JPH11204073A - 回転陽極型x線管のステータコイル駆動装置 - Google Patents

回転陽極型x線管のステータコイル駆動装置

Info

Publication number
JPH11204073A
JPH11204073A JP784298A JP784298A JPH11204073A JP H11204073 A JPH11204073 A JP H11204073A JP 784298 A JP784298 A JP 784298A JP 784298 A JP784298 A JP 784298A JP H11204073 A JPH11204073 A JP H11204073A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotation speed
stator coil
ray tube
output
rotor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP784298A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumio Ishiyama
文雄 石山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP784298A priority Critical patent/JPH11204073A/ja
Publication of JPH11204073A publication Critical patent/JPH11204073A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • X-Ray Techniques (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特別な回転検出機構を設けることなく、回転
陽極型X線管のロータの回転速度を検出する。 【解決手段】 制御回路1が、ステータコイル7に印加
する交流電圧の周波数を低下させると共に、ステータコ
イル7に供給している現在の電力を検出し、該現在の電
力がゼロとなったタイミングで、インバータ駆動信号の
周波数fを検出すると共に、「Ns=120f/P[r
pm]」の演算式に基づいて算出した同期速度Nsをロ
ータ5の回転速度Nとして検出する。これにより、特別
な回転検出機構を設けることなくロータ5の回転速度を
検出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転陽極型のX線
管を有する例えば診断用X線装置等に設けて好適な回転
陽極型X線管のステータコイル駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、X線発生手段として回転陽極型の
X線管が設けられた診断用X線装置が知られている。こ
の回転陽極のX線管は、主に、規定の回転速度で回転制
御される陽極(ロータ)と、熱電子を発生する陰極とで
構成されている。
【0003】このような回転陽極型のX線管は、規定の
電圧をロータ回転機構のステータコイルに印加すること
で、ロータが規定の回転速度で回転するようになってい
る。ロータのベアリング軸の先端にはターゲットが設け
られており、ロータが回転することでこのターゲットも
規定の回転速度で回転するようになっている。このター
ゲットには、陰極側に設けられたフィラメントからの熱
電子が照射されるようになっており、該ターゲットに熱
電子が衝突することでX線が発生するようになってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の回転陽
極型のX線管は、その使用開始初期においてはロータ回
転機構の転がり抵抗が小さいため、前述のように規定の
電圧をステータコイルに印加すれば比較的短時間でロー
タは規定の回転速度に達するのであるが、この回転陽極
型のX線管を長年使用すると、ロータ回転機構のベアリ
ング等の回転機構部品の摩耗により転がり抵抗が大きく
なり、ロータが規定の回転速度に達するまでに要する時
間が長くなる問題があった。
【0005】また、前記転がり抵抗が大きくなることに
よって、定常状態におけるロータの回転速度が低下する
問題があった。ロータの回転速度が規定の回転速度に達
しない状態でフィラメントからの熱電子がターゲットに
照射されると、ターゲットが変形しX線の曝射量が不安
定となる虞がある。
【0006】従来既存の診断用X線装置には、ステータ
コイルの駆動回路にX線管のロータの回転速度の検出手
段が設けられていなかったため、このような問題に対処
することができなかった。なお、ロータの回転速度の検
出手段として、例えばタコジェネレータや、回転部に取
り付けた反射板の通過間隔を光の反射を使って検出する
手段等の回転検出機構を設けることも考えられるが、こ
のような特別な検出手段は、診断用X線装置の大型化、
重量化及びハイコスト化に繋がるものであり、好ましい
ものではない。
【0007】また、X線管のロータの回転状態を検出す
る技術として、特開平8−233839号においてX線
管の回転式アノードの駆動モータの回転速度の監視装置
が開示されているが、この監視装置は、ロータが回転し
ていない状態(停止状態)、及び規定の回転速度に対し
て著しく低い回転速度で回転している状態のみ検出可能
であり、前述の問題点を解決するには至らないものであ
る。
【0008】本発明は、上述の課題に鑑みてなされたも
のであり、特別な回転検出機構を設けることなくロータ
の回転速度を検出することができ、ロータの回転速度が
低いことでターゲットが変形しX線の曝射量が不安定と
なる不都合を防止することができるような回転陽極型X
線管のステータコイル駆動装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る回転陽極型
X線管のステータコイル駆動装置は、上述の課題を解決
するために、回転陽極型X線管の陽極を回転駆動するス
テータコイルに駆動出力を供給する駆動出力供給手段
と、前記駆動出力供給手段から出力される駆動出力に基
づいて前記回転陽極型X線管に供給している電力を検出
し電力検出出力を出力する電力検出手段と、前記駆動出
力の周波数を所定時間低下させるように前記駆動出力供
給手段を制御する駆動周波数制御手段と、前記駆動周波
数制御手段により前記駆動出力の周波数が低下された
間、前記電力検出手段からの電力検出出力を検出すると
共に、この電力検出出力が所定レベルとなったときの前
記駆動出力の周波数を検出し、この電力検出出力が所定
レベルとなったときの前記駆動出力の周波数を、前記回
転陽極型X線管の陽極の回転速度として検出する回転速
度検出手段とを有する。
【0010】このような回転陽極型X線管のステータコ
イル駆動装置は、陽極を回転駆動するステータコイルに
供給する駆動出力の周波数を変化させながらステータコ
イルに供給する駆動出力の電圧と電流の位相差を検出す
ることで陽極の回転数の検出を行う。これにより、X線
管内にロータの回転速度を検出する特別な機構がなくて
も、ロータの回転速度を検出することができる。
【0011】また、本発明に係る回転陽極型X線管のス
テータコイル駆動装置は、上述の課題を解決するため
に、前記回転速度検出手段で検出された前記回転陽極型
X線管の陽極の回転速度が所定の回転速度となるまでは
X線の曝射を抑止するインターロックを掛け、該陽極の
回転速度が所定の回転速度となったときに前記インター
ロックを解除するインターロック制御信号を出力するイ
ンターロック制御信号出力手段を有する。
【0012】これにより、陽極の回転速度が所定の回転
速度となるまではX線の曝射を抑止することができ、回
転数が不十分のターゲットに対し、陰極側のフィラメン
トから熱電子が照射され、ターゲットが変形しX線の曝
射量が不安定となる等の不都合を防止することができ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る回転陽極型X
線管のステータコイル駆動装置の好ましい実施の形態に
ついて図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】まず、図1に、本発明に係る回転陽極型X
線管のステータコイル駆動装置の実施の形態のブロック
図を示す。この図1において当該実施の形態のステータ
コイル駆動装置は、この駆動装置全体の制御を行う制御
回路1と、回転陽極型のX線管2を所定の回転速度で回
転駆動するための交流電圧を印加するインバータ回路3
と、X線管2に流れる電流を検出する電流検出回路4と
で構成されている。
【0015】回転陽極型のX線管2は、陽極側に設けら
れたロータ5によりターゲット6を回転駆動し、この回
転するターゲット6に、陰極側からの熱電子を照射する
ことでX線を発生するようになっている。ロータ5は、
ステータコイル7にインバータ回路3からの交流電圧が
供給されることで回転駆動されるようになっている。
【0016】ステータコイル7は、主巻線7aの他端及
び補助巻線7bの一端を直列接続することで構成されて
いる。インバータ回路3の一方の電圧印加端子3aは、
電流検出回路4を介して主巻線7aの一端(主巻線7a
及び補助巻線7bの接続端の反対側の端)に接続されて
いる。また、インバータ回路3の他方の電圧印加端子3
bは、主巻線7a及び補助巻線7bの接続間に接続され
ている。そして、電流検出回路4と主巻線7aの一端と
の接続点に、進相コンデンサ8を介して補助巻線7bの
他端が接続されている。
【0017】次にこのような構成を有する当該実施の形
態のステータコイル駆動装置の動作説明をする。
【0018】まず、制御回路1は、図示しないX線照射
準備ボタンがオン操作されると、これを検出して動作を
開始し、インバータ回路3に対して第1、第2のインバ
ータ駆動信号を供給する。インバータ回路3は、この第
1、第2のインバータ駆動信号に応じて、電圧印加端子
3a、3bを介してステータコイル7に所定の交流電圧
を印加して電力を供給する。
【0019】具体的には、インバータ回路3は図3に示
すようにIGBTで構成されるフルブリッジインバータ
26〜29と、制御回路1から供給される第1、第2の
インバータ駆動信号に応じて各インバータ26〜29を
オンオフ駆動するIGBTドライバ22〜25と、各イ
ンバータ26〜29に設けられたフリーホイールダイオ
ード30〜33とで構成されている。
【0020】この図3において、IGBTドライバ2
2、25は、制御回路1から入力端子15を介して供給
される第1のインバータ駆動信号がハイレベル
(“H”)のときにフルブリッジインバータ26、29
をオン動作させ、制御回路1から入力端子15を介して
供給される第1のインバータ駆動信号がローレベル
(“L”)のときにフルブリッジインバータ26、29
をオフ動作させる。同様に、IGBTドライバ23、2
4は、制御回路1から入力端子16を介して供給される
第2のインバータ駆動信号がハイレベル(“H”)のと
きにフルブリッジインバータ27、28をオン動作さ
せ、制御回路1から入力端子16を介して供給される第
2のインバータ駆動信号がローレベル(“L”)のとき
にフルブリッジインバータ27、28をオフ動作させ
る。
【0021】図4(a)〜(c)に、制御回路1からイ
ンバータ回路3に供給される第1、第2のインバータ駆
動信号の信号波形及びこれに対応してインバータ回路3
からステータコイル7に印加される交流電圧の電圧波形
を示す。インバータ回路3からステータコイル7に印加
される交流電圧の周波数は、例えば通常回転のときには
「60Hz」、高速回転のときには「180Hz」とな
っている。この交流電圧を発生させるための制御回路1
からインバータ回路3に供給される各インバータ駆動信
号は、前記交流電圧の周波数よりも十分に高い例えば2
0kHz等の周波数でパルス幅変調処理が施されインバ
ータ回路3に供給されるようになっている。
【0022】直流電源21の電圧をE、パルス幅変調の
デューティー比をDとすると、パルス幅変調の1周期に
おけるインバータ回路3からの交流電圧Voは、第1の
インバータ駆動信号が供給されたときには、 Vo=E・D …(1) となり、また、第2のインバータ駆動信号が供給された
ときには、 Vo=−E・D …(2) となる。
【0023】制御回路1は、インバータ回路3に供給す
る第1、第2のインバータ駆動信号を制御することによ
り、インバータ回路3からステータコイル7に印加され
る交流電圧の制御を行う。このインバータ回路3からの
交流電圧は、電圧印加端子3a、3bを介してステータ
コイル7に印加される。
【0024】X線管のステータコイル7とロータ6とは
単相誘導電動機を構成しており、インバータ回路3から
印加される交流電圧に応じてロータ5が回転駆動される
ようになっている。
【0025】具体的には、通常、60Hzの交流電圧で
ステータコイル7を駆動して撮影を行うのであるが、例
えば消化器等の動きのある部位の撮影を行う際には、多
量かつ短時間でX線の曝射を行う必要がある。このた
め、この場合は、180Hzの交流電圧でステータコイ
ル7を駆動し、ロータ5(及びターゲット6)を高速回
転駆動して撮影を行うようになっている。
【0026】インバータ回路3からステータコイル7に
印加される交流電圧の周波数をf、ステータコイル7の
極数をPとすると、回転磁界の速度(同期速度Ns)
は、 Ns=120f/P[rpm]…(3) である。ステータコイルの極数Pは通常2であるため、
同期速度Nsは、通常回転のとき3600rpm、高速
回転のとき10800rpmとなり、この例において
は、通常回転時及び高速回転時にこれらの回転数でロー
タ5が回転駆動されることとなる。
【0027】ここで、このように回転駆動されるロータ
5にはターゲット6が設けられており、このターゲット
に対して陰極側からの熱電子が照射されることでX線が
発生するのであるが、当該ステータコイル駆動装置は、
ロータ5の回転数が所定の回転数になるまでは陰極側か
らの熱電子の照射を抑止するインターロックが掛かるよ
うになっている。制御回路1は、ロータ5の回転開始か
ら所定時間経過後に、以下のようにしてロータ5の回転
速度を検出し、この検出した回転速度が所定の回転速度
となったときに前記インターロックを解除する。
【0028】すなわち、このロータ5の回転速度の検出
動作を図5のタイムチャートを用いて説明すると、ま
ず、X線の曝射を行う際にX線曝射準備ボタンがオン操
作されると、制御回路1に対して図5(b)に示すよう
なハイレベルの曝射準備信号(曝射レディー信号)が供
給される。制御回路1は、この曝射準備信号がハイレベ
ルとなったタイミングで例えば200Vの始動電圧をス
テータコイル7に印加するように第1、第2のインバー
タ駆動信号をインバータ回路3に供給する。これによ
り、ロータ5が所定の回転速度まで急速に回転駆動され
ることとなる。
【0029】なお、この段階では、図5(e)のハイレ
ベルのパルスで示すようにインターロックが掛かった状
態となっており、X線の曝射は行えないようになってい
る。このインターロックは、後述のように制御回路1に
おいてロータ5が所定の回転速度に達したことが検出さ
れない限り解除されないようになっている。
【0030】さらに具体的には、前述のようにインバー
タ回路3の電圧印加端子3aとステータコイル7の主巻
線7aとの接続ライン間には電流検出回路4が挿入接続
されている。電流検出回路4は、インバータ回路3から
ステータコイル7に対して供給される電流値を検出し、
この検出出力を電流検出信号として制御回路1に供給す
る。
【0031】図2は、制御回路1の具体的なブロック図
なのであるが、電流検出回路4からの電流検出信号は、
この図2に示すA/Dコンバータ11に供給される。A
/Dコンバータ11は、アナログ信号として供給される
電流検出信号をデジタル化することにより電流検出デー
タを形成し、これをディジタルシグナルプロセッサ12
(DSP)に供給する。メモリ13には、DSP12の
制御プログラムが記憶されており、DSP12は、この
制御プログラムに従って所定の演算を行うことで、ステ
ータコイル7に供給している電力の計算を行うと共に、
ロータ5の回転が一定となるように第1、第2のインバ
ータ駆動信号を形成し、これを出力ポート14を介して
図1に示すインバータ回路3に供給する。なお、メモリ
13は、前記ステータコイル7に供給している電力の計
算を行う際に、この計算過程のデータを一時記憶する際
にも用いられる。
【0032】次に、インバータ回路3の出力電流値(電
流検出回路4からの電流検出信号の値)は、ロータ5の
回転開始時は突入電流のため定常時よりも大きな値とな
るが、ロータ5が定常回転に達すると定常値で安定す
る。このため、制御回路1は、ロータ5の回転開始から
一定時間の経過後(始動電圧の印加開始から例えば1s
ec〜1.5sec経過後)、或いは電流検出回路4か
らの電流検出信号が安定したことを検出し、図5(a)
に示すようにロータ5の回転状態を維持するのに必要な
例えば40Vの交流電圧を印加するように第1、第2の
インバータ駆動信号を形成し、これをインバータ回路3
に供給する。これにより、インバータ回路3からステー
タコイル7に対して40Vの交流電圧が印加され、ロー
タ5が所定の回転速度を維持した状態で回転駆動され
る。
【0033】ここで、制御回路1は、ロータ5の現在の
回転速度を検出するために、図5(f)に示すように第
1、第2のインバータ駆動信号を変化させインバータ回
路3からステータコイル7に印加される交流電圧の駆動
周波数を低下させると共に、電流検出回路4からの電流
検出信号を連続的に読み取る。
【0034】すなわち、ロータ5が定常回転している場
合、その回転速度は、インバータ回路3からステータコ
イル7に交流電圧が印加されることで形成される回転磁
界の速度(同期速度Ns)よりも、すべりの分だけ低い
回転速度になる。
【0035】しかし、インバータ回路3からステータコ
イル7に印加される交流電圧の「駆動周波数」を低下さ
せても、ロータ5の回転速度Nは慣性のためほとんど変
化しない。このため、インバータ回路3からステータコ
イル7に印加される交流電圧の「駆動周波数」を低下さ
せていくと、あるタイミングで同期速度Ns(回転磁界
の速度)と、ロータ5の回転速度Nとが一致する。この
とき、すべりはゼロの状態であり、ロータ5への電力供
給は無くなるため、ステータコイル7への電力供給も略
々ゼロになる。
【0036】インバータ回路3からステータコイル7に
印加される交流電圧の瞬時値は、制御回路1自身が出力
する第1、第2のインバータ駆動信号から検出すること
ができる。このため、制御回路1は、該制御回路1自身
が出力する第1、第2のインバータ駆動信号に基づい
て、インバータ回路3からステータコイル7に印加され
ている交流電圧の瞬時値を検出し、この瞬時値に、電流
検出回路4からの電流検出信号を乗算処理することで、
ステータコイル7に供給している電力の瞬時値を連続的
に検出する。ステータコイル7に供給している電力の周
波数は、インバータ回路3からステータコイル7に供給
される交流電圧の周波数の2倍となるため、制御回路1
は、先に求めた電力の瞬時値を、インバータ駆動信号の
周波数の1/2サイクル分積分処理し、この積分値の平
均値を、ステータコイル7に現在供給している電力とし
て検出する。
【0037】なお、この例においては、ステータコイル
7に供給している電力を検出する際に、前記電力の瞬時
値をインバータ駆動信号の周波数の1/2サイクル分積
分処理してその平均値を求めることとしたが、これは、
例えば前記電力の瞬時値をインバータ駆動信号の周波数
の1サイクル分積分処理し、或いは2サイクル分積分処
理する等のように、積分処理の時間は設計等に応じて任
意に設定すればよい。積分処理の時間を長くすれば、必
然的に積分処理する瞬時値のデータ量が多くなるため、
これを平均化することで、該瞬時値の検出誤差を吸収す
ることができ、最終的に検出する前記電力の値の信頼性
の向上を通じて以下に説明するロータ5の回転速度Nの
検出を正確なものとすることができる。
【0038】次に、制御回路1は、このようにしてステ
ータコイル7に供給している現在の電力を検出し、該現
在の電力がゼロとなったタイミングで、各インバータ駆
動信号に基づいて、現在、ステータコイル7に印加して
いる交流電圧の周波数fを検出すると共に、前記(3)
式として示した「Ns=120f/P[rpm]」の演
算を実行して同期速度Nsを検出する。この同期速度N
sは、ロータ5の回転速度Nと一致する(N=Ns)。
このため、同期速度Nsを検出することで、ロータ5の
回転速度Nを検出することができる。
【0039】このように、当該ステータコイル駆動装置
は、特別な回転検出機構を設けることなく、所定の演算
のみでロータ5の回転速度Nを検出可能となっている。
【0040】次に、前述のようにロータ5の回転数は、
例えば通常回転のときには3600rpm、高速回転の
ときには10800rpmとなっている。また、図2に
示したメモリ13には、この通常回転時の回転数に対応
する回転速度の基準値及び高速回転時の回転数に対応す
る回転速度の基準値がそれぞれ記憶されている。制御回
路1は、ロータ5の回転速度Nを検出すると、通常回転
時には前記通常回転時の回転速度の基準値を、高速回転
時には前記通常回転時の回転速度の基準値をそれぞれメ
モリ13から読み出し、これを該検出した現在の回転速
度と比較する。そして、現在のロータ5の回転速度Nが
前記基準値に達していた場合、図示しないX線制御回路
にスタータセットアップ信号を供給する。
【0041】なお、制御回路1は、ロータ5が規定の回
転速度に達しスタータセットアップ信号を出力した後
は、ステータコイル7に印加する交流電圧の周波数を元
に戻すための各インバータ駆動信号を形成し、これをイ
ンバータ回路3に供給することで、ロータ5の安定した
回転状態を維持する。
【0042】一方、現在のロータ5の回転速度Nが、前
記基準値に達していない場合、制御回路1は、低下させ
ていた交流電圧の周波数を元の周波数に戻すためのイン
バータ駆動信号を形成してインバータ回路3に供給す
る。そして、所定時間経過後(例えば0.5sec経過
後)に、再び交流電圧の周波数を低下させるためのイン
バータ駆動信号をインバータ回路3に供給して、これに
より前記電力がゼロとなったタイミングでロータ5の回
転速度Nを検出する動作を実行する(リトライ)。制御
回路1は、このようなリトライを、図5(g)に示すよ
うに現在のロータ5の回転速度Nが前記基準値に達した
ことが検出されるまで繰り返し行う。
【0043】なお、このリトライを所定回数行っても、
現在のロータ5の回転速度Nが前記基準値に達しない場
合、制御回路1は、安全面を考慮して例えば表示部に、
ロータの回転速度が所定の回転数とならないため、X線
の曝射を強制的に抑止する旨の表示を行い、操作者に注
意を喚起する。
【0044】次に、現在のロータ5の回転速度Nが前記
基準値に達しており、制御回路1からX線制御回路にス
タータセットアップ信号が供給されると、X線制御回路
は、図5(e)に示すローレベルのパルスを制御回路1
に供給してX線曝射のインターロックを解除する。これ
により、操作者の所望のタイミングでのX線の曝射が可
能となる。
【0045】操作者は、インターロックが解除される
と、所望のタイミングで図示しないX線曝射ボタンをオ
ン操作する。制御回路1は、このX線曝射ボタンのオン
操作を検出すると、図5(c)に示すようなハイレベル
のX線曝射信号をX線ドライバに供給する。X線ドライ
バは、このX線曝射信号が供給されると、図5(d)の
ハイレベルのパルスとして示すように、所定時間分のX
線の曝射を行うようにX線管2を曝射制御する。これに
より、被検者の所望の部位のX線撮影画像を得ることが
できる。
【0046】以上の説明から明らかなように、本発明に
係る実施の形態の回転陽極型X線管のステータコイル駆
動装置は、ステータコイル7に印加する交流電圧の周波
数を低下させると共に、ステータコイル7に供給してい
る現在の電力を検出し、該現在の電力がゼロとなったタ
イミングで、インバータ駆動信号の周波数fを検出する
と共に、前記(3)式として示した「Ns=120f/
P[rpm]」の演算式に基づいて算出した同期速度N
sをロータ5の回転速度Nとして検出する。これによ
り、特別な回転検出機構を設けることなくロータ5の回
転速度を検出することができる。このため、既存のX線
管にも当該ステータコイル駆動装置を広く適用可能とす
ることができる。
【0047】また、当該実施の形態の回転陽極型X線管
のステータコイル駆動装置は、ロータ5の回転速度が所
定の回転速度に達するまではインターロックを掛けてX
線の曝射を抑止し、前記検出したロータ5の回転速度が
所定の回転速度に達したタイミングでこのインターロッ
クを解除してX線の曝射を可能とする。これにより、ロ
ータ5の回転速度が所定の回転速度に達しない状態で陰
極側からの熱電子が陽極側のターゲットに照射され、該
ターゲットが変形してX線の曝射量が不安定となる不都
合を防止することができ、当該ステータコイル駆動装置
が設けられた診断用X線装置等の信頼性の向上を図るこ
とができる。
【0048】なお、上述の実施の形態の説明では、ロー
タの通常回転数は3600rpmで、高速回転数は10
800rpmであり、また、始動電圧は200Vで、リ
トライは0.5sec間隔で行う等のように、本発明の
理解を容易化するために具体的な数値を掲げて説明した
が、これは、あくまでも一例であり、本発明はこれらの
数値に限定されるものではない。このため、本発明に係
る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じ
て種々の変更が可能であることは勿論である。
【0049】
【発明の効果】本発明に係る回転陽極型X線管のステー
タコイル駆動装置は、特別な回転検出機構を設けること
なくロータの回転速度を検出することができる。
【0050】また、ロータの回転速度が低い場合には、
インターロックによりX線の曝射を抑止することができ
る。このため、ロータの回転速度が低い場合に、陰極側
のフィラメントからの熱電子が陽極側のターゲットに照
射され、ターゲットが変形してX線の曝射量が不安定と
なる不都合を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の回転陽極型X線管のステ
ータコイル駆動装置のブロック図である。
【図2】前記実施の形態のステータコイル駆動装置に設
けられている制御回路のブロック図である。
【図3】前記実施の形態のステータコイル駆動装置に設
けられているインバータ回路の回路図である。
【図4】前記インバータ回路の各部の入出力信号を示す
タイムチャートである。
【図5】前記実施の形態のステータコイル駆動装置にお
ける、ロータの回転速度の検出動作を説明するためのタ
イムチャートである。
【符号の説明】
1…制御回路、2…回転陽極型のX線管、3…インバー
タ回路、5…ロータ 4…電流検出回路、6…ターゲット、7…ステータコイ
ル 8…進相コンデンサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転陽極型X線管の陽極を回転駆動する
    ステータコイルに駆動出力を供給する駆動出力供給手段
    と、 前記駆動出力供給手段から出力される駆動出力に基づい
    て前記回転陽極型X線管に供給している電力を検出し電
    力検出出力を出力する電力検出手段と、 前記駆動出力の周波数を所定時間低下させるように前記
    駆動出力供給手段を制御する駆動周波数制御手段と、 前記駆動周波数制御手段により前記駆動出力の周波数が
    低下された間、前記電力検出手段からの電力検出出力を
    検出すると共に、この電力検出出力が所定レベルとなっ
    たときの前記駆動出力の周波数を検出し、この電力検出
    出力が所定レベルとなったときの前記駆動出力の周波数
    を、前記回転陽極型X線管の陽極の回転速度として検出
    する回転速度検出手段とを有することを特徴とする回転
    陽極型X線管のステータコイル駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記電力検出手段は、前記駆動出力供給
    手段から出力される駆動出力の電流値を検出する電流検
    出手段と、 前記駆動出力供給手段から出力される駆動出力の電圧値
    を検出する電圧検出手段と、 前記電流検出手段からの電流値検出出力と、前記電圧検
    出手段からの電圧値検出出力とを乗算処理した値を、前
    記回転陽極型X線管に供給している電力値として検出す
    る演算手段とを有することを特徴とする請求項1記載の
    回転陽極型X線管のステータコイル駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記演算手段は、前記各検出出力を乗算
    処理した値を所定分積分処理し、この積分値の平均値を
    前記電力値として検出することを特徴とする請求項2記
    載の回転陽極型X線管のステータコイル駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記回転速度検出手段で検出された前記
    回転陽極型X線管の陽極の回転速度が所定の回転速度と
    なるまではX線の曝射を抑止するインターロックを掛
    け、該陽極の回転速度が所定の回転速度となったときに
    前記インターロックを解除するインターロック制御信号
    を出力するインターロック制御信号出力手段を有するこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1
    項記載の回転陽極型X線管のステータコイル駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記回転速度検出手段で検出された前記
    回転陽極型X線管の陽極の回転速度が所定の回転速度と
    なっていない場合は、再度、該陽極の回転速度を検出す
    るように回転速度検出手段を制御するリトライ制御手段
    を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の
    うちいずれか1項記載の回転陽極型X線管のステータコ
    イル駆動装置。
JP784298A 1998-01-19 1998-01-19 回転陽極型x線管のステータコイル駆動装置 Pending JPH11204073A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP784298A JPH11204073A (ja) 1998-01-19 1998-01-19 回転陽極型x線管のステータコイル駆動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP784298A JPH11204073A (ja) 1998-01-19 1998-01-19 回転陽極型x線管のステータコイル駆動装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11204073A true JPH11204073A (ja) 1999-07-30

Family

ID=11676875

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP784298A Pending JPH11204073A (ja) 1998-01-19 1998-01-19 回転陽極型x線管のステータコイル駆動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11204073A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001326095A (ja) * 2000-03-08 2001-11-22 Marconi Medical Systems Inc X線管用検出システム
EP1469709A1 (en) * 2002-01-25 2004-10-20 Hitachi Medical Corporation X-ray tube apparatus, x-rya exposure determiner, x-ray generator using them, and radiograph
JPWO2009075172A1 (ja) * 2007-12-10 2011-04-28 コニカミノルタエムジー株式会社 X線画像撮影システム
KR101335448B1 (ko) * 2013-09-12 2013-12-02 (주)지비티코리아 회전형 x선관 로터 구동 장치
CN105517309A (zh) * 2014-10-16 2016-04-20 锐珂(上海)医疗器材有限公司 X射线发生器的阳极转速检测

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001326095A (ja) * 2000-03-08 2001-11-22 Marconi Medical Systems Inc X線管用検出システム
EP1469709A1 (en) * 2002-01-25 2004-10-20 Hitachi Medical Corporation X-ray tube apparatus, x-rya exposure determiner, x-ray generator using them, and radiograph
EP1469709A4 (en) * 2002-01-25 2009-12-30 Hitachi Medical Corp X-RAY APPARATUS, X-RAY EXPOSURE TESTER, X-RAY GENERATOR AND RADIOGRAPH
JPWO2009075172A1 (ja) * 2007-12-10 2011-04-28 コニカミノルタエムジー株式会社 X線画像撮影システム
KR101335448B1 (ko) * 2013-09-12 2013-12-02 (주)지비티코리아 회전형 x선관 로터 구동 장치
CN105517309A (zh) * 2014-10-16 2016-04-20 锐珂(上海)医疗器材有限公司 X射线发生器的阳极转速检测

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7138776B1 (en) Method and apparatus for controlling brushless DC motors in implantable medical devices
JP4575547B2 (ja) モータの制御装置
JPH11204073A (ja) 回転陽極型x線管のステータコイル駆動装置
JP4194204B2 (ja) Dcブラシレスモータ装置
WO2015016117A1 (ja) X線ct装置、x線高電圧装置、および、x線撮影装置
JP4213894B2 (ja) X線管装置及びこれを用いたx線発生装置並びにx線画像診断装置
JPH07131904A (ja) 電動車の電動機制御装置
JP4256148B2 (ja) X線装置
JP2002125391A (ja) ブラシレスdcモータの制御方式
JP3006668B2 (ja) X線装置
CN116313703B (zh) 旋转阳极驱动器及驱动方法、射线发生装置及控制方法
JP2000286092A (ja) X線装置
JP7166789B2 (ja) X線診断システム及び陽極回転コイル駆動装置
JP3283377B2 (ja) 直流電動機の同期起動装置
JP2000243595A (ja) X線管の陽極回転数検出装置及びこれを用いるx線装置
JPH08130098A (ja) X線装置の陽極回転制御方法およびその方法を用いたx線装置
JP2004202092A (ja) X線コンピュータ断層撮影装置
JPH08273887A (ja) X線高電圧装置
JP4157218B2 (ja) ガスタービン起動装置の制御装置
JP3332612B2 (ja) ブラシレスモータ駆動装置
US11979101B2 (en) Sensor-free commutation method
JPH06335273A (ja) 交流電動機の制御装置
JP3506061B2 (ja) スタータ装置
JPH10233184A (ja) X線管用駆動装置
JPH0746887A (ja) 単相誘導電動機の速度制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20050118

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050427

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Effective date: 20050620

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060228

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060704