JPH11202520A - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JPH11202520A
JPH11202520A JP10006980A JP698098A JPH11202520A JP H11202520 A JPH11202520 A JP H11202520A JP 10006980 A JP10006980 A JP 10006980A JP 698098 A JP698098 A JP 698098A JP H11202520 A JPH11202520 A JP H11202520A
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JP
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group
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dichlorotin phthalocyanine
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photoreceptor
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JP10006980A
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English (en)
Inventor
Kyoko Kitagawa
恭子 北川
Hiroaki Yokouchi
浩明 横内
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光体特性を損なうことなく厚膜化すること
が可能である下引き層を形成することで、いかなる環境
下でも安定した電気特性を有し、接触帯電方式を適用し
た電子写真プロセスにおいても、絶縁破壊を起こしにく
い電子写真用感光体を提供する。また上記に加え、下引
き層の塗膜表面が平滑でピンホール等の欠陥が無い電子
写真用感光体を提供する。 【解決手段】 導電性支持体上に下引き層および感光層
を順次設けた電子写真用感光体において、下引き層が、
ジクロロスズフタロシアニンまたは有機溶剤可溶性のジ
クロロスズフタロシアニン誘導体と、バインダー樹脂と
を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いかなる環境下で
も安定した電気特性を有し、接触帯電方式を適用した電
子写真プロセスにおいても、絶縁破壊を起こしにくい、
改良された中間層(下引き層)を有する電子写真用感光
体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真用感光体は、基本的に導電性支
持体(以下、支持体)上に、感光層を設けた構成である
が、支持体と感光層の密着性の向上、感光層の塗布均一
性の向上、支持体表面欠陥の被覆、支持体から感光層へ
の電荷注入防止等のために、支持体と感光層の間に、樹
脂あるいは樹脂中に無機フィラーを分散させた下引き層
を設けることが有効である。
【0003】下引き層には、前述の性能が要求されると
同時に、電子写真特性に悪影響を与えないような低い電
気抵抗であることが必要であり、また繰り返し使用した
時、あるいは使用される環境変化に対して、帯電電位、
残留電位および感度特性が安定していることが必要であ
る。
【0004】また、レーザー光の干渉を防止するため、
あるいは下引き層の電気抵抗を調整するために、無機フ
ィラーを分散させる場合には、無機フィラーの凝集によ
る凸凹欠陥や塗膜形成時のピンホール等のない、平滑な
表面性が要求される。
【0005】一方、電子写真プロセスにおいて、電圧が
印加された帯電部材を直接感光体表面に接触させ感光体
表面を均一に帯電させる、いわゆる接触帯電方式を適用
する場合には、下引き層が帯電電圧に対する適度な耐圧
を持ち、感光層の電気的破壊による画像欠陥を発生させ
ないことが必要である。
【0006】このような目的のために従来多くの樹脂層
が提案され、例えば、特開昭48−47344号公報に
は6−ナイロン層を設ける方法、特開昭52−2563
8号公報には溶剤可溶性ナイロンを含有する層を設ける
方法、特開昭58−30757号公報にはポリアミド樹
脂層を設ける方法が提案されている。しかし、これらの
樹脂層は比較的吸湿性が大きく、大気中の湿度変化によ
りその抵抗が大きく変化し、感光体の電気特性が変化し
てしまうという問題がある。このため樹脂層の厚みが制
限されるので、支持体の不均一性に基づく下引き層その
ものによる塗膜欠陥、例えば、ピンホール、クレーター
等の発生をきたすことになる。
【0007】このような欠陥を防止する方法として、非
吸湿性樹脂に導電性微粉末を分散した樹脂層で被覆する
方法が提案され、例えば、特公昭62−42498号公
報には導電性微粉末を分散させた樹脂層からなる樹脂層
を下引き層とするものが提案されている。しかし、この
ような導電性微粒子を分散させた樹脂層は、その表面に
突き出した微粒子のため電荷発生層用の分散塗液を上に
塗布する際に塗膜欠陥となりやすいという不具合が生じ
る。このため、その上に更に低抵抗の透明な樹脂層を設
ける方法が特公平1−51183号、特公平1−511
85号公報に提案されている。しかし、かかる方法は工
程数が増え、コスト的にも不利な面がある。また、導電
性微粉末を均一に分散させることが技術的に難しく、導
電性微粉末の凝集による塗膜欠陥を引き起こす。
【0008】また、下引き層には入射光によって電荷発
生層において発生したペアキャリアのうち電子を支持体
まで輸送し、且つ支持体からの正孔注入をブロッキング
するn型の導電機能が要求される。しかし、下引き層と
して、樹脂層だけではn型の導電機能はないので支持体
からの正孔注入を抑制できず、白紙印刷時に微小黒点が
発生するという画像欠陥が生じる。一方、光導電材料と
して多くの研究がなされてきたフタロシアニン化合物は
導電性を示すため抵抗調整剤として利用できるが、一般
にp型の半導電性を示すため、下引き層に含有させるに
は不適であるとされてきた。
【0009】さらに、下引き層上に感光層を設ける層構
成においては、感光層を浸漬塗布法、スプレー塗布法に
より塗布する場合が多い。この際、感光層の塗液に用い
ている溶剤の種類によっては、下引き層を溶解させてし
まったり、変質させてしまうことがあり、塗膜ムラに起
因する帯電ムラや画像濃度ムラの原因となるという問題
もある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、感光
体特性を損なうことなく厚膜化することが可能である下
引き層を形成することで、いかなる環境下でも安定した
電気特性を有し、接触帯電方式を適用した電子写真プロ
セスにおいても、絶縁破壊を起こしにくい電子写真用感
光体を提供することにある。
【0011】また本発明の他の目的は、上記目的に加
え、下引き層の塗膜表面が平滑でピンホール等の欠陥が
無い電子写真用感光体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の電子写真用感光体は、導電性支持体上に下
引き層および感光層を順次設けた電子写真用感光体にお
いて、下引き層が、ジクロロスズフタロシアニンと、バ
インダー樹脂とを含有することを特徴とするものであ
る。
【0013】前記ジクロロスズフタロシアニンの結晶
は、X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±
0.2°)=8.4、12.2、19.4、22.3、
28.2、30.0に明瞭な回折ピークを有することが
好ましい。
【0014】また、本発明の他の電子写真用感光体は、
導電性支持体上に下引き層および感光層を順次設けた電
子写真用感光体において、下引き層が、有機溶剤可溶性
のジクロロスズフタロシアニン誘導体と、バインダー樹
脂とを含有することを特徴とするものである。
【0015】前記有機溶剤可溶性のジクロロスズフタロ
シアニン誘導体は、そのベンゼン環の水素原子の少なく
とも一つが−R基、−OR基、−OCOR基、−OCH
NR基、−NHCOR基、−NHOCNR基、−NCS
R基、−COOH基、−OC基、−SOH基、
−NSOR基、−SONHR基(Rは炭素数1〜
50の直鎖または分岐状アルキル基、Rはアルキル
基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基)で
置換されてなることが好ましい。
【0016】本発明において、支持体上に設けられる下
引き層は、(1)支持体からの電荷注入をブロッキング
する、(2)湿度などの環境変化による電気抵抗の変動
を起こさない、(3)繰り返し使用した場合にも電荷の
蓄積を起こさない、(4)帯電電圧に対して適度な耐圧
を持ち、絶縁破壊を起こさない等の電気特性を満足する
と同時に、(5)入射光の支持体からの反射光を散乱さ
せる、(6)支持体の表面欠陥を被覆する等の特性を有
する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明は、支持体上に下引き層を
介して感光体層を有する電子写真用感光体である。以下
に本発明の電子写真用感光体について詳述する。
【0018】支持体としては、アルミニウム、ニッケ
ル、クロム、ステンレス鋼等の金属類の他、アルミニウ
ム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレス、金、
バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、ITO等の薄膜
を設けたプラスチックフィルム等、或いは導電性付与剤
を塗布または含浸させた紙やプラスチック等が挙げられ
る。これらの支持体は、ドラム状、シート状、プレート
状等、適宜形状が選択されるが、これら材質および形状
に限定されるものではない。また、必要に応じて、支持
体の表面を、酸化処理、薬品処理、着色処理、あるいは
サンドブラスト等の乱反射処理を施してもよい。
【0019】本発明の感光体における下引き層に使用さ
れるジクロロスズフタロシアニンとしては、X線回折ス
ペクトルにおいて、図1に示す如くブラッグ角(2θ±
0.2°)=8.4、12.2、19.4、22.3、
28.2、30.0に明瞭な回折ピークを有するもの
が、湿度依存性が小さく、環境変化による電気抵抗の変
動が起こりにくいので、好ましい。
【0020】あるいはまた、本発明の感光体における下
引き層に、有機溶剤可溶性のジクロロスズフタロシアニ
ン誘導体を好適に用いることができ、この場合、当該誘
導体のベンゼン環の水素原子の少なくとも一つが−R
基、−OR基、−OCOR基、−OCHNR基、−NH
COR基、−NHOCNR基、−NCS基、−COOH
基、−OC基、−SOH基、−NSOR基、
−SONHR基(Rは炭素数1〜50の直鎖または
分岐状アルキル基、Rはアルキル基、シクロアルキル
基、アリール基、アラルキル基)等で置換されている。
【0021】また、本発明の感光体における下引き層が
イオン性不純物を多く含んでいると、イオン性不純物を
介して支持体からのフリーキャリア注入による帯電電位
の低下および白紙印刷時に微小黒点が発生するという画
像欠陥の問題が起きるため、前記ジクロロスズフタロシ
アニンまたは前記有機溶剤可溶性のジクロロスズフタロ
シアニン誘導体に同伴されるCl、SO 、N
、NH 、Br、NO 等の含有イオン性不
純物は200μg/ml以下であることが望ましい。
【0022】また、従来の樹脂のみを用いた下引き層は
支持体からの正孔注入のブロッキング性に劣っているた
め、白紙印刷時に微小黒点が発生する画像欠陥が生じ易
かったが、本発明に係る下引き層に使用されるジクロロ
スズフタロシアニン化合物はn型の半導電性特性を示す
ため、このような問題は起こらない。また、導電性フィ
ラーで下引き層の導電性を調整する場合、フィラーの凝
集による塗膜欠陥が発生しやすいが、本発明における有
機溶剤可溶性のジクロロスズフタロシアニン誘導体にお
いては、溶解型であるためそのような問題が発生しな
い。
【0023】前述のフタロシアニン化合物の添加量はバ
インダー樹脂に対して通常0.1〜50重量%であり、
好ましくは1〜30重量%であるが、さらに下引き層と
して要求される電気抵抗およびバインダー樹脂との相溶
性を考慮した上で適宜最適値が決められる。
【0024】本発明に係る下引き層に使用されるバイン
ダー樹脂としては、ポリビニルブチラール、ポリビニル
アルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステ
ル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエステル、ポリア
ミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリビニルア
ルキルエーテル、ポリ−N−ビニルイミダーゾール、ア
ルキルセルロース、ニトロセルロース、ポリエチレンオ
キサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリアミノ酸エ
ステル、ポリビニルピロリドン、ポリペプチド、ポリ無
水マレイン酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルホルマ
ール、ポリビニルピリジン、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、クロルスルホン化ポリエチ
レン、熱可塑性ポリウレタン等の熱可塑性樹脂や、ポリ
ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、
メラミン系樹脂等の熱硬化性樹脂を単独または混合して
用いることができる。中でも、下引き層を形成した後に
感光層をディッピング法で塗布する場合は、電荷発生層
の溶剤の種類によっては下引き層を溶解、変質してしま
うことがあるため、熱硬化性樹脂を用い、不溶化させる
ことが好ましい。
【0025】このような下引き層を適用した感光体を、
レーザー光を光源とする電子写真装置に用いる場合は、
光の入射光と支持体表面からの反射光との干渉によって
生じる光干渉縞に基因する印字欠陥を防ぐ必要があり、
例えば、金属酸化物、金属窒化物などの無機顔料を含有
させて光の乱反射を生じさせるのが望ましい。干渉によ
る印字欠陥は、無機顔料を多量添加することで容易に防
止することが可能であるが、そのことによって無機顔料
の沈降による塗液劣化の問題や塗膜欠陥等が発生しやす
くなる。無機顔料の添加量を少なくし効率よくレーザー
光の干渉を防止するためには、屈折率の大きい無機顔料
を含有させるのが好ましく、例えば屈折率1.8以上の
酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アンチモン、硫
化亜鉛等がよい。また、無機顔料の平均粒径としては、
0.4μm以下が好ましく、レーザー光を散乱させるた
めには、レーザー光の波長(0.4〜0.8μm)の半
分程度の粒径、例えば0.2〜0.4μm程度の粒子を
用いるのが好ましい。
【0026】さらに無機顔料の表面をシランカップリン
グ剤で処理し、分散性を改良し、無機顔料の凝集による
微小な印字欠陥を防止するのが好ましい。シランカップ
リング剤としては、下引き層に用いるバインダー樹脂や
溶剤、また顔料の種類によって適宜決められるが、例え
ば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシ
シラン、γ−グリシドシキプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、β−3,4−エポキシ
シクロヘキシルトリメトキシシラン等を挙げることがで
き、顔料に対するかかるシランカップリング処理剤の量
は0.5〜5重量%が適している。
【0027】このように、無機顔料の屈折率、平均粒
径、表面処理等を最適化することで、従来無機顔料を含
有させていた下引き層で問題になっていた、沈降による
塗液劣化、凝集による塗膜欠陥等を解消することができ
る。
【0028】また本発明の下引き層は優れた電気特性を
有するため、下引き層の膜厚を、例えば5〜10μmに
しても、感度の低下や残留電位の上昇が起こらないた
め、厚膜化が可能であり、それによって、支持体の表面
の欠陥を十分に被覆することができる。また、膜厚を調
整することで高耐刷性になるため、接触帯電方式を適用
した電子写真装置においても、絶縁破壊を防止できる。
【0029】電荷発生層は、アゾ系顔料、フタロシアニ
ン系顔料、ジスアゾ系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン
系顔料等の有機系顔料やセレン粉末、アモルファスシリ
コン粉末、酸化亜鉛粉末等の無機系顔料を使用すること
ができる。かかる電荷発生層用有機顔料の代表例とし
て、下記構造式I−1〜I−24のものが挙げられる。
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】これらの顔料をポリエステル樹脂、ポリビ
ニルアセタール樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、ポリスチレン樹脂等のバインダー樹脂溶液に分散
し、これを下引き層上に塗布、乾燥することによって形
成される。電荷発生層の膜厚は、0.1〜2μm程度が
適当である。
【0035】電荷輸送層は、ヒドラゾン化合物、トリフ
ェニルアミン化合物、スチルベン化合物、エナミン化合
物、多環芳香族化合物、窒素含有複素環化合物等の電荷
輸送性物質を、これら物質と相溶性のある樹脂、例え
ば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビ
ニルブチラール酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂等と
共に適当な溶剤に溶解させ、これを電荷発生層上に厚さ
5〜40μm程度に塗布、乾燥して得られる。かかる電
荷輸送性物質の代表例として、下記構造式II−1〜II−
12のものを、またポリカーボネート樹脂の代表例とし
て下記構造式III−1〜III-7のものが夫々挙げられる。
さらに、電荷輸送層には、光、熱、オゾン等による劣化
を防止する目的で、種々の酸化防止剤を添加することが
できるが、かかる酸化防止剤の代表例として、下記構造
式IV−1〜IV−45のものが挙げられる。
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】なお、本発明における電子写真用感光体
は、前述したような電荷発生層上に電荷輸送層を形成し
てなる負帯電型積層構造に限定されるものでなく、電荷
発生物質と電荷輸送性物質およびバインダー樹脂を混合
してなる正帯電型単層構造等にも適用しうるものであ
る。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明がこれらの実施例によって限定されるも
のではない。 実施例1 次式(V)、 で表されるp−ビニルフェノールのホモポリマー5重量
部とエポキシ樹脂(商品名:アラルダイトAER280
T70、チバガイギ(株)製)5重量部とをテトラヒド
ロフラン200重量部に溶解した樹脂溶液と、γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシランで表面処理した酸化チタ
ン(商品名:P−25、日本アエロジル(株)製)20
重量部と、ジクロロスズフタロシアニン1重量部とをボ
ールミルポットに入れ、球径10mmφのアルミナボー
ルを用い48時間ボールミリングして、下引き層塗布液
を調製した。
【0047】この塗布液を外径30mmφのアルミニウ
ム円筒状支持体表面にディッピング塗布し、140℃で
30分乾燥して膜厚5μmの下引き層を形成した。
【0048】次に電荷発生層として、X型無金属フタロ
シアニン10重量部と、ポリビニルブチラール樹脂(商
品名:エスレックBM−2、積水化学工業(株)製)1
0重量部と、シクロヘキサノン100重量部とを球状微
粉砕媒体に0.25mmジルコニアボールを用いたサン
ドグラインダーで、7時間分散処理した。この分散液に
テトラヒドロフラン500重量部を加えて希釈し、上記
下引き層上に浸漬塗布後、100℃、30分間乾燥を行
い、膜厚0.3μmの電荷発生層を設けた。
【0049】更に、ヒドラゾン化合物(商品名:CTC
191、阿南香料(株)製)10重量部およびジブチル
ヒドロキシトルエン(BHT)0.1重量部を塩化メチ
レン90重量部に溶解し、上記電荷発生層上に浸漬塗布
後、100℃、30分間乾燥を行い、膜厚20μmの電
荷輸送層を設けた。このようにして、3層からなる積層
型電子写真用感光体ドラムを作製した。
【0050】実施例2 下引き層中におけるジクロロスズフタロシアニンの代わ
りに、t−ブチル化ジクロロスズフタロシアニンを用い
た以外は、実施例1同様にサンプルを作製した。
【0051】実施例3 下引き層中におけるジクロロスズフタロシアニンの代わ
りに、エチルエーテル化ジクロロスズフタロシアニンを
用いた以外は、実施例1と同様にサンプルを作製した。
【0052】実施例1〜3のジクロロスズフタロシアニ
ン化合物に同伴するイオン性不純物含有量は、Cl
SO 、Na、NH 、Br、NO すべ
て200μg/ml以下である。
【0053】比較例1 下引き層にジクロロスズフタロシアニンまたは有機溶剤
可溶性のジクロロスズフタロシアニン誘導体を含有させ
ない以外は、実施例1と同様にサンプルを作製した。
【0054】このようにして作製した各感光体をレーザ
ービームプリンターに搭載し、感光体特性を評価した。
下引き層の液組成と、低温低湿環境下、常温常湿環境
下、高温高湿環境下および長期使用後(10,000回
後)における画像特性(微小黒点の発生)と明部電位
(Vi)の関係を下記の表1に示す。長期使用後につい
ては、常温常湿環境下における10,000枚連続印刷
後に感光体特性を評価した。微小黒点については、白紙
印刷上に微小な黒点が印刷される画像欠陥をもって微小
黒点とした。明部電位(Vi)については、感光体プロ
セス試験機で評価し、感光体を試験機に取り付け、周速
78.5mm/sで回転させながら、コロトロンで約−
600Vに帯電し、その後5秒後暗所に放置し、続いて
波長780nm、放射照度2μW/cmの光を照射
し、0.2秒後の電位をもって明部電位(Vi)とし
た。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】本発明の電子写真用感光体は、ジクロロ
スズフタロシアニンまたは有機溶剤可溶性のジクロロス
ズフタロシアニン誘導体を含有する下引き層を設けるこ
とにより、帯電位、残留電位、感度等の電気特性が使用
する環境変化の影響を受けないため、安定して高い画質
を得ることができる。
【0057】また、下引き層の膜厚を厚めに設定して
も、残留電位が低く、繰り返し使用しても電荷の蓄積が
ほとんどないため、厚みによって支持体の表面欠陥を充
分に被覆することができ、支持体の表面加工、洗浄にか
けるコストを大幅に削除することができる。加えて、帯
電電位に対して高い耐圧を有するため、特に接触帯電方
式を用いる場合には、絶縁破壊によって生じる画像欠陥
を防止することができる。
【0058】更に、有機溶剤可溶性のジクロロスズフタ
ロシアニン誘導体を含有する下引き層を設けた場合は、
塗膜表面が平滑でピンホール等の欠陥を軽減することが
できる。
【0059】更にまた、前述の下引き層が無機フィラー
を含有することによって、光を散乱させることができる
ので、光源にレーザー光を用いる電子写真装置において
も光の干渉による画像不良を防止する効果がある。
【0060】以上要するに、本発明の電子写真用感光体
は、十分膜厚を厚くしてもその抵抗が低く、環境の変化
に対する耐性が高く、長期に使用に際し特性の変化が少
なく、良質な画像が得られ、また、有機溶剤可溶性のジ
クロロスズフタロシアニン誘導体を使用した場合には、
溶解性であるがために分散不良によるピンホール等の下
引き層塗膜欠陥が少なく塗膜表面が平滑となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ジクロロスズフタロシアニンのX線回析スペク
トルを示すグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に下引き層および感光層
    を順次設けた電子写真用感光体において、 下引き層が、ジクロロスズフタロシアニンと、バインダ
    ー樹脂とを含有することを特徴とする電子写真用感光
    体。
  2. 【請求項2】 前記ジクロロスズフタロシアニンの結晶
    が、X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±
    0.2°)=8.4、12.2、19.4、22.3、
    28.2、30.0に明瞭な回折ピークを有する請求項
    1記載の電子写真用感光体。
  3. 【請求項3】 導電性支持体上に下引き層および感光層
    を順次設けた電子写真用感光体において、 下引き層が、有機溶剤可溶性のジクロロスズフタロシア
    ニン誘導体と、バインダー樹脂とを含有することを特徴
    とする電子写真用感光体。
  4. 【請求項4】 前記有機溶剤可溶性のジクロロスズフタ
    ロシアニン誘導体が、そのベンゼン環の水素原子の少な
    くとも一つが−R基、−OR基、−OCOR基、−OC
    HNR基、−NHCOR基、−NHOCNR基、−NC
    SR基、−COOH基、−OC基、−SO
    基、−NSOR基、−SONHR基(Rは炭素数
    1〜50の直鎖または分岐状アルキル基、Rはアルキ
    ル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基)
    で置換されてなる請求項3記載の電子写真用感光体。
JP10006980A 1998-01-16 1998-01-16 電子写真用感光体 Pending JPH11202520A (ja)

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