JPH11204885A - 窒化物系iii−v族化合物半導体層の成長方法および半導体装置の製造方法 - Google Patents
窒化物系iii−v族化合物半導体層の成長方法および半導体装置の製造方法Info
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- JPH11204885A JPH11204885A JP256598A JP256598A JPH11204885A JP H11204885 A JPH11204885 A JP H11204885A JP 256598 A JP256598 A JP 256598A JP 256598 A JP256598 A JP 256598A JP H11204885 A JPH11204885 A JP H11204885A
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Abstract
方法および半導体装置の製造方法を提供する。 【解決手段】 Inを含まない窒化物系III−V族化
合物半導体層13を窒化物系III−V族化合物半導体
以外の材料からなる基板11上に化学気相成長法により
成長させる場合に、成長原料のV/III比を8000
以上、好ましくは10000以上、より好ましくは11
000以上にする。また、Inを含む窒化物系III−
V族化合物半導体層17を窒化物系III−V族化合物
半導体以外の材料からなる基板11上に化学気相成長法
により成長させる場合には、成長原料のV/III比を
10000以上、好ましくは13000以上、より好ま
しくは14000以上にする。
Description
−V族化合物半導体層の成長方法および半導体装置の製
造方法に関し、特に、窒化物系III−V族化合物半導
体を用いた発光ダイオードや半導体レーザあるいは電子
走行素子の製造に適用して好適なものである。
窒化物系III−V族化合物半導体はそのバンドギャッ
プエネルギが1.8eVから6.2eVと広範囲にわた
っており、赤色から紫外線におよぶ発光が可能な発光素
子への応用が期待され、国内外で活発な研究開発が行わ
れている。また、この窒化物系III−V族化合物半導
体は、飽和電子速度が大きく、破壊電界も極めて大きい
ため、高周波、大電力用の電界効果トランジスタ(FE
T)などの電子走行素子の材料としても注目されてい
る。
用いて発光ダイオード、半導体レーザ、FETなどを製
造する場合には、サファイア(Al2 O3 )基板、酸化
亜鉛(ZnO)基板、炭化ケイ素(SiC)基板などの
窒化物系III−V族化合物半導体以外の材料からなる
基板上に窒化物系III−V族化合物半導体層をヘテロ
エピタキシャル成長させることが行われている。これ
は、ホモエピタキシャル成長に必要な窒化物系III−
V族化合物半導体からなる基板の作製が困難であるため
である。
用いた素子の具体的な製造方法を、c面サファイア基板
を用いたSCH(Separate Confinement Heterostructu
re)構造のGaN系半導体レーザを例にとって説明す
る。すなわち、このGaN系半導体レーザを製造するに
は、まず、c面サファイア基板上に有機金属化学気相成
長(MOCVD)法により例えば560℃程度の温度で
第1層目のGaNバッファ層を低温成長させた後、引き
続いてMOCVD法により、この第1層目のGaNバッ
ファ層上に第2層目のGaNバッファ層、n型GaNコ
ンタクト層、n型AlGaNクラッド層、n型GaN光
導波層、Ga1-x Inx N/Ga1-y Iny N多重量子
井戸構造の活性層、p型GaN光導波層、p型AlGa
Nクラッド層およびp型GaNコンタクト層を順次成長
させる。ここで、Inを含まない層である第2層目のG
aNバッファ層、n型GaNコンタクト層、n型AlG
aNクラッド層、n型GaN光導波層、p型GaN光導
波層、p型AlGaNクラッド層およびp型GaNコン
タクト層の成長温度は1000℃程度とし、Inを含む
層であるGa1-x Inx N/Ga1-y Iny N多重量子
井戸構造の活性層の成長温度は700〜800℃とす
る。また、これらの窒化物系III−V族化合物半導体
層の成長は、III族元素の原料の供給量に対するV族
元素の原料の供給量のモル比(以下単に「V/III
比」ともいう。)を4000〜5000に設定して行
う。次に、p型GaNコンタクト層上に所定のストライ
プ形状のレジストパターン(図示せず)を形成した後、
このレジストパターンをマスクとして反応性イオンエッ
チング(RIE)法によりn型GaNコンタクト層の厚
さ方向の途中の深さまでエッチングする。次に、レジス
トパターンを除去した後、p型GaNコンタクト層上に
p側電極を形成するとともに、エッチングされた部分の
n型GaNコンタクト層上にn側電極を形成する。この
後、上述のようにしてレーザ構造が形成されたc面サフ
ァイア基板をバー状に加工して両共振器端面を形成し、
さらにこのバーをチップ化する。以上により、目的とす
るSCH構造のGaN系半導体レーザが製造される。
従来のGaN系半導体レーザの製造方法には、次のよう
な問題があった。すなわち、第1に、c面サファイア基
板とその上に成長される窒化物系III−V族化合物半
導体層との熱膨張係数の違いにより、これらの窒化物系
III−V族化合物半導体層を成長させた後に1000
℃程度の成長温度から室温に降温する際に、成長層に応
力が生じ、そのとき歪みを緩和するため、欠陥が生じ
る。その結果、窒化物系III−V族化合物半導体層の
結晶品質が劣化することから、GaN系半導体レーザの
発光特性や電気的特性も劣化する。より具体的には、第
2層目のGaNバッファ層、n型GaNコンタクト層、
n型GaN光導波層、活性層、p型GaN光導波層およ
びp型GaNコンタクト層に圧縮応力が生じ、この圧縮
応力を打ち消すためにこれらの層に格子欠陥が生じる。
その結果、これらの層の結晶品質が劣化し、素子特性も
劣化する。第2に、ヘテロ構造を形成する成長層は、一
般に、フリースタンディング(free standing)での格子
定数が異なる歪み系であるため、応力が生じ、格子緩和
による欠陥を生じやすい。より具体的には、GaNより
も格子定数の小さいAlGaNからなる層、すなわち、
n型AlGaNクラッド層およびp型AlGaNクラッ
ド層には引っ張り応力が生じることから、クラックを生
じやすく、これはAl組成が大きいほど顕著になる。そ
の結果、これらのn型AlGaNクラッド層およびp型
AlGaNクラッド層のAl組成には上限が課せられる
ことになり、素子設計に制約が加わってしまう。
III−V族化合物半導体以外の材料からなる基板上に
窒化物系III−V族化合物半導体層を良好な結晶品質
で成長させることができる窒化物系III−V族化合物
半導体層の成長方法および半導体装置の製造方法を提供
することにある。
有する上述の課題を解決すべく、鋭意検討を行った結
果、従来技術において窒化物系III−V族化合物半導
体以外の材料からなる基板上に窒化物系III−V族化
合物半導体層を成長させた場合、格子緩和が起きやす
く、良好な結晶品質を得ることができない理由は、それ
らの層の成長の際に用いられる原料のV/III比が最
適化されていないこと、具体的には、最適値よりも小さ
過ぎることにあることを見い出した。以下、本発明者が
課題を解決する手段を案出する契機となった実験につい
て説明する。
0μmのc面サファイア基板上にGaN層をMOCVD
法により成長させ、得られたGaN層の格子定数a、c
を測定した結果を示す。ただし、GaN層の成長におい
ては、III族元素であるGaの原料としてはトリメチ
ルガリウム(TMGa)を、V族元素であるNの原料と
してはアンモニア(NH3 )を用いた。キャリアガスと
しては、水素(H2 )と窒素(N2 )との混合ガスを用
いた。実験に用いた試料は具体的には次のようにして作
製した。図2に示すように、まず、c面サファイア基板
1上にMOCVD法により成長温度560℃で厚さ30
nmのGaNバッファ層2を低温成長させ、引き続いて
その上に成長温度1000℃で厚さ1.5μmのGaN
層3を成長させる。このとき、V/III比は、TMG
aの供給量のみを変化させることにより制御した。ただ
し、V/III比を変化させているのはGaN層3の成
長時のみであり、GaNバッファ層2の成長時のV/I
II比は一定である。
aNのフリースタンディングの格子定数a、cをそれぞ
れ0.31892nm、0.51850nmとし、c面
内に2軸性応力が生じているときのa軸方向の変位とc
軸方向の変位との比を−0.38とした。文献値はT.De
tchprohm et al.,Jpn.J.Appl.Phys.Vol.31(1992)p.L145
4 による)に基づく計算結果である。計算は、格子定数
a、cの変化が、GaN層3中のc面内の応力によるも
のと仮定して行っている。図1より、V/III比が大
きいほど、格子定数aが縮み、格子定数cが伸びている
ことがわかる。しかも、格子定数aとcとの関係は、計
算結果を再現している。この実験結果は次のように解釈
することができる。GaN層3の歪みの源は、c面サフ
ァイア基板1とGaN層3との熱膨張係数の違いにあ
り、c面サファイア基板1の方がGaN層3より熱膨張
係数が大きいため、GaN層3の成長後に成長温度から
室温に降温するとき、GaN層3のc面内に応力が生じ
る。そして、この降温過程の際には、V/III比を大
きくして成長させたGaN層3の方が格子緩和が起こり
にくい。これは、V/III比を大きくして成長させた
GaN層3の方が、格子緩和を引き起こすきっかけとな
る格子欠陥がそもそも少なく、さらに、降温時の格子緩
和による欠陥も導入されにくいことによる。したがっ
て、V/III比をより大きくして成長させたGaN層
3は、格子定数aがより短く、格子定数cがより長いば
かりでなく、結晶品質が優れていることが予想される。
そこで、この予想を確認するため、これらの試料につい
て、光励起による誘導放出光の観測を行い、その閾パワ
ー密度を比較した。図3にその結果を示す。この結果よ
り、一般的な傾向として、V/III比が大きくなるに
つれ、閾パワー密度が低くなることがわかり、特に、V
/III比が8000以上の場合にはV/III比が5
000程度のときに比べて2/3程度に減少し、さらに
V/III比が10000以上の場合にはV/III比
が5000程度のときに比べて1/2程度にまで減少
し、V/III比が11000以上の場合には閾パワー
密度は飽和することがわかる。
成長させる場合についてであるが、より一般的に、Al
GaN層などのInを含まない窒化物系III−V族化
合物半導体層を窒化物系III−V族化合物半導体以外
の材料からなる基板上に成長させる場合に同様なことが
成立する。
などのInを含む窒化物系III−V族化合物半導体層
を窒化物系III−V族化合物半導体以外の材料からな
る基板上に成長させる場合に最適なV/III比は、I
nを含まない窒化物系III−V族化合物半導体層を窒
化物系III−V族化合物半導体以外の材料からなる基
板上に成長させる場合に最適なV/III比の約1.3
3倍であることがわかっている。したがって、Inを含
む窒化物系III−V族化合物半導体層を窒化物系II
I−V族化合物半導体以外の材料からなる基板上に成長
させる場合に良好な結晶品質を得るためにはV/III
比を10000以上とする必要があり、好適には130
00以上、より好適には14000以上とする。
検討に基づいて案出されたものである。
の発明の第1の発明は、Inを含まない窒化物系III
−V族化合物半導体層を基板上に化学気相成長法により
成長させるようにした窒化物系III−V族化合物半導
体層の成長方法において、窒化物系III−V族化合物
半導体層を構成するIII族元素の原料の供給量に対す
る窒化物系III−V族化合物半導体層を構成するV族
元素の原料の供給量のモル比を8000以上にして窒化
物系III−V族化合物半導体層を成長させるようにし
たことを特徴とするものである。
晶品質を得る観点から、窒化物系III−V族化合物半
導体層を構成するIII族元素の原料の供給量に対する
窒化物系III−V族化合物半導体層を構成するV族元
素の原料の供給量のモル比を好適には10000以上、
より好適には11000以上にして窒化物系III−V
族化合物半導体層を成長させる。
物系III−V族化合物半導体層を基板上に化学気相成
長法により成長させるようにした窒化物系III−V族
化合物半導体層の成長方法において、窒化物系III−
V族化合物半導体層を構成するIII族元素の原料の供
給量に対する窒化物系III−V族化合物半導体層を構
成するV族元素の原料の供給量のモル比を10000以
上にして窒化物系III−V族化合物半導体層を成長さ
せるようにしたことを特徴とするものである。
晶品質を得る観点から、窒化物系III−V族化合物半
導体層を構成するIII族元素の原料の供給量に対する
窒化物系III−V族化合物半導体層を構成するV族元
素の原料の供給量のモル比を好適には13000以上、
より好適には14000以上にして窒化物系III−V
族化合物半導体層を成長させる。
窒化物系III−V族化合物半導体層を基板上に化学気
相成長法により成長させるようにした半導体装置の製造
方法において、窒化物系III−V族化合物半導体層を
構成するIII族元素の原料の供給量に対する窒化物系
III−V族化合物半導体層を構成するV族元素の原料
の供給量のモル比を8000以上にして窒化物系III
−V族化合物半導体層を成長させるようにしたことを特
徴とするものである。
晶品質を得る観点から、窒化物系III−V族化合物半
導体層を構成するIII族元素の原料の供給量に対する
窒化物系III−V族化合物半導体層を構成するV族元
素の原料の供給量のモル比を好適には10000以上、
より好適には11000以上にして窒化物系III−V
族化合物半導体層を成長させる。
物系III−V族化合物半導体層を基板上に化学気相成
長法により成長させるようにした半導体装置の製造方法
において、窒化物系III−V族化合物半導体層を構成
するIII族元素の原料の供給量に対する窒化物系II
I−V族化合物半導体層を構成するV族元素の原料の供
給量のモル比を10000以上にして窒化物系III−
V族化合物半導体層を成長させるようにしたことを特徴
とするものである。
晶品質を得る観点から、窒化物系III−V族化合物半
導体層を構成するIII族元素の原料の供給量に対する
窒化物系III−V族化合物半導体層を構成するV族元
素の原料の供給量のモル比を好適には13000以上、
より好適には14000以上にして窒化物系III−V
族化合物半導体層を成長させる。
化物系III−V族化合物半導体以外の材料からなり、
具体的には、Al2 O3 基板、ZnO基板、SiC基板
などである。
化合物半導体は、Ga、Al、InおよびBからなる群
より選ばれた少なくとも一種類のIII族元素と、少な
くともNを含み、場合によってさらにAsまたはPを含
むV族元素とからなる。この窒化物系III−V族化合
物半導体の具体例を挙げると、Inを含まない窒化物系
III−V族化合物半導体としてはGaN、AlGaN
などがあり、Inを含む窒化物系III−V族化合物半
導体としてはGaInN、AlGaInNなどがある。
には、例えば、発光ダイオードや半導体レーザのような
半導体発光素子、あるいは、FETなどの電子走行素子
である。
ば、窒化物系III−V族化合物半導体層の成長時のV
/III比が従来に比べて十分に大きく選ばれていて最
適化されていることにより、窒化物系III−V族化合
物半導体以外の材料からなる基板上に窒化物系III−
V族化合物半導体層を成長させたとき、格子緩和が起こ
りにくい。したがって、結晶品質の良好な窒化物系II
I−V族化合物半導体層を得ることができる。
い、その上にGaN層よりも格子定数が小さい層(例え
ば、AlGaN層)を成長させる場合には、GaN層の
成長時のV/III比を十分に高くすることにより、こ
のGaN層の格子定数aを十分に短くすることができ、
これによってこのGaN層上にコヒーレントに成長する
層に生じる引っ張り応力を十分に小さくすることがで
き、この層にクラックが発生するのを防ぐことができ
る。したがって、クラックの発生を抑えるために、Al
組成に上限が課せられることがなくなり、素子設計の自
由度が高くなる。
て図面を参照しながら説明する。
CH構造のGaN系半導体レーザの製造方法について説
明する。
おいては、c面サファイア基板11上にMOCVD法に
より例えば560℃程度の温度でGaNバッファ層12
を低温成長させた後、引き続いてMOCVD法により、
このGaNバッファ層12上にGaNバッファ層13、
n型GaNコンタクト層14、n型AlGaNクラッド
層15、n型GaN光導波層16、Ga1-x Inx N/
Ga1-y Iny N多重量子井戸構造の活性層17、p型
GaN光導波層18、p型AlGaNクラッド層19お
よびp型GaNコンタクト層20を順次成長させる。こ
こで、Inを含まない層であるGaNバッファ層13、
n型GaNコンタクト層14、n型AlGaNクラッド
層15、n型GaN光導波層16、p型GaN光導波層
18、p型AlGaNクラッド層19およびp型GaN
コンタクト層20の成長温度は1000℃程度、Inを
含む層であるGa1-x Inx N/Ga1-y Iny N多重
量子井戸構造の活性層17の成長温度は700〜800
℃とする。これらの窒化物系III−V族化合物半導体
層の成長においては、Inを含まない窒化物系III−
V族化合物半導体層については少なくともGaNバッフ
ァ層13の成長はV/III比を少なくとも8000以
上、好適には10000以上、より好適には11000
以上にして行い、Inを含む窒化物系III−V族化合
物半導体層であるGa1-x Inx N/Ga1-y Iny N
多重量子井戸構造の活性層17の成長はV/III比を
10000以上、好適には13000以上、より好適に
は14000以上にして行う。また、これらの窒化物系
III−V族化合物半導体層の成長の際の原料は、例え
ば、III族元素であるGaの原料としてはTMGa
を、III族元素であるAlの原料としてはトリメチル
アルミニウム(TMAl)を、III族元素であるIn
の原料としてはトリメチルインジウム(TMI)を、V
族元素であるNの原料としてはNH3 を用いる。また、
キャリアガスとしては、例えば、H2 とN2 との混合ガ
スを用いる。ドーパントについては、n型ドーパントと
しては例えばモノシラン(SiH4 )を、p型ドーパン
トとしては例えばビス−メチルシクロペンタジエニルマ
グネシウム((MeCp)2 Mg)を用いる。
定のストライプ形状のレジストパターン(図示せず)を
形成した後、このレジストパターンをマスクとしてRI
E法によりn型GaNコンタクト層14の厚さ方向の途
中の深さまでエッチングする。次に、レジストパターン
を除去した後、p型GaNコンタクト層20上に例えば
Ni/AuまたはNi/Pt/Auからなるp側電極2
1を形成するとともに、エッチングされた部分のn型G
aNコンタクト層14上に例えばTi/Alからなるn
側電極22を形成する。この後、上述のようにしてレー
ザ構造が形成されたc面サファイア基板11をバー状に
加工して両共振器端面を形成し、さらにこのバーをチッ
プ化する。以上により、目的とするSCH構造のGaN
系半導体レーザが製造される。
ば、Inを含まない窒化物系III−V族化合物半導体
層のうちの少なくともGaNバッファ層13の成長時の
V/III比を8000以上にしていることにより、こ
のGaNバッファ層13は格子緩和が起こりにくく、し
たがって良好な結晶品質となる。このため、このGaN
バッファ層13上に成長される上層の窒化物系III−
V族化合物半導体層の結晶品質も良好になる。また、特
に、Inを含む窒化物系III−V族化合物半導体層で
あるGa1-x Inx N/Ga1-y Iny N多重量子井戸
構造の活性層17の成長時にはV/III比を1000
0以上にしていることにより、この活性層17の結晶品
質は良好になる。これによって、良好な発光特性および
電気的特性を有し、高発光効率かつ長寿命のGaN系半
導体レーザを実現することができる。また、n型AlG
aNクラッド層15およびp型AlGaNクラッド層1
9にクラックが発生するおそれもなくなることから、こ
れらのn型AlGaNクラッド層15およびp型AlG
aNクラッド層19のAl組成に上限が課されなくな
り、素子設計の自由度が高くなる。
CH構造のGaN系半導体レーザの製造方法について説
明する。
施形態において、GaNバッファ層12を成長させた
後、GaNバッファ層13を成長させずに、GaNバッ
ファ層12上に直接n型GaNコンタクト層14および
その上層の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長
させる。この場合、Inを含まない窒化物系III−V
族化合物半導体層のうちの少なくともn型GaNコンタ
クト層14の成長は、V/III比を少なくとも800
0以上、好適には10000以上、より好適には110
00以上にして行う。その他のことは第1の実施形態と
同様であるので、説明を省略する。
形態と同様な利点を得ることができる。
CH構造のGaN系半導体レーザの製造方法について説
明する。
おいては、導電性のSiC基板31上にMOCVD法に
より例えば560℃程度の温度でAlGaNバッファ層
32を低温成長させた後、引き続いてMOCVD法によ
り、このAlGaNバッファ層32上にn型GaN層3
3、n型AlGaNクラッド層34、n型GaN光導波
層35、Ga1-x Inx N/Ga1-y Iny N多重量子
井戸構造の活性層36、p型GaN光導波層37、p型
AlGaNクラッド層38およびp型GaNコンタクト
層39を順次成長させる。ここで、Inを含まない層で
あるn型GaN層33、n型AlGaNクラッド層3
4、n型GaN光導波層35、p型GaN光導波層3
7、p型AlGaNクラッド層38およびp型GaNコ
ンタクト層39の成長温度は1000℃程度、Inを含
む層であるGa1-x Inx N/Ga1-y Iny N多重量
子井戸構造の活性層36の成長温度は700〜800℃
とする。また、これらの窒化物系III−V族化合物半
導体層の成長においては、Inを含まない窒化物系II
I−V族化合物半導体層については少なくともn型Ga
N層33の成長はV/III比を少なくとも8000以
上、好適には10000以上、より好適には11000
以上にして行い、Inを含む窒化物系III−V族化合
物半導体層であるGa1-x Inx N/Ga1-y Iny N
多重量子井戸構造の活性層36の成長はV/III比を
10000以上、好適には13000以上、より好適に
は14000以上にして行う。これらの窒化物系III
−V族化合物半導体層の成長の際の原料、キャリアガス
およびドーパントとしては、第1の実施形態で用いたも
のと同様なものを用いる。
えばNi/AuまたはNi/Pt/Auからなるp側電
極40を形成するとともに、SiC基板31の裏面に例
えばNi/Ti/Auからなるn側電極41を形成す
る。この後、上述のようにしてレーザ構造が形成された
SiC基板31をバー状に加工して両共振器端面を形成
し、さらにこのバーをチップ化する。以上により、目的
とするSCH構造のGaN系半導体レーザが製造され
る。
形態と同様な利点を得ることができる。
aN系発光ダイオードの製造方法について説明する。
おいては、例えばc面サファイア基板51上にMOCV
D法により例えば560℃程度の温度でGaNバッファ
層52を低温成長させた後、引き続いてMOCVD法に
より、このGaNバッファ層52上にGaNバッファ層
53、n型GaNコンタクト層54、n型AlGaNク
ラッド層55、GaInNからなる活性層56、p型A
lGaNクラッド層57およびp型GaNコンタクト層
58を順次成長させる。ここで、Inを含まない層であ
るGaNバッファ層53、n型GaNコンタクト層5
4、n型AlGaNクラッド層55、p型AlGaNク
ラッド層57およびp型GaNコンタクト層58の成長
温度は1000℃程度、GaInNからなる活性層56
の成長温度は700〜800℃とする。また、これらの
窒化物系III−V族化合物半導体層の成長において
は、Inを含まない窒化物系III−V族化合物半導体
層については少なくともGaNバッファ層53の成長は
V/III比を少なくとも8000以上、好適には10
000以上、より好適には11000以上にして行い、
Inを含む窒化物系III−V族化合物半導体層である
GaInNからなる活性層56の成長の際はV/III
比を10000以上、好適には13000以上、より好
適には14000以上にして行う。これらの窒化物系I
II−V族化合物半導体層の成長の際の原料、キャリア
ガスおよびドーパントとしては、第1の実施形態で用い
たものと同様なものを用いる。
定のストライプ形状のレジストパターン(図示せず)を
形成した後、このレジストパターンをマスクとしてRI
E法によりn型GaNコンタクト層54の厚さ方向の途
中の深さまでエッチングする。次に、レジストパターン
を除去した後、p型GaNコンタクト層58上に例えば
Ni/AuまたはNi/Pt/Auからなるp側電極5
9を形成するとともに、エッチングされた部分のn型G
aNコンタクト層54上に例えばTi/Alからなるn
側電極60を形成する。この後、上述のようにして発光
ダイオード構造が形成されたc面サファイア基板51を
バー状に加工して両共振器端面を形成し、さらにこのバ
ーをチップ化する。以上により、目的とするGaN系発
光ダイオードが製造される。
光ダイオードにおいて、第1の実施形態と同様な利点を
得ることができる。
aN系発光ダイオードの製造方法について説明する。
施形態において、GaNバッファ層52を成長させた
後、GaNバッファ層53を成長させずに、GaNバッ
ファ層52上に直接n型GaNコンタクト層54および
その上層の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長
させる。この場合、Inを含まない窒化物系III−V
族化合物半導体層のうちの少なくともn型GaNコンタ
クト層54の成長は、V/III比を少なくとも800
0以上、好適には10000以上、より好適には110
00以上にして行う。その他のことは第4の実施形態と
同様であるので、説明を省略する。
形態と同様な利点を得ることができる。
aN系発光ダイオードの製造方法について説明する。
おいては、例えばSiC基板61上にMOCVD法によ
り例えば560℃程度の温度でAlGaNバッファ層6
2を低温成長させた後、引き続いてMOCVD法によ
り、このAlGaNバッファ層62上にn型GaN層6
3、n型AlGaNクラッド層64、GaInNからな
る活性層65、p型AlGaNクラッド層66およびp
型GaNコンタクト層67を順次成長させる。ここで、
Inを含まない層であるn型GaN層63、n型AlG
aNクラッド層64、p型AlGaNクラッド層66お
よびp型GaNコンタクト層67の成長温度は1000
℃程度、Inを含む層であるGaInNからなる活性層
65の成長温度は700〜800℃とする。また、これ
らの窒化物系III−V族化合物半導体層の成長におい
ては、Inを含まない窒化物系III−V族化合物半導
体層については少なくともn型GaN層63の成長はV
/III比を少なくとも8000以上、好適には100
00以上、より好適には11000以上にして行い、I
nを含む窒化物系III−V族化合物半導体層であるG
aInNからなる活性層65の成長はV/III比を少
なくとも10000以上、好適には13000以上、よ
り好適には14000以上にして行う。これらの窒化物
系III−V族化合物半導体層の成長の際の原料、キャ
リアガスおよびドーパントとしては、第1の実施形態で
用いたものと同様なものを用いる。
えばNi/AuまたはNi/Pt/Auからなるp側電
極68を形成するとともに、SiC基板61の裏面に例
えばNi/Ti/Auからなるn側電極69を形成す
る。この後、上述のようにして発光ダイオード構造が形
成されたSiC基板61をバー状に加工し、さらにこの
バーをチップ化する。以上により、目的とするGaN系
発光ダイオードが製造される。
形態と同様な利点を得ることができる。
aN系MESFETの製造方法について説明する。
おいては、例えばc面サファイア基板71上にMOCV
D法により例えば560℃程度の温度でGaNバッファ
層72を低温成長させた後、引き続いてMOCVD法に
より例えば1000℃程度の成長温度でこのGaNバッ
ファ層72上にn型GaNチャネル層73を成長させ
る。ここで、このn型GaNチャネル層73の成長は、
V/III比を少なくとも8000以上、好適には10
000以上、より好適には11000以上に設定して行
う。これらの窒化物系III−V族化合物半導体層の成
長の際の原料、キャリアガスおよびn型ドーパントとし
ては、第1の実施形態で用いたものと同様なものを用い
る。
ばTi/Alからなるソース電極74およびドレイン電
極75を形成するとともに、例えばTi/Wからなるゲ
ート電極76を形成する。以上により、目的とするGa
N系MESFETが製造される。
チャネル層73の結晶品質を良好にすることができるこ
とから、相互コンダクタンスが高く、遮断周波数が高
く、低雑音、低オン抵抗のGaN系MESFETを実現
することができる。
aN系高電子移動度トランジスタ(HEMT)の製造方
法について説明する。
おいては、例えばc面サファイア基板81上にMOCV
D法により例えば560℃程度の温度でGaNバッファ
層82を低温成長させた後、引き続いてMOCVD法に
より例えば1000℃程度の成長温度でこのGaNバッ
ファ層82上にアンドープGaNチャネル層83および
n型AlGaN電子供給層84を成長させる。ここで、
これらの窒化物系III−V族化合物半導体層の成長に
おいては、少なくともアンドープGaNチャネル層83
の成長はV/III比を少なくとも8000以上、好適
には10000以上、より好適には11000以上に設
定して行う。これらの窒化物系III−V族化合物半導
体層の成長の際の原料、キャリアガスおよびn型ドーパ
ントとしては、第1の実施形態で用いたものと同様なも
のを用いる。
例えばTi/Alからなるソース電極85およびドレイ
ン電極86を形成するとともに、例えばTi/Wからな
るゲート電極87を形成する。以上により、目的とする
GaN系HEMTが製造される。
GaNチャネル層83の結晶品質を良好にすることがで
きることから、相互コンダクタンスが高く、遮断周波数
が高く、低雑音、低オン抵抗のGaN系HEMTを実現
することができる。
に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定され
るものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の
変形が可能である。
いて挙げた数値、構造、原料、プロセスなどはあくまで
も例に過ぎず、必要に応じて、これらと異なる数値、構
造、原料、プロセスなどを用いてもよい。
ば、Inを含まない窒化物系III−V族化合物半導体
層の成長はV/III比を8000以上にして行い、I
nを含む窒化物系III−V族化合物半導体層の成長は
V/III比を10000以上にして行うようにしてい
ることにより、窒化物系III−V族化合物半導体以外
の材料からなる基板上にこれらの窒化物系III−V族
化合物半導体層を良好な結晶品質で成長させることがで
き、これによって特性が良好な半導体発光素子や電子走
行素子を製造することができる。
MOCVD法によりGaN層を成長させてその格子定数
a、cを測定した結果を示す略線図である。
る。
線図である。
GaN系半導体レーザの製造方法を説明するための断面
図である。
GaN系半導体レーザの製造方法を説明するための断面
図である。
ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。
ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。
SFETの製造方法を説明するための断面図である。
MTの製造方法を説明するための断面図である。
3、53・・・GaNバッファ層、14、54・・・n
型GaNコンタクト層、15、34、55、63・・・
n型AlGaNクラッド層、17、36、56、65・
・・活性層、19、38、57、66・・・p型AlG
aNクラッド層、21、40、59、68・・・p側電
極、22、41、60、69・・・n側電極、73・・
・n型GaNチャネル層、74、85・・・ソース電
極、75、86・・・ドレイン電極、76、87・・・
ゲート電極、83・・・アンドープGaNチャネル層、
84・・・n型AlGaN電子供給層
Claims (20)
- 【請求項1】 Inを含まない窒化物系III−V族化
合物半導体層を基板上に化学気相成長法により成長させ
るようにした窒化物系III−V族化合物半導体層の成
長方法において、 上記窒化物系III−V族化合物半導体層を構成するI
II族元素の原料の供給量に対する上記窒化物系III
−V族化合物半導体層を構成するV族元素の原料の供給
量のモル比を8000以上にして上記窒化物系III−
V族化合物半導体層を成長させるようにしたことを特徴
とする窒化物系III−V族化合物半導体層の成長方
法。 - 【請求項2】 上記基板が窒化物系III−V族化合物
半導体以外の材料からなることを特徴とする請求項1記
載の窒化物系III−V族化合物半導体層の成長方法。 - 【請求項3】 上記モル比を10000以上にして上記
窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させるよう
にしたことを特徴とする請求項1記載の窒化物系III
−V族化合物半導体層の成長方法。 - 【請求項4】 上記モル比を11000以上にして上記
窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させるよう
にしたことを特徴とする請求項1記載の窒化物系III
−V族化合物半導体層の成長方法。 - 【請求項5】 上記基板はAl2 O3 基板、ZnO基板
またはSiC基板であることを特徴とする請求項1記載
の窒化物系III−V族化合物半導体層の成長方法。 - 【請求項6】 Inを含む窒化物系III−V族化合物
半導体層を基板上に化学気相成長法により成長させるよ
うにした窒化物系III−V族化合物半導体層の成長方
法において、 上記窒化物系III−V族化合物半導体層を構成するI
II族元素の原料の供給量に対する上記窒化物系III
−V族化合物半導体層を構成するV族元素の原料の供給
量のモル比を10000以上にして上記窒化物系III
−V族化合物半導体層を成長させるようにしたことを特
徴とする窒化物系III−V族化合物半導体層の成長方
法。 - 【請求項7】 上記基板が窒化物系III−V族化合物
半導体以外の材料からなることを特徴とする請求項6記
載の窒化物系III−V族化合物半導体層の成長方法。 - 【請求項8】 上記モル比を13000以上にして上記
窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させるよう
にしたことを特徴とする請求項6記載の窒化物系III
−V族化合物半導体層の成長方法。 - 【請求項9】 上記モル比を14000以上にして上記
窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させるよう
にしたことを特徴とする請求項6記載の窒化物系III
−V族化合物半導体層の成長方法。 - 【請求項10】 上記基板はAl2 O3 基板、ZnO基
板またはSiC基板であることを特徴とする請求項6記
載の窒化物系III−V族化合物半導体層の成長方法。 - 【請求項11】 Inを含まない窒化物系III−V族
化合物半導体層を基板上に化学気相成長法により成長さ
せるようにした半導体装置の製造方法において、 上記窒化物系III−V族化合物半導体層を構成するI
II族元素の原料の供給量に対する上記窒化物系III
−V族化合物半導体層を構成するV族元素の原料の供給
量のモル比を8000以上にして上記窒化物系III−
V族化合物半導体層を成長させるようにしたことを特徴
とする半導体装置の製造方法。 - 【請求項12】 上記基板が窒化物系III−V族化合
物半導体以外の材料からなることを特徴とする請求項1
1記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項13】 上記モル比を10000以上にして上
記窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させるよ
うにしたことを特徴とする請求項11記載の半導体装置
の製造方法。 - 【請求項14】 上記モル比を11000以上にして上
記窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させるよ
うにしたことを特徴とする請求項11記載の半導体装置
の製造方法。 - 【請求項15】 上記基板はAl2 O3 基板、ZnO基
板またはSiC基板であることを特徴とする請求項11
記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項16】 Inを含む窒化物系III−V族化合
物半導体層を基板上に化学気相成長法により成長させる
ようにした半導体装置の製造方法において、上記窒化物
系III−V族化合物半導体層を構成するIII族元素
の原料の供給量に対する上記窒化物系III−V族化合
物半導体層を構成するV族元素の原料の供給量のモル比
を10000以上にして上記窒化物系III−V族化合
物半導体層を成長させるようにしたことを特徴とする半
導体装置の製造方法。 - 【請求項17】 上記基板が窒化物系III−V族化合
物半導体以外の材料からなることを特徴とする請求項1
6記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項18】 上記モル比を13000以上にして上
記窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させるよ
うにしたことを特徴とする請求項16記載の半導体装置
の製造方法。 - 【請求項19】 上記モル比を14000以上にして上
記窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させるよ
うにしたことを特徴とする請求項16記載の半導体装置
の製造方法。 - 【請求項20】 上記基板はAl2 O3 基板、ZnO基
板またはSiC基板であることを特徴とする請求項16
記載の半導体装置の製造方法。
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