JP3858407B2 - 放電灯点灯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィラメントを有する放電灯に高周波電力を供給して点灯させる放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、図13に示すように、フィラメントF1 ,F2 を有する放電灯FL1 及びフィラメントF3 ,F4 を有する放電灯FL2 を高周波電力で点灯させる放電灯点灯装置が提案されている。図13に示す放電灯点灯装置は、商用電源のような交流電源ACをダイオードブリッジからなる全波整流器DBにより整流し、全波整流器DBの出力をダイオードD1 ,D2 の直列回路を介して平滑コンデンサC0 で平滑することにより直流電源を得て、該直流電源を電力変換部INVにより高周波電力に変換し、後述の点灯用共振回路2を通して放電灯FL1 ,FL2 に高周波電力を供給するものである。
【0003】
電力変換部INVは、MOSFETよりなるスイッチング素子Q1 ,Q2 の直列回路が平滑コンデンサC0 の両端間に接続され、スイッチング素子Q2 の両端には直流カット用のコンデンサC1 とインダクタL1 とコンデンサC12との直列回路が並列に接続されている。ここで、インダクタL1 とコンデンサC12はLC共振回路を構成している。なお、図13中のダイオードD01,D02は還流用のダイオードであり、スイッチング素子Q1 ,Q2 を構成する各MOSFETの寄生ダイオードにより実現される。ここで、スイッチング素子Q1 ,Q2 はPWM信号発生器からなる制御手段5により生成された制御信号をドライバ6を通して与えることにより同時にオンにならないように高周波で交互にオンオフされる。
【0004】
ところで、図13に示す構成では、インダクタL1 とコンデンサC12との接続点aを、電源帰還用のインピーダンス要素(帰還手段)であるコンデンサC3 を介して両ダイオードD1 ,D2 の接続点bに接続してある。
コンデンサC12の両端間には、インダクタL21とコンデンサC20とトランスTの一次巻線n1 との直列回路が接続され、インダクタL21とコンデンサC20との接続点はバランサBの中点に接続されている。さらに、バランサBの両側の巻線LB1,LB2それぞれの一端はコンデンサC8 ,C9 の一端に接続され、各コンデンサC8 ,C9 の他端はトランスTの一次巻線n1 とコンデンサC12との接続点側に接続されている。また、コンデンサC8 ,C9 の両端間には放電灯FL1 ,FL2 が接続されている。なお、図13に示す構成では、インダクタL21、コンデンサC20、トランスTの一次巻線n1 、バランサBの巻線LB1,LB2、コンデンサC8 ,C9 により上述の点灯用共振回路2を構成している。
【0005】
また、トランスTは一次巻線n1 に磁気結合された4つの二次巻線n21,n22,n23,n24を有しており、2つの二次巻線n21,n22がそれぞれコンデンサC21,C22を介して放電灯FL1 のフィラメントF1 ,F2 に接続され、残りの2つの二次巻線n23,n24がそれぞれコンデンサC23,C24を介して放電灯FL2 のフィラメントF3 ,F4 に接続されている。ここで、各フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 と、各フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 に接続されるコンンデンサC21,C22,C23,C24と、各二次巻線n21,n22,n23,n24との直列回路はそれぞれフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 を予熱するための予熱用共振回路31 ,32 ,33 ,34 を構成している。各予熱用共振回路31 ,32 ,33 ,34 は、電力変換部INVとスイッチング素子Q1 ,Q2 を共用しているが、点灯用共振回路2と各予熱用共振回路31 ,32 ,33 ,34 とは別々に共振特性を有するので、各予熱用共振回路31 ,32 ,33 ,34 で、独立にフィラメント電流を設定することができる。
【0006】
以下、図13に示す構成の放電灯点灯装置の動作を図14を参照して説明する。
この放電灯点灯装置は、上述のように電力変換部INVの両スイッチング素子Q1 ,Q2 を同時にオンにならないように高周波で交互にオンオフすることにより放電灯FL1 ,FL2 を高周波点灯させるものである。つまり、電力変換部INVの両スイッチング素子Q1 ,Q2 を交互にオンオフすることにより、平滑コンデンサC0 からコンデンサC1 を通して各放電灯FL1 ,FL2 に電力を供給する状態と、コンデンサC1 を電源として各放電灯FL1 ,FL2 に電力を供給する状態とを繰り返すことで、各放電灯FL1 ,FL2 に高周波の交番電流を流すようになっている。しかして、スイッチング素子Q1 ,Q2 をスイッチングする駆動周波数を変化させると、各放電灯FL1 ,FL2 へ供給される電圧を変化させることができ、予熱、始動、全点灯(定格点灯)、調光点灯の各動作が可能になるのである。
【0007】
ところで、図13の構成では、全波整流器DBの出力端の高電位側端と平滑コンデンサC0 との間にダイオードD1 ,D2 の直列回路が接続され、インダクタL1 とコンデンサC21との接続点aを、コンデンサC3 を介して両ダイオードD1 ,D2 の接続点bに接続してあるので、インダクタL1 とコンデンサC21との接続点aの電位(高周波電圧の振幅)に応じて、コンデンサC3 側への入力電流の引込み及び平滑コンデンサC0 への充電が行なわれる。すなわち、全波整流器DBの出力端の高電位側端の電位をVdb、両ダイオードD1 ,D2 の接続点bの電位をVb とし、電力変換部INVとコンデンサC3 との接続点の電位(帰還電源の電圧)、つまりインダクタL1 とコンデンサC21との接続点aの電位をVa とすると、Va がVb よりも低下した時にはVb とVa との差の電圧がコンデンサC3 に印加され、コンデンサC3 に電荷が蓄積される。一方、Va がVb よりも大きくなった時にはコンデンサC3 に蓄積された電荷がダイオードD2 を通して平滑コンデンサC0 に充電される。また、電力変換部INVは、インダクタL21、コンデンサC21、トランスTの一次巻線n1 、バランサBの両巻線LB1,LB2、コンデンサC8 、コンデンサC9 からなる上記点灯用共振回路2を通して放電灯FL1 ,FL2 に電力を供給する。なお、図13の基本構成は特願平8−303740号に記載されている。
【0008】
図13に示す構成では、このような動作が図14(a)に示す交流電源ACの電圧VACの商用周期の全区間にわたって繰り返され、交流電源ACから全波整流器DBへの入力電流IACを図14(b)に示すように高周波的に流し続けることができるから、入力電流IACに休止期間が生じないのであり、交流電源ACと全波整流器DBとの間に簡単な高周波阻止フィルタを挿入するだけで、入力電流波形を連続的なものにすることができ、入力電流歪を低減することが可能である。なお、図14(c)は放電灯FL1 に流れるランプ電流Ilaを示している。
【0009】
ところで、図13に示す構成では、上述のようにコンデンサC3 が回路動作に関与しない期間と関与する期間とがあるので、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 に流れるフィラメト電流の周波数特性はコンデンサC3 が回路動作に関与しない期間の周波数特性と、コンデンサC3 が回路動作に関与する期間の周波数特性とがある。前者の周波数特性を図9の▲1▼に、後者の周波数特性を図10の▲1▼に示す。ここにおいて、スイッチング素子Q1 ,Q2 の駆動周波数は、予熱時には点灯用共振回路2の共振周波数に比較して十分に高い予熱周波数f0 に設定されており、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の予熱後に駆動周波数を引き下げ点灯用共振回路2の共振周波数に近い始動周波数に到達させると、放電灯FL1 ,FL2 の両端電圧が上昇し、放電灯FL1 ,FL2 の両端電圧が始動電圧に達して点灯する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来構成では、両放電灯FL1 ,FL2 の一方が外れたり、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のうちの1つがエミレス等の原因によりインピーダンスが大きく変化した状態では、残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 に流れるフィラメント電流の周波数特性が大きく変化する。上述の図9及び図10の▲2▼にこのときの残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 に流れるフィラメント電流の周波数特性の例を示す。すなわち、図9及び図10の▲1▼は全てのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 が正常なとき(以下、フィラメント正常時と称す)の周波数特性を示し、図9及び図10の▲2▼は全てのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のうちの1つが異常なとき(以下、フィラメント異常時と称す)の周波数特性を示す。図9及び図10において、いま、先行予熱時の駆動周波数を上述の予熱周波数f0 とすると、フィラメント正常時のフィラメント電流はIf01 ,If02 であるが、フィラメント異常時には残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 に流れるフィラメント電流がIf11 (If11 <If01 ),If12 (If12 <If02 )に低下するので、残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 に適切な先行予熱電流が供給されなくなり、低温始動時、高温再始動時などにおける放電灯の始動が難しくなるとともに残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の寿命が短くなるという不具合があった。
【0011】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、複数の放電灯へ予熱時にフィラメントを予熱するのに十分な予熱電力を供給し予熱後に放電灯を安定して始動できる放電灯点灯装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1〜4の発明は、上記目的を達成するために、スイッチング素子の駆動周波数が可変な高周波電源と、高周波電源の出力側に設けられトランスの一次巻線を含むとともにフィラメントを有する複数の放電灯に点灯に必要な電圧を印加する点灯用共振回路と、上記トランスの二次巻線を含み各フィラメントにフィラメント電流をそれぞれ供給する複数の予熱用共振回路とを備え、点灯用共振回路と予熱用共振回路とは共振特性が異なる放電灯点灯装置であって、各フィラメントのインピーダンスの変化を検出する検出手段と、検出手段の出力により予熱時に少なくとも1つのフィラメントのインピーダンスに異常な変化が検出された場合に残りのフィラメントには十分な予熱電力を供給させる補正手段とを設けたことを特徴とするものであり、少なくとも1つのフィラメントのインピーダンスが変化しても予熱時に残りのフィラメントを予熱するのに十分な予熱電力を供給することができ、予熱後に放電灯を安定して始動できるとともに放電灯の始動時にフィラメントにかかる負担を軽減することができ、上記残りのフィラメントの長寿命化を図ることができる。また、複数の放電灯のうちの一部が取り外された場合でも残りの放電灯のフィラメントを十分に予熱して予熱後に安定して始動させることができる。
【0013】
ここで、請求項1の発明では、補正手段は、予熱用共振回路と点灯用共振回路とのうちの少なくとも一方の共振特性を変化させることによりフィラメントに流すフィラメント電流を制御するので、少なくとも1つのフィラメントのインピーダンスが変化した場合でも駆動周波数や予熱時間を変化させることなしに残りのフィラメントには予熱するのに十分なフィラメント電流を供給することができ、残りのフィラメントに十分な予熱電力を供給することができる。
【0014】
請求項2の発明では、補正手段は、上記残りのフィラメントに十分な予熱電力が供給されるように予熱時間を変化させるので、駆動周波数を変化させることなしに予熱時間を制御することにより上記残りのフィラメントに供給する予熱電力を大きくでき、上記残りのフィラメントに十分な予熱電力を供給することができる。
【0015】
請求項3の発明では、補正手段は、フィラメントに十分な予熱電力が供給されるように上記スイッチング素子の駆動周波数を変化させることによりフィラメントに流すフィラメント電流を制御するので、予熱時間を変化させることなしに、駆動周波数を変化させることによりフィラメント電流を大きくすることができ、上記残りのフィラメントに十分な予熱電力を供給することができる。
【0016】
請求項4の発明では、補正手段は、上記残りのフィラメントに十分な予熱電力が供給されるように高周波電源の出力の波高値を変化させるので、点灯用共振回路のトランスの一次巻線に発生する電圧が上昇してトランスの二次巻線に発生する電圧が上昇し、結果として上記残りのフィラメントに供給される予熱電力が増加するから、予熱時間を変化させることなしに、上記残りのフィラメントに十分な予熱電力を供給することができる。
【0017】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4の発明において、点灯用共振回路から放電灯の両端への印加電圧が予熱時に放電を開始するランプ電圧未満となるように上記スイッチング素子の駆動周波数が設定されるので、予熱時に放電灯の放電が開始されるのを防止することができる。
【0018】
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5の発明において、放電灯は口金部を除く単位長さ当たりのランプインピーダンスが8Ω/cm以上の蛍光灯であることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6の発明において、高周波電源は、交流電源を全波整流する全波整流器と、全波整流器の出力端にダイオードを介して接続される平滑コンデンサと、平滑コンデンサの両端電圧を高周波電圧に変換する電力変換部と、上記高周波電圧の一部を上記ダイオードを通る経路で平滑コンデンサの入力側に帰還する帰還手段とを備えているので、交流電源から全波整流器への入力電流を高周波的に流し続けることができるから、入力電流に休止期間が生じることがなく、交流電源と全波整流器との間に簡単な高周波阻止フィルタを挿入するだけで、入力電流波形を連続的なものにすることができ、入力電流歪を低減することができる。
【0019】
請求項8の発明は、請求項1乃至請求項7の発明において、2個の上記放電灯を有し、点灯用共振回路は、バランサを有し該バランサの両端それぞれに各放電灯の一方のフィラメントが接続されることにより両放電灯が並列に接続されていることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1に本実施形態の放電灯点灯装置の回路図を示す。本実施形態の放電灯点灯装置は、商用電源のような交流電源ACをダイオードブリッジからなる全波整流器DBで整流し、全波整流器DBの出力を昇圧型のチョッパ回路7で昇圧して得て、該直流電源を電力変換部INVにより高周波電力に変換し、後述の点灯用共振回路2を通して放電灯FL1 ,FL2 に高周波電力を供給するものである。なお、本実施形態では、交流電源AC、チョッパ回路7、電力変換部INVにより高周波電源を構成している。
【0023】
チョッパ回路7は、全波整流器DBの出力端間に接続されるインダクタL0 とチョッパ用のスイッチング素子Q0 との直列回路と、スイッチング素子Q0 の両端に接続されるダイオードD0 と平滑コンデンサC0 との直列回路とを備えている。チョッパ回路7は、主制御回路11によってスイッチング素子Q0 を高周波でスイッチングして全波整流器DBの出力をチョッピングし、スイッチング素子Q0 のオンのときにインダクタL0 に蓄積されたエネルギをスイッチング素子Q0 のオフのときにダイオードD0 を介して放出するとともに、ダイオードD0 を介して出力されるチョッピング電圧を平滑コンデンサC0 で平滑するものである。本実施形態では、全波整流器DBの出力端側と電力変換部INVとの間にチョッパ回路7を設けることにより、交流電源ACから全波整流器DBへの入力電流を高周波的に流し続けることができるから、入力電流に休止期間が生じないのであり、交流電源ACと全波整流器DBとの間に簡単な高周波阻止フィルタを挿入するだけで、入力電流波形を連続的なものにすることができ、入力電流歪を低減することが可能である。
【0024】
電力変換部INVは、他励式のハーフブリッジ構成のものを用いており、チョッパ回路7の平滑コンデンサC0 に並列接続されるMOSFETからなるスイッチング素子Q1 ,Q2 の直列回路を備え、スイッチング素子Q1 ,Q2 は主制御回路11によって同時にオンにならないように高周波で交互にオンオフされる。ここで、主制御回路11は、電力変換部INVのスイッチング素子Q1 ,Q2 をオンオフ制御する機能と、チョッパ回路7のスイッチング素子Q0 をオンオフする機能とを有している。なお、主制御回路11は、従来構成で説明した制御手段5及びドライバ6の機能を備えている。
【0025】
電力変換部INVを構成するスイッチング素子Q2 の両端には、直流カット用のコンデンサCc を介してインダクタLと予熱用のトランスTの一次巻線n1 とコンデンサC’と共振用のコンデンサCとの直列回路が接続され、コンデンサC’の両端にMOSFETからなるスイッチング素子Q3 ,Q4 の直列回路が接続されている。また、トランスTの一次巻線n1 とコンデンサC’との接続点は、バランサBの中点に接続され、バランサBの両側の巻線LB1,LB2それぞれの一端は放電灯FL1 ,FL2 の一方のフィラメントF1 ,F3 に接続され、放電灯FL1 ,FL2 の他方のフィラメントF2 ,F4 はコンデンサCの一端とスイッチング素子Q2 との接続点側に接続されている。なお、本実施形態では、コンデンサCc 、インダクタL、トランスTの一次巻線n1 、バランサBの巻線LB1,LB2、コンデンサC' ,コンデンサC、スイッチング素子Q3 ,Q4 により上述の点灯用共振回路2を構成している。
【0026】
また、トランスTは一次巻線n1 に磁気結合された4つの二次巻線n21,n22,n23,n24を有しており、2つの二次巻線n21,n22がそれぞれコンデンサC21,C22を介して放電灯FL1 のフィラメントF1 ,F2 に接続され、残りの2つの二次巻線n23,n24がそれぞれコンデンサC23,C24を介して放電灯FL2 のフィラメントF3 ,F4 に接続されている。さらに、各フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の両端間には、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の状態(放電灯FL1 ,FL2 を外した時やエミレス時やショート時などにおけるフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のインピーダンスの変化)を検出する検出する検出手段たる検出回路81 ,82 ,83 ,84 が接続され、上記二次巻線n21,n22,n23,n24と上記コンンデンサC21,C22,C23,C24との各直列回路は検出回路81 ,82 ,83 ,84 に並列接続されている。なお、本実施形態では、上記二次巻線n21,n22,n23,n24と上記コンンデンサC21,C22,C23,C24との直列回路がそれぞれ予熱用共振回路31 ,32 ,33 ,34 を構成している。
【0027】
ところで、点灯用共振回路2の上記スイッチング素子Q3 ,Q4 は、副制御回路12によりオンオフ制御されるようになっており、副制御回路12は、各検出回路81 ,82 ,83 ,84 の出力に基づいて上記スイッチング素子Q3 ,Q4 をオンオフ制御する。ここで、両スイッチング素子Q3 ,Q4 はソース同士、ゲート同士をそれぞれ共通接続してあり、両スイッチング素子Q3 ,Q4 がオフした状態では、各スイッチング素子Q3 ,Q4 の寄生ダイオード(図示せず)を介して電流が流れないようになっている。したがって、上述の点灯用共振回路2は、両スイッチング素子Q3 ,Q4 を同時にオンオフすることにより共振特性を変化できるようになっている。すなわち、点灯用共振回路2は、各フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の状態に基づいて共振特性を変化させることができる。なお、本実施形態では、コンデンサC’、スイッチング素子Q3 ,Q4 、副制御回路12により補正手段を構成している。
【0028】
以下、本実施形態の放電灯点灯装置の動作について説明する。電力変換部INVのスイッチング素子Q1 ,Q2 は上述のように主制御回路11によって同時にオンにならないように高周波で交互にオンオフされる。したがって、スイッチング素子Q1 のオン期間にコンデンサCc に蓄積した電荷をスイッチング素子Q2 のオン期間に放出することで各放電灯FL1 ,FL2 それぞれに交番した高周波電力を与えることができるようになっている。しかして、スイッチング素子Q1 ,Q2 をスイッチングする駆動周波数を変化させると、放電灯FL1 ,FL2 へ供給される電圧を変化させることができ、予熱、始動、全点灯(定格点灯)、調光点灯の各動作が可能となるのである。
【0029】
なお、各予熱用共振回路31 ,32 ,33 ,34 は、電力変換部INVとスイッチング素子Q1 ,Q2 を共用しているが、点灯用共振回路2と各予熱用共振回路31 ,32 ,33 ,34 とは別々に共振特性を持たせてある。つまり、各予熱用共振回路31 ,32 ,33 ,34 で独立にフィラメント電流を設定することができるようになっている。
【0030】
ところで、本実施形態における全てのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 が正常な時、つまり、フィラメント正常時のフィラメト電流の周波数特性は図2の▲1▼に示すような特性を有している。本実施形態においても全てのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のうちの1つのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のインピーダンスが異常に変化するとフィラメント電流の周波数特性が変化し、すなわち、放電灯FL1 ,FL2 を外した時やエミレス時やショート時などのフィラメント異常時に少なくとも1つのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のインピーダンスが大きく変化して残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のフィラメント電流の周波数特性が変化し、該変化した状態では上記残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 へのフィラメント電流は図2の▲2▼に示すような周波数特性を有するようになる。いま、先行予熱時の駆動周波数を予熱周波数f0 とすると、フィラメント正常時のフィラメント電流はIf0であるが、フィラメント異常時には上記残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 に流れるフィラメント電流の周波数特性が図2の▲2▼に示すようになり、フィラメント電流がIf1まで低下するので、上記残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 に適切な先行予熱電流が供給されなくなる。
【0031】
しかしながら、本実施形態では、先行予熱の直前もしくは先行予熱期間の早い段階で、検出回路81 ,82 ,83 ,84 によりフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のインピーダンスが異常に変化した状態が検出されると、副制御回路12が検出回路81 ,82 ,83 ,84 の出力に基づいて両スイッチング素子Q3 ,Q4 をオフして点灯用共振回路2の周波数特性を変化させる。すなわち、フィラメント正常時(通常時)は、両スイッチング素子Q3 ,Q4 はオンされており、電力変換部INVのスイッチング素子Q2 の両端間には、直流カット用のコンデンサCc を介してインダクタL1 とトランスTの一次巻線n1 とスイッチング素子Q3 とスイッチング素子Q4 とコンデンサCとの直列回路が接続され、フィラメント異常時には、電力変換部INVのスイッチング素子Q2 の両端間に、コンデンサCc を介してインダクタL1 とトランスTの一次巻線n1 とコンデンサC’とコンデンサCとの直列回路が接続される。
【0032】
要するに、本実施形態では、フィラメント異常時に、検出回路81 ,82 ,83 ,84 の出力に基づいて副制御回路12が両スイッチング素子Q3 ,Q4 をオフすることによって、コンデンサC’が点灯用共振回路2の共振要素として機能し、上記残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のフィラメント電流の周波数特性が図2の▲3▼に示すように変化する。つまり、予熱時の駆動周波数である予熱周波数f0 におけるフィラメント電流がIf0に近づくようにコンデンサC’の容量を設定してあり、本実施形態では、図2の▲3▼に示すように、予熱周波数f0 におけるフィラメント電流はIf2(|If2−If0|<|If1−If0|) となる。
【0033】
しかして、本実施形態では、放電灯FL1 ,FL2 の一方が外れた場合や、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のエミレスや、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のショート等のフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の異常が発生している状態で、予熱時の駆動周波数を変化させることなく、点灯用共振回路2の共振特性を変化させることにより、上記残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 に予熱に必要な大きさの電流を供給することが可能となるので、予熱時間を変化させることなしに予熱に必要な電力を供給することができ、予熱後に放電灯FL1 ,FL2 を安定して始動することができるとともに放電灯FL1 ,FL2 の始動時にフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 にかかる負担を軽減することができ、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の長寿命化を図ることができる。
【0034】
(実施形態2)
図3に本実施形態の放電灯点灯装置の回路図を示す。本実施形態の基本構成は実施形態1と略同じであり、点灯用共振回路2の構成が相違する。図3中の1は、実施形態1の回路構成における交流電源AC、全波整流器DB、チョッパ回路7、電力変換部INV、主制御回路11により構成される高周波電源を示している。なお、該高周波電源1は、図13に示した従来構成における交流電源AC、全波整流器DB、ダイオードD1 ,D2 、電力変換部INV、コンデンサC3 (帰還手段)、制御手段5、ドライバ6などにより構成してもよい。
【0035】
本実施形態における点灯用共振回路2は、高周波電源1の出力端間(つまり、電力変換部INVの出力端間)に、直流カット用のコンデンサCc を介してインダクタLとトランスTの一次巻線n1 と共振用のコンデンサCとの直列回路が接続され、トランスTの一次巻線n1 とコンデンサCとの接続点がバランサBの中点に接続され、バランサBの両側の巻線LB1,LB2それぞれの一端が放電灯FL1 ,FL2 の一方のフィラメントF1 ,F3 に接続され、放電灯FL1 ,FL2 の他方のフィラメントF2 ,F4 がコンデンサCとスイッチング素子Q2 (図1参照)の接続点側に接続されている。すなわち、本実施形態の点灯用共振回路2の基本構成は実施形態1と略同じであるが、スイッチング素子Q3 ,Q4 及びコンデンサC’を備えていない点で相違する。
また、トランスTは一次巻線n1 に磁気結合された8つの二次巻線n21,n21’,n22,n22’,n23,n23’,n24,n24’を有しており、そのうちの2つの二次巻線n21,n22がそれぞれスイッチング素子S21’,S22’とコンデンサC21,C22とを介して放電灯FL1 のフィラメントF1 ,F2 に接続され、他の2つの二次巻線n23,n24がそれぞれスイッチング素子S23’,S24’とコンデンサC23,C24を介して放電灯FL2 のフィラメントF3 ,F4 に接続されている。また、各フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の両端間には、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の状態(インピーダンスの変化)を検出する検出手段たる検出回路81 ,82 ,83 ,84 が接続され、上記二次巻線n21,n22,n23,n24と上記スイッチング素子S21’,S22’,S23’,S24’と上記コンデンサC21,C22,C23,C24との各直列回路は検出回路81 ,82 ,83 ,84 に並列接続されている。さらに、各スイッチング素子S21’,S22’,S23’,S24’の両端間には、スイッチング素子S21,S22,S23,S24と二次巻線n21’,n22’,n23’,n24’との直列回路が接続されている。すなわち、本実施形態における予熱用共振回路31 ,32 ,33 ,34 は、上記二次巻線n21,n22,n23,n24と上記スイッチング素子S21’,S22’,S23’,S24’と上記コンンデンサC21,C22,C23,C24との直列回路と、スイッチング素子S21,S22,S23,S24と二次巻線n21’,n22’,n23’,n24’との直列回路とを備えている。ここで、スイッチング素子S21’,S22’,S23’,S24’とスイッチング素子S21,S22,S23,S24とは、副制御回路12によって個別にオンオフ制御できるようになっており、副制御回路12は、検出回路81 ,82 ,83 ,84 によりフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のフィラメント異常が検出されたときに、検出回路81 ,82 ,83 ,84 の出力に基づいてスイッチング素子S21’,S22’,S23’,S24’とスイッチング素子S21,S22,S23,S24との状態を変化させるようになっている。すなわち、本実施形態では、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 ごとにフィラメント電流を変化させることができる。なお、本実施形態では、スイッチング素子S21’,S22’,S23’,S24’、スイッチング素子S21,S22,S23,S24、二次巻線n21’,n22’,n23’,n24’、副制御回路12により補正手段を構成している。
【0036】
本実施形態では、両放電灯FL1 ,FL2 が装着されている場合、フィラメント正常時、つまり、通常時は、スイッチング素子S21,S22,S23,S24がオフされ、スイッチング素子S21’,S22’,S23’,S24’がオンされている。したがって、フィラメント正常時は二次巻線n21,n22,n23,n24と上記コンデンサC21,C22,C23,C24との直列回路がフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の両端間に接続されることになる。
【0037】
しかして、本実施形態におけるフィラメント正常時のフィラメト電流の周波数特性は実施形態1と同様の特性であって図4の▲1▼に示すような特性を有している。本実施形態においても全てのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のうちの1つのインピーダンスが異常に変化すると残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 へ流れるフィラメント電流の周波数特性が変化し、例えば、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のエミレスの原因によりフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のインピーダンスが大きく変化した状態では上記残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 へのフィラメント電流は図4の▲2▼に示すような周波数特性を有するようになる。いま、先行予熱時の駆動周波数を予熱周波数f0 とすると、フィラメント正常時のフィラメント電流はIf0であるが、フィラメント異常時には上記残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のフィラメント電流の周波数特性が図4の▲2▼に示すように変化しフィラメント電流がIf1まで低下するので、上記残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 に適切な先行予熱電流が供給されなくなる。
【0038】
しかしながら、本実施形態では、先行予熱の直前もしくは先行予熱期間の早い段階で、検出回路81 ,82 ,83 ,84 によりフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のインピーダンスの異常な変化が検出されると、副制御回路12が検出回路81 ,82 ,83 ,84 の出力に基づいてスイッチング素子S21,S22,S23,S24をオンさせ、スイッチング素子S21’,S22’,S23’,S24’をオフさせることにより、予熱用共振回路31 ,32 ,33 ,34 の周波数特性(共振周波数)を変化させる。例えば、フィラメントF1 について説明すると、フィラメント正常時、つまり、通常時は、スイッチング素子S21がオフし、スイッチング素子S21’がオンしており、フィラメントF1 の両端間には、二次巻線n21とスイッチング素子S21’とコンデンサC21との直列回路が接続され、フィラメント異常時は、スイッチング素子S21がオンし、スイッチング素子S21’がオフするので、二次巻線n21とスイッチング素子S21と二次巻線n21’とコンデンサC21との直列回路が接続されることになる。
【0039】
要するに、本実施形態では、フィラメント正常時とフィラメント異常時とで予熱共振回路31 ,32 ,33 ,34 の共振周波数が変化する。ここで、本実施形態では、フィラメント異常時に、予熱時の駆動周波数である予熱周波数f0 における上記残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のフィラメント電流がIf0に近づくように二次巻線n21’のインダクタンスを設定してあり、フィラメント異常時の上記残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のフィラメント電流の周波数特性は図4の▲3▼に示すように変化する。つまり、予熱時の駆動周波数である予熱周波数f0 におけるフィラメント電流はIf2(|If2−If0|<|If1−If0|) となる。
【0040】
しかして、本実施形態では、放電灯FL1 ,FL2 の一方が外れた場合や、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のエミレスや、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のショート等のフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の異常が発生している状態で、予熱時の駆動周波数を変化させることなく、予熱用共振回路31 ,32 ,33 ,34 の共振特性を変化させることにより、上記残りのフィラメントフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 に予熱に必要な大きさの電流を供給することが可能となるので、予熱時間を変化させることなしに予熱に必要な電力を供給することができ、予熱後に放電灯FL1 ,FL2 を安定して始動することができるとともに放電灯FL1 ,FL2 の始動時にフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 にかかる負担を軽減することができ、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の長寿命化を図ることができる。
【0041】
(実施形態3)
図5に本実施形態の放電灯点灯装置の回路図を示す。本実施形態の放電灯点灯装置の基本構成は実施形態1と略同じなので、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付し相違する点についてのみ説明する。
本実施形態では、実施形態1におけるコンデンサC’、スイッチング素子Q3 ,Q4 を設ける替わりに、検出回路81 ,82 ,83 ,84 の出力に基づいて主制御回路11によって電力変換部INVのスイッチング素子Q1 ,Q2 を制御し、先行予熱時間を制御する点に特徴がある。なお、本実施形態では、主制御回路11が補正手段を構成している。
【0042】
本実施形態におけるフィラメト電流の周波数特性はフィラメント正常時は実施形態1と同様であって図6の▲1▼に示すような特性を有している。本実施形態においても全てのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のうちの少なくとも1つのインピーダンスが異常に変化すると残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のフィラメント電流の周波数特性が変化し、例えば、放電灯FL1 を外した状態では、図6の▲2▼に示すような周波数特性を有するようになる。いま、先行予熱時の駆動周波数を予熱周波数f0 とすると、フィラメント正常時のフィラメント電流はIf0であるが、フィラメント異常時には上記残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の周波数特性が図6の▲2▼に示すように変化しフィラメント電流がIf1まで低下する。
【0043】
しかしながら、本実施形態では、主制御回路11が検出回路81 ,82 ,83 ,84 の出力に基づいて先行予熱時間を変化させ、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 を予熱する時間を長くすることにより、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 へ十分な予熱電力を供給する。
しかして、本実施形態では、放電灯FL1 ,FL2 の一方が外れた場合や、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のエミレス時や、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のショート等のフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の異常が発生している状態で、予熱時の駆動周波数を変化させることなく、予熱時間を変化させることにより、上記残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 へ予熱に必要な電力を供給することが可能となるので、予熱後に放電灯FL1 ,FL2 を安定して始動することができるとともに放電灯FL1 ,FL2 の始動時にフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 にかかる負担を軽減することができ、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の長寿命化を図ることができる。
【0044】
(実施形態4)
本実施形態の基本構成は図5に示した実施形態3の構成と略同じであり、検出回路81 ,82 ,83 ,84 の出力に基づいて主制御回路11によって電力変換部INVのスイッチング素子Q1 ,Q2 の駆動周波数を変化させる点に特徴がある。すなわち、実施形態3ではフィラメント異常時に主制御回路11によって先行予熱時間を変化させていたのに対し、本実施形態ではフィラメント異常時に主制御回路11によってスイッチング素子Q1 ,Q2 の駆動周波数を変化させフィラメント電流を制御する。なお、本実施形態では、主制御回路11が補正手段を構成している。
【0045】
本実施形態におけるフィラメント電流の周波数特性は実施形態3と同様に、フィラメント正常時は図6の▲1▼に示す特性を有し、フィラメント異常時は正常な残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のフィラメント電流は図6の▲2▼に示す特性を有している。本実施形態では、検出回路81 ,82 ,83 ,84 によりフィラメント異常が検出されたとき、主制御回路11が検出回路81 ,82 ,83 ,84 の出力に基づいて駆動周波数を変化させる。ここで、フィラメント正常時の駆動周波数を予熱周波数f0 、フィラメント電流をIf0とすると、フィラメント異常時には上記残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のフィラメント電流の周波数特性が図6の▲2▼に示すように変化するが、主制御回路11は上記残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のフィラメント電流がIf0となるように駆動周波数をf1 (f1 <f0 )に変化させる。その結果、フィラメント異常時にも先行予熱時間を変化させることなしに上記残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 に予熱に十分な電流を流すことができる。
【0046】
しかして、本実施形態では、放電灯FL1 ,FL2 の一方が外れた場合や、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のエミレス時や、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のショート等のフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の異常が発生している状態で、先行予熱時間を変化させることなしに、正常な上記残りのフィラメントフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 へ予熱に必要なフィラメント電流を流すことができ、必要な予熱電力を供給することが可能となるので、予熱後に放電灯FL1 ,FL2 を安定して始動することができるとともに放電灯FL1 ,FL2 の始動時にフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 にかかる負担を軽減することができ、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の長寿命化を図ることができる。
【0047】
(実施形態5)
本実施形態の基本構成は図5に示した実施形態3の構成と略同じであり、検出回路81 ,82 ,83 ,84 の出力に基づいて主制御回路11によるチョッパ回路7のスイッチング素子Q0 の制御信号を変化させ、平滑コンデンサC0 の両端電圧を変化させる点に特徴がある。ここで、平滑コンデンサC0 の両端電圧は、電力変換部INVの電源となる直流電圧なので、平滑コンデンサC0 の両端電圧を変化させることにより、スイッチング素子Q1 ,Q2 をスイッチングする駆動周波数を変化させることなくフィラメント電流を大きくすることができる。なお、本実施形態では、主制御回路11が補正手段を構成している。
【0048】
本実施形態におけるフィラメント電流の周波数特性は実施形態3と同様であって、フィラメント正常時は図7の▲1▼に示す特性を有し、フィラメント異常時は正常な残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 は図7の▲2▼に示す特性を有している。なお、駆動周波数を予熱周波数f0 とすると、▲1▼の特性ではフィラメント電流はIf0であるが、▲2▼の特性ではフィラメント電流はIf1まで低下する。しかしながら、本実施形態では、検出回路81 ,82 ,83 ,84 によりフィラメント異常が検出された場合には、主制御回路11が検出回路81 ,82 ,83 ,84 の出力に基づいてスイッチング素子Q0 の制御信号を変化させ、フィラメント電流がIf0に近づくように平滑コンデンサC0 の両端電圧を増加させる(つまり、高周波電源の出力の波高値を大きくする)ので、上記残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のフィラメント電流の周波数特性が図7の▲3▼に示すような周波数特性へ変化する。図7の▲3▼に示す周波数特性は、▲2▼に示す周波数特性と同じ位置にピークを有するが、同一の予熱周波数f0 におけるフィラメント電流は▲3▼の方が大きい。
【0049】
しかして、本実施形態では、放電灯FL1 ,FL2 の一方が外れた場合や、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のエミレス時や、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のショート等のフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の異常が発生している状態で、先行予熱時間や駆動周波数を変化させることなしに、電力変換部INVの電源電圧を増加させることにより、正常な上記残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 へ予熱に必要なフィラメント電流を流すことができ、必要な予熱電力を供給することが可能となるので、予熱後に放電灯FL1 ,FL2 を安定して始動することができるとともに放電灯FL1 ,FL2 の始動時にフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 にかかる負担を軽減することができ、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の長寿命化を図ることができる。
【0050】
(実施形態6)
図8に本実施形態の放電灯点灯装置の回路図を示す。本実施形態の基本構成は従来構成と略同じであり、各フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 に設けられる予熱用共振回路31 ,32 ,33 ,34 において各フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の両端にインピーダンス要素Z1 ,Z2 ,Z3 ,Z4 を接続した点に特徴がある。本実施形態ではフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のインピーダンスが異常をきたしたときに、インピーダンス要素Z1 ,Z2 ,Z3 ,Z4 により整合する。なお、図13の従来構成におけるダイオードD1 は高周波用ダイオードで、全波整流器DBを構成するダイオードが低周波用ダイオードであり、かりに全波整流器DBを構成するダイオードが高周波ダイオードである場合にはダイオードD1 を省略できることは勿論である。なお、本実施形態では、インピーダンス要素Z1 ,Z2 ,Z3 ,Z4 が検出手段及び補正手段を兼ねている。
【0051】
本実施形態では、従来例で説明したようにコンデンサC3 が回路動作に関与しない期間と関与する期間とがあり、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 に流れるフィラメト電流の周波数特性はコンデンサC3 が回路動作に関与しない期間の周波数特性と、コンデンサC3 が回路動作に関与する期間の周波数特性とがある。前者の周波数特性を図9に、後者の周波数特性を図10に示す。ここで、図9及び図10において、▲1▼は図13に示した従来構成でのフィラメント正常時の周波数特性、▲2▼は図13に示した従来構成でのフィラメント異常時の正常なフィラメントにおける周波数特性、▲3▼は本実施形態でのフィラメント正常時の周波数特性、▲4▼は本実施形態でのフィラメント異常時の正常なフィラメントにおける周波数特性を示す。
【0052】
インピーダンス要素Z1 ,Z2 ,Z3 ,Z4 は、図9及び図10に示すように、フィラメント正常時に、▲1▼と▲3▼とが略同じ周波数特性となり、かつ、フィラメント異常時に、予熱時の予熱周波数f0 でのフィラメント電流が従来に比べて増加するような周波数特性となる機能を有している。まず図9について説明すると、予熱時の駆動周波数を予熱周波数f0 で一定とした場合、図13に示した従来構成では、フィラメント正常時のフィラメント電流がIf01 、フィラメント異常時の正常な残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のフィラメント電流がIf11 (If11 <If01 )となり、1つのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 に異常が発生した場合に残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 へ予熱に必要なフィラメント電流を供給することができない。これに対し、本実施形態では、フィラメント正常時のフィラメント電流がIf21 、フィラメント異常時の上記残りのフィラメントのフィラメント電流がIf31 (If21 >If31 >If11 )となり、フィラメント異常時でも上記残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 へ予熱に必要なフィラメント電流を供給することができる。次に、図10について説明するが、図9の場合と同様に、予熱時の駆動周波数を予熱周波数f0 で一定とした場合、図13に示した従来構成では、フィラメント正常時のフィラメント電流がIf02 、フィラメント異常時の上記残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のフィラメント電流がIf12 (If12 <If02 )となり、フィラメント異常時に上記残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 へ予熱に必要なフィラメント電流を供給することができない。これに対し、本実施形態では、フィラメント正常時のフィラメント電流がIf22 、フィラメント異常時の上記残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のフィラメント電流がIf32 (If22 >If32 >If12 )となり、フィラメント異常時でも上記残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 へ予熱に必要なフィラメント電流を供給することができる。
【0053】
しかして、本実施形態では、放電灯FL1 ,FL2 の一方が外れた場合や、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のエミレス時や、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のショート等のフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の異常が発生している状態で、先行予熱時間や駆動周波数を変化させることなしに、正常な上記残りのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 へ予熱に必要なフィラメント電流を流すことができ、必要な予熱電力を供給することが可能となるので、予熱後に放電灯FL1 ,FL2 を安定して始動することができるとともに放電灯FL1 ,FL2 の始動時にフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 にかかる負担を軽減することができ、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の長寿命化を図ることができる。
【0054】
(実施形態7)
本実施形態の基本構成は実施形態6と同じであり、インピーダンス要素Zi (i=1〜4)として、図11に示すような非線形のインイーダンス要素を挿入する点に特徴がある。すなわち、本実施形態では、インピーダンス要素Zi は一対のツェナダオードZD1i,ZD2i(i=1〜4)のアノード同士を抵抗Ri (i=1〜4)を介して接続してあり、両ツェナダオードZD1i,ZD2iのカソードがフィラメントFi (i=1〜4)に接続される。つまり、フィラメントFi の両端間にツェナダオードZD1iと抵抗Ri とツェナダオードZD2iとの直列回路が接続される。なお、本実施形態では、インピーダンス要素Z1 ,Z2 ,Z3 ,Z4 が検出手段及び補正手段を兼ねている。
【0055】
本実施形態では、フィラメント正常時には、ツェナダオードZD1i,ZD2iはオフであって抵抗Ri は予熱用共振回路31 ,32 ,33 ,34 の共振系に関与せず、フィラメント異常時には、ツェナダオードZD1i,ZD2iがオンして抵抗Ri が予熱用共振回路31 ,32 ,33 ,34 の共振系に関与する。ここで、抵抗Ri はフィラメント抵抗と同様の抵抗値に設定してある。その結果、本実施形態では、予熱時の駆動周波数を予熱周波数f0 で一定とした場合、フィラメント正常時、フィラメント異常時にかかわらず、フィラメント電流の周波数特性につてい略同じ特性が実現され、従来構成におけるフィラメント正常時のフィラメント電流If01 と略同じフィラメト電流を得ることができる。要するに、本実施形態では、フィラメント正常時、フィラメント異常時にかかわらず、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 へ予熱に必要なフィラメント電流を供給することができる。
【0056】
しかして、本実施形態では、放電灯FL1 ,FL2 の一方が外れた場合や、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のエミレス時や、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のショート等のフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の異常が発生している状態で、先行予熱時間や駆動周波数を変化させることなしに、残りの正常なフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 へ予熱に必要なフィラメント電流を流すことができ、必要な予熱電力を供給することが可能となるので、予熱後に放電灯FL1 ,FL2 を安定して始動することができるとともに放電灯FL1 ,FL2 の始動時にフィラメントフィラメントF1 ,F2 にかかる負担を軽減することができ、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の長寿命化を図ることができる。
【0057】
(実施形態8)
図12に本実施形態の放電灯点灯装置の回路図を示す。本実施形態の基本構成は実施形態6と略同じであり、実施形態6のように1つのトランスTで全てのフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 に先行予熱電流(フィラメント電流)を供給する替わりに、放電灯FL1 ,FL2 ごとにトランスT1 ,T2 を設けた点に特徴がある。つまり、本実施形態では、放電灯FL1 のフィラメントF1 ,F2 はトランスT1 から先行予熱電流が供給され、放電灯FL2 のフィラメントF3 ,F4 はトランスT2 から先行予熱電流が供給される。ここで、トランスT1 とトランスT2 とは一次巻線n11,n12同士が直列接続されており、各トランスT1 ,T2 はそれぞれ2つの二次巻線n21,n22、n23,n24を有している。すなわち、トランスT1 の一次巻線n11に磁気結合された各二次巻線n21,n22がそれぞれ放電灯FL1 のフィラメントF1 ,F2 に接続され、トランスT2 の一次巻線n12に磁気結合された各二次巻線n23,n24がそれぞれ放電灯FL2 のフィラメントF3 ,F4 に接続されている。なお、本実施形態では、インピーダンス要素Z1 ,Z2 ,Z3 ,Z4 が検出手段及び補正手段を兼ねている。
【0058】
本実施形態では、フィラメン正常時のトフィラメント電流の周波数特性が実施形態6と同様に図9及び図10の▲1▼に示すような周波数特性を有するが、放電灯FL1 と放電灯FL2 とでは予熱用のトランスT1 ,T2 が異なり予熱用共振回路31 ,32 と予熱用共振回路33 ,34 とが磁気結合していないので、例えば放電灯FL1 にフィラメント異常が発生しても放電灯FL2 へのフィラメント電流は変化せず、放電灯FL2 のフィラメントF3 ,F4 へ予熱に必要なフィラメント電流を供給することができる。
【0059】
しかして、本実施形態では、放電灯FL1 ,FL2 の一方が外れた場合や、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のエミレス時や、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 のショート等のフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の異常が発生している状態で、先行予熱時間や駆動周波数を変化させることなしに、残りの正常なフィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 へ予熱に必要なフィラメント電流を流すことができ、必要な予熱電力を供給することが可能となるので、予熱後に放電灯FL1 ,FL2 を安定して始動することができるとともに放電灯FL1 ,FL2 の始動時にフィラメントフィラメントF1 ,F2 にかかる負担を軽減することができ、フィラメントF1 ,F2 ,F3 ,F4 の長寿命化を図ることができる。
【0060】
なお、上記各実施形態において、予熱時における放電灯FL1 ,FL2 のランプ電圧の周波数特性を考慮して、予熱時に放電灯FL1 ,FL2 の始動を可能とするランプ電圧が印加されないように予熱周波数を設定する必要があることは勿論である。
ところで、近年、照明器具の小型化、放電灯FL1 ,FL2 の高効率化、省資源化を目的として放電灯FL1 ,FL2 を細径化する傾向にある。例えば、従来より提供されている定格消費電力が20W以上の蛍光ランプとして管径を36.5mmに統一したものが提供されているのに対して、最近ではTL’5(フィリップス社製品)あるいはT5などの名称で提供されている管径が16mmの細径の蛍光灯がある。
【0061】
この種の細径の放電灯FL1 ,FL2 は単位長さ当たりのランプインピーダンスが従来の放電灯FL1 ,FL2 に比較して大きいものであるから(ランプインピーダンスは例えば、FL20SSで3.9Ω/cm、FHF32で4.2Ω/cm、TL’5の場合には14Wのもので8.9Ω/cm)、点灯時におけるフィラメント電流が従来の放電灯FL1 ,FL2 よりも大きくなる。
【0062】
しかしながら、上記各実施形態では、点灯用共振回路2及び予熱用共振回路31 ,32 ,33 ,34 はスイッチング素子Q1 ,Q2 の駆動周波数(つまり、出力周波数)を制御することによって個別に出力を制御可能となっているから、予熱、始動、全点灯、調光点灯などの各状態に応じて放電灯FL1 ,FL2 に供給する電力を変化させるので、予熱時のフィラメント電流の条件と、全点灯時や調光点灯時の両端電圧ないしフィラメント電流の条件とを同時に満足させることができ、TL’5やT5のようなランプインピーダンスの比較的高い放電灯(口金部を除く単位長さ当たりのランプインピーダンス8Ω/cm以上の蛍光灯)FL1 ,FL2 に特に好適である。
【0063】
【発明の効果】
請求項1〜4の発明は、スイッチング素子の駆動周波数が可変な高周波電源と、高周波電源の出力側に設けられトランスの一次巻線を含むとともにフィラメントを有する複数の放電灯に点灯に必要な電圧を印加する点灯用共振回路と、上記トランスの二次巻線を含み各フィラメントにフィラメント電流をそれぞれ供給する複数の予熱用共振回路とを備え、点灯用共振回路と予熱用共振回路とは共振特性が異なる放電灯点灯装置であって、各フィラメントのインピーダンスの変化を検出する検出手段と、検出手段の出力により予熱時に少なくとも1つのフィラメントのインピーダンスに異常な変化が検出された場合に残りのフィラメントには十分な予熱電力を供給させる補正手段とを設けたので、少なくとも1つのフィラメントのインピーダンスが変化しても予熱時に残りのフィラメントを予熱するのに十分な予熱電力を供給することができ、予熱後に放電灯を安定して始動できるとともに放電灯の始動時にフィラメントにかかる負担を軽減することができ、上記残りのフィラメントの長寿命化を図ることができるという効果がある。また、複数の放電灯のうちの一部が取り外された場合でも残りの放電灯のフィラメントを十分に予熱して予熱後に安定して始動させることができるという効果がある。
【0064】
ここで、請求項1の発明では、補正手段は、予熱用共振回路と点灯用共振回路とのうちの少なくとも一方の共振特性を変化させることによりフィラメントに流すフィラメント電流を制御するので、少なくとも1つのフィラメントのインピーダンスが変化した場合でも駆動周波数や予熱時間を変化させることなしに残りのフィラメントには予熱するのに十分なフィラメント電流を供給することができ、残りのフィラメントに十分な予熱電力を供給することができるという効果がある。
請求項2の発明では、補正手段は、上記残りのフィラメントに十分な予熱電力が供給されるように予熱時間を変化させるので、駆動周波数を変化させることなしに予熱時間を制御することにより上記残りのフィラメントに供給する予熱電力を大きくでき、上記残りのフィラメントに十分な予熱電力を供給することができるという効果がある。
【0065】
請求項3の発明では、補正手段は、フィラメントに十分な予熱電力が供給されるように上記スイッチング素子の駆動周波数を変化させることによりフィラメントに流すフィラメント電流を制御するので、予熱時間を変化させることなしに、駆動周波数を変化させることによりフィラメント電流を大きくすることができ、上記残りのフィラメントに十分な予熱電力を供給することができるという効果がある。
【0066】
請求項4の発明では、補正手段は、上記残りのフィラメントに十分な予熱電力が供給されるように高周波電源の出力の波高値を変化させるので、点灯用共振回路のトランスの一次巻線に発生する電圧が上昇してトランスの二次巻線に発生する電圧が上昇し、結果として上記残りのフィラメントに供給される予熱電力が増加するから、予熱時間を変化させることなしに、上記残りのフィラメントに十分な予熱電力を供給することができるという効果がある。
【0068】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4の発明において、点灯用共振回路から放電灯の両端への印加電圧が予熱時に放電を開始するランプ電圧未満となるように上記スイッチング素子の駆動周波数が設定されるので、予熱時に放電灯の放電が開始されるのを防止することができるという効果がある。
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6の発明において、高周波電源は、交流電源を全波整流する全波整流器と、全波整流器の出力端にダイオードを介して接続される平滑コンデンサと、平滑コンデンサの両端電圧を高周波電圧に変換する電力変換部と、上記高周波電圧の一部を上記ダイオードを通る経路で平滑コンデンサの入力側に帰還する帰還手段とを備えているので、交流電源から全波整流器への入力電流を高周波的に流し続けることができるから、入力電流に休止期間が生じることがなく、交流電源と全波整流器との間に簡単な高周波阻止フィルタを挿入するだけで、入力電流波形を連続的なものにすることができ、入力電流歪を低減することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示す回路図である。
【図2】同上の動作説明図である。
【図3】実施形態2を示す回路図である。
【図4】同上の動作説明図である。
【図5】実施形態3を示す回路図である。
【図6】同上の動作説明図である。
【図7】実施形態5の動作説明図である。
【図8】実施形態6を示す回路図である。
【図9】同上の動作説明図である。
【図10】同上の動作説明図である。
【図11】実施形態7の要部構成図である。
【図12】実施形態8を示す回路図である。
【図13】従来例を示す回路図である。
【図14】同上の動作説明図である。
【符号の説明】
2 点灯用共振回路
31 〜34 予熱用共振回路
7 チョッパ回路
81 〜84 検出回路
11 主制御回路
12 副制御回路
AC 交流電源
DB 全波整流器
INV 電力変換部
Q1 ,Q2 スイッチング素子
T トランス
B バランサ
C コンデンサ
C’ コンデンサ
Q3 ,Q4 スイッチング素子
FL1 ,FL2 放電灯
Claims (8)
- スイッチング素子の駆動周波数が可変な高周波電源と、高周波電源の出力側に設けられトランスの一次巻線を含むとともにフィラメントを有する複数の放電灯に点灯に必要な電圧を印加する点灯用共振回路と、上記トランスの二次巻線を含み各フィラメントにフィラメント電流をそれぞれ供給する複数の予熱用共振回路とを備え、点灯用共振回路と予熱用共振回路とは共振特性が異なる放電灯点灯装置であって、各フィラメントのインピーダンスの変化を検出する検出手段と、検出手段の出力により予熱時に少なくとも1つのフィラメントのインピーダンスに異常な変化が検出された場合に残りのフィラメントには十分な予熱電力を供給させる補正手段とを設けてなり、補正手段は、予熱用共振回路と点灯用共振回路とのうちの少なくとも一方の共振特性を変化させることによりフィラメントに流すフィラメント電流を制御することを特徴とする放電灯点灯装置。
- スイッチング素子の駆動周波数が可変な高周波電源と、高周波電源の出力側に設けられトランスの一次巻線を含むとともにフィラメントを有する複数の放電灯に点灯に必要な電圧を印加する点灯用共振回路と、上記トランスの二次巻線を含み各フィラメントにフィラメント電流をそれぞれ供給する複数の予熱用共振回路とを備え、点灯用共振回路と予熱用共振回路とは共振特性が異なる放電灯点灯装置であって、各フィラメントのインピーダンスの変化を検出する検出手段と、検出手段の出力により予熱時に少なくとも1つのフィラメントのインピーダンスに異常な変化が検出された場合に残りのフィラメントには十分な予熱電力を供給させる補正手段とを設けてなり、補正手段は、上記残りのフィラメントに十分な予熱電力が供給されるように予熱時間を変化させることを特徴とする放電灯点灯装置。
- スイッチング素子の駆動周波数が可変な高周波電源と、高周波電源の出力側に設けられトランスの一次巻線を含むとともにフィラメントを有する複数の放電灯に点灯に必要な電圧を印加する点灯用共振回路と、上記トランスの二次巻線を含み各フィラメントにフィラメント電流をそれぞれ供給する複数の予熱用共振回路とを備え、点灯用共振回路と予熱用共振回路とは共振特性が異なる放電灯点灯装置であって、各フィラメントのインピーダンスの変化を検出する検出手段と、検出手段の出力により予熱時に少なくとも1つのフィラメントのインピーダンスに異常な変化が検出された場合に残りのフィラメントには十分な予熱電力を供給させる補正手段とを設けてなり、補正手段は、上記残りのフィラメントに十分な予熱電力が供給されるように上記スイッチング素子の駆動周波数を変化させることによりフィラメントに流すフィラメント電流を制御することを特徴とする放電灯点灯装置。
- スイッチング素子の駆動周波数が可変な高周波電源と、高周波電源の出力側に設けられトランスの一次巻線を含むとともにフィラメントを有する複数の放電灯に点灯に必要な電圧を印加する点灯用共振回路と、上記トランスの二次巻線を含み各フィラメントにフィラメント電流をそれぞれ供給する複数の予熱用共振回路とを備え、点灯用共振回路と予熱用共振回路とは共振特性が異なる放電灯点灯装置であって、各フィラメントのインピーダンスの変化を検出する検出手段と、検出手段の出力により予熱時に少なくとも1つのフィラメントのインピーダンスに異常な変化が検出された場合に残りのフィラメントには十分な予熱電力を供給させる補正手段とを設けてなり、補正手段は、上記残りのフィラメントに十分な予熱電力が供給されるように高周波電源の出力の波高値を変化させることを特徴とする放電灯点灯装置。
- 点灯用共振回路から放電灯の両端への印加電圧が予熱時に放電を開始するランプ電圧未満となるように上記スイッチング素子の駆動周波数が設定されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の放電灯点灯装置。
- 放電灯は口金部を除く単位長さ当たりのランプインピーダンスが8Ω/cm以上の蛍光灯であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の放電灯点灯装置。
- 高周波電源は、交流電源を全波整流する全波整流器と、全波整流器の出力端にダイオードを介して接続される平滑コンデンサと、平滑コンデンサの両端電圧を 高周波電圧に変換する電力変換部と、上記高周波電圧の一部を上記ダイオードを通る経路で平滑コンデンサの入力側に帰還する帰還手段とを備えて成ることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の放電灯点灯装置。
- 2個の上記放電灯を有し、点灯用共振回路は、バランサを有し該バランサの両端それぞれに各放電灯の一方のフィラメントが接続されることにより両放電灯が並列に接続されて成ることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の放電灯点灯装置。
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