのレーザ反射像を特定波長通過の
干渉フイルターを介して撮るカメラとを備えた光学式セ
ンサと、この光学式センサより得られる光切断画像を処
理する画像処理装置とを含んで成り、前記第1の工程で
は、ビード継ぎ溶接の開始側と終了側で溶接線と直角方
向に線状のレーザ光が照射するようにロボット手首に設
置の前記光学式センサを移動させて、カメラで撮像され
る光切断画像からビード継ぎ部の溶接線位置や溶接線の
基準位置からの位置ずれを画像処理装置で検出すると共
にこの第1の検出情報を溶接制御装置に送信し、さら
に、次の第2の工程では、ビード始端側又はビード終端
側のビード境界部に溶接線と平行する方向に線状のレー
ザ光が照射するようにロボット手首に設置の前記光学式
センサを再び移動させて、カメラで被照射面からのレー
ザ反射像として撮像されるビード境界部の光切断画像を
前記画像処理装置に入力し、該画像処理装置で前記光切
断画像を入力としてビード境界位置、基準位置に対する
ビード境界位置の位置ずれとビード継ぎ重ね溶接の開始
位置や終了位置を検出し、検出した第2の検出情報を前
記溶接制御装置側に送信し、次の第3の工程で行うビー
ド継ぎ重ね溶接のトーチ位置補正や溶接条件補正の制御
などに前記第1及び第2の検出情報を用いるようにした
ことを特徴とする。
【0016】上記課題を達成する本発明の第5の手段
は、前記第1の手段において、前記第3の工程における
ビード継ぎ重ね溶接の開始側では、既存溶接のビード終
端部の凹み始めた位置より小電流・電圧のアークを発生
させると共に溶接トーチを走行させた後に、その小電流
アークから定常溶接の高電流・高電圧のアークに移行さ
せると共に溶接速度を一旦高速に切り換え、その後、高
速から低速の定常速度に移行させてアーク溶接するよう
にし、また、既存溶接のビード始端部に対するビード継
ぎ重ね溶接の終了側では、溶接トーチがそのビード始端
境界位置に到達して所定距離走行後に、アーク溶接の電
流・電圧を減少及び溶接トーチの走行を一時停止させ、
その後、小電流のアークを持続した状態のままで溶接ト
ーチを再び走行させて終点へ到達後にそのアーク溶接を
終了するようにしたことを特徴とする。
【0017】上記課題を達成する本発明の第6の手段
は、前記第1、3,4の手段のいずれかにおいて、前記
第2の自動検出手段による第2の工程のセンシング動作
で検出エラー信号を取得した場合は、次の第3の工程で
行う予定のビード継ぎ部の重ね溶接動作を中止して異常
表示する、或いはその重ね溶接を省略して次ステップに
移行するようにしたことを特徴とする。
【0018】上記課題を達成する本発明の第7の手段
は、前記第1の手段において、溶接ロボットの稼働範囲
内で、かつ、既存溶接ビードとのビード継ぎ部と異なる
箇所に普通の溶接継ぎ手部が存在する場合は、前記ビー
ド継ぎ部の重ね溶接を実行する前又は実行した後に、事
前作成の溶接運転プログラム及び第1の自動検出手段に
よる検出情報に基づいて、前記ビード継ぎ部と異なる箇
所の溶接継ぎ手部の溶接動作やトーチ位置補正の制御な
どを行うようにしたことを特徴とする。
【0019】上記課題を達成する本発明の第8の手段
は、既存溶接ビードの始端部又は終端部とのビード継
ぎ、或いは既存溶接ビードの始端部及び終端部の両方と
のビード継ぎが必要な部材から成る溶接継手に対し、消
耗電極ワイヤ式の溶接トーチを駆動する溶接ロボット
と、この溶接ロボットの駆動制御や溶接位置のセンシン
グ動作と情報処理及び溶接トーチへ給電する溶接電源の
出力制御などが可能な溶接制御装置と、ビード継ぎ部の
位置検出動作や溶接動作などの教示・運転が可能な溶接
運転プログラムとを用いてビード継ぎ重ね溶接を行う自
動溶接装置において、ビード継ぎが必要な前記溶接継手
ワークにおけるビード継ぎ部の溶接線及び位置ずれなど
をセンシングする第1の自動検出手段と、既存溶接ビー
ドの始端境界位置又は終端境界位置或いは両方の境界位
置及び各々の位置ずれや、ビード継ぎ重ね溶接の開始位
置や終了位置などの情報をセンシングする第2の自動検
出手段とを設け、さらに、前記第1の自動検出手段によ
るセンシング動作と前記第2の自動検出手段によるセン
シング動作で各々取得する検出情報に基づいて、溶接ト
ーチ位置やビード境界位置の修正計算、溶接経路や溶接
条件の補正計算、ビード継ぎ重ね溶接の動作指令を行う
第1の溶接処理手段を前記溶接制御装置に設けたことを
特徴とする。
【0020】上記課題を達成する本発明の第9の手段
は、既存溶接ビードの始端部又は終端部とのビード継
ぎ、或いは既存溶接ビードの始端部及び終端部の両方と
のビード継ぎが必要な部材から成る溶接継手に対し、消
耗電極ワイヤ式の溶接トーチを駆動する溶接ロボット
と、この溶接ロボットの駆動制御や溶接位置のセンシン
グ動作と情報処理及び溶接トーチへ給電する溶接電源の
出力制御などが可能な溶接制御装置と、ビード継ぎ部の
位置検出動作や溶接動作などの教示・運転が可能な溶接
運転プログラムとを用いてビード継ぎ重ね溶接を行う自
動溶接装置において、前記溶接ロボットに搭載の溶接ト
ーチのワイヤ先端又はノズルを溶接継手ワークに接触さ
せてビード継ぎ部の溶接線及び位置ずれなどを検出する
タッチセンサユニットと、既存溶接ビードの始端側又は
終端側のビード境界部に溶接線と平行方向に線状のレー
ザ光を照射してカメラで撮像される光切断画像からビー
ド境界位置とその位置ずれ、ビード継ぎ重ね溶接の開始
位置や終了位置などの情報を検出する光学式センサ及び
画像処理装置とを設け、さらに、前記タッチセンサユニ
ットによる第1工程のセンシング動作と前記光学式セン
サ及び画像処理装置による第2工程のセンシング動作で
各々取得する検出情報に基づいて、溶接トーチ位置やビ
ード境界位置の修正計算、溶接経路や溶接条件の補正計
算、ビード継ぎ重ね溶接の動作指令などを行う第1の溶
接処理手段を前記溶接制御装置に設けたことを特徴とす
る。
【0021】上記課題を達成する本発明の第10の手段
は、前記第8または第9の手段において、前記第2の自
動検出手段による第2の工程のセンシング動作で検出エ
ラー信号を取得した場合は、次の第3の工程で行う予定
のビード継ぎ部の重ね溶接動作を中止して異常表示す
る、或いはその重ね溶接を省略して次ステップに移行す
る第2の溶接処理手段を前記溶接制御装置に設けたこと
を特徴とする。
【0022】上記課題を達成する本発明の第11の手段
は、前記第8または第9の手段において、ビード継ぎ部
の溶接線及び位置ずれなどを前記タッチセンサユニット
で検出する場合は、溶接トーチ先端からのワイヤ突き出
し長さを一定にするワイヤカット装置か、又は溶接トー
チ先端の給電チップやノズル内外の清掃機能を兼ね備え
たノズル清掃式のワイヤカット装置を設け、さらに、溶
接トーチのホルダー後方にワイヤ突き出し長さの変動を
止めるワイヤロック機構を設けて、前記タッチセンサユ
ニットによる溶接線のセンシング動作を行う以前に、前
記ワイヤカット装置によるワイヤ突き出し長さ合わせや
ノズル清掃の動作を行うと共に、前記ワイヤロック機構
を作動するようにしたことを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内容を実施例に基
づいて説明する。図1は本発明に係わるビード継ぎが必
要な建設機械部品(例えば油圧ショベル用ブーム)におけ
る溶接継手の一部を示すビード継ぎ溶接部の概略図であ
る。この建設機械部品では事前に各々組立られたブロッ
クワーク10とブロックワーク20とをドッキング溶接
することになっており、突き合わせ開先継手17a,1
7bの溶接(例えばブロックワーク外周面の4箇所)を行
うと共に、ブロックワーク10側の既存溶接ビード1と
ブロックワーク20側の既存溶接ビード2とを接続する
ためのビード継ぎ重ね溶接3(例えば表側に2箇所、裏
側に2箇所)を行う必要がある。ここでは、最初に側面
の突き合わせ開先継手17a部の溶接を下向き姿勢(ブ
ロックワーク10,20を回転させる)で行い,次に正
面の突き合わせ開先継手17b部の溶接を行う。そし
て、最後に目的の既存溶接ビード1、2とのビード継ぎ
重ね溶接3を各々行うようにしている。
【0024】ビード継ぎが必要な溶接始終端の組合せと
しては、始端部と始端部の組合わせ、始端部と終端部の
組合わせ、終端部と始端部の組合わせ、終端部と終端部
の組合わせの4種類がある。ビード継ぎ溶接の実験によ
れば、この4種類の中から既存溶接のビード始端部に重
ね溶接のビード終端部を合わせ、既存溶接のビード終端
部に重ね溶接のビード始端部を合わせる組合せが最も良
いことが分かり、この組合せが採用されている。図2は
既存溶接ビードの始端部及び終端部とのビード継ぎ重ね
溶接を示すビード断面図である。すなわち、既存溶接ビ
ード2のビード終端部2a側からビード継ぎの重ね溶接
を開始して重ね溶接ビード3のビード始端部3aを重ね
合わせ、そして、溶接トーチ4が他方の既存溶接ビード
1のビード始端境界位置Ksを通過後に、重ね溶接のビ
ード終端部3bが既存溶接ビード1のビード始端部1a
側へ重なり合うように溶接の終了処理を行うようにして
いる。なお、既存溶接ビード2のビード終端部2aは、
その溶接終了時に予め凹み型の形状にしておくのが望ま
しい。また、既存溶接ビード1のビード始端部1aは、
その溶接開始時に予め傾斜の緩やかな形状にしておくの
が望ましい。
【0025】次に図3から図7に記載の実施例を用いて
本発明のビード継ぎ重ね溶接方法を具体的に説明する。
図3及び図4は、図1に示したビード継ぎが必要な建設
機械部品を溶接するための本発明の実施例である自動溶
接装置の概略図である。図示の自動溶接装置は、ワーク
(被溶接物)を保持する一対のワーク位置決め装置3
2,33と、溶接装置60とからなっている。
【0026】ワーク位置決め装置32は垂直軸に沿って
昇降可能に、かつ水平軸を回転軸として回転可能に構成
された自在クランプ治具34を備えて基礎に固定されて
おり、ワーク位置決め装置33は垂直軸に沿って昇降可
能に、かつ水平軸を回転軸として回転可能に構成された
自在クランプ治具35を備えているとともに、台車に搭
載されて移動可能な構成としてある。
【0027】溶接装置60は、支柱側壁36bと柱36
bを結ぶ梁36aからなる門型架台36と、梁36a下
面に取り付けられた8軸制御の溶接ロボット30と、溶
接ロボット30の手首に装着され第2の自動検出手段を
構成する光学式センサ50と、溶接ロボット30の手首
のホルダに把持された消耗電極ワイヤ方式の溶接トーチ
4と、前記溶接ロボット30を制御する図示されていな
い溶接制御装置38と、支柱側壁36bに設置され溶接
制御装置38に接続されたワイヤカット装置37と、を
含んで構成されている。溶接装置60には、さらに、図
4に示すように、溶接ロボット30に接続された前記溶
接制御装置38と、溶接制御装置38に接続された溶接
電源43と、溶接電源43に接続されたワイヤ送給装置
42と、溶接制御装置38と溶接トーチ4に接続された
タッチセンサユニット39と、溶接制御装置38に接続
された画像処理装置52と、画像処理装置52に結合し
て設置され、前記光学式センサ50に接続されたセンサ
制御器51と、画像処理装置52に接続された画像・検
出表示器53と、が含まれている。
【0028】前記ワーク位置決め装置32、33は溶接
制御装置38に接続、制御されるように構成され、溶接
制御装置38には操作用ペンダント38aが付属してい
る。溶接ロボット30は、梁36a下面に取り付けられ
て左右・前後に移動する2軸スライダ31と、2軸スラ
イダ31に取り付けられたアーム部分と、アーム部分先
端(手首)に在って溶接トーチを把持するホルダと、か
らなり、前記溶接制御装置38に制御されて動作する。
ワイヤカット装置37は、溶接トーチ4からのワイヤ突
き出し長さを一定にする寸法合わせ機能と、この溶接ト
ーチ4先端の給電チップやノズル内外を清掃及びスパッ
タ等の付着物を除去する清掃機能とを兼ね備えている。
また、溶接トーチ4のホルダ後方には、ワイヤ突き出し
の長さ変動を防止するためのワイヤロック機構40を設
けている。
【0029】溶接トーチ4とタッチセンサユニット39
が組み合わされてビード継ぎ部の溶接線及び位置ずれを
検出する第1の自動検出手段を構成している。溶接ロボ
ット30の手首には、ビード継ぎ部の溶接を行うための
溶接トーチ4の他に、先に述べたように、既存溶接ビー
ドの始端境界位置,終端境界位置及び位置ずれやビード
継ぎ重ね溶接の開始、終了位置などを検出するための第
2の自動検出手段である光学式センサ50が所定の位置
に設けられている。
【0030】事前に組立てられたブロックワーク10,
20は、走行台車(省略)で搬送後に自在クランプ治具3
4,35を介して回転・昇降・移動が可能な2組のワー
ク位置決め装置32,33によって位置決め固定され
る。また、図4に示した画像処理装置52は、光学式セ
ンサ50からセンサ制御器51を介して得られる光切断
画像に特定の処理を施してビード境界位置や位置ずれな
どを検出するものであり、この検出情報は画像処理装置
52から溶接制御装置38に送信されると共に、画像・
検出表示器53で観察できるようにしている。一方、タ
ッチセンサユニット39は、溶接トーチ4のワイヤ先端
又はノズルを溶接継手ワークに接触させて印加電圧変化
を検知してワーク位置や溶接線及びその位置ずれを検出
するためのものであり、この検出情報は溶接制御装置3
8に取り込まれて処理される。さらに、溶接制御装置3
8は各々の装置を統括管理するものであり、2軸スライ
ダー31を含む溶接ロボット30の駆動制御、ワイヤカ
ット装置37の駆動制御、タッチセンサユニット39と
光学式センサ50及び画像処理装置52に対する各検出
要求や検出結果の情報取得及び各々の情報処理、溶接ト
ーチ4へ給電する溶接電源43の出力制御、ワーク位置
決め装置32の駆動要求などを行うことができる。ま
た、ビード継ぎ部のセンシング動作や溶接動作や溶接条
件設定など必要な溶接教示プログラムは、操作ペンダン
ト38aより任意に作成・編集・登録することができる
ようになっている。なお、溶接ロボットは天吊り式でな
い床置き式にしてもよい。
【0031】ビード継ぎ重ね溶接の実行手順の概要を図
5に示す。まず最初に、事前に作成されて溶接制御装置
38に登録されている溶接教示プログラム100を呼び
出して運転実行(101)すると、ワイヤカット装置3
7の設置場所へ溶接ロボット30が移動し、溶接トーチ
先端のノズルの清掃及び所定のワイヤ突き出し長さに溶
接ワイヤ(以下、ワイヤという)をカットする動作を行
う(102)。さらに、カット後のワイヤ突き出し長さ
はワイヤロック機構40の作動によって一定に保持され
る。溶接トーチ4の姿勢変化やトーチケーブル41の伸
縮変化があっても、ワイヤ突き出し長さの変動が防止で
きるため、タッチセンサにおける検出精度や溶接動作に
おけるトーチ位置決め精度を大幅に高めることができ
る。
【0032】次に、このタッチセンサ39によるワーク
位置、溶接線及びその位置ずれのセンシング動作(10
3)が行われ、溶接ワークの位置ずれと溶接線の修正計
算や、光学式センサの移行位置が決定される(10
4)。ここでは既存技術のタッチセンサを使用し、図6
の(1)に示すように溶接トーチ4のワイヤ先端を溶接継
ぎ手の縦板と横板に各々数点タッチ(ワイヤを接触させ
た時に生じる印加電圧変化を検知する)させて両板の平
面が接する交点Pを求め、ビード継ぎ部の溶接線及び位
置ずれなどが算出される。ワイヤ先端をタッチさせる方
式に代わってノズルをタッチさせる方式でもよい。ま
た、後述するが、タッチセンサと異なる光学式センサを
使用することも可能である。
【0033】一方、ビード始終端位置の検出には光学式
センサ50を使用する。すなわち、この光学式センサ5
0によるセンシング動作(105)では、図6の(2)に
示したように、ビード始端部とビード終端部(ビード境
界部ともいう)の2箇所で溶接線と平行する方向に光学
式センサ50内のレーザ投光器から線状のレーザ光(被
照射面を線状に照射する広がりを持つレーザ光、以下、
スリット状のレーザ光という)を照射して、カメラで撮
像されるビード境界部表面からの線状の反射光の画像
(以下光切断画像という)を画像処理装置52に取り込
んでビード境界位置や位置ずれなどを検出するための処
理を行う。このセンシング動作(105)で取得した検
出情報を基にして、溶接トーチ位置の補正制御及び溶接
条件制御に必要な位置ずれと溶接始端・終端位置の修正
計算、溶接経路及び溶接条件を決定(106)する。
【0034】そして、これらの計算結果に基づき、ビー
ド継ぎ部の重ね溶接動作(108)(片面2箇所の溶接)
を図6の(3)に示したように自動で行う。もし、光学式
センサ50によるセンシング動作(105)で検出エラ
ー信号を取得して溶接不可と判断(107)した時に
は、このビ―ド継ぎ部の溶接動作を中止して異常内容を
表示(109)する。
【0035】このように図5に示した手順で一連の動作
を行うことにより、組立誤差や位置決め誤差を伴う建設
機械部品の溶接継手ワークに対して、的確な位置ずれ検
出と溶接トーチ位置修正を行ってビード継ぎ重ね溶接を
自動化することができる。また、タッチセンサによる検
出が適した箇所と光学式センサによる検出が適した箇所
に、それぞれ適切な検出手段を適用することによって、
各々の検出精度が向上できるばかりでなく、溶接トーチ
の位置修正後の総合的な位置決め精度を向上させること
ができる。なお、光学式センサによるビード境界位置の
検出方法及びビード継ぎ重ね溶接条件の制御方法につい
ては後述する。
【0036】図7はビード継ぎ部と開先突き合わせ部の
両方の溶接を自動で行うための実行手順を示す実施例で
ある。ここではタッチセンサユニット39を使うセンシ
ング動作(103)で、開先突き合わせ部とビード継ぎ
部の両方の溶接線及び位置ずれを各々検出し、さらに、
位置ずれと溶接線の修正計算及び光学式センサ50の移
行位置を決定する(104)。次いで光学式センサ50
によるセンシング動作(105)で、ビード継ぎ部の始
端・終端位置及びその位置ずれを検出し、位置ずれと溶
接始端・終端位置の修正計算、溶接経路及び溶接条件の
計算、決定を行う(106)。そして、タッチセンサに
よる検出情報に基づいて、先に開先突き合わせ部の溶接
動作(111)及び溶接トーチ位置の補正制御を行う。
この溶接中に既存のアークセンサユニット112を使っ
て、さらに溶接トーチ位置の倣い制御を行ってもよい。
そして、次にタッチセンサ及び光学式センサの両方の検
出情報に基づいて、目的のビード継ぎ部の溶接動作(溶
接トーチ位置の補正制御及び溶接条件制御を含む)(1
08)を行う。ここで、もし、溶接不可と判断(10
7)した時には、この重ね溶接を省略して先に進む(ロ
ボットのトラブル停止をなくす)ようにしている。な
お、重ね溶接の省略箇所は、溶接ワーク搬出後に次の作
業工程で溶接を行うようにすればよい。裏面側の溶接が
残っている場合には、ワーク反転動作が完了(115)
した後に、溶接運転プログラムの継続実行(116)と
なり、ノズル清掃及びワイヤカットの動作(102)ま
で戻って再び上記手順を繰り返す。そして、手順114
でワーク両面共に溶接が完了と判断された場合には終了
処理(110)を経て終わりとなる。このようにビード
継ぎ部と異なる箇所に開先突き合わせ等の継ぎ手部があ
る場合でも、各々の溶接箇所の位置ずれ修正及び溶接を
自動で行うことができ、溶接作業の高能率化や工数低
減、溶接ロボットの稼働率向上による生産性の向上や省
力化などを図ることができる。
【0037】次に図8から図11に記載の実施例を用い
て光学式センサ50によるビード境界位置の検出方法を
具体的に説明する。検出装置は、図8に示すように、ス
リット状の光線57を照射するレーザ投光器56とその
被照射面からの反射像を干渉フイルター55を介して撮
像するカメラ54を備えた光学式センサ50(溶接ロボ
ットの手首に設置)と、この光学式センサ50からセン
サ制御器51経由で得られる光切断画像58に特定の処
理を施してビード境界位置や位置ずれ等を抽出する画像
処理装置52と、画像処理前後の結果を表示する画像・
検出表示器53とから構成されている。なお、光学式セ
ンサ50は溶接による過熱防止とスパッタやヒューム等
の進入防止を図るために水冷及びガス流出の構造(図示
せず)にしている。また、干渉フイルター55はレーザ
光の波長のみを通過させるフイルターを使用している。
ここで、ビード境界位置を検出するための必要条件は、
既存溶接ビード1のビード始端部1a又はビード終端部
2aに溶接線5aと平行方向に、かつ溶接ワーク面(横
板上面)に対して垂直方向又は垂直方向からわずかに傾
斜した方向にスリット状のレーザ光57を照射して、ビ
ード境界部表面からの反射像である光切断画像58をカ
メラ54で正しく鮮明に撮像することである。そして、
撮像された光切断画像を画像処理装置52に入力して特
定の処理を行うようにしている。
【0038】この光切断画像58の入力S1からビード
境界位置を検出及び検出結果の表示S12に至るまでの
処理手順を図9に示す。また、図10にビード始端側を
例にとって主な処理ステップでの模式図を示す。なお、
ここでは処理の都合上、画像を90度回転させており、
また、説明上、明るい部分の光切断線Qを黒色、暗い部
分を白抜きで表現(普通の画像と白黒を反転)している。
まず、ステップS1では、カメラで撮像した光切断画像
を画像処理装置に入力して記憶する。図10の(1)は記
憶した画像の光切断線Qであり、Qbがビード面の線、
Qhがワーク面の線、Kがビード境界部を示している。
ステップS2で画像の二値化処理を行う。ステップS3
では二値化の画像データから光切断線部分のみを抽出し
た後に、複数の直線の線要素群に分割してラベルを付け
ると共に、そのラベル付けした各線要素を表す計算をす
るなどのラベリング・直線化処理を行う。図10の(2)
はステップS3の処理で得られた線要素データ群q1〜
q6を示した例である。さらに、ステップS4の処理で
は、不要線やノイズの削除、正常な線要素データの抽出
と評価及び修正、不足データの追加及び線要素データ群
の確定と番号付け等の線要素データの評価・修正処理を
行う。ステップS5では、線要素データ群から極小極大
点を求める処理に必要な基準線(基準直線)を設定(例
えば、画面上にある線要素始点と画面下にある線要素終
点を結ぶ)する。
【0039】そして、次のステップS6の処理では図1
0の(3)に示したように、画面垂直方向(上下)に走査し
ながら全ての線要素点と基準線との水平距離(図上、横
方向距離)Lを計算(図上、基準直線より右側を正の距
離、左側を負の距離とする)した後、この水平距離Lの
データから基準線に対する極大点(右側に凸形状を成す
点)、極小点(左側に凸形状を成す点)の位置を検出す
る。一般的にビード表面は滑らかな面ではないことが多
く、また、スパッタの付着もあって、得られる極大点、
極小点は通常複数である。ステップS7では、ステップ
S6で得た複数の極大点をビード境界位置の候補点とし
て抽出した後、その各候補点の中から予め決めたルール
に従って特定の点をビード境界位置Kとして確定する。
なお、基準線の左側にある極小点は、既存溶接ビードの
始終端形状の変曲点にほぼ該当し、この極小点から極大
点に至るまでの水平・垂直距離を求めれば、ビード始端
部やビード終端部の長さ及び高さの計算が可能となる。
【0040】ステップS8の処理では、カメラ画面上の
検出値からワーク座標系の実寸法になるようにセンサ座
標系(Y,Z)に変換する計算を行い、次のステップS9
の処理では、ビード境界位置の検出結果から初期設定の
基準点(カメラ画像の中心点を原点とし、原点を通る画
面横方向の線をZ軸、原点を通る画面上下方向の線をY
軸とする)に対する位置ずれ量(前後△Y,上下△Z)の
計算を行う。さらに、ステップS10の処理は、検出し
たビード境界位置及び位置ずれ量が妥当か否かを判定す
る処理であり、もし、不正と判定(例えば、ビード境界
でない誤った位置又は許容範囲外にある位置を検出)し
た時にはエラー信号を出して、ロボット側の溶接制御装
置38にセンシング不可のため溶接中止と判断させるよ
うにしている。また、ステップS11処理では、算出し
たビード境界位置及び位置ずれ量(△Y,△Z)の値や、
予め入力設定した重ね溶接の開始点や終了点等の距離情
報(検出点から溶接線方向に溶接トーチ位置をシフトさ
せる値L1〜L6)をロボット側の溶接制御装置38に送
信する。この検出に要する処理時間は0.3秒以下であ
り、また、検出精度は約±0.4mmを確保することが
できる。センサ側に対する検出要求や検出結果の送信内
容については、ロボット側と事前に取り決めをしておく
方がよい。
【0041】図11に画像処理装置52から溶接制御装
置38に送信される主な内容を示す。ここではビード継
ぎ溶接の開始側と終了側とに分類してセンサ情報を送信
するようにしている。これらのセンサ情報は、溶接制御
装置38で適正に計算処理して溶接トーチ位置の補正制
御及び溶接条件制御に使用することになる。最後のステ
ップ12の処理では、図10の(4)に示したように検出
結果を画像・検出表示器53で表示するようにしてい
る。このように図10及び図11に示した一連の処理を
行うことにより、ビード境界位置及び位置ずれを精度良
く検出することができるばかりなく、検出結果が不適の
時にはエラー信号を出すことにより、既存溶接ビ−ドと
のビード継ぎ溶接の適正制御を行うための検出情報と溶
接動作を中止するための情報とを溶接制御装置側で正確
に判断処理することができる。
【0042】図12はビード継ぎ部の自動溶接を行うた
めの他の実行手順を示す実施例である。ここではタッチ
センサの代わりに光学式センサを使って、ビード継ぎ部
の溶接線の位置ずれ検出とビード境界の位置ずれ検出の
両方を行うようにしている。すなわち、最初に行う溶接
線及び位置ずれのセンシング動作103では、図13
に示すように、ビード継ぎ溶接の開始側と終了側で溶接
線と直角方向にスリット状のレーザ光57が既存ビード
1,2を照射するようにロボット手首(図示せず)に設置
の光学式センサ50を移動させる。そして、カメラで撮
像される既存ビード1,2表面からの反射光、すなわち
光切断画像から溶接線の位置ずれを画像処理装置で検出
するようにしている。図14の(1)は画像処理装置5
2に入力・記憶した画像の光切断線Qであり、Qtが縦
板10b側のワーク面の線、Qbがビード面の線、Qh
が横板10a側のワーク面の線をそれぞれ示している。
【0043】図14の(2)は幾つかの処理ステップを経
て、Qtの線とQhの線とが交わる交点Pを検出した結
果と、基準点に対する溶接線の位置ずれ量(左右△X,
上下△Z)を算出した結果を表示している。ここではビ
ード面の線Qbが存在する場合を示しているが、既存溶
接ビードのない位置の画像(ビード面の線Qbがなくワ
ーク面の線Qt、Qhのみがある画像)でも同様に交点
Pを精度良く検出することができる。このように光学式
センサ50及び画像処理装置52を使って、ビード継ぎ
溶接の開始側と終了側の2箇所で上記の検出動作を行う
と共に、その検出情報をロボット側(溶接制御装置)に
送信することにより、溶接トーチ位置の補正制御に必要
な位置ずれ及び溶接線の修正計算や、次の工程で行うセ
ンシング動作のセンサ移行位置の決定をロボット側で
処理することができる。
【0044】一方、次工程の溶接始終端位置のセンシン
グ動作(105)では、図8及び図12に示したよう
に、ビード始端側とビード終端側のビード境界部に溶接
線と平行方向に、かつワーク面(横板上面)に対して垂
直方向又は垂直方向からわずかに傾斜した方向にスリッ
ト状のレーザ光が照射するように光学式センサ50を再
び移動させて、ビード境界位置や基準点に対する位置ず
れなどの検出を行う。この検出手順は図9から図11で
説明した通りである。さらに、ビード継ぎ部の重ね溶接
動作(108)では、位置ずれと溶接始端・終端位置の
修正計算や、溶接経路及び溶接条件の決定(106)な
どの処理後に、トーチ位置補正や溶接条件補正の制御を
実行する。もし、溶接不可(107)の時にはこの重ね
溶接を省略(113)して先に進むようにしている。図
12に示した一連の動作は、ワーク両面(表側と裏側)
の溶接が完了するまで行われる。このように光学式セン
サ50及び画像処理装置52を使って、ビード継ぎ部の
溶接線の位置ずれ検出とビード境界の位置ずれ検出の両
方を行うことにより、各々の検出精度が確保できるばか
りでなく、タッチセンサ機能など他の溶接用センサやワ
イヤカット機能を省くことができ、装置コストの低減を
図ることができる。
【0045】次に、ビード継ぎ溶接の条件制御方法につ
いて具体的に説明する。図15はビード継ぎ重ね溶接を
1パスで行う場合の制御方法を示す条件制御ブロック線
図である。このビード継ぎ重ね溶接では、トーチ位置の
補正制御を行うと同時に、溶接ワイヤとワークの間に給
電する電流、その電流に適した電圧、溶接トーチを左右
に揺動させるウィービング、溶接トーチを走行させる速
度などの溶接条件を適切に制御するようにしている。す
なわち、図15に示したようにビード継ぎ重ね溶接の開
始側では、既存溶接ビード2の終端境界位置Ke(検出
点)から距離L1だけ後方のS1点(ビード終端部2a
の凹み始めた位置)より小電流Is・電圧Esのアークを
発生させ、その電流検出信号により溶接トーチを初期速
度VsでS2点(Ke点からの距離L2)まで走行させ
る。そして、S2点でその小電流のアークから定常溶接
の高電流Ia・高電圧Eaのアークに移行させると共に、
速度を一旦高速Vcに切り換えてS3点まで走行(Ke
点からの距離L1)させる。S3点で、この高速Vcか
ら低速の定常速度Vaに移行させると同時に溶接トーチ
をウィービングさせながらアーク溶接するようにしてい
る。溶接トーチをウィービングさせる動作は溶接の速度
を高速に切り換えるのと同時に開始してもよい。小電流
でアークスタート、その電流検出後に溶接トーチを走行
させることにより、アークスタートミスやアーク切れス
タートなどを防止することができる。アーク発生時の電
流Isは定常溶接の電流値Iaの約0.3倍から0.6倍
の範囲に設定するとよい。さらに、電圧の方は通常より
数ボルト高めにするとビード形状の平滑化に有効であ
る。なお、電流Isが低過ぎるとアークスタートが不安
定で溶け込み不足を招き易く、反対に高過ぎると溶接ワ
イヤの溶断やアーク切れが発生したり、溶着金属が過剰
に成り易い。また、溶接の速度は一定ではなく、初期速
度Vsから定常の速度Vaに移行する前に一時速度を増大
(高速Vcは定常速度Vaの2倍から4倍の範囲とするの
が望ましい)することにより、重ね溶接ビードが盛り上
がることなく、既存溶接ビード終端部を埋めるための溶
着金属を適正に減少及び密着させることができる。この
時の走行距離(S2〜S3)は、既存溶接のビード終端長
さ(図20に示すCL)の約0.3倍から0.8倍の範
囲に設定するとよい。短過ぎると溶着金属が過剰なビー
ドとなり、反対に長過ぎると溶着金属が不足のビードに
成り易い。このように溶接条件を制御することによって
既存溶接のビード終端部とのビード継ぎ部に欠陥のない
平滑で良好な溶接ビードを形成することができる。S2
点、S3点は、L1に基づいて設定される。
【0046】一方、ビード継ぎ重ね溶接の終了側では、
溶接トーチが既存溶接ビード1の始端境界位置Ks(検
出点)に到達して所定の距離L5(Ks点からE2点ま
で)だけ走行後に、ウィービング23を止めると共にア
ーク溶接の電流・電圧を減少させ(Ia→Ie,Ea→E
e)、溶接トーチの走行を一時停止させる。その後、小電
流のアークを持続した状態のままで溶接トーチを再び走
行させて、終点E3に到達後にアーク溶接を終了するよ
うにしている。ウィービングはE2点の手前のE1点で
早めに止めてもよい。既存溶接ビード1の始端境界位置
Ksから所定距離走行(走行距離L5はビード幅(図2
0に示すCw)の約0.5倍から2倍の範囲に設定する
とよい)後、E2点で、電流・電圧の減少と同時に走行
を一時停止(停止時間te1は約0.3秒から2秒の範囲
に設定するとよい)することにより、Ks点近傍の溶接
金属との融合及び溶融プールを緩やかに縮小していくこ
とができる。なお、ビード始端境界位置Ksからの走行
距離L5が短過ぎると溶着金属の不足及び融合不良を招
き易く、反対に長過ぎると溶着金属がダレたり盛り上が
り易くなる。さらに、小電流のアークを持続した状態の
ままで溶接トーチを再び走行(一時停止後の走行距離
(L6−L5)はビード幅の約0.5倍から2倍の範囲
に設定するとよい)することにより、重ね溶接ビードが
盛り上がることなく、ビード終端部の形状をより平滑に
仕上げることができる。この時の電流Ieは、定常溶接
の電流値Iaの約0.3倍から0.6倍の範囲に設定す
るとよい。この電流が低過ぎると既存溶接ビードとの融
合及び馴染みが低下し易く、反対に高過ぎると溶着金属
の余剰によって重ね溶接ビードが盛り上がり易くなる。
このように終了側で溶接条件を制御することによって既
存溶接のビード始端部とのビード継ぎ部に欠陥のない平
滑で良好な溶接ビードを形成することができる。
【0047】図16は本発明に係わるビード継ぎ溶接が
必要な船舶部品における溶接継手の一部を示すビード継
ぎ溶接部の概略図であり、また、図17はこの船舶部品
における床板材11と立板材12とのすみ肉溶接の実施
状況を示す。この実施例では、長尺の床板材11と立板
材12とのすみ肉部に形成された既存溶接ビード1、2
を接続するためにビード継ぎ重ね溶接3を行う必要があ
る。また、ビード継ぎ部を避けた位置に取り付けられた
仕切り板13と床板材11とのすみ肉の継ぎ手部13
a,13bの溶接もある。図18は、図16に示したビ
ード継ぎ部の重ね溶接3と仕切り板13の継ぎ手部13
a,13bの溶接の両方を自動で行うための実行手順を
示す実施例である。ここではタッチセンサを使うセンシ
ング動作(103)で、ビード継ぎ部とビード継ぎ以外
の継ぎ手部の両方のワーク位置、溶接線及び位置ずれを
各々検出する。さらに、光学式センサ50によるセンシ
ング動作(105)で、ビード継ぎ部の始端・終端位置
及びその位置ずれを検出する。これらの検出は図6から
図11で説明したように行えばよい。図18に示す手順
が図7に示した実施例と大きく異なるのは、先に目的の
ビード継ぎ部の重ね溶接動作108を行い、その後に、
ビード継ぎ以外の継ぎ手部の溶接動作(仕切り板側の溶
接)(111)を行う手順にしている点である。ビード
継ぎ部の溶接条件制御は図15で説明したように行えば
よい。このようにビード継ぎ部の重ね溶接とビード継ぎ
以外の継ぎ手溶接の両方を自動化することにより、信頼
性の高い溶接品質が確保できると共に、溶接作業の高能
率化及び大幅な工数低減を図ることができる。
【0048】図19は本発明のビード継ぎ重ね溶接に係
わる既存溶接の制御動作を示す条件制御ブロック線図で
あり、また、図20は、図19に示した制御動作ですみ
肉溶接(図17を参照)を行った時の始端部及び終端部の
ビード形状を示す説明図である。まず、溶接の開始側で
は小電流・小電圧のアークを発生させ、その電流検出で
溶接トーチを所定距離(例えばLs=5〜10mm程度)
走行させた後に、定常溶接の高電流・高電圧のアークに
移行することにより、安定なアークスタートで、かつ、
傾斜の緩やかな形状を有するビード始端部が得られ、次
のビード継ぎ重ね溶接の時に平滑に埋めて仕上げること
が容易になる。また、溶接の終了側では電流を大きく減
少及び短時間(te2=2秒以下)でアーク停止するか、或
いは電流を下げずにアークをそのまま停止(te2=0)す
ることにより、凹み型の形状を有するビード終端部が得
られ、次のビード継ぎ重ね溶接の時に平滑に埋めて仕上
げることが容易になる。図21及び図22は溶接速度及
び電流を変化させてすみ肉溶接を行った時のビード終端
部の寸法と溶接断面積の測定結果の一例を示す。このす
み肉溶接の実験では1.4mm径の溶接ワイヤ、ワイヤ
突き出し長25mm、シールドガス25L/分のMAG
ガスを用いて、図19及び図20に示した方法で行っ
た。ビード終端長CLとビード幅CWは、図21に示し
たように溶接速度が早く、電流が低くほど小さくなるこ
とが分かる。また、溶接断面積Asについても図22に
示したように溶接速度が早く、電流が低くほど小さくな
っていくことが分かる。したがって、これらの結果を基
に、各々の溶接対象製品で要求されるすみ肉継手部の溶
接断面積(又は溶接脚長)を各々満たすように適正な電流
や速度などの溶接条件を決定することができる。さら
に、同時に既存溶接におけるビード幅やビード終端長な
どの寸法予測、既存溶接ビードの終端部や始端部との接
続を良好に行うための適切なビード継ぎ重ね溶接の制御
条件を設定することが可能となる。
【0049】図23及び図24は管状部品の一部を示す
主管6と枝管7aとのビード継ぎ溶接の実施例である。
この実施例では、長い枝管7aの外周を溶接トーチが1
周できないために2分割の溶接となり、前半に溶接した
既存溶接ビード1の始端部及び終端部とを接続するため
の後半のビード継ぎ重ね溶接が必要である。このような
溶接対象製品においても、溶接線とビード境界位置の検
出動作や、重ね溶接動作でのトーチ位置補正及び溶接条
件補正の制御を行うことにより、ビード継ぎ部に欠陥の
ない平滑で良好な溶接ビードを形成することができる。
【0050】図25は本発明に係わる他のビード継ぎが
必要な継手形状及びそのビード継ぎ溶接状況を示す実施
例である。この実施例では、水平に固定された長尺円筒
の板材14、15間に形成された突き合わせ開先継手1
6に対して、溶接トーチ4より先行する位置に配置した
光学式センサ50で検出する情報に基づいて、溶接トー
チ位置を遅延倣い制御しながら溶接を行うようにしてい
る。しかも、溶接トーチ4の進行方向の前方には既存溶
接ビード1のビード始端部1aがあり、このビード始端
部1aとのビード継ぎ溶接3の重ね合わせが必要な様子
を示している。図示していないが、溶接トーチ4及び光
学式センサ50は、図3で説明した天吊り式の溶接ロボ
ット30の手首又は床置き式の溶接ロボットの手首に設
置するか、或いは走行式の溶接駆動ヘッドに搭載すれば
よい。この溶接を自動で行うための実行手順の概要を図
26に示す。ここでは光学式センサ及び画像処理装置を
使って、ワーク位置と溶接線及び位置ずれのセンシング
動作(103)と、既存溶接ビードの始端位置のセンシ
ング動作(105)とを行った後、さらに、次のビード
継ぎ部の重ね溶接動作(120)中に、溶接トーチ位置
の遅延倣い制御をするための位置ずれ検出を行うように
している。このように光学式センサを活用することによ
って、ワーク位置決め誤差及び溶接前の位置ずれ誤差の
検出ばかりでなく、溶接中に生じることがある位置ずれ
誤差などが検出でき、より高精度なトーチ位置補正や溶
接条件補正の制御を行うことができる。
【0051】この重ね溶接動作(120)で溶接トーチ
がビード境界位置に到達(121)すると、ビード継ぎ
に必要な終了側の溶接条件制御動作(122)を行って
溶接終了処理(123)に至る。ビード始端部とのビー
ド継ぎ溶接を行うための条件制御の一実施例を図27に
示す。ここでは図27の(2)、(3)に示したように、溶
接開始側のビード始端部1aを傾斜の緩やかな形状にす
るために、小電流・小電圧のアークを発生させ、その電
流検出信号で溶接トーチを所定距離Ls走行させた後
に、定常溶接の高電流・高電圧のアークに移行させて溶
接を行う。そして、図27の(1)に示したように、1周
後の溶接終了側又はビード継ぎ溶接の終了側では、溶接
トーチがビード始端境界位置Ks(検出点)に到達して
所定の距離L5だけ通過したE2点でアーク溶接の電流
・電圧を減少及び溶接トーチの走行を一時停止(停止時
間te1)させ、その後、小電流のアークを持続した状態
のままで溶接トーチを再び走行させて、終点E3点に到
達後にアーク溶接を終了するようにしている。さらに、
2パス目以降の溶接を行う場合には、例えば前パスの終
点位置E3点から次パス溶接を開始するようにすれば、
層毎の溶接始終端部が移動し特定箇所への集中を回避す
ることが可能となる。このように溶接の条件制御を行う
ことにより、ビード始端部とビード終端部との継ぎ部に
欠陥のない良好な溶接結果を得ることができる。
【0052】この他、ビード継ぎが必要な部材から成る
自動車部品や建造部品などの溶接継手においても、本発
明のビード継ぎ溶接方法及び自動溶接装置が適用できる
ことは言うまでもない。
【0053】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、組立
誤差や位置決め誤差を伴うビード継ぎが必要な溶接継手
ワークに対して、的確な位置ずれ検出と溶接トーチ位置
修正及びビード継ぎ重ね溶接を自動化することができる
ばかりでなく、既存溶接ビードとのビード継ぎ部に欠陥
のない平滑で良好な溶接ビードが形成できる信頼性の高
い結果を得るという効果がある。また、ビード継ぎ部と
異なる箇所に開先突き合わせ等の継ぎ手部がある場合で
も、各々の溶接箇所の位置ずれ修正及び溶接を自動で行
うことができる。さらに、この溶接自動化によって溶接
作業の高能率化及び工数低減、溶接ロボットの稼働率向
上による生産性の向上や省力化などに寄与できるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ビード継ぎ溶接が必要な建設機械部品の一部を
例にとってビード継ぎ溶接部を示す斜視図である。
【図2】既存溶接ビードの始終端部とのビード継ぎ重ね
溶接を示すビードの断面図である。
【図3】本発明の実施例の自動溶接装置の要部構成を示
す正面図である。
【図4】図3に示す自動溶接装置の制御部の概略構成を
示す制御系統図である。
【図5】本発明の実施例を示すセンシング動作及びビー
ド継ぎ重ね溶接動作の手順図である。
【図6】本発明におけるセンシング動作及びビード継ぎ
重ね溶接動作の様子を示す斜視図である。
【図7】本発明の他の実施例を示すセンシング動作及び
ビード継ぎ重ね溶接動作の手順図である。
【図8】本発明の実施例におけるビード境界位置の検出
の様子を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施例におけるビード境界位置検出の
処理手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施例におけるビード境界位置検出
手順を示す説明図である。
【図11】本発明の実施例におけるビード境界検出動作
で得る情報を示す説明図である。
【図12】本発明の他の実施例であるビード継ぎ重ね溶
接動作の実行手順を示す手順図である。
【図13】図12に示す手順における溶接線の検出動作
を示す斜視図である。
【図14】図12に示す手順における溶接線検出の状況
を示す説明図である。
【図15】本発明の実施例におけるビード継ぎ重ね溶接
の制御方法を示す条件制御ブロック線図である。
【図16】ビード継ぎ溶接が必要な船舶部品における溶
接継手の例を示す斜視図である。
【図17】すみ肉溶接の実施状況を示す断面図である。
【図18】図16に示す溶接継手に本発明を適用した場
合のビード継ぎ重ね溶接動作の実行手順の例を示す手順
図である。
【図19】ビード継ぎ重ね溶接に係わる既存溶接ビード
溶接時の制御動作の例を示す条件制御ブロック線図であ
る。
【図20】すみ肉溶接ビードの始端部及び終端部の一般
的形状を示す斜視図である。
【図21】すみ肉溶接における溶接速度及び電流とビー
ド終端寸法の関係を示すグラフである。
【図22】すみ肉溶接における溶接速度及び電流と溶接
ビード断面積の関係を示すグラフである。
【図23】ビード継ぎ溶接が必要な管状部品の溶接継手
の例を示す斜視図である。
【図24】図23に示す主管と枝管との溶接継手のビー
ド継ぎ溶接部を拡大して示す斜視図である。
【図25】本発明を突合せ開先継手のビード継ぎ溶接に
適用した例を示す斜視図である。
【図26】図25に示すビード継ぎ溶接動作の実行手順
の例を示す手順図である。
【図27】図25に示すビード継ぎ溶接の制御方法の例
を示す条件制御ブロック線図である。
【符号の説明】
1,2 既存溶接ビード 3 重ね溶接ビード 1a 既存溶接ビードのビード始端部 2a 既存溶接ビードのビード終端部 3a 重ね溶接ビードのビード始端部 3b 重ね溶接ビードのビード終端部 4 溶接トーチ 4a 溶接ワイヤ 5 溶接方向 5a 溶接線 6 主管 7a,7b 枝管 8 溶接箇所 9 アーク 10 ブロックワーク 10a ワーク10の横板 10b ワーク10の縦板 11 床板材 12 立板材 13 仕切り板 13a,13b 仕切り板13と床板材11とのすみ肉
継ぎ手部 14,15 板材 16 突合せ開先継手 17a,17b 突き合わせ開先継手溶接 20 ブロックワーク 20a ワーク20の横板 20b ワーク20の縦板 21 溶接電流 22 溶接電圧 23 ウィービング 24 溶接速度 Ks ビード始端境界位置 Ke ビード終端境界位置 30 溶接ロボット 31 2軸スライダ 32,33 ワーク位置決め装置 34,35 自在クランプ治具 36a 門型架台の梁 36b 門型架台の支柱側壁 37 ワイヤカット装置 38 溶接制御装置 38a 操作ペンダント 39 タッチセンサユニット 40 ワイヤロック機構 41 トーチケーブル 42 ワイヤ送給装置 43 溶接電源 50 光学式センサ 51 センサ制御器 52 画像処理装置 53 画像・検出表示器 54 カメラ 55 干渉フイルタ 56 レーザ投光器 57 スリット状のレーザ光 58 光切断画像
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 信雄 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 鳴瀬 聖剛 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 相馬 修二 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 宇田川 次男 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 高谷 透 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既存溶接ビードの始端部又は終端部との
    ビード継ぎ、或いは既存溶接ビードの始端部及び終端部
    の両方とのビード継ぎが必要な部材から成る溶接継手ワ
    ークに対し、消耗電極ワイヤ式の溶接トーチを駆動する
    溶接ロボットと、この溶接ロボットの駆動制御や溶接位
    置のセンシング動作と情報処理及び溶接トーチへ給電す
    る溶接電源の出力制御が可能な溶接制御装置を用い、ビ
    ード継ぎ部の位置検出動作や溶接動作の教示・運転が可
    能な溶接運転プログラムに従ってビード継ぎ重ね溶接を
    行う方法において、 前記溶接継手ワークにおけるビード継ぎ部の溶接線及び
    位置ずれを第1の自動検出手段でセンシングする第1の
    工程と、既存溶接ビードの始端境界位置又は終端境界位
    置或いは両方の境界位置及び各々の位置ずれや、ビード
    継ぎ重ね溶接の開始位置や終了位置を第2の自動検出手
    段でセンシングする第2の工程と、さらに、前記第1の
    自動検出手段及び第2の自動検出手段による検出情報に
    基づいて、溶接トーチ位置やビード境界位置の修正計
    算、溶接経路及び溶接条件の補正計算を行うと共に、前
    記既存溶接ビードの始端部又は終端部或いは両方とのビ
    ード継ぎ重ね溶接における溶接トーチ位置の補正制御や
    溶接条件制御を行う第3の工程とを有することを特徴と
    するビード継ぎ重ね溶接方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の自動検出手段は、溶接トーチ
    のワイヤ先端又はノズルを溶接継手ワークにタッチさせ
    た時に生じる印加電圧変化の検知信号よりワーク位置を
    算出するタッチセンサユニットを含んで成り、さらに、
    前記第1の工程では、ロボット手首に設置の溶接トーチ
    を移動させてワイヤ先端又はノズルをビード継ぎ部のあ
    る縦板及び横板に各々数点タッチさせ、その時の検知信
    号を前記タッチセンサユニットで処理してビード継ぎ部
    の溶接線位置や位置ずれの情報を算出し、算出した情報
    を前記溶接制御装置に送信して、次の第2の工程で行う
    センシング動作の位置補正や、第3の工程で行うビード
    継ぎ重ね溶接のトーチ位置補正や溶接条件補正の制御な
    どに用いるようにしたことを特徴とする請求項1記載の
    ビード継ぎ重ね溶接方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の自動検出手段は、線状のレー
    ザ光を照射するレーザ投光器と被照射面からのレーザ反
    射像を特定波長通過の干渉フイルターを介して撮るカメ
    ラとを備えた光学式センサと、この光学式センサより得
    られる光切断画像を処理する画像処理装置とを含んで成
    り、さらに、前記第2の工程では、線状のレーザ光をビ
    ード始端側とビード終端側のいずれか一方もしくは双方
    のビード境界部に溶接線と平行する方向に照射し、前記
    カメラで被照射面からのレーザ反射像として撮像される
    ビード境界部の光切断画像を前記画像処理装置に入力
    し、前記画像処理装置で光切断画像に基づいてビード境
    界位置、基準位置に対するビード境界部位置ずれとビー
    ド継ぎ重ね溶接の開始位置や終了位置を検出し、検出さ
    れた情報を前記溶接制御装置側に送信して、次の第3の
    工程で行うビード継ぎ重ね溶接のトーチ位置補正や溶接
    条件補正の制御に用いるようにしたことを特徴とする請
    求項1記載のビード継ぎ重ね溶接方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の自動検出手段及び第2の自動
    検出手段は、線状の光を照射するレーザ投光器と被照射
    面からのレーザ反射像を特定波長通過の干渉フイルター
    を介して撮るカメラとを備えた光学式センサと、この光
    学式センサより得られる光切断画像を処理する画像処理
    装置とを含んで成り、前記第1の工程では、ビード継ぎ
    溶接の開始側と終了側で溶接線と直角方向に線状のレー
    ザ光が照射するようにロボット手首に設置の前記光学式
    センサを移動させて、カメラで撮像される光切断画像か
    らビード継ぎ部の溶接線位置や溶接線の基準位置からの
    位置ずれを画像処理装置で検出すると共にこの第1の検
    出情報を溶接制御装置に送信し、さらに、次の第2の工
    程では、ビード始端側又はビード終端側のビード境界部
    に溶接線と平行する方向に線状のレーザ光が照射するよ
    うにロボット手首に設置の前記光学式センサを再び移動
    させて、カメラで被照射面からのレーザ反射像として撮
    像されるビード境界部の光切断画像を前記画像処理装置
    に入力し、該画像処理装置で前記光切断画像を入力とし
    てビード境界位置、基準位置に対するビード境界位置の
    位置ずれとビード継ぎ重ね溶接の開始位置や終了位置を
    検出し、検出した第2の検出情報を前記溶接制御装置側
    に送信し、次の第3の工程で行うビード継ぎ重ね溶接の
    トーチ位置補正や溶接条件補正の制御などに前記第1及
    び第2の検出情報を用いるようにしたことを特徴とする
    請求項1記載のビード継ぎ重ね溶接方法。
  5. 【請求項5】 前記第3の工程におけるビード継ぎ重ね
    溶接の開始側では、既存溶接のビード終端部の凹み始め
    た位置より小電流・電圧のアークを発生させると共に溶
    接トーチを走行させた後に、その小電流アークから定常
    溶接の高電流・高電圧のアークに移行させると共に溶接
    速度を一旦高速に切り換え、その後、高速から低速の定
    常速度に移行させてアーク溶接するようにし、また、既
    存溶接のビード始端部に対するビード継ぎ重ね溶接の終
    了側では、溶接トーチがそのビード始端境界位置に到達
    して所定距離走行後に、アーク溶接の電流・電圧を減少
    及び溶接トーチの走行を一時停止させ、その後、小電流
    のアークを持続した状態のままで溶接トーチを再び走行
    させて終点へ到達後にそのアーク溶接を終了するように
    したことを特徴とする請求項1記載のビード継ぎ重ね溶
    接方法。
  6. 【請求項6】 前記第2の自動検出手段による第2の工
    程のセンシング動作で検出エラー信号を取得した場合
    は、次の第3の工程で行う予定のビード継ぎ部の重ね溶
    接動作を中止して異常表示する、或いはその重ね溶接を
    省略して次ステップに移行するようにしたことを特徴と
    する請求項1、3、4のいずれかに記載のビード継ぎ重
    ね溶接方法。
  7. 【請求項7】 溶接ロボットの稼働範囲内で、かつ、既
    存溶接ビードとのビード継ぎ部と異なる箇所に普通の溶
    接継ぎ手部が存在する場合は、前記ビード継ぎ部の重ね
    溶接を実行する前又は実行した後に、事前作成の溶接運
    転プログラム及び第1の自動検出手段による検出情報に
    基づいて、前記ビード継ぎ部と異なる箇所の溶接継ぎ手
    部の溶接動作やトーチ位置補正の制御などを行うように
    したことを特徴とする請求項1記載のビード継ぎ重ね溶
    接方法。
  8. 【請求項8】 既存溶接ビードの始端部又は終端部との
    ビード継ぎ、或いは既存溶接ビードの始端部及び終端部
    の両方とのビード継ぎが必要な部材から成る溶接継手に
    対し、消耗電極ワイヤ式の溶接トーチを駆動する溶接ロ
    ボットと、この溶接ロボットの駆動制御や溶接位置のセ
    ンシング動作と情報処理及び溶接トーチへ給電する溶接
    電源の出力制御などが可能な溶接制御装置と、ビード継
    ぎ部の位置検出動作や溶接動作などの教示・運転が可能
    な溶接運転プログラムとを用いてビード継ぎ重ね溶接を
    行う自動溶接装置において、 ビード継ぎが必要な前記溶接継手ワークにおけるビード
    継ぎ部の溶接線及び位置ずれなどをセンシングする第1
    の自動検出手段と、既存溶接ビードの始端境界位置又は
    終端境界位置或いは両方の境界位置及び各々の位置ずれ
    や、ビード継ぎ重ね溶接の開始位置や終了位置などの情
    報をセンシングする第2の自動検出手段とを設け、さら
    に、前記第1の自動検出手段によるセンシング動作と前
    記第2の自動検出手段によるセンシング動作で各々取得
    する検出情報に基づいて、溶接トーチ位置やビード境界
    位置の修正計算、溶接経路や溶接条件の補正計算、ビー
    ド継ぎ重ね溶接の動作指令を行う第1の溶接処理手段を
    前記溶接制御装置に設けたことを特徴とする自動溶接装
    置。
  9. 【請求項9】 既存溶接ビードの始端部又は終端部との
    ビード継ぎ、或いは既存溶接ビードの始端部及び終端部
    の両方とのビード継ぎが必要な部材から成る溶接継手に
    対し、消耗電極ワイヤ式の溶接トーチを駆動する溶接ロ
    ボットと、この溶接ロボットの駆動制御や溶接位置のセ
    ンシング動作と情報処理及び溶接トーチへ給電する溶接
    電源の出力制御などが可能な溶接制御装置と、ビード継
    ぎ部の位置検出動作や溶接動作などの教示・運転が可能
    な溶接運転プログラムとを用いてビード継ぎ重ね溶接を
    行う自動溶接装置において、 前記溶接ロボットに搭載の溶接トーチのワイヤ先端又は
    ノズルを溶接継手ワークに接触させてビード継ぎ部の溶
    接線及び位置ずれなどを検出するタッチセンサユニット
    と、既存溶接ビードの始端側又は終端側のビード境界部
    に溶接線と平行方向に線状のレーザ光を照射してカメラ
    で撮像される光切断画像からビード境界位置とその位置
    ずれ、ビード継ぎ重ね溶接の開始位置や終了位置などの
    情報を検出する光学式センサ及び画像処理装置とを設
    け、さらに、前記タッチセンサユニットによる第1工程
    のセンシング動作と前記光学式センサ及び画像処理装置
    による第2工程のセンシング動作で各々取得する検出情
    報に基づいて、溶接トーチ位置やビード境界位置の修正
    計算、溶接経路や溶接条件の補正計算、ビード継ぎ重ね
    溶接の動作指令などを行う第1の溶接処理手段を前記溶
    接制御装置に設けたことを特徴とする自動溶接装置。
  10. 【請求項10】 前記第2の自動検出手段による第2の
    工程のセンシング動作で検出エラー信号を取得した場合
    は、次の第3の工程で行う予定のビード継ぎ部の重ね溶
    接動作を中止して異常表示する、或いはその重ね溶接を
    省略して次ステップに移行する第2の溶接処理手段を前
    記溶接制御装置に設けたことを特徴とする請求項8又は
    9に記載の自動溶接装置。
  11. 【請求項11】 ビード継ぎ部の溶接線及び位置ずれな
    どを前記タッチセンサユニットで検出する場合は、溶接
    トーチ先端からのワイヤ突き出し長さを一定にするワイ
    ヤカット装置か、又は溶接トーチ先端の給電チップやノ
    ズル内外の清掃機能を兼ね備えたノズル清掃式のワイヤ
    カット装置を設け、さらに、溶接トーチのホルダー後方
    にワイヤ突き出し長さの変動を止めるワイヤロック機構
    を設けて、前記タッチセンサユニットによる溶接線のセ
    ンシング動作を行う以前に、前記ワイヤカット装置によ
    るワイヤ突き出し長さ合わせやノズル清掃の動作を行う
    と共に、前記ワイヤロック機構を作動するようにしたこ
    とを特徴とする請求項8または9に記載の自動溶接装
    置。
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