JPH11204277A - 放電灯点灯装置 - Google Patents

放電灯点灯装置

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JPH11204277A
JPH11204277A JP616998A JP616998A JPH11204277A JP H11204277 A JPH11204277 A JP H11204277A JP 616998 A JP616998 A JP 616998A JP 616998 A JP616998 A JP 616998A JP H11204277 A JPH11204277 A JP H11204277A
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preheating
twenty
frequency
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Kazuo Yoshida
和雄 吉田
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数の放電灯へ予熱時にフィラメントを予熱す
るのに十分な予熱電力を供給し予熱後に放電灯を安定し
て始動できる放電灯点灯装置を提供する。 【解決手段】電力変換部INVのスイッチング素子
1 ,Q2 は主制御回路11によって高周波で交互にオ
ンオフされる。点灯用共振回路2は、インダクタL、ト
ランスTの一次巻線n1 、コンデンサC’、コンデンサ
C、スイッチング素子Q3 ,Q4 、バランサBの両側の
巻線LB1,LB2により構成される。予熱用共振回路
1 ,32 ,33 ,34 は、トランスTの二次巻線
21,n22,n23,n 24、コンンデンサC21,C22,C
23,C24により構成される。フィラメントF1,F2
3 ,F4 のインピーダンスの変化を検出する検出手段
たる検出回路8 1 ,82 ,83 ,84 を有し、副制御回
路12は、検出回路81 ,82 ,83 ,84 の出力に基
づいてスイッチング素子Q3 ,Q4 をオンオフ制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィラメントを有
する放電灯に高周波電力を供給して点灯させる放電灯点
灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、図13に示すように、フィラ
メントF1 ,F2 を有する放電灯FL 1 及びフィラメン
トF3 ,F4 を有する放電灯FL2 を高周波電力で点灯
させる放電灯点灯装置が提案されている。図13に示す
放電灯点灯装置は、商用電源のような交流電源ACをダ
イオードブリッジからなる全波整流器DBにより整流
し、全波整流器DBの出力をダイオードD1 ,D2 の直
列回路を介して平滑コンデンサC0 で平滑することによ
り直流電源を得て、該直流電源を電力変換部INVによ
り高周波電力に変換し、後述の点灯用共振回路2を通し
て放電灯FL1 ,FL2 に高周波電力を供給するもので
ある。
【0003】電力変換部INVは、MOSFETよりな
るスイッチング素子Q1 ,Q2 の直列回路が平滑コンデ
ンサC0 の両端間に接続され、スイッチング素子Q2
両端には直流カット用のコンデンサC1 とインダクタL
1 とコンデンサC12との直列回路が並列に接続されてい
る。ここで、インダクタL1 とコンデンサC12はLC共
振回路を構成している。なお、図13中のダイオードD
01,D02は還流用のダイオードであり、スイッチング素
子Q1 ,Q2 を構成する各MOSFETの寄生ダイオー
ドにより実現される。ここで、スイッチング素子Q1
2 はPWM信号発生器からなる制御手段5により生成
された制御信号をドライバ6を通して与えることにより
同時にオンにならないように高周波で交互にオンオフさ
れる。
【0004】ところで、図13に示す構成では、インダ
クタL1 とコンデンサC12との接続点aを、電源帰還用
のインピーダンス要素(帰還手段)であるコンデンサC
3 を介して両ダイオードD1 ,D2 の接続点bに接続し
てある。コンデンサC12の両端間には、インダクタL21
とコンデンサC20とトランスTの一次巻線n1 との直列
回路が接続され、インダクタL21とコンデンサC20との
接続点はバランサBの中点に接続されている。さらに、
バランサBの両側の巻線LB1,LB2それぞれの一端はコ
ンデンサC8 ,C9 の一端に接続され、各コンデンサC
8 ,C9 の他端はトランスTの一次巻線n1 とコンデン
サC12との接続点側に接続されている。また、コンデン
サC8 ,C9 の両端間には放電灯FL1 ,FL2 が接続
されている。なお、図13に示す構成では、インダクタ
21、コンデンサC20、トランスTの一次巻線n1 、バ
ランサBの巻線LB1,LB2、コンデンサC8 ,C9 によ
り上述の点灯用共振回路2を構成している。
【0005】また、トランスTは一次巻線n1 に磁気結
合された4つの二次巻線n21,n22,n23,n24を有し
ており、2つの二次巻線n21,n22がそれぞれコンデン
サC 21,C22を介して放電灯FL1 のフィラメント
1 ,F2 に接続され、残りの2つの二次巻線n23,n
24がそれぞれコンデンサC23,C24を介して放電灯FL
2のフィラメントF3 ,F4 に接続されている。ここ
で、各フィラメントF1 ,F 2 ,F3 ,F4 と、各フィ
ラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 に接続されるコンンデ
ンサC21,C22,C23,C24と、各二次巻線n21
22,n23,n24との直列回路はそれぞれフィラメント
1 ,F2 ,F3 ,F4 を予熱するための予熱用共振回
路31 ,32 ,33 ,34 を構成している。各予熱用共
振回路31 ,32 ,33 ,34 は、電力変換部INVと
スイッチング素子Q1 ,Q2 を共用しているが、点灯用
共振回路2と各予熱用共振回路31 ,32 ,33 ,34
とは別々に共振特性を有するので、各予熱用共振回路3
1 ,32 ,33 ,34 で、独立にフィラメント電流を設
定することができる。
【0006】以下、図13に示す構成の放電灯点灯装置
の動作を図14を参照して説明する。この放電灯点灯装
置は、上述のように電力変換部INVの両スイッチング
素子Q1 ,Q2 を同時にオンにならないように高周波で
交互にオンオフすることにより放電灯FL1 ,FL2
高周波点灯させるものである。つまり、電力変換部IN
Vの両スイッチング素子Q1 ,Q2 を交互にオンオフす
ることにより、平滑コンデンサC0 からコンデンサC1
を通して各放電灯FL1 ,FL2 に電力を供給する状態
と、コンデンサC1 を電源として各放電灯FL1 ,FL
2 に電力を供給する状態とを繰り返すことで、各放電灯
FL1 ,FL2 に高周波の交番電流を流すようになって
いる。しかして、スイッチング素子Q1 ,Q2 をスイッ
チングする駆動周波数を変化させると、各放電灯F
1 ,FL2 へ供給される電圧を変化させることがで
き、予熱、始動、全点灯(定格点灯)、調光点灯の各動
作が可能になるのである。
【0007】ところで、図13の構成では、全波整流器
DBの出力端の高電位側端と平滑コンデンサC0 との間
にダイオードD1 ,D2 の直列回路が接続され、インダ
クタL1 とコンデンサC21との接続点aを、コンデンサ
3 を介して両ダイオードD 1 ,D2 の接続点bに接続
してあるので、インダクタL1 とコンデンサC21との接
続点aの電位(高周波電圧の振幅)に応じて、コンデン
サC3 側への入力電流の引込み及び平滑コンデンサC0
への充電が行なわれる。すなわち、全波整流器DBの出
力端の高電位側端の電位をVdb、両ダイオードD1 ,D
2 の接続点bの電位をVb とし、電力変換部INVとコ
ンデンサC3 との接続点の電位(帰還電源の電圧)、つ
まりインダクタL1 とコンデンサC21との接続点aの電
位をVaとすると、Va がVb よりも低下した時にはVb
とVa との差の電圧がコンデンサC3 に印加され、コ
ンデンサC3 に電荷が蓄積される。一方、Va がVb よ
りも大きくなった時にはコンデンサC3 に蓄積された電
荷がダイオードD2 を通して平滑コンデンサC0 に充電
される。また、電力変換部INVは、インダクタL 21
コンデンサC21、トランスTの一次巻線n1 、バランサ
Bの両巻線LB1,L B2、コンデンサC8 、コンデンサC
9 からなる上記点灯用共振回路2を通して放電灯F
1 ,FL2 に電力を供給する。なお、図13の基本構
成は特願平8−303740号に記載されている。
【0008】図13に示す構成では、このような動作が
図14(a)に示す交流電源ACの電圧VACの商用周期
の全区間にわたって繰り返され、交流電源ACから全波
整流器DBへの入力電流IACを図14(b)に示すよう
に高周波的に流し続けることができるから、入力電流I
ACに休止期間が生じないのであり、交流電源ACと全波
整流器DBとの間に簡単な高周波阻止フィルタを挿入す
るだけで、入力電流波形を連続的なものにすることがで
き、入力電流歪を低減することが可能である。なお、図
14(c)は放電灯FL1 に流れるランプ電流Ilaを示
している。
【0009】ところで、図13に示す構成では、上述の
ようにコンデンサC3 が回路動作に関与しない期間と関
与する期間とがあるので、フィラメントF1 ,F2 ,F
3 ,F4 に流れるフィラメト電流の周波数特性はコンデ
ンサC3 が回路動作に関与しない期間の周波数特性と、
コンデンサC3 が回路動作に関与する期間の周波数特性
とがある。前者の周波数特性を図9のに、後者の周波
数特性を図10のに示す。ここにおいて、スイッチン
グ素子Q1 ,Q2 の駆動周波数は、予熱時には点灯用共
振回路2の共振周波数に比較して十分に高い予熱周波数
0 に設定されており、フィラメントF1 ,F2
3 ,F4 の予熱後に駆動周波数を引き下げ点灯用共振
回路2の共振周波数に近い始動周波数に到達させると、
放電灯FL1,FL2 の両端電圧が上昇し、放電灯FL
1 ,FL2 の両端電圧が始動電圧に達して点灯する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構成では、両放電灯FL1 ,FL2 の一方が外れた
り、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のうちの1つ
がエミレス等の原因によりインピーダンスが大きく変化
した状態では、残りのフィラメントF1 ,F2 ,F 3
4 に流れるフィラメント電流の周波数特性が大きく変
化する。上述の図9及び図10のにこのときの残りの
フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 に流れるフィラメ
ント電流の周波数特性の例を示す。すなわち、図9及び
図10のは全てのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F
4 が正常なとき(以下、フィラメント正常時と称す)の
周波数特性を示し、図9及び図10のは全てのフィラ
メントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のうちの1つが異常なと
き(以下、フィラメント異常時と称す)の周波数特性を
示す。図9及び図10において、いま、先行予熱時の駆
動周波数を上述の予熱周波数f0 とすると、フィラメン
ト正常時のフィラメント電流はIf01 ,If02 である
が、フィラメント異常時には残りのフィラメントF 1
2 ,F3 ,F4 に流れるフィラメント電流がIf
11 (If11 <If01 ),If12 (If12 <If02 )に
低下するので、残りのフィラメントF1 ,F2 ,F 3
4 に適切な先行予熱電流が供給されなくなり、低温始
動時、高温再始動時などにおける放電灯の始動が難しく
なるとともに残りのフィラメントF1 ,F2,F3 ,F
4 の寿命が短くなるという不具合があった。
【0011】本発明は上記事由に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、複数の放電灯へ予熱時にフィラメン
トを予熱するのに十分な予熱電力を供給し予熱後に放電
灯を安定して始動できる放電灯点灯装置を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
目的を達成するために、スイッチング素子の駆動周波数
が可変な高周波電源と、高周波電源の出力側に設けられ
トランスの一次巻線を含むとともにフィラメントを有す
る複数の放電灯に点灯に必要な電圧を印加する点灯用共
振回路と、上記トランスの二次巻線を含み各フィラメン
トにフィラメント電流をそれぞれ供給する複数の予熱用
共振回路とを備え、点灯用共振回路と予熱用共振回路と
は共振特性が異なる放電灯点灯装置であって、各フィラ
メントのインピーダンスの変化を検出する検出手段と、
検出手段の出力により予熱時に少なくとも1つのフィラ
メントのインピーダンスに異常な変化が検出された場合
に残りのフィラメントには十分な予熱電力を供給させる
補正手段とを設けたことを特徴とするものであり、少な
くとも1つのフィラメントのインピーダンスが変化して
も予熱時に残りのフィラメントを予熱するのに十分な予
熱電力を供給することができ、予熱後に放電灯を安定し
て始動できるとともに放電灯の始動時にフィラメントに
かかる負担を軽減することができ、上記残りのフィラメ
ントの長寿命化を図ることができる。また、複数の放電
灯のうちの一部が取り外された場合でも残りの放電灯の
フィラメントを十分に予熱して予熱後に安定して始動さ
せることができる。
【0013】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、補正手段は、予熱用共振回路と点灯用共振回路との
うちの少なくとも一方の共振特性を変化させることによ
りフィラメントに流すフィラメント電流を制御するの
で、少なくとも1つのフィラメントのインピーダンスが
変化した場合でも駆動周波数や予熱時間を変化させるこ
となしに残りのフィラメントには予熱するのに十分なフ
ィラメント電流を供給することができ、残りのフィラメ
ントに十分な予熱電力を供給することができる。
【0014】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、補正手段は、上記残りのフィラメントに十分な予熱
電力が供給されるように予熱時間を変化させるので、駆
動周波数を変化させることなしに予熱時間を制御するこ
とにより上記残りのフィラメントに供給する予熱電力を
大きくでき、上記残りのフィラメントに十分な予熱電力
を供給することができる。
【0015】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、補正手段は、フィラメントに十分な予熱電力が供給
されるように上記スイッチング素子の駆動周波数を変化
させることによりフィラメントに流すフィラメント電流
を制御するので、予熱時間を変化させることなしに、駆
動周波数を変化させることによりフィラメント電流を大
きくすることができ、上記残りのフィラメントに十分な
予熱電力を供給することができる。
【0016】請求項5の発明は、請求項1の発明におい
て、補正手段は、上記残りのフィラメントに十分な予熱
電力が供給されるように高周波電源の出力の波高値を変
化させるので、点灯用共振回路のトランスの一次巻線に
発生する電圧が上昇してトランスの二次巻線に発生する
電圧が上昇し、結果として上記残りのフィラメントに供
給される予熱電力が増加するから、予熱時間を変化させ
ることなしに、上記残りのフィラメントに十分な予熱電
力を供給することができる。
【0017】請求項6の発明は、請求項1の発明におい
て、トランスは、放電灯ごとに設けられているので、一
方の放電灯のフィラメントのインピーダンスが変化して
も他方の放電灯のフィラメント電流は変化せず、上記他
方の放電灯のフィラメントに該フィラメントを予熱する
のに十分な予熱電力を供給することができる。請求項7
の発明は、請求項1の発明において、点灯用共振回路か
ら放電灯の両端への印加電圧が予熱時に放電を開始する
ランプ電圧未満となるように上記スイッチング素子の駆
動周波数が設定されるので、予熱時に放電灯の放電が開
始されるのを防止することができる。
【0018】請求項8の発明は、請求項1乃至請求項7
の発明において、放電灯は口金部を除く単位長さ当たり
のランプインピーダンスが8Ω/cm以上の蛍光灯であ
ることを特徴とする。請求項9の発明は、請求項1の発
明において、高周波電源は、交流電源を全波整流する全
波整流器と、全波整流器の出力端にダイオードを介して
接続される平滑コンデンサと、平滑コンデンサの両端電
圧を高周波電圧に変換する電力変換部と、上記高周波電
圧の一部を上記ダイオードを通る経路で平滑コンデンサ
の入力側に帰還する帰還手段とを備えているので、交流
電源から全波整流器への入力電流を高周波的に流し続け
ることができるから、入力電流に休止期間が生じること
がなく、交流電源と全波整流器との間に簡単な高周波阻
止フィルタを挿入するだけで、入力電流波形を連続的な
ものにすることができ、入力電流歪を低減することがで
きる。
【0019】請求項10の発明は、請求項1の発明にお
いて、2個の上記放電灯を有し、点灯用共振回路は、バ
ランサを有し該バランサの両端それぞれに各放電灯の一
方のフィラメントが接続されることにより両放電灯が並
列に接続されていることを特徴とする。請求項11の発
明は、請求項1の発明において、補正手段は、少なくと
も1つの放電灯が取り外された時に、他の放電灯のフィ
ラメントに十分な予熱電力を供給させるので、装着され
たままの放電灯のフィラメントには十分な予熱電力を供
給することができ、予熱後に装着されたままの放電灯を
安定して始動することができる。
【0020】請求項12の発明は、請求項1の発明にお
いて、補正手段は、少なくとも1つの放電灯のフィラメ
ントがエミレス状態の時に、他の放電灯のフィラメント
に十分な予熱電力を供給させるので、フィラメントがエ
ミレス状態になった放電灯があっても他の放電灯のフィ
ラメントへは十分な予熱電力を供給することができ、予
熱後に上記他の放電灯を安定して始動することができ
る。
【0021】請求項13の発明は、請求項1の発明にお
いて、補正手段は、少なくとも1つのフィラメントがシ
ョートした時に、他のフィラメントに十分な予熱電力を
供給させるので、フィラメントがショートした放電灯が
あっても他の放電灯のフィラメントへは十分な予熱電力
を供給することができ、予熱後に上記他の放電灯を安定
して始動することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】(実施形態1)図1に本実施形態
の放電灯点灯装置の回路図を示す。本実施形態の放電灯
点灯装置は、商用電源のような交流電源ACをダイオー
ドブリッジからなる全波整流器DBで整流し、全波整流
器DBの出力を昇圧型のチョッパ回路7で昇圧して得
て、該直流電源を電力変換部INVにより高周波電力に
変換し、後述の点灯用共振回路2を通して放電灯F
1 ,FL2 に高周波電力を供給するものである。な
お、本実施形態では、交流電源AC、チョッパ回路7、
電力変換部INVにより高周波電源を構成している。
【0023】チョッパ回路7は、全波整流器DBの出力
端間に接続されるインダクタL0 とチョッパ用のスイッ
チング素子Q0 との直列回路と、スイッチング素子Q0
の両端に接続されるダイオードD0 と平滑コンデンサC
0 との直列回路とを備えている。チョッパ回路7は、主
制御回路11によってスイッチング素子Q0 を高周波で
スイッチングして全波整流器DBの出力をチョッピング
し、スイッチング素子Q0 のオンのときにインダクタL
0 に蓄積されたエネルギをスイッチング素子Q 0 のオフ
のときにダイオードD0 を介して放出するとともに、ダ
イオードD0 を介して出力されるチョッピング電圧を平
滑コンデンサC0 で平滑するものである。本実施形態で
は、全波整流器DBの出力端側と電力変換部INVとの
間にチョッパ回路7を設けることにより、交流電源AC
から全波整流器DBへの入力電流を高周波的に流し続け
ることができるから、入力電流に休止期間が生じないの
であり、交流電源ACと全波整流器DBとの間に簡単な
高周波阻止フィルタを挿入するだけで、入力電流波形を
連続的なものにすることができ、入力電流歪を低減する
ことが可能である。
【0024】電力変換部INVは、他励式のハーフブリ
ッジ構成のものを用いており、チョッパ回路7の平滑コ
ンデンサC0 に並列接続されるMOSFETからなるス
イッチング素子Q1 ,Q2 の直列回路を備え、スイッチ
ング素子Q1 ,Q2 は主制御回路11によって同時にオ
ンにならないように高周波で交互にオンオフされる。こ
こで、主制御回路11は、電力変換部INVのスイッチ
ング素子Q1 ,Q2 をオンオフ制御する機能と、チョッ
パ回路7のスイッチング素子Q0 をオンオフする機能と
を有している。なお、主制御回路11は、従来構成で説
明した制御手段5及びドライバ6の機能を備えている。
【0025】電力変換部INVを構成するスイッチング
素子Q2 の両端には、直流カット用のコンデンサCc を
介してインダクタLと予熱用のトランスTの一次巻線n
1 とコンデンサC’と共振用のコンデンサCとの直列回
路が接続され、コンデンサC’の両端にMOSFETか
らなるスイッチング素子Q3 ,Q4 の直列回路が接続さ
れている。また、トランスTの一次巻線n1 とコンデン
サC’との接続点は、バランサBの中点に接続され、バ
ランサBの両側の巻線LB1,LB2それぞれの一端は放電
灯FL1 ,FL2 の一方のフィラメントF1 ,F3 に接
続され、放電灯FL1 ,FL2 の他方のフィラメントF
2 ,F4 はコンデンサCの一端とスイッチング素子Q2
との接続点側に接続されている。なお、本実施形態で
は、コンデンサCc 、インダクタL、トランスTの一次
巻線n1 、バランサBの巻線LB1,LB2、コンデンサ
C' ,コンデンサC、スイッチング素子Q3 ,Q4 によ
り上述の点灯用共振回路2を構成している。
【0026】また、トランスTは一次巻線n1 に磁気結
合された4つの二次巻線n21,n22,n23,n24を有し
ており、2つの二次巻線n21,n22がそれぞれコンデン
サC 21,C22を介して放電灯FL1 のフィラメント
1 ,F2 に接続され、残りの2つの二次巻線n23,n
24がそれぞれコンデンサC23,C24を介して放電灯FL
2のフィラメントF3 ,F4 に接続されている。さら
に、各フィラメントF1 ,F 2 ,F3 ,F4 の両端間に
は、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の状態(放電
灯FL1 ,FL2 を外した時やエミレス時やショート時
などにおけるフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のイ
ンピーダンスの変化)を検出する検出する検出手段たる
検出回路81 ,82 ,83 ,84 が接続され、上記二次
巻線n21,n22,n23,n24と上記コンンデンサC21
22,C23,C24との各直列回路は検出回路81
2 ,83 ,84 に並列接続されている。なお、本実施
形態では、上記二次巻線n21,n22,n23,n24と上記
コンンデンサC21,C22,C23,C24との直列回路がそ
れぞれ予熱用共振回路31 ,32 ,33 ,34 を構成し
ている。
【0027】ところで、点灯用共振回路2の上記スイッ
チング素子Q3 ,Q4 は、副制御回路12によりオンオ
フ制御されるようになっており、副制御回路12は、各
検出回路81 ,82 ,83 ,84 の出力に基づいて上記
スイッチング素子Q3 ,Q4をオンオフ制御する。ここ
で、両スイッチング素子Q3 ,Q4 はソース同士、ゲー
ト同士をそれぞれ共通接続してあり、両スイッチング素
子Q3 ,Q4 がオフした状態では、各スイッチング素子
3 ,Q4 の寄生ダイオード(図示せず)を介して電流
が流れないようになっている。したがって、上述の点灯
用共振回路2は、両スイッチング素子Q3 ,Q4 を同時
にオンオフすることにより共振特性を変化できるように
なっている。すなわち、点灯用共振回路2は、各フィラ
メントF 1 ,F2 ,F3 ,F4 の状態に基づいて共振特
性を変化させることができる。なお、本実施形態では、
コンデンサC’、スイッチング素子Q3 ,Q4 、副制御
回路12により補正手段を構成している。
【0028】以下、本実施形態の放電灯点灯装置の動作
について説明する。電力変換部INVのスイッチング素
子Q1 ,Q2 は上述のように主制御回路11によって同
時にオンにならないように高周波で交互にオンオフされ
る。したがって、スイッチング素子Q1 のオン期間にコ
ンデンサCc に蓄積した電荷をスイッチング素子Q2
オン期間に放出することで各放電灯FL1 ,FL2 それ
ぞれに交番した高周波電力を与えることができるように
なっている。しかして、スイッチング素子Q1,Q2
スイッチングする駆動周波数を変化させると、放電灯F
1 ,FL2 へ供給される電圧を変化させることがで
き、予熱、始動、全点灯(定格点灯)、調光点灯の各動
作が可能となるのである。
【0029】なお、各予熱用共振回路31 ,32
3 ,34 は、電力変換部INVとスイッチング素子Q
1 ,Q2 を共用しているが、点灯用共振回路2と各予熱
用共振回路31 ,32 ,33 ,34 とは別々に共振特性
を持たせてある。つまり、各予熱用共振回路31
2 ,33 ,34 で独立にフィラメント電流を設定する
ことができるようになっている。
【0030】ところで、本実施形態における全てのフィ
ラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 が正常な時、つまり、
フィラメント正常時のフィラメト電流の周波数特性は図
2のに示すような特性を有している。本実施形態にお
いても全てのフィラメントF 1 ,F2 ,F3 ,F4 のう
ちの1つのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のイン
ピーダンスが異常に変化するとフィラメント電流の周波
数特性が変化し、すなわち、放電灯FL1 ,FL2 を外
した時やエミレス時やショート時などのフィラメント異
常時に少なくとも1つのフィラメントF1 ,F2
3 ,F4 のインピーダンスが大きく変化して残りのフ
ィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のフィラメント電流
の周波数特性が変化し、該変化した状態では上記残りの
フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 へのフィラメント
電流は図2のに示すような周波数特性を有するように
なる。いま、先行予熱時の駆動周波数を予熱周波数f0
とすると、フィラメント正常時のフィラメント電流はI
f0であるが、フィラメント異常時には上記残りのフィラ
メントF1 ,F2 ,F3 ,F4 に流れるフィラメント電
流の周波数特性が図2のに示すようになり、フィラメ
ント電流がIf1まで低下するので、上記残りのフィラメ
ントF1 ,F2 ,F3 ,F4 に適切な先行予熱電流が供
給されなくなる。
【0031】しかしながら、本実施形態では、先行予熱
の直前もしくは先行予熱期間の早い段階で、検出回路8
1 ,82 ,83 ,84 によりフィラメントF1 ,F2
3,F4 のインピーダンスが異常に変化した状態が検
出されると、副制御回路12が検出回路81 ,82 ,8
3 ,84 の出力に基づいて両スイッチング素子Q3 ,Q
4 をオフして点灯用共振回路2の周波数特性を変化させ
る。すなわち、フィラメント正常時(通常時)は、両ス
イッチング素子Q3 ,Q4 はオンされており、電力変換
部INVのスイッチング素子Q2 の両端間には、直流カ
ット用のコンデンサCc を介してインダクタL1 とトラ
ンスTの一次巻線n1 とスイッチング素子Q3 とスイッ
チング素子Q4 とコンデンサCとの直列回路が接続さ
れ、フィラメント異常時には、電力変換部INVのスイ
ッチング素子Q2 の両端間に、コンデンサCc を介して
インダクタL1 とトランスTの一次巻線n1 とコンデン
サC’とコンデンサCとの直列回路が接続される。
【0032】要するに、本実施形態では、フィラメント
異常時に、検出回路81 ,82 ,8 3 ,84 の出力に基
づいて副制御回路12が両スイッチング素子Q3 ,Q4
をオフすることによって、コンデンサC’が点灯用共振
回路2の共振要素として機能し、上記残りのフィラメン
トF1 ,F2 ,F3 ,F4 のフィラメント電流の周波数
特性が図2のに示すように変化する。つまり、予熱時
の駆動周波数である予熱周波数f0 におけるフィラメン
ト電流がIf0に近づくようにコンデンサC’の容量を設
定してあり、本実施形態では、図2のに示すように、
予熱周波数f0におけるフィラメント電流はIf2(|If
2−If0|<|If1−If0|) となる。
【0033】しかして、本実施形態では、放電灯F
1 ,FL2 の一方が外れた場合や、フィラメント
1 ,F2 ,F3 ,F4 のエミレスや、フィラメントF
1 ,F2 ,F 3 ,F4 のショート等のフィラメント
1 ,F2 ,F3 ,F4 の異常が発生している状態で、
予熱時の駆動周波数を変化させることなく、点灯用共振
回路2の共振特性を変化させることにより、上記残りの
フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F 4 に予熱に必要な大
きさの電流を供給することが可能となるので、予熱時間
を変化させることなしに予熱に必要な電力を供給するこ
とができ、予熱後に放電灯FL1 ,FL2 を安定して始
動することができるとともに放電灯FL1 ,FL2 の始
動時にフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 にかかる負
担を軽減することができ、フィラメントF1 ,F2 ,F
3 ,F4 の長寿命化を図ることができる。
【0034】(実施形態2)図3に本実施形態の放電灯
点灯装置の回路図を示す。本実施形態の基本構成は実施
形態1と略同じであり、点灯用共振回路2の構成が相違
する。図3中の1は、実施形態1の回路構成における交
流電源AC、全波整流器DB、チョッパ回路7、電力変
換部INV、主制御回路11により構成される高周波電
源を示している。なお、該高周波電源1は、図13に示
した従来構成における交流電源AC、全波整流器DB、
ダイオードD1 ,D2 、電力変換部INV、コンデンサ
3 (帰還手段)、制御手段5、ドライバ6などにより
構成してもよい。
【0035】本実施形態における点灯用共振回路2は、
高周波電源1の出力端間(つまり、電力変換部INVの
出力端間)に、直流カット用のコンデンサCc を介して
インダクタLとトランスTの一次巻線n1 と共振用のコ
ンデンサCとの直列回路が接続され、トランスTの一次
巻線n1 とコンデンサCとの接続点がバランサBの中点
に接続され、バランサBの両側の巻線LB1,LB2それぞ
れの一端が放電灯FL 1 ,FL2 の一方のフィラメント
1 ,F3 に接続され、放電灯FL1 ,FL2の他方の
フィラメントF2 ,F4 がコンデンサCとスイッチング
素子Q2 (図1参照)の接続点側に接続されている。す
なわち、本実施形態の点灯用共振回路2の基本構成は実
施形態1と略同じであるが、スイッチング素子Q3 ,Q
4 及びコンデンサC’を備えていない点で相違する。ま
た、トランスTは一次巻線n1 に磁気結合された8つの
二次巻線n21,n21’,n22,n22’,n23,n23’,
24,n24’を有しており、そのうちの2つの二次巻線
21,n22がそれぞれスイッチング素子S21’,S22
とコンデンサC21,C22とを介して放電灯FL1 のフィ
ラメントF1 ,F2 に接続され、他の2つの二次巻線n
23,n24がそれぞれスイッチング素子S23’,S24’と
コンデンサC23,C24を介して放電灯FL2 のフィラメ
ントF3 ,F4 に接続されている。また、各フィラメン
トF1 ,F2 ,F3 ,F4 の両端間には、フィラメント
1 ,F2 ,F3 ,F4 の状態(インピーダンスの変
化)を検出する検出手段たる検出回路81 ,82
3 ,84 が接続され、上記二次巻線n21,n22
23,n24と上記スイッチング素子S21’,S22’,S
23’,S24’と上記コンデンサC21,C22,C23,C24
との各直列回路は検出回路81 ,82 ,83 ,84 に並
列接続されている。さらに、各スイッチング素子
21’,S22’,S23’,S 24’の両端間には、スイッ
チング素子S21,S22,S23,S24と二次巻線n21’,
22’,n23’,n24’との直列回路が接続されてい
る。すなわち、本実施形態における予熱用共振回路
1 ,32 ,33 ,34 は、上記二次巻線n21,n22
23,n24と上記スイッチング素子S21’,S22’,S
23’,S24’と上記コンンデンサC21,C22,C23,C
24との直列回路と、スイッチング素子S21,S 22
23,S24と二次巻線n21’,n22’,n23’,n24
との直列回路とを備えている。ここで、スイッチング素
子S21’,S22’,S23’,S24’とスイッチング素子
21,S22,S23,S24とは、副制御回路12によって
個別にオンオフ制御できるようになっており、副制御回
路12は、検出回路81 ,82 ,83,84 によりフィ
ラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のフィラメント異常が
検出されたときに、検出回路81 ,82 ,83 ,84
出力に基づいてスイッチング素子S21’,S22’,
23’,S24’とスイッチング素子S21,S22,S23
24との状態を変化させるようになっている。すなわ
ち、本実施形態では、フィラメントF1 ,F2 ,F3
4 ごとにフィラメント電流を変化させることができ
る。なお、本実施形態では、スイッチング素子S21’,
22’,S23’,S24’、スイッチング素子S21
22,S23,S24、二次巻線n21’,n22’,n23’,
24’、副制御回路12により補正手段を構成してい
る。
【0036】本実施形態では、両放電灯FL1 ,FL2
が装着されている場合、フィラメント正常時、つまり、
通常時は、スイッチング素子S21,S22,S23,S24
オフされ、スイッチング素子S21’,S22’,S23’,
24’がオンされている。したがって、フィラメント正
常時は二次巻線n21,n22,n23,n24と上記コンデン
サC21,C22,C23,C24との直列回路がフィラメント
1 ,F2 ,F3 ,F 4 の両端間に接続されることにな
る。
【0037】しかして、本実施形態におけるフィラメン
ト正常時のフィラメト電流の周波数特性は実施形態1と
同様の特性であって図4のに示すような特性を有して
いる。本実施形態においても全てのフィラメントF1
2 ,F3 ,F4 のうちの1つのインピーダンスが異常
に変化すると残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F
4 へ流れるフィラメント電流の周波数特性が変化し、例
えば、フィラメントF 1 ,F2 ,F3 ,F4 のエミレス
の原因によりフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のイ
ンピーダンスが大きく変化した状態では上記残りのフィ
ラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 へのフィラメント電流
は図4のに示すような周波数特性を有するようにな
る。いま、先行予熱時の駆動周波数を予熱周波数f0
すると、フィラメント正常時のフィラメント電流はIf0
であるが、フィラメント異常時には上記残りのフィラメ
ントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のフィラメント電流の周波
数特性が図4のに示すように変化しフィラメント電流
がIf1まで低下するので、上記残りのフィラメント
1 ,F2 ,F3 ,F4 に適切な先行予熱電流が供給さ
れなくなる。
【0038】しかしながら、本実施形態では、先行予熱
の直前もしくは先行予熱期間の早い段階で、検出回路8
1 ,82 ,83 ,84 によりフィラメントF1 ,F2
3,F4 のインピーダンスの異常な変化が検出される
と、副制御回路12が検出回路81 ,82 ,83 ,84
の出力に基づいてスイッチング素子S21,S22,S23
24をオンさせ、スイッチング素子S21’,S22’,S
23’,S24’をオフさせることにより、予熱用共振回路
1 ,32 ,33 ,34 の周波数特性(共振周波数)を
変化させる。例えば、フィラメントF1 について説明す
ると、フィラメント正常時、つまり、通常時は、スイッ
チング素子S21がオフし、スイッチング素子S21’がオ
ンしており、フィラメントF1 の両端間には、二次巻線
21とスイッチング素子S21’とコンデンサC21との直
列回路が接続され、フィラメント異常時は、スイッチン
グ素子S21がオンし、スイッチング素子S21’がオフす
るので、二次巻線n21とスイッチング素子S21と二次巻
線n21’とコンデンサC21との直列回路が接続されるこ
とになる。
【0039】要するに、本実施形態では、フィラメント
正常時とフィラメント異常時とで予熱共振回路31 ,3
2 ,33 ,34 の共振周波数が変化する。ここで、本実
施形態では、フィラメント異常時に、予熱時の駆動周波
数である予熱周波数f0 における上記残りのフィラメン
トF1 ,F2 ,F3 ,F4 のフィラメント電流がIf0
近づくように二次巻線n21’のインダクタンスを設定し
てあり、フィラメント異常時の上記残りのフィラメント
1 ,F2 ,F3 ,F4 のフィラメント電流の周波数特
性は図4のに示すように変化する。つまり、予熱時の
駆動周波数である予熱周波数f0 におけるフィラメント
電流はIf2(|If2−If0|<|If1−If0|) とな
る。
【0040】しかして、本実施形態では、放電灯F
1 ,FL2 の一方が外れた場合や、フィラメント
1 ,F2 ,F3 ,F4 のエミレスや、フィラメントF
1 ,F2 ,F 3 ,F4 のショート等のフィラメント
1 ,F2 ,F3 ,F4 の異常が発生している状態で、
予熱時の駆動周波数を変化させることなく、予熱用共振
回路31 ,32 ,33 ,34 の共振特性を変化させるこ
とにより、上記残りのフィラメントフィラメントF1
2 ,F3 ,F4 に予熱に必要な大きさの電流を供給す
ることが可能となるので、予熱時間を変化させることな
しに予熱に必要な電力を供給することができ、予熱後に
放電灯FL1 ,FL2 を安定して始動することができる
とともに放電灯FL1 ,FL2 の始動時にフィラメント
1 ,F2 ,F3 ,F 4 にかかる負担を軽減することが
でき、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の長寿命化
を図ることができる。
【0041】(実施形態3)図5に本実施形態の放電灯
点灯装置の回路図を示す。本実施形態の放電灯点灯装置
の基本構成は実施形態1と略同じなので、実施形態1と
同様の構成要素には同一の符号を付し相違する点につい
てのみ説明する。本実施形態では、実施形態1における
コンデンサC’、スイッチング素子Q3,Q4 を設ける
替わりに、検出回路81 ,82 ,83 ,84 の出力に基
づいて主制御回路11によって電力変換部INVのスイ
ッチング素子Q1 ,Q2 を制御し、先行予熱時間を制御
する点に特徴がある。なお、本実施形態では、主制御回
路11が補正手段を構成している。
【0042】本実施形態におけるフィラメト電流の周波
数特性はフィラメント正常時は実施形態1と同様であっ
て図6のに示すような特性を有している。本実施形態
においても全てのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4
のうちの少なくとも1つのインピーダンスが異常に変化
すると残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のフ
ィラメント電流の周波数特性が変化し、例えば、放電灯
FL1 を外した状態では、図6のに示すような周波数
特性を有するようになる。いま、先行予熱時の駆動周波
数を予熱周波数f0 とすると、フィラメント正常時のフ
ィラメント電流はIf0であるが、フィラメント異常時に
は上記残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の周
波数特性が図6のに示すように変化しフィラメント電
流がIf1まで低下する。
【0043】しかしながら、本実施形態では、主制御回
路11が検出回路81 ,82 ,83,84 の出力に基づ
いて先行予熱時間を変化させ、フィラメントF1
2 ,F 3 ,F4 を予熱する時間を長くすることによ
り、フィラメントF1 ,F2 ,F3,F4 へ十分な予熱
電力を供給する。しかして、本実施形態では、放電灯F
1 ,FL2 の一方が外れた場合や、フィラメント
1 ,F2 ,F3 ,F4 のエミレス時や、フィラメント
1 ,F2 ,F3 ,F4 のショート等のフィラメントF
1 ,F2 ,F3 ,F4 の異常が発生している状態で、予
熱時の駆動周波数を変化させることなく、予熱時間を変
化させることにより、上記残りのフィラメントF1 ,F
2 ,F3 ,F4 へ予熱に必要な電力を供給することが可
能となるので、予熱後に放電灯FL1 ,FL2 を安定し
て始動することができるとともに放電灯FL1 ,FL2
の始動時にフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 にかか
る負担を軽減することができ、フィラメントF1
2 ,F3 ,F4 の長寿命化を図ることができる。
【0044】(実施形態4)本実施形態の基本構成は図
5に示した実施形態3の構成と略同じであり、検出回路
1 ,82 ,83 ,84 の出力に基づいて主制御回路1
1によって電力変換部INVのスイッチング素子Q1
2 の駆動周波数を変化させる点に特徴がある。すなわ
ち、実施形態3ではフィラメント異常時に主制御回路1
1によって先行予熱時間を変化させていたのに対し、本
実施形態ではフィラメント異常時に主制御回路11によ
ってスイッチング素子Q1 ,Q2 の駆動周波数を変化さ
せフィラメント電流を制御する。なお、本実施形態で
は、主制御回路11が補正手段を構成している。
【0045】本実施形態におけるフィラメント電流の周
波数特性は実施形態3と同様に、フィラメント正常時は
図6のに示す特性を有し、フィラメント異常時は正常
な残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のフィラ
メント電流は図6のに示す特性を有している。本実施
形態では、検出回路81 ,82 ,83 ,84 によりフィ
ラメント異常が検出されたとき、主制御回路11が検出
回路81 ,82 ,83,84 の出力に基づいて駆動周波
数を変化させる。ここで、フィラメント正常時の駆動周
波数を予熱周波数f0 、フィラメント電流をIf0とする
と、フィラメント異常時には上記残りのフィラメントF
1 ,F2 ,F3 ,F4 のフィラメント電流の周波数特性
が図6のに示すように変化するが、主制御回路11は
上記残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のフィ
ラメント電流がIf0となるように駆動周波数をf1 (f
1 <f0 )に変化させる。その結果、フィラメント異常
時にも先行予熱時間を変化させることなしに上記残りの
フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 に予熱に十分な電
流を流すことができる。
【0046】しかして、本実施形態では、放電灯F
1 ,FL2 の一方が外れた場合や、フィラメント
1 ,F2 ,F3 ,F4 のエミレス時や、フィラメント
1 ,F2 ,F3 ,F4 のショート等のフィラメントF
1 ,F2 ,F3 ,F4 の異常が発生している状態で、先
行予熱時間を変化させることなしに、正常な上記残りの
フィラメントフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 へ予
熱に必要なフィラメント電流を流すことができ、必要な
予熱電力を供給することが可能となるので、予熱後に放
電灯FL1 ,FL2 を安定して始動することができると
ともに放電灯FL1 ,FL2 の始動時にフィラメントF
1 ,F2 ,F3 ,F4 にかかる負担を軽減することがで
き、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の長寿命化を
図ることができる。
【0047】(実施形態5)本実施形態の基本構成は図
5に示した実施形態3の構成と略同じであり、検出回路
1 ,82 ,83 ,84 の出力に基づいて主制御回路1
1によるチョッパ回路7のスイッチング素子Q0 の制御
信号を変化させ、平滑コンデンサC0 の両端電圧を変化
させる点に特徴がある。ここで、平滑コンデンサC0
両端電圧は、電力変換部INVの電源となる直流電圧な
ので、平滑コンデンサC0 の両端電圧を変化させること
により、スイッチング素子Q1 ,Q2 をスイッチングす
る駆動周波数を変化させることなくフィラメント電流を
大きくすることができる。なお、本実施形態では、主制
御回路11が補正手段を構成している。
【0048】本実施形態におけるフィラメント電流の周
波数特性は実施形態3と同様であって、フィラメント正
常時は図7のに示す特性を有し、フィラメント異常時
は正常な残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4
図7のに示す特性を有している。なお、駆動周波数を
予熱周波数f0 とすると、の特性ではフィラメント電
流はIf0であるが、の特性ではフィラメント電流はI
f1まで低下する。しかしながら、本実施形態では、検出
回路81 ,82 ,83 ,84 によりフィラメント異常が
検出された場合には、主制御回路11が検出回路81
2 ,83 ,8 4 の出力に基づいてスイッチング素子Q
0 の制御信号を変化させ、フィラメント電流がIf0に近
づくように平滑コンデンサC0 の両端電圧を増加させる
(つまり、高周波電源の出力の波高値を大きくする)の
で、上記残りのフィラメントF1,F2 ,F3 ,F4
フィラメント電流の周波数特性が図7のに示すような
周波数特性へ変化する。図7のに示す周波数特性は、
に示す周波数特性と同じ位置にピークを有するが、同
一の予熱周波数f0 におけるフィラメント電流はの方
が大きい。
【0049】しかして、本実施形態では、放電灯F
1 ,FL2 の一方が外れた場合や、フィラメント
1 ,F2 ,F3 ,F4 のエミレス時や、フィラメント
1 ,F2 ,F3 ,F4 のショート等のフィラメントF
1 ,F2 ,F3 ,F4 の異常が発生している状態で、先
行予熱時間や駆動周波数を変化させることなしに、電力
変換部INVの電源電圧を増加させることにより、正常
な上記残りのフィラメントF1,F2 ,F3 ,F4 へ予
熱に必要なフィラメント電流を流すことができ、必要な
予熱電力を供給することが可能となるので、予熱後に放
電灯FL1 ,FL2 を安定して始動することができると
ともに放電灯FL1 ,FL2 の始動時にフィラメントF
1 ,F2 ,F3 ,F4 にかかる負担を軽減することがで
き、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の長寿命化を
図ることができる。
【0050】(実施形態6)図8に本実施形態の放電灯
点灯装置の回路図を示す。本実施形態の基本構成は従来
構成と略同じであり、各フィラメントF1 ,F2
3 ,F4 に設けられる予熱用共振回路31 ,32 ,3
3 ,34 において各フィラメントF1 ,F2 ,F 3 ,F
4 の両端にインピーダンス要素Z1 ,Z2 ,Z3 ,Z4
を接続した点に特徴がある。本実施形態ではフィラメン
トF1 ,F2 ,F3 ,F4 のインピーダンスが異常をき
たしたときに、インピーダンス要素Z1 ,Z2 ,Z3
4 により整合する。なお、図13の従来構成における
ダイオードD1 は高周波用ダイオードで、全波整流器D
Bを構成するダイオードが低周波用ダイオードであり、
かりに全波整流器DBを構成するダイオードが高周波ダ
イオードである場合にはダイオードD1 を省略できるこ
とは勿論である。なお、本実施形態では、インピーダン
ス要素Z1 ,Z2 ,Z3 ,Z4 が検出手段及び補正手段
を兼ねている。
【0051】本実施形態では、従来例で説明したように
コンデンサC3 が回路動作に関与しない期間と関与する
期間とがあり、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4
流れるフィラメト電流の周波数特性はコンデンサC3
回路動作に関与しない期間の周波数特性と、コンデンサ
3 が回路動作に関与する期間の周波数特性とがある。
前者の周波数特性を図9に、後者の周波数特性を図10
に示す。ここで、図9及び図10において、は図13
に示した従来構成でのフィラメント正常時の周波数特
性、は図13に示した従来構成でのフィラメント異常
時の正常なフィラメントにおける周波数特性、は本実
施形態でのフィラメント正常時の周波数特性、は本実
施形態でのフィラメント異常時の正常なフィラメントに
おける周波数特性を示す。
【0052】インピーダンス要素Z1 ,Z2 ,Z3 ,Z
4 は、図9及び図10に示すように、フィラメント正常
時に、ととが略同じ周波数特性となり、かつ、フィ
ラメント異常時に、予熱時の予熱周波数f0 でのフィラ
メント電流が従来に比べて増加するような周波数特性と
なる機能を有している。まず図9について説明すると、
予熱時の駆動周波数を予熱周波数f0 で一定とした場
合、図13に示した従来構成では、フィラメント正常時
のフィラメント電流がIf01 、フィラメント異常時の正
常な残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のフィ
ラメント電流がIf11 (If11 <If01 )となり、1つ
のフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 に異常が発生し
た場合に残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4
予熱に必要なフィラメント電流を供給することができな
い。これに対し、本実施形態では、フィラメント正常時
のフィラメント電流がIf21 、フィラメント異常時の上
記残りのフィラメントのフィラメント電流がIf31 (I
f21 >If31 >If11 )となり、フィラメント異常時で
も上記残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 へ予
熱に必要なフィラメント電流を供給することができる。
次に、図10について説明するが、図9の場合と同様
に、予熱時の駆動周波数を予熱周波数f0 で一定とした
場合、図13に示した従来構成では、フィラメント正常
時のフィラメント電流がIf02 、フィラメント異常時の
上記残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3,F4 のフィ
ラメント電流がIf12 (If12 <If02 )となり、フィ
ラメント異常時に上記残りのフィラメントF1 ,F2
3 ,F4 へ予熱に必要なフィラメント電流を供給する
ことができない。これに対し、本実施形態では、フィラ
メント正常時のフィラメント電流がIf22 、フィラメン
ト異常時の上記残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3
4 のフィラメント電流がIf32 (If22 >If32 >I
f12 )となり、フィラメント異常時でも上記残りのフィ
ラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 へ予熱に必要なフィラ
メント電流を供給することができる。
【0053】しかして、本実施形態では、放電灯F
1 ,FL2 の一方が外れた場合や、フィラメント
1 ,F2 ,F3 ,F4 のエミレス時や、フィラメント
1 ,F2 ,F3 ,F4 のショート等のフィラメントF
1 ,F2 ,F3 ,F4 の異常が発生している状態で、先
行予熱時間や駆動周波数を変化させることなしに、正常
な上記残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 へ予
熱に必要なフィラメント電流を流すことができ、必要な
予熱電力を供給することが可能となるので、予熱後に放
電灯FL1 ,FL2 を安定して始動することができると
ともに放電灯FL1 ,FL2 の始動時にフィラメントF
1 ,F2 ,F3 ,F4 にかかる負担を軽減することがで
き、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の長寿命化を
図ることができる。
【0054】(実施形態7)本実施形態の基本構成は実
施形態6と同じであり、インピーダンス要素Zi (i=
1〜4)として、図11に示すような非線形のインイー
ダンス要素を挿入する点に特徴がある。すなわち、本実
施形態では、インピーダンス要素Zi は一対のツェナダ
オードZD1i,ZD2i(i=1〜4)のアノード同士を
抵抗Ri (i=1〜4)を介して接続してあり、両ツェ
ナダオードZD1i,ZD2iのカソードがフィラメントF
i (i=1〜4)に接続される。つまり、フィラメント
i の両端間にツェナダオードZD1iと抵抗Ri とツェ
ナダオードZD2iとの直列回路が接続される。なお、本
実施形態では、インピーダンス要素Z1 ,Z2 ,Z3
4 が検出手段及び補正手段を兼ねている。
【0055】本実施形態では、フィラメント正常時に
は、ツェナダオードZD1i,ZD2iはオフであって抵抗
i は予熱用共振回路31 ,32 ,33 ,34 の共振系
に関与せず、フィラメント異常時には、ツェナダオード
ZD1i,ZD2iがオンして抵抗Ri が予熱用共振回路3
1 ,32 ,33 ,34 の共振系に関与する。ここで、抵
抗Ri はフィラメント抵抗と同様の抵抗値に設定してあ
る。その結果、本実施形態では、予熱時の駆動周波数を
予熱周波数f0 で一定とした場合、フィラメント正常
時、フィラメント異常時にかかわらず、フィラメント電
流の周波数特性につてい略同じ特性が実現され、従来構
成におけるフィラメント正常時のフィラメント電流If
01 と略同じフィラメト電流を得ることができる。要す
るに、本実施形態では、フィラメント正常時、フィラメ
ント異常時にかかわらず、フィラメントF1 ,F2 ,F
3 ,F4 へ予熱に必要なフィラメント電流を供給するこ
とができる。
【0056】しかして、本実施形態では、放電灯F
1 ,FL2 の一方が外れた場合や、フィラメント
1 ,F2 ,F3 ,F4 のエミレス時や、フィラメント
1 ,F2 ,F3 ,F4 のショート等のフィラメントF
1 ,F2 ,F3 ,F4 の異常が発生している状態で、先
行予熱時間や駆動周波数を変化させることなしに、残り
の正常なフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 へ予熱に
必要なフィラメント電流を流すことができ、必要な予熱
電力を供給することが可能となるので、予熱後に放電灯
FL1 ,FL2 を安定して始動することができるととも
に放電灯FL1 ,FL2の始動時にフィラメントフィラ
メントF1 ,F2 にかかる負担を軽減することができ、
フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の長寿命化を図る
ことができる。
【0057】(実施形態8)図12に本実施形態の放電
灯点灯装置の回路図を示す。本実施形態の基本構成は実
施形態6と略同じであり、実施形態6のように1つのト
ランスTで全てのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4
に先行予熱電流(フィラメント電流)を供給する替わり
に、放電灯FL1 ,FL2 ごとにトランスT1 ,T2
設けた点に特徴がある。つまり、本実施形態では、放電
灯FL1 のフィラメントF1 ,F2 はトランスT1 から
先行予熱電流が供給され、放電灯FL2 のフィラメント
3 ,F4 はトランスT2 から先行予熱電流が供給され
る。ここで、トランスT1 とトランスT2 とは一次巻線
11,n12同士が直列接続されており、各トランス
1,T2 はそれぞれ2つの二次巻線n21,n22
23,n24を有している。すなわち、トランスT1 の一
次巻線n11に磁気結合された各二次巻線n21,n22がそ
れぞれ放電灯FL1 のフィラメントF1 ,F2 に接続さ
れ、トランスT2 の一次巻線n12に磁気結合された各二
次巻線n23,n24がそれぞれ放電灯FL2 のフィラメン
トF3 ,F4 に接続されている。なお、本実施形態で
は、インピーダンス要素Z1 ,Z2 ,Z3 ,Z4 が検出
手段及び補正手段を兼ねている。
【0058】本実施形態では、フィラメン正常時のトフ
ィラメント電流の周波数特性が実施形態6と同様に図9
及び図10のに示すような周波数特性を有するが、放
電灯FL1 と放電灯FL2 とでは予熱用のトランス
1 ,T2 が異なり予熱用共振回路31 ,32 と予熱用
共振回路33 ,34 とが磁気結合していないので、例え
ば放電灯FL1 にフィラメント異常が発生しても放電灯
FL2 へのフィラメント電流は変化せず、放電灯FL2
のフィラメントF3 ,F4 へ予熱に必要なフィラメント
電流を供給することができる。
【0059】しかして、本実施形態では、放電灯F
1 ,FL2 の一方が外れた場合や、フィラメント
1 ,F2 ,F3 ,F4 のエミレス時や、フィラメント
1 ,F2 ,F3 ,F4 のショート等のフィラメントF
1 ,F2 ,F3 ,F4 の異常が発生している状態で、先
行予熱時間や駆動周波数を変化させることなしに、残り
の正常なフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 へ予熱に
必要なフィラメント電流を流すことができ、必要な予熱
電力を供給することが可能となるので、予熱後に放電灯
FL1 ,FL2 を安定して始動することができるととも
に放電灯FL1 ,FL2の始動時にフィラメントフィラ
メントF1 ,F2 にかかる負担を軽減することができ、
フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の長寿命化を図る
ことができる。
【0060】なお、上記各実施形態において、予熱時に
おける放電灯FL1 ,FL2 のランプ電圧の周波数特性
を考慮して、予熱時に放電灯FL1 ,FL2 の始動を可
能とするランプ電圧が印加されないように予熱周波数を
設定する必要があることは勿論である。ところで、近
年、照明器具の小型化、放電灯FL1 ,FL2 の高効率
化、省資源化を目的として放電灯FL1 ,FL2 を細径
化する傾向にある。例えば、従来より提供されている定
格消費電力が20W以上の蛍光ランプとして管径を3
6.5mmに統一したものが提供されているのに対し
て、最近ではTL’5(フィリップス社製品)あるいは
T5などの名称で提供されている管径が16mmの細径
の蛍光灯がある。
【0061】この種の細径の放電灯FL1 ,FL2 は単
位長さ当たりのランプインピーダンスが従来の放電灯F
1 ,FL2 に比較して大きいものであるから(ランプ
インピーダンスは例えば、FL20SSで3.9Ω/c
m、FHF32で4.2Ω/cm、TL’5の場合には
14Wのもので8.9Ω/cm)、点灯時におけるフィ
ラメント電流が従来の放電灯FL1 ,FL2 よりも大き
くなる。
【0062】しかしながら、上記各実施形態では、点灯
用共振回路2及び予熱用共振回路3 1 ,32 ,33 ,3
4 はスイッチング素子Q1 ,Q2 の駆動周波数(つま
り、出力周波数)を制御することによって個別に出力を
制御可能となっているから、予熱、始動、全点灯、調光
点灯などの各状態に応じて放電灯FL1 ,FL2 に供給
する電力を変化させるので、予熱時のフィラメント電流
の条件と、全点灯時や調光点灯時の両端電圧ないしフィ
ラメント電流の条件とを同時に満足させることができ、
TL’5やT5のようなランプインピーダンスの比較的
高い放電灯(口金部を除く単位長さ当たりのランプイン
ピーダンス8Ω/cm以上の蛍光灯)FL 1 ,FL2
特に好適である。
【0063】
【発明の効果】請求項1の発明は、スイッチング素子の
駆動周波数が可変な高周波電源と、高周波電源の出力側
に設けられトランスの一次巻線を含むとともにフィラメ
ントを有する複数の放電灯に点灯に必要な電圧を印加す
る点灯用共振回路と、上記トランスの二次巻線を含み各
フィラメントにフィラメント電流をそれぞれ供給する複
数の予熱用共振回路とを備え、点灯用共振回路と予熱用
共振回路とは共振特性が異なる放電灯点灯装置であっ
て、各フィラメントのインピーダンスの変化を検出する
検出手段と、検出手段の出力により予熱時に少なくとも
1つのフィラメントのインピーダンスに異常な変化が検
出された場合に残りのフィラメントには十分な予熱電力
を供給させる補正手段とを設けたので、少なくとも1つ
のフィラメントのインピーダンスが変化しても予熱時に
残りのフィラメントを予熱するのに十分な予熱電力を供
給することができ、予熱後に放電灯を安定して始動でき
るとともに放電灯の始動時にフィラメントにかかる負担
を軽減することができ、上記残りのフィラメントの長寿
命化を図ることができるという効果がある。また、複数
の放電灯のうちの一部が取り外された場合でも残りの放
電灯のフィラメントを十分に予熱して予熱後に安定して
始動させることができるという効果がある。
【0064】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、補正手段は、予熱用共振回路と点灯用共振回路との
うちの少なくとも一方の共振特性を変化させることによ
りフィラメントに流すフィラメント電流を制御するの
で、少なくとも1つのフィラメントのインピーダンスが
変化した場合でも駆動周波数や予熱時間を変化させるこ
となしに残りのフィラメントには予熱するのに十分なフ
ィラメント電流を供給することができ、残りのフィラメ
ントに十分な予熱電力を供給することができるという効
果がある。請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、補正手段は、上記残りのフィラメントに十分な予熱
電力が供給されるように予熱時間を変化させるので、駆
動周波数を変化させることなしに予熱時間を制御するこ
とにより上記残りのフィラメントに供給する予熱電力を
大きくでき、上記残りのフィラメントに十分な予熱電力
を供給することができるという効果がある。
【0065】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、補正手段は、フィラメントに十分な予熱電力が供給
されるように上記スイッチング素子の駆動周波数を変化
させることによりフィラメントに流すフィラメント電流
を制御するので、予熱時間を変化させることなしに、駆
動周波数を変化させることによりフィラメント電流を大
きくすることができ、上記残りのフィラメントに十分な
予熱電力を供給することができるという効果がある。
【0066】請求項5の発明は、請求項1の発明におい
て、補正手段は、上記残りのフィラメントに十分な予熱
電力が供給されるように高周波電源の出力の波高値を変
化させるので、点灯用共振回路のトランスの一次巻線に
発生する電圧が上昇してトランスの二次巻線に発生する
電圧が上昇し、結果として上記残りのフィラメントに供
給される予熱電力が増加するから、予熱時間を変化させ
ることなしに、上記残りのフィラメントに十分な予熱電
力を供給することができるという効果がある。
【0067】請求項6の発明は、請求項1の発明におい
て、トランスは、放電灯ごとに設けられているので、一
方の放電灯のフィラメントのインピーダンスが変化して
も他方の放電灯のフィラメント電流は変化せず、上記他
方の放電灯のフィラメントに該フィラメントを予熱する
のに十分な予熱電力を供給することができるという効果
がある。
【0068】請求項7の発明は、請求項1の発明におい
て、点灯用共振回路から放電灯の両端への印加電圧が予
熱時に放電を開始するランプ電圧未満となるように上記
スイッチング素子の駆動周波数が設定されるので、予熱
時に放電灯の放電が開始されるのを防止することができ
るという効果がある。請求項9の発明は、請求項1の発
明において、高周波電源は、交流電源を全波整流する全
波整流器と、全波整流器の出力端にダイオードを介して
接続される平滑コンデンサと、平滑コンデンサの両端電
圧を高周波電圧に変換する電力変換部と、上記高周波電
圧の一部を上記ダイオードを通る経路で平滑コンデンサ
の入力側に帰還する帰還手段とを備えているので、交流
電源から全波整流器への入力電流を高周波的に流し続け
ることができるから、入力電流に休止期間が生じること
がなく、交流電源と全波整流器との間に簡単な高周波阻
止フィルタを挿入するだけで、入力電流波形を連続的な
ものにすることができ、入力電流歪を低減することがで
きるという効果がある。
【0069】請求項11の発明は、請求項1の発明にお
いて、補正手段は、少なくとも1つの放電灯が取り外さ
れた時に、他の放電灯のフィラメントに十分な予熱電力
を供給させるので、装着されたままの放電灯のフィラメ
ントには十分な予熱電力を供給することができ、予熱後
に装着されたままの放電灯を安定して始動することがで
きるという効果がある。
【0070】請求項12の発明は、請求項1の発明にお
いて、補正手段は、少なくとも1つの放電灯のフィラメ
ントがエミレス状態の時に、他の放電灯のフィラメント
に十分な予熱電力を供給させるので、フィラメントがエ
ミレス状態になった放電灯があっても他の放電灯のフィ
ラメントへは十分な予熱電力を供給することができ、予
熱後に上記他の放電灯を安定して始動することができる
という効果がある。
【0071】請求項13の発明は、請求項1の発明にお
いて、補正手段は、少なくとも1つのフィラメントがシ
ョートした時に、他のフィラメントに十分な予熱電力を
供給させるので、フィラメントがショートした放電灯が
あっても他の放電灯のフィラメントへは十分な予熱電力
を供給することができ、予熱後に上記他の放電灯を安定
して始動することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示す回路図である。
【図2】同上の動作説明図である。
【図3】実施形態2を示す回路図である。
【図4】同上の動作説明図である。
【図5】実施形態3を示す回路図である。
【図6】同上の動作説明図である。
【図7】実施形態5の動作説明図である。
【図8】実施形態6を示す回路図である。
【図9】同上の動作説明図である。
【図10】同上の動作説明図である。
【図11】実施形態7の要部構成図である。
【図12】実施形態8を示す回路図である。
【図13】従来例を示す回路図である。
【図14】同上の動作説明図である。
【符号の説明】
2 点灯用共振回路 31 〜34 予熱用共振回路 7 チョッパ回路 81 〜84 検出回路 11 主制御回路 12 副制御回路 AC 交流電源 DB 全波整流器 INV 電力変換部 Q1 ,Q2 スイッチング素子 T トランス B バランサ C コンデンサ C’ コンデンサ Q3 ,Q4 スイッチング素子 FL1 ,FL2 放電灯

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スイッチング素子の駆動周波数が可変な
    高周波電源と、高周波電源の出力側に設けられトランス
    の一次巻線を含むとともにフィラメントを有する複数の
    放電灯に点灯に必要な電圧を印加する点灯用共振回路
    と、上記トランスの二次巻線を含み各フィラメントにフ
    ィラメント電流をそれぞれ供給する複数の予熱用共振回
    路とを備え、点灯用共振回路と予熱用共振回路とは共振
    特性が異なる放電灯点灯装置であって、各フィラメント
    のインピーダンスの変化を検出する検出手段と、検出手
    段の出力により予熱時に少なくとも1つのフィラメント
    のインピーダンスに異常な変化が検出された場合に残り
    のフィラメントには十分な予熱電力を供給させる補正手
    段とを設けたことを特徴とする放電灯点灯装置。
  2. 【請求項2】 補正手段は、予熱用共振回路と点灯用共
    振回路とのうちの少なくとも一方の共振特性を変化させ
    ることによりフィラメントに流すフィラメント電流を制
    御することを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装
    置。
  3. 【請求項3】 補正手段は、上記残りのフィラメントに
    十分な予熱電力が供給されるように予熱時間を変化させ
    ることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  4. 【請求項4】 補正手段は、上記残りのフィラメントに
    十分な予熱電力が供給されるように上記スイッチング素
    子の駆動周波数を変化させることによりフィラメントに
    流すフィラメント電流を制御することを特徴とする請求
    項1記載の放電灯点灯装置。
  5. 【請求項5】 補正手段は、上記残りのフィラメントに
    十分な予熱電力が供給されるように高周波電源の出力の
    波高値を変化させることを特徴とする請求項1記載の放
    電灯点灯装置。
  6. 【請求項6】 トランスは、放電灯ごとに設けられて成
    ることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  7. 【請求項7】 点灯用共振回路から放電灯の両端への印
    加電圧が予熱時に放電を開始するランプ電圧未満となる
    ように上記スイッチング素子の駆動周波数が設定される
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6記載の放電灯点
    灯装置。
  8. 【請求項8】 放電灯は口金部を除く単位長さ当たりの
    ランプインピーダンスが8Ω/cm以上の蛍光灯である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7記載の放電灯点
    灯装置。
  9. 【請求項9】 高周波電源は、交流電源を全波整流する
    全波整流器と、全波整流器の出力端にダイオードを介し
    て接続される平滑コンデンサと、平滑コンデンサの両端
    電圧を高周波電圧に変換する電力変換部と、上記高周波
    電圧の一部を上記ダイオードを通る経路で平滑コンデン
    サの入力側に帰還する帰還手段とを備えて成ることを特
    徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  10. 【請求項10】 2個の上記放電灯を有し、点灯用共振
    回路は、バランサを有し該バランサの両端それぞれに各
    放電灯の一方のフィラメントが接続されることにより両
    放電灯が並列に接続されて成ることを特徴とする請求項
    1記載の放電灯点灯装置。
  11. 【請求項11】 補正手段は、少なくとも1つの放電灯
    が取り外された時に、他の放電灯のフィラメントに十分
    な予熱電力を供給させることを特徴とする請求項1記載
    の放電灯点灯装置。
  12. 【請求項12】 補正手段は、少なくとも1つの放電灯
    のフィラメントがエミレス状態の時に、他の放電灯のフ
    ィラメントに十分な予熱電力を供給させることを特徴と
    する請求項1記載の放電灯点灯装置。
  13. 【請求項13】 補正手段は、少なくとも1つのフィラ
    メントがショートした時に、他のフィラメントに十分な
    予熱電力を供給させることを特徴とする請求項1記載の
    放電灯点灯装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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