JPH11202803A - 表示装置及びその製造方法 - Google Patents

表示装置及びその製造方法

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JPH11202803A
JPH11202803A JP10005725A JP572598A JPH11202803A JP H11202803 A JPH11202803 A JP H11202803A JP 10005725 A JP10005725 A JP 10005725A JP 572598 A JP572598 A JP 572598A JP H11202803 A JPH11202803 A JP H11202803A
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JP
Japan
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display device
rotating body
film
display
groove
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Withdrawn
Application number
JP10005725A
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English (en)
Inventor
Takeo Yamazaki
剛生 山崎
Takayuki Yagi
隆行 八木
Tsutomu Ikeda
勉 池田
Hiroshi Matsuda
宏 松田
Etsuro Kishi
悦朗 貴志
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の微小回転体をキャビティを保持する基
板に散布させて、キャビティ内に微小回転体を収容する
場合、微小回転体が収容されていないキャビティがでて
きてしまい、画素欠陥が起きる問題が発生する。 【解決手段】 本発明は、前記課題を解決するために以
下の表示装置を採用した。光学的特性の異なる2つの表
面を有する複数の回転体と、該複数の回転体を支持する
支持フィルムと、を有し、該回転体を回転させることに
より表示を行う表示装置において、前記支持フィルム
は、ライン状の溝を複数有しており、該複数のライン状
の溝の夫々に前記複数の回転体が配列されている、構成
をとる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的特性の異な
る2つの表面を有する回転体を回転させることにより表
示を行う表示装置、及び、その製造方法に関する発明で
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、情報機器の発達に伴い、低消費電
力且つ薄型の表示装置のニーズが増しており、これらニ
ーズに合わせた表示装置の研究、開発が盛んに行われて
いる。中でも液晶表示装置は、液晶分子の配列を電気的
に制御し、液晶の光学的特性を変化させる事ができ、上
記のニーズに対応できる表示装置として活発な開発が行
われ商品化されている。
【0003】しかしながら、これらの液晶表示装置で
は、画面を見る角度や反射光による画面上の文字が見づ
らさや、光源のちらつき・低輝度等から生じる視覚へ負
担が未だ十分に解決されていない。この為、視覚への負
担の少ない新たな表示装置の研究が盛んに検討されてい
る。
【0004】新たな表示装置として、 N. K. Sheridon
等により電界駆動による微小ボールの回転を利用した表
示装置が提案されている("A Twisting Ball Displa
y",Proc. of the SID,第18巻3/4号、289− 頁,1977
年、米国特許4126854号、同4143103号、同5389945号、
特開昭64-42683号)。この表示装置は、微小なボールを
用い、該微小ボールは一方の半球面が白色で、他方の半
球面が黒色となっていおり、前記微小ボールを支持体に
形成したキャビティ内に配し、各キャビティ内に高抵抗
な液体を充填して、この液体中で微小ボールが自由に回
転できるようにしたものである。
【0005】この場合、液体の種類により、微小ボール
の黒色と白色の夫々の半球部分の相互の帯電状態が異な
り、外部電界を与える事によって、微小ボールの白色又
は黒色の半球面を観察する側にむけるように回転を制御
することができ、目的とする表示ができる。
【0006】製造方法としては、微小ボールとシリコー
ンラバーを混ぜ合わせて固化させ、次にシリコーンオイ
ルに浸してシリコーンラバーを膨潤させて、微小ボール
周辺にオイルで満たされたキャビティ(空隙)を形成さ
せ。次に電極パターンが形成された2枚のガラス基板に
よってサンドウィッチすることにより製造される。
【0007】この方法では、微小ボールとシリコーンラ
バーを混ぜ合わせる際の、シリコンラバー中における微
小ボールの分散状況の不均一さから、微小ボールの密度
や配置が不均一になり、表示むらが発生することがあっ
た。さらに、上記表示装置は、オイルによって膨潤した
状態のシリコーンラバーを2枚の基板で挟んだ構造と状
態になっているため、そのオイルによりガラス基板とシ
リコーンラバーとの密着性が非常に悪い。そのため、ポ
リマーフィルムなどを基板に用いてフレキシブルな構造
にすると、低密着性と柔らかさのために、シリコーンラ
バーがフレキシブル基板間を動いてしまい、微小ボール
の分布に偏りが生じ表示むらが発生することがあった。
【0008】このような機械式の表示方法は、温度変
化、電気的ノイズに対して極めて安定であり、メモリ性
を有する為に表示中に電力を必要としない。さらに、ボ
ール表面の自然光の反射・散乱を利用して表示する為に
液晶装置・ブラウン管でみられるような光源のちらつき
等にて起こる眼疲労を抑えることができる。
【0009】一方、最近では携帯型の情報機器が非常な
速さで開発され、普及している。これらの機器では、従
来の低消費電力、薄型だけでなく、より軽量で、且つあ
る程度機器形状に沿って設置できるフレキシブル性をも
った表示装置が必要であり、その開発が急務となってい
る。
【0010】また、上記方法以外に、キャビティ形成方
法として、感光性ガラスをフォトリソグラフィ技術によ
って加工して、平面正方格子状の仕切り部を作製し、該
仕切り部内の空間に微小回転体を収納することが、特開
平6-102830号公報に開示されている。図7を用いて説明
する。
【0011】表示装置71を構成する表示部72aの表
示画面は、例えば平面正方格子状の仕切り部73によっ
て複数の画像領域74に分割されている。仕切り部73
は、フォトリソグラフィ技術によって高精度な微細加工
が可能な感光性ガラス等からなる。
【0012】また、表示部72aの表示画面には、例え
ば所定のガラスからなる透明板75が設置されており、
各々の画素領域74内に動作可能な状態で収容された微
小粒体76aが目視可能となっている。
【0013】微小粒体76aは、例えば球状に形成され
た磁性体からなり、その直径は、例えば50μm〜数百
μm程度である。また、微小粒体76aは、磁化されて
いるとともに、その磁極N,S毎に所定の色が付着され
ている。なお、本実施例においては、図面を見易くする
ため、例えば微小粒体76aにおいて磁極N側の着色面
をハッチングで示す。
【0014】一方、表示装置71の表示部72aを構成
する表示基板71において各々の画素領域74の下方に
は、例えば良電導性の金属からなるコイル(制御手段)
が形成されている。なお、表示基板71は、絶縁材料か
らなる。
【0015】コイル72は、電流を流すことで磁界を形
成し、その磁界によって微小粒体76aの反転または非
反転動作を制御する手段であり、例えばスパッタリング
法等のような薄膜形成技術によって形成されている。
【0016】すなわち、本実施例の表示装置71は、各
々の微小粒体76aの反転または非反転動作を制御する
ことによって、各々の微小粒体76aの所定色を表示画
面に設定し、表示画面上に文字等のような所定の画像を
表現することが可能な構造になっている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、平面格
子状に仕切り73を形成することによりキャビティ(画
素領域74)を形成する方法では、1つのキャビティ7
4空間内に1つの微小回転体76aが収容される形態を
とる。
【0018】しかも、キャビティ74空間の体積は、微
小回転体76aよりもわずかに大きい程度であり、更
に、キャビティ74の形状が正方格子状であるので、仮
に、複数の微小回転体76aを表示基板11上に散布し
て、転がして、仕切り73で分割された複数のキャビテ
ィ74内に微小回転体76aを収容させようとする場
合、微小回転体76aを収容していないキャビティ74
が多数でてきてしまう問題が起こる。
【0019】よって、キャビティ74のうち、微小回転
体76aの収納されなかった部分は、画素欠陥となり表
示品位を低下させることがあった。このことから、作製
歩留まりが低下することがあった。
【0020】以上のことから、表示むらがなく、表示品
位が高く、フレキシブルな表示装置を提供することは困
難であった。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点に
鑑みてなされたものであり、画素欠陥による表示ムラを
低減した表示装置を提供することを目的としている。こ
の目的は以下によって達成される。
【0022】本発明の表示装置は、光学的特性の異なる
2つの表面を有する複数の回転体と、該複数の回転体を
支持する支持フィルムと、を有し、該回転体を回転させ
ることにより表示を行う表示装置において、前記支持フ
ィルムは、ライン状の溝を複数有しており、該複数のラ
イン状の溝の夫々に前記複数の回転体が配列されてい
る、構成をとる。
【0023】好ましくは、前記回転体が前記ライン状の
溝に1列に配列されている、構成をとる。
【0024】好ましくは、前記ライン状の溝の幅が、前
記回転体の直径よりも広く、前記回転体の直径の2倍よ
りも狭い、構成をとる。
【0025】好ましくは、前記ライン状の溝の深さが、
前記回転体の直径よりも深い、構成をとる。
【0026】好ましくは、前記溝が前記支持フィルムに
互いに平行に配置されている、構成をとる。
【0027】好ましくは、前記回転体の形状が、円柱形
状である、構成をとる。
【0028】好ましくは、前記円柱のかどの部分がテー
パー状である、構成をとる。
【0029】好ましくは、前記円柱形状である回転体の
回転対称軸を、前記ライン状の溝に対して平行に配置す
る、構成をとる。
【0030】本発明の製造方法は、光学的特性の異なる
2つの表面を有する複数の回転体と、該回転体を支持す
る支持フィルムと、を有し、該回転体を回転させること
により表示を行う表示装置の製造方法において、前記支
持フィルムに複数のライン状の溝を形成する工程と、該
支持フィルム上に前記複数の回転体を散布し、該複数の
ライン状の溝の夫々に該複数の回転体を収容させる工程
と、を有する、製法とする。
【0031】好ましくは、更に、前記支持フィルムに振
動を加えながら、前記ライン状の溝に前記複数の回転体
を収容させる、製法とする。
【0032】
【発明の実施の形態】本実施態様の表示装置の1例を図
1(a)、図1(b)を用いて、説明する。図1(a)
は、表示装置の平面図である。図1(b)は、図1
(a)を破線A-Aで切断した時の断面図である。
【0033】着色層を形成した微小回転体101、第1の
フィルム102、第2のフィルム103、電極パターン104、透
明電極パターン105からなる。第1のフィルム102には、
ボールを支持するためのライン状の溝106が複数本形成
されている。溝106の中には、複数の微小回転体101とと
もに高抵抗の液体107が充填されている。電極パターン1
04は、第1のフィルム102の非接着面に縞状に形成され
ている。透明電極パターン105は、第2のフィルム103の
非接着面に縞状に、電極パターン104に直交するように
形成されている。
【0034】複数の微小回転体を支持フィルム上に散布
して、複数のキャビティの夫々に微小回転体を複数収容
させようとする場合、従来技術の図7において、キャビ
ティが1つのキャビティに1つの微小回転体が収容され
る正方形状の構成をとる場合と比較すると、本実施態様
では、キャビティの形状をライン状の溝にしたことによ
り、キャビティの中に微小回転体を収容することが容易
となる。これにより、問題となっていた画素欠陥を抑制
することが可能となる。
【0035】例えば、複数の微小回転体を支持フィルム
上に散布した時、キャビティが1つのキャビティに1つ
の微小回転体が収容される正方形状の場合、キャビティ
間には、仕切りがあるので、転がった微小回転体のう
ち、正方形状のキャビティ間を通過してしまい、キャビ
ティ内に収容されない微小回転体がでてくる。本実施態
様では、キャビティがライン状の溝106であるので、転
がった微小回転体101は、ライン状の溝106を通過するこ
とはなく、溝106に微小回転体101が引っ掛かり、微小回
転体101は、溝106内に落ちる。溝106内に落ちた微小回
転体101は、ライン状の溝106内を転がり、溝106内の収
容される。また、溝106内に収容された微小回転体101上
を支持フィルム103上を転がる微小回転体101が通過する
場合でも、微小回転体101は、転がる形状なので、支持
フィルム103上を転がる微小回転体101は、溝106内に収
容された微小回転体101に引っ掛かり、溝106の端面を転
がり、溝106内に落ち、溝106内に収容される。
【0036】溝106の幅は、微小回転体101の回転
径よりも広いことが好ましい。溝106が、これよりも
狭いと微小回転体101を溝106の中に収容すること
が困難である。また、溝の幅は、微小回転体の回転径の
2倍よりも狭いことが好ましい。これにより、1本の溝
に対して、収容される微小回転体は1本のライン状とな
り、微小回転体を、均一な密度で、規則正しく配置する
ことができ、表示むらの発生を抑制することができる。
【0037】更に、微小回転体101の複数がライン状
の溝106に1列に配列している場合、回転特性が悪く
なるのを防止できる効果を有する。
【0038】微小回転体101の複数がライン状の溝1
06に1列に配列している時、微小回転体106同志が
衝突することにより、回転特性が悪くなるのを低減でき
る効果を有する。微小回転体106の複数が1列に配列
されている場合、ライン方向にのみ隣接する微小回転体
106を有する。ライン方向に隣接する微小回転体10
6同志でのみ衝突が起きる。それに対して、微小回転体
106の複数が複数列に渡って配置されている場合、四
方八方に隣接する微小回転体106があるので、四方八
方で隣接する微小回転体同志が衝突することになる。
【0039】溝106の深さは、前記微小回転体101
の回転径よりも深いことが好ましい。これにより、微小
回転体101を溝106に収容することが容易となる。
また、表示装置作製時の2枚のフィルムを張り合わせる
工程において、溝を形成したフィルムと別のフィルムの
張り合わせ面を微小回転体の形状に合わせて加工した
り、アライメントを行う手間を省くことができ、作製工
程を簡略化することができる。
【0040】微小回転体101として微小円柱を用い、
微小円柱の回転対称軸を溝106に対して平行に配置す
ることにより、微小回転体101の回転軸を固定され、
回転特性が安定するので、回転不良を減らすことができ
る。さらに、微小回転体101を、溝106内により高
密度に収容することができ、表示のコントラスト比を向
上させることができる。
【0041】次に、着色層を形成した微小回転体101
の表示原理の1例を図1(b)を用いて説明する。白色
の微小球の半球面に黒色の着色層を積層する。
【0042】図1(b)より、観察側から見て、微小回
転体101の黒色側が観察側に向いた場合には、自然光
が黒色の着色層にて反射され、黒色の着色層の色を見る
こととなり、微小回転体101の白色側が観察側に向い
た場合には、自然光が白色球にて反射され白色が見える
ことなる。微小回転体101の寸法としては、微小回転
体101の直径が表示装置としての一画素以下の大きさ
となるように、200μm以下のものが好ましい。
【0043】着色層は、反射光の色、反射強度の差を用
いることにより観察側からみて微小球材料と異なる色相
を表示できればよい。微小球表面上に着色層を被覆する
ことにより、反射光の色、反射強度等の光学的特性の異
なる2つの表面を作り出している。また、着色層として
は、電気抵抗か高く、絶縁性液体中で安定で、機械的強
度が強く、ボール表面への固着性の良い材料であること
が好ましい。更に、着色層の色は、白色及び黒色に限ら
れることなく、イエロー、マゼンタ、シアン等でも良
い。
【0044】本実施態様の表示装置の駆動原理の一例を
図1(b)を用いて説明する。高抵抗液体107中の粒
子は、粒子と液体の間で電荷の授受が行われ電気二重層
が形成され、粒子は正または負に帯電することが知られ
ている。本発明の微小回転体101では半球表面に黒色
の着色層が形成され、他の半球面は白色である為、2つ
の異なる物質からなる領域を有する。よって、高抵抗液
体107から微小回転体101表面に正イオン粒子又は
負イオン粒子が特異吸着して、微小回転体101表面
は、異なる2つの表面電荷状態を形成する。この為、高
抵抗液体107中では各領域で帯電特性が異なることと
なり、微小回転体101の極方向に双極子モーメントを
持つようになる。この微小回転体101に電場を印加す
ると微小回転体101にはその極方向を電界方法に揃え
ようとするトルクが働き、微小回転体101はいずれか
の半球面を一方向に揃える。白色の微小球領域がマイナ
ス帯電し、黒色層がプラス帯電しているとすると電源に
てプラスが印加された正極に白色の微小球が、マイナス
が印加された負極に着色層側がくる。
【0045】高抵抗液体107に用いる液体としては、
電気的絶縁性の高い液体であればよくトルエン、アセト
ン等の有機溶剤や水を用いることが可能であるが、キャ
ビティである溝106を満たす高抵抗液体107が揮発
しないように、不揮発性の液体を用いることが好まし
い。特に透明なシリコーンオイルはイオンや不純物の含
有量が低く、高抵抗な液体であり好ましい。また、高抵
抗液体107は、着色ボールと接触して、微小回転体1
01を界面活性化させ、異なる2つの帯電電荷状態を誘
発する性質を有する。
【0046】また、微小回転体101を駆動するに用い
る電極104、105としては、観察側からみて、微小
回転体101の表面に形成した着色層を観察できるよう
に、どちらか一方が光透過性であることが必要である。
この為、SnO2、TiO2、ZnO、ITO等の透明
導電膜を用いる。
【0047】微小回転体101を支持するための支持フ
ィルム102、103としては、微小回転体101の着
色層を表示する為に、光学的に透明であることが必要で
あり、ポリエチレン、ポリスチレン、等の硬質の樹脂や
シリコーンゴム、ガラス等を用いる。
【0048】本実施態様の表示装置は、微小回転体10
1の回転を利用して、キャラクタ、グラフィック、ビデ
オ等の画像情報を表示する受光型表示装置に適用でき
る。また、紙のように見れ、紙のように動かせ、画像を
書き込め、画像を複写でき、画像を読み込め、画像を消
去できるペーパー・ディスプレイにも適用できる。
【0049】また、本実施態様に用いられる微小回転体
101は、微小回転体101自身が自発分極を持ち、巨
視的に電気双極子モーメントを有する構造体でも良い。
その場合、微小回転体101に形成される2つの異なる
表面電荷状態は、高抵抗液体107中に満たされること
により供給されるわけではないので、高抵抗液体107
をライン状の溝106内に注入する必要はない。
【0050】(実施例)以下、本発明を実施例を用いて
詳細に説明する。
【0051】(実施例1)図1に本実施例の表示装置の平
面図およびA-A断面図を示す。本実施例の表示装置は、
図1に示すとおり、ジルコニアボールの半球面にTiC黒
色層を形成した微小回転体101、ポリエチレンフタレ
ートよりなる第1のフィルム102、ポリエチレンフタレ
ートよりなる第2のフィルム103、Al電極パターン104、I
TO透明電極パターン105からなる。球状の微小回転体1
01の直径は、30〜35μmである。第1のフィルム102
には、微小回転体101を支持するためのライン状の溝
106が複数本形成されている。溝の幅は40μm、溝の深
さは40μmである。溝の中には、微小回転体101とと
もに高抵抗の液体としてシリコーンオイル107が充填さ
れている。電極パターン104は、第1のフィルム102の非
接着面に縞状に形成されている。透明電極パターン105
は、第2のフィルム103の非接着面に縞状に、電極パタ
ーン104に直交するように形成されている。
【0052】以下、本実施例の表示装置の作製方法を示
す。
【0053】まず、フィルムに溝を形成するための型を
作製した。図2に型の作製方法を示す。
【0054】面方位が(110)の単結晶シリコン基板201を
用意した。この基板を熱酸化することにより、基板両面
に、厚さ0.3μmの二酸化シリコン膜202を形成した(図2
(a))。
【0055】次に、表面の二酸化シリコン膜を、フォト
リソグラフィとHF水溶液によるエッチングにより、縞状
にパターニングした。このとき、縞状パターンは、単結
晶シリコン基板の(111)軸に対して直交するようパター
ニングした(図2(b))。
【0056】次に、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニ
ウム)水溶液を用いて、二酸化シリコン膜をマスクとし
て、結晶異方性エッチングを行い、基板に垂直な溝203
を形成した。最後に、 HF水溶液を用いて基板両面の二
酸化シリコン膜202を除去し、型を作製した(図2(c))。
図3に作製した型の模式図を示す。
【0057】次に、表示装置を作製した。表示装置の作
製方法を図4に示す。
【0058】まず膜厚80μmのポリエチレンフタレート
からなる熱可塑性の第1のフィルム401を基板上で250℃
に加熱して軟化させた。次に、作製した型402をフィル
ム401に押し込むことにより、溝403を形成した(図4(a)
〜図4(c))。
【0059】次に上記フィルムの非加工面に、縞状のA
lからなる電極パターン404を100μmピッチで形成し
た。
【0060】次に、上記フィルムの溝403に2色に着色さ
れた微小回転体である2色ボール405を投入した。投入
は、多量の2色ボール405と上記フィルム401を容器に入
れ、振動を加えることにより行った。2色ボール405とし
ては、直径30μmから35μmのジルコニアボールに対し
て、半球面にTiCが被覆されたものを用いた(図4(d))。
次に、上記フィルムの溝内を高抵抗液体として、低粘度
シリコーンオイル406で満たした(図4(e))。次に、膜
厚40μmのポリエチレンテレフタレートからなる第2の
フィルム407を第1のフィルム403表面に張り合わせ、両
フィルムの周囲を局所的に加熱して融着し、密封した。
次に、第2のフィルム407の非接着面に対して第1のフィ
ルム403と同様に縞状のITOからなる透明電極パター
ン408を、第1のフィルムの電極パターン404と直交する
ように100μmピッチで形成した。
【0061】以上の方法で作製した表示装置のフィルム
上下の電極パターンに対して100Vの直流電圧をパターン
状に印加したところ、2色ボール405が回転し、負極面が
黒表示、正極面が白表示となり、良好な表示を行うこと
ができた。このとき、微小回転体である2色ボール405の
応答速度は50m/sであった。また、この表示装置を繰り
返し曲げてフレキシブル性を調べたところ、表示への影
響、破損等は全く生じなかった。
【0062】また、本実施例の表示装置は、フィルムに
微小回転体保持するための溝を形成したことにより、微
小回転体をフィルム内に効率よく、規則正しく、均一な
密度な配置することができた。このことから、従来の表
示装置で問題となっていた、表示品位の低下が起こらな
くなった。また、キャビティの形状をライン状の溝にし
たことにより、キャビティ内への微小回転体の収容が容
易となり、従来の表示装置で問題となっていた画素欠陥
が減り、作製歩留まりを向上させることができた。
【0063】(実施例2)本実施例では、円柱形の微小
回転体を用いて表示装置を作製した。図5(a)、
(b)を用いて説明する。
【0064】微小回転体としては、底面部の直径が30μ
m〜35μm、高さが50μmのジルコニア製の円柱回転体
501を用いた。微小回転体の側面を表示面とした。表示
面のうち約半分の領域は、スパッタ蒸着法により、TiC
黒色層502を300nm形成することにより黒色に着色した。
【0065】上記円柱形回転体を用いて、実施例1と同
様な方法で、表示装置を作製した。微小回転体501
は、その回転対称軸503が溝に対して平行になるように
配置した。
【0066】本実施例の表示装置のフィルム上下の電極
パターンに対して100Vの直流電圧をパターン状に印加し
たところ、円柱形回転体501が回転し、負極面が黒表
示、正極面が白表示となり、良好な表示を行うことがで
きた。このとき円柱回転体501の応答速度は45m/sで
あった。また、この表示装置を繰り返し曲げてフレキシ
ブル性を調べたところ、表示への影響、破損等は全く生
じなかった。
【0067】本実施例では、微小回転体を円柱形とした
ことにより、回転軸が固定され、回転特性を安定させる
ことができ、実施例1の表示装置と比較して回転不良率
を減少させることができた。また、円柱回転体の形状か
ら、球体の微小回転体と比較して溝の中に密に配置する
ことが可能となった。このことから、本実施例の表示装
置は、実施例1の表示装置と比較して、コントラスト比
を向上させることができた。
【0068】(実施例3)本実施例では、かどの部分に
テーパーを有した円柱回転体601を用いて表示装置を
作製した。図6(a)、(b)を用いて説明する。
【0069】テーパー付円柱回転体601は、以下の方法
で作製した。まず、底面部の直径が30〜35μm、高さが
50μmのアルミナ製の円柱を用意した。このアルミナ円
柱をふっ酸(HF)液中に、浸漬しながらエッチングを行
い、円柱形のかどの部分にテーパー603を形成した。次
に、表示面のうち約半分の領域にスパッタ蒸着法によ
り、TiC黒色層602を300nm形成することにより、テーパ
ー付円柱回転体601を形成した。
【0070】テーパー付円柱形微小回転体601を用い
て、実施例1と同様な方法で、表示装置を作製した。微
小回転体は、その回転対称軸604が溝に対して平行にな
るように配置した。
【0071】本実施例の表示装置のフィルム上下の電極
パターンに対して100Vの直流電圧をパターン状に印加し
たところ、テーパー付円柱形微小回転体601が回転
し、負極面が黒表示、正極面が白表示となり、良好な表
示を行うことができた。このとき、テーパー付円柱形微
小回転体601の応答速度は、55m/sであった。また、
この表示装置を繰り返し曲げてフレキシブル性を調べた
ところ、表示への影響、破損等は全く生じなかった。
【0072】本実施例では、円柱回転体にテーパーを形
成することにより、溝の内壁と回転体の接触面積、およ
び隣接する回転体どうしの接触面積を減少させることが
できた。これにより、実施例2と比較して、同じ駆動電
圧で微小回転体の応答速度を向上させることができた。
【0073】(実施例4)図8は本発明の実施例1を利
用した表示装置の一例の概略構成を示すものである。図
8(a)は平面図、図8(b)は断面図である。先ず、
透明な下部ITO電極2102で全面を被覆された厚さ
100μmのPETフィルム2101上に、実施例1で
述べた着色ボール2103を分散させて成るゴムシート
2104を厚さ100μmに形成した。係るシート上
に、所望の形状にパターニングされた透明な上部ITO
電極2106を有する厚さ100μmのPETフィルム
2105を、上部ITO電極2106が前記ゴムシート
2104と対向する向きに圧着した。上部ITO電極2
106の形状・サイズは、所望の解像度に合わせて選択
する必要があるが、本実施例では簡単にするため、従来
公知の7セグメント・タイプを用いた。各上部電極21
06とパルス発生器2107を接続し、波高値100
V、パルス幅50msの矩形波を全電極に印加して、全
面を白色状態とした。次に、上部ITO電極2106の
内、任意のものをスイッチ2108で選択した上で、先
程とは逆極性のパルスを印加したところ、選択した上部
ITO電極に相当する個所のみ着色ボール2103が回
転し黒色化し、セグメント形状の組み合わせを利用した
表示(数字やアルファベットの一部)が可能であること
を確認した。また、係る黒色表示セグメントに先程のパ
ルスとは逆極性のパルス(最初のパルスと同極性)を印
加したところ、黒色表示が再度白色表示に戻ることを確
認した。
【0074】(実施例5)実施例4で用いた7セグメン
ト・タイプの構成に変えて、下部電極2112、上部電
極2113をストライプ状のITO電極で構成した。ス
トライプ状のITO電極幅及びその電極間の間隔は、4
0μmとした。下部電極2112と上部電極2113と
は互いに直交するように配置した表示装置を作成した。
係る表示装置の概略構成を図9(a),(b)に示す。
全下部電極2112と全上部電極2113に不図示のパ
ルス発生器を用いて波高値100V,パルス幅50ms
の矩形波を加えて、全面を白色状態とした。次に任意の
下部電極2112と上部電極2113とを選び、係る電
極間に上記パルス発生器を用いて逆極性のパルスを印加
したところ、両電極が交差する領域において、着色ボー
ル2103が回転して、黒色化した。すなわちパルス印
加する電極の組み合わせを選択することにより、所望の
領域を黒色表示できることを確かめた。また、さらに黒
色表示をもたらすパルスとは逆極性のパルスを印加する
ことにより、黒色表示部分が再度白色表示に戻ることを
確認した。
【0075】
【発明の効果】以上に説明したように本発明は次のよう
な効果を持つ。
【0076】微小回転体を支持するためのキャビティの
形状を溝にしたことにより、微小回転体のキャビティへ
の収容が容易になった。
【0077】また、溝に収容する微小回転体の形状を円
柱形にしたことにより、回転軸が固定され回転特性が安
定したので、回転不良をへらすことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示装置の平面図およびA-A断面図を
示す図である。
【図2】本発明に用いられるフィルムに溝を形成するた
めの型の作製方法を示す図である。
【図3】本発明に用いられるフィルムに溝を形成するた
めの型の模式図である。
【図4】本発明の表示装置の作製方法を示す図である。
【図5】本実施例2に用いられる円柱状の微小回転体を
示す図である。
【図6】本実施例3に用いられるテーパー付き円柱状の
微小回転体を示す図である。
【図7】従来の表示装置を示す図である。
【図8】本実施例4に用いられる表示装置を示す図であ
る。
【図9】本実施例5に用いられる表示装置を示す図であ
る。
【符号の説明】
101 微小回転体 102 第1のフィルム 103 第2のフィルム 104 電極パターン 105 透明電極パターン 106 溝 107 高抵抗液体 201 (110)単結晶シリコン基板 202 二酸化シリコン膜 203 溝 401 第1のフィルム 402 型 403 溝 404 電極 405 2色ボール 406 シリコーンオイル 407 第2のフィルム 408 透明電極 401 円柱回転体 402 TiC黒色層 403 回転対称軸 501 円柱回転体 502 TIC黒色層 503 回転対称軸 601 テーパー付き円柱回転体 602 TiC黒色層 603 テーパー 604 回転対称軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 貴志 悦朗 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的特性の異なる2つの表面を有する
    複数の回転体と、該複数の回転体を支持する支持フィル
    ムと、を有し、該回転体を回転させることにより表示を
    行う表示装置において、 前記支持フィルムは、ライン状の溝を複数有しており、
    該複数のライン状の溝の夫々に前記複数の回転体が配列
    されていることを特徴とする表示装置。
  2. 【請求項2】 前記回転体が前記ライン状の溝に1列に
    配列されている請求項1に記載の表示装置。
  3. 【請求項3】 前記ライン状の溝の幅が、前記回転体の
    直径よりも広く、前記回転体の直径の2倍よりも狭い請
    求項1又は請求項2に記載の表示装置。
  4. 【請求項4】 前記ライン状の溝の深さが、前記回転体
    の直径よりも深い請求項1〜3に記載の表示装置。
  5. 【請求項5】 前記溝が前記支持フィルムに互いに平行
    に配列されている請求項1〜4に記載の表示装置。
  6. 【請求項6】 前記回転体の形状が、円柱形状である請
    求項1〜5に記載の表示装置。
  7. 【請求項7】 前記円柱のかどの部分がテーパー状であ
    る請求項6に記載の表示装置。
  8. 【請求項8】 前記円柱形状である回転体の回転対称軸
    を、前記ライン状の溝に対して平行に配置する請求項6
    又は請求項7に記載の表示装置。
  9. 【請求項9】 光学的特性の異なる2つの表面を有する
    複数の回転体と、該回転体を支持する支持フィルムと、
    を有し、該回転体を回転させることにより表示を行う表
    示装置の製造方法において、 前記支持フィルムに複数のライン状の溝を形成する工程
    と、該支持フィルム上に前記複数の回転体を散布し、該
    複数のライン状の溝の夫々に該複数の回転体を収容させ
    る工程と、を有することを特徴とする表示装置の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 更に、前記支持フィルムに振動を加え
    ながら、前記ライン状の溝に前記複数の回転体を収容さ
    せる請求項9に記載の表示装置の製造方法。
JP10005725A 1998-01-14 1998-01-14 表示装置及びその製造方法 Withdrawn JPH11202803A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010505152A (ja) * 2006-09-27 2010-02-18 トレッド ディスプレイズ コーポレイション 反射型双安定光磁気ディスプレイで使用する電磁気書込みヘッドおよびバックプレーン
JP2010044385A (ja) * 2008-08-11 2010-02-25 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 電子ペーパー表示素子及びその製造方法
JP2010049258A (ja) * 2008-08-22 2010-03-04 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 電子ペーパー表示素子及びその製造方法
JP2010262254A (ja) * 2009-04-28 2010-11-18 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 表示素子及び電子ペーパー

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