JPH11200280A - 組成物及び紙料用処理剤 - Google Patents

組成物及び紙料用処理剤

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JPH11200280A
JPH11200280A JP213098A JP213098A JPH11200280A JP H11200280 A JPH11200280 A JP H11200280A JP 213098 A JP213098 A JP 213098A JP 213098 A JP213098 A JP 213098A JP H11200280 A JPH11200280 A JP H11200280A
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JP
Japan
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compound
treating agent
paper
fiber
general formula
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Application number
JP213098A
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English (en)
Inventor
Hisashi Nagi
比佐志 凪
Yoshio Kishino
喜雄 岸野
Tomoyasu Sonedaka
友康 曽根高
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水中分散性の改善、泡立ち抑制性等の諸性能に
優れた処理剤を提供する。 【解決手段】 一般式(a)で示される化合物A及び一
般式(b)で示される化合物Bを含む紙料用処理剤とし
て好適な組成物。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維・紙料等への
処理剤として好適な組成物、紙料用処理剤及び該処理剤
が付着した繊維に関し、さらに該繊維を用いてなる不織
布と不織布の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、処理剤を繊維等に付与することに
より種々の性能を改善することが検討されており、たと
えば抄紙用紙料に処理剤を付与することにより水分散性
を改善し、さらに泡立ちを減じることが検討されている
が、従来の処理剤では十分な効果が得られていなかっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、諸性
能に優れ、特に抄紙用紙料の処理剤として好適な処理剤
及び該処理剤を付着してなる繊維を提供することにあ
り、さらに該繊維を用いてなる不織布及びその製造方法
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、<1> 一般
式(a)で示される化合物A及び一般式(b)で示され
る化合物Bを含む組成物、<2> 一般式(a)で示さ
れる化合物A及び一般式(b)で示される化合物Bを含
む紙料用処理剤、<3> 一般式(a)で示される化合
物A及び一般式(b)で示される化合物Bを含む処理剤
が付着した溶融液晶性ポリエステル繊維、<4> 一般
式(a)で示される化合物A及び一般式(b)で示され
る化合物Bを含む処理剤が付着した溶融液晶性ポリエス
テル繊維を用いてなる不織布、<5> 一般式(a)で
示される化合物A及び一般式(b)で示される化合物B
を含む処理剤が付着した溶融液晶性ポリエステル繊維を
用いる不織布の製造方法に関する。
【0005】
【化11】
【0006】
【化12】
【0007】
【発明の具体的形態】本発明者等は、鋭意研究の結果、
化合物A及び化合物Bを含む組成物を付与することによ
り、その対象物の分散性を顕著に改善し、さらに泡立ち
が大幅に減じることを見出だした。本発明においては、
化合物A及び化合物Bを併用する必要があり、これらを
併用しない場合には水中分散性の改善、泡立ち発生の抑
制等が不十分となり所望の効果が得られない。化合物A
又は化合物Bの1成分のみを付与しても水中分散性はそ
れほど改善されないが、これらを同時に付与すると水中
分散性が顕著に改善され、しかも泡立ちが発生しにくく
なる。また化合物Aと化合物Bを併用すると、化合物A
と化合物Bの相溶性が高まって処理剤としての安定性が
向上し、さらに共存することにより溶融粘度を低くでき
るために取扱性に優れるのみでなく、繊維に均一にかつ
膜状に付着させることが可能となり一層優れた効果が得
られる。化合物Bのみ繊維に付与しても発泡性及び分散
性はあまり改善されないが、化合物Aと化合物Bを併用
すると発泡性及び分散性がともに顕著に改善される。
【0008】化合物Aと化合物Bの配合比率は、粘度、
水中分散改善性、発泡抑制等の点から30/70〜99
/1、特に50/50〜95/5とするのが好ましい。
通常、処理剤の付着した繊維等を水中に分散させると泡
立ちが生じやすくなり、繊維等が浮遊して工程効率が悪
くなるのみでなく、抄紙時においては泡立ち部分に繊維
が存在できずに繊維密度が極めて少なくなり、従って、
地合が極めて劣化し、さらに紙力等が不十分になる問題
が発生するが、本発明においてはかかる問題は生じな
い。分散剤の対象物への付着量は対象物の水中分散性等
の点から0.05重量%以上/対象物重量、特に0.1
重量%以上/対象物重量とするのが好ましく、また付着
量が3重量%をこえても諸性能はそれほど向上せず、コ
スト的に好ましくないことから、3重量%以下、特に
1.5重量%以下とするのが好ましい。
【0009】一般式(a)中のR1,R2は炭素数1〜
10のアルキル基を示し、たとえばメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル
基等が挙げられ、疎水性等の点からブチル基、特にn−
ブチル基であるのが好ましい。またR3,R5は炭素数
1〜10のアルキレン基を示し、具体的にはメチレン
基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、
ペンタメチレン基等が挙げられ、疎水性、生産性等の点
からはエチレン基であるのが好ましい。R4は炭素数1
〜10のアルキレン基またはナフチル基を示したもので
あり、均一分散性、生産性等の点から、テトラメチレン
基またはナフチル基であるのが好ましい。特に好ましい
化合物Aとしては、一般式(c)または一般式(d)で
示されたものが挙げられる。
【0010】
【化13】
【0011】
【化14】
【0012】また式(1)中のm、nは1以上の自然数
を示したものであり、親水性、生産性、コスト等の点か
ら、mは10〜200程度、nは5〜100程度にする
のが好ましく、15≦m+n≦300、特に50≦m+
n≦200とするのが好ましい。化合物Aの平均分子量
は、親水性、生産性、コスト、取扱性等の点から500
〜20000、好ましくは6000〜14000である
のが好ましい。
【0013】本発明で用いられる一般式(b)で示され
た化合物Bは弱カチオン性の処理剤であり、一般式
(b)中のR6、R7は炭素数1以上のアルキル基を示
したものであり、生産性、コスト、親水性の程度等の点
から、炭素数8〜30、特に炭素数10〜20程度のア
ルキル基、特に炭素数17のアルキル基が好ましい。ア
ルキル基は直鎖状であっても枝分かれ構造を有していて
もかまわないが、生産性、コスト等の点から直鎖状であ
るのが好ましい。また式(2)中のsは1以上の自然数
を示したものであり、親水性、生産性、コスト等の点か
ら2≦s≦30であるのが好ましく、化合物Bの平均分
子量は400〜3000、特に900〜2000である
のが好ましい。本発明においては、2種類以上の化合物
A・化合物Bを併用してもかまわない。
【0014】また化合物A及び化合物B以外の処理剤を
併用してもよく、たとえば一般式(e)で示される化合
物Cを併用するのが好ましい。化合物Cを併用すること
により化合物Aの乳化と浸透性が一層改善され優れた効
果が得られる。かかる化合物は、化合物A及び化合物B
の合計量に対して5〜30重量%程度用いるのが好まし
い。なお、一般式(e)中のk,l,tは1以上の自然
数を示し、k及びlについては好ましくは1〜20,特
に2〜10、なかでも7であるのが好ましく、tは2〜
30、特に15〜25であるのが好ましい。分子量は5
00〜2000程度であるのが好ましい。
【0015】
【化15】
【0016】化合物A及び化合物Bの付与方法は特に限
定されず、溶融物等をそのまま対象物に付与してもかま
わないが、水や非水系溶剤に溶解または分散させたもの
を付与するのが工程性等の点で好ましい。溶解温度の低
い対象物(繊維等)に付与する場合には、膠着の発生を
抑制する点等からは水性分散液に溶解又は分散させたも
のを用いるのが好ましい。このとき、水性分散液の安定
性をより向上させるために、分散液に界面活性剤や有機
溶剤を少量添加するのが好ましい。化合物(A)と化合
物(B)の合計重量が分散液重量の1〜10重量%程度
の濃度になるようにするのが好ましい。化合物A及び化
合物Bを処理する工程は抄紙前であれば特に問題はない
が、延伸後カットファイバ−とする前にデイップ処理、
スプレ−処理等を施すのが工程上好ましい。
【0017】溶剤としてはたとえば、メタノールやエタ
ノールなどの低級モノアルコール類、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ヘキサメチレンジオール、
グリセリン等の多価アルコール類、ポリオキシエチレン
ラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテ
ル等のポリオキシエチレン系の化合物やそのエーテル化
合物、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレ
ングリコールモノブチルエーテルなどが挙げられる。特
に上記多価アルコール類が好ましい。これらに水を添加
してもかまわない。
【0018】本発明の処理剤を対象物に付与する方法は
特に限定されず、たとえば従来公知の方法で付与すれば
よい。例えば回転するロ−ラ−に分散剤を付着させ、該
ロ−ラ−に走行する糸条等を接触させて付与する方法、
糸条を分散剤を噴射状にしたチャンバ−中を走行させて
付与する方法、油剤浴中に繊維を浸漬してニップする方
法(Dip−Nip法)等が挙げられる。工程性の点か
らは回転ロ−ラ−に接触させる方法が好適に採用され
る。
【0019】処理剤は対象物全体に付与されている必要
はないが、対象物表面積の70重量%以上、特に80重
量%以上、さらに90重量%以上に付与されているのが
好ましい。工程性等の点から対象物の乾熱延伸后の工程
で付与することが望ましい。しかしながら250℃以上
のような高温度で熱処理を行う場合、化合物A及び化合
物Bが揮発して十分な効果が得られにくいことから熱処
理後に付与するのが好ましい。
【0020】本発明の処理剤が付与される対象物は特に
限定されず、織物、編物等の布帛やパルプ等に付与して
もかまわないが、特に水中分散性を改善し、泡立ちが抑
制されることから抄紙用紙料に付与した場合に顕著な効
果が得られ、なかでも繊維は分散性等が不十分になりや
すいことから一層顕著な効果が得られる。適用できる繊
維としては、たとえばアクリル系繊維、ポリアミド系繊
維、ガラス繊維、ポリビニルアルコ−ル系繊維、ポリエ
ステル繊維、弗素系繊維等が挙げられる。なかでも繊維
と処理剤との接着性、分散性改善性の点等から疎水性繊
維を用いるのが好ましく、特にポリエステル系繊維(溶
融液晶性ポリエステル繊維)、なかでも溶融液晶性ポリ
エステル繊維に適用した場合に顕著な効果が得られる。
【0021】溶融液晶性ポリエステル繊維(特に全芳香
族ポリエステルからなる溶融液晶性ポリエステル繊維)
を配合した紙は、耐熱性、非吸湿性等の諸性能に優れ、
また機械的性能に優れていることから、建材、濾材、電
気絶縁材料等の分野への活用が期待されている。しかし
ながら、近年技術が発展するとともに、電気絶縁材料等
に望まれる要求性能も高くなり、高温における形態安定
性や地合のさらなる改善が望まれていた。すなわち溶融
液晶性ポリエステル繊維は機械的性能等に優れているも
のの、剛直であるため湿式抄紙すると繊維同志が絡まっ
て良好に分散させにくく、特に繊維性能を高めるために
熱処理を施した熱処理糸は、熱処理工程中に紡糸油剤が
溶出して単繊維間の疑似膠着が発生し、離解機にかけて
も単繊維状に容易に分離しないため水分散性が不十分に
なり地合の良好な紙が得られにくい問題があった。しか
しながら、本発明の組成物を付与することによって繊維
の均一分散性は顕著に改善され、また発泡が生じにくく
なることから、地合・耐熱性・機械的性能・高温におけ
る寸法安定性等の諸性能に優れた紙が得られる。勿論、
溶融液晶性ポリエステル繊維と他の繊維を併用してもか
まわない。
【0022】本発明にいう溶融液晶性ポリエステル繊維
とは、芳香族ジオ−ル、芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸から得られるポリマ−であり、溶融
相において光学異方性を示すものである。このような特
性は公知の方法、たとえばホットステ−ジに乗せた試料
を窒素雰囲気下で昇温加熱し、その透過光を観察するこ
とにより容易に認定できる。好ましい溶融液晶性ポリエ
ステルの融点(MP)は260〜360℃、好ましくは
270〜350℃である。ここでいう融点とは示差走査
熱量計(DSC:例えばmettler社製、TA30
00)で観察されるJIS K7121に準じて測定さ
れる主吸熱ピ−クの温度である。
【0023】本発明に用いられる好適な溶融液晶性ポリ
エステル繊維としては、たとえば化16〜化18に示さ
れる以下の反復構成単位の組み合わせからなるポリマ−
が挙げられる。特に好ましくは、パラヒドロキシ安息香
酸(A)と2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸(B)の構
成単位からなる部分が80%以上である溶融液晶性ポリ
エステルであり、特にAとBの合計量に対するBの成分
が5〜45モル%である溶融液晶性ポリエステルが好ま
しい。
【0024】
【化16】
【0025】
【化17】
【0026】
【化18】
【0027】勿論、溶融液晶性ポリエステル以外のポリ
マ−、たとえばポリエチレンテレフタレ−ト、ポリオレ
フィン、ポリカ−ボネ−ト、ポリアリレ−ト、ポリアミ
ド、ポリフェニレンルファイド、ポリエステルエ−テル
ケトン、弗素樹脂等の熱可塑性ポリマ−が含まれていて
もかまわない。また酸化チタン、カオリン、シリカ、硫
酸バリウム、カ−ボンブラック、顔料、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、光安定剤等を含んでいてもよい。
【0028】不織布の機械的強度、高温における寸法安
定性等の点、さらに本発明の効果が顕著に奏されること
から、溶融対数粘度15dl/g以上の溶融液晶性ポリ
エステル繊維を用いるのが好ましい。かかる溶融液晶性
ポリエステル繊維は重合度の比較的高いポリエステルか
らなる繊維であり、一般には溶融紡糸して得られた紡糸
原糸を高温で熱処理を施すことによって得られる。原料
ポリマ−を溶融紡糸した場合、紡糸前後でポリマ−の分
子量は実質的に変化しないが、得られた繊維状物を熱処
理すると固相重合により重合度及び溶液対数粘度が大き
くなる。250〜350量体程度のものが好ましいが、
ポリマ−の重合度を厳密に測定するのは極めて困難であ
るため溶液対数粘度により好適な繊維を示した。
【0029】該繊維(高重合度繊維)は高温で熱カレン
ダ−処理を施しても融着が生じにくく、また高温におけ
る寸法安定性が高いため、優れた引裂強度及び形態安定
性を保持することが可能となり、配合量が少量であって
もシ−トの諸性能を著しく改善できるものの、高温で熱
処理を施しているために疑似膠着が生じやすく、水分散
性が不十分になる問題があった。しかしながら、好まし
くは熱処理後の繊維に本発明の処理剤を付与することに
よって、諸性能を損なうことなく水分散性を改善できる
ため高性能の紙が得られる。高温における形態安定性、
抄紙性等の点から、高重合度繊維を40〜80重量%と
するのが好ましい。
【0030】熱の供給は、加熱板、赤外線ヒ−タ−等に
より熱輻射を利用する方法、熱ロ−ラ−、プレ−ト等に
接触させて行う方法、高周波等を利用した内部加熱方法
等がある。加熱媒体として用いる気体は、窒素等の不活
性ガスあるいは窒素と酸素、炭酸ガスなどの混合気体お
よび空気などが用いられる。熱処理雰囲気は露点が-10
℃以下、好ましくは-40 ℃以下の気体中が良い。好まし
くは200℃以上で熱処理を行うのが好ましく、特に融
点Tmに対して、Tm−60℃〜Tm+20℃の温度範
囲で、Tm−40℃から順次昇温していく温度パタ−ン
を採用するのが好ましい。
【0031】さらに優れた効果を得るためには高重合度
熱処理糸を総延伸倍率1.01倍以上の延伸を施すのが
好ましい。延伸により寸法安定性等の諸性能が一層改善
されるとともに、湿式抄紙した際の分散性及び地合の均
一性を一層顕著に改善できる。すなわち、延伸により配
向結晶化が向上して繊維そのものの機械的性能(初期弾
性率等)が向上すると同時に膠着状態が解除されて、繊
維の均一分散性が一層改善される。総延伸倍率は1.0
1倍以上とし、膠着解除及び毛羽の発生等の点からは
1.015〜1.100倍とするのが好ましい。延伸処
理は、ポリエチレンテレフタレ−ト繊維等の延伸処理に
一般に用いられている装置により行えばよく2個以上の
ロ−ラ−間で行うのが好ましく2段以上の延伸を行うの
が好ましい。
【0032】不織布の柔軟性等の点からは高重合度延伸
繊維以外の溶融液晶性ポリエステル繊維を配合するのが
好ましく、特に溶融対数粘度1dl/g以上12dl/
g以下、さらに2dl/g以上10dl/g以下の溶融
液晶性ポリエステル繊維(低重合度繊維)を配合するの
が好ましい。低重合度繊維の配合割合は、高温における
寸法安定性、形態保持性、紙力等の点から30〜70重
量%とするのが好ましい。低重合度繊維としては、溶融
液晶性ポリエステル繊維を紡糸し、かつ実質的に重合度
を高めるための処理(熱処理・固相重合等)が施されて
いないものが好適に使用でき、80〜120量体程度の
ものが好ましい。かかる繊維は耐薬品性、非吸水性に優
れているが、高重合度繊維よりも融点が低く柔軟性が高
いため、高重合度繊維及び低重合度繊維の混合物を高温
で処理(熱プレス処理等)すると、高重合度繊維は溶融
しないために高温における形態安定性及び機械的強度を
保持したまま、低重合度繊維のみが融着して繊維間を結
着して十分な接着性が得られ、また不織布の柔軟性等も
向上する。均一分散性及び泡立発生抑制の点からはかか
る低重合度繊維にも処理剤を付与するのが好ましい。
【0033】本発明の処理剤を付与した繊維を抄紙する
場合、繊維の長さは適宜設定すればよいが、均一分散
性、紙力(繊維絡合性)等の点から、長さ1〜20m
m、特に3〜10mmとするのが好ましい。繊維の太さ
は目的・用途に応じて設定すればよく、たとえば0.1
〜3dの繊維が好適に使用できる。勿論、叩解して得ら
れたパルプや極細繊維等を用いてもかまわない。溶融液
晶性ポリエステル繊維を用いる場合には、均一分散性を
一層改善するために刃先角度60〜75度の刃で切断し
て得られたカットファイバ−を用いるのが好ましい。該
刃先角度を有する刃を用いるとカット断面が変形する等
の問題が生じにくく、カット面が融着して分散性不良の
原因となるのを効果的に抑制できる。特にタングステン
カ−バイドを50重量%以上、特に80重量%以上含む
刃を用いるのが好ましく、タングステンカ−バイドの粒
子径は10μm以下、特に6μm以下であるのが好まし
い。なお本発明にいう刃先角度とは、刃の先端のエッジ
部の角度をいう。
【0034】本発明の処理剤を付与した紙料を用いるこ
とにより、紙料の分散性が改善されるとともに、泡立ち
が抑制されることから、地合、紙力等の諸性能に優れた
紙が得られる。勿論、紙料のすべてに処理剤が付与され
ている必要はなく、本発明の効果を損なわない範囲で処
理剤が付与された繊維と、処理剤が付与されていない繊
維パルプ・バインダ−等を用いて抄紙してもかまわな
い。処理剤が付与された紙料が紙料全体の5重量%以
上、特に10重量%以上、さらに60重量%以上である
のが好ましい。またバインダ−は紙料の10〜20重量
%程度配合するのが好ましい。
【0035】抄紙方法、紙料の配合等については適宜目
的に応じて選択すればよく、従来公知の方法に基づいて
抄紙すればよい。これらの紙料を分散して抄紙するが、
紙料の濃度はスラリ−で1〜10重量%、チェストで
0.5〜5重量%程度にするのが好ましい。また分散液
としては常温(0〜40℃程度)の水を用いるのが好ま
しいが、他の液体が含まれていてもよく、また添加剤が
配合されていてもかまわない。本発明によれば特に他の
添加剤を配合することなく優れた効果が得られるが、目
的等に応じて適宜添加剤を配合して一層優れた効果を得
ることができる。添加剤としては具体的には、サイズ
剤、紙力増強剤、填料等の紙性能を向上させるものや、
歩留向上剤、分散剤(粘剤)、消泡剤、離型剤等の製紙
工程を安定化させるもの等を挙げることができる。かか
る紙料を抄きあげて湿潤原紙を製造するが、このとき用
いる抄き網は円網、短網等のいずれを用いてもかまわな
い。得られた湿潤紙を乾燥する方法は特に限定されず、
たとえばヤンキ−タイプ、多筒タイプ、スル−ドライヤ
−タイプ等の乾燥機を用いればよい。乾燥方法等は、紙
の配合、厚さ、紙料の叩解度、乾燥前後の水分率、単位
時間に乾燥される水分重量等によって乾燥方法、乾燥時
間、乾燥温度等の諸条件を決定すればよいが、たとえば
80〜130℃程度で乾燥を施すのが好ましい。
【0036】本発明により得られる不織布は目的により
そのまま用いることも可能であるが、熱プレス処理によ
り紙の表面の艶だしを行なうと同時に強度を高め、高温
における形態安定性を著しく向上させることができる。
【0037】本発明により得られた紙は、紙料の均一分
散性が優れているために、地合、紙力等の諸性能に優れ
ているためあらゆる用途に用いることができる。適用で
きる用途は特に限定されず、衛生材料、家庭用品、農業
用、水産用、工業用、電気分野等のあらゆる分野に適用
できる。特に溶融液晶性ポリエステル繊維を用いている
場合には、高強力高弾性率、非吸湿性、耐熱性、耐薬品
性等の性能を十分に発揮し、さらに高温での形態安定性
や地合等に優れた紙が得られるため特に様々な分野に適
用でき、例えば産業資材用途等で広く用いられ、特にブ
レ−キライニング、クラッチフェ−シング、軸受け等の
摩耗材、パッキング材、ガスケット材、フィルタ−,研
磨材、絶縁紙、耐熱紙、スピ−カ−コ−ン、ワイピング
クロス、樹脂強化剤等に好適に使用でき、特に電気絶縁
紙として優れた性能を有している。
【0038】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明は、何等実施例により限定されるものではな
い。 [対数粘度 dl/g]試料をペンタフルオロフェノ−
ルに0.1 重量%溶解し(60〜100 ℃)、60℃の恒温槽中
で、ウベロ−デ型粘度計で相対粘度(ηrel )を測定
し、次式によって計算した。なお。cはポリマ−濃度
(g/dl)である。 ηinh =ln(ηrel )/c
【0039】[融点 ℃]DSC(例えばMettler 社製
TA3000)装置にサンプルを10〜20mgとり、アルミ製パン
へ封入した後、窒素を50cc/min流し、昇温速度20℃/min
で測定したとき、吸熱ピ−ク温度の頂点を表す温度を融
点(Tm)として測定する。1st-run で明確な吸熱ピ−
クが現れない場合は、50℃/minの昇温温度で、予想され
る吸熱ピ−ク温度より50℃以上高い温度で3分程度加熱
し完全に溶融した後、80℃/minで50℃まで冷却し、しか
るのち20℃/minの昇温速度で測定した値を用いる。
【0040】[溶融液晶性繊維、パルプ状物]パラヒド
ロキシ安息香酸と2−ヒドロキシ9ナフトエ酸73/27 モ
ル%比であり、融点280 ℃、対数粘度5.1dl/g のポリマ
−を通常の溶融紡糸設備でノズルヘッド温度300℃で
押し出し、1500d/600fのヤ−ン(対数粘度
5.1dl/g、融点280℃、約100量体)を製造
した。これを叩解してパルプ化いたものをパルプ状物
(CSF600)として用いた。叩解前の紡糸原糸を窒
素気流中で180〜250℃で5時間熱処理し、さらに
窒素中で250〜280℃で11時間熱処理し、固相重
合して製造したヤ−ン(対数粘度30.1dl/g、融
点370℃、約300量体)を溶融液晶性繊維として用
いた。 [目付 g/m2 ]ぞれぞれJIS P−8124に準
じて測定した。
【0041】[発泡性 mm]処理剤を50rpmの濃
度に調整後、50mlを直径24mmの円柱型容器に入
れてシントウ機(270回/分、振幅90mm、イワキ
株式会社製)により3分間シントウし、生じた泡により
形成された層の厚さ(液面からの泡の最上部までの距
離)により評価した。
【0042】[分散性 個]処理剤を付与した試料の
0.25重量%水分散液を調製し、撹拌機(スリ−ワン
モ−タ−製)で600rpm×6分間撹拌し、その後緩
速撹拌150rpm×30分間行った。これを増粘剤
(明製化学製「アルコックスSR」)とともにTAPP
I抄紙機(20×25cm)に入れて抄紙し、20cm
×25cm面積当たりの未解繊繊維(フロック数)によ
り評価した。
【0043】[実施例1]化合物Aとして、一般式
(c)に示されたn=65、平均分子量8000の化合
物を用い、化合物Bとして、R6及びR7が炭素数17
のアルキル基である平均分子量1200の化合物を用い
た。溶融液晶性ポリエステル繊維(1500d/600
f)を300万デニ−ルのトウに集束後、処理剤水分散
液中にデイップして、処理剤を0.2重量%(固形分)
付与後、これを自動式ギロチンカッタ−で繊維長5mm
にカットした。これを「分散性」の評価方法に従って抄
紙したが発泡はほとんど生じず、そして繊維の分散性が
高いために地合、強力等の諸性能に優れた紙が得られ
た。結果を表1に示す。
【0044】[実施例2]実施例1と同様の化合物A、
Bを用い、配合割合及び付着量を変更した以外は実施例
1と同様に行ったところ、実施例1と同様に良好な結果
が得られた。結果を表1に示す。
【0045】[実施例3]実施例1と同様の溶融性ポリ
エステル繊維(繊維長5mm)30重量%と未熱処理溶
融液晶性繊維を叩解して得られたパルプ状物70重量%
を用い、これらをともに実施例2と同様の方法で処理剤
を付与して付着率0.5重量%とした以外は実施例1と
同様に行ったところ、実施例1と同様に良好な結果が得
られた。特に実施例3においてはパルプ状物を用いてい
るので一層緻密で強度の強い紙が得られた。通常、微細
なパルプ状物は水分散性が低下しやすい問題が生じる
が、処理剤を付与しているためにかかる問題は生じなか
った。結果を表1に示す。 [比較例1]実施例1と同様の化合物Aを用い、化合物
Bを付与しない以外は実施例2と同様に行った。抄紙工
程において繊維の分散性が不十分であり、しかも発泡が
生じ、発泡部分では繊維が密に存在できないために繊維
分布が不均一となり、地合に優れた紙は得られなかっ
た。結果を表1に示す。
【0046】[比較例2]実施例1と同様の化合物Bを
用い、化合物Aを付与しない以外が実施例2と同様に行
った。発泡はそれほど生じなかったものの、繊維の分散
性が低いためにフロックが多数生じて品位の低い紙とな
った。結果を表1に示す。
【0047】
【表1】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(a)で示される化合物A及び一
    般式(b)で示される化合物Bを含む組成物。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 一般式(a)で示される化合物A及び一
    般式(b)で示される化合物Bを含む紙料用処理剤。 【化3】 【化4】
  3. 【請求項3】 一般式(a)で示される化合物A及び一
    般式(b)で示される化合物Bを含む処理剤が付着した
    溶融液晶性ポリエステル繊維。 【化5】 【化6】
  4. 【請求項4】 一般式(a)で示される化合物A及び一
    般式(b)で示される化合物Bを含む処理剤が付着した
    溶融液晶性ポリエステル繊維を用いてなる不織布。 【化7】 【化8】
  5. 【請求項5】 一般式(a)で示される化合物A及び一
    般式(b)で示される化合物Bを含む処理剤が付着した
    溶融液晶性ポリエステル繊維を用いる不織布の製造方
    法。 【化9】 【化10】
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